JPH07209907A - 耐スペント性に優れた二成分系磁性現像剤用熱定着性トナー - Google Patents

耐スペント性に優れた二成分系磁性現像剤用熱定着性トナー

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JPH07209907A
JPH07209907A JP6003240A JP324094A JPH07209907A JP H07209907 A JPH07209907 A JP H07209907A JP 6003240 A JP6003240 A JP 6003240A JP 324094 A JP324094 A JP 324094A JP H07209907 A JPH07209907 A JP H07209907A
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toner
weight
resin
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carrier
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JP6003240A
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Kazuhiko Fujii
和彦 藤井
Masatomi Funato
正富 船戸
Yoshitake Shimizu
義威 清水
Seijirou Ishimaru
聖次郎 石丸
Kazuya Nagao
一也 永尾
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Kyocera Mita Industrial Co Ltd
Original Assignee
Mita Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐スペント性に優れ且つトナー及びキャリア
ーの寿命が延長化され、また、トナー粒子中に移行性の
帯電制御剤を含有せず、現像に際してはトナー飛散なし
に見掛の現像感度を増大させ得、更に、移行性の帯電制
御剤を含有しないにもかかわらず、感光体表面から紙へ
の転写が効率よく行われるCCA(帯電制御剤)レスの
二成分系磁性現像剤用熱定着性トナーを提供する。 【構成】 二成分系磁性現像剤用熱定着性トナーにおい
て、定着用樹脂媒質として、アニオン性またはカチオン
性の極性基を有する共重合樹脂乃至樹脂組成物を使用
し、樹脂媒質100重量部当り0.1乃至5重量部の磁
性粉を含有させ、前記樹脂媒質中に分散させる離型剤と
して、数平均分子量7000以上のポリプロピレンを使
用し且つトナーをメタノールで抽出した抽出液の波長4
00乃至700nm及び280乃至350nmでの吸収
ピークの吸光度が実質上ゼロとなるようにし、更にまた
トナーに外添する流動性改良剤中に粒径0.05乃至
1.0μmのスペーサー粒子を介在させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐スペント性に優れた
二成分系磁性現像剤用熱定着性トナーに関するもので、
より詳細には、トナー粒子中に移行性の帯電制御剤を含
有せず、しかも現像に際してはトナー飛散がなく、また
転写も効率よく行われ、高濃度の画像を形成し得ると共
に、トナー及びキャリアーの寿命も著しく延長されたト
ナーに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真感光体上に形成される静電荷像
を現像するための現像剤として、所謂二成分系磁性現像
剤が広く使用されている。
【0003】この二成分系磁性現像剤は、鉄粉、フェラ
イト粒子等から成る磁性キャリアーと、着色樹脂組成物
から成る顕電性トナーとの組成物から構成されている。
現像に際しては、磁性キャリアーとトナーとを混合する
ことによって、トナー粒子を一定極性に帯電させ、この
混合物を磁気ブラシの形で感光体に迄搬送すると共に感
光体表面を磁気ブラシで摺擦し、帯電トナーを感光体表
面の電荷像に吸着保持せしめて、可視像を形成させる。
【0004】トナー粒子の摩擦帯電による極性を一定に
制御すべく、トナー粒子中に帯電制御剤を含有させるの
が一般的であり、負帯電性トナーに対しては、含金属錯
塩染料やオキシカルボン酸の金属錯体等の負電荷制御剤
(例えば特開平3−67268号公報)が使用され、正
帯電性トナーに対しては、ニグロシン等の油溶性染料や
アミン系制御剤等の正帯電性制御剤(例えば特開昭56
−106249号公報)が使用されている。
【0005】二成分系磁性現像剤用トナーとして、磁性
トナーを使用することも古くから知られており、例えば
前記特開昭56−106249号公報や特開昭59−1
62563号公報には、トナー中に磁性粉を含有させた
磁性粉内添トナーを用いることが記載され、一方前記特
開平3−67268号公報には、トナー母体にシリカ粉
末及び磁性粉を添加混合した磁性粉外添トナーが記載さ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】二成分磁性現像剤は、
磁性キャリアーとトナーとを混合して使用した初期にお
いては、満足すべき帯電性能を示すものでも、所謂スペ
ント(トナー)の発生によって帯電性能が劣化し、その
寿命が短かくなることが知られている。
【0007】このスペント(トナー)とは、磁性キャリ
アーの表面にトナー成分がフィルム状に付着析出する現
象であり、磁性キャリアーの表面がトナーのそれに近い
ものとなってくるため、摩擦帯電列が近づき、所定の帯
電性能が得られなくなる。かくして、スペントが発生す
ると、磁性キャリアーを廃棄し、新しい磁性キャリアー
と交換しなければならないという不都合を生じるのであ
る。
【0008】従って、本発明の目的は、耐スペント性に
優れ且つトナー及びキャリアーの寿命が延長化された二
成分系磁性現像剤用熱定着性トナーを提供するにある。
【0009】本発明の他の目的は、トナー粒子中に移行
性の帯電制御剤を含有せず、現像に際してはトナー飛散
なしに見掛の現像感度を増大させ得るCCA(帯電制御
剤)レスの二成分系磁性現像剤用熱定着性トナーを提供
するにある。
【0010】本発明の更に他の目的は、移行性の帯電制
御剤を含有しないにもかかわらず、感光体表面から紙へ
の転写が効率よく行われるCCAレスの二成分系磁性現
像剤用熱定着性トナーを提供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、二成分
系磁性現像剤用トナーにおいて、定着用樹脂媒質がアニ
オン性またはカチオン性の極性基を有する共重合樹脂乃
至樹脂組成物であり、前記トナーは前記樹脂媒質100
重量部当り0.1乃至5重量部の磁性粉及び0.1乃至
6重量部の数平均分子量7000以上のポリプロピレン
を含有し且つ該トナーをメタノールで抽出した抽出液の
波長400乃至700nm及び280乃至350nmで
の吸収ピークの吸光度が実質上ゼロであることを特徴と
する耐スペント性に優れた二成分系磁性現像剤用熱定着
性トナーが提供される。
【0012】本発明によればまた、上記トナー、特に体
積基準粒径が5乃至15μmのトナー粒子の表面に、体
積基準粒径0.05乃至1.0μmのスペーサー粒子を
含有する微粉流動性改良剤を付着させて成ることを特徴
とする耐スペント性及び転写効率に優れた二成分系磁性
現像剤用熱定着性トナーが提供される。
【0013】
【作用】本発明者らは、トナーのスペント発生を防止す
べく研究を重ねた過程で次の如き興味のある事実を見出
した。
【0014】添付図面の図1は、正帯電像の現像に用い
る従来の二成分系磁性現像剤用トナーの内、帯電制御剤
としてクロム錯塩染料(2:1型)を含有するトナーを
メタノールで抽出した抽出液の波長400乃至700n
mでの吸光度曲線であり、図2は帯電制御剤としてサリ
チル酸金属錯体を用いたトナーのメタノール抽出液の波
長280乃至350nmでの吸光度曲線である。
【0015】これらの結果によると、抽出液は何れも帯
電制御剤に基づく特性吸収ピークを示しており、これは
トナー粒子表面には帯電制御剤がかなり高濃度で含有し
ていることを意味している。これは、帯電制御剤は、ト
ナー中に内添してもトナー粒子表面に移行し、この移行
によって摩擦帯電による電荷を制御するという考えとも
よく符合するものである。
【0016】一方、図3は、図1の測定に使用したトナ
ーを二成分系磁性現像剤として使用し、スペントによる
帯電不良が発生したキャリアーについて、同様にメタノ
ールで抽出し、この抽出液の波長400乃至700nm
の吸光度曲線を測定したものである。
【0017】この測定結果によると、キャリアー表面に
も帯電制御剤が高濃度に付着、析出しており、スペント
による帯電不良は、従来考えられていたトナー樹脂によ
るキャリアー表面の単なるフイルミングではなく、帯電
制御剤のキャリアー表面への移行であるという驚くべき
事実が明らかとなった。
【0018】この事実は、図4及び図5を参照すること
により一層明白となる。図4及び図5は、帯電制御剤を
含有するトナーと磁性キャリアーとの混合物並びに帯電
制御剤を含有しないトナーと磁性キャリアーとの混合物
を混合した場合に、混合時間とスペント量との関係並び
に混合時間と帯電量との関係を夫々プロットしたもので
ある。これらの結果によると、帯電制御剤を含有せしめ
たものでは、混合時間が増すに従ってスペント量が大き
くなり、帯電量の減少が大きくなるという事実が明らか
となる。
【0019】更に、図6は、スペントが付着したキャリ
アーのスペント量とスペントトナー中の帯電制御剤との
関係を測定したものであり、図6中、点線はトナー処方
から計算される予測値をプロットしたものである。この
結果によると、スペント発生の初期程、帯電制御剤がキ
ャリアー表面に選択的に移行、付着しているという事実
が明らかとなる。尚、図6の結果で、スペント量の増大
に伴って、帯電制御剤量が組成からの予測値に近接して
いるのは、上記の混合系がトナーの補給のない閉鎖系で
の結果であり、複写機内でのトナーの入れ替えがある場
合は、帯電制御剤の有無による差は更に広がるものと予
想できる。
【0020】更にまた、図7は、トナー中の各成分単独
と磁性キャリアーとを混合した場合における混合時間と
スペント量との関係を示している。この結果によると、
帯電制御剤は、トナー中の各成分の内でも圧倒的にキャ
リアー表面に移行し、スペントを発生しやすい成分とい
うことが明白となった。
【0021】以上のことから、従来の二成分系磁性現像
剤におけるスペント発生による帯電不良は、図8の説明
図に示す通り、混合使用初期においては、キャリアーが
+及びトナーが−に帯電していたものが、キャリアー表
面に帯電防止剤が選択的に移行したスペントが形成され
るに従って、スペント層が−に帯電され、+に帯電した
逆極性トナーが形成されることによると説明できる。
【0022】以上の説明は、負帯電制御剤についてのも
のであるが、正帯電制御剤の場合も電化の極性が逆にな
るだけで全く同様である。図9は、従来の負帯電性二成
分系磁性現像剤用トナーの内、帯電制御剤としてニグロ
シンを含有するトナーをメタノールで抽出した抽出液の
波長400乃至700nmでの吸光度曲線であり、やは
りスペントの発生は帯電制御剤のキャリアー表面への移
行による。
【0023】本発明では、磁性キャリアー表面への帯電
制御剤の移行を防止するため、トナー粒子への移行性帯
電制御剤の内添乃至配合をとりやめた。これに伴なっ
て、本発明の負帯電性トナーは、図10の吸光度曲線に
示す通り、メタノールで抽出したときにも、このメタノ
ール抽出液は、波長200乃至700nmでの吸収ピー
クが存在しないか、或いは存在したとしても吸光度が実
質上ゼロである。また、正帯電性トナーについても、図
11の吸光度曲線に示す通り、同様の抽出液について波
長200乃至700nmで吸光度を測定しても、吸収ピ
ークがなく、吸光度が実質上ゼロである。これにより、
キャリアー表面への帯電制御剤の移行を抑制し、耐スペ
ント性を向上させたことが本発明の第一の特徴である。
【0024】ところで、図5に示す通り、帯電制御剤を
含有させないトナーでは、帯電制御剤を配合したトナー
に比して帯電量がどうしても不足になる。本発明では、
これを防止するため、定着用樹脂媒質として、アニオン
性またはカチオン性の極性基を有する共重合用樹脂乃至
樹脂組成物を使用する。この樹脂乃至樹脂組成物の使用
により、現像に際して必要最低限の摩擦帯電の電荷制御
性が得られる。
【0025】アニオン性またはカチオン性の極性基は、
トナーに帯電制御性を与えるものではあるが、樹脂骨格
に結合しているため、トナー粒子表面への移行がない反
面として、現像時の磁気ブラシにおけるトナー粒子とキ
ャリアーとのクーロン力による結合が弱くなり、特に高
速複写になればなる程、トナー飛散が著しくなり、これ
より、複写機のトナー汚染や複写物のカブリ濃度が増大
するという欠点が認められる。
【0026】本発明では、これを防止するため、トナー
中に磁性粉を特定の量で含有させ、トナー対キャリアー
のクーロン力に加えて、トナー対キャリアの磁気的吸引
力でトナー飛散が防止されるようにする。
【0027】本発明において、トナー飛散を防止しなが
ら、現像時の見掛感度を増大できるのは、本発明の顕著
な利点の一つである。即ち、トナー粒子1個当りの帯電
量が少ない程一定帯電量の静電潜像に付着するトナー粒
子の数が増大するので、見掛の現像感度は増大する。
【0028】本発明では、磁性粉を、樹脂媒質100重
量部当り0.1乃至5重量部、特に0.5乃至3.0重
量部のような少量の内添で、トナー飛散を防止しなが
ら、高濃度画像を形成し得ることが顕著な利点である。
即ち、従来二成分系磁性現像剤に使用する磁性トナーで
は、樹脂媒質100重量部当り磁性粉を10重量部より
も多い量で使用するが、本発明で用いる量はこれよりも
かなり少ない量である。磁性粉の使用量が0.1重量部
よりも少ない場合には、トナー飛散が生じ易くなり、一
方5重量部よりも多くなると現像濃度が低下するという
問題がある。
【0029】本発明が対象とするトナーは熱定着性のも
のであり、従って、熱定着時に離型性を付与する必要が
あるが、本発明では離型剤として数平均分子量7000
以上のポリプロピレンを選択し、これを樹脂媒質100
重量部当たり0.1乃至6重量部の量で配合する。これ
により、熱定着時の耐オフセット性を向上させながら、
トナーの耐スペント性を一層向上させることができる。
【0030】USP4,988,598号公報に記載さ
れているように、従来熱定着性トナーに離型剤として使
用されている数平均分子量2000乃至6000のポリ
プロピレンの場合には、後述する比較例1〜4に示すと
おり、キャリアー等へのスペント傾向が大きいが、本発
明によれば、数平均分子量7000以上のポリプロピレ
ンを用いることにより、スペント傾向を顕著に抑制でき
る。
【0031】この理由は、数平均分子量7000未満の
ポリプロピレンでは、トナー製造のための混練工程中
で、これが溶融して低粘度になるためシェアがかかりに
くく、そのため樹脂媒質中への分散が悪く、キャリアー
等へのスペントが多くなるのに対して、本発明で用いる
数平均分子量7000以上のポリプロピレンでは、軟化
点が高くなるため、混練時に溶融しがたく、シェアがか
かり、樹脂媒質への分散がよくなって、スペントの発生
が抑制されることによる。
【0032】上記ポリプロピレンの配合量が前記範囲よ
りも低い場合には、熱定着時の耐オフセット性が不十分
となり、一方上記範囲よりも多いと、スペント傾向が大
きくなるので好ましくない。本発明のトナーは、一般に
5乃至15μmの粒径を有しているが、このトナー粒子
の表面に、粒径0.05乃至1.0μmのスペーサー粒
子を含有する微粉流動性改良剤を外添によって付着させ
ることが望ましい。
【0033】一般に、トナーには粉体的流動性を改善す
るため、微粒子シリカ等の流動性改良剤を外添により付
着させ使用しているが、本発明においては、この流動性
改良剤中に粒径0.05乃至1.0μmのスペーサー粒
子を介在させることにより、トナー像と感光体表面の潜
像との結合を弱めて、トナー像の剥離が容易に行われる
ようにし、これによりトナー像転写工程での転写効率を
向上させることに成功したものである。
【0034】
【発明の好適態様】
[樹脂媒質]本発明で使用する定着用樹脂媒質は、アニ
オン性またはカチオン性の極性基を有する共重合樹脂乃
至樹脂組成物である。アニオン性極性基としては、カル
ボン酸、スルホン酸、ホスホン酸等の任意の極性基が挙
げられるが、カルボン酸型のものが特に好適である。一
方、カチオン性の極性基としては、1級、2級、3級の
アミノ基や第4級有機アンモニウム基、アミド基、イミ
ノ基、イミド基、ヒドラジノ基、グアニジノ基、アミジ
ノ基等の塩基性窒素含有基等の任意のカチオン性基を有
するものがあげられるが、アミノ基や第4級アンモニウ
ム基が特に好適である。
【0035】アニオン性またはカチオン性の極性基を有
する共重合樹脂は、アニオン性またはカチオン性の極性
基を有する単量体を、ランダム共重合、ブロック共重
合、或いはグラフト共重合等により樹脂中に組み込んだ
ものである。単量体の適当な例は次の通りである。
【0036】カルボン酸型のものとしては、エチレン系
不飽和カルボン酸、例えば、アクリル酸、メタクリル
酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマー
ル酸、マレイン酸或いはフマール酸等の低級アルキルハ
ーフエステル等が挙げられる。
【0037】スルホン酸型のものとしては、スチレンス
ルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸等が挙げられる。
【0038】ホスホン酸型のものとしては、2−アシッ
ドホスホキシプロピルメタクリレート、2−アシッドホ
スホキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシ
ッドホスホキシプロピルメタクリレート等が挙げられ
る。
【0039】これらのアニオン性極性基含有単量体単位
は、遊離の酸であっても、またナトリウム、カリウム等
のアルカリ金属、カルシュウム、マグネシュウム等のア
ルカリ土類金属、亜鉛等で中和されていてもよい。
【0040】塩基性窒素含有(メタ)アクリル単量体:
一般式(1)、
【化1】 式中、Rは水素原子或いはメチル基であり、R1 及びR
2 の各々はアルキレン基であり、R3 及びR4 の各々は
水素原子或いはアルキル基であり、p はゼロまたは1で
ある。 の化合物或いはその第4級アンモニウム塩。
【0041】例えば、ジメチルアミノエチルメタクリレ
ート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルア
ミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアク
リレート、ジメチルアミノプロピルメタクリレート、ジ
メチルアミノプロピルアクリレート、ジブチルアミノエ
チルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリ
ルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル−N’−アミ
ノエチルメタクリレート、3−アクリルアミド−3,3
−ジメチルプロピルジメチルアミン、並びにこれらの第
4級アンモニウム塩。
【0042】カチオン性極性基含有ビニル単量体:例え
ば、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、ビニルト
リメチルアンモニウムクロリド、N−ビニルカルバゾー
ル、2−ビニルイミダゾール、N−ビニルピロール、N
−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン、第4級ビ
ニルピリジウム。
【0043】本発明ではまた、上記樹脂として、カチオ
ン性極性基含有重合開始剤を使用して、形成される重合
体の末端にカチオン性極性基を導入したものを使用する
こともできる。その重合開始剤としては次のものが例示
される。
【0044】アゾアミジン乃至アゾアミド化合物:下記
一般式(2)、
【化2】 式中、Yは酸素原子または基=N−R7 であり、ここ
で、基R7 は水素原子またはアルキル基であり、R5
水素原子、置換または未置換のアルキル基、アルケニル
基、または置換または未置換のアリール基であり、R6
水素原子または置換または未置換のアルキル基であり、
基Yが=N−R7 である場合、基R7 と基R5 とは連結
して、置換または未置換のアルキレン基を形成していて
もよい。 のアゾアミジン乃至アゾアミド化合物。
【0045】例えば、2,2’−アゾビス(2−メチル
−N−フェニルプロピオンアミジン)2塩酸塩、2,
2’−アゾビス{N−(4−クロロフェニル)−2−メ
チル}プロピオンアミジン)2塩酸塩、2,2’−アゾ
ビス{N−(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチル}
プロピオンアミジン)2塩酸塩、2,2’−アゾビス
{N−(4−アミノフェニル)−2−メチル}プロピオ
ンアミジン)2塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−メチ
ル−N−(フェニルメチル)プロピオンアミジン}2塩
酸塩、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−プロペニ
ルプロピオンアミジン)2塩酸塩、2,2’−アゾビス
(2−メチルプロピオンアミジン)2塩酸塩、2,2’
−アゾビス{N−(2−ヒドロキシエチル)−2−メチ
ル}プロピオンアミジン)2塩酸塩、2,2’−アゾビ
ス{2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)
プロパン}2塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−(2−
イミダゾリン−2−イル)プロパン}2塩酸塩、2,
2’−アゾビス{2−(4,5,6,7−テトラヒドロ
−1H−1,3−ジアゼピン−2−イル)プロパン}2
塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−(3,4,5,6−
テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン}2塩酸
塩、2,2’−アゾビス{2−(5−ヒドロキシ−3,
4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロ
パン}2塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−[1−(2
−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]
プロパン}2塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−(2−
イミダゾリン−2−イル)プロパン}、2,2’−アゾ
ビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメ
チル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、
2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス
(ヒドロキシメチル)エチル]プロピオンアミド}、
2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−ヒドロキ
シエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス
{2−メチルプロピオンアミド}2水和物。
【0046】樹脂乃至樹脂組成物の主体となる他の単量
体は、生成重合体がトナーに要求される定着性と検電性
とを有するものであり、エチレン系不飽和結合を有する
単量体の1種又は2種以上の組み合わせが使用される。
【0047】このような単量体の適当な例は、アクリル
系単量体、モノビニル芳香族単量体、ビニルエステル系
単量体、ビニルエーテル系単量体、ジオレフィン系単量
体、モノオレフィン系単量体等である。
【0048】アクリル系単量体としては、例えば一般式
(3)、
【化3】 式中、R8 は水素原子又は低級アルキル基、R9 は水素
原子、炭素数12迄の炭化水素基、ヒドロキシアルキル
基である、 のアクリル系単量体、特にアクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチル
ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェ
ニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ヘキシル、メ
タクリル酸−2−エチルヘキシル、β−ヒドロキシアク
リル酸エチル、γ−ヒドロキシアクリル酸プロピル、δ
−ヒドロキシアクリル酸ブチル、β−ヒドロキシメタク
リル酸エチル等が挙げられる。
【0049】モノビニル芳香族単量体としては、例えば
一般式(4)
【化4】 式中、R10は水素原子、低級アルキル基又はハロゲン原
子であり、R11は水素原子、低級アルキル基、ハロゲン
原子、アルコキシ基、アミノ基、ニトロ基等であり、Φ
はフェニレン基である、 のモノビニル芳香族炭化水素、例えばスチレン、α−メ
チルスチレン、ビニルトルエン、α−クロロスチレン、
o−、m−、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン
等の単独又は2種以上の組合せを挙げることができる。
【0050】更に他の単量体としては以下の一般式
(5),(6),(7)或いは(8)のものが夫々挙げ
られる。
【化5】CH=CH−OOCR12 (5) 式中、R12は水素原子又は低級アルキル基である、 のビニルエステル、例えばギ酸ビニル、酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル等。
【化6】CH=CH−O−R13 (6) 式中、R13は炭素数12迄の1価炭化水素基である、 Gのビニルエーテル、例えばビニルメチルエーテル、ビ
ニルエチルエーテル、ビニル−n−ブチルエーテル、ビ
ニルフェニルエーテル、ビニルシクロヘキシルエーテル
等。
【化7】 式中、R14、R15、R16の各々は水素原子、低級アルキ
ル基又はハロゲン原子である、 のジオレフィン類、特にブタジエン、イソプレン、クロ
ロプレン等。
【化8】 式中、R17及びR18の各々は水素原子又は低級アルキル
基である, のモノオレフィン類、特にエチレン、プロピレン、イソ
ブチレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペン
テン−1等。
【0051】本発明に用いるアニオンまたはカチオン性
極性基を有する共重合樹脂は、全体の樹脂100g当た
り1乃至150ミリモル、特に5乃至100ミリモルと
なるようなアニオン性またはカチオン性の極性基の濃度
を有していることが望ましい。共重合樹脂のアニオン性
極性基の一部乃至全部が中和されている場合にも、上記
酸価に対応するアニオン性極性基濃度を有するのがよ
い。
【0052】共重合樹脂中のアニオン性またはカチオン
性の極性基濃度が上記範囲よりも少ないときには、トナ
ーの帯電性が不満足となり易く、一方上記範囲よりも多
いと、トナーの帯電性がやはり不満足となったり、トナ
ーが湿度敏感性となり、好ましくない。
【0053】好適な共重合樹脂は、アニオン性またはカ
チオン性の極性基含有単量体と、式(3)のアクリル系
単量体の一種或いは二種以上を必須成分として含有し、
所望により、式(4)乃至式(8)の単量体を任意成分
として含有する共重合樹脂である。
【0054】本発明において、アニオン性またはカチオ
ン性の極性基含有共重合樹脂は、上記の通り、単独で使
用できるほか、アニオン性またはカチオン性の極性基含
有共重合樹脂の二種以上を含む組成物、或いはアニオン
性またはカチオン性の極性基含有共重合樹脂とアニオン
性またはカチオン性の極性基を有しない共重合樹脂との
組成物の形でも定着用樹脂媒質として使用し得る。
【0055】定着用樹脂媒質が樹脂組成物から成る場
合、樹脂組成物全体としてのアニオン性またはカチオン
性の極性基の濃度は、共重合樹脂について述べた前記範
囲にあるのがよい。
【0056】[磁性粉]磁性粉としては、従来磁性トナ
ーに使用されている磁性粉、例えば、四三酸化鉄(Fe
34 )、三二酸化鉄(γ−Fe23 )、酸化鉄亜鉛
(ZnFe2 4 )、酸化鉄イットリウム(Y3 Fe5
12)、酸化鉄カドミウム(CdFe24 )、酸化鉄
ガドリウム(Gd3 Fe512)、酸化鉄銅(CuFe
24 )、酸化鉄鉛(PbFe1219)、酸化鉄ニッケ
ル(NiFe24 )、酸化鉄ネオジウム(NdFeO
3 )、酸化鉄バリウム(BaFe1219)、酸化鉄マグ
ネシウム(MgFe24 )、酸化鉄マンガン(MnF
24 )、酸化鉄ランタン(LaFeO3 )、鉄粉
(Fe)、コバルト粉(Co)、ニッケル粉(Ni)等
を用いることができる。
【0057】本発明の目的に特に好適な磁性粉は微粒子
状四三酸化鉄(マグネタイト)である。好適なマグネタ
イトは正8面体状で、粒子径が0.05乃至1.0μm
のものである。このマグネタイト粒子は、シランカップ
リング剤、チタン系カップリング剤等で表面処理されて
いてもよい。
【0058】[離型剤]本発明では、離型剤として、数
平均分子量7000以上のポリプロピレンを使用する。
数平均分子量が7,000乃至30,000のポリプロ
ピレンが好適である。上記分子量範囲のポリプロピレン
は、例えば「330P」(三洋化成社製数平均分子量1
5,000)の商品名で入手し得る。
【0059】[トナー組成物]本発明のトナー組成物
は、上記定着用樹脂媒質、磁性粉及び数平均分子量70
00以上のポリプロピレンを、必須成分として含有する
が、他にトナー中に従来配合されている配合剤を配合す
ることができる。 例えば、着色剤や離型剤がその例で
ある。
【0060】着色剤(顔料)の適当な例は次の通りであ
る。 黒色顔料 カーボンブラック、アセチレンブラック、ランブラッ
ク、アニリンブラック。 黄色顔料 黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネ
ラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネー
ブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエロ
ーG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、
ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パ
ーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ。 橙色顔料 赤口黄鉛、モリブテンオレンジ、パーマネントオレンジ
GTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、イン
ダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレン
ジG、インダスレンブリリアントオレンジGK。 赤色顔料 ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀カドミウ
ム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾ
ロンレッド、ウオッチングレッドカルシウム塩、レーキ
レッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレー
キ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリア
ントカーミン3B。 紫色顔料 マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレ
ットレーキ。 青色顔料 紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクト
リアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタ
ロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化
物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーB
C。 緑色顔料 クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、
マラカイトグリーンレーキ、ファナルイエローグリーン
G。 白色顔料 亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛。 体質顔料 バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイト
カーボン、タルク、アルミナホワイト。
【0061】上記顔料は、定着用樹脂媒質100重量部
当り2乃至20重量部、特に5乃至15重量部の量で使
用する。
【0062】[トナーの製法]本発明のトナーは、粉砕
分級法、溶融造粒法、スプレー造粒法、重合法等のそれ
自体公知の方法で製造し得るが、粉砕分級法が一般的で
ある。これらの各トナー成分は、ヘンシェルミキサー等
の混合機で前混合したのち、二軸押出機等の混練装置を
用いて混練し、この混練組成物を冷却した後、粉砕し、
分級してトナーとする。トナーの粒径は、一般にコール
ターカウンターによるメジアン径が5乃至15μm、特
に7乃至12μmの範囲内にあるのがよい。
【0063】トナー粒子の表面には、必要に応じ疎水性
気相法シリカ等の流動性改良剤を、外添により付着させ
てトナーの流動性を改善することができる。流動性改良
剤の量は、トナー当たり0.1乃至2.0重量%の量で
外添するのがよい。本発明の好適態様によれば、この際
流動性改良剤中に、上記流動性改良剤よりも粒径の大き
い粒径0.05乃至1.0μmのスペーサー粒子を含有
させて、転写効率を向上させる。
【0064】スペーサー粒子としては、上記粒径を有す
る有機或いは無機の不活性定形粒子であれば、何れをも
使用し得るが、一般には、前述した磁性粉、特に微粒子
状四三酸化鉄(マグネタイト)を使用するのが好まし
い。というのは、トナー粒子表面に付着して存在する磁
性粉もトナー飛散にも有効に作用するからである。微粒
子状四三酸化鉄(マグネタイト)等のスペーサー粒子
は、トナー当たり0.1乃至10重量%の量で外添する
のがよい。流動性改良剤及びスペーサー粒子をトナーに
外添するに際しては、予め流動性改良剤とスペーサー粒
子とを粉砕条件下に緊密に混合し、この混合物をトナー
に添加して十分に解碎するのがよい。
【0065】[用途]本発明によるトナーは、磁性キャ
リアーと混合し、二成分現像剤として使用する。磁性キ
ャリアーとしては、好適にはフェライト系の磁性キャリ
アー、特にCu,Zn,Mg,Mn及びNiから成る群
より選ばれた金属成分の少なくとも1種、好適には2種
以上含有するソフトフェライト、例えば、銅−亜鉛−マ
グネシウムフェライトの焼結フェライト粒子、特に球状
粒子が使用される。磁性キャリアーの表面は、未コート
のものでもよいが、一般には、シリコーン樹脂、フッ素
系樹脂、エポキシ樹脂、アミノ樹脂、ウレタン系樹脂等
でコートされているのがよい。キャリアーの飽和磁化は
30乃至70emu/g ,特に40乃至60emu/g の範囲に
あるのが望ましい。磁性キャリアーの粒径は20乃至14
0 μm,特に50乃至100μm の範囲にあることが望ま
しい。
【0066】磁性キャリアーとトナーとの混合比は、一
般に98:2乃至90:10の重量比、特に97:3乃
至94:6の重量比にあるのがよい。
【0067】本発明のトナーを用いる静電写真複写法に
おいて、静電潜像の形成はそれ自体公知の任意の方式で
行うことができ、例えば導電性基板上の光導電層を一様
に荷電した後、画像露光して静電潜像を形成させること
ができる。静電像の現像は、二成分系磁性現像剤の磁気
ブラシを基板と接触させることにより容易に行われる。
現像により形成されたトナー像は複写紙上に転写され、
このトナー像を加熱ロールと接触させることにより定着
が行われる。
【0068】
【実施例】本発明を次の例で更に説明する。
【0069】1) 負帯電性トナー 実施例1 (トナー組成) (重量部) 定着用樹脂 カルボキシル基を有するスチレンアクリル樹脂 100 着色剤 カーボンブラック 7 離型剤 数平均分子量8000のポリプロピレン 3 磁性粉 マグネタイト 2 上記組成物を2軸押し出し機にて溶融混練し、次いでこ
の混練物をジェットミルで粉砕、風力分級機で分級し1
0.0μmの粒子を得た。この粒子に対して平均粒径が
0.015μmの疎水性シリカ微粒子を0.3重量部と
スペーサー粒子として0.3μmのマグネタイト粒子
0.5重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合して
本発明のトナーを得た。
【0070】実施例2 離型剤として数平均分子量15000であるポリプロピ
レンを使用した以外は実施例1と同様にして本発明のト
ナーを得た。
【0071】比較例1 離型剤として数平均分子量4000であるポリプロピレ
ンを使用した以外は実施例1と同様にしてトナーを作製
した。
【0072】比較例2 離型剤として数平均分子量6000であるポリプロピレ
ンを使用した以外は実施例1と同様にしてトナーを作製
した。
【0073】(評価方法)上記トナー45gと80μm
のフェライトキャリア955gを混合しスタート剤とし
た。このスタート剤を三田工業製DC-2556に搭載
し10万枚のコピーテストを実施した。コピー原稿は、
文字原稿で黒色部の面積率が8%のものを用い、所定枚
数ごとにサンプリングする原稿は黒べた部を含む黒色部
面積率が15%のものを用いた。
【0074】画像濃度 サンプリング画像の黒べた部の濃度を反射濃度計(型番
「TC−6D」東京電色社製)を用いて測定した。
【0075】かぶり 非画像部の濃度を反射濃度計(型番「TC−6D」東京
電色社製)で測定し、ベース紙(複写する前の紙濃度)
との差で表した。
【0076】転写効率 複写開始前のトナーホッパー内のトナー量と、所定枚数
複写後のトナーホッパー内の量とを測定し、その差から
トナー消費量を算出した。一方、所定枚数複写の間にク
リーニング工程において回収されたトナー量を測定し、
トナー回収量を得た。これらの値から、次式によりトナ
ーの転写効率を算出した。 なお、下表の転写効率は スタート時=スタート〜
1万枚 10万枚後=9万枚〜10万枚 の値を示した。
【0077】トナー飛散 10万枚複写終了時の複写機内のトナー飛散状態を目視
観察し、以下の基準で評価した。 ○:トナー飛散なし ×:トナー飛散あり
【0078】スペント量 10万枚複写終了後の現像剤を400メッシュのフルイ
上にのせ、下からブロアーにより吸引しトナーとキャリ
アを分離する。フルイ上に残ったキャリア5gをビーカ
ーに入れ、更にこの中にトルエンを加え、スペントして
キャリア表面に付着したトナーを溶解する。その後ビー
カーの下から磁石でキャリアを引きつけた状態でトルエ
ン溶液をすてる。これをトルエンが無色になるまで数回
繰り返した後、オーブンでトルエンを乾燥させて重量を
測定する。ビーカーに入れた重量と乾燥後の重量の差が
スペント量である。スペント量はキャリア1gあたりに
付着したスペントトナーのmgで表した。
【0079】(評価結果)
【表1】
【0080】数平均分子量7000以上のポリプロピレ
ンを使用した実施例1,2では10万枚のコピーにおい
てかぶり、トナー飛散等良好であったのに対して、比較
例1,2はかぶりの増加や転写効率低下の不具合が発生
した。またトナー飛散も非常に多いレベルであった。ス
ペント量については比較例1,2は実施例1,2に較べ
てかなり多い状態になっており、このスペント量増加が
かぶり、トナー飛散等を悪化させた原因であることは明
らかである。
【0081】2)正帯電性トナー 実施例3 (トナー組成) (重量部) 定着用樹脂 アミノ基を有するスチレンアクリル樹脂 100 着色剤 カーボンブラック 7 離型剤 数平均分子量8000のポリプロピレン 3 磁性粉 マグネタイト 2 上記組成物を2軸押し出し機にて溶融混練し、次いでこ
の混練物をジェットミルで風力分級機で分級し10.0
μmの粒子を得た。この粒子に対して平均粒径が0.0
15μmの疎水性シリカ微粒子を0.3重量部とスペー
サー粒子として0.3μmのマグネタイト粒子0.5重
量部の割合で添加し、ヘンシェルミキサーで混合して本
発明のトナーを得た。
【0082】実施例4 離型剤として数平均分子量15000であるポリプロピ
レンを使用した以外は実施例3と同様にして本発明のト
ナーを得た。
【0083】比較例3 離型剤として数平均分子量4000であるポリプロピレ
ンを使用した以外は実施例3と同様にしてトナーを作製
した。
【0084】比較例4 離型剤として数平均分子量6000であるポリプロピレ
ンを使用した以外は実施例3と同様にしてトナーを作製
した。
【0085】(評価方法)上記トナー45gと80μm
のフェライトキャリア955gを混合しスタート剤とし
た。このスタート剤を三田工業製DC−4685改造機
に搭載し10万枚のコピーテストを実施した。コピー条
件、性能評価方法等は負帯電性トナーでの方法と同様で
ある。
【0086】(評価結果)
【表2】
【0087】負帯電性トナーの結果と同様、数平均分子
量7000以上では性能が安定していたのに対して、7
000以下ではかぶり、トナー飛散等の悪化が認められ
た。
【0088】
【発明の効果】本発明によれば、二成分系磁性現像剤用
熱定着性トナーにおいて、定着用樹脂媒質として、アニ
オン性またはカチオン性の極性基を有する共重合樹脂乃
至樹脂組成物を使用し、樹脂媒質中に分散させる離型剤
として、数平均分子量7000以上のポリプロピレンを
使用し且つトナーをメタノールで抽出した抽出液の波長
400乃至700nm及び280乃至350nmでの吸
収ピークの吸光度が実質上ゼロとなるようにしたことに
より、必要最低限の摩擦帯電の電荷制御性と熱定着時の
離型性が得られると共に、帯電制御剤のキャリアー表面
への移行とこのスペントによる帯電不良が解消され、ト
ナーの帯電性能を長期にわたって安定化することがで
き、トナー及びキャリアーの寿命を延長化することがで
きる。
【0089】また、樹脂媒質100重量部当り0.1乃
至5重量部の磁性粉を含有させることにより、トナー対
キャリアーのクーロン力に加えて、トナー対キャリアの
磁気的吸引力でトナー飛散が防止されるようになる。更
に、本発明では、トナー粒子1個当りの帯電量を比較的
少ないレベルとし、一定帯電量の静電潜像に付着するト
ナー粒子の数を増大させて、見掛の現像感度を増大させ
ることができる。
【0090】更にまた、本発明の好適態様においては、
トナーに外添する流動性改良剤中に粒径0.05乃至
1.0μmのスペーサー粒子を介在させることにより、
トナー像と感光体表面の潜像との結合を弱めて、トナー
像の剥離が容易に行われるようにし、これによりトナー
像転写工程での転写効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】帯電制御剤としてクロム錯塩染料(2:1型)
を含有するトナーをメタノールで抽出した抽出液の波長
400乃至700nmでの吸光度曲線である。
【図2】帯電制御剤としてサリチル酸金属錯体を用いた
トナーのメタノール抽出液の波長280乃至350nm
での吸光度曲線である。
【図3】図1の測定に使用したトナーを二成分系磁性現
像剤として使用し、スペントによる帯電不良が発生した
キャリアーについて、同様にメタノールで抽出し、この
抽出液の波長400乃至700nmの吸光度曲線を測定
したグラフである。
【図4】帯電制御剤を含有するトナーと磁性キャリアー
との混合物並びに帯電制御剤を含有しないトナーと磁性
キャリアーとの混合物を混合した場合に、混合時間とス
ペント量との関係をプロットしたグラフである。
【図5】帯電制御剤を含有するトナーと磁性キャリアー
との混合物並びに帯電制御剤を含有しないトナーと磁性
キャリアーとの混合物を混合した場合に、混合時間と帯
電量との関係を夫々プロットしたグラフである。
【図6】スペントが付着したキャリアーのスペント量と
スペントトナー中の帯電制御剤との関係を測定したグラ
フである。
【図7】トナー中の各成分単独と磁性キャリアーとを混
合した場合における混合時間とスペント量との関係を示
すグラフである。
【図8】従来の二成分系磁性現像剤におけるスペント発
生による帯電不良の発生を説明する説明図である。
【図9】従来の正帯電性トナーをメタノールで抽出した
抽出液の、波長200乃至700nmでの吸光度曲線で
ある。
【図10】本発明の負帯電性トナーをメタノールで抽出
した抽出液の、波長200乃至700nmでの吸光度曲
線である。
【図11】本発明の正帯電性トナーをメタノールで抽出
した抽出液の、波長200乃至700nmでの吸光度曲
線である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 371 374 375 (72)発明者 石丸 聖次郎 大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工 業株式会社内 (72)発明者 永尾 一也 大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工 業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二成分系磁性現像剤用トナーにおいて、
    定着用樹脂媒質がアニオン性またはカチオン性の極性基
    を有する共重合樹脂乃至樹脂組成物であり、前記トナー
    は前記樹脂媒質100重量部当り0.1乃至5重量部の
    磁性粉及び0.1乃至6重量部の数平均分子量7000
    以上のポリプロピレンを含有し且つ該トナーをメタノー
    ルで抽出した抽出液の波長400乃至700nm及び2
    80乃至350nmでの吸収ピークの吸光度が実質上ゼ
    ロであることを特徴とする耐スペント性に優れた二成分
    系磁性現像剤用熱定着性トナー。
  2. 【請求項2】 二成分系磁性現像剤用トナーにおいて、
    定着用樹脂媒質がアニオン性またはカチオン性の極性基
    を有する共重合樹脂乃至樹脂組成物であり、前記トナー
    は前記樹脂媒質100重量部当り0.1乃至5重量部の
    磁性粉及び0.1乃至6重量部の数平均分子量7000
    以上のポリプロピレンを含有し且つ該トナーをメタノー
    ルで抽出した抽出液の波長400乃至700nm及び2
    80乃至350nmでの吸収ピークの吸光度が実質上ゼ
    ロである粒径5乃至15μmのトナー粒子の表面に、体
    積基準粒径0.05乃至1.0μmのスペーサー粒子を
    含有する微粉流動性改良剤を付着させて成ることを特徴
    とする耐スペント性及び転写効率に優れた二成分系磁性
    現像剤用熱定着性トナー。
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