JPH07213222A - 冷凍魚卵及びその製造方法 - Google Patents
冷凍魚卵及びその製造方法Info
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- JPH07213222A JPH07213222A JP6033229A JP3322994A JPH07213222A JP H07213222 A JPH07213222 A JP H07213222A JP 6033229 A JP6033229 A JP 6033229A JP 3322994 A JP3322994 A JP 3322994A JP H07213222 A JPH07213222 A JP H07213222A
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Abstract
法を提供する。 【構成】 塩抜きしたかずの子を0.8重量%以上のア
スパラギン酸ナトリウムを含有する水溶液に浸漬処理し
た後、冷凍せしめることにより、食べる時塩抜きの必要
がなく、かつ、かずの子本来の味や歯ざわりなどの特性
を保有する冷凍かずの子を得る。
Description
法、詳しくは解凍時にドリップ流出等の凍結損傷を生じ
ない冷凍魚卵及びその製造方法に関する。
ら取り出し、塩水による血抜き、塩締め、洗浄・水切
り、過酸化水素による漂白、塩水洗浄、塩固め(塩水中
への浸漬)、水切り等の前処理を行った後固化させて保
存可能な塩蔵品として提供されている。
魚、肉類等の食品類の保存手段として塩蔵法の外に冷凍
法が知られているが、特にかずの子は、前処理時の塩分
が残り、また、たとい塩抜きしても一旦冷凍して解凍す
ると、凍結損傷を受けて組織が破壊され、卵質が変化変
性し、いわゆる「シバレ子」や「モロ子」になってしま
う。
卵粒相互間の密着度が小さく、不透明なスポンジ状とな
り、卵粒内容物が流出して卵膜のみが残って遠心ドリッ
プ量も少ないなどの特徴を示す状態をいう。また「モロ
子」とは凍結損傷により、脆くて卵粒がばらばらになっ
たものをいう。
は、元の状態に戻らず、テクスチャーも悪く、商品とし
ての価値も低下する。したがって、かずの子の保存には
このような変性をもたらす凍結は禁物とされ、専ら塩蔵
法が用いられており、その保管は凍結しない範囲の低温
で行わなければならない。また、たらこも同様に凍結損
傷を受け解凍時にドリップが流出するという問題点があ
る。
けて塩じめしているので、かずの子自体塩分を21〜2
2%程度含有しており、減塩食品が要求される現今では
食べるとき塩抜きを必要とするので好ましくない。そこ
で、本発明者は冷凍法による保存方法について種々研究
した結果、予め塩抜きしたかずの子をアスパラギン酸ナ
トリウムを含有する処理液で浸漬処理した後、冷凍する
ことにより、解凍しても凍結前のかずの子の特性が何等
損なわれることなく保持される知見を得、本発明に到達
した。
損傷を生じない冷凍魚卵及びその製造方法を提供するこ
とにあり、さらには、食べる時塩抜きの必要がなく、か
つ、かずの子本来の味や歯ざわりなどの特性を保有する
冷凍かずの子、またドリップ流出等の凍結損傷を生じな
い冷凍たらこを提供することにある。
ラギン酸ナトリウムを含有する処理液に浸漬処理した
後、冷凍してなる冷凍魚卵である。
をアスパラギン酸ナトリウムを含有する処理液に浸漬処
理することを特徴とする冷凍魚卵の製造方法である。
用いる場合、好ましくは、予め塩抜きした低濃度の塩分
しか含有しないものを用い、アスパラギン酸ナトリウム
を含有する水溶液に浸漬処理した後、冷凍してなる冷凍
かずの子である。塩抜きすべきかずの子はいわゆる塩蔵
品であって、血抜き、塩締め、洗浄・水切り、過酸化水
素による漂白、カタラーゼ処理、塩水洗浄、塩固め(塩
水中への浸漬)、水切り等の前処理を完了したものであ
る。
漬する処理液は、アスパラギン酸ナトリウムを含有する
水溶液であって、水にアスパラギン酸ナトリウムを0.
8重量%以上添加したものが好ましい。上限は特に限定
されるものではないが、コスト面等から2.0重量%程
度であり、通常0.8〜2.0重量%あるいはかずの子
に対して2〜3重量%の範囲で用いればよい。必要に応
じ添加剤を加えてもよい。
理した後、−18℃以下の冷凍庫中で凍結することによ
り冷凍かずの子が得られる。処理液の濃度により、浸漬
時間を短縮することができるが、一般に5〜6時間の浸
漬が確実である。
らこその他の魚卵において冷凍魚卵を得るのにも適用す
ることができる。例えば、たらこをアスパラギン酸ナト
リウムを含有する処理液に浸漬処理した後、冷凍して冷
凍たらこが得られる。この場合、通常、原料卵の洗浄、
水切りの後の塩漬けの際の漬け込み液中にアスパラギン
酸ナトリウムを添加した液に浸漬処理する。アスパラギ
ン酸ナトリウムの濃度は上記と同程度である。たらこは
塩分濃度4〜6%の塩分で凍結損傷として解凍時のドリ
ップ流出が問題となるが、アスパラギン酸ナトリウムを
含有する処理液に浸漬処理した後冷凍したものは、その
後解凍しても非処理品に比べてドリップが非常に出にく
い状態で身のしまりも良好となる。漬け込み液は、例え
ば、亜硝酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、食
塩の混合液が用いられる。
kgを用意し、このかずの子を塩抜きした。塩抜きは、
先ず水10lに食塩30gを入れてよく撹拌し、そこに
かずの子3kgを入れ塩抜きを開始する。3時間後塩水
を捨て再度同じ要領で塩水を取り替える。さらに3時間
後かずの子の薄皮を取り除き塩水も取り替える。3時間
経過後、塩抜きを完了した。
A〜Iに示す処理液(18℃)に浸漬した。5〜6時間
経過後、処理液からかずの子を取り出し、室温(20
℃)にて30〜60分水切りした。水切りした後、それ
ぞれ200gずつの真空包装をかけた。次いで、−20
℃の凍結室に保管し、かずの子を凍結状態にさらした。
10日後、上記工程で処理したかずの子を解凍し、品
質、味、外観などについて評価した。評価の結果を表2
に示す。
た。処理液A〜Cのものについては浸漬時間を延長し、
D〜Iについては浸漬時間を短縮した。A〜Cの処理液
のものについては12時間と24時間に延長して浸漬し
たが、いずれもしばれ子になり、苦みが出てくるので、
長時間の浸漬は好ましくない。D〜Iの処理液のものに
ついては、2時間程度に短縮してもしばれにはならない
が、5〜6時間の浸漬が確実である。
抜いて上記の実施例と同様に試験した。その結果、かず
の子独特の弾力性のある歯触りがなく、皮が残るような
食感で光沢や艶も失われ、商品としての価値が損なわれ
てしまった。
後、アスパラギン酸ナトリウムを添加した漬け込み液1
l中に浸漬して漬け込みを行った。漬け込み液は、亜硝
酸ナトリウムとアスコルビン酸ナトリウムの配合割合が
漬け込み液1lあたり夫々0.174gと19gとなる
ようにし、食塩を漬け込み液1lあたり約600g混合
し、これにアスパラギン酸ナトリウムを添加したものを
使用した。アスパラギン酸ナトリウムの添加量はかずの
子の場合と同量程度用いた。漬け込みを約5時間した
後、洗浄、水切りし、容器包装に詰め、−20℃の凍結
室に保管し凍結状態にさらした。10日後、上記工程で
処理したたらこを解凍し、品質、味、外観などについて
評価したところ、アスパラギン酸ナトリウムを含有する
処理液に浸漬処理した後冷凍したものは、その後解凍し
ても非処理品に比べてドリップが非常に出にくい状態で
身のしまりも良好であった。
のない冷凍魚卵が得られる。特にかずの子卵粒独特の硬
さと弾力ある歯ざわり及び風味が保持され、かつ食する
に当たっては塩抜きせずに減塩かずの子を味わうことが
できる。また、たらこ等も凍結損傷による解凍時のドリ
ップ流出がなく風味も良好である。そして、冷凍保存で
あるから、衛生的で保存性がよく、通常の冷凍食品と同
様に取扱うことができ、原材料からの処理加工が容易で
ある等、その効果は大きい。
Claims (5)
- 【請求項1】 魚卵をアスパラギン酸ナトリウムを含有
する処理液に浸漬処理した後、冷凍してなる冷凍魚卵。 - 【請求項2】 冷凍魚卵の製造工程中に、魚卵をアスパ
ラギン酸ナトリウムを含有する処理液に浸漬処理するこ
とを特徴とする冷凍魚卵の製造方法。 - 【請求項3】 塩抜きしたかずの子をアスパラギン酸ナ
トリウムを含有する水溶液に浸漬処理した後、冷凍して
なる冷凍かずの子。 - 【請求項4】 塩抜きしたかずの子を0.8重量%以上
のアスパラギン酸ナトリウムを含有する水溶液に浸漬処
理した後、冷凍せしめることを特徴とする冷凍かずの子
の製造方法。 - 【請求項5】 たらこをアスパラギン酸ナトリウムを含
有する処理液に浸漬処理した後、冷凍してなる冷凍たら
こ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6033229A JP2855562B2 (ja) | 1994-02-07 | 1994-02-07 | 冷凍魚卵及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6033229A JP2855562B2 (ja) | 1994-02-07 | 1994-02-07 | 冷凍魚卵及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07213222A true JPH07213222A (ja) | 1995-08-15 |
JP2855562B2 JP2855562B2 (ja) | 1999-02-10 |
Family
ID=12380638
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6033229A Expired - Lifetime JP2855562B2 (ja) | 1994-02-07 | 1994-02-07 | 冷凍魚卵及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2855562B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009089688A (ja) * | 2007-10-11 | 2009-04-30 | Q P Corp | 冷凍魚卵加工品 |
JP2011155931A (ja) * | 2010-02-02 | 2011-08-18 | Toyo Suisan Kaisha Ltd | 加工タラコおよびその製造方法 |
-
1994
- 1994-02-07 JP JP6033229A patent/JP2855562B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009089688A (ja) * | 2007-10-11 | 2009-04-30 | Q P Corp | 冷凍魚卵加工品 |
JP2011155931A (ja) * | 2010-02-02 | 2011-08-18 | Toyo Suisan Kaisha Ltd | 加工タラコおよびその製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2855562B2 (ja) | 1999-02-10 |
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