JP3741871B2 - 放射線グラフト重合方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、繊維の集合体である織布・不織布のような空隙性のシート状材料や、ネット又はフィルムのような空隙が小さいか若しくは全くない材料に対する放射線グラフト重合方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
放射線グラフト重合法は、既存の高分子成形体に新たな機能性官能基を導入することができる手段として、最近ますます注目されている。
【0003】
放射線グラフト重合法とは、高分子基材に放射線を照射してラジカルを形成させ、これにグラフトモノマーを反応させることによってモノマーを基材中に導入するという技法であり、基材である被照射物を重合性単量体(モノマー)の共存下で放射線を照射することによってラジカル形成とモノマーとの反応とを行なわせる同時照射グラフト重合法と、予め基材に放射線照射を行なってラジカルを形成させ、この照射済み基材をモノマーと反応させる前照射グラフト重合法とに分類される。
【0004】
いずれの方法も実用化されているが、前照射グラフト重合法は、単独重合物(ホモポリマー)の生成量が少なく、純水製造などの水処理や、空気浄化及びクリーンエアの製造などのようなガス処理用の材料を製造するための方法として適している。
【0005】
前照射グラフト重合法の中でも、照射済み基材に接触させるモノマーが液体か気体かにより、それぞれ液相グラフト重合法と気相グラフト重合法とに分けられる。気相グラフト重合法は、モノマーの使用量が少なく、経済的であるが、蒸気圧の高いモノマーにしか適用することができず、また、製品にグラフトむらを生じ易いという問題点を有している。これに対して液相グラフト重合法は、広範なモノマーに適用することができるので、汎用性がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、液相グラフト重合法にも、次のような問題点がある。まず、織布や不織布のような空隙の非常に多い基材に前照射液相グラフト重合を行なう場合には、照射時やグラフト反応時に基材中の空隙に入り込んだ酸素を十分に除去しておかなければ、高いグラフト率で均一にグラフト重合することが難しく、更にグラフト重合後の製品の物理的安定性にも問題がある。更に、グラフト重合後に、空隙に入り込んだ不要なモノマーを洗浄除去するのに多量の洗浄液を必要とし、その廃液処理に多大なコストがかかる。
【0007】
このような問題点を解決するための手段として、本発明者らは、特許1933644号において、新しいグラフト重合法を提案した。これは、予め放射線照射した基材に所定量のモノマー液を含浸させ、減圧によって基材中の酸素を除去した後に、気相減圧下でグラフト重合反応させるという方法である。この方法は、基材に付着したモノマー液が気相グラフト反応の際のモノマー蒸発源となることや、グラフト後の製品が乾燥状態で仕上がること、更にグラフト率のコントロールが容易であることなどといった利点を備え、液相グラフト重合法と気相グラフト重合法の両方の利点を兼ね備えた画期的な方法であった。
【0008】
しかしながら、この方法によっても十分なグラフト重合を行なうことができない場合があることが分かった。まず、グラフトすべきモノマーが固体で、溶媒への溶解度が小さい場合には、モノマー溶液を十分にグラフト用基材に含浸させても、基材のモノマー溶液保持量に限界があるため、十分なモノマー量を基材中に保持することができない。このような例としては、例えばグラフトモノマーがスチレンスルホン酸ナトリウムの場合などが挙げられる。このモノマーは、水中に25%程度しか溶解しないため、例えば、モノマー水溶液を不織布に200%含浸させても、基材に保持されるモノマー量は50%にしかならず、従って、50%以上のグラフト率を達成することができない。また、グラフト重合すべき基材がフィルムやネット状の形状を有する材料である場合のように、基材の空隙率が低い場合には、モノマーが液体状で他の溶媒で希釈する必要がない場合であっても、基材自体が十分量のモノマー液を保持することができず、高いグラフト率を達成することができない。例えば、フィルムやネット状の基材の場合には、モノマー液の保持量は、通常5%以下である。
【0009】
したがって、このような基材とモノマーとを組み合わせて用いる場合には、モノマー液中に基材を浸漬させた状態でグラフト重合反応を進行させる液相グラフト重合法を行なうしかなく、膨大な量の薬剤を消費し、更に多くの廃液を発生させることが避けられなかった。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の問題点を解消する新たな放射線グラフト重合法を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、グラフト重合すべき基材と、グラフト重合する必要のない材料(本明細書においては、基材支持材料と称する)とを接触させた状態で、モノマー液を含浸させることにより、少なくとも基材支持材料にモノマー液を保持させてグラフト重合反応を行なわせることを特徴とするものである。
【0011】
本発明の一態様においては、グラフト重合すべき基材に放射線照射を行なってラジカルを形成させた後、照射済みのグラフト重合すべき基材に、放射線照射を行なっていない基材支持材料を接触させた状態で重ね合わせ、両者にモノマー液を含浸させる。次に、重ね合わされた状態の基材及び基材支持材料の両方を絞りにかけて不要なモノマー液を除去した後、グラフト重合反応を開始させると、まずグラフト重合すべき基材中に保持されていたモノマーがグラフト重合する。グラフト重合が進行するにつれて、グラフト重合すべき基材中に保持されているモノマーの濃度が低下し、このため、基材支持材料中に保持されていたモノマー液からのモノマーの拡散移動が起こり、グラフト重合すべき基材中へモノマーが補給される。この際、モノマーの移動は、液体のままであっても或いは蒸気としてであってもよい。
【0012】
このようにして、グラフト重合すべき基材が、フィルムやネットの場合のように、保液性が低い、即ち十分な量のモノマーを保持できない場合であっても、基材支持材料中からモノマー液が順次補給されるので、高いグラフト率を達成することができ、しかも一般的な液相グラフト重合法に比べて遥に少ないモノマー量で済む。かかる目的のために用いることのできる基材支持材料としては、適当な目付、厚さ、空隙率等を有する織布・不織布などを用いれば、十分量のモノマー液が織布・不織布の空隙内に保持されるので、グラフト重合すべき基材に十分量のモノマーを供給することができる。また、織布・不織布の他にも、スポンジ状の材料やそれらの加工品などを、基材支持材料として用いることができる。モノマー液の保持という機能を果たすためには、基材支持材料は、高い保液性を有することが好ましい。
【0013】
また、グラフト重合すべき基材のモノマー液保持量が十分に高い場合であっても、例えばモノマーの溶解度が低くて、低濃度のモノマー溶液しか調製することができないような場合に、上記のような基材支持材料を用いてグラフト重合を行なえば、必要量のモノマー液を基材中に補給することができるので、高いグラフト率を達成することができる。
【0014】
グラフト重合に必要なモノマーの量を制御して所望のグラフト率を達成するためには、モノマー液の濃度を変化させたり、基材支持材料の目付を変えたり、モノマー液含浸後の絞りの程度を調整するなどの方法を採用することができる。グラフト率は、基材中に保持させたモノマーの量から算出される値を超えることはないので、グラフト重合反応の反応圧力、反応温度、反応時間等を厳密に設定する必要はなく、グラフト重合反応を完了させさえすればよい。したがって、グラフト率をコントロールすることは容易である。しかしながら、過剰量のモノマーを基材中に保持させた場合には、グラフト反応温度・時間等を制御しなければ、所定のグラフト率を得ることができず、また、未反応薬品の洗浄処理も十分に行なわなければならない。したがって、含浸によって基材中に所定量のモノマーを保持させ、その後、保持させたモノマーをほぼ全量反応させることが、グラフト率のコントロールや洗浄などの後処理の点からも好ましい。
【0015】
また、本発明の他の態様においては、グラフト重合すべき基材と基材支持材料の両方に放射線を照射し、その後、グラフト重合すべき基材と基材支持材料とを接触させて重ね合わせた状態で、これにモノマー液を含浸させた後、グラフト重合反応を行なわせることにより、グラフト重合すべき基材と基材支持材料の両方にグラフト重合することもできる。一般に材料をグラフト重合すると、材料の寸法変化が起こるが、上記のように、グラフト重合すべき基材と基材支持材料の両方をグラフト重合することにより、基材支持材料も、グラフト重合すべき基材と同様の寸法変化を起こすので、しわの発生が抑えられるという利点がある。また、基材支持材料の内部にモノマーが浸透してグラフト重合する結果、未反応モノマーやホモポリマー等の不要な化合物が重合によって基材支持材料中に固定されるため、グラフト重合後に基材を洗浄する際に少量の洗浄剤で済むという利点もある。
【0016】
本発明を用いて放射線グラフト重合処理することのできる基材としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンや、ポリ塩化ビニルなどのハロゲン化ポリオレフィンなどを材質とする、フィルム状又はネット状のシート材料の他に、織布、不織布などが挙げられる。
【0017】
また、基材支持材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの織布・不織布材料の他に、スポンジシート、ポーラスフィルムなどを用いることができる。
【0018】
本発明方法は、特に、織布・不織布、フィルム又はネットなどの長尺材料に放射線グラフト重合を施す場合に有効である。この場合、基材支持材料として、同様に長尺の材料を用いることにより、グラフト重合すべき基材及び基材支持材料の両方を重ね合わせてモノマーを含浸させ、そのまま一緒にロール状に巻き取ってグラフト重合反応にかけることができるので、効率的に放射線グラフト重合を行なうことができる。
【0019】
本発明に係る放射線グラフト重合法によって基材中に導入することのできる重合性単量体としては、それ自体が種々の機能性官能基を有する重合性単量体や、或いはそれをグラフトした後に更に2次反応を行うことによって機能性官能基を導入することのできる重合性単量体を用いることができる。
【0020】
例えば、本発明によってイオン交換フィルター素材を製造する場合、イオン交換基を有するモノマーとして、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルホン酸ナトリウム、メタリルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ジメチルアクリルアミドなどを用いて放射線グラフト重合を行うことにより、基材に直接機能性官能基を導入してイオン交換フィルター素材を得ることができる。
【0021】
また、放射線グラフト重合の後に更に2次反応を行ってイオン交換基を導入することのできるモノマーとしては、アクリロニトリル、アクロレイン、ビニルピリジン、スチレン、クロロメチルスチレン、メタクリル酸グリシジルなどが挙げられる。例えば、メタクリル酸グリシジルを放射線グラフト重合によって不織布基材に導入し、次に亜硫酸ナトリウムなどのスルホン化剤を反応させることによってスルホン基を導入したり、又はジエタノールアミンなどを用いてアミノ化することなどによって、イオン交換繊維材料を得ることができる。
【0022】
また、本発明方法を用いて、キレート基を有する重金属吸着剤、触媒、アフィニティクロマトグラフィー用担体などを製造することもできる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明方法は、特に、長尺の布状、ネット状又はフィルム状基材に放射線グラフト重合処理を行なう場合に有利に用いることができる。本発明方法のかかる態様を、図1を参照してより具体的に説明する。
【0024】
図1は、長尺のネット状基材にグラフトモノマーを含浸させるための装置の概念図である。
【0025】
放射線を照射されたグラフト重合すべき長尺のネット状基材1と、基材支持材料である空隙性材料、例えばポリプロピレン繊維よりなる不織布長尺材料2とを、別々の送り出しロールに装着する。それぞれのロールから、モノマー液含浸槽3に向かって、それぞれの長尺材料を一定速度で送り出す。その間、ロール4によって、ネット1と基材支持材料2とは、互いに接触した状態で2枚重ねとなり、含浸槽3中に含まれているモノマー液5の中に浸漬せしめられる。ここから引き上げられたネット1及び基材支持材料2は、絞りロール6によって、過剰量のモノマー液を除去した後、巻き取りロール7によって一緒に巻き取られる。したがって、ネット1は、モノマー液を多量に含浸した基材支持材料2によって両側から挟まれた状態になっており、このままグラフト重合反応条件にかけることにより、両側の基材支持材料からモノマーの補給を受けながらグラフト重合反応が進行するので、十分に高いグラフト率を得ることができる。
【0026】
【実施例】
以下の実施例によって、本発明の幾つかの態様を具体的に説明する。これらの実施例は、特許請求の範囲に示された本発明の範囲を制限するものではない。
【0027】
実施例1
図2に示すようなポリエチレンフィラメントを接合した20cm×20cm(重量3.2g)のネット状材料(フィラメント径0.2mm、フィラメント間隔3mm)に、窒素雰囲気下でガンマ線を150kGy照射した。次に、目付60g/m2、厚さ0.3mmの不織布(20cm×20cm)2枚で、ネット材料を両側から挟み込み、メタクリル酸グリシジルモノマー溶液中に浸漬した。浸漬後の重量増加から、モノマー溶液12gがネット及び不織布に付着したことが確認された。これを、約5Lのガラスアンプルに入れ、酸素を除去した後、50℃で3時間、恒温槽中に保持することによって、グラフト重合反応を行なわせた。
【0028】
グラフト重合反応後のネット及び不織布をガラスアンプルから取り出し、不織布を取り除いて、ネットを70℃のジメチルホルムアミド溶液中に1時間浸漬して洗浄した。更に、メタノールで洗浄した後、乾燥して重量を測定したところ、4.3gになっており、グラフト率34%が得られたことが分かった。
【0029】
比較例1
実施例1と同様のネットを用い、不織布で両側から挟み込むことを行なわなかった他は、実施例1と同様の条件で、モノマー液の含浸及びグラフト重合を試みた。モノマー液に含浸後にネットに付着したモノマー量は0.1gであり、低グラフト率が予測されたところ、実際にグラフト重合条件にかけた後のグラフト率は、0%であった。
【0030】
ネットのみを用いて実施例1と同等のグラフト率を得るためには、メタクリル酸グリシジル溶液中に浸漬したままの状態でグラフト重合反応を行なわせる、いわゆる液相グラフト重合法で、45℃、5時間、重合を行なわなければならなかった。この際に使用したモノマーの量は、2.3Lで、実施例1の200倍であり、また、重合終了後のジメチルホルムアミド溶液及びメタノールによる洗浄にも、実施例1の5倍の量を要した。
【0031】
実施例2
目付55g/m2、厚さ0.4mmのポリエチレン繊維からなる不織布(10cm×10cm、重量0.56g)に、窒素雰囲気で電子線13kGyを照射した。この照射済み不織布を、別の電子線照射していない目付50g/m2、厚さ0.25mmのポリエチレン不織布(10cm×10cm、重量0.56g)で両側から挟み込み、スチレンスルホン酸ナトリウム25%、アクリル酸25%の混合モノマー溶液を含浸させた。モノマー溶液含浸後の不織布の重量は、合計で3.56gであった。この不織布を、そのまま750mlのガラスアンプル中に入れ、窒素雰囲気にした後、50℃で3時間反応させた。重ね合わせた不織布をガラスアンプルから取り出し、両側の不織布を取り除いて、中央の不織布を、60℃の5%水酸化ナトリウム水溶液中に1時間浸漬して、単独重合物(ホモポリマー)の除去を行なった。更に、純水で洗浄した後、乾燥重量を測定したところ、1.48gであり、グラフト率164%が得られたことが分かった。
【0032】
このグラフト処理不織布のイオン交換容量は、中性塩分解容量が1.89meq/gと高い値を示した。
【0033】
比較例2
電子線を照射した不織布を電子線未照射の不織布で両側から挟み込むことを行なわなかった他は、実施例2と同様の条件で、モノマー溶液含浸及びグラフト重合を行なった。モノマー溶液含浸後の不織布の重量は1.82gであった。この不織布のグラフト重合反応後の重量は1.09gであり、グラフト率95%が得られたことが分かった。また、このグラフト処理不織布のイオン交換容量は0.92meq/gであり、実施例2に比べると約1/2と小さかった。
【0034】
実施例3
実施例1と同様のネット状構造を有する幅50cm、長さ10mの長尺ポリエチレンネット材料(重量402g)と、これと同等の幅及び長さを有するポリエチレン繊維よりなる長尺不織布シート(目付50g/m2、厚さ0.3mm)とを重ねてロール状に巻き込んだ。このロールに、窒素雰囲気でガンマ線を150kGy照射した後、メタクリル酸グリシジル溶液中に浸漬した。ロールを溶液から引き上げ、過剰のメタクリル酸グリシジルをふき取り、20Lのステンレス製反応容器中に入れ、窒素雰囲気、45℃で3時間、グラフト重合反応を行なった。ロールを、ジメチルホルムアミド及びメタノールで洗浄し、乾燥させた後、長尺ポリエチレンネット材料のみをロールから引き出して重量を測定したところ、587gであり、グラフト率が46%であることが分かった。
【0035】
比較例3
実施例3と同様の条件下で、長尺ポリエチレンネット材料のみを用いてモノマー溶液含浸及びグラフト重合を試みたが、モノマー溶液の付着率が0.6%と低く、グラフト率も0.3%と小さかった。
【0036】
同様のロールをメタクリル酸グリシジル溶液中に浸漬したままで、液相グラフト重合を行なったところ、45℃、5時間の反応でグラフト率53%と、ほぼ同等のグラフト率が得られたが、使用したモノマー量が19Lと多量に必要であり、また、洗浄液としてジメチルホルムアミド及びメタノールがそれぞれ19Lと多量に必要であった。
【0037】
【発明の効果】
本発明方法によれば、従来、液相グラフト重合法でしか十分な放射線グラフト重合が行なえなかった、ネットやフィルムなどの保液性の小さな基材に、含浸重合法を適用して高いグラフト率を達成することができ、モノマー及び洗浄剤の大幅な節減が可能になる。
【0038】
また、溶媒中への溶解度などの理由により濃度を高くすることができないモノマーについても、含浸重合法を適用して十分に高いグラフト率を得ることができる。したがって、本発明方法は、省資源、省エネルギーの社会的要求に資すること極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法に従って、長尺ネット状基材を、同様に長尺の基材支持材料と重ね合わせて、モノマー溶液を含浸させ、一緒にロール状に巻き取るために用いられる装置の概念図である。
【図2】本発明方法によってグラフト重合処理を行なうことができるネット状基材の構造を示す図である。

Claims (6)

  1. グラフト重合すべき基材に放射線を照射した後、これと基材支持材料とを接触させて重ね合わせた状態でモノマー液中に浸漬してグラフト重合すべき基材と基材支持材料の両方にモノマー液を保持させた後、気相下でグラフト重合反応にかけることを特徴とする放射線グラフト重合方法。
  2. ロール状に巻き取られたグラフト重合すべき長尺基材に放射線を照射した後、これをロールから送り出して基材支持長尺材料と接触させて重ね合わせた状態でモノマー液中に浸漬してグラフト重合すべき基材と基材支持長尺材料の両方にモノマー液を保持させた後、ロール状に一緒に巻き取って気相下でグラフト重合反応にかけることを特徴とする請求項1に記載の放射線グラフト重合方法。
  3. グラフト重合すべき基材と基材支持材料とを重ねた状態で、これに放射線を照射し、モノマー液中に浸漬してグラフト重合すべき基材と基材支持材料の両方にモノマー液を保持させた後、気相下でグラフト重合反応にかけることを特徴とする放射線グラフト重合方法。
  4. グラフト重合すべき長尺基材と基材支持長尺材料とを重ねてロール状に巻き込み、このロールに放射線を照射し、ロールをモノマー液中に浸漬してグラフト重合すべき長尺基材と基材支持長尺材料の両方にモノマー液を保持させた後、気相下でグラフト重合反応にかけることを特徴とする請求項3に記載の放射線グラフト重合方法。
  5. グラフト重合すべき基材の保液性が小さく、基材支持材料の保液性が大きい請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 基材支持材料が、織布、不織布、それらの加工品、スポンジ状材料、その加工品から選択されるものである請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
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