JPH07207045A - 強酸性カチオン交換繊維状構造物の製造方法 - Google Patents
強酸性カチオン交換繊維状構造物の製造方法Info
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- JPH07207045A JPH07207045A JP6004944A JP494494A JPH07207045A JP H07207045 A JPH07207045 A JP H07207045A JP 6004944 A JP6004944 A JP 6004944A JP 494494 A JP494494 A JP 494494A JP H07207045 A JPH07207045 A JP H07207045A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】カチオン交換繊維形成能を有する繊維状構造物
を、気体状無水硫酸で処理する際に、多孔を有する部材
を繊維状構造物の両面に密着させて処理することを特徴
とする強酸性カチオン交換繊維状構造物の製造方法。 【効果】均一に処理された強酸性カチオン交換繊維状構
造物を安価で容易に製造することができる。
を、気体状無水硫酸で処理する際に、多孔を有する部材
を繊維状構造物の両面に密着させて処理することを特徴
とする強酸性カチオン交換繊維状構造物の製造方法。 【効果】均一に処理された強酸性カチオン交換繊維状構
造物を安価で容易に製造することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、強酸性カチオン交換繊
維状構造物の製造方法に関する。さらに詳しくは、繊維
状構造物を原料とし、均一に処理された強酸性カチオン
交換繊維状構造物を安価で容易に製造する方法に関する
ものである。
維状構造物の製造方法に関する。さらに詳しくは、繊維
状構造物を原料とし、均一に処理された強酸性カチオン
交換繊維状構造物を安価で容易に製造する方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】イオン交換繊維は、イオン交換樹脂にく
らべて活性表面積が大きいため交換速度、巨大分子に対
する交換容量の点で優れている。そのうえ繊維状のため
破砕が少ないこと、使用形態の自由度が増すことおよび
取扱いが容易であるなどの特徴を有している。
らべて活性表面積が大きいため交換速度、巨大分子に対
する交換容量の点で優れている。そのうえ繊維状のため
破砕が少ないこと、使用形態の自由度が増すことおよび
取扱いが容易であるなどの特徴を有している。
【0003】ポリ(モノビニル芳香族化合物)にスルホ
ン酸基を導入して強酸性カチオン交換繊維を製造する方
法として気体状無水硫酸で処理する方法が提案されてい
る。(特開昭63−108039号公報)
ン酸基を導入して強酸性カチオン交換繊維を製造する方
法として気体状無水硫酸で処理する方法が提案されてい
る。(特開昭63−108039号公報)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
63−108039号公報に記載の方法は、反応管に充
填されたポリ(モノビニル芳香族化合物)を主成分とし
た繊維状構造物に気体状無水硫酸を導入して処理するた
め、その導入部分のみが過剰に反応し、充填物全体が均
一に反応しないという問題点がある。
63−108039号公報に記載の方法は、反応管に充
填されたポリ(モノビニル芳香族化合物)を主成分とし
た繊維状構造物に気体状無水硫酸を導入して処理するた
め、その導入部分のみが過剰に反応し、充填物全体が均
一に反応しないという問題点がある。
【0005】特に、大型の構造物を処理する場合は反応
の不均一性が著しいために、均一な強酸性カチオン交換
繊維状構造物を得ることができないという問題点があ
る。
の不均一性が著しいために、均一な強酸性カチオン交換
繊維状構造物を得ることができないという問題点があ
る。
【0006】そこで、本発明者らは、反応が不均一にな
る原因を検討した結果、気体状無水硫酸で繊維状構造物
を処理する場合の反応はいわゆる瞬間反応であり、繊維
状構造物は熱伝導度が低いため反応熱を蓄積しやすく、
気体状無水硫酸導入口付近の反応速度が暴走的に加速さ
れ、反応が不均一となることがわかった。
る原因を検討した結果、気体状無水硫酸で繊維状構造物
を処理する場合の反応はいわゆる瞬間反応であり、繊維
状構造物は熱伝導度が低いため反応熱を蓄積しやすく、
気体状無水硫酸導入口付近の反応速度が暴走的に加速さ
れ、反応が不均一となることがわかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、カチ
オン交換繊維形成能を有する繊維状構造物を、気体状無
水硫酸で処理する際に、多孔を有する部材を繊維状構造
物の両面に密着させて処理することを特徴とする強酸性
カチオン交換繊維状構造物の製造方法であり、不均一反
応による製品ムラの欠点をみごとに解消した極めて優れ
た強酸性カチオン交換繊維状構造物の製造方法である。
オン交換繊維形成能を有する繊維状構造物を、気体状無
水硫酸で処理する際に、多孔を有する部材を繊維状構造
物の両面に密着させて処理することを特徴とする強酸性
カチオン交換繊維状構造物の製造方法であり、不均一反
応による製品ムラの欠点をみごとに解消した極めて優れ
た強酸性カチオン交換繊維状構造物の製造方法である。
【0008】本発明においてポリ(モノビニル芳香族化
合物)を主成分とする繊維状構造物を処理する場合、ポ
リ(モノビニル芳香族化合物)としては、スチレン、α
−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン、
p−クロルスチレン、ビニルナフタレンなどの重合体も
しくはこれらの2種以上の共重合体およびグラフト重合
体またはこれらのブレンド体が好ましく用いられ、時に
は紡糸性あるいは反応性を向上させるために他のビニル
化合物(例えば、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、
塩化ビニル、アクリロニトリル、アクリル酸エチル、ア
リルアルコール、ビニルアルコール、ビニルアセトフェ
ノンなど)を少量共重合したものを用いることができ
る。この場合、酸やアルカリにより分解して、重合体中
に強酸性基あるいは弱塩基性基を生成するようなもの
(例えば、アクリロニトリル、アクリル酸エチル、ビニ
ルアニソール)などは、これを用いて製造したイオン交
換繊維の取り扱いが複雑になるので特殊な用途に限って
用いられる。
合物)を主成分とする繊維状構造物を処理する場合、ポ
リ(モノビニル芳香族化合物)としては、スチレン、α
−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン、
p−クロルスチレン、ビニルナフタレンなどの重合体も
しくはこれらの2種以上の共重合体およびグラフト重合
体またはこれらのブレンド体が好ましく用いられ、時に
は紡糸性あるいは反応性を向上させるために他のビニル
化合物(例えば、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、
塩化ビニル、アクリロニトリル、アクリル酸エチル、ア
リルアルコール、ビニルアルコール、ビニルアセトフェ
ノンなど)を少量共重合したものを用いることができ
る。この場合、酸やアルカリにより分解して、重合体中
に強酸性基あるいは弱塩基性基を生成するようなもの
(例えば、アクリロニトリル、アクリル酸エチル、ビニ
ルアニソール)などは、これを用いて製造したイオン交
換繊維の取り扱いが複雑になるので特殊な用途に限って
用いられる。
【0009】本発明の繊維状構造物とは、例えば、前記
イオン交換用ポリマー(モノビニル芳香族化合物)と補
強用ポリマーからなる多芯型混合繊維、および該イオン
交換用ポリマーを鞘成分に、補強用ポリマーを芯成分に
した芯鞘型複合繊維、好ましくはイオン交換用ポリマー
を海成分の主成分とし、補強用ポリマーを島成分の主成
分とする多芯海島型複合繊維からなる構造物などが使用
できる。
イオン交換用ポリマー(モノビニル芳香族化合物)と補
強用ポリマーからなる多芯型混合繊維、および該イオン
交換用ポリマーを鞘成分に、補強用ポリマーを芯成分に
した芯鞘型複合繊維、好ましくはイオン交換用ポリマー
を海成分の主成分とし、補強用ポリマーを島成分の主成
分とする多芯海島型複合繊維からなる構造物などが使用
できる。
【0010】該多芯海島型複合繊維における補強用ポリ
マーを主成分とする島成分の割合は、通常10〜90%
程度であるが、割合があまり低いと機械的強度が小さく
なり、あまり高いとイオン交換基量が低下するため、特
に20〜80%が望ましい。
マーを主成分とする島成分の割合は、通常10〜90%
程度であるが、割合があまり低いと機械的強度が小さく
なり、あまり高いとイオン交換基量が低下するため、特
に20〜80%が望ましい。
【0011】島の個数には特に限定しないが、耐久性、
耐剥離性の面から多い方が望ましく、特に5個以上が好
ましい。
耐剥離性の面から多い方が望ましく、特に5個以上が好
ましい。
【0012】補強用ポリマーとしては、ポリエステル、
ポリアミド、ポリ−α−オレフィン等のホモ重合体、ま
たはこれらの共重合体、ブレンド体が用いられる。その
なかでも耐薬品性に優れたポリ−α−オレフィンが最も
好ましく用いられる。
ポリアミド、ポリ−α−オレフィン等のホモ重合体、ま
たはこれらの共重合体、ブレンド体が用いられる。その
なかでも耐薬品性に優れたポリ−α−オレフィンが最も
好ましく用いられる。
【0013】ポリ−α−オレフィンとしてはポリプロピ
レン、ポリエチレン、ポリ−3−メチルブテン−1、ポ
リ−4−メチルペンテン−1などが好ましく用いられ
る。
レン、ポリエチレン、ポリ−3−メチルブテン−1、ポ
リ−4−メチルペンテン−1などが好ましく用いられ
る。
【0014】本発明により製造される強酸性カチオン交
換繊維状構造物は繊維状でスルホン化するために、繊維
表面近傍に高いカチオン交換能を付与することができ
る。従ってイオンの拡散や交換が迅速に行なわれるとい
う画期的な特徴がある。なかでも特に多芯海島型複合繊
維を基材として用いたものは、さらにイオン交換速度が
大きく高分子量の有機イオンの吸着性に優れている。そ
の上、補強用ポリマーを主成分とする島成分が繊維軸方
向に連続的に配列しているため、有効に繊維補強に寄与
し大きな糸強度を有している。
換繊維状構造物は繊維状でスルホン化するために、繊維
表面近傍に高いカチオン交換能を付与することができ
る。従ってイオンの拡散や交換が迅速に行なわれるとい
う画期的な特徴がある。なかでも特に多芯海島型複合繊
維を基材として用いたものは、さらにイオン交換速度が
大きく高分子量の有機イオンの吸着性に優れている。そ
の上、補強用ポリマーを主成分とする島成分が繊維軸方
向に連続的に配列しているため、有効に繊維補強に寄与
し大きな糸強度を有している。
【0015】本発明の繊維の繊度は、通常0.1〜50
0デニール程度であるが、細すぎると糸強度が小さくな
り、取り扱いが難しい欠点を生じ、太すぎるとイオン交
換繊維としての交換速度、吸着性が低下するため特に1
〜50デニールが望ましい。また、その繊維強度は小さ
すぎると糸切れを生じるため0.5g/d以上が好まし
く用いられる。
0デニール程度であるが、細すぎると糸強度が小さくな
り、取り扱いが難しい欠点を生じ、太すぎるとイオン交
換繊維としての交換速度、吸着性が低下するため特に1
〜50デニールが望ましい。また、その繊維強度は小さ
すぎると糸切れを生じるため0.5g/d以上が好まし
く用いられる。
【0016】本発明に用いる繊維状構造物は、公知の任
意の方法で紡糸し必要に応じて延伸することにより繊維
化したものであるが、これを各種形態にした、例えば短
繊維、フェルト、織物、不織布、編物、繊維束、ひも状
物、紙、電気植毛したシート状物など公知の任意の形
態、集合体もしくはそれの裁断物であっても勿論良い。
意の方法で紡糸し必要に応じて延伸することにより繊維
化したものであるが、これを各種形態にした、例えば短
繊維、フェルト、織物、不織布、編物、繊維束、ひも状
物、紙、電気植毛したシート状物など公知の任意の形
態、集合体もしくはそれの裁断物であっても勿論良い。
【0017】本発明に用いられる気体状無水硫酸の濃度
は、スルホン化および架橋が起る濃度であれば良いが、
反応を効果的に行なうためには0.1〜100%程度が
望ましく、さらに好ましくは1.0〜100%である。
は、スルホン化および架橋が起る濃度であれば良いが、
反応を効果的に行なうためには0.1〜100%程度が
望ましく、さらに好ましくは1.0〜100%である。
【0018】本発明における繊維状構造物の気体状無水
硫酸による処理は、多孔を有する部材を繊維状構造物の
両面に密着させて処理することが必要である。
硫酸による処理は、多孔を有する部材を繊維状構造物の
両面に密着させて処理することが必要である。
【0019】これは、繊維状構造物の見掛けの熱伝導度
を高くし、反応熱の拡散および除去を目的としており、
繊維状構造物の両面に多孔を有する部材を密着させて処
理することで反応による繊維状構造物の温度上昇をおさ
え、均一に処理された強酸性カチオン交換繊維状構造物
を得るために必要である。
を高くし、反応熱の拡散および除去を目的としており、
繊維状構造物の両面に多孔を有する部材を密着させて処
理することで反応による繊維状構造物の温度上昇をおさ
え、均一に処理された強酸性カチオン交換繊維状構造物
を得るために必要である。
【0020】本発明で用いられる多孔を有する部材とし
ては、繊維状構造物よりも熱伝導が良好でかつ気体状無
水硫酸に耐性のある部材が用いられ、具体的にはガラ
ス、ステンレス、その他の耐酸性金属などでできた多孔
板、網状物などを挙げることができ、なかでもステンレ
ス製のものが好ましく用いられる。
ては、繊維状構造物よりも熱伝導が良好でかつ気体状無
水硫酸に耐性のある部材が用いられ、具体的にはガラ
ス、ステンレス、その他の耐酸性金属などでできた多孔
板、網状物などを挙げることができ、なかでもステンレ
ス製のものが好ましく用いられる。
【0021】本発明で用いられる多孔を有する部材のう
ち多孔板の場合の孔は、繊維状構造物の気体状無水硫酸
による処理がさまたげられることなく、熱伝導を良好と
できる範囲であれば特に制限はないが、孔径0.5〜6
mm、開孔率10〜40%が好ましく、さらに好ましく
は、孔径1〜3mm、開孔率20〜35%である(ここで
開孔率(%)=(孔の面積)/(板の面積)×100で
ある)。
ち多孔板の場合の孔は、繊維状構造物の気体状無水硫酸
による処理がさまたげられることなく、熱伝導を良好と
できる範囲であれば特に制限はないが、孔径0.5〜6
mm、開孔率10〜40%が好ましく、さらに好ましく
は、孔径1〜3mm、開孔率20〜35%である(ここで
開孔率(%)=(孔の面積)/(板の面積)×100で
ある)。
【0022】また、本発明で用いられる多孔を有する部
材のうち、網状物を用いる場合は、5〜32メッシュの
ものが好ましく、さらに8〜16メッシュのものが好ま
しく用いられる。
材のうち、網状物を用いる場合は、5〜32メッシュの
ものが好ましく、さらに8〜16メッシュのものが好ま
しく用いられる。
【0023】本発明における多孔を有する部材を繊維状
構造物に密着させる方法は、特に制限はないが、板状の
繊維状構造物を多孔を有する部材で挟持しクリップ等で
周囲を留める方法、円筒状の多孔を有する部材に繊維状
構造物を巻き付け、もう1つの円筒状の多孔を有する部
材をかぶせ固定する方法などが挙げられる。
構造物に密着させる方法は、特に制限はないが、板状の
繊維状構造物を多孔を有する部材で挟持しクリップ等で
周囲を留める方法、円筒状の多孔を有する部材に繊維状
構造物を巻き付け、もう1つの円筒状の多孔を有する部
材をかぶせ固定する方法などが挙げられる。
【0024】本発明における気体状無水硫酸で処理する
場合の反応温度は、常温でも十分反応させることが可能
であるが、経済性および要求される架橋度やスルホン酸
基の導入量を考慮しながら素材ポリマーの融点以下で行
なうのが良い。
場合の反応温度は、常温でも十分反応させることが可能
であるが、経済性および要求される架橋度やスルホン酸
基の導入量を考慮しながら素材ポリマーの融点以下で行
なうのが良い。
【0025】本発明の製造方法においてスルホン酸基の
導入量(イオン交換基量)は、無水硫酸ガスの濃度、導
入量あるいは繊維状構造物を挟持する多孔を有する部材
の熱容量の条件により任意にかえることができるが、実
用性の面から繊維状構造物の乾燥重量に対して少なくと
も0.1meq /g以上、好ましくは0.5meq /g以
上、さらに好ましくは1.0〜10meq /gの範囲であ
る。また、架橋度の目安となる含水度は通常0.1〜1
0であるが、好ましくは1〜5の範囲である。ここで含
水度とは、Na型のカチオン交換樹脂を蒸留水に浸漬し
た後、家庭用遠心脱水機で5分間遠心脱水して表面の水
分を除去し、ただちに重量(W)を測定し、さらに乾燥
して重量(W0)を測り、次式より求めた値である。
導入量(イオン交換基量)は、無水硫酸ガスの濃度、導
入量あるいは繊維状構造物を挟持する多孔を有する部材
の熱容量の条件により任意にかえることができるが、実
用性の面から繊維状構造物の乾燥重量に対して少なくと
も0.1meq /g以上、好ましくは0.5meq /g以
上、さらに好ましくは1.0〜10meq /gの範囲であ
る。また、架橋度の目安となる含水度は通常0.1〜1
0であるが、好ましくは1〜5の範囲である。ここで含
水度とは、Na型のカチオン交換樹脂を蒸留水に浸漬し
た後、家庭用遠心脱水機で5分間遠心脱水して表面の水
分を除去し、ただちに重量(W)を測定し、さらに乾燥
して重量(W0)を測り、次式より求めた値である。
【0026】含水度=(W−W0)/W0 以下図面によって本発明を説明する。図1は本発明の一
実施例を示す強酸性カチオン交換繊維状構造物の製造装
置である。図1において全てのバルブは全閉の状態で系
内も乾燥状態とする。サブタンク1に液体状無水硫酸が
貯留されている。気体状無水硫酸タンク2を真空状態に
した後、サブタンク1をドライヤー3で加熱しサブタン
ク1と気体状無水硫酸タンク2の間のバルブ4および5
を開ける。反応器6に図2、図3に示すようににステン
レス製多孔板8で挟持したフェルト7を置きガラス戸1
6を閉める。バルブ9を開けトラップ10を経由して真
空ポンプ11で反応器6を真空にする。反応器6が真空
になった後バルブ9を閉めバルブ12および13を開け
気体状無水硫酸を反応器6に60秒間導入する。次にバ
ルブ12および13を閉めバルブ15を開けて窒素ガス
を導入し反応器6が常圧になった後バルブ14を開け過
剰の無水硫酸ガスをベント系へ排出する。ガラス戸16
を開けフェルト7を取りだしステンレス製多孔板8を取
外してフェルトを水洗する。なお、ここで、PGは圧力
計を、TIは温度計をあらわす。
実施例を示す強酸性カチオン交換繊維状構造物の製造装
置である。図1において全てのバルブは全閉の状態で系
内も乾燥状態とする。サブタンク1に液体状無水硫酸が
貯留されている。気体状無水硫酸タンク2を真空状態に
した後、サブタンク1をドライヤー3で加熱しサブタン
ク1と気体状無水硫酸タンク2の間のバルブ4および5
を開ける。反応器6に図2、図3に示すようににステン
レス製多孔板8で挟持したフェルト7を置きガラス戸1
6を閉める。バルブ9を開けトラップ10を経由して真
空ポンプ11で反応器6を真空にする。反応器6が真空
になった後バルブ9を閉めバルブ12および13を開け
気体状無水硫酸を反応器6に60秒間導入する。次にバ
ルブ12および13を閉めバルブ15を開けて窒素ガス
を導入し反応器6が常圧になった後バルブ14を開け過
剰の無水硫酸ガスをベント系へ排出する。ガラス戸16
を開けフェルト7を取りだしステンレス製多孔板8を取
外してフェルトを水洗する。なお、ここで、PGは圧力
計を、TIは温度計をあらわす。
【0027】本発明の製造方法において、繊維状構造物
の反応による温度上昇は、均一に処理された強酸性カチ
オン交換繊維状構造物を得るために5〜30℃にするの
が好ましく、さらに15〜20℃にするのが好ましい。
参考のため、気体状無水硫酸で繊維状構造物を処理した
場合の繊維状構造物の温度上昇と製品の均一性の関係を
図4に示す。
の反応による温度上昇は、均一に処理された強酸性カチ
オン交換繊維状構造物を得るために5〜30℃にするの
が好ましく、さらに15〜20℃にするのが好ましい。
参考のため、気体状無水硫酸で繊維状構造物を処理した
場合の繊維状構造物の温度上昇と製品の均一性の関係を
図4に示す。
【0028】本発明の方法で得られた強酸性カチオン交
換繊維状構造物は、用水の脱塩、軟化は勿論種々金属イ
オンの分離・回収や塩基性ガスの吸着・除去等イオン性
極性物質の吸脱着さらに酸触媒などとして広く使用でき
る。
換繊維状構造物は、用水の脱塩、軟化は勿論種々金属イ
オンの分離・回収や塩基性ガスの吸着・除去等イオン性
極性物質の吸脱着さらに酸触媒などとして広く使用でき
る。
【0029】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明する
が、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
が、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0030】実施例1 ポリスチレンを海成分、ポリエチレンを島成分として海
島比が50:50になるように260℃で溶融複合紡糸
した海島型(島数16)の複合繊維(未延伸の単糸繊度
9デニール)を得た。該複合繊維を2段延伸法により約
5倍に延伸した(1段目温度:熱ピン125℃/熱板1
30℃、2段目:熱板温度142℃)。得られた延伸糸
を30万デニールに合糸集束し、次いでこれを50mmに
切断して短繊維を得た。該短繊維をカーデイングマシー
ンにかけた後クロスラッパーにてウェッブとしニードル
パンチング(針数400本/m2 )してフェルトを作っ
た(目付量240g/m2 )。
島比が50:50になるように260℃で溶融複合紡糸
した海島型(島数16)の複合繊維(未延伸の単糸繊度
9デニール)を得た。該複合繊維を2段延伸法により約
5倍に延伸した(1段目温度:熱ピン125℃/熱板1
30℃、2段目:熱板温度142℃)。得られた延伸糸
を30万デニールに合糸集束し、次いでこれを50mmに
切断して短繊維を得た。該短繊維をカーデイングマシー
ンにかけた後クロスラッパーにてウェッブとしニードル
パンチング(針数400本/m2 )してフェルトを作っ
た(目付量240g/m2 )。
【0031】該フェルトを260mm×190mmに切断し
その両面を280mm×210mm×2mmt のステンレス製
多孔板(孔径2.5mm、開孔率35%)で挟持し該フ
ェルトと該ステンレス製多孔板を密着させるため周囲を
ダブルクリップで挟んで固定した。これを1セットと
し、合計10セットを真空反応器内に10mm間隔で置き
常温真空化で気体状無水硫酸を60秒間導入した。数分
後に反応器内の余剰の気体状無水硫酸をN2 ガスで置換
した後、常圧に戻して試料を取り出し該ステンレス製多
孔板を外して該フェルトを回収し水洗した。
その両面を280mm×210mm×2mmt のステンレス製
多孔板(孔径2.5mm、開孔率35%)で挟持し該フ
ェルトと該ステンレス製多孔板を密着させるため周囲を
ダブルクリップで挟んで固定した。これを1セットと
し、合計10セットを真空反応器内に10mm間隔で置き
常温真空化で気体状無水硫酸を60秒間導入した。数分
後に反応器内の余剰の気体状無水硫酸をN2 ガスで置換
した後、常圧に戻して試料を取り出し該ステンレス製多
孔板を外して該フェルトを回収し水洗した。
【0032】その結果、イオン交換基量が1.6meq /
gの均一に反応した260mm×190mmの大きさのフェ
ルト状強酸性カチオン交換繊維を10枚得た。さらに繰
り返しテストを行なったが良好な再現性が確認できた。
以上述べたように、本発明は強酸性カチオン交換繊維な
かでもフェルト状強酸性カチオン交換繊維の工業的製造
法として優れている。
gの均一に反応した260mm×190mmの大きさのフェ
ルト状強酸性カチオン交換繊維を10枚得た。さらに繰
り返しテストを行なったが良好な再現性が確認できた。
以上述べたように、本発明は強酸性カチオン交換繊維な
かでもフェルト状強酸性カチオン交換繊維の工業的製造
法として優れている。
【0033】実施例2 幅380mm、長さ632mm、厚さ2mmのステンレス製多
孔板(孔径2.5mm、開孔率35%)を直径200mmの
円筒に巻いた。実施例1で用いたフェルトを360mm×
628mmに切断し該円筒ステンレス製多孔板に密着して
巻き付けた。さらに該フェルトの表面を半円筒状のステ
ンレス製多孔板2枚で完全に覆い該フェルトと円筒状ス
テンレス製多孔板を密着させるため周囲をダブルクリッ
プで挟んで固定した。
孔板(孔径2.5mm、開孔率35%)を直径200mmの
円筒に巻いた。実施例1で用いたフェルトを360mm×
628mmに切断し該円筒ステンレス製多孔板に密着して
巻き付けた。さらに該フェルトの表面を半円筒状のステ
ンレス製多孔板2枚で完全に覆い該フェルトと円筒状ス
テンレス製多孔板を密着させるため周囲をダブルクリッ
プで挟んで固定した。
【0034】これを実施例1の真空反応器内に置き同様
の操作を行なった。その結果、イオン交換基量が1.0
meq /gの均一に反応した360mm×628mmの大きさ
のフェルト状強酸性カチオン交換繊維を得た。さらに繰
り返しテストを行なったが良好な再現性が確認できた。
の操作を行なった。その結果、イオン交換基量が1.0
meq /gの均一に反応した360mm×628mmの大きさ
のフェルト状強酸性カチオン交換繊維を得た。さらに繰
り返しテストを行なったが良好な再現性が確認できた。
【0035】比較例1 実施例1で使用したフェルトを多孔を有する部材で挟持
することなく、その他については実施例1と同じ方法で
処理を行なったところ、不均一なものしか得られなかっ
た。
することなく、その他については実施例1と同じ方法で
処理を行なったところ、不均一なものしか得られなかっ
た。
【0036】
【発明の効果】本発明の強酸性カチオン交換繊維状構造
物の製造法によれば、瞬間的に進行する気体状無水硫酸
によるスルホン化の反応熱を多孔板で拡散、除去し局部
的畜熱による過剰反応を防止することができ、該製造法
により繊維状構造物を均一に反応することができるため
極めて品位が良好な空気および液体フィルターなどの好
適な素材を得ることができる。
物の製造法によれば、瞬間的に進行する気体状無水硫酸
によるスルホン化の反応熱を多孔板で拡散、除去し局部
的畜熱による過剰反応を防止することができ、該製造法
により繊維状構造物を均一に反応することができるため
極めて品位が良好な空気および液体フィルターなどの好
適な素材を得ることができる。
【図1】本発明の製造装置の一例を示す図である。
【図2】本発明の製造装置の反応器の一例の正面図を示
す図である。
す図である。
【図3】本発明の多孔板と繊維状成形物の密着方法の一
例を示す図である。
例を示す図である。
【図4】本発明における繊維状成形物の温度上昇と製品
の均一性を示すグラフである。
の均一性を示すグラフである。
1 サブタンク 2 気体状無水硫酸タンク 3 ヘアードライヤー 4 バルブ 5 バルブ 6 反応器 7 フェルト 8 多孔板 9 バルブ 10 トラップ 11 真空ポンプ 12 バルブ 13 バルブ 14 バルブ 15 バルブ 16 ガラス扉 17 バルブ 18 バルブ
Claims (5)
- 【請求項1】カチオン交換繊維形成能を有する繊維状構
造物を、気体状無水硫酸で処理する際に、多孔を有する
部材を繊維状構造物の両面に密着させて処理することを
特徴とする強酸性カチオン交換繊維状構造物の製造方
法。 - 【請求項2】前記、繊維状構造物がポリ(モノビニル芳
香族化合物)を主成分とするポリマーから成ることを特
徴とする、請求項1記載の強酸性カチオン交換繊維状構
造物の製造方法。 - 【請求項3】前記、多孔を有する部材がステンレス製多
孔板またはステンレス製網状物であることを特徴とす
る、請求項1または請求項2記載の強酸性カチオン交換
繊維状構造物の製造方法。 - 【請求項4】請求項3記載のステンレス製多孔板が、孔
径0.5〜6mm、開孔率10〜40%の多孔板であるこ
とを特徴とする強酸性カチオン交換繊維状構造物の製造
方法。 - 【請求項5】請求項3記載のステンレス製網状物が5〜
32メッシュの網状物であることを特徴とする強酸性カ
チオン交換繊維状構造物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6004944A JPH07207045A (ja) | 1994-01-21 | 1994-01-21 | 強酸性カチオン交換繊維状構造物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6004944A JPH07207045A (ja) | 1994-01-21 | 1994-01-21 | 強酸性カチオン交換繊維状構造物の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07207045A true JPH07207045A (ja) | 1995-08-08 |
Family
ID=11597688
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6004944A Pending JPH07207045A (ja) | 1994-01-21 | 1994-01-21 | 強酸性カチオン交換繊維状構造物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07207045A (ja) |
-
1994
- 1994-01-21 JP JP6004944A patent/JPH07207045A/ja active Pending
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