JP3023885B2 - 耐スペント性及び転写効率に優れた二成分系磁性現像剤用トナー - Google Patents

耐スペント性及び転写効率に優れた二成分系磁性現像剤用トナー

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JP3023885B2 JP5299496A JP29949693A JP3023885B2 JP 3023885 B2 JP3023885 B2 JP 3023885B2 JP 5299496 A JP5299496 A JP 5299496A JP 29949693 A JP29949693 A JP 29949693A JP 3023885 B2 JP3023885 B2 JP 3023885B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐スペント性に優れた
二成分系磁性現像剤用トナーに関するもので、より詳細
には、トナー粒子中に移行性の帯電制御剤を含有せず、
しかも現像に際してはトナー飛散がなく、また転写も効
率よく行われ、高濃度の画像を形成し得ると共に、定着
も良好でトナー及びキャリアーの寿命も延長されたトナ
ーに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真感光体上に形成される静電荷像
を現像するための現像剤として、所謂二成分系磁性現像
剤が広く使用されている。この二成分系磁性現像剤は、
鉄粉、フェライト粒子等から成る磁性キャリアーと、着
色樹脂組成物から成る顕電性トナーとの組成物から構成
されている。現像に際しては、磁性キャリアーとトナー
とを混合することによって、トナー粒子を一定極性に帯
電させ、この混合物を磁気ブラシの形で感光体に迄搬送
すると共に感光体表面を磁気ブラシで摺擦し、帯電トナ
ーを感光体表面の電荷像に吸着保持せしめて、可視像を
形成させる。
【0003】トナー粒子の摩擦帯電による極性を一定に
制御すべく、トナー粒子中に帯電制御剤を含有させるの
が一般的であり、負帯電性トナーに対しては、含金属錯
塩染料やオキシカルボン酸の金属錯体等の負電荷制御剤
(例えば特開平3−67268号公報)が使用され、正
帯電性トナーに対しては、ニグロシン等の油溶性染料や
アミン系制御剤等の正帯電性制御剤(例えば特開昭56
−106249号公報)が使用されている。
【0004】二成分系磁性現像剤用トナーとして、磁性
トナーを使用することも古くから知られており、例えば
前記特開昭56−106249号公報や特開昭59−1
62563号公報には、トナー中に磁性粉を含有させた
磁性粉内添トナーを用いることが記載され、一方前記特
開平3−67268号公報には、トナー母体にシリカ粉
末及び磁性粉を添加混合した磁性粉外添トナーが記載さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】二成分磁性現像剤は、
磁性キャリアーとトナーとを混合して使用した初期にお
いては、満足すべき帯電性能を示すものでも、所謂スペ
ント(トナー)の発生によって帯電性能が劣化し、その
寿命が短かくなることが知られている。このスペント
(トナー)とは、磁性キャリアーの表面にトナー成分が
フィルム状に付着析出する現象であり、磁性キャリアー
の表面がトナーのそれに近いものとなってくるため、摩
擦帯電列が近づき、所定の帯電性能が得られなくなる。
かくして、スペントが発生すると、磁性キャリアーを廃
棄し、新しい磁性キャリアーと交換しなければならない
という不都合を生じるのである。
【0006】従って、本発明の目的は、耐スペント性に
優れ且つトナー及びキャリアーの寿命が延長化された二
成分系磁性現像剤を提供するにある。本発明の他の目的
は、トナー粒子中に移行性の帯電制御剤を含有せず、現
像に際してはトナー飛散なしに見掛の現像感度を増大さ
せ得るCCA(帯電制御剤)を含有しない(CCAレ
ス)二成分系磁性現像剤用トナーを提供するにある。
【0007】本発明の更に他の目的は、移行性の帯電制
御剤を含有しないにもかかわらず、感光体表面から紙へ
の転写が効率よく行われ且つ定着に優れたCCAレスの
二成分系磁性現像剤を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、二成分
系磁性現像剤用負帯電性トナーにおいて、定着用樹脂媒
質が酸価4乃至20のアニオン性極性基を有するスチレ
ンアクリル系共重合樹脂乃至樹脂組成物であり、数平均
分子量が1000乃至5000のポリエチレン系樹脂を
前記樹脂媒質100重量部当り0.5乃至5重量部含有
し、さらに磁性粉を前記樹脂媒質100重量部当り0.
1乃至5重量部含有し且つ該トナーをメタノールで抽出
した抽出液の波長400乃至700nm及び280乃至
350nmでの吸収ピークの吸光度が実質上ゼロである
体積基準で粒径5乃至15μmのトナー粒子の表面に、
体積基準で粒径0.05乃至1.0μmのスペーサー粒
子を含有する微粉流動性改良剤を付着させて成ることを
特徴とする耐スペント性及び転写効率に優れた二成分系
磁性現像剤用トナーが提供される。
【0009】
【作用】本発明者らは、トナーのスペント発生を防止す
べく研究を重ねた過程で次の如き興味のある事実を見出
した。添付図面の図1は、正帯電像の現像に用いる従来
の二成分系磁性現像剤用トナーの内、帯電制御剤として
クロム錯塩染料(2:1型)を含有するトナーをメタノ
ールで抽出した抽出液の波長400乃至700nmでの
吸光度曲線であり、図2は帯電制御剤としてサリチル酸
金属錯体を用いたトナーのメタノール抽出液の波長28
0乃至350nmでの吸光度曲線である。
【0010】これらの結果によると、抽出液は何れも帯
電制御剤に基づく特性吸収ピークを示しており、これは
トナー粒子表面には帯電制御剤がかなり高濃度で含有し
ていることを意味している。これは、帯電制御剤は、ト
ナー中に内添してもトナー粒子表面に移行し、この移行
によって摩擦帯電による電荷を制御するという考えとも
よく符合するものである。
【0011】一方、図3は、図1の測定に使用したトナ
ーを二成分系磁性現像剤として使用し、スペントによる
帯電不良が発生したキャリアーについて、同様にメタノ
ールで抽出し、この抽出液の波長400乃至700nm
の吸光度曲線を測定したものである。この測定結果によ
ると、キャリアー表面にも帯電制御剤が高濃度に付着、
析出しており、スペントによる帯電不良は、従来考えら
れていたトナー樹脂によるキャリアー表面の単なるフイ
ルミングではなく、帯電制御剤のキャリアー表面への移
行であるという驚くべき事実が明らかとなった。
【0012】この事実は、図4及び図5を参照すること
により一層明白となる。図4及び図5は、帯電制御剤を
含有するトナーと磁性キャリアーとの混合物並びに帯電
制御剤を含有しないトナーと磁性キャリアーとの混合物
を混合した場合に、混合時間とスペント量との関係並び
に混合時間と帯電量との関係を夫々プロットしたもので
ある。これらの結果によると、帯電制御剤を含有せしめ
たものは、含有しないトナーに較べてスペント量が多
く、帯電量の減少が大きくなるという事実が明らかとな
る。
【0013】更に、図6は、スペントが付着したキャリ
アーのスペント量とスペントトナー中の帯電制御剤との
関係を測定したものであり、図6中、点線はトナー処方
から計算される予測値をプロットしたものである。この
結果によると、スペント発生の初期程、帯電制御剤がキ
ャリアー表面に選択的に移行、付着しているという事実
が明らかとなる。尚、図5,図6は、トナー補給のない
閉鎖系での結果であり、複写機内でのトナーの入替えが
ある場合は、帯電制御剤の有無による差は更に広がるも
のと予想できる。
【0014】更にまた、図7は、トナー中の各成分単独
と磁性キャリアーとを混合した場合における混合時間と
スペント量との関係を示している。この結果によると、
帯電制御剤は、トナー中の各成分の内でも圧倒的にキャ
リアー表面に移行し、スペントを発生しやすい成分とい
うことが明白となった。以上のことから、従来の二成分
系磁性現像剤におけるスペント発生による帯電不良は、
図8の説明図に示す通り、混合使用初期においては、キ
ャリアーが+及びトナーが−に帯電していたものが、キ
ャリアー表面に帯電制御剤が選択的に移行したスペント
が形成されるに従って、スペント層が−に帯電され、+
に帯電した逆極性トナーが形成されることによると説明
できる。
【0015】本発明では、磁性キャリアー表面への帯電
制御剤の移行を防止するため、トナー粒子への移行性帯
電制御剤の内添乃至配合をとりやめた。これに伴なっ
て、本発明のトナーは、図9の吸光度曲線に示す通り、
メタノールで抽出したときにも、このメタノール抽出液
は、波長400乃至700nmでの吸収ピークが存在し
ないか、或いは存在したとしても吸光度が実質上ゼロで
ある。また、図9の吸光度曲線に示す通り、上記抽出液
について波長280乃至350nmで吸光度を測定して
も、吸収ピークがなく、吸光度が実質上ゼロである。こ
れにより、キャリアー表面への帯電制御剤の移行を抑制
し、耐スペント性を向上させたことが本発明の第一の特
徴である。
【0016】ところで、図5に示す通り、帯電制御剤を
含有させないトナーでは、帯電制御剤を配合したトナー
に比して帯電量がどうしても不足になる。本発明では、
これを防止するため、定着用樹脂媒質として、酸価4乃
至20のアニオン性極性基を有する共重合用樹脂乃至樹
脂組成物を使用する。この樹脂乃至樹脂組成物の使用に
より、現像に際して必要最低限の摩擦帯電の電荷制御性
が得られる。酸価が4未満の場合充分な電荷制御性が得
られず、20より大きいとトナーが湿度敏感性となる。
【0017】酸価4乃至20のアニオン性極性基は、ト
ナーに帯電制御性を与えるものではあるが、その極性基
は樹脂を構成する高分子の側鎖あるいは末端に存在し、
極性基同志の架橋(主に水酸基による水素結合)が起こ
りやすく、樹脂の結着性が増大し、加熱溶融特性が高く
なって定着に不利に働く。また、アニオン性極性基は架
橋以外に樹脂骨格とも結合しており、トナー粒子表面へ
の移行がない反面、現像時の磁気ブラシにおけるトナー
粒子とキャリアーとのクーロン力による結合が弱くな
り、特に高速複写になればなる程、トナー飛散が著しく
なり、これより、複写機のトナー汚染や複写物のカブリ
濃度が増大するという欠点が認められる。
【0018】本発明では、これらを防止するため、まず
トナー中にポリエチレン系樹脂(ポリエチレンワック
ス)を特定量含有させ、軟化点が低い特性を利用しトナ
ーの定着性を向上させる。さらに、トナー中に磁性粉を
特定の量で含有させ、トナー対キャリアーのクーロン力
に加えて、トナー対キャリアの磁気的吸引力でトナー飛
散が防止されるようにする。
【0019】本発明では、数平均分子量が1000乃至
5000のポリエチレン系樹脂を樹脂媒質100重量部
当り0.5乃至5重量部含有することで、特定酸価を有
する樹脂を使用した場合の定着性悪化を防止することが
顕著な利点の一つである。その理由としては、以下のよ
うに考えられる。すなわち、数平均分子量が1000乃
至5000のポリエチレン系樹脂は、軟化点が低く、ま
たトナー定着用樹脂として用いられているスチレンアク
リル系樹脂やポリエステル系樹脂等と比較し、軟化点付
近でシャープメルト(急激に粘性が低下し溶融する)の
特性をもつ。そのため、定着時トナー媒質中では最初に
ポリエチレン系樹脂が溶融して紙に浸透(紙を濡らす)
し、紙の濡れの親和力を低下させる。そして、次に溶融
するトナー定着用樹脂の紙への浸透性を有利にする働き
があり、定着性が向上すると考えられる。故に、従来の
定着用樹脂より定着性が悪くなる本発明に係わる特定酸
価の定着用樹脂を用いても従来トナーと同等あるいはそ
れ以上のトナー定着性を得ることができるのである。
【0020】ポリエチレン系樹脂の数平均分子量が10
00未満だと、該樹脂の軟化点が低いため、トナー定着
性は向上するがトナーホッパー等でのトナーのブロッキ
ングが生じる。また、ポリエチレン系樹脂の数平均分子
量が5000より大きいと該樹脂の軟化点が高くなりす
ぎ、該樹脂を混合する目的たるトナー定着性向上の効果
が得られない。
【0021】ポリエステル系樹脂の含有量が樹脂媒質1
00重量部当り0.5重量部未満の場合も、トナー定着
性向上の効果が得られない。一方、該樹脂の含有量が5
重量部より多いと、ドラムフィルミングが発生し画像を
著しく劣化させる。また、本発明において、トナー飛散
を防止しながら、現像時の見掛感度を増大できるのは、
本発明の顕著な利点の一つである。即ち、トナー粒子1
個当りの帯電量が少ない程一定帯電量の静電潜像に付着
するトナー粒子の数が増大するので、見掛の現像感度は
増大する。
【0022】本発明では、磁性粉を、樹脂媒質100重
量部当り0.1乃至5重量部、特に0.5乃至3.0重
量部のような少量の内添で、トナー飛散を防止しなが
ら、高濃度画像を形成し得ることが顕著な利点である。
即ち、従来二成分系磁性現像剤に使用する磁性トナーで
は、樹脂媒質100重量部当り磁性粉を10重量部より
も多い量で使用するが、本発明で用いる量はこれよりも
かなり少ない量である。磁性粉の使用量が0.1重量部
よりも少ない場合には、トナー飛散が生じ易くなり、一
方5重量部よりも多くなると現像濃度が低下するという
問題がある。
【0023】本発明のトナーは、一般に5乃至15μm
の粒径を有しているが、このトナー粒子の表面に、粒径
0.05乃至1.0μmのスペーサー粒子を含有する微
粉流動性改良剤を外添によって付着させることが望まし
い。一般に、トナーには粉体的流動性を改善するため、
微粒子シリカ等の流動性改良剤を外添により付着させ使
用しているが、本発明においては、この流動性改良剤中
に粒径0.05乃至1.0μmのスペーサー粒子を介在
させることにより、トナー像と感光体表面の潜像との結
合を弱めて、トナー像の分離が容易に行われるように
し、これによりトナー像転写工程での転写効率を向上さ
せることに成功したものである。
【0024】
【発明の好適態様】
[樹脂媒質]本発明で使用する定着用樹脂媒質は、酸価
4乃至20のアニオン性極性基を有する共重合樹脂乃至
樹脂組成物である。アニオン性極性基としては、カルボ
ン酸、スルホン酸、ホスホン酸等の任意の極性基が挙げ
られるが、カルボン酸型のものが特に好適である。アニ
オン性極性基を有する共重合樹脂は、アニオン性極性基
を有する単量体を、ランダム共重合、ブロック共重合、
或いはグラフト共重合等により樹脂中に組み込んだもの
である。共単量体の適当な例は次の通りである。
【0025】カルボン酸型のものとしては、エチレン系
不飽和カルボン酸、例えば、アクリル酸、メタクリル
酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマー
ル酸、マレイン酸或いはフマール酸等の低級アルキルハ
ーフエステル等が挙げられる。スルホン酸型のものとし
ては、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−
メチルプロパンスルホン酸等が挙げられる。
【0026】ホスホン酸型のものとしては、2−アシッ
ドホスホキシプロピルメタクリレート、2−アシッドホ
スホキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシ
ッドホスホキシプロピルメタクリレート、等が挙げられ
る。これらのアニオン性極性基含有単量体単位は、遊離
の酸であっても、またナトリウム、カリウム等のアルカ
リ金属、カルシュウム、マグネシュウム等のアルカリ土
類金属、亜鉛等で中和されていてもよい。
【0027】樹脂乃至樹脂組成物の主体となる他の単量
体は、生成重合体がトナーに要求される定着性と検電性
とを有するものであり、エチレン系不飽和結合を有する
単量体の1種又は2種以上の組み合わせが使用される。
このような単量体の適当な例は、アクリル系単量体、モ
ノビニル芳香族単量体、ビニルエステル系単量体、ビニ
ルエーテル系単量体、ジオレフィン系単量体、モノオレ
フィン系単量体等である。
【0028】アクリル系単量体としては、例えば式
【0029】
【化1】 式中、R1 は水素原子又は低級アルキル基、R2 は水
素原子、炭素数12 〓の炭化水素基、ヒドロキシア
ルキル基である、のアクリル系単量体、特にアクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリ
ル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシ
ル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、
β−ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−ヒドロキシアク
リル酸プロピル、δ−ヒドロキシアクリル酸ブチル、β
−ヒドロキシメタクリル酸エチル等が挙げられる。
【0030】モノビニル芳香族単量体としては、例えば
【0031】
【化2】 式中、R3 は水素原子、低級アルキル基又はハロゲン
原子であり、R4は 水素原子、低級アルキル基、ハ
ロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、ニト ロ基等
であり、Φはフェニレン基である、のモノビニル芳香族
炭化水素、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニ
ルトルエン、α−クロロスチレン、o−、m−、p−ク
ロロスチレン、p−エチルスチレン等の単独又は2種以
上の組合せを挙げることができる。
【0032】更に他の単量体としては以下のものが夫々
挙げられる。
【0033】
【化3】CH=CH−OOCR5 式中、R5 は水素原子又は低級アルキル基である、の
ビニルエステル、例えばギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル等。
【0034】
【化4】CH=CH−O−R6 式中、R6 は炭素数12〓の1価炭化水素基である、
のビニルエーテル、例えばビニルメチルエーテル、ビニ
ルエチルエーテル、ビニル−n−ブチルエーテル、ビニ
ルフェニルエーテル、ビニルシクロヘキシルエーテル
等。
【0035】
【化5】 式中R7 、R8 、R9 の各々は水素原子、低級アル
キル基又はハロゲン原 子である、のジオレフィン
類、特にブタジエン、イソプレン、クロロプレン等。
【0036】
【化6】 式中、R10、R11の各々は水素原子又は低級アルキ
ル基である,のモノオレフィン類、特にエチレン、プロ
ピレン、イソブチレン、ブテン−1、ペンテン−1、4
−メチルペンテン−1等。
【0037】好適な共重合樹脂は、アニオン性極性基含
有単量体と、「化1」のアクリル系単量体の一種或いは
二種以上を必須成分として含有し、所望により、「化
2」乃至「化6」の単量体を任意成分として含有する共
重合樹脂である。本発明において、酸価4乃至20のア
ニオン性極性基含有共重合樹脂は、上記の通り、単独で
使用できるほか、アニオン性極性基含有共重合樹脂の二
種以上を含む組成物、或いはアニオン性極性基含有共重
合樹脂とアニオン性極性基を有しない共重合樹脂との組
成物の形でも定着用樹脂媒質として使用し得る。
【0038】定着用樹脂媒質が樹脂組成物から成る場
合、樹脂組成物全体としてのアニオン性極性基の濃度
は、共重合樹脂について述べた前記範囲にあるのがよ
い。 [ポリエチレン系樹脂]ポリエチレン系樹脂としては、
低密度及び/または高密度型の低分子量ポリエチレン系
樹脂で、数平均分子量1000乃至5000のものが使
用される。
【0039】また、該ポリエチレン系樹脂は、一般的に
定着ローラーとの離型剤として使用されており、熱定着
用離型剤として該ポリエチレン系樹脂単体もしくは、各
種ワックス類や低分子量オレフィン系樹脂と組み合わせ
て使用してもよい。 [磁性粉]磁性粉としては、従来磁性トナーに使用され
ている磁性粉、例えば、四三酸化鉄(Fe3 O4 )、
三二酸化鉄(γ−Fe2 O3 )、酸化鉄亜鉛(ZnF
e2 O4 )、酸化鉄イットリウム(Y3 Fe5 O1
2)、酸化鉄カドミウム(CdFe2 O4 )、酸化鉄
ガドリウム(Gd3 Fe5 O12)、酸化鉄銅(Cu
Fe2 O4 )、酸化鉄鉛(PbFe12O19)、酸
化鉄ニッケル(NiFe2 O4 )、酸化鉄ネオジウム
(NdFeO3 )、酸化鉄バリウム(BaFe12O
19)、酸化鉄マグネシウム(MgFe2 O4 )、酸
化鉄マンガン(MnFe2 O4 )、酸化鉄ランタン
(LaFeO3 )、鉄粉(Fe)、コバルト粉(C
o)、ニッケル粉(Ni)等を用いることができる。
【0040】本発明の目的に特に好適な磁性粉は微粒子
状四三酸化鉄(マグネタイト)である。好適なマグネタ
イトは正8面体状で、粒子径が0.05乃至1.0μm
のものである。このマグネタイト粒子は、シランカップ
リング剤、チタン系カップリング剤等で表面処理されて
いてもよい。 [トナー組成物]本発明のトナー組成物は、上記定着用
樹脂媒質及び磁性粉及び低分子量ポリエチレン樹脂を、
必須成分として含有するが、他にトナー中に従来配合さ
れている配合剤を配合することができる。
【0041】例えば、着色剤がその例である。着色剤
(顔料)の適当な例は次の通りである。 黒色顔料 カーボンブラック、アセチレンブラック、ランブラッ
ク、アニリンブラック。 黄色顔料 黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネ
ラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネー
ブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエロ
ーG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、
ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パ
ーマンネントイエローNCG、タートラジンレーキ。 橙色顔料 赤口黄鉛、モリブテンオレンジ、パーマネントオレンジ
GTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、イン
ダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレン
ジG、インダスレンブリリアントオレンジGK。 赤色顔料 ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀カドミウ
ム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾ
ロンレッド、ウオッチングレッドカルシウム塩、レーキ
レッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレー
キ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリア
ントカーミン3B。 紫色顔料 マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレ
ットレーキ。 青色顔料 紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクト
リアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタ
ロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化
物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーB
C。 緑色顔料 クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、
マラカイトグリーンレーキ、ファナルイエローグリーン
G。 白色顔料 亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛。 体質顔料 バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイト
カーボン、タルク、アルミナホワイト。
【0042】上記顔料は、定着用樹脂媒質100重量部
当り2乃至20重量部、特に5乃至15重量部の量で使
用する。 [トナーの製法]本発明のトナーは、粉砕分級法、溶融
造粒法、スプレー造粒法、重合法等のそれ自体公知の方
法で製造し得るが、粉砕分級法が一般的である。
【0043】これらの各トナー成分は、ヘンシェルミキ
サー等の混合機で前混合したのち、二軸押出機等の混練
装置を用いて混練し、この混練組成物を冷却した後、粉
砕し、分級してトナーとする。トナーの粒径は、一般に
コールターカウンターによるメジアン径が5乃至15μ
m、特に7乃至12μmの範囲内にあるのがよい。
【0044】トナー粒子の表面には、必要に応じ疎水性
気相法シリカ等の流動性改良剤を、外添により付着させ
てトナーの流動性を改善することができる。流動性改良
剤の量は、トナー当たり0.1乃至2.0重量%の量で
外添するのがよい。本発明の好適態様によれば、この際
流動性改良剤中に、上記流動性改良剤よりも粒径の大き
い粒径0.05乃至1.0μmのスペーサー粒子を含有
させて、転写効率を向上させる。
【0045】スペーサー粒子としては、上記粒径を有す
る有機或いは無機の不活性定形粒子であれば、何れをも
使用し得るが、一般には、前述した磁性粉、特に微粒子
状四三酸化鉄(マグネタイト)を使用するのが好まし
い。というのは、トナー粒子表面に付着して存在する磁
性粉もトナー飛散にも有効に作用するからである。微粒
子状四三酸化鉄(マグネタイト)等のスペーサー粒子
は、トナー当たり0.1乃至10重量%の量で外添する
のがよい。
【0046】流動性改良剤及びスペーサー粒子をトナー
に外添するに際しては、予め流動性改良剤とスペーサー
粒子とを粉砕条件下に緊密に混合し、この混合物をトナ
ーに添加して十分に解碎するのがよい。 [用途]本発明によるトナーは、磁性キャリアーと混合
し、二成分現像剤として使用する。
【0047】磁性キャリアーとしては、好適にはフェラ
イト系の磁性キャリアー、特にCu,Zn,Mg,Mn
及びNiから成る群より選ばれた金属成分の少なくとも
1種、好適には2種以上含有するソフトフェライト、例
えば、銅−亜鉛−マグネシウムフェライトの焼結フェラ
イト粒子、特に球状粒子が使用される。磁性キャリアー
の表面は、未コートのものでもよいが、一般には、シリ
コーン樹脂、フッ素系樹脂、エポキシ樹脂、アミノ樹
脂、ウレタン系樹脂等でコートされているのがよい。
【0048】キャリアーの飽和磁化は30乃至70emu/
g ,特に40乃至60emu/g の範囲にあるのが望まし
い。磁性キャリアーの粒径は20乃至140μm,特に5
0乃至100μm の範囲にあることが望ましい。磁性キ
ャリアーとトナーとの混合比は、一般に98:2乃至9
0:10の重量比、特に97:3乃至94:6の重量比
にあるのがよい。
【0049】本発明のトナーを用いる静電写真複写法に
おいて、静電潜像の形成はそれ自体公知の任意の方式で
行うことができ、例えば導電性基板上の光導電層を一様
に荷電した後、画像露光して静電潜像を形成させること
ができる。静電像の現像は、二成分系磁性現像剤の磁気
ブラシを基板と接触させることにより容易に行われる。
現像により形成されたトナー像は複写紙上に転写され、
このトナー像を加熱ロールと接触させることにより定着
が行われる。
【0050】
【実施例】本発明を次の例で更に説明する。 実施例1 (トナー組成) (重量部) 定着用樹脂 100 カルボキシル基を有するスチレンアクリル共重合体 着色剤 カーボンブラック 7 磁性粉 マグネタイト 2 ポリエチレン系樹脂 2 分子量4000 上記組成物を二軸押し出し機にて溶融混練し、ついでこ
の混練物をジェットミルで粉砕、風力分級機で分級し、
平均粒径10.0μmのトナー粒子を得た。
【0051】このトナー粒子に、スペーサー粒子として
平均粒径が0.015μmの疎水性シリカ微粒子をトナ
ー粒子100重量部に対して0.3重量部の割合で添加
し、ヘンシェルミキサーで2分間混合して本発明のトナ
ーを得た。 実施例2 スペーサー粒子として、平均粒径が0.15μmのアク
リル樹脂粒子を外添処理した以外は実施例1と同様にし
て本発明のトナーを得た。 実施例3 スペーサー粒子として平均粒径が0.4μmのマグネタ
イト粒子を外添処理した以外は実施例1と同様にして本
発明のトナーを得た。 実施例4 実施例1のポリエチレン系樹脂を0.5重量部含有した
以外は実施例1と同様にして本発明のトナーを得た。 実施例5 実施例1のポリエチレン系樹脂を5重量部含有した以外
は実施例1と同様にして本発明のトナーを得た。 実施例6 ポリエチレン系樹脂として分子量1000のものを2重
量部含有した以外は実施例1と同様にして本発明のトナ
ーを得た。 実施例7 ポリエチレン系樹脂として分子量5000のものを2重
量部含有した以外は実施例1と同様にして本発明のトナ
ーを得た。 比較例1 実施例1において、定着用樹脂として樹脂中にカルボキ
シル基を有しないスチレンアクリル共重合体を用いた以
外は実施例1と同様にしてトナーを作製した。 比較例2 マグネタイトを内添しない以外は実施例1と同様にして
トナーを得た。 比較例3 トナーに内添するマグネタイトの配合量を10重量部と
した以外は実施例1と同様にしてトナーを得た。 比較例4 帯電制御剤としてアゾ系染料(商品名「S−34」オリ
エント化学社製)を加えた以外は実施例1と同様にして
トナーを得た。 比較例5 帯電制御剤としてサリチル酸誘導体(商品名「E−8
4」オリエント化学社製)を加えた以外は実施例1と同
様にしてトナーを得た。 比較例6 ポリエチレン系樹脂を含有しない以外は実施例1と同様
にしてトナーを作製した。 比較例7 ポリエチレン系樹脂を7重量部含有した以外は実施例1
と同様にしてトナーを作製した。 比較例8 分子量800のポリエチレン系樹脂の2重量部含有した
以外は実施例1と同様にしてトナーを作製した。 比較例9 分子量7000のポリエチレン系樹脂の2重量部含有し
た以外は実施例1と同様にしてトナーを作製した。 [トナーの評価] (1)吸光度の測定 トナー100mgを精秤してサンプル瓶に入れ、それに
メタノール50mlを加え、ボールミルで10分間攪拌
した後15時間放置する。その上澄み液20mlをとり
遠心分離にかけたものをサンプルとして吸光度を測定す
る。
【0052】吸光度測定は、スペクトロフォトメーター
「U−3210」日立製作所社製を使用した。評価結果
を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】(2)評価試験 各実施例および比較例で得たトナーに、それぞれ平均粒
径100μmのフェライトキャリアを配合し、均一に混
合してトナー濃度3.5%の2成分現像剤を作製した。
ついで、三田工業社製の電子複写機(商品名「DC−7
085」)の改造機を用いて10万枚の複写を行った。
【0055】複写に用いた原稿は、文字原稿で黒色部の
面積率が8%のものを、所定枚数ごとにサンプリングす
る原稿は黒べた部を含む黒色部の面積率が15%のもの
を用いた。各試験方法は以下のとおりである。 (a)画像濃度(I.D.) 所定枚数毎に10万枚までの複写画像中に黒べた部の濃
度を反射濃度計(型番「TC−6D」東京電色社製)を
用いて測定した。 (b)かぶり濃度(F.D.) 非画像部の濃度を反射濃度計(型番「TC−6D」東京
電色社製)で測定し、ベース紙(複写する前の紙濃度)
との差で表した。評価結果を表2に示す。 (c)解像度 規定のチャート原稿を用いて複写し、複写画像をマイク
ロデンシトメーターにおけるピーク値が0.8以上で、
基底値が0.4以上であり、かつピーク値と基底値との
差が0.6以上である本数を数えた。評価結果を表2に
示す。 (d)転写効率 複写開始前のトナーホッパー内のトナー量と、所定枚数
複写後のトナーホッパー内の量とを測定し、その差から
トナー消費量を算出した。一方、所定枚数複写の間にク
リーニング工程において回収されたトナー量を測定し、
トナー回収量を得た。これらの値から、次式によりトナ
ーの転写効率を2万枚数毎に算出した。評価結果を表2
に示す。
【0056】
【数1】 (e)トナー飛散 10万枚複写終了時の複写機内のトナー飛散状態を目視
観察し、以下の基準で評価した。評価結果を表2に示
す。
【0057】○:トナー飛散なし ×:トナー飛散あり (f)定着率(定着性) 400gの底面が平の重りをもちいて、その底面部に均
一にのばしたさらしをまき、画像の黒ベタ部を一定速度
で5往復擦る。その擦り前のIDと擦り後のIDを測定
し、そのはがれ率を定着率として求めた。
【0058】
【数2】 また、定着率は以下の基準で評価した。評価結果を表2
に示す。
【0059】○:90%以上 △:80%以上90%未満 ×:80%未満
【0060】
【表2】
【0061】(g)スペント量 所定枚数毎にサンプリングした現像剤を400メッシュ
のフルイ上にのせ、下からブロアーにより吸引しトナー
とキャリアを分離する。フルイ上に残ったキャリア5g
をビーカーに入れ、更にこの中にトルエンを加え、スペ
ントしてキャリア表面に付着したトナーを溶解する。そ
の後ビーカーの下から磁石でキャリアを引きつけた状態
でトルエン溶液をすてる。これをトルエンが無色になる
まで数回繰り返した後、オーブンでトルエンを乾燥させ
て重量を測定する。ビーカーに入れた重量と乾燥後の重
量の差がスペント量である。スペント量はキャリア1g
あたりに付着したスペントトナーのmgで表した。評価
結果を表3に示す。 (h)トナー帯電量 現像剤200mgを「ブローオフ粉体帯電量測定装置」
(東芝ケミカル社製)を用いて常法により測定し、トナ
ー1g当たりの帯電量で表した。評価結果を表3に示
す。 (i)現像剤電気抵抗 現像剤200mgを電極間2mmの測定治具に入れ、そ
の両側から1500ガウスの磁石を近づけ電極間で現像
剤のブリッジを形成する。この電極間に1000Vを印
加し、電極間に流れる電流から電気抵抗を算出した。評
価結果を表3に示す。
【0062】
【表3】
【0063】(3)評価結果の考察 実施例1〜3は画像濃度、かぶり、解像度、転写効率は
非常に安定しており、トナー飛散も良好であった。それ
に対してアニオン基の無い樹脂を使用した比較例1では
複写枚数の増加とともに帯電量が大幅に増加し、画像濃
度低下および転写効率低下が発生した。
【0064】磁性粉を含有していない比較例2でも同様
に大幅な帯電量上昇が起こり、画像濃度、転写効率が悪
化した。加えてトナー飛散が複写枚数が進むにつれて加
速度的に増加する傾向が見られた。磁性粉量が多い比較
例3の場合は帯電量の増加は見られなかったが画像濃度
はスタート時点から低いレベルであった。また解像度も
大幅に低下した。これは現像剤の穂立ち状態が強すぎ
る、あるいは現像剤の電気抵抗が非常に高くなった事に
起因する。
【0065】電荷制御剤を用いた比較例4、5の場合は
複写が進むにつれてトナー帯電量が低下し、かぶりの増
加、転写効率の低下を引き起こした。トナー帯電量が低
下した原因はスペントトナーが非常に多いために起こっ
たものである。樹脂中にカルボキシル基を含有し、ポリ
エチレン系樹脂を含有しない比較例6は定着性があまり
良くない。また、ポリエチレン系樹脂が多い比較例7で
は、ドラムフィルミングが発生し、画像がぼやける画像
欠陥が発生したため、コピーテストを中止した。
【0066】分子量の低いポリエチレン系樹脂を用いた
比較例8は、トナーの流動性が悪くコピーテストを中止
した。これは、軟化点の低下によりトナー凝集が発生
し、流動性を悪化させたものである。また、分子量の高
い比較例9では、定着性向上に効果がない。これは前述
と逆に、軟化点が高くなり、定着に寄与しなくなったと
考えられる。
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、正帯電像に用いる二成
分系磁性現像剤用トナーにおいて、定着用樹脂媒質とし
て、酸価4乃至20のアニオン性極性基を有する共重合
樹脂乃至樹脂組成物を使用し、数平均分子量が1000
乃至5000のポリエチレン系樹脂を前記樹脂媒質10
0重量部当り、0.5乃至5重量部含有し、且つトナー
をメタノールで抽出した抽出液の波長400乃至700
nm及び280乃至350nmでの吸収ピークの吸光度
が実質上ゼロとなるようにしたことにより、必要最低限
の摩擦帯電の電荷制御性が得られると共に、帯電制御剤
のキャリアー表面への移行とこのスペントによる帯電不
良が解消され、トナーの帯電性能を長期にわたって安定
化することができ、定着が良好でトナー及びキャリアー
の寿命を延長化することができる。
【0068】また、樹脂媒質100重量部当り0.1乃
至5重量部の磁性粉を含有させることにより、トナー対
キャリアーのクーロン力に加えて、トナー対キャリアの
磁気的吸引力でトナー飛散が防止されるようになる。更
に、本発明では、トナー粒子1個当りの帯電量を比較的
少ないレベルとし、一定帯電量の静電潜像に付着するト
ナー粒子の数を増大させて、見掛の現像感度を増大させ
ることができる。
【0069】更にまた、本発明の好適態様においては、
トナーに外添する流動性改良剤中に粒径0.05乃至1
μmのスペーサー粒子を介在させることにより、トナー
像と感光体表面の潜像との結合を弱めて、トナー像の分
離が容易に行われるようにし、これによりトナー像転写
工程での転写効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】帯電制御剤としてクロム錯塩染料(2:1型)
を含有するトナーをメタノールで抽出した抽出液の波長
400乃至700nmでの吸光度曲線である。
【図2】帯電制御剤としてサリチル酸金属錯体を用いた
トナーのメタノール抽出液の波長280乃至350nm
での吸光度曲線である。
【図3】図1の測定に使用したトナーを二成分系磁性現
像剤として使用し、スペントによる帯電不良が発生した
キャリアーについて、同様にメタノールで抽出し、この
抽出液の波長400乃至700nmの吸光度曲線を測定
したグラフである。
【図4】帯電制御剤を含有するトナーと磁性キャリアー
との混合物並びに帯電制御剤を含有しないトナーと磁性
キャリアーとの混合物を混合した場合に、混合時間とス
ペント量との関係をプロットしたグラフである。
【図5】帯電制御剤を含有するトナーと磁性キャリアー
との混合物並びに帯電制御剤を含有しないトナーと磁性
キャリアーとの混合物を混合した場合に、混合時間と帯
電量との関係を夫々プロットしたグラフである。
【図6】スペントが付着したキャリアーのスペント量と
スペントトナー中の帯電制御剤との関係を測定したグラ
フである。
【図7】トナー中の各成分単独と磁性キャリアーとを混
合した場合における混合時間とスペント量との関係を示
すグラフである。
【図8】従来の二成分系磁性現像剤におけるスペント発
生による帯電不良の発生を説明する説明図である。
【図9】本発明のトナーをメタノールで抽出した抽出液
の、(波長280乃至350nm)波長400乃至70
0nmでの吸光度曲線である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G03G 9/08 365 9/10 (72)発明者 永尾 一也 大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田 工業株式会社内 (72)発明者 久保 憲生 大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田 工業株式会社内 審査官 木村 史郎 (56)参考文献 特開 平1−113765(JP,A) 特開 平5−188640(JP,A) 特開 平3−152552(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/08 - 9/097

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二成分系磁性現像剤用負帯電性トナーに
    おいて、定着用樹脂媒質が酸価4乃至20のアニオン性
    極性基を有するスチレンアクリル系共重合樹脂乃至樹脂
    組成物であり、数平均分子量が1000乃至5000の
    ポリエチレン系樹脂を前記樹脂媒質100重量部当り
    0.5乃至5重量部含有し、さらに磁性粉を前記樹脂媒
    質100重量部当り0.1乃至5重量部含有し且つ該ト
    ナーをメタノールで抽出した抽出液の波長400乃至7
    00nm及び280乃至350nmでの吸収ピークの吸
    光度が実質上ゼロである体積基準で粒径5乃至15μm
    のトナー粒子の表面に、体積基準で粒径0.05乃至
    1.0μmのスペーサー粒子を含有する微粉流動性改良
    剤を付着させて成ることを特徴とする耐スペント性及び
    転写効率に優れた二成分系磁性現像剤用トナー。
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