JPH0721053B2 - 芳香族ポリ(チオ)エ−テルケトンの製造方法 - Google Patents

芳香族ポリ(チオ)エ−テルケトンの製造方法

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JPH0721053B2
JPH0721053B2 JP30607786A JP30607786A JPH0721053B2 JP H0721053 B2 JPH0721053 B2 JP H0721053B2 JP 30607786 A JP30607786 A JP 30607786A JP 30607786 A JP30607786 A JP 30607786A JP H0721053 B2 JPH0721053 B2 JP H0721053B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は結晶性熱可塑性芳香族ポリ(チオ)エーテルケ
トンの重合後の処理方法に関する。
〔従来の技術〕
一般式〔III〕 (〔III〕式中、R1〜R20は水素原子、ハロゲン原子、炭
化水素基、又はアルコキシ基を示し、Xは直接結合、酸
素又は硫黄原子を示し、lは0〜2の整数を示し、mは
0〜3の整数を示し、nは0又は1である)の構造を持
つ芳香族ポリ(チオ)エーテルケトン、特に構造式〔I
V〕 及び〔V〕 の構造を持つ芳香族ポリエーテルケトンは高融点(〔I
V〕、Tm=365℃;〔V〕、Tm=334℃)且つ高ガラス転
移点(〔IV〕、Tg=154℃;〔V〕、Tg=144℃)を有
し、耐熱性、機械的性質、電気的性質及び寸法安定性に
優れ、且つ吸水率が低く、物理的に非常に優れたポリマ
ーである事が知られている。又、濃硫酸以外の溶剤には
不溶であり、耐薬品性も非常に優れたポリマーである。
一方その反面、これらのポリマーの製造方法としては、
4,4′−ジフルオロベンゾフエノンと4,4′−ジヒドロキ
シベンゾフエノン又はジヒドロキノンのアルカリ金属塩
をジフエニルスルホン中で反応させる方法が知られてい
るが、反応温度を300℃以上にする必要がある事や4,4′
−ジフルオロベンゾフエノンが高価な事等、その製造方
法には欠点が多い。
本発明者等は上記の点を鑑み、鋭意検討を行ない、下式
〔VI〕にみられるポリエーテルケトンを芳香族エーテル
またはチオエーテルと芳香族カルボン酸ジハライドとの
反応により温和な条件下で合成出来ること (式中Xは0またはsを示す。) (特開昭59−159826号公報、特開昭60−120720号公報参
照) また、芳香族ポリエーテルケトン〔IV〕及び〔V〕さら
に芳香族ポリチオエーテルケトン〔VII〕 を芳香族(チオ)エーテルとホスゲンとの反応により、
ルイス酸存在下、非プロトン性有機溶媒中で室温付近の
温和な条件下で、しかも、著しく安価に製造する方法を
見出した。
(特開昭60−72923号公報、特開昭60−101119号公報、
及び特開昭60−104126号公報参照) しかし、このような方法で製造した芳香族ポリ(チオ)
エーテルケトンを触媒を失活させ、さらに除去するため
に洗滌を行なつた後、乾燥したポリマーを溶解加熱する
とゲル化してしまうような熱的に不安定な欠点を有して
いた。
〔発明の目的〕
本発明者等は上記の点を改良すべく、さらに鋭意検討を
重ねた結果、重合および触媒を不活性化した後の後処理
工程において還元処理を行ない、さらにその後の工程に
おいてリン化合物を添加することにより熱安定性が著し
く向上することを見出し、本発明に到つた。
すなわち、還元処理のみを行なつた場合、または還元処
理を行なわずにリン化合物を添加した場合と比較して著
しい熱安定性向上効果がある。
すなわち、本発明の要旨は一般式〔III〕 (〔III〕式中、R1〜R20は水素原子、ハロゲン原子、炭
化水素基、又はアルコキシ基を示し、Xは直接結合、酸
素、又は硫黄原子を示し、lは0〜2の整数を示し、m
は0〜3の整数を示し、nは0又は1である) の芳香族ポリ(チオ)エーテルケトンを製造するに際
し、重合および触媒を不活性化した後の後処理工程にお
いて還元処理を行ない、さらにその後の工程においてリ
ン化合物を添加することによる熱安定性の著しい改良に
存する。
〔発明の構成〕
本発明を詳細に説明するに、この様な芳香族ポリ(チ
オ)エーテルケトンのスラリー重合は、一般式〔I〕 (〔I〕式中、R1〜R12は水素原子、ハロゲン原子、炭
化水素基、又はアルコキシ基を示し、Xは直接結合、酸
素原子又は硫黄原子を示し、lは0〜2の整数である) で表わされる芳香族(チオ)エーテルと、一般式〔II〕 (〔II〕式中、R13〜R20は水素原子、ハロゲン原子、炭
化水素基、又はアルコキシ基を示し、Xは直接結合、酸
素原子又は硫黄原子を示し、Yはハロゲン原子を示し、
mは0〜3の整数である) で表わされる芳香族ジカルボン酸ジハライドまたはホス
ゲンとを、ルイス酸の存在下、非プロトン性有機溶媒中
で反応させ、触媒を不活性化した後の処理工程において
還元処理を行ない、さらにその後の工程においてリン化
合物を添加することにより達成される。
本発明における還元処理により、反応時または反応と後
処理により生成する下記(A)または/および(B)の
化合物がそれぞれ下記(C)または/および(D)の化
合物に還元されるものと考えられる。
還元処理としては第三級アルコールを還元する場合に使
用出来る還元剤系ならばいずれも使用可能であるが、ギ
酸とアルカリ性化合物混合系およびシラン化合物の場合
カルボン酸中で還元するとさらに効果が大きい。
上述したギ酸中でのアルカリ処理はギ酸をポリマー中に
含まれるエーテル結合単位1モルに対して1モル%以
上、好ましくは10モル%以上使用し、特に溶媒として使
用するような大過剰のギ酸の存在下で反応させることが
好ましい。この場合ギ酸の他に他の溶媒を共存させてお
いても勿論かまわない。
また使用するアルカリ性化合物としてはアルカリ金属、
アルカリ土類金属、それらの水酸化物、酸化物および炭
酸塩、ホウ酸塩のような弱酸塩等一般に水溶液中でアル
カリ性を示す化合物の場合はいずれも使用出来る。具体
的な例としてはカリウム、ナトリウム、リチウム、カル
シウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム等の
金属、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウ
ム、炭酸ストロンチウム、酸化カルシウム、酸化マグネ
シウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カ
ルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、ホウ
酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢
酸カリウム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチウム等
が挙げられることがこれらに限定されるものではない。
またこれらのアルカリ性化合物の使用量はポリマー中の
エーテル結合のモル数に対して1モル%以上、好ましく
は10モル%以上使用される。
反応温度は室温以上、好ましくは40℃以上、さらに好ま
しくは60℃以上で行なわれ、加圧下で反応を行なつても
よい。反応時間は反応条件により異なるが5分以上で行
なわれる。
また、シラン化合物により還元する際は下記一般式〔VI
II〕 (式中、A1、A2、A3基は置換基を有してもよいアルキル
基、アリール基、シクロアルキル基およびアラルキル基
または水素原子であり、但しA1、A2、およびA3のすべて
が水素原子である場合を除く) で表わされるシラン化合物で還元処理することにより達
成される。
上述した一般式〔VIII〕での後処理は溶媒として酸の存
在下、特にカルボン酸の存在下で行なわれ、カルボン酸
をポリマーに対して大過剰、あるいはカルボン酸と他の
溶媒との混合物中で行なわれる。
使用するシラン化合物の具体例としては、トリエチルシ
ラン、トリn−プロピルシラン、トリn−オクチルシラ
ン、ジエチルシラン、トリフエニルシラン、ジフエニル
シラン、フエニルシラン、ジエチルフエニルシラン、ジ
フエニルエチルシラン、トリ−p−メトキシフエニルシ
ランなどがあげられるがこれらに限定されず、一般式
〔VIII〕で示されるシラン化合物はいずれも使用可能で
ある。またシラン化合物としてトリエチルシランが最も
好ましい。シラン化合物の使用量はポリマー中のエーテ
ル結合のモル数に対して1モル%以上、好ましくは10モ
ル%以上使用される。また共用する酸としてはカルボン
酸類が好ましく、その具体例としては酢酸、トリフロロ
酢酸、ジクロル酢酸、モノクロル酢酸、プロピオン酸、
酪酸等いずれのカルボン酸も使用可能であるがそれらの
中でジクロル酢酸、トリフルオロ酢酸が特に好ましい。
カルボン酸は二種以上混合して使用してもよいし、他の
溶媒と組合せて使用してもよい。
反応は室温(20〜25℃)で行つた。反応温度は特に限定
はされないが、加熱下で行つてもよい。又、加圧下で反
応を行なつてもよい。反応時間は反応条件により異なる
が一般に5分以上で行なわれる。
次に、リン化合物の添加は還元処理後の処理工程におい
て、または還元処理、乾燥後にリン化合物を添加するこ
とにより達成される。
上述したリン化合物の添加はリン化合物の量をポリマー
のエーテル結合ユニツトに対して0.01モル%〜20モル
%、好ましくは0.1モル%〜15モル%、さらに好ましく
は1モル%〜10モル%であり、リン化合物は洗滌時また
は洗滌後の過時、あるいは滓に添加するか、乾燥時
に添加してもよいし、また乾燥後ドライブレンドする
か、ウエツトブレンドとしてもよい。
使用するリン化合物としては3価のリン化合物、5価の
リン化合物いずれも使用可能である。具体的な例とし
て、3価のリン化合物としてはトリフエニルホスフアイ
ト、トリス(ノニルフエニル)ホスフアイト、トリエチ
ルホスフアイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスフ
アイト、トリデシルホスフアイト、トリステアリルオス
フアイト、ジフエニルモノ(2−エチルヘキシル)ホス
フアイト、ジフエニルモノトリデシルホスフアイト、ジ
ラウリルハイドロジエンホスフアイト、ジフエニルハイ
ドロジエンホスフアイト、テトラフエニルジプロピレン
グリコールジホスフアイト、テトラフエニルテトラ(ト
リデシル)ペンタエリスリトールテトラホスフアイト、
テトラ(トリデシル)4,4′−イソプロピリデンジフエ
ニルホスフアイト、トリラウリルトリチオホスフアイ
ト、ビス(ノニルフエニル)ペンタエリスリトールジホ
スフアイト、トリス(2,4−ジタ−シヤリ−ブチリフエ
ニル)ホスフアイト、トリステアリルチオホスフアイ
ト、トリス(トリデシル)ホスフアイト、トリデシルホ
スフアイト、システアリルペンタエリスリトールジホス
フアイト、ステアリルジハイドロジエンホスフアイトの
ような亜リン酸エステル類、トリフエニルホスフイン、
トリス(ノニルフエニル)ホスフイン、トリラウリルホ
スフイン、トリステアリルホスフイン、トリラウリルホ
スフインのような3価のホスフイン化合物類、ヘキサメ
チルホスホリツクトリアミド、トリフエニルフオスフエ
ート、トリスノニルフエニルホスフエート、トリエチル
ホスフエート、トリス(2−エチルヘキシル)ホスフエ
ートトリドデシルホスフエート、トリステアリルホスフ
エート、ジフエニル(2−エチルヘキシル)ホスフエー
ト、スチアリルチオホスフエート、テトラフエニルテト
ラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラホスフエ
ートのようなホスフエート類、トリフエニルホスフイン
オキシド、トリステアリルチオホスフインオキシド等の
ホスフインオキシド類が挙げられるがこれらに特に限定
されるものではない。これらの中でC13以上のアルキル
基を有するホスフアイト、ホスフエートが特に好まし
い。
具体的な代表例としてテトラ(トリデシル)4,4′イソ
プロピリデンジフエニルホスフアイト、トリステアリル
ホスフアイト、トリス(トリデシル)ホスフアイト、ト
リデシルホスフアイト、システアリルペンタエリスリチ
ルジホスフアイト、トリステアリルホスフエート、ジス
テアリルハイドロジエンホスフアイト等が挙げられる。
尚これらのリン化合物による熱安定性は触媒として使用
したルイス酸または/および後処理によるその変成物と
リン化合物のコンプレツクス化により達成されると予想
している。
尚溶融加熱後の熱安定性の評価は島津製作所製高化式フ
ローテスターCFT−500Aを用いて、400℃に於て所定時間
放置後押し出されたストランドの押し出し性、押し出し
物の外観および硫酸に対してポリマーを1g/dl濃度にお
いて溶解させた場合の溶解性およびηinhの測定等より
判断した。
また本発明に用いられる前記一般式〔I〕で表わされる
芳香族(チオ)エーテルとしては、ジフエニルエーテ
ル、1,4−ジフエノキシベンゼン、ビフエニル、ビス
(4−フエノキシフエニル)エーテル、4,4′−ビス
(4−フエノキシフエニル)ジフエニルエーテル、3,
3′−ジメチルフエニルエーテル、1,4−ビス(3−メチ
ルフエノキシ)ベンゼン、3,3′−ジメトキシフエニル
エーテル、1,4−ビス(3−メトキシフエノキシ)ベン
ゼン、1,4−ビス(2−クロロフエノキシ)ベンゼン、
ジフエニルサルフアイド、4−フエノキシジフエニルサ
ルフアイド、1,4−ビス−(フエニルメルカプト)ベン
ゼン、ターフエニル、4−フエノキシビフエニル、4,
4′−ジフエノキシビフエニルなどが挙げられるが一般
式〔I〕で表わされるものはいずれも使用可能であり、
必ずしもこれらに限定されるものではない。又、これら
の芳香族(チオ)エーテルは単独もしくは混合して使用
してもよい。
又、本発明に用いられる前記一般式〔II〕で表わされる
芳香族ジカルボン酸ジハライドとしては、テレフタル酸
ジクロライド、イソフタル酸ジクロライド、ジフエニル
エーテル−4,4′−ジカルボン酸ジクロライド、1,4−ビ
ス(4−クロロホルミルフエニル)ベンゼン、2,5−ジ
メチルテレフタル酸ジクロライド、ジフエニルサルフア
イド−4,4′−ジカルボン酸ジクロライド、4,4′−ジフ
エン酸ジクロライド、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジ
クロライドなどが挙げられるが一般式〔II〕で示される
ものはいずれも使用可能であり、必ずしもこれらに限定
されるものではない。又、これらの芳香族ジカルボン酸
ジハライドは単独もしくは混合して使用してもよい。
又、これらの芳香族ジカルボン酸ジハライドはホスゲン
とも混合して使用してもよい。
本発明で用いられる非プロトン性有機溶媒としては、塩
化メチレン、塩化エチレン、1,2−ジクロルエタン、1,
1,2,2−エトラクロルエタン、クロロホルム、四塩化炭
素、ニトロベンゼン、ニトロメタン、二硫化炭素、エチ
ルエーテル、ジブチルエーテル、ペンタン、ヘキサン、
ヘプタン、オルトジクロルベンゼンなどが用いられるが
必ずしもこれらに限定されるものではない。溶媒の使用
量は、用いられるジフエニルエーテルの1〜500倍量
(重量比)、好ましくは5〜100倍量(重量比)であ
る。
本発明に用いられるルイス酸としては、無水三塩化アル
ミニウム、無水三臭化アルミニウム、無水三塩化ガリウ
ム、三沸化硼素エチルエーテルコンプレツクス、塩化第
二スズ、塩化第一スズ、塩化第二鉄、四塩化チタン、三
塩化硼素、五塩化アンチモン、三塩化リン、五塩化リ
ン、五塩化テルル、五塩化ニオブ、六塩化タングステン
などが挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるもの
ではないが、周期律表第III族ハロゲン化物、特に塩化
アルミニウムが好ましい。これらのルイス酸の使用量は
芳香族(チオ)エーテルに対して、モル比で0.01〜10
0、好ましくは0.1〜10.0である。
尚重合温度は特に制限はないが−10℃以上(通常100℃
以下)という温和な条件下で行なわれる。また、加圧下
で反応を行なつてもよい。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
実施例1〜5 3000mlの反応器にジフエニルエーテル71.49g(0.42モ
ル)、テレフタル酸クロリド68.21g(0.29モル)、およ
びイソフタル酸クロリド17.05g(0.073モル)を入れ、
さらに予めモレキユラーシープ3Aで乾燥したジクロルエ
タン1500mlを加えた後、反応器を氷冷する。次に塩化ア
ルミニウム146.67g(1.1モル)を加え撹拌下、氷冷下で
1時間さらに室温で4時間反応後、メタノール1500mlを
加え、触媒を失活させ過を行なう。次に1500mlのメタ
ノールを加え、30分間還流して洗滌し、その後5%−塩
酸水溶液1500mlで30分間80℃撹拌下で2回洗滌を繰り返
す。さらに脱塩水で30分間80℃、撹拌下で2回洗滌を行
ない、120℃で1昼夜乾燥する。得られたポリマーの収
率はほぼ100%であり、98%硫酸中で1g/dlの濃度で30℃
で測定したηinhは表1に示す通りである。
次にこのポリマー3gと90%ギ酸60ml、炭酸ナトリウム1.
22gとの混合物を還流下で1時間加熱する。冷却後、ポ
リマーを過し中性になるまで水洗をくりかえす。その
後120℃で真空下で一昼夜乾燥を行なう。そのポリマー
についてηinhを測定したところ、0.80dl/gであつた。
このようにして還元処理を行なつた。
次に使用する表−1に記載のリン化合物の所定量をn−
ヘキサン、四塩化炭素などの溶剤に希釈しておき、ポリ
マー2gとブレンド後60℃で一昼夜乾燥して溶剤を除去し
た。そのポリマーについて高化式フローテスター(島津
製作所製、CFT−500A)を用いて400℃で10〜15分間溶融
加熱を行なつた。ストランドの押出しは容易であつた。
さらに押出されたサンプルを98%硫酸に1g/dlの濃度で
溶解したところ完全に溶解し、ηinhの測定をしたが、
加熱溶融前後のηinhの変化は小さい。
比較例1 後処理を行なわなかつたサンプルを実施例1と同様に高
化式フローテスターを用い400℃で5分間溶融加熱を行
なつたところ、押出し物は押出し性も悪く、さらに押出
されたサンプルを98%硫酸に1g/dlの濃度で溶解したと
ころ、ほとんど溶解しなかつた。即ちポリマーがゲル化
してしまつたと判定される。
〔発明の効果〕 以上のように、本発明によると熱安定性が改良された芳
香族ポリ(チオ)エーテルケトンを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−316(JP,A) 特開 昭63−317(JP,A) 特開 昭63−132936(JP,A) 特開 昭63−159430(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式〔I〕 (〔I〕式中、R1〜R12は水素原子、ハロゲン原子、炭
    化水素基、又はアルコキシ基を示し、Xは直接結合、酸
    素原子又は硫黄原子を示し、lは0〜2の整数である) で表わされる芳香族(チオ)エーテルと、一般式〔II〕 (〔II〕式中、R13〜R20は水素原子、ハロゲン原子、炭
    化水素基、又はアルコキシ基を示し、Xは直接結合、酸
    素原子又は硫黄原子を示し、Yはハロゲン原子を示し、
    mは0〜3の整数である) で表わされる芳香族ジカルボン酸ジハライド、又は、ホ
    スゲンとを、ルイス酸の存在下、非プロトン性有機溶媒
    中で反応させて、一般式〔III〕 (〔III〕式中、R1〜R20は水素原子、ハロゲン原子、炭
    素水素基、又はアルコキシ基を示し、Xは直接結合、酸
    素原子又は硫黄原子を示し、lは0〜2の整数を示し、
    mは0〜3の整数を示し、nは0又は1である) の繰り返し単位を有する芳香族ポリ(チオ)エーテルケ
    トンを製造する方法に於て、重合および触媒を不活性化
    した後の後処理工程において、還元処理を行ない、さら
    にその後の工程においてリン化合物を添加することを特
    徴とする芳香族ポリ(チオ)エーテルケトンの製造方
    法。
  2. 【請求項2】ルイス酸として周期律表第III族ハロゲン
    化物を用いる特許請求の範囲第1項記載の製造方法。
  3. 【請求項3】ルイス酸として無水ハロゲン化アルミニウ
    ム、又は無水ハロゲン化ガリウムを用いる特許請求の範
    囲第1項または第2項記載の製造方法。
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