JPH0876508A - 二成分系現像剤 - Google Patents

二成分系現像剤

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JPH0876508A
JPH0876508A JP6213307A JP21330794A JPH0876508A JP H0876508 A JPH0876508 A JP H0876508A JP 6213307 A JP6213307 A JP 6213307A JP 21330794 A JP21330794 A JP 21330794A JP H0876508 A JPH0876508 A JP H0876508A
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resin
toner
particles
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carrier
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JP6213307A
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English (en)
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Hideaki Kawada
秀明 川田
Masatomi Funato
正富 船戸
Seijirou Ishimaru
聖次郎 石丸
Hidekazu Tamura
英一 田村
Nobuaki Kono
信明 河野
Kazuhiko Fujii
和彦 藤井
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Kyocera Mita Industrial Co Ltd
Original Assignee
Mita Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 トナーとキャリアとを含む二成分系現像剤。
トナーはトナー粒子を含み、トナー粒子は、定着用樹脂
および該樹脂中に分散された磁性粉末を含有する。この
定着用樹脂は、アニオン性極性基を有する所定のスチレ
ンアクリル系樹脂を含む組成物でなる。磁性粉末は所定
の割合でトナー粒子中に含有される。キャリアの粒子は
コア粒子とコア粒子を被覆する被覆層とを有する。コア
粒子は表面に凹部を有する特定の磁性材料でなる。そし
て、被覆層は、熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂を含む
樹脂組成物でなり該コア粒子の少なくとも凹部を充填
し、そしてコア粒子の表面の面積の0.1から60%を
被覆する。 【効果】 帯電制御剤を全く含有しない二成分系現像剤
が提供される。この現像剤は帯電性が充分であり、複写
時にトナーが飛散することがなく、転写効率が充分であ
り、必要とされる濃度の複写画像が長時間にわたり安定
して得られる。転写像の定着性も充分である。さらに、
粉砕性(トナー製造時)、および高温オフセット性を向
上することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二成分系現像剤に関
し、より詳細には、帯電制御剤をトナー中に含有しない
にもかかわらず、転写効率が良く、長時間にわたり所望
の濃度の複写画像が得られる長寿命の二成分系現像剤で
あり、静電式複写機、レーザービームプリンタなどの電
子写真式画像形成装置において好適に用いられる、現像
剤に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真式画像形成装置において、感光
体上の静電潜像を現像するための現像剤のひとつとし
て、二成分系の現像剤が用いられている。この二成分系
現像剤は、カーボンブラックなどの着色剤および定着用
樹脂を含むトナーと、鉄粉、フェライト粒子などを含む
磁性キャリアとを含有する。
【0003】現像時においては、このトナーとキャリア
とを混合することによりトナーを所定の極性に帯電さ
せ、次いでこの混合物は磁気ブラシの形で感光体に搬送
される。感光体はこの磁気ブラシにより摺擦され、感光
体表面の静電潜像にトナーが付着する。付着するトナー
量を一定にし、安定した画像を提供するためトナーに所
定の帯電量を与えるべく、トナー粒子中には帯電制御剤
が含有されるのが一般的である。負帯電性のトナーに
は、クロムのような金属を含有する含金属錯体染料(例
えばアゾ系染料)、オキシカルボン酸金属錯体(例えば
サリチル酸金属錯体)などの負電荷制御剤が使用され
(特開平3−67268号公報)、そして正帯電性のト
ナーにはニグロシンのような油溶性染料、アミン系制御
剤などの正電荷制御剤が使用されている(特開昭56−
106249号公報)。
【0004】従来より使用されている帯電制御剤は、ク
ロム含有錯体のように重金属を含有する化合物が多い。
そしてこれらの使用に際しては、環境安全性の観点から
各種毒性テストや安全テストをクリアした化合物が選択
されている。しかし、化合物として、あるいはトナー中
に含有させた形態での安全性には問題がないにしても、
これら重金属を含有する帯電制御剤の使用をさけること
は一層望ましいと考えられる。さらに、帯電制御剤はト
ナーを構成する材料である定着用樹脂やカーボンブラッ
クなどの着色剤に比べて単価が高いため、数%程度の含
有率にもかかわらず、トナーの単価を押し上げている。
従って、このような重金属を含有する帯電制御剤を含有
しないトナーの開発が望まれている。
【0005】さらに、従来のトナーにおいては、長時間
の使用によりキャリアの粒子表面にトナー成分が付着す
るスペントを生じ、そのためにキャリアの粒子表面の帯
電状態がトナー粒子表面の帯電状態に類似してくる。そ
の結果、トナー飛散の発生や転写効率の低下が引き起こ
されるという欠点も存在する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
課題を解決するものであり、その目的とするところは、
帯電制御剤を全く含有していないにもかかわらずトナー
が良好な帯電性能を有するため、トナーの飛散が少なく
かつ画像品質に優れた二成分系現像剤を提供することに
ある。本発明の他の目的は、長期間の使用においてもス
ペントを起こさず、その結果、良好な画像品質を維持
し、転写効率が安定し得る二成分系現像剤を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、トナーとキャ
リアとを含む二成分系現像剤であって;該トナーは、ト
ナー粒子を含み;該トナー粒子は、定着用樹脂および該
樹脂中に分散された磁性粉末を含有し;該定着用樹脂
は、アニオン性極性基を有するスチレンアクリル系樹脂
を含む組成物でなり;該スチレンアクリル系樹脂は以下
の条件を満たし: (a)該樹脂の分子量のピークは4,000〜30,0
00に存在し、(b)該樹脂の重量平均分子量は7万〜
20万であり、(c)該樹脂の酸価は4〜20であり;
該磁性粉末は、該定着用樹脂100重量部に対して0.
1から5重量部の割合で該トナー粒子中に含有され;該
キャリアの粒子は、コア粒子と該コア粒子を被覆する被
覆層とを有し;該コア粒子は、表面に凹部を有し、かつ
次式(A)で示される磁性材料でなり: MOFe23 (A) ここでMはCu、Zn、Fe、Ba、Ni、Mg、M
n、AlおよびCoでなる群から選択される少なくとも
1種の金属である、そして、該被覆層は、熱硬化性樹脂
および熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物でなり;該コア粒
子の少なくとも該凹部を充填し、そして該コア粒子の表
面の面積の0.1から60%を被覆する被覆層であり;
そのことにより上記目的が達成される。
【0008】好適な実施態様においては、上記トナーを
メタノールで抽出したときの抽出液は280から350
nmの領域に実質的に吸収ピークを有さず、かつ、40
0から700nmの領域における吸光度は実質的にゼロ
である。
【0009】好適な実施態様においては、上記磁性粉末
は、上記定着用樹脂100重量部に対して0.5から3
重量部の割合で含有される。
【0010】好適な実施態様においては、上記トナー粒
子の体積基準平均粒径は5から15μmであり、該トナ
ー粒子表面に体積基準平均粒径が0.05から1.0μ
mのスペーサー粒子が付着している。
【0011】好適な実施態様においては、上記被覆層
は、熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂を、重量比99.
5:0.5から51:49で含み、さらに好適には、重
量比99:1から90:10で含む組成物でなる。
【0012】好適な実施態様においては、上記熱可塑性
樹脂の融点または軟化点は、上記熱硬化性樹脂の熱硬化
温度よりも低く、さらに好適には、150℃よりも低
い。
【0013】好適な実施態様においては、上記コア粒子
の粒径は、50から150μmである。
【0014】好適な実施態様においては、上記被覆層の
重量は、上記コア粒子100重量部に対して0.001
から2.5重量部である。
【0015】好適な実施態様においては、上記熱硬化性
樹脂は、変性または未変性のシリコーン樹脂、熱硬化性
アクリル樹脂、熱硬化性スチレン−アクリル樹脂、フェ
ノール樹脂、ウレタン樹脂、熱硬化性ポリエステル樹
脂、エポキシ樹脂、およびアミノ樹脂からなる群から選
択される少なくとも一種である。
【0016】好適な実施態様においては、上記熱可塑性
樹脂は、熱可塑性アクリル樹脂、熱可塑性スチレン−ア
クリル樹脂、オレフィン系共重合体樹脂またはワック
ス、低融点ポリアミド樹脂、および低融点ポリエステル
樹脂からなる群から選択される少なくとも一種である。
【0017】
【作用】本発明の二成分系現像剤は、アゾ系染料、オキ
シカルボン酸金属錯体などの帯電制御剤をいっさい含有
しない。従って後述のように帯電制御剤に起因するスペ
ントが発生しないため長期間にわたり高画像品質の複写
が行われ得る。現像剤中のトナーは帯電制御剤をいっさ
い含有しないため、該トナーからはあらゆる化学的ある
いは物理的手段によってもこのような帯電制御剤、つま
り染料系の化合物は全く検出されない。例えば本発明の
現像剤に使用されるトナーからは、これらの化合物は化
学反応により検出されない。あるいは、本発明の現像剤
に使用されるトナーの有機溶媒抽出液からは、これらの
化合物に起因する吸収ピークが全く検出されない。例え
ば本発明の現像剤に使用されるトナーを有機溶媒、例え
ばメタノールで抽出すると、該抽出液は、280〜35
0nmの領域に実質的に吸収ピークを有さず、かつ40
0〜700nmの領域における吸光度が実質的にゼロで
ある。ここで、実質的に吸収ピークを有さずとは、トナ
ー0.1gをメタノール50mlで抽出した抽出液につ
いて、吸収ピークが全く検出されないか、検出されたと
してもそのピーク位置における吸光度が0.05以下で
あることをいう。同様に、吸光度が実質的にゼロである
とは、トナー0.1gをメタノール50mlで抽出した
抽出液の吸光度が0.05以下であることをいう。
【0018】本発明の二成分系現像剤においては、トナ
ー中に上記帯電制御剤が含有されないことに起因する帯
電量の不安定性を次の事柄により補っている。まずその
第1にはトナー粒子中の定着用樹脂にアニオン性極性基
を有するスチレンアクリル系樹脂を用いることであり、
第2には、トナー粒子中に磁性粉末を所定の割合で含有
させることである。定着用樹脂が、アニオン性極性基を
有するスチレンアクリル系樹脂を含む組成物でなり、か
つ樹脂の重量平均分子量、その分子量のピークおよび酸
価を特定することにより、耐スペント性、定着性および
トナー製造時の粉砕性のバランスをとることで、これら
の物性をともに向上することができる。さらに必要に応
じて、トナー粒子の表面に所定の粒径のスペーサー粒子
を付着させることにより、感光体から転写紙上への転写
効率が高められる。そしてキャリアの粒子が、コア粒子
の少なくとも凹部を充填する被覆層を有することによ
り、耐スペント性を向上させ、かつトナーに安定した帯
電を付与する。
【0019】上記について、以下に詳細に説明する。
【0020】本発明の現像剤に使用されるトナーのメタ
ノール抽出液の200〜700nmにおける吸光度曲線
を図1に示す。この曲線に示されるように、この抽出液
は各帯電制御剤に起因するピークを全く有していない。
つまり280〜350nmの領域に実質的に吸収ピーク
を有さず、かつ400〜700nmの領域における吸光
度が実質的にゼロである。これに対してアゾ系クロム金
属錯塩染料を帯電制御剤として含有するトナーのメタノ
ール抽出液の吸光度曲線は400〜700nm、特に5
50〜570nmの範囲の領域にピークを有し(図
2)、そして、サリチル酸金属錯体を帯電制御剤として
含有するトナーのメタノール抽出液の吸光度曲線は28
0〜350nmの範囲の領域にピークを有する(図
3)。
【0021】上記帯電制御剤を含有するトナーのメタノ
ール抽出液に、帯電制御剤に起因する吸収が認められる
ということは、トナー粒子表面に帯電制御剤がかなりの
高濃度で存在しているためである。
【0022】スペントの発生によりキャリアの帯電性が
不充分となった現像剤のキャリアをメタノール抽出し、
その400〜700nmにおける吸光度を調べると、そ
の領域において、帯電制御剤に起因するピークが認めら
れる。例えば、図2に、その吸光度曲線が示される、ア
ゾ系クロム錯塩染料を含有するトナーを長時間使用し、
スペントが発生したときの、そのキャリアのメタノール
抽出液の吸光度曲線を図4に示す。図4においては、図
2における帯電制御剤と同様の位置にピークが認められ
る。従来においては、スペントは、トナーの定着用樹脂
がキャリアの粒子表面に付着して樹脂膜を形成するため
に生じると考えられていたが、上記事実により、スペン
ト発生の主な原因のひとつは帯電制御剤のトナー粒子か
らのキャリアの粒子表面への移行にあるということがわ
かった。
【0023】発明者らは、さらに帯電制御剤とスペント
との関係を調べるために、次の実験を行った。まず帯電
制御剤としてアゾ系クロム錯塩染料を1.5重量%の割
合で含有するトナー粒子を有するトナーと、キャリアと
を混合し、現像剤とした。この現像剤のトナーとキャリ
アとの混合・攪拌操作を続けたときの経過時間とスペン
トによりキャリアの粒子表面に付着した付着物の重量と
の関係を図5に示す。付着物の重量は、付着物を有する
キャリアの総重量に対する百分率でスペント率として図
5に示す。さらに、経過時間とトナーの帯電量との関係
を図6に示す。さらに上記帯電制御剤を含有しないトナ
ー粒子を有するトナーとキャリアとを含む現像剤につい
ても、同様の測定を行った。その結果もあわせて図5お
よび6に示す。図5および6において、黒丸のプロット
は帯電制御剤を含有するトナーの測定値、白丸のプロッ
トは帯電制御剤を有していないトナーの測定値を示す。
図5および6から帯電制御剤を含有するトナーは帯電制
御剤を含有しないトナーに比べて、スペントによりキャ
リアの粒子表面に付着物が多く形成され、帯電量の低下
の度合も大きいことがわかる。
【0024】スペントによりキャリアの粒子表面に付着
したトナー成分の重量を経時的に測定し、これを横軸に
(スペント量として示す)、そしてそのトナー成分中に
おける帯電制御剤の量を縦軸にとったグラフを図7に示
す。点線は、スペントにより付着したトナー成分が、ト
ナー粒子を形成する成分と同一であると仮定した場合に
おける帯電制御剤の量を示す。図7から、現像剤使用の
初期において帯電制御剤が大量に析出し、キャリアの粒
子表面に付着することがわかる。図7において、スペン
ト量の増大に伴って、測定値が点線で示される計算値に
近づくのは、これがトナーの補給のない閉鎖系での実験
結果であるためであり、複写機内でのトナーの入れ換え
がある場合には、両者の差は、さらに広がると考えられ
る。
【0025】さらに発明者らは、トナー粒子を構成して
いる成分とスペントとの関係を調べるため、帯電制御
剤、定着用樹脂、着色剤であるカーボンブラック、およ
びワックスと、キャリアとを各々混合・攪拌したときの
時間経過により生じたキャリアの粒子表面の付着物の重
量を測定した。その結果を図8に示す。図8において、
白丸は帯電制御剤、黒丸はカーボンブラック、四角は定
着用樹脂、そして三角はワックスを用いて試験を行った
ときの結果を示す。図8から帯電制御剤が最もスペント
によるキャリアの粒子表面への付着を起こしやすいこと
がわかる。
【0026】以上の事実から従来の二成分系磁性現像剤
のスペントによる帯電不良は次のように説明される。ま
ず、図9の上部に示すように現像剤の使用初期において
は、キャリアの粒子1がプラスに、そしてトナー2がマ
イナスに帯電しており、トナーは、負極性トナー21と
して存在している。この現像剤を使用しているとトナー
粒子中の帯電制御剤を主成分とするトナー成分が、キャ
リアの粒子1の表面に付着する。このスペントにより形
成された付着物201はマイナスに帯電するためこの付
着物201に対してプラスの電荷を有するトナー、つま
り逆極性トナー22が形成される。この逆極性トナー2
2がキャリアの粒子1表面に形成されるためトナー飛散
が発生したり、転写効率が低下する。
【0027】このように帯電制御剤は、上記のように、
重金属を含有する場合もあるため含有されないことが好
ましく、さらに上記のようにスペントの主な原因とな
り、トナー飛散の発生、転写効率の低下などを引き起こ
すため、本発明の現像剤に使用されるトナーにおいて
は、この帯電制御剤を全く含有しない。
【0028】この帯電制御剤を含有しないことに伴う帯
電量の不安定性、主として帯電量の不足は、上記のよう
に、第1にはアニオン性極性基を有するスチレンアクリ
ル系樹脂をトナーに用いることにより補われる。アニオ
ン性極性基により定着用樹脂自体に負電荷が付与される
ためトナー粒子の帯電量の不足が補われる。この極性基
は樹脂自体の骨格に結合して存在するため、帯電制御剤
のようにキャリアの粒子表面に移行し、スペントの原因
となることはない。しかし逆に、トナー粒子の表面付近
の帯電性は、それ程大きくないので、現像時の磁気ブラ
シにおけるトナー粒子とキャリアの粒子とのクーロン力
による結合は不充分である。従って、高速複写が行われ
るとキャリアの粒子との結合性が弱いため、トナーの飛
散が充分に抑制されない。トナーの飛散により複写機内
が汚染され、複写物の画像にいわゆるカブリを生じると
いう欠点がある。
【0029】本発明においては、上記のように第2の要
件として、トナー粒子中に磁性粉末を所定の割合で、つ
まり定着用樹脂100重量部に対して0.1〜5重量部
の割合で含有させることを採用しており、このことによ
りトナー粒子の帯電量の不足を補っている。トナー粒子
中に磁性粉末が含有されるため、トナー粒子とキャリア
の粒子との間に磁気的な吸引力が生じる。このようにト
ナー粒子とキャリアの粒子との間のクーロン力に加えて
磁気的な吸引力が生じるため、トナーの飛散が防止され
る。一般にトナー粒子1個あたりの帯電量が少ない程、
所定の静電潜像に付着するトナー粒子の数が増加するの
で、みかけの現像感度が増大する。
【0030】上記磁性粉末のトナー粒子中の含有量は、
前述のように定着用樹脂あたり0.1〜5重量部であ
る。磁性粉末の含有量が0.1重量部を下まわると上記
のようにトナーの帯電量が不充分であるため、キャリア
の粒子と充分に結合せず、そのためトナーが飛散しやす
い。つまり複写物の画像に、いわゆるカブリを生じると
いう欠点がある。磁性粉末の含有量が5重量部を上まわ
るとキャリアの粒子とトナー粒子との結合力が大きくな
りすぎ、そのため静電潜像に充分にトナーが付着せず、
その結果、画像濃度が低くなる。
【0031】これまでに画像の解像度の向上などを目的
としてトナー粒子中に磁性粉末を含有させる(内添す
る)試みがなされている。例えば特開昭56−1062
49号公報には、10重量%のフェライトを含有するト
ナー粒子が開示され、特開昭59−162563号公報
には、5〜35重量%の磁性微粉末を含有するトナー粒
子が開示されている。しかし、いずれの場合においても
磁性粉末の量が過剰であるため、得られる複写物の画像
濃度が低くなる。特開平3−67268号公報には磁性
粉末を0.05〜2重量%の割合で外添したトナーが開
示されている。しかし、磁性粉末は、トナー粒子中に内
添されていないのでトナー粒子表面に不均一に付着しや
すく、トナー粒子とキャリアの粒子との間の磁気的吸引
力が不足する。上記いずれの従来技術においてもトナー
中に帯電制御剤が含有されているためスペントが生じる
などの問題を生じ得る。
【0032】さらに、本発明においては、定着用樹脂が
アニオン性極性基を有するスチレンアクリル系樹脂を含
む組成物でなり、かつ該スチレンアクリル系樹脂の分子
量のピークが4,000〜30,000であることによ
り、耐久性および粉砕性を向上することができる。ま
た、樹脂の重量平均分子量が7万〜20万であることに
より、トナーの粉砕性を満足させることができる。さら
に、該樹脂の酸価が4〜20であることにより、トナー
の帯電性をさらに向上することができる。このように、
耐スペント性、定着性、およびトナー製造時の粉砕性の
バランスをとることで、これらの物性をともに向上する
ことができる。
【0033】本発明においては、さらにトナー像の転写
効率を高めるため、好ましくはトナー粒子表面に、粒径
が0.05〜1.0μmのスペーサー粒子を付着させ
る。このスペーサー粒子は、トナー粒子の流動性改良剤
として作用し得るとともに感光体の静電潜像に付着した
ときに感光体とトナー粒子との間に間隙を形成する。そ
のため長時間の複写によりトナーの帯電量が高くなった
としてもトナーが感光体表面から容易に転写され得るた
め転写効率が高くなる。このスペーサー粒子がトナー粒
子に内添されるのと同様の磁性粉末の粒子である場合に
は、トナー粒子とキャリアの粒子との結合能力がより高
くなり、トナー飛散やカブリをより低減できる。
【0034】従来のトナーの流動性改良剤として粒径
0.015μm程度の微粒子が外添剤として用いられて
いるが、この様な粒子は感光体とトナー粒子との間に充
分な間隙を形成しないため上記の目的のスペーサー粒子
としては機能しない。
【0035】本発明においては、キャリアのコア粒子の
素材として特定のマグネタイトまたはフェライトが用い
られる。これらの化合物は、環境変化あるいは経時変化
による電気抵抗の変化が少ないため、現像剤に安定した
帯電性を付与し得る。さらに、現像装置内において磁場
がかけられると柔らかい穂を形成し得るため、感光体に
形成されるトナー像が乱れにくくなり、複写物の画像に
いわゆる白スジが生じない。
【0036】本発明においては、キャリアの粒子が、コ
ア粒子とコア粒子の表面の少なくとも凹部を充填する部
分被覆樹脂コート層とからなる。このようにコア粒子表
面を部分的に露出させることにより、キャリアの粒子の
抵抗を調整できるため、従来のコア粒子全面を樹脂コー
トしたキャリアのようにトナーを過剰帯電させることな
く、トナーに良好な帯電を付与できる。さらに、コア粒
子の凹部を充填しているためキャリアの粒子表面は平滑
となり、トナーのスペントが発生しにくくなる。従っ
て、本発明に用いられるトナーを本発明で用いられるキ
ャリアと組み合わせると、極めてスペントの発生が少な
く、トナーの帯電の安定化による現像特性の良好な耐久
性のある現像剤が得られる。
【0037】
【発明の好適態様】以下に、本発明の好適態様について
記載する。以下、本明細書において「低級アルキル基」
とは、炭素数1〜5のアルキル基をさしていう。
【0038】(定着用樹脂)本発明の二成分系現像剤の
トナー粒子に含まれる定着用樹脂に用いられるスチレン
アクリル系樹脂は、モノビニル芳香族系単量体とアクリ
ル系単量体とを含む単量体を共重合することにより得ら
れる。例えば、スチレンなどのモノビニル芳香族系単量
体とアニオン性極性基を有するアクリル系単量体とのラ
ンダム共重合体、ブロック共重合体あるいはグラフト共
重合体であり得る。モノビニル芳香族系単量体およびア
クリル系単量体のうち少なくともいずれか一方がアニオ
ン性極性基を有していればよい。
【0039】アニオン性極性基を有するアクリル系単量
体およびモノビニル芳香族系単量体のアニオン性極性基
としては、カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基
などが挙げられ、カルボン酸基が特に好適である。
【0040】モノビニル芳香族系単量体は、後記の一般
式(II)で示されるものであり、例えば、スルホン酸基
を有するモノビニル芳香族系単量体としては、スチレン
スルホン酸などが挙げられる。カルボン酸基を有するア
クリル系単量体としては、エチレン性不飽和カルボン酸
が好ましく用いられ、それには、アクリル酸、メタクリ
ル酸などがある。これらのアニオン性極性基含有単量体
は、遊離の酸であっても、ナトリウム、カリウムなどの
アルカリ金属、カルシウム、マグネシウムなどのアルカ
リ土類金属、亜鉛などの塩であってもよい。
【0041】得られる樹脂がトナーに要求される定着性
と帯電性等の特性を有するようにするために、必要に応
じて他のエチレン性不飽和結合を有する単量体の1種ま
たは2種以上の組み合わせが使用される。
【0042】このような単量体としては、アクリルエス
テル系単量体、モノビニル芳香族系単量体、ビニルエス
テル系単量体、ビニルエーテル系単量体、ジオレフィン
系単量体、モノオレフィン系単量体などがある。
【0043】アクリルエステル系単量体は、次の一般式
(I)で示される:
【0044】
【化1】
【0045】ここで、R1は水素原子または低級アルキ
ル基、R2は炭素数11以下の炭化水素基または炭素数
11以下のヒドロキシアルキル基である。
【0046】このような単量体としては、アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル
酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、
アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル
酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、β−
ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−ヒドロキシアクリル
酸プロピル、δ−ヒドロキシアクリル酸ブチル、β−ヒ
ドロキシメタクリル酸エチルなどがある。
【0047】モノビニル芳香族系単量体は、次の一般式
(II)で示される:
【0048】
【化2】
【0049】ここで、R3は水素原子、低級アルキル基
またはハロゲン原子であり、R4は水素原子、低級アル
キル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、ニト
ロ基などであり、Φはフェニレン基である。
【0050】このような単量体としては、スチレン、α
−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロロスチレ
ン、o−、m−、またはp−クロロスチレン、p−エチ
ルスチレンなどがある。
【0051】ビニルエステル系単量体は、次の一般式
(III)で示される:
【0052】
【化3】
【0053】ここで、R5は水素原子または低級アルキ
ル基である。
【0054】このような単量体としては、ギ酸ビニル、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどがある。
【0055】ビニルエーテル系単量体は、次の一般式
(IV)で示される:
【0056】
【化4】
【0057】ここで、R6は炭素数11以下の1価の炭
化水素基である。
【0058】このような単量体としては、ビニルメチル
エーテル、ビニルエチルエーテル、ビニル−n−ブチル
エーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニルシクロヘキ
シルエーテルなどがある。
【0059】ジオレフィン系単量体は、次の一般式
(V)で示される:
【0060】
【化5】
【0061】ここで、R7、R8、およびR9は各々独立
して水素原子、低級アルキル基またはハロゲン原子であ
る。
【0062】このような単量体としては、ブタジエン、
イソプレン、クロロプレンなどがある。
【0063】モノオレフィン系単量体は、次の一般式
(VI)で示される:
【0064】
【化6】
【0065】ここで、R10、およびR11は各々独立して
水素原子または低級アルキル基である。
【0066】このような単量体としては、エチレン、プ
ロピレン、イソブチレン、ブテン−1、ペンテン−1、
4−メチルペンテン−1などがある。
【0067】上記単量体を重合して得られる(共)重合
体であるアニオン性極性基を有するスチレンアクリル系
樹脂の具体例としては、スチレン−アクリル酸共重合
体、スチレン−メタクリル酸共重合体などがある。
【0068】このような樹脂は、アニオン性極性基が遊
離酸の形で存在する場合には、その酸価が4〜20、好
ましくは5〜15となるような割合でアニオン性極性基
を有していることが望ましい。アニオン性極性基の一部
または全部が中和されている場合には、それが遊離酸の
形で存在したときに上記酸価を有するような割合でアニ
オン性極性基を有することが好ましい。上記樹脂の酸
価、つまりアニオン性極性基の濃度、が上記範囲よりも
低いときには、トナーの帯電性が不充分であり、逆に上
記範囲よりも高いと、トナーが吸湿性を有するため、好
ましくない。
【0069】さらに、該スチレンアクリル系樹脂の分子
量のピークは4,000〜30,000、好ましくは
6,000〜20,000である。樹脂の分子量のピー
クが4,000未満では耐スペント性の向上が期待でき
ず耐久性が低下する。30,000を超えると粉砕性が
低下する。
【0070】また、該樹脂の重量平均分子量は7万〜2
0万、好ましくは8万〜15万である。7万未満である
と得られたトナーが過粉砕されるためトナー粒子が割れ
るという欠点があり、20万を超えるとトナーの粉砕性
が低下する。
【0071】好適な定着用樹脂には、スチレンと、アク
リル酸またはメタクリル酸と、式(I)のアクリル酸エ
ステル系単量体の少なくとも1種を必須成分として含有
し、必要に応じて、式(II)から式(VI)の単量体を任
意成分として含有する共重合体が用いられる。上記各単
量体は、上記樹脂を調製するために1種または2種以上
が組み合わせて用いられ得る。
【0072】本発明に用いられる定着用樹脂には、上記
樹脂を含む樹脂組成物が用いられ、この組成物中には、
上記樹脂に加えて、アニオン性極性基をもたない重合体
が含有されていてもよい。その場合には、組成物全体と
してのアニオン性極性基の含有割合は上記範囲にある。
【0073】(定着用樹脂に用いるスチレンアクリル系
樹脂の製造方法)本発明で使用されるスチレンアクリル
系樹脂は、以下のようにして製造することができる。
【0074】単量体及び樹脂をともに溶解可能な溶媒
(例えば、トルエン、キシレンなど)に、低分子体用単
量体および重合開始剤を混合して攪拌する。この混合溶
液を反応釜に投入し攪拌羽根でよく攪拌しながら、60
〜250℃/3〜10時間で重合を行い、溶液の脱気、
乾燥後、低分子体のポリマーを得る。次に、単量体およ
び樹脂をともに溶解可能な溶媒に、高分子体用単量体、
上記で得た低分子体のポリマーおよび重合開始剤を混合
し攪拌する。この混合溶液を反応釜に投入し攪拌羽根で
よく攪拌しながら60〜200℃/5〜24時間で重合
を行い、その後溶液を脱気、乾燥後、ポリマーを得る。
【0075】(磁性粉末)トナー粒子に含有(内添)さ
れる磁性粉末としては、従来において一成分系の磁性ト
ナーに使用されている磁性粉末のいずれもが用いられ得
る。磁性粉末の素材としては、例えば、四三酸化鉄(F
34)、三二酸化鉄(γ−Fe23)、酸化鉄亜鉛
(ZnFe24)、酸化鉄イットリム(Y3Fe
512)、酸化鉄カドミウム(CdFe24)、酸化鉄
ガドリウム(Gd3Fe512)、酸化鉄銅(CuFe2
4)、酸化鉄鉛(PbFe1219)、酸化鉄ニッケル
(NiFe24)、酸化鉄ネオジウム(NdFe
3)、酸化鉄バリウム(BaFe1219)、酸化鉄マ
グネシウム(MgFe24)、酸化鉄マンガン(MnF
24)、酸化鉄ランタン(LaFeO3)、鉄(F
e)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)などが用い
られ得る。特に好適な磁性粉末は微粒子状四三酸化鉄
(マグネタイト)である。好適なマグネタイトは正8面
体状で、粒子径が0.05〜1.0μmである。このマ
グネタイト粒子は、シランカップリング剤、チタン系カ
ップリング剤などで表面処理されていてもよい。トナー
粒子に含有される磁性粉末の粒子径は、一般に1.0μ
m以下、好ましくは0.05〜1.0μmである。
【0076】上記磁性粉末のトナー粒子中の含有量は、
定着用樹脂100重量部あたり、0.1〜5重量部、好
ましくは0.5〜4重量部、さらに好ましくは0.5〜
3重量部である。磁性粉末の量が過少であると前述のよ
うに、現像時におけるトナーの飛散が生じたり、転写効
率が低下する。
【0077】(トナー粒子中の配合剤)トナー粒子は、
上記のように、定着用樹脂および磁性粉末を必須成分と
して含有し、さらに必要に応じて通常トナー中に配合さ
れ得る配合剤を含有させることができる。
【0078】配合剤としては、着色剤、離型剤などがあ
る。
【0079】着色剤としては、例えば次の顔料が使用さ
れ得る。
【0080】黒色顔料 カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラッ
ク、アニリンブラック。
【0081】体質顔料 バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイト
カーボン、タルク、アルミナホワイト。
【0082】上記顔料は、定着用樹脂100重量部に対
して、通常2〜20重量部、好ましくは5〜15重量部
の量でトナー粒子中に含有される。
【0083】離型剤としては各種ワックス類や低分子量
オレフィン系樹脂などが使用される。上記オレフィン系
樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、プロピ
レン−エチレン共重合体などが使用され得るが、ポリプ
ロピレンが特に好適である。
【0084】(トナーの調製)本発明の二成分系現像剤
に用いられるトナー粒子は、トナー粒子製造のための一
般的な方法、例えば、粉砕分級法、溶融造粒法、スプレ
ー造粒法および重合法により製造され得、通常、粉砕分
級法により製造される。
【0085】例えば、上記トナー粒子を形成するための
成分を、ヘンシェルミキサーなどの混合機で前混合した
のち、二軸押出機などの混練装置を用いて混練し、これ
を冷却した後、粉砕し、分級してトナー粒子とする。ト
ナー粒子の粒径は、一般に体積基準平均粒径(コールタ
ーカウンターによるメジアン径)が5〜15μm、特に
7〜12μmの範囲内にあるのが好ましい。
【0086】トナー粒子の表面には、外添剤として必要
に応じて疎水性気相法シリカ粒子などの流動性改良剤を
付着させてトナーの流動性を改善することができる。上
記シリカ粒子などの流動性改良剤の粒子径は通常、一次
粒子径が約0.015μm程度であり、トナーの総重
量、つまりトナー粒子と外添剤との合計重量あたり0.
1〜2.0重量%の量で外添される。
【0087】さらに本発明においては、好適には、上記
流動性改良剤粒子よりも大きい粒径のスペーサー粒子が
外添される。このスペーサー粒子としては、0.05〜
1.0μm、好ましくは0.07〜0.5μmの有機ま
たは無機の不活性粒子のいずれもが用いられ得る。この
ような不活性粒子の素材としては、シリカ、アルミナ、
酸化チタン、炭酸マグネシウム、アクリル樹脂、スチレ
ン樹脂、磁性材料などが挙げられる。このスペーサー粒
子は、流動性改良剤として機能し得るとともに、前述の
ように転写効率を高める働きを有する。スペーサー粒子
としては、一般には、上記トナー粒子に含有されるのと
同様の磁性粉末、特に微粒子状四三酸化鉄(マグネタイ
ト)粒子を使用するのが好ましい。スペーサー粒子とし
て磁性粉末の粒子を用いると、前述のようにトナー飛散
に対して有効に作用する。スペーサー粒子は、トナーの
総重量あたり10重量%以下、好ましくは0.1〜10
重量%、さらに好ましくは0.1〜5重量%の量で含有
される。過剰であると複写画像の濃度が不充分となる。
スペーサー粒子として磁性粉末を使用する場合には、ト
ナー粒子内に含有される磁性粉末との合計量が、定着用
樹脂100重量部に対して10重量部以下であることが
望ましい。過剰であると画像濃度が低くなる場合があ
る。
【0088】流動性改良剤およびスペーサー粒子をトナ
ー粒子に外添するには、例えば流動性改良剤とスペーサ
ー粒子とを充分に混合し、この混合物をトナー粒子に添
加して充分に解砕するのがよい。これによりスペーサー
粒子は、トナー粒子表面に付着する。ここで、付着と
は、粒子表面に接して担持されること、あるいは粒子表
面から内部に一部打ち込まれたような状態で固定される
こと、のいずれの状態をもさしていう。このようにし
て、本発明の現像剤に用いられるトナーが得られる。
【0089】(キャリアの粒子)本発明の現像剤に用い
られるキャリアの粒子は、コア粒子と該コア粒子を被覆
する被覆層とを有する二重構造の粒子である。このコア
粒子は、次式(A)で示される磁性材料でなる: MOFe23 (A) ここでMはCu、Zn、Fe、Ba、Ni、Mg、M
n、AlおよびCoでなる群から選択される少なくとも
1種の金属である。
【0090】上記式(A)で示される化合物は、マグネ
タイト(MがFeの場合)あるいはフェライト(MがF
e以外の金属の場合)であり、MがCu、Zn、Mn、
Ni、Mgなどのフェライトが好適に用いられる。本発
明においては、特に焼結フェライト粒子が好ましい。こ
れらのマグネタイトあるいはフェライトは、経時変化に
よる電気抵抗の変化率が小さく、かつ現像装置内におい
て磁場がかかると、柔らかい穂を形成し得る。これらの
磁性材料でなるコア粒子は、その粒径が、30〜200
μm、好ましくは50〜150μmである。これらのコ
ア粒子は、上記磁性材料の微細な粒子を噴霧造粒などの
手段で球状に造粒し、次に焼成することにより得られ
る。このコア粒子は、その体積固有抵抗が、105〜1
9Ω・cm、好ましくは106〜108Ω・cmであ
る。コア粒子の飽和磁化は、30〜70emu/g、好
ましくは45〜65emu/gの範囲にある。
【0091】上記コア粒子は、一般にサブミクロン単位
の微細な粒径を有する磁性材料を噴霧造粒などの手段を
用いてほぼ球状粒子に造粒し、次いで焼成などの手段で
焼結することにより得られるが、焼結の際の収縮などに
より表面に凹部またはしわを有している。
【0092】キャリアの粒子の被覆層を構成する樹脂組
成物は、熱硬化性樹脂、および熱可塑性樹脂でなる。上
記熱可塑性樹脂は、上記熱硬化性樹脂に対して適度な相
溶性および分散性を有することが好ましい。このような
適度の相溶性および分散性を有することで、上記樹脂組
成物は、後述するキャリアの粒子の調製時に、溶液また
は分散液の状態でコア粒子表面に均一に塗布され得る。
さらに、熱硬化時に、熱可塑性樹脂が熱硬化性樹脂から
はじき出され、コア粒子表面の凹部に充填され、コア粒
子表面に部分被覆が形成され得る。その結果、コア粒子
が部分的にキャリアの粒子表面に露出し、キャリアの高
抵抗化が制御されるため、トナーを過剰帯電させること
がなく、高い画像濃度を維持することが可能となる。
【0093】上記の効果を十分に達成するためには、前
記被覆層が、熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂を、重量
比99.5:0.5から51:49で、好ましくは重量
比99:1から90:10で含む組成物でなることがよ
り好ましい。さらに、熱可塑性樹脂の融点または軟化点
が、熱硬化性樹脂の熱硬化温度よりも低いのが好まし
い。また、熱可塑性樹脂の融点または軟化点は、好まし
くは、150℃よりも低い。
【0094】上記熱硬化性樹脂としては、変性または未
変性のシリコーン樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、熱硬化
性スチレン−アクリル樹脂、フェノール樹脂、ウレタン
樹脂、熱硬化性ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アミ
ノ樹脂などがあり、熱可塑性樹脂としては、熱可塑性ア
クリル樹脂、熱可塑性スチレン−アクリル樹脂、オレフ
ィン系共重合体樹脂またはワックス、低融点ポリアミド
樹脂、および低融点ポリエステル樹脂などがある。
【0095】さらに樹脂組成物中には、必要に応じて、
シリカ、アルミナ、カーボンブラック、脂肪酸金属塩、
シランカップリング剤、シリコーンオイルなどの添加剤
が含有され、これらは被覆層の特性を調製する働きを有
する。
【0096】(キャリアの調製)上記熱硬化性樹脂およ
び熱可塑性樹脂を含有する組成物は、公知の方法により
コア粒子表面に付与されて被覆層を形成する。例えば、
上記樹脂組成物の溶液もしくは分散液とコア粒子とを混
合して、コア粒子表面に樹脂組成物の溶液もしくは分散
液をコートし、必要に応じて乾燥し、そして加熱などに
より硬化させることにより被覆層が形成される。被覆層
の形成にあたっては、一般に利用されている浸漬法、ス
プレー法、流動床法、移動床法、転動層法などがいずれ
も利用され得る。樹脂組成物を溶解もしくは分散させ得
る溶媒としては、一般的な有機溶媒、例えば、トルエ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロ
ヘキサノンなどのケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、
ジオキサンなどの環状エーテル類、エタノール、プロパ
ノール、ブタノールなどのアルコール類、エチルセロソ
ルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ系溶媒、酢酸
エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶媒
などが、利用する樹脂の溶解性などの性質に合わせて適
宜用いられ得る。
【0097】このようにして得られたキャリアの粒径は
30〜200μm、好ましくは50〜150μmであ
る。キャリアの粒子の被覆層は、コア粒子の表面の面積
の0.1%から60%を被覆する。キャリアの粒子の被
覆層の重量は、コア粒子100重量部に対して0.00
1〜2.5重量部、好ましくは0.005〜2.0重量
部である。得られたキャリアの粒子の体積固有抵抗は、
105〜1013Ω・cm、好ましくは107〜1012Ω・
cm、そして飽和磁化は、30〜70emu/g、好ま
しくは45〜65emu/gの範囲にある。
【0098】本発明の二成分系現像剤のキャリアの粒子
表面構造を図10(拡大側面図)および図11(拡大断
面図)に示す。図において、キャリアの粒子11は、コ
ア粒子12と被覆層13とから成る。コア粒子12の表
面には、凹部14、比較的平坦な平坦部15、および凸
部16が存在する。本発明に用いるキャリアの粒子で
は、凹部14には樹脂充填層17が存在し、そして平坦
部15および凸部16には、キャリアの粒子表面の露出
部が存在し、被覆層は部分被覆層19aとして存在す
る。一方、熱硬化性樹脂のみを用いた従来のキャリアの
粒子10では、図12(拡大断面図)に示すように、凹
部14への樹脂の充填が不完全であると共に、平坦部1
5および凸部16上に連続被覆層19bが存在する。図
11に示す本発明に用いるキャリアの粒子11では、熱
硬化時に低融点熱可塑性樹脂の凝集破壊により、露出部
18aおよび18bの部分で被覆樹脂層が破断され部分
被覆層19aが形成される。
【0099】(現像剤の調製)上記トナーとキャリアと
を混合することにより二成分系現像剤が得られる。キャ
リアとトナーとの混合比は、一般に98:2〜90:1
0の重量比、特に97:3〜94:6の重量比であるこ
とが好ましい。
【0100】本発明の二成分系現像剤を用い、一般的な
静電写真複写法により、複写がなされ得る。例えば感光
体上の光導電層を一様に荷電した後、画像露光して静電
潜像を形成させ、次いで二成分系磁性現像剤の磁気ブラ
シを感光体と接触させることにより静電潜像の現像が容
易に行われ得る。現像により形成されたトナー像は転写
紙上に転写されて転写像を形成し、この転写像をヒート
ロールで溶融圧着することにより定着が行われる。
【0101】
【実施例】本発明を実施例により説明する。
【0102】(実施例1) A.定着用樹脂の調製 メタクリル酸3重量部、ブチルアクリレート17重量
部、スチレン80重量部、および重合開始剤を可溶溶媒
に混合して攪拌した。得られた混合溶液を反応釜に投入
し攪拌羽根でよく攪拌しながら、150℃/5時間で重
合を行い、その後溶液を脱気し乾燥後、低分子量のポリ
マーを得た。
【0103】次に、メタクリル酸10重量部、ブチルア
クリレート20重量部、スチレン70重量部、重合開始
剤、可溶溶媒および上記で得たポリマー100重量部を
混合し攪拌した。得られた混合溶液を反応釜に投入し攪
拌羽根でよく攪拌しながら80℃/15時間で重合を行
い、その後溶液を脱気、乾燥後、ポリマーを得た。
【0104】得られたスチレンアクリル系樹脂の分子量
のピークは10,000、重量平均分子量は10万、酸
価は10であった。
【0105】B.トナーの調製 (トナー粒子の組成) 定着用樹脂:上記A項で得られたスチレンアクリル系樹
脂 100重量部 着色剤:カーボンブラック 10重量部 磁性粉末:マグネタイト 2重量部 ワックス 3重量部 上記各成分を二軸押し出し機にて溶融混練し、次いでこ
の混練物をジェットミルで粉砕し、そして風力分級機で
分級して、平均粒径10.0μmのトナー粒子を得た。
【0106】このトナー粒子に、流動性改良剤として平
均粒径が0.015μmの疎水性シリカ微粒子をトナー
粒子100重量部に対して0.3重量部の割合で、そし
て、平均粒径が0.3μmのアルミナ微粒子をトナー粒
子100重量部に対して0.6重量部の割合で添加(外
添)し、そしてヘンシェルミキサーで2分間混合して、
トナーを得た。
【0107】C.キャリアの調製
【0108】
【表1】
【0109】磁性コア粒子として平均粒径100μmの
球状フェライト粒子を用いた。このフェライト粒子10
00重量部に、表1に示すコーティング剤を添加し、加
熱撹拌装置を用いて混合した。得られた混合物から溶媒
を乾燥除去した後、200℃で1時間の熱処理を行い被
覆層を有するキャリアの粒子を得た。
【0110】D.現像剤の調製 上記トナーとキャリアとを、均一に混合してトナー濃度
3.5重量%の二成分系現像剤を得た。
【0111】(比較例1)コーティング剤のアクリル変
性シリコーン樹脂を24.5重量部、スチレン−アクリ
ル樹脂を0.5重量部用いたこと以外は実施例1と同様
の方法で現像剤を得た。
【0112】[現像剤の評価]次の項目につき、実施例
および比較例の現像剤を評価した。試験に使用したの
は、三田工業社製の電子複写機(商品名「DC−468
5」)の改造機(評価試料を容易にサンプリングするた
めの改造を施した複写機)である。
【0113】(a)画像濃度(I.D.) 黒色部の面積率が8%の文字原稿を用いて5万枚複写を
行った。5千枚毎に複写画像における黒べた部の濃度を
反射濃度計(型番「TC−6D」東京電色社製)を用い
て測定し、その平均値を画像濃度(I.D.)とした。
ここで、5千枚毎にサンプリングを行うために使用する
原稿は、黒べた部を含む黒色部の面積率が15%の原稿
である。評価結果を表2に示す。
【0114】(b)カブリ濃度(F.D.) 黒色部の面積率が8%の文字原稿を用いて5万枚複写を
行った。5千枚毎に複写画像における非画像部の濃度を
反射濃度計(型番「TC−6D」東京電色社製)を用い
て測定した。その測定値と、複写前の紙(ベース紙)を
反射濃度計で測定して得られた反射濃度の値との差を算
出し、その最高値をカブリ濃度(F.D.)とした。こ
こで、5千枚毎にサンプリングを行うために使用する原
稿は、黒べた部を含む黒色部の面積率が15%の原稿で
ある。評価結果を表2に示す。
【0115】(c)帯電量 黒色部の面積率が8%の文字原稿を用いて5万枚複写を
行った。5千枚毎に現像剤200mgの帯電量を「ブロ
ーオフ粉体帯電量測定装置」(東芝ケミカル社製)を用
いて測定し、トナー1gあたりの帯電量の平均値を算出
した。評価結果を表2に示す。
【0116】(d)トナー飛散 黒色部の面積率が8%の文字原稿を用いて複写を行い、
5万枚複写した時点での複写機内のトナー飛散状態を目
視にて観察し、以下の基準で評価した。 ○:トナー飛散なし ×:トナー飛散あり 評価結果を表2に示す。
【0117】(e)転写効率 複写開始前のトナーホッパー内のトナー量と、5万枚複
写後のトナーホッパー内のトナー量とを測定し、その差
からトナー消費量を算出した。他方、5万枚複写の間に
クリーニング工程において回収されたトナー量を測定
し、これをトナー回収量とした。これらの値から、次式
(i)によりトナーの転写効率を算出した。ここで、複
写に用いた原稿は、黒色部の面積率が8%の文字原稿で
ある。
【0118】
【数1】
【0119】評価結果を表2に示す。
【0120】(f)スペントによるキャリアの粒子表面
への付着物の量 黒色部の面積率が8%の文字原稿を用いて複写を行い、
5万枚複写した時点で、現像剤をサンプリングした。そ
の現像剤を400メッシュのふるい上にのせ、下からブ
ロアーにより吸引し、トナーとキャリアとを分離した。
ふるい上に残ったキャリア5gをビーカーに入れ、更に
このビーカー中にトルエンを加え、スペントによりキャ
リアの粒子表面に付着したトナー成分を溶解させた。そ
の後ビーカーの下から磁石でキャリアを引きつけた状態
でトルエン溶液を捨てた。これをトルエンが無色になる
まで数回繰り返した後、オーブンでキャリアに付着して
いるトルエンを蒸発させて得られた残留物の重量を測定
した。最初にビーカーに入れたキャリアの重量とトルエ
ン蒸発後の重量の差がスペントによりキャリアの粒子表
面に付着したトナー成分の量(スペント量)である。ス
ペント量はキャリア1gあたりに付着したトナー成分の
mgで表す。評価結果を表2に示す。
【0121】
【表2】
【0122】[評価結果の考察]実施例1で得られた現
像剤は、比較例1の現像剤に比べ帯電性が良好であり、
画像濃度およびカブリ濃度が良好な状態で安定し、そし
て転写効率に優れていた。特に、実施例1の現像剤は、
スペントによるキャリアの粒子表面への付着物の量が、
比較例1と比べ約3/5と少なく、トナー飛散も認めら
れなかった。
【0123】
【発明の効果】本発明によれば、このように、複写時に
おけるスペントの主な発生原因となる帯電制御剤を全く
含有しない二成分系現像剤が提供される。この現像剤の
トナーのトナー粒子中には、アニオン性極性基を有する
定着用樹脂が含有され、そして、トナー粒子中に所定の
割合で磁性粉末が含有される。さらに、本発明によれ
ば、上記定着用樹脂はアニオン性極性基を有するスチレ
ンアクリル系樹脂でなり、そして該樹脂の分子量ピー
ク、重量平均分子量および酸価が所定の範囲に規定され
ているので、さらに粉砕性、定着性等を満足させること
ができる。この現像剤に含有されるキャリアのコア粒子
は特定の組成の磁性材料で構成され、かつ該コア粒子を
被覆する被覆層には熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂が
用いられ、該コア粒子の凹部を充填し、そしてその表面
を部分的に被覆している。そのため、トナーを過剰帯電
させることなく、トナーに良好な帯電を付与でき、高い
画像濃度を維持できる。さらに、キャリアの粒子表面が
平滑となり、スペントも発生しにくい。さらに必要に応
じてトナー粒子表面には所定の粒径のスペーサー粒子が
付着している。そのためトナーの帯電性が充分であり、
トナー粒子とキャリアの粒子との結合も充分である。従
って複写時にスペントが発生せず、トナーが飛散するこ
とがなく、転写効率が充分であり、必要とされる濃度の
複写画像が長時間にわたり安定して得られる。このよう
な二成分系現像剤は、静電式複写機、レーザービームプ
リンタなどの電子式画像形成装置において好適に用いら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の現像剤に使用されるトナーのメタノー
ル抽出液の、波長200〜700nmにおける吸光度を
示すグラフである。
【図2】帯電制御剤としてアゾ系クロム錯塩染料を含有
するトナーのメタノール抽出液の波長200〜700n
mにおける吸光度を示すグラフである。
【図3】帯電制御剤としてサリチル酸金属錯体を含有す
るトナーのメタノール抽出液の波長200〜700nm
における吸光度を示すグラフである。
【図4】帯電制御剤としてアゾ系クロム錯塩染料を含有
するトナーを二成分系磁性現像剤に使用し、スペントよ
る帯電不良が発生したときのキャリアについて、メタノ
ール抽出を行い、この抽出液の波長200〜700nm
における吸光度を測定したときのグラフである。
【図5】帯電制御剤を含有するトナーと磁性キャリアと
を混合・攪拌し、あるいは帯電制御剤を含有しないトナ
ーと磁性キャリアとを混合・攪拌する操作を続けた場合
に、混合・攪拌時間とスペント率との関係を示すグラフ
である。
【図6】帯電制御剤を含有するトナーと磁性キャリアと
を混合・攪拌し、あるいは帯電制御剤を含有しないトナ
ーと磁性キャリアとを混合・攪拌する操作を続けた場合
に、混合・攪拌時間と帯電量との関係を示すグラフであ
る。
【図7】スペントによるトナー成分が付着したキャリア
の該付着物の量と、スペントを生じたトナー中の帯電制
御剤の量との関係を示すグラフである。
【図8】トナー中の各成分の各々と磁性キャリアとを混
合・攪拌する操作を続けた場合における混合・攪拌時間
とスペント量との関係を示すグラフである。
【図9】従来の二成分系磁性現像剤におけるスペントに
よる帯電不良の発生を説明する説明図である。
【図10】本発明の現像剤のキャリアの粒子の拡大側面
図である。
【図11】本発明の現像剤のキャリアの粒子の拡大断面
図である。
【図12】従来の現像剤のキャリアの粒子の拡大断面図
である。
【符号の説明】
1 キャリアの粒子 2 トナー 22 逆極性トナー 11 キャリアの粒子 12 コア粒子 13 被覆層 14 凹部 15 平坦部 16 凸部 17 樹脂充填層 18a キャリアの粒子表面凸部露出部 18b キャリアの粒子表面平坦部露出部 19a 部分被覆層 19b 連続被覆層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 9/113 G03G 9/10 321 351 352 (72)発明者 田村 英一 大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工 業株式会社内 (72)発明者 河野 信明 大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工 業株式会社内 (72)発明者 藤井 和彦 大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工 業株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トナーとキャリアとを含む二成分系現像
    剤であって、 該トナーが、トナー粒子を含み、 該トナー粒子が、定着用樹脂および該樹脂中に分散され
    た磁性粉末を含有し、 該定着用樹脂が、アニオン性極性基を有するスチレンア
    クリル系樹脂を含む組成物でなり、該スチレンアクリル
    系樹脂が以下の条件を満たし、 (a)該樹脂の分子量のピークが4,000〜30,0
    00に存在し、 (b)該樹脂の重量平均分子量が7万〜20万であり、 (c)該樹脂の酸価が4〜20であり、 該磁性粉末が、該定着用樹脂100重量部に対して0.
    1から5重量部の割合で該トナー粒子中に含有され、 該キャリアの粒子が、コア粒子と該コア粒子を被覆する
    被覆層とを有し、 該コア粒子が、表面に凹部を有し、かつ次式(A)で示
    される磁性材料でなり: MOFe23 (A) ここでMはCu、Zn、Fe、Ba、Ni、Mg、M
    n、AlおよびCoでなる群から選択される少なくとも
    1種の金属である、そして、 該被覆層が、熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂を含む樹
    脂組成物でなり、該コア粒子の少なくとも該凹部を充填
    し、そして該コア粒子の表面の面積の0.1から60%
    を被覆する被覆層である、二成分系現像剤。
  2. 【請求項2】 前記トナーをメタノールで抽出したとき
    の抽出液が280から350nmの領域に実質的に吸収
    ピークを有さず、かつ、400から700nmの領域に
    おける吸光度が実質的にゼロである、請求項1に記載の
    現像剤。
  3. 【請求項3】 前記磁性粉末が、前記定着用樹脂100
    重量部に対して0.5から3重量部の割合で含有され
    る、請求項1に記載の現像剤。
  4. 【請求項4】 前記トナー粒子の体積基準平均粒径が5
    から15μmであり、該トナー粒子表面に体積基準平均
    粒径が0.05から1.0μmのスペーサー粒子が付着
    している、請求項1に記載の現像剤。
  5. 【請求項5】 前記被覆層が、熱硬化性樹脂および熱可
    塑性樹脂を、重量比99.5:0.5から51:49で
    含む組成物でなる、請求項1に記載の現像剤。
  6. 【請求項6】 前記被覆層が、熱硬化性樹脂および熱可
    塑性樹脂を、重量比99:1から90:10で含む組成
    物でなる、請求項1に記載の現像剤。
  7. 【請求項7】 前記熱可塑性樹脂の融点または軟化点
    が、前記熱硬化性樹脂の熱硬化温度よりも低い、請求項
    1に記載の現像剤。
  8. 【請求項8】 前記熱可塑性樹脂の融点または軟化点
    が、150℃よりも低い、請求項1に記載の現像剤。
  9. 【請求項9】 前記コア粒子の粒径が、50から150
    μmである、請求項1に記載の現像剤。
  10. 【請求項10】 前記被覆層の重量が、前記コア粒子1
    00重量部に対して0.001から2.5重量部であ
    る、請求項1に記載の現像剤。
  11. 【請求項11】 前記熱硬化性樹脂が、変性または未変
    性のシリコーン樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、熱硬化性
    スチレン−アクリル樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹
    脂、熱硬化性ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、および
    アミノ樹脂からなる群から選択される少なくとも一種で
    ある、請求項1に記載の現像剤。
  12. 【請求項12】 前記熱可塑性樹脂が、熱可塑性アクリ
    ル樹脂、熱可塑性スチレン−アクリル樹脂、オレフィン
    系共重合体樹脂またはワックス、低融点ポリアミド樹
    脂、および低融点ポリエステル樹脂からなる群から選択
    される少なくとも一種である、請求項1に記載の現像
    剤。
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