JPH07211343A - 鉛蓄電池用電解液保持剤及びそれを用いる密閉形鉛蓄電池 - Google Patents

鉛蓄電池用電解液保持剤及びそれを用いる密閉形鉛蓄電池

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JPH07211343A
JPH07211343A JP6018917A JP1891794A JPH07211343A JP H07211343 A JPH07211343 A JP H07211343A JP 6018917 A JP6018917 A JP 6018917A JP 1891794 A JP1891794 A JP 1891794A JP H07211343 A JPH07211343 A JP H07211343A
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amorphous silica
battery
electrolyte
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正温 坪田
Katsuto Takahashi
克仁 高橋
Masaaki Shiomi
塩見  正昭
Kiyoshi Abe
潔 阿部
Masanori Tanaka
正範 田中
Yuji Washio
雄二 鷲尾
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電解液保持性に優れ、電池内への充填性及び
耐久性にも優れた球状の非晶質シリカ系電解液保持剤及
びそれを用いた密閉形鉛蓄電池を提供する。 【構成】 電子顕微鏡観察下に表面が滑らかで粒子径が
20乃至100μmの球状粒子で、見掛比重が0.15
〜0.3g/ccで、且つ吸液性の細孔容積が0.6乃
至3.0cc/gの範囲にある球状の非晶質シリカ粒子
を電解液保持剤として正極板と負極板との間隙等に充填
し、これに電解液を保持させた密閉形鉛蓄電池。 【効果】 該保持剤は流動性に優れ短時間で電池内に充
填され、大きいレベルで吸液性ポアを有することから短
時間で電解液が注入され、且つ電解液保持性と放電性能
に優れた電池が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉛蓄電池用電解液保持
剤に関するもので、より詳細には、電解液保持性に優れ
ていると共に電池内への充填性や電池内での粒子強度や
耐久性にも優れている非晶質シリカ系電解液保持剤及び
それを用いた密閉形鉛蓄電池に関する。
【0002】
【従来の技術】鉛蓄電池の電解液保持剤として非晶質シ
リカを用いることが注目されている。特開平4−923
76号公報には、電池内の正・負極板とセパレータとの
間の間隙およびエレメントの周囲にシリカの微小粉体を
充填・配置し、放電に必要かつ充分な量の硫酸電解液を
上記シリカ粉体および正・負極板、セパレータに含浸・
保持させた構成の密閉式鉛蓄電池において、シリカ粉体
の粒子直径が0.05μm以上7μm以下のシリカ粉体
が全シリカ粉体のうちの0.3乃至10重量%、残部が
10μm以上500μm以下の粒子直径をもつシリカ粉
体であることを特徴とする密閉式鉛蓄電池が記載されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】非晶質シリカは、一次
粒子径が極めて微細で表面活性があり、また硫酸電解液
中でも化学的に安定であり、二次粒子が多孔質なものは
電解液の保持性も優れている。しかしながら、非晶質シ
リカ粒子を多孔質にすると、粒子の流動性が低下し、ま
た粒子強度が低下するという欠点が生じる。即ち、電池
内の極板とセパレータとの間の間隙に非晶質シリカ粒子
を充填する作業が必要となるが、粒子の流動性が悪い
と、この充填に長時間を要すると共に、上記間隙にデッ
ドスペースなしに一様な充填を行うことが困難となる。
また、粒子強度が低いと、シリカ粒子を電池内に振動を
与えながら充填する際に既に破砕され、或いは電池とし
て使用する際の振動により破砕されるという問題があ
る。
【0004】一方、非晶質シリカ粒子の粒子強度を高
め、更にその流動性を高めようとすると、最終シリカ粒
子の表面が滑らかになり多孔質性が失われ、本来の電解
液保持性が低下し電池の放電容量が低下するという欠点
がある。かように、非晶質シリカ粒子の電解液保持性の
向上と、粒子の流動性や強度の向上とは互いに相対立す
るものであり、これらを両立させることは困難であっ
た。本発明者等は、比較的大きな細孔容積を有しながら
表面が滑らかで割れのない球状粒子の非晶質シリカの製
造に成功し、この非晶質シリカ球状粒子は鉛電池用電解
液保持剤として特に適していることを見出した。従っ
て、本発明の目的は、内部が多孔質でありながら、粒子
表面が滑らかで割れのない真球状であり、電解液保持性
と流動性及び粒子強度との組合せに優れている鉛電池用
電解液保持剤及びそれを用いた密閉形鉛蓄電池を提供す
るにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、電子顕
微鏡観察下に表面が滑らかな球状粒子から成り、コール
ターカウンター法で測定して20乃至100μmの体積
基準メジアン径を有しJISK6220.6.8法で測
定して0.15乃至0.3g/ccの見掛比重を有し且
つ水銀圧入法で測定して細孔半径100乃至43500
オングストロームの範囲での細孔容積が1.0乃至3.
5cc/gの範囲にある非晶質シリカ粒子から成ること
を特徴とする鉛蓄電池用電解液保持剤を提供するにあ
る。
【0006】更にまた、本発明によれば、電子顕微鏡観
察下に表面が滑らかな球状粒子から成り、コールターカ
ウンター法で測定して20乃至100μmの体積基準メ
ジアン径を有しJISK6220.6.8法で測定して
0.15乃至0.3g/ccの見掛比重を有し且つ水銀
圧入法で測定して細孔半径100乃至43500オング
ストロームの範囲での細孔容積が1.0乃至3.5cc
/gの範囲にある非晶質シリカ粒子を電解液保持剤とし
て正極板と負極板との間隙及び極板群の周囲に充填し、
この保持剤に電解液を保持させたことを特徴とする密閉
形鉛蓄電池を提供するにある。
【0007】この電子顕微鏡観察下に表面が滑らかな球
状の非晶質シリカ粒子は、均質化されたゲル法シリカヒ
ドロゲル分散液に沈降法非晶質シリカを分散させ、この
生成分散液をスプレー造粒することにより得られる。
また、好適にはスプレー造粒するに当り、上記ゲル法シ
リカ分散液のシリカヒドロゲルが水銀圧入法による細孔
容積が細孔半径100乃至1000Åのメソポア領域で
0.2乃至0.65cc/gの範囲にある該シリカヒド
ロゲルを用いることが望ましい。また、好適な別法とし
てこのシリカ粒子は、沈降法非晶質シリカの分散液或い
は沈降法非晶質シリカとシリカヒドロゲルの分散液に、
SiO2 当り0.5乃至30重量%の水酸化アルカリを
添加し、このアルカリ性分散液をスプレー造粒すること
により得られる。
【0008】
【作用】本発明に用いる非晶質シリカ粒子は、細孔半径
100乃至43500オングストロームの範囲での細孔
容積が0.6乃至3.0cc/g,特に1.7乃至2.
5cc/gと大きい値を示しながら、電子顕微鏡観察下
に、表面が滑らかで割れのない球状粒子であることが顕
著な特徴である。添付図面の図1は、本発明に用いる非
晶質シリカ粒子の細孔半径と細孔容積分布との関係を示
すグラフであり、図2はこの非晶質シリカの粒子構造を
示す電子顕微鏡写真である。
【0009】一方、図3は公知の沈降法による多孔質非
晶質シリカ粒子の細孔分布曲線であり、図4はこの公知
の非晶質シリカの粒子構造を示す電子顕微鏡写真であ
る。また、図5は公知のゲル法による表面が緻密なガラ
ス質の球状非晶質シリカ粒子の細孔分布曲線であり、図
6はこの公知の非晶質シリカの粒子構造を示す電子顕微
鏡写真である。また図7は同じくゲル法の非晶質シリカ
であるが、メソポアが多く有る非晶質シリカの粒子構造
を示す電子顕微鏡写真である。図1、3及び5の細孔容
積分布曲線を参照すると、この非晶質シリカは、右側に
シリカ一次粒子に基づく、ミクロポアのピーク(細孔半
径約100Åよりも小)と、左側に二次粒子間の間隙に
基づくピーク(細孔半径約43500Åよりも大)とが
ある。また、図5のものでは、これら両ピーク以外には
ピークが認められないのに対して、図1及び3のもので
は、前記両ピークの中間に、細孔半径が100乃至43
500Åに至る広い領域(吸液性ポア)にブロードなピ
ークが存在し、且つ図1には図3に見られるメソポアの
中でも細孔半径100Åに近いミクロポア側にシャープ
なピークが見られないことがわかる。
【0010】また図4と図6とを比較すると、図4の非
晶質シリカ粒子は沈降法によって得られた吸液性ポアを
多く有するものであるが、粒子表面を緻密にさせるバイ
ンダー性に乏しいために、粒子表面がボサボサ状で表面
の滑らかさが見られない。一方ゲル法の非晶質シリカで
あって、且つメソポアが少ない図6では、粒子表面が滑
らかな状態を維持し得るが、吸液性ポアが少ないもので
ある。又図7では、同じゲル法の非晶質シリカで粒子の
表面が滑らかであっても、メソポアが多く有り過ぎて大
きなクラックが生じるものである。本発明に用いる非晶
質シリカ粒子は図2に示す通り、表面が滑らかで割れの
ない球状粒子でありながら、上記吸液性ポアを0.6乃
至3.0cc/gと大きいレベルで有しており、これは
電池用電解液保持剤として大きな吸液性と、優れた充填
性能及び粒子強度とを示すものである。
【0011】即ち後述する例の図9に示す通り、例えば
平均粒子径40μmにおいて比較すると、公知の非晶質
シリカ(BS)は、電池内に充填するのに10分の時間
を必要とするのに対して、本発明の球状非晶質シリカ
(AS)では、同じ条件で3.5分の時間で充填が完了
し、充填時の流動性に優れていることがわかる。また、
公知の図6に示す上記非晶質シリカではシリカ充填層中
に硫酸電解液を含浸させるのに9.5分の時間を必要と
するのに対して、本発明の球状非晶質シリカでは同じ条
件で2分の時間で、充填含浸が完了し電解液の保持性に
優れていることがわかる。
【0012】更に粒子強度について両者を比較してみて
も、公知の図4に示す非晶質シリカは後述する振動条件
下で25%にも達する粉化率を示すのに対して本発明の
ものでは同様な条件での粉化率を5%以下に抑制できる
ことから明らかである。本発明において細孔容積の細孔
半径の範囲を100乃至43500Åと規定しているの
は、この細孔半径のものが電解液保持に寄与するためで
あり、細孔容積が本発明で規定した範囲を下回ると、電
解液保持性が不十分であり、一方前記範囲を上回ると粒
子の流動性や粒子強度が不満足なものとなり易いからで
ある。
【0013】本発明に用いる非晶質シリカ球状粒子は、
体積基準メジアン径が20乃至100μmの範囲にある
のがよく、これよりも粒径が小さいと流動性や充填作業
性や電解液の注液性が悪くなり、一方上記範囲よりも大
きいと、やはり電池内の小間隙に効率よくしかも均一に
充填することが困難となる。また、見掛比重が0.15
乃至0.3g/ccの範囲にあることも作業性や性能の
点で重要であり、上記範囲よりも小さいと粉塵飛散等に
より充填作業性が悪くなり一方上記範囲よりも大きい
と、電解液保持性が低下して何れも好ましくない。
【0014】本発明において、非晶質シリカの吸液性ポ
アの増大に寄与するのは、原料の少なくとも一部として
使用する沈降法非晶質シリカであり、一方粒子表面を滑
らかで割れのない状態にするのは、バインダーとして寄
与するゲル法の均質化シリカヒドロゲル分散液または非
晶質シリカと反応する水酸化アルカリであり、これらを
スプレー造粒することにより表面が滑らかでしかも吸液
性ポアを有する球状粒子が得られるものである。更にま
た、粒子表面を滑らかで割れのない状態にするにおい
て、バインダーとして寄与する前者のゲル法シリカヒド
ロゲルは、好適には水銀圧入法による細孔容積が細孔半
径100乃至1000Åの領域にあるメソポアが0.2
乃至0.65cc/gの範囲にある該シリカヒドロゲル
を使用することが望ましい。
【0015】これらのことは、一般に細孔分布において
細孔半径150オングストロームより小さいものはミク
ロポア、これよりも大きいものはマクロポアと称されて
いるが、本発明で規定した細孔半径100乃至1000
オングストロームの範囲は、ミクロポア及びマクロポア
にまたがる中間領域のポア、即ちメソポアであり、この
特定領域の細孔半径における細孔容積が粒状物表面の割
れのない滑らかさ及び見掛密度と密接に関連しているこ
とがわかった。これらのことはあくまで実験事実に基づ
くものでその詳細は不明である。添付図面「図8」はゲ
ル法による各種シリカヒドロゲルの非晶質シリカ粒状体
について細孔半径を横軸として細孔容積の分布を示した
グラフであり、曲線A、曲線Bはいずれも図4に見られ
る如く表面に大きなクラックを生ずる非晶質シリカ、曲
線Cは本発明に用いたゲル法によるシリカの表面にクラ
ックを生じない非晶質シリカ及び曲線Dは「図2」の非
晶質シリカを更にアルカリ処理したものの細孔容積分布
を示している。
【0016】即ち、上記したバインダー成分として寄与
する本発明に用いるゲル法ヒドロゲルにおける非晶質シ
リカ粒状体(曲線C)では、従来のゲル法非晶質シリカ
粒状体(曲線A及びB)に比して、上記特定領域の細孔
容積のみが大きく減少しておりこれが粒子表面の緻密化
及び見掛比重の増大に選択的且つ優先的に寄与している
という驚くべき事実が明らかとなる。本発明において
は、用いるゲル法シリカヒドロゲルのこの特定領域にお
ける細孔容積(メソポア)を0.65cc/g以下とす
ることは粒子表面の緻密化及び見掛比重の増大の点で必
須不可欠であるがメゾポアの細孔容積が0.2cc/g
よりも小さくなると、非晶質シリカに要求される各種活
性等が失われるので好ましくないが、本発明の電解液保
持材としては細孔容積が0.65cc/g値より極端に
低い曲線Dなるものは、前述した通りの好適な別法とし
てアルカリで更にメソポアを減少させたシリカ粒子であ
り、バインダー成分としてはより寄与するものと思われ
る。
【0017】
【発明の好適態様】
(沈降法非晶質シリカスラリーの調製)沈降法非晶質シ
リカは、後述する例に示す通り、濃厚なアルカリ金属塩
溶液中でケイ酸ナトリウムと塩酸、硝酸、硫酸等の鉱酸
とを、反応させることにより製造される。原料のケイ酸
アルカリは、工業製品としてJISに規格されている水
ガラスのケイ酸ソーダやケイ酸カリ、さらには酸性白土
等の粘土質原料より回収した易反応性のシリカにアルカ
リ金属の水酸化物溶液を反応させたケイ酸アルカリ等を
使用することができる。ケイ酸アルカリ水溶液における
SiO2 濃度は6乃至28重量%の範囲にあるのがよ
く、SiO2 :M2 O(Mはアルカリ金属である)のモ
ル比は、一般に2:1乃至4:1特に2.5:1乃至
3:1の範囲にあるのがよい。
【0018】アルカリ金属塩溶液としては無機酸又は有
機酸のアルカリ金属塩が単独又は2種以上の組合せで使
用することが出来る。好適にはアルカリ金属塩溶液とし
て食塩、ケイ酸分原料及び酸成分として食塩を生成する
組合せを選ぶのは、コスト的に低廉で且つ金属塩溶液と
してリサイクル使用が容易である。
【0019】濃厚な食塩水溶液中にケイ酸ナトリウムと
塩酸とを同時注加することにより複分解反応によりシリ
カが生成するが、この反応段階でのpHの制御が必要で
あり、同時注加の間中pHを2乃至7、特に好ましくは
3.5乃至6の範囲に維持すると共に、同時注加終了後
pHを2乃至5の範囲としながら熟成を行う。食塩水溶
液の同時注加開始時の濃度は一般に5乃至30重量%、
特に好ましくは13乃至18重量%の範囲にあるのがよ
く、一方同時注加終了時に於るシリカ濃度は1乃至20
重量%の範囲にあるのがよい。同時注加反応時の温度は
50乃至100℃の範囲にあるのがよく、同時注加反応
が3乃至20時間で終結するようにするのが好ましい。
同時注加終了後の熟成は50乃至100℃の温度で30
分乃至25時間程度行うのがよい。生成するシリカを母
液から分離し、ついで水洗し、SiO2 濃度が5乃至3
0重量%のスラリーとする。
【0020】この沈降法による非晶質シリカは、コール
ターカウンター法による平均粒径が0.5乃至3μm
で、BET法による比表面積が120乃至350m2
g、芳香族吸着指数(AAI)が4.5乃至15で、且
つ芳香族吸着指数(AAI)/BET比表面積の比とし
て定義される吸着性比が4.0×10-2乃至7.5×1
-2の範囲にあるのがよい。
【0021】(ゲル法ヒドロゲルスラリーの調製)シリ
カヒドロゲルのスラリーの製造にはケイ酸アルカリ水溶
液と酸水溶液とを反応させて、先ずシリカヒドロゲルを
製造する。ケイ酸アルカリとしては前述したものが使用
される。
【0022】中和反応に用いる鉱酸は、塩酸や硫酸等が
一般に使用されるが、これらの混酸を使用することもで
きる。鉱酸水溶液の濃度は一般に10乃至75重量%、
特に20乃至60重量%の範囲にあるのがよい。両原料
の接触による中和反応は、両原料のどちらか一方の原料
をもう一方の溶液中に攪拌下に添加する方法や、両原料
溶液を一定条件下に同時に接触させる方法がある。中和
温度は、特に制限はないが、一般に50℃以下であり、
中和終了時のpHは0乃至10℃の範囲にあるのが適当
である。この中和により、シリカのヒドロゾルが生成す
るが、このヒドロゾルを一般に30分以上放置すること
により、シリカのヒドロゲルに転化する。
【0023】形成するヒドロゲル中のSiO2 濃度は一
般に5乃至30重量%と低いものであるが、本発明では
ヒドロゲルの細孔調節の外に、水分調節(SiO2 濃度
増加)をも兼ねてシリカのヒドロゲルを熱処理し、Si
2 濃度が5%以上のシリカヒドロゲルとする。この熱
処理の温度は100乃至170℃が適切であり、例えば
オートクレーブ中で行うことができる。
【0024】熱処理後のシリカヒドロゲルを水洗した
後、一般に径が20乃至100μmとなるように粗粉砕
し、これを前述したSiO2 濃度15乃至25重量%の
シリカヒドロゾルスラリーとした後、前述した高速剪断
下での湿式粉砕を行う。湿式粉砕には、それ自体公知の
摩擦内板ミル例えば(ウィリー・A・バッコーフェン社
製のダイノーミル)が好適に使用されるが、勿論高速剪
断が可能であれば、他の湿式粉砕機を使用することもで
きる。この場合スラリーの温度が50℃を越えないよう
にすることも粒径が4μm以下のシリカヒドロゲルのス
ラリーを製造する上で重要である。
【0025】(混合スラリー法による電解液保持剤)本
発明で、混合スラリーを使用する場合、SiO2 基準の
重量比で、沈降法非晶質シリカスラリーAと、シリカヒ
ドロゲルスラリーBとを、 A:B=6:4乃至4:6 特に5.5:4.5乃至4.5:5.5 の重量比で混合するのがよい。
【0026】前述した沈降法非晶質シリカは、粒状体へ
の成形能に欠けているが、シリカヒドロゲルと混合する
ことにより、表面が滑らかで割れのないしかも粒子強度
の大きい粒状シリカに成形できたことは意外なことであ
った。なお後述する実施例からすると、本発明による保
持剤は、電池への充填性、強度及び電池の性能等の総合
評価からすると、保持剤である非晶質シリカ球状粒子の
粒子表面は、電子顕微鏡下に観察されるクラック(表面
の割れ)が、割れのない粒子の個数%で表して、少なく
とも80%以上、好ましくは90%以上、より好ましく
は95%以上であることが望ましい。
【0027】本発明によれば、上記混合スラリーを噴霧
乾燥造粒して、20乃至100μmの体積メジアン径を
有する球状粒子とする。球状でしかも表面が滑らかで割
れのない粒状物を得るためには、SiO2 濃度が15乃
至25重量%の高濃度であることが有利である。尚、乾
燥雰囲気温度は200乃至400℃の範囲にあるのがよ
い。本発明に用いるスラリーはSiO2 濃度が著しく高
いため、水分蒸発量が少なく、噴霧乾燥造粒の効率が高
く、エネルギーコストも低いという利点がある。
【0028】(アルカリスラリー法による電解液の保持
剤)非晶質シリカ粒子の別の製造方法によれば、前述し
た沈降法非晶質シリカスラリー或いは前項で述べた混合
スラリーに、SiO2 基準で0.5乃至30重量%、特
に1乃至10重量%の水酸化アルカリ、特に水酸化ナト
リウムを添加し、このアルカリスラリーを噴霧乾燥造粒
する。これら何れの場合にも、スラリーのSiO2 濃度
は前述した混合スラリー法と同様であってよく、噴霧乾
燥造粒条件も前項の場合に準ずればよい。
【0029】水酸化ナトリウムの添加により、造粒され
つつある粒子表面でケイ酸ナトリウムのバインダー作用
が行われ、粒子表面の平滑化と粒子強度の向上とが行わ
れる。これと同時に吸液性ポアの細孔容積の減少とが生
じる。水酸化アルカリの添加量と吸液性ポアの減少率と
の間には一定の関係があるので、用いる非晶質シリカス
ラリーの吸液性ポアの細孔容積を予じめ高めに設定して
おくことにより、所定の細孔容積の非晶質シリカ粒子を
得ることができる。造粒後の粒子中にあるアルカリ成分
は、通常は必要でないが、所望によっては酸処理してア
ルカリ成分を除去することもできる。本発明によれば、
必要に応じて電解液保持剤として、混合スラリー法で得
られた粒状シリカとアルカリスラリー法で得られた粒状
シリカとを任意の割合で電池に充填して使用することも
出来る。
【0030】(密閉形鉛蓄電池)本発明の電解液保持剤
を使用するに際しては、通常のペースト式正極板及び負
極板及びリブ付きのポリエチレン製のセパレータから成
る極板群を電槽に挿入した電池を製作し、この電池の上
部の充填口から所定量の粒状シリカを充填する。この充
填に際しては周波数60H2 ,加速度5Gの条件の振動
を与えることで、本発明の粒状シリカは短時間の内に円
滑にしかも一様に保持剤として充填され、しかも電解液
の硫酸の注液時間も極めて短縮されることが本発明の利
点である。本発明を次の例で説明する。
【0031】(実施例1)ゲル法によるシリカヒドロゲ
ルと沈降法による非晶質シリカとの混合スラリーを用い
て本発明に用いる球状の非晶質シリカ鉛蓄電池用の電解
液保持剤(以下保持剤という)を調製し、その物性を測
定すると共に電池に用いて、保持剤の充填性、強度、電
解液の注液性、電池性能を調べた。
【0032】ゲル法シリカヒドロゲル(A法) SiO2 として22重量%濃度の3号珪酸ソーダと45
%硫酸とを反応させてシリカヒドロゾルを調製し、次い
で放置させてゲル化させて得られた寒天状のシリカヒド
ロゲルを2〜5mm大に解砕した後、十分に水洗した。
次いで135℃の熱水下で4時間熟成させたこのゲルを
奈良式粉砕機M−4型を用いて粗粉砕しSiO2 として
18乃至25重量%の水性スラリーとした後、スラリー
をシンマルエンタープライゼス社製のダイノミルで高速
剪断下に湿式粉砕をし、粒径及びシリカスラリー濃度の
異なる4種の微粉砕スラリーを調製した(なお粉砕時、
スラリーの温度を50℃以下に保持した)。
【0033】沈降法シリカ(B法) 15重量%の食塩水溶中にSiO2 として22重量%の
ケイ酸ナトリウム溶液と10重量%の塩酸とを同時注加
させる。なお注加中は、反応pHを3.5乃至6に維持
し、注加終了後はpHを3乃至5に維持しながら2時間
の熟成を行った。次いで濾過、水洗して沈降法による非
晶質シリカを得た。 同時注加時の温度:50〜85℃ 熟成温度:50〜85℃保持剤 上記A法で得たSiO2 濃度18及び23重量%の微粉
砕シリカスラリーにSiO2 濃度12重量%のB法シリ
カケーキをSiO2 基準の重量比でA:B=5:5にな
るように混合したものを、アシザワニロ社製SD−25
のスプレードライヤーを用いて噴霧(入口温度240
℃、出口温度100℃)させて平均粒径10乃至120
μmの7種の球状の非晶質シリカから成る保持剤を調製
した。本発明において、保持材の物性及び電池性能等の
測定は以下の方法によった。
【0034】測定方法 (1)見掛比重 JISK−6220.6.8に準拠して測定した。 (2)比表面積 カルロエルバ社製Sorptomatic Serie
s 1800を使用し、BET法により測定した。 (3)細孔容積 150℃、3時間乾燥した試料0.5gを水銀圧入法ホ
ロシメーター(マイクロメリテイクス社製オートポア9
220)を用いて、18乃至43500Åのポアサイズ
を測定し、細孔容積を求めた。 (4)粒度 コールターカウンター(コールターエレクトロニクス社
製TA−II型)法により、アパチャーチューブ50μm
を用いて測定した。
【0035】(5)一次粒子径及び粒子の外観形状 走査型電子顕微鏡(日立製S−570)で得られた写真
像から粒子の外観形状及び代表的な粒子を選んでスケー
ルを用いて粒子像の直径を測定し一次粒子径とした。な
お、表面に割れのない粒子の個数%は、1000倍の写
真5枚の視野を目視観察して算出した平均値で示す。 (6)充填性及び注液性 シリカの充填のし易さについては、通常のペースト式
正、負極板およびリブ付きのポリエチレン製セパレータ
から成る極板群を有する電池を製作し、この電池の充填
口から所定量のシリカが、周波数60Hz、加速度5G
の条件における振動下で充填されるまでの時間を測定す
ることにより評価した。また電解液の注液し易さについ
ては、このシリカを充填した電池に比重1.20(20
℃)の硫酸を真空注液、つまり電池内を真空ポンプで減
圧した後、硫酸を注入する方法で注液し、要した時間で
評価を行った。
【0036】(7)強度 上記(6)に記載の通り振動を加えてシリカを充填した
後に注液した電池からシリカを取り出し、水洗、乾燥し
た後に、コールターカウンター法でそのシリカの粒子径
の測定を行い、充填前後の粒子径を比較して、シリカの
強度を評価した。 (8)電池性能 これらのシリカを電池の電解液保持剤として使用した場
合の電池性能については、注液後に、所定量の充電を行
って電解液比重を1.32(20℃)にした後、5hR
電流で放電し、その後10hR電流で放電量の135%
を充電する充放電サイクルを10回繰り返し、10サイ
クル目の容量で評価した。以上から得られた保持剤は、
0.23〜0.27g/ccの見掛比重を有し、細孔容
積(細孔半径100乃至43500Å)は2.1cc/
g、BET比表面積は270m2 /gである多孔質体で
あって、いずれも図2に見られる如く、電子顕微鏡観察
下から表面が滑らかで割れのない球状粒子であった。
【0037】この保持剤を電池に用いた時の諸性能につ
いて、その結果を図9乃至図12に示した。なお、比較
例として図4に示す粒子表面に凹凸の多い公知の沈降法
及び図7に示す粒子表面に大きな割れのある公知のゲル
法による平均粒子径約40μmの従来の非晶質シリカ球
状体を併せて試験した。図9に示すように、粒子径が2
0乃至100μmの範囲において本発明による保持剤と
しての非晶質シリカ球状体(AS)は、従来のシリカ
(BS)よりも充填も注液も速いことがわかる。ただ
し、シリカの粒子径が20μmよりも小さい場合には、
それらの速度は小さく、従来のシリカ(BS)の値と大
差なかった。これは、本発明のシリカ(AS)でも、粒
子径を小さくしすぎると、充填が困難になること、また
シリカの表面積が高く且つ嵩が高くなるために電解液の
保持能力が過剰に高くなり、注液が困難になることを示
している。
【0038】振動を加えてシリカを充填した後に注液し
た電池からシリカを取り出し、水洗、乾燥した後に、コ
ールターカウンター法でそのシリカの粒子径の測定を行
い、、充填前後の粒子径を比較して、シリカの強度を評
価した。従来の方法で作製したシリカ(BS)は振動に
よって25%も小さくなったが、本発明のシリカ(A
S)は、いずれの粒子径のシリカでも、約5%程度しか
小さくならず、従来のシリカよりも強度が高いことがわ
かった。特に図7に示すようなクラックのあるものは、
充填性が低下することは勿論であるが、特に強度が著し
く低下するため本発明の保持剤としては不適当であっ
た。またこれらのシリカを電池の電解液保持剤とした場
合の電池性能について、その結果を図11に示した。
【0039】図11から明らかなように、本発明の保持
剤であるシリカ(AS)は粒子径が20以上100μm
以下であれば、その放電容量は従来のシリカ(BS)を
用いた電池のそれよりも約10%も多かった。これは前
述したように、従来のシリカを用いた電池では電解液の
浸透が遅く、電池内の液量が結果的に少なくなっている
ためと思われる。20μmよりも小さいシリカや、10
0μmよりも大きいシリカを用いた場合は大きく容量が
低下した。試験後電池を解体したところ、電池の上部と
下部とで電解液量が異なっていた。前者は、上述したよ
うに電解液の注入が困難なために、電解液量が上部で多
く、下部で少なくなるといった不具合が生じ、容量が少
なくなったものと思われる。後者の場合は、逆に電池の
下部で液量が多くなっていた。これはシリカの粒子径が
大きすぎて、電解液の保持能力が低くなったことを示し
ており、このため電解液の成層化が生じて早期に容量が
低下したものと思われる。
【0040】(実施例2)本発明において非晶質シリカ
の吸液性(多孔性)及び粒子表面が滑らかでクラックが
なく、充填性に優れたシリカ球状体を得るために、実施
例1で調製したゲル法のシリカヒドロゲル(A法)と沈
降法の非晶質シリカ(B法)とをSiO2重量比でA
法:B法=7:3、6:4、5:5、4:6、3:7と
変え且つ平均粒径が約40μmの5種のシリカ球状体を
実施例1と同様にして調製し、両者の混合比率の最適値
を求めた 。その結果、細孔半径100乃至43500
オングストロームの範囲での細孔容積が0.4乃至3.
2cc/gであり、その他の条件を考慮すると両者の混
合比率は好ましくは6:4乃至4:6である。
【0041】なお、前述した図8に示した如く、本発明
においてバインダー質となるゲル法のシリカにおいて、
メゾポアの細孔容積が0.65cc/g以下のものを用
いることによって、上記の重量比の範囲にあるものは、
いずれも表面が滑らかでクラックが生じなかった。同様
にして電池へのシリカの充填性及び硫酸の注液性を図1
0に示し、また電池の放電容量を図12に示した。
【0042】以上から充填速度及び硫酸の注液速度が速
く、放電容量も良かったのは、両者のSiO2 量比が
6:4乃至4:6の場合であった。なお、SiO2 量の
比率が上記の範囲にある本発明のシリカ(AS)を水銀
圧入法による細孔容積分布を測定したところ、これらの
シリカは、細孔半径が100乃至43500オングスト
ロームの範囲での細孔容積が0.6乃至3.0cc/g
の範囲にあり、見掛比重は0.15乃至0.3g/cc
であった。これらのことは、前述した通り、充填性、吸
液性を満足するためには、表面が滑らかで見掛比重、細
孔容積が上記した範囲にあることが好ましい。また前述
したように、沈降法非晶質シリカとヒドロゲルシリカに
加えて、水酸化アルカリを添加した混合溶液を噴霧乾燥
造粒して製作すると、シリカの強度は向上し、上述した
方法で振動充填を行っても、シリカの粒子径の低下は2
%程度にまで少なくなった。
【0043】
【発明の効果】本発明に用いる非晶質シリカ粒子は、表
面が滑らかで割れのない球状粒子でありながら、上記吸
液性ポアを0.6乃至3.0cc/gという大きいレベ
ルで有しており、これにより電池用電解液保持剤として
密閉形鉛蓄電池に用いると、充填時の流動性に優れ極め
て短時間で電池内に充填され、しかも硫酸電解液の注液
性にも優れ短時間で電解液を注入され更に表面が滑らか
で割れのない優れた粒子強度を持っていることから、従
来に比べて、安価で放電性能に優れた電池ができ、その
工業的な価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる非晶質シリカ球状体の細孔半径
と細孔容積分布との関係を示すグラフである。
【図2】図1に示す本発明に用いる非晶質シリカ球状体
の粒子構造を示す電子顕微鏡写真である。
【図3】公知の沈降法による多孔質非晶質シリカ粒状体
の図1と同様のグラフである。
【図4】図3に示す公知非晶質シリカの粒子構造を示す
図2と同様の写真である。
【図5】メソポアが0.3cc/gの公知のゲル法によ
る非晶質シリカ球状体の図1と同様のグラフである。
【図6】図5に示す公知の非晶質シリカ球状体の粒子構
造を示す図2と同様の写真である。
【図7】メソポアが0.7cc/gの公知のゲル法によ
る非晶質シリカ球状体の図2と同様の写真である。
【図8】ゲル法による各種シリカヒドロゲルの非晶質シ
リカ粒状体の細孔半径100乃至1000Åにおける細
孔容積を示すグラフである。図中の曲線A,Bはメソポ
アが0.7cc/g以上のもので、曲線Cはメソポアが
0.65cc/g以下のもので、曲線Dはアルカリ処理
したものである。
【図9】保持剤シリカ球状体の粒子径とシリカの充填、
及び硫酸の注液時間との関係を示すグラフであり、図中
の白丸印は充填時間、三角印は注液時間を示す。
【図10】実施例2で得られた保持剤シリカのA法シリ
カの含有量と平均粒径40μmの保持剤シリカの充填及
び硫酸の注液時間との関係を示す図9と同様のグラフで
ある。
【図11】保持剤シリカの平均粒径(μm)と放電容量
との関係を示すグラフである。
【図12】図10に示す保持剤シリカ(AS)の放電容
量を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 克仁 京都府京都市南区吉祥院西ノ庄猪之馬場町 1番地 日本電池株式会社内 (72)発明者 塩見 正昭 京都府京都市南区吉祥院西ノ庄猪之馬場町 1番地 日本電池株式会社内 (72)発明者 阿部 潔 東京都中央区日本橋室町四丁目1番21号 水澤化学工業株式会社内 (72)発明者 田中 正範 東京都中央区日本橋室町四丁目1番21号 水澤化学工業株式会社内 (72)発明者 鷲尾 雄二 東京都中央区日本橋室町四丁目1番21号 水澤化学工業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子顕微鏡観察下に表面が滑らかな球状
    粒子から成り、コールターカウンター法で測定して20
    乃至100μmの体積基準メジアン径を有し、JISK
    6220.6.8法で測定して0.15乃至0.3g/
    ccの見掛比重を有し且つ水銀圧入法で測定して細孔半
    径100乃至43500オングストロームの範囲での細
    孔容積が0.6乃至3.0cc/gの範囲にある非晶質
    シリカ粒子から成ることを特徴とする鉛蓄電池用電解液
    保持剤。
  2. 【請求項2】 電子顕微鏡観察下に算出した表面に割れ
    のない粒子の個数%が80以上である請求項1記載の電
    解液保持剤。
  3. 【請求項3】 前記非晶質シリカ粒子が均質化されたゲ
    ル法シリカヒドロゲル分散液に沈降法非晶質シリカを分
    散させ、この生成分散液をスプレー造粒することにより
    得られたものである請求項1記載の電解液保持剤。
  4. 【請求項4】 前記シリカ分散液においてゲル法シリカ
    ヒドロゲルが水銀圧入法による細孔容積が細孔半径10
    0乃至1000Åの領域で0.2乃至0.65cc/g
    の範囲にある該シリカヒドロゲルから成る請求項3記載
    の電解液保持剤。
  5. 【請求項5】 ゲル法シリカヒドロゲルと沈降法非晶質
    シリカとがSiO2として、6:4乃至4:6の重量比
    で存在する請求項3又は請求項4記載の電解液保持剤。
  6. 【請求項6】 前記非晶質シリカ粒子が、沈降法非晶質
    シリカの分散液或いは沈降法非晶質シリカとシリカヒド
    ロゲルの分散液に、SiO2 当り0.5乃至30重量%
    の水酸化アルカリを添加し、このアルカリ性分散液をス
    プレー造粒することにより得られたものである請求項1
    記載の電解液保持剤。
  7. 【請求項7】 電子顕微鏡観察下に表面が滑らかな球状
    粒子から成り、コールターカウンター法で測定して20
    乃至100μmの体積基準メジアン系を有し、JISK
    6220.6.8法で測定して0.15乃至0.3g/
    ccの見掛比重を有し且つ水銀圧入法で測定して細孔半
    径100乃至43500オングストロームの範囲での細
    孔容積が0.6乃至3.0cc/gの範囲にある非晶質
    シリカ粒子を電解液保持剤として正極板と負極板との間
    隙および極板群の周囲に充填し、この保持剤に電解液を
    保持させたことを特徴とする密閉形鉛蓄電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001131337A (ja) * 1999-11-04 2001-05-15 Mizusawa Ind Chem Ltd アンチブロッキング剤
JP2005268006A (ja) * 2004-03-18 2005-09-29 Nippon Sheet Glass Co Ltd 蓄電池用セパレータ及びその製造方法
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