JPH086301A - 二成分系磁性現像剤 - Google Patents

二成分系磁性現像剤

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JPH086301A
JPH086301A JP6143244A JP14324494A JPH086301A JP H086301 A JPH086301 A JP H086301A JP 6143244 A JP6143244 A JP 6143244A JP 14324494 A JP14324494 A JP 14324494A JP H086301 A JPH086301 A JP H086301A
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Japan
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toner
magnetic
carrier
resin
weight
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JP6143244A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Shimoyama
宏 下山
Shigeo Yabe
成男 矢部
Tadao Sumiyoshi
忠男 住吉
Akihiko Kawatani
昭彦 川谷
Terumichi Asano
照道 浅野
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Kyocera Mita Industrial Co Ltd
Original Assignee
Mita Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 電子写真法に用いる二成分系磁性現像剤にお
いて、磁性キャリヤとして、カチオン性極性基を有する
熱可塑性の樹脂乃至樹脂組成物中に、固有抵抗が1×1
5 Ω・cm以上の高抵抗磁性粉が全体当たり60乃至8
8重量%で分散されている粒径が50乃至150μm の
粒状キャリヤを用いたことを特徴とする。 【効果】 トナーの帯電のためのキャリヤとトナーとの
混合攪拌が低攪拌力で行われ、しかも磁気ブラシの磁力
も小さいため、磁気ブラシの搬送トルクも小さくてよ
い。このため、装置的制約が少なく、現像装置のコンパ
クト化等の面で極めて有利である。また、この現像剤
は、磁性キャリヤ中の磁性粉分散媒となる樹脂としてカ
チオン性極性基を有するものを使用していることから、
CCAレストナーを用いた場合に、該トナーの帯電性不
足を有効に補うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二成分系磁性現像剤に
関するものであり、より詳細には、トナー粒子の帯電の
ための攪拌に要する力や磁気ブラシの搬送のためのトル
クが小さくてすむ二成分系磁性現像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真感光体上に形成される静電荷像
を現像するための現像剤として、鉄粉、フェライト粒子
等から成る磁性キャリアーと、着色樹脂組成物から成る
顕電性トナーとの組成物から構成されている所謂二成分
系磁性現像剤が広く使用されている。
【0003】この二成分系磁性現像剤は、現像に際し
て、磁性キャリアーとトナーとを混合することによっ
て、トナー粒子を一定極性に帯電させ、この混合物を磁
気ブラシの形で感光体に迄搬送し、感光体表面を磁気ブ
ラシで摺擦し、帯電トナーを感光体表面の電荷像に吸着
保持せしめて、可視像を形成させる。
【0004】然しながら、従来公知の二成分系磁性現像
剤では、トナー粒子の帯電のための磁性キャリアーとト
ナーとの混合攪拌に際して大きな攪拌力が必要であり、
また磁気ブラシの形で現像剤を感光体まで搬送する際に
も大きなトルクが必要になるなど、装置的な制約が多
い。また、磁気ブラシの感光体に対する摺擦力が大きい
ため、形成される画像に白筋(磁気ブラシの掃き跡)が
発生するなど、画質の点でも未だ改善の余地がある。
【0005】また二成分磁性現像剤は、磁性キャリアー
とトナーとを混合して使用した初期においては、満足す
べき帯電性能を示すものでも、所謂スペント(トナー)
の発生によって帯電性能が劣化し、その寿命が短かくな
ることが知られている。このスペント(トナー)とは、
磁性キャリアーの表面にトナー成分がフィルム状に付着
析出する現象であり、磁性キャリアーの表面がトナーの
それに近いものとなってくるため、摩擦帯電列が近づ
き、所定の帯電性能が得られなくなる。かくして、スペ
ントが発生すると、磁性キャリアーを廃棄し、新しい磁
性キャリアーと交換しなければならないという不都合を
生じるのである。
【0006】本発明者等は、上記スペント(トナー)の
発生は、トナー中に配合されている帯電制御剤による影
響が大きいことを見いだし、二成分系磁性現像剤に用い
るトナーとして、荷電制御剤(CCA)が配合されてい
ない(CCAレス)トナーを先に提案した(特願平5−
205182号)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のCCAレストナ
ーが使用されている二成分磁性現像剤は、耐スペント性
に優れ且つトナー及びキャリアーの寿命が延長化されて
いるという顕著な利点を有するという点で極めて有意義
なものであるが、前述した磁性キャリアーとトナーとの
混合攪拌性、磁気ブラシの搬送性、磁気ブラシの摺擦力
等の点では満足し得るものではない。また荷電制御剤が
配合されていないため、帯電性が従来公知のものに比し
て劣っているという本質的な問題も残っている。
【0008】またスペント(トナー)の発生を防止する
ために、磁性キャリヤ表面を樹脂コートすることも知ら
れている。然しながら、このような表面コートを行った
磁性キャリヤは感光体表面に付着し易く、またキャリヤ
同士の凝集(ブロッキング)を生じ易い等の問題を有し
ている。
【0009】従って、本発明の目的は、磁性キャリアー
とトナーとの混合攪拌性、磁気ブラシの搬送性、磁気ブ
ラシの摺擦力等の特性が改善された二成分系磁性現像剤
を提供することにある。本発明の他の目的は、特にCC
Aレストナーを用いた場合にも十分な帯電性を有する二
成分系磁性現像剤を提供することにある。本発明の更に
他の目的は、磁性キャリヤの感光体表面への付着及び磁
性キャリヤの凝集傾向が有効に改善された二成分系磁性
現像剤を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、磁性キ
ャリヤとトナーとの混合物から成る二成分系磁性現像剤
において、磁性キャリヤが、カチオン性極性基を有する
熱可塑性の樹脂乃至樹脂組成物中に、固有抵抗が1×1
5 Ω・cm以上の高抵抗磁性粉が全体当たり60乃至8
8重量%で分散されている粒径が50乃至150μm の
粒状キャリヤであることを特徴とする二成分系磁性現像
剤が提供される。
【0011】本発明の二成分系磁性現像剤においては、
トナーとして、アニオン性極性基を有する共重合樹脂乃
至樹脂組成物を定着用樹脂媒質とし、該樹脂媒質100
重量部当たり0.1乃至5重量部の磁性粉を内添または外
添されて含有し且つメタノール抽出液について測定して
波長400乃至700nm及び280乃至350nmでの吸
収ピークの吸光度が実質上ゼロであるもの(CCAレス
トナー)が好適に使用される。
【0012】
【作用】本発明においては、磁性キャリヤとして樹脂乃
至樹脂組成物中に磁性粉が分散されている粒状キャリヤ
を使用したものであるが、磁性粉の含有量がキャリヤ全
体当たり60乃至88重量%、好ましくは70乃至85
重量%の範囲にある。即ち、この磁性キャリヤは、従来
公知の磁性キャリヤに比して磁気ブラシの磁力が小さい
という特徴を有している。
【0013】従って、本発明の現像剤では、磁気ブラシ
の磁力が小さいため、磁気ブラシの搬送に要するトルク
が小さいものでよく、装置的な制約が大幅に緩和され、
例えば現像装置のコンパクト化等の面で極めて有利とな
る。さらに磁気ブラシの磁力が小さいため、磁気ブラシ
による感光体表面に対する摺擦力も弱く、本発明の現像
剤を用いて得られる画像は、磁気ブラシの掃き跡に起因
する白筋等がなく、画質の面でも優れている。例えば、
磁性粉の含有量が上記範囲よりも多くなると、磁気ブラ
シの磁力が高くなるため、混合攪拌に際して必要な攪拌
力が大きなものとなるし、また磁気ブラシの摺擦力も大
きなものとなり、画質の点で不満足なものとなる。一
方、磁性粉の含有量が上記範囲よりも少量となると、磁
気ブラシの磁力が小さくなり過ぎて、磁気ブラシの形で
の現像剤の搬送を有効に行うことが困難となる。
【0014】尚、表面が樹脂コートされている従来の磁
性キャリヤでは、本発明で用いる磁性粉が分散されてい
る磁性キャリヤとは異なり、キャリヤ中の磁性成分含量
が大であり、しかも粒径も極めて小さいため、磁気ブラ
シの磁力が大きく上述した磁気ブラシの搬送性及び摺擦
性の点で、極めて劣ったものとなっている。
【0015】また本発明で用いる磁性キャリヤは、その
粒子径が50乃至150μm 、好ましくは70乃至12
0μm の範囲にある。即ち、この磁性キャリヤは微粉が
カットされて大粒径化されたものであるから密度が小さ
い。従って、磁性キャリアーとトナーとの混合攪拌に要
する攪拌力は小さくてよく、トナーの帯電のため混合攪
拌をマイルドな条件で行うことができる。また大粒径の
磁性キャリヤであるため、この磁性キャリヤが樹脂中に
磁性粉を分散させたものであるが、キャリヤ同士の凝集
傾向が有効に抑制され、磁気ブラシ現像を安定して行う
ことが可能となるという利点も達成される。
【0016】例えば、磁性キャリヤの粒子径が上記範囲
よりも小さいと、微粉分を含むため、キャリヤの密度が
大きくなり、トナーの帯電のために行われる磁性キャリ
アーとトナーとの混合攪拌に大きな攪拌力が必要とな
り、装置的な制約が大となる。また表面が樹脂であるキ
ャリヤの表面積が大きくなるため、キャリヤ同士の凝集
を生じ易くなってしまう。一方、粒子径が上記範囲より
も大きいと、キャリヤの表面積が小さくなり、トナーの
帯電のための混合攪拌に際して、トナーとの接触面積を
十分にとることができず、トナーを均一に摩擦帯電する
ことが困難となる傾向がある。
【0017】また本発明においては、樹脂に分散させる
キャリヤ中の磁性粉として、固有抵抗が1×105 Ω・
cm以上、特に106 乃至107 Ω・cmの高抵抗磁性粉を
使用することも重要である。例えば、磁性粉の代表的な
ものとしてはマグネタイトが知られているが、このもの
は固有抵抗が103 Ω・cm程度であり、本発明で使用す
るものに比してオーダーが2桁低い。従って、併用する
樹脂自体は本質的に絶縁性のものであり高抵抗である
が、磁性粉とこのような低抵抗のものを用いた場合に
は、磁性キャリヤが低抵抗化するため、感光体への付着
傾向が大きいのである。本発明では、上述した高抵抗磁
性粉が使用され、しかも前述した如く、磁性粉の樹脂に
対する使用量は、従来公知の樹脂コートキャリヤに比し
てもかなり少ないものとなっているため、磁性キャリヤ
の低抵抗化による感光体への付着傾向が有効に防止され
るのである。
【0018】さらに本発明においては、前記磁性粉の分
散媒である樹脂として、カチオン性極性基を有する熱可
塑性樹脂が使用されていることにより、磁性キャリヤに
帯電性が付与される。これにより、この磁性キャリヤを
帯電制御剤が配合されていないCCAレストナーと組み
合わせた場合、トナーの帯電性が顕著に向上する。即
ち、CCAレストナーは、帯電制御剤が配合されていな
いことから、本質的に帯電性が不十分であるという欠点
を有しているが、本発明によれば、このようなCCAレ
ストナーの欠点を有効に改善することが可能となり、ス
ペントの発生防止というCCAレストナーの利点を最大
限に活用することが可能となる。
【0019】
【発明の好適態様】
(磁性キャリヤ)樹脂媒質 ;本発明において、磁性粉の分散媒として使用
されるカチオン性の極性基を有する熱可塑性樹脂は、カ
チオン性の極性基を有する単量体の重合或いはランダム
共重合、ブロック共重合、或いはグラフト共重合等の共
重合により製造され、またはカチオン性極性基含有重合
開始剤を使用して、形成される重合体の末端にカチオン
性極性基を導入した熱可塑性樹脂或いは該樹脂と他の熱
可塑性樹脂との樹脂組成物である。
【0020】このようなカチオン性の極性基としては、
1級、2級、3級のアミノ基や第4級有機アンモニウム
基、アミド基、イミノ基、イミド基、ヒドラジノ基、グ
アニジノ基、アミジノ基等の塩基性窒素含有基等の任意
のカチオン性基を有するものがあげられるが、アミノ基
や第4級アンモニウム基が特に好適である。カチオン性
極性基を有する単量体の好適例としては、以下のものを
例示することができる。
【0021】カチオン性極性基含有ビニル単量体;ジア
リルジメチルアンモニウムクロリド、ビニルトリメチル
アンモニウムクロリド、N−ビニルカルバゾール、2−
ビニルイミダゾール、N−ビニルピロール、N−ビニル
インドール、N−ビニルピロリドン、第4級ビニルピリ
ジウム等。
【0022】塩基性窒素含有(メタ)アクリル単量体; 下記一般式(1):
【0023】
【化1】
【0024】式中、Rは水素原子或いはメチル基であ
り、R1 及びR2 の各々はアルキレン基であり、R3
びR4 の各々は水素原子或いはアルキル基であり、pは
ゼロまたは1である、で表される化合物或いはその第4
級アンモニウム塩。
【0025】例えば、ジメチルアミノエチルメタクリレ
ート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルア
ミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアク
リレート、ジメチルアミノプロピルメタクリレート、ジ
メチルアミノプロピルアクリレート、ジブチルアミノエ
チルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリ
ルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル−N’−アミ
ノエチルメタクリレート、3−アクリルアミド−3,3
−ジメチルプロピルジメチルアミン、並びにこれらの第
4級アンモニウム塩。
【0026】またカチオン性極性基含有重合開始剤の適
当な例としては次のものが例示される。
【0027】アゾアミジン乃至アゾアミド化合物; 下記一般式(2):
【0028】
【化2】
【0029】式中、Yは酸素原子または基=N−R7
あり、ここで、基R7 は水素原子またはアルキル基であ
り、R5 は水素原子、置換または未置換のアルキル基、
アルケニル基、または置換または未置換のアリール基で
あり、R6 水素原子または置換または未置換のアルキル
基であり、基Yが=N−R7 である場合、基R7 と基R
5 とは連結して、置換または未置換のアルキレン基を形
成していてもよい、で表されるアゾアミジン乃至アゾア
ミド化合物。
【0030】例えば、2,2’−アゾビス(2−メチル
−N−フェニルプロピオンアミジン)2塩酸塩、2,
2’−アゾビス{N−(4−クロロフェニル)−2−メ
チル}プロピオンアミジン)2塩酸塩、2,2’−アゾ
ビス{N−(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチル}
プロピオンアミジン)2塩酸塩、2,2’−アゾビス
{N−(4−アミノフェニル)−2−メチル}プロピオ
ンアミジン)2塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−メチ
ル−N−(フェニルメチル)プロピオンアミジン}2塩
酸塩、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−プロペニ
ルプロピオンアミジン)2塩酸塩、2,2’−アゾビス
(2−メチルプロピオンアミジン)2塩酸塩、2,2’
−アゾビス{N−(2−ヒドロキシエチル)−2−メチ
ル}プロピオンアミジン)2塩酸塩、2,2’−アゾビ
ス{2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)
プロパン}2塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−(2−
イミダゾリン−2−イル)プロパン}2塩酸塩、2,
2’−アゾビス{2−(4,5,6,7−テトラヒドロ
−1H−1,3−ジアゼピン−2−イル)プロパン}2
塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−(3,4,5,6−
テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン}2塩酸
塩、2,2’−アゾビス{2−(5−ヒドロキシ−3,
4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロ
パン}2塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−[1−(2
−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]
プロパン}2塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−(2−
イミダゾリン−2−イル)プロパン}、2,2’−アゾ
ビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメ
チル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、
2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス
(ヒドロキシメチル)エチル]プロピオンアミド}、
2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−ヒドロキ
シエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス
{2−メチルプロピオンアミド}2水和物等。
【0031】樹脂乃至樹脂組成物の主体となり得る他の
単量体または熱可塑性樹脂としては、カチオン性極性基
に由来するキャリヤの帯電性に悪影響を与えない限り、
任意のものを使用することができるが、一般的には、エ
チレン系不飽和結合を有する単量体の1種又は2種以上
の組み合わせ、或いはこれらから誘導される熱可塑性樹
脂が使用される。
【0032】かかるエチレン系不飽和結合を有する単量
体としては、トナーの定着樹脂として好適に使用されて
いるもの、例えばアクリル系単量体、モノビニル芳香族
単量体、ビニルエステル系単量体、ビニルエーテル系単
量体、ジオレフィン系単量体、モノオレフィン系単量体
等である。
【0033】本発明において、上述したカチオン性極性
基を有する熱可塑性樹脂乃至樹脂組成物は、全体の樹脂
乃至樹脂組成物100g当たり、2乃至50ミリモル、
特に10乃至30ミリモルとなるようなカチオン性の極
性基の濃度を有していることが望ましい。カチオン性極
性基の濃度が、上記範囲よりも低いと、磁性キャリヤに
帯電性を付与してCCAレストナーの帯電性不足を補う
ことが困難となり、また上記範囲よりも高濃度で含んで
いると、湿分等の影響により凝集を生じやすくなり好ま
しくない。
【0034】磁性粉;上述したカチオン性極性基を有す
る熱可塑性樹脂乃至樹脂組成物に分散させる磁性粉とし
ては、先にも説明した通り、固有抵抗が1×105 Ω・
cm以上、特に106 乃至107 Ω・cmの高抵抗磁性粉が
使用される。
【0035】一般に磁性粉としては、四三酸化鉄(Fe
3 4 )、三二酸化鉄(γ−Fe2 3 )、酸化鉄亜鉛
(ZnFe2 4 )、酸化鉄イットリウム(Y3 Fe5
12)、酸化鉄カドミウム(CdFe2 4 )、酸化鉄
ガドリウム(Gd3 Fe5 12)、酸化鉄銅(CuFe
2 4 )、酸化鉄鉛(PbFe1219)、酸化鉄ニッケ
ル(NiFe2 4 )、酸化鉄ネオジウム(NdFeO
3 )、酸化鉄バリウム(BaFe1219)、酸化鉄マグ
ネシウム(MgFe2 4 )、酸化鉄マンガン(MnF
2 4 )、酸化鉄ランタン(LaFeO3 )、鉄粉
(Fe)、コバルト粉(Co)、ニッケル粉(Ni)
等、が広く知られており、これらは磁性トナー中の磁性
成分として使用されている。
【0036】然しながら、これらは固有抵抗が1×10
5 Ω・cmよりも低く、例えば四三酸化鉄(マグネタイ
ト)の固有抵抗は103 Ω・cm程度である。従って、本
発明においては、これらの磁性粉をそのまま使用するこ
とができず、例えば表面酸化処理や侠雑イオンの除去な
どを行って、その固有抵抗を上述した範囲に調整して使
用に供する必要がある。また二成分系磁性現像剤の磁性
キャリヤとして従来から使用されているフェライトは、
高抵抗であり、格別の処理を行うことなく使用すること
ができる。
【0037】また上記の磁性粉は、固有抵抗が上記範囲
内にある限り、例えばシランカップリング剤やチタンカ
ップリング剤等により表面処理され、樹脂に対する分散
性が向上されていてもよい。さらに、磁性粉の粒子径
は、通常、2μm 以下、特に0.05乃至1.0μm の範囲に
あることが好適である。この範囲よりも大きな粒径であ
ると、該磁性粉が樹脂に分散された粒状キャリヤの粒径
を、前述した範囲に調整することが困難となるおそれが
ある。
【0038】磁性キャリヤの製造;本発明で用いる磁性
キャリヤは、前述した熱可塑性樹脂乃至樹脂組成物と磁
性粉とを加熱下で均一に混練し、粉砕及び分級により微
粉をカットして、粒子径を50乃至150μm 、好まし
くは70乃至120μm の範囲に調整することにより製
造される。また磁性粉の使用量は、キャリヤ全体当たり
に対する磁性粉含量が、60乃至90重量%、好ましく
は70乃至85重量%の範囲となる量とする。かくして
得られる粒状の磁性キャリヤは、低密度で且つ磁気ブラ
シの磁力が小さいものであることから、混合攪拌性及び
磁気ブラシの搬送性が良好であり、また現像に際しての
磁気ブラシの感光体に対する摺擦力も緩和され、装置的
な制約が少なく、しかも良好な画質の画像を得る上で極
めて有利である。また磁性キャリヤの凝集や感光体表面
への付着も殆どない。
【0039】(CCAレストナー)上述した磁性キャリ
ヤは、それ自体公知の種々のトナーと組み合わせて二成
分系磁性現像剤として使用されるが、特に帯電制御剤が
配合されていないCCAレストナーとの組み合わせで使
用された場合に、CCAレストナーの帯電性不足を有効
に補うことができ、極めて有利である。
【0040】かかるCCAレストナーは、アニオン性極
性基を有する共重合樹脂乃至樹脂組成物を定着用樹脂媒
質とし、該樹脂媒質100重量部当たり0.1乃至5重量
部の磁性粉を内添または外添されて含有し且つメタノー
ル抽出液について測定して波長400乃至700nm及び
280乃至350nmでの吸収ピークの吸光度が実質上ゼ
ロであるものである。かかるトナーは、スペント(トナ
ー)の発生が有効に抑制されるという利点を有してい
る。
【0041】このCCAレストナーのスペント(トナ
ー)の発生防止機能について簡単に説明すると、次の通
りである。添付図面の図1は、正帯電像の現像に用いる
従来の二成分系磁性現像剤用トナーの内、帯電制御剤と
してクロム錯塩染料(2:1型)を含有するトナーをメ
タノールで抽出した抽出液の波長400乃至700nm
での吸光度曲線であり、図2は帯電制御剤としてサリチ
ル酸金属錯体を用いたトナーのメタノール抽出液の波長
280乃至350nmでの吸光度曲線である。
【0042】これらの図によると、抽出液は何れも帯電
制御剤に基づく特性吸収ピークを示しており、これはト
ナー粒子表面には帯電制御剤がかなり高濃度で含有して
いることを意味している。これは、帯電制御剤は、トナ
ー中に内添してもトナー粒子表面に移行し、この移行に
よって摩擦帯電による電荷を制御するという考えともよ
く符合するものである。
【0043】一方、図3は、図1の測定に使用したトナ
ーを二成分系磁性現像剤として使用し、スペントによる
帯電不良が発生したキャリアーについて、同様にメタノ
ールで抽出し、この抽出液の波長400乃至700nm
の吸光度曲線を測定したものである。この測定結果によ
ると、キャリアー表面にも帯電制御剤が高濃度に付着、
析出しており、スペントによる帯電不良は、従来考えら
れていたトナー樹脂によるキャリアー表面の単なるフイ
ルミングではなく、帯電制御剤のキャリアー表面への移
行であるという事実が明らかである。
【0044】即ち、CCAレストナーでは、磁性キャリ
アー表面への帯電制御剤の移行を防止するため、トナー
粒子への移行性帯電制御剤の内添乃至配合をとりやめた
ものである。これに伴なって、CCAレストナーは、図
4の吸光度曲線に示す通り、メタノールで抽出した時に
も、このメタノール抽出液は、波長200乃至700n
mでの吸収ピークが存在しないか、或いは存在したとし
ても吸光度が実質上ゼロである。また図4の吸光度曲線
に示す通り、上記抽出液について波長280乃至350
nmで吸光度を測定しても、吸収ピークがなく、吸光度
が実質上ゼロである。これにより、キャリアー表面への
帯電制御剤の移行を抑制し、耐スペント性を向上させた
ものである。
【0045】定着用樹脂媒質;帯電制御剤を含有させな
いCCAレストナーでは、帯電制御剤を配合したトナー
に比して帯電量がどうしても不足になる。この帯電不足
を補うために、定着用樹脂媒質として、アニオン性の極
性基を有する共重合樹脂乃至樹脂組成物が使用され、こ
の樹脂乃至樹脂組成物の使用により、現像に際して必要
最低限の摩擦帯電の電荷制御性が得られる。
【0046】アニオン性極性基としては、カルボン酸、
スルホン酸、ホスホン酸等の任意の極性基が挙げられる
が、カルボン酸型のものが特に好適である。カルボン酸
型のものとしては、エチレン系不飽和カルボン酸、例え
ば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン
酸、無水マレイン酸、フマール酸、マレイン酸或いはフ
マール酸等の低級アルキルハーフエステル等が挙げられ
る。スルホン酸型のものとしては、スチレンスルホン
酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸等が挙げられる。ホスホン酸型のものとしては、2−
アシッドホスホキシプロピルメタクリレート、2−アシ
ッドホスホキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2
−アシッドホスホキシプロピルメタクリレート等が挙げ
られる。これらのアニオン性極性基含有単量体単位は、
遊離の酸であっても、またナトリウム、カリウム等のア
ルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土
類金属、亜鉛等で中和されていてもよい。
【0047】樹脂乃至樹脂組成物の主体となる他の単量
体は、生成重合体がトナーに要求される定着性と検電性
とを有するものであり、エチレン系不飽和二重結合を有
する単量体、例えばアクリル系単量体、モノビニル芳香
族単量体、ビニルエステル系単量体、ビニルエーテル系
単量体、ジオレフィン系単量体、モノオレフィン系単量
体等の1種または2種以上の組み合わせが使用される。
【0048】アクリル系単量体としては、例えば下記一
般式(3):
【0049】
【化3】
【0050】式中、R8 は水素原子又は低級アルキル
基、R9 は水素原子、炭素数12迄の炭化水素基、ヒド
ロキシアルキル基である、で表されるアクリル系単量
体、特にアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリ
ル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−
エチルヘキシル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル、γ
−ヒドロキシアクリル酸プロピル、δ−ヒドロキシアク
リル酸ブチル、β−ヒドロキシメタクリル酸エチル等が
挙げられる。
【0051】モノビニル芳香族単量体としては、例えば
一般式(4):
【0052】
【化4】
【0053】式中、R10は水素原子、低級アルキル基又
はハロゲン原子であり、R11は水素原子、低級アルキル
基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、ニトロ基
等であり、Φはフェニレン基である、で表されるモノビ
ニル芳香族炭化水素、例えばスチレン、α−メチルスチ
レン、ビニルトルエン、α−クロロスチレン、o−、m
−、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン等の単独
又は2種以上の組合せを挙げることができる。
【0054】更に他の単量体としては以下の一般式
(5),(6),(7)或いは(8)のものが夫々挙げ
られる。 CH=CH−OOCR12 (5) 式中、R12は水素原子又は低級アルキル基である、のビ
ニルエステル、例えばギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニル等。
【0055】 CH=CH−O−R13 (6) 式中、R13は炭素数12迄の一価炭化水素基である、の
ビニルエーテル、例えばビニルメチルエーテル、ビニル
エチルエーテル、ビニル−n−ブチルエーテル、ビニル
フェニルエーテル、ビニルシクロヘキシルエーテル等。
【0056】
【化5】
【0057】式中、R14、R15、R16の各々は水素原
子、低級アルキル基又はハロゲン原子である、のジオレ
フィン類、特にブタジエン、イソプレン、クロロプレン
等。
【0058】
【0059】
【化6】
【0060】式中、R17及びR18の各々は水素原子又は
低級アルキル基である、のモノオレフィン類、特にエチ
レン、プロピレン、イソブチレン、ブテン−1、ペンテ
ン−1、4−メチルペンテン−1等。
【0061】またアニオン性極性基を有する共重合樹脂
は、遊離酸の場合、酸価で表して2乃至30、特に5乃
至15となるようなアニオン性極性基の濃度を有してい
ることが望ましい。共重合樹脂のアニオン性極性基の一
部乃至全部が中和されている場合にも、上記酸価に対応
するアニオン性極性基濃度を有するのがよい。共重合樹
脂中のアニオン性の極性基濃度が上記範囲よりも少ない
ときには、トナーの帯電性が不満足となり易く、一方上
記範囲よりも多いと、トナーの帯電性がやはり不満足と
なったり、トナーが湿度敏感性となり、好ましくない。
【0062】好適な共重合樹脂は、アニオン性極性基含
有単量体と、式(3)のアクリル系単量体の一種或いは
二種以上を必須成分として含有し、所望により、式
(4)乃至式(8)の単量体を任意成分として含有する
共重合樹脂である。またアニオン性極性基含有共重合樹
脂は、上記の通り、単独で使用できるほか、アニオン性
極性基含有共重合樹脂の二種以上を含む組成物、或いは
アニオン性極性基含有共重合樹脂とアニオン性極性基を
有しない共重合樹脂との組成物の形でも定着用樹脂媒質
として使用し得る。定着用樹脂媒質が樹脂組成物から成
る場合、樹脂組成物全体としてのアニオン性の極性基の
濃度は、共重合樹脂について述べた前記範囲にあるのが
よい。
【0063】磁性粉;またCCAレストナーでは、磁性
粉が内添または外添により配合される。即ち、前述した
定着用樹脂媒質中のアニオン性の極性基は、トナーに帯
電制御性を与えるものではあるが、樹脂骨格に結合して
いるため、トナー粒子表面への移行がない反面として、
現像時の磁気ブラシにおけるトナー粒子とキャリアーと
のクーロン力による結合が弱くなり、特に高速複写にな
ればなる程、トナー飛散が著しくなり、これより、複写
機のトナー汚染や複写物のカブリ濃度が増大するという
欠点が認められる。
【0064】CCAレストナーでは、これを防止するた
め、トナー中に磁性粉を特定の量で含有させ、トナー対
キャリアーのクーロン力に加えて、トナー対キャリアの
磁気的吸引力でトナー飛散が防止されるようにする。こ
れにより、トナー飛散を防止しながら、現像時の見掛感
度を増大できる。即ち、トナー粒子1個当りの帯電量が
少ない程一定帯電量の静電潜像に付着するトナー粒子の
数が増大するので、見掛の現像感度は増大する。これは
CCAレストナーの顕著な利点の一つである。
【0065】このような磁性粉は、樹脂媒質100重量
部当り0.1乃至5重量部、特に0.5乃至3重量部のよう
な少量の内添または外添でよい。従来二成分系磁性現像
剤に使用する磁性トナーでは、樹脂媒質100重量部当
り磁性粉を10重量部よりも多い量で使用するが、本発
明で用いる量はこれよりもかなり少ない量である。磁性
粉の使用量が0.1重量部よりも少ない場合には、トナー
飛散が生じ易くなり、一方5重量部よりも多くなると現
像濃度が低下するという問題がある。
【0066】上記の磁性粉としては、磁性キャリヤで用
いる磁性粉の項で例示した低抵抗のものから高抵抗のも
のまで任意のものを使用することができるが、特に好適
な磁性粉は微粒子状四三酸化鉄(マグネタイト)であ
る。好適なマグネタイトは正8面体状で、粒子径が0.05
乃至1.0μmのものである。このマグネタイト粒子は、
シランカップリング剤、チタン系カップリング剤等で表
面処理されていてもよい。また、この磁性粉を外添によ
り配合した場合には、トナーの流動性改善にも効果があ
り、またトナーの転写効率を向上させる効果もある。
【0067】その他のトナー配合剤;CCAレストナー
は熱定着性のものであり、従って、熱定着時に離型性を
付与する必要があるが、CCAレストナーでは離型剤と
して数平均分子量7000以上、好ましくは7,000
乃至30,000のポリプロピレンを選択し、これを樹
脂媒質100重量部当たり0.1乃至6重量部の量で配合
されていることが好適である。これにより、熱定着時の
耐オフセット性を向上させながら、トナーの耐スペント
性を一層向上させることができる。この理由は、数平均
分子量7000未満のポリプロピレンでは、トナー製造
のための混練工程中で、これが溶融して低粘度になるた
めシェアがかかりにくく、そのため樹脂媒質中への分散
が悪く、キャリアー等へのスペントが多くなるのに対し
て、数平均分子量が7000以上のポリプロピレンで
は、軟化点が高くなるため、混練時に溶融しがたく、シ
ェアがかかり、樹脂媒質への分散がよくなって、スペン
トの発生が抑制されることによる。上記ポリプロピレン
の配合量が前記範囲よりも低い場合には、熱定着時の耐
オフセット性が不十分となり、一方上記範囲よりも多い
と、スペント傾向が大きくなるので好ましくない。また
上記分子量範囲のポリプロピレンは、例えば「330
P」(三洋化成社製数平均分子量15,000)の商品
名で入手し得る。
【0068】上記の離型剤以外にも、従来公知のトナー
に配合されている配合剤、例えば着色剤を配合すること
も勿論可能である。このような着色剤は、通常、定着用
樹脂媒質100重量部当り2乃至20重量部、特に5乃
至15重量部の量で使用される。着色剤(顔料)の適当
な例は次の通りである。
【0069】黒色顔料 カーボンブラック、アセチレンブラック、ランブラッ
ク、アニリンブラック。 黄色顔料 黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネ
ラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネー
ブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエロ
ーG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、
ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パ
ーマンネントイエローNCG、タートラジンレーキ。 橙色顔料 赤口黄鉛、モリブテンオレンジ、パーマネントオレンジ
GTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、イン
ダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレン
ジG、インダスレンブリリアントオレンジGK。 赤色顔料 ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀カドミウ
ム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾ
ロンレッド、ウオッチングレッドカルシウム塩、レーキ
レッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレー
キ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリア
ントカーミン3B。 紫色顔料 マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレ
ットレーキ。 青色顔料 紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクト
リアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタ
ロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化
物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーB
C。 緑色顔料 クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、
マラカイトグリーンレーキ、ファナルイエローグリーン
G。 白色顔料 亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛。 体質顔料 バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイト
カーボン、タルク、アルミナホワイト。
【0070】CCAレストナーの製法;CCAレストナ
ーは、粉砕分級法、溶融造粒法、スプレー造粒法、重合
法等のそれ自体公知の方法で製造し得るが、粉砕分級法
が一般的である。例えば各トナー成分を、ヘンシェルミ
キサー等の混合機で前混合した後、二軸押出機等の混練
装置を用いて混練し、この混練組成物を冷却した後、粉
砕し、分級してトナーとする。CCAレストナーの粒径
は、一般にコールターカウンターによるメジアン径が5
乃至15μm、特に7乃至12μmの範囲内にあるのが
よい。
【0071】CCAレストナー粒子の表面には、必要に
応じ疎水性気相法シリカ等の公知の流動性改良剤を、外
添により付着させてトナーの流動性を改善することが可
能である。外添により添加される流動性改良剤の量は、
トナー当たり0.1乃至2.0重量%の量とするのがよい。
【0072】また、この流動性改良剤中には、この剤よ
りも粒径の大きい0.05乃至1.0μmの粒径を有するスペ
ーサー粒子を含有させることにより、転写効率を向上さ
せることができる。このスペーサー粒子の外添により、
トナー像と感光体表面の潜像との結合を弱めて、トナー
像の剥離が容易に行われるようにし、これによりトナー
像転写工程での転写効率を向上させ得るものである。こ
のスペーサー粒子としては、上記粒径を有する有機或い
は無機の不活性定形粒子であれば、何れをも使用し得る
が、一般には、前述した磁性粉、特に微粒子状四三酸化
鉄(マグネタイト)を使用するのが好ましい。というの
は、トナー粒子表面に付着して存在する磁性粉もトナー
飛散にも有効に作用するからである。微粒子状四三酸化
鉄(マグネタイト)等のスペーサー粒子は、トナー当た
り0.1乃至10重量%の量で外添するのがよい。流動性
改良剤及びスペーサー粒子をトナーに外添するに際して
は、予め流動性改良剤とスペーサー粒子とを粉砕条件下
に緊密に混合し、この混合物をトナーに添加して十分に
解碎するのがよい。
【0073】(CCAレストナー以外のトナー)本発明
の二成分系磁性現像剤においては、上述したCCAレス
トナー以外にも、帯電制御剤が配合された従来公知のト
ナーを使用することができる。かかるトナーは、例えば
定着用樹脂として、トナーに要求される定着性と検電性
とを有するもの、例えばスチレン系樹脂、スチレン−ア
クリル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、
シリコン樹脂、ポリアミド樹脂、変性ロジン等が使用さ
れ、好ましくはスチレン−アクリル系樹脂が使用され
る。
【0074】また帯電制御剤としては、それ自体公知の
任意の帯電制御剤、例えばニグロシンベース(C.I.
50415)、オイルブラック(C.I.2615
0)、スピロンブラック等の油溶性染料、含金属アゾ染
料、ナフテン酸金属塩、アルキルアリチル酸の金属塩、
脂肪酸石ケン、樹脂酸石ケン等が使用される。これら帯
電制御剤の配合量は、通常、定着用樹脂100重量部当
たり、0.1乃至10重量部、特に0.5乃至5重量部であ
る。
【0075】さらに、CCAレストナーと同様に、種々
の着色剤や流動性改良剤を使用することもでき、これら
の使用量は、CCAレストナーと同様の範囲でよい。ま
た帯電制御剤や磁性粉が配合されない点を除けば、CC
Aレストナーと同様の方法で製造することができ、さら
に粒径等も同様の範囲でよい。
【0076】(二成分系磁性現像剤)本発明の現像剤
は、前述した磁性キャリアーとトナーとを混合すること
により調製され、現像に供される。磁性キャリアーとト
ナーとの混合比は、一般に98:2乃至90:10の重
量比、特に97:3乃至92:8の重量比にあるのがよ
い。
【0077】本発明の二成分系磁性現像剤を用いる静電
写真複写法において、静電潜像の形成はそれ自体公知の
任意の方式で行うことができ、例えば導電性基板上の光
導電層を一様に荷電した後、画像露光して静電潜像を形
成させることができる。静電像の現像は、二成分系磁性
現像剤の磁気ブラシを基板と接触させることにより容易
に行われる。現像により形成されたトナー像は複写紙上
に転写され、このトナー像を加熱ロールと接触させるこ
とにより定着が行われる。
【0078】
〔実施例1〕
トナーの製造; (トナー組成) 定着用樹脂(カルボキシル基含有スチレンアクリル共重
合体)100重量部 着色剤(カーボンブラック) 8重量部 磁性粉(マグネタイト) 2重量部 上記組成物を二軸押し出し機にて溶融混練し、ついでこ
の混練物をジェットミルで粉砕、風力分級し、平均粒径
10.0μmのトナー粒子を得た。この粒子に、スペーサー
粒子として平均粒径が0.015 μm の疎水性シリカ微粒子
をトナー粒子100重量部に対して0.3重量部の割合で
添加し、ヘンシェルミキサーで2分間混合してトナーA
を得た。
【0079】吸光度の測定;100mgのトナーAを精
秤してサンプル瓶に入れ、それにメタノール50mlを加
え、ボールミルで10分間撹拌した後15時間放置す
る。その上澄み液20mlをとり、遠心分離にかけたも
のをサンプルとして吸光度を測定した。吸光度測定は、
スペクトロフォトメーター「U−3210」日立製作所
社製を使用して行った。その結果、400〜700nm
の吸収ピークがゼロ、280〜350nmの吸収ピーク
なしであった。
【0080】キャリヤの製造; (キャリヤ組成) 樹脂(アミノ基含有スチレンアクリル共重合体) 100重量部 磁性粉(マグネタイト,固有抵抗:2.0×105 Ω・cm) 400重量部 着色剤(カーボンブラック,プリンテックスL) 5重量部 上記組成物を二軸押し出し機にて溶融混練し、ついでこ
の混練物をPJM超音波ジェット粉砕機で粉砕、風力及
びふるい分級し、平均粒径80.5μm のキャリヤAを得
た。
【0081】現像剤の評価;トナーAにキャリヤAを加
え、均一に混合してトナー濃度5%の2成分現像剤を作
製した。この現像剤を用い、三田工業社製の電子複写機
(商品名「DC−2556」)の改造機を使用して5万
枚の複写を行った。複写に用いた原稿は、文字原稿で黒
色部の面積率が8%のものを、所定枚数ごとにサンプリ
ングする原稿は、黒べた部を含む黒色部の面積率が15
%のものを用いた。各評価方法は以下のとおりである。
評価結果は表1,2に示した。
【0082】A)画像濃度(I.D.) 所定枚数毎に5万枚までの複写画像中に黒べた部の濃度
を反射濃度計(型番「TC−6D」東京電色社製)を用
いて測定した。 B)かぶり濃度(F.D.) 非画像部の濃度を反射濃度計(型番「TC−6D」東京
電色社製)で測定しベース紙(複写する前の紙濃度)と
の差であらわした。 C)転写効率 複写開始前のトナーホッパー内のトナー量と、所定枚数
複写後のトナーホッパー内の量とを測定し、その差から
トナー消費量を算出した。一方、所定枚数複写の間にク
リーニング工程において回収されたトナー量を測定し、
トナー回収量を得た。これらの値から、次式によりトナ
ーの転写効率を1万枚毎に算出した。 D)画像部へのキャリヤ付着 所定枚数複写後のコピー画像を目視観察し、以下の基準
で評価した。 ○:キャリヤ付着なし △:キャリヤ付着少ない ×:キャリヤ付着多い E)トナー飛散 5万枚複写終了時の複写機内のトナー飛散状態を目視観
察し、以下の基準で評価した。 ○:トナー飛散なし ×:トナー飛散あり
【0083】〔実施例2〕スペーサー粒子として平均粒
径が0.4μm のマグネタイト粒子を0.15部外添処理した
以外は、トナーAと同様にして平均粒径10.3μm のトナ
ーをB得た。トナーBに実施例1で作成されたキャリヤ
Aを加え、均一に混合してトナー濃度5%の2成分現像
剤を作製し、この現像剤について、実施例1と同様の評
価を行った。結果を表1,2に示した。
【0084】〔実施例3〕キャリヤAの磁性粉マグネタ
イトの代わりに、固有抵抗が1.5×107 Ω・cmのマグネ
タイトを250部用いた以外は、キャリヤAと同様にし
て平均粒径130.2μm のキャリヤBを得た。トナーAに
キャリヤBを加え、均一に混合してトナー濃度3.5重量
%の2成分現像剤を作製し、この現像剤について、実施
例1と同様の評価を行った。結果を表1,2に示した。
【0085】〔実施例4〕キャリヤAの樹脂(アミノ基
含有スチレンアクリル共重合体)の代わりに、スチレン
アクリル共重合体を100重量部と4級アンモニウム塩
を含むスチレンアクリル共重合体3重量部を用いた以外
は、キャリヤAと同様にして平均粒径50.7μm のキャリ
ヤCを得た。トナーAにキャリヤCを加え、均一に混合
してトナー濃度8重量%の2成分現像剤を作製し、この
現像剤について、実施例1と同様の評価を行った。結果
を表1,2に示した。
【0086】〔実施例5〕帯電制御剤としてアゾ系染料
S−34(オリエント化学社製)を1.5部加えた以外は
トナーAと同様にして平均粒径10.8μm のトナーCを得
た。このトナーの吸光度を測定したところ、吸光度0.14
で550nm付近に吸収ピークがあった。トナーCにキ
ャリヤAを加え、均一に混合してトナー濃度5重量%の
2成分現像剤を作製し、この現像剤について、実施例1
と同様の評価を行った。結果を表1,2に示した。
【0087】〔比較例1〕マグネタイトを内添しない以
外はトナーAと同様にして平均粒径10.7μm のトナーD
を得た。トナーDにキャリヤAを加え、均一に混合して
トナー濃度5重量%の2成分現像剤を作製し、この現像
剤について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表
3,4に示した。
【0088】〔比較例2〕キャリヤAの磁性粉マグネタ
イトの代わりに、固有抵抗が7.5×103 Ω・cmのマグネ
タイトを400部用いた以外はキャリヤAと同様にして
平均粒径85.1μmのキャリヤDを得た。トナーAにキャ
リヤDを加え、均一に混合してトナー濃度5重量%の2
成分現像剤を作製し、この現像剤について、実施例1と
同様の評価を行った。結果を表3,4に示した。
【0089】〔比較例3〕キャリヤAの磁性粉マグネタ
イトの量を120部に変更した以外は同様にして平均粒
径78.8μm のキャリヤEを得た。トナーAにキャリヤE
を加え、均一に混合してトナー濃度5重量%の2成分現
像剤を作製し、この現像剤について、実施例1と同様の
評価を行った。結果を表3,4に示した。
【0090】〔比較例4〕キャリヤAの磁性粉マグネタ
イトの量を800部に変更した以外は同様にして平均粒
径83.6μm のキャリヤFを得た。トナーAにキャリヤF
を加え、均一に混合してトナー濃度5重量%の2成分現
像剤を作製し、この現像剤について、実施例1と同様の
評価を行った。結果を表3,4に示した。
【0091】
【表1】
【0092】
【表2】
【0093】
【表3】
【0094】
【表4】
【0095】実施例1〜5は画像濃度、かぶり、転写効
率が安定しており、トナー飛散、キャリヤ付着も良好で
あった。しかし、比較例1のようにマグネタイトを含有
していないトナーを用いた場合は、画像濃度、転写効率
が悪かった。また、かぶりも増える傾向にあり、トナー
飛散も多かった。比較例2は、低抵抗の磁性粉を用いた
為に、画像へのキャリヤ付着も多かった。比較例3は、
磁性粉含有量が少なかった為に、スリーブとの拘束力が
弱くキャリヤ付着が多かった。比較例4は、徐々にキャ
リヤ付着が増えていた。これはキャリヤが脆く徐々に割
れていったからである。
【0096】
【発明の効果】本発明の二成分系磁性現像剤は、磁性成
分としての磁性粉が樹脂中に分散された低密度の磁性キ
ャリヤが使用されていることから、トナーの帯電のため
のキャリヤとトナーとの混合攪拌が低攪拌力で行われ、
しかも磁気ブラシの磁力も小さいため、磁気ブラシの搬
送トルクも小さくてよい。このため、装置的制約が少な
く、現像装置のコンパクト化等の面で極めて有利であ
る。
【0097】また磁気ブラシの磁力が小さいため、現像
に際して、感光体表面に対する磁気ブラシの摺擦力が緩
和されており、磁気ブラシの掃き跡等の画像に形成され
ず、良好な画像を形成するという点でも優れている。さ
らに、磁性粉として高抵抗のものが使用されているた
め、磁性キャリヤの感光体表面への付着が有効に防止さ
れるほか、磁性キャリヤの凝集の問題もない。
【0098】本発明の二成分系磁性現像剤は、磁性キャ
リヤ中の磁性粉分散媒となる樹脂としてカチオン性極性
基を有するものを使用していることから、CCAレスト
ナーを用いた場合に、該トナーの帯電性不足を有効に補
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】帯電制御剤としてクロム錯塩染料(2:1型)
を含有するトナーをメタノールで抽出した抽出液の波長
400乃至700nmでの吸光度曲線である。
【図2】帯電制御剤としてサリチル酸金属錯体を用いた
トナーのメタノール抽出液の波長280乃至350nm
での吸光度曲線である。
【図3】図1の測定に使用したトナーを二成分系磁性現
像剤として使用し、スペントによる帯電不良が発生した
キャリアーについて、同様にメタノールで抽出し、この
抽出液の波長400乃至700nmの吸光度曲線であ
る。
【図4】CCAレストナーのメタノール抽出液の波長2
80乃至350nm及び400乃至700nmでの吸光
度曲線である。
フロントページの続き (72)発明者 川谷 昭彦 大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工 業株式会社内 (72)発明者 浅野 照道 大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工 業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性キャリヤとトナーとの混合物から成
    る二成分系磁性現像剤において、 磁性キャリヤが、カチオン性極性基を有する熱可塑性の
    樹脂乃至樹脂組成物中に、固有抵抗が1×105 Ω・cm
    以上の高抵抗磁性粉が全体当たり60乃至88重量%で
    分散されている粒径が50乃至150μm の粒状キャリ
    ヤであることを特徴とする二成分系磁性現像剤。
  2. 【請求項2】 前記トナーは、アニオン性極性基を有す
    る共重合樹脂乃至樹脂組成物を定着用樹脂媒質とし、該
    樹脂媒質100重量部当たり0.1乃至5重量部の磁性粉
    を内添または外添されて含有し且つメタノール抽出液に
    ついて測定して波長400乃至700nm及び280乃至
    350nmでの吸収ピークの吸光度が実質上ゼロである請
    求項1に記載の二成分系磁性現像剤。
JP6143244A 1994-06-24 1994-06-24 二成分系磁性現像剤 Pending JPH086301A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6143244A JPH086301A (ja) 1994-06-24 1994-06-24 二成分系磁性現像剤

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