JPH07206991A - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物

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JPH07206991A
JPH07206991A JP2209694A JP2209694A JPH07206991A JP H07206991 A JPH07206991 A JP H07206991A JP 2209694 A JP2209694 A JP 2209694A JP 2209694 A JP2209694 A JP 2209694A JP H07206991 A JPH07206991 A JP H07206991A
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epoxy resin
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reacting
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JP2209694A
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English (en)
Inventor
Isao Maruyama
功 丸山
Hideo Fukuda
秀夫 福田
Zenji Ito
善治 伊藤
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Maruzen Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Maruzen Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 次の成分(A)、(B)および(C)を含有
し、(B)成分および(C)成分に対する(A)成分の
重量組成比(A)/{(B)+(C)}が95/5〜1
0/90であり、かつ、成分(C)のエポキシ基と反応
し得る官能基に対する成分(B)のエポキシ基の当量比
(B)/(C)が0.3〜20である熱硬化性樹脂組成
物。 (A)エポキシ樹脂と反応し得る官能基を含まないビス
アルケニル置換ナジイミド (B)エポキシ樹脂 (C)エポキシ樹脂と反応し得る官能基と炭素−炭素二
重結合とを有する化合物 【効果】 成分間の相溶性および保存安定性に優れ、比
較的低い温度、短時間でも硬化反応が進行する組成物で
あって、その硬化物は優れた耐熱性、靱性、接着性およ
び密着性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は成分間の相溶性および保
存安定性に優れ、比較的低い温度、短時間で硬化反応が
進行し、硬化物の耐熱性、靱性、接着性、密着性がよ
く、積層材料、注型材料、成形材料、接着材料、塗料、
コーティング材、充填材料等として有用であり、またガ
ラス繊維、炭素繊維等を強化材とする複合材料用マトリ
ックス樹脂としても有用な熱硬化性樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、電気・電子分野、航空・宇宙
分野、自動車・車両、造船、建築、土木、機械産業分野
等において、熱硬化性樹脂がかなり多量に用いられてき
た。しかし、最近の機器の高性能化、小形化、軽量化に
伴い、これらの分野で使用される材料は薄肉化され、ま
た高温に長時間さらされる等使用条件が一段と過酷にな
り、より優れた機械的性質、特に機械的強度、耐熱性、
耐環境性を有する熱硬化性樹脂の開発が求められてい
る。またこれらの産業分野において、製造、制作、組み
立て、補修工程を簡素化するため、各種接着剤が大量に
使用されるようになったが、構造材等の部材の使用中に
高温にさらされる部分は、いまだに溶接、リベット等で
接合せざるを得ない状況にある。最近、これらの接合手
段を耐熱性の接着剤で置き換えることによって、工程の
簡素化、製品の軽量化および制作、補修コストの削減等
を図るようになり、耐熱性接着剤に対する期待も大きく
なっている。
【0003】従来、該産業分野においては、フェノール
樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等が用いられてき
た。しかし、フェノール樹脂は耐熱性が必ずしも十分で
はなく、また縮合反応により硬化するため、硬化時に発
泡するという欠点があった。
【0004】エポキシ樹脂は機械的、電気的特性に優
れ、また取扱いも容易であり、かつ常温付近での機械的
強度、接着性に優れているため、成形材料、接着剤、マ
トリックス材等として相当量使用されている。しかし、
耐熱性および保存安定性に劣るという難点があった。
【0005】ポリイミド樹脂は、耐熱性、接着性は優れ
ているものの、成形には高温が必要である。熱可塑性の
ポリイミドでは樹脂の流動性が劣るため、成形や接着に
は通常ガラス転移温度より約100℃高い温度で加圧で
きる設備が必要である等取扱い作業性や、耐クリープ性
に劣り、また縮合系のポリイミドでは中間体であるポリ
アミック酸を使用するため、上記のような問題点のほか
に硬化時に脱水反応によって発泡する欠点があるため用
途が限定される。一方、付加型のポリイミドでは、分子
量の低いオリゴマーを使用するため流動性に優れ、成形
や接着には必ずしも加圧が必要でない等作業性に優れ、
かつ耐クリープ性にも優れている反面、ガラス転移温度
を上げるためには後硬化しなければならないという欠点
がある。
【0006】そこで付加型ポリイミドとエポキシ樹脂の
優れた性質を兼ね備えた両者のブレンド系が提案され
た。しかし、付加型のポリイミド、たとえばビスマレイ
ミドは一般にエポキシ樹脂と相溶性が悪く、また溶媒に
対する溶解性にも劣るほか、たとえばN,N´−4,4
´−ジフェニルメタンビスマレイミド等イミド化合物と
エポキシ樹脂を組み合わせると耐熱性は向上するが、強
度、接着性が著しく低下する欠点がある。そこでこの系
にさらに酸無水物を添加する方法(特開昭56−88,
420号公報)やアミノフェノール、ブチラール樹脂等
を添加する方法(特開昭57−2,328号公報)等が
提案されたが、これらの方法では強度、接着性は向上す
るものの、耐熱性が著しく低下するという欠点があっ
た。
【0007】最近、ビスマレイミド系樹脂より融点が低
く、しかも、より優れた耐熱性を示す硬化物を与えるア
ルケニル置換ナジイミドが開発された。該アルケニル置
換ナジイミドはエポキシ樹脂との相溶性が極めて良好で
あり、たとえば、ビス{4−(アリルビシクロ[2.
2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミ
ド)フェニル}メタンやN,N´−ヘキサメチレン−ビ
ス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−
2,3−ジカルボキシイミドのようなビスアルケニル置
換ナジイミド、エポキシ樹脂およびイミダゾール触媒を
必須成分とする組成物が提案された(特開昭60−12
4,619号公報)。しかし、該組成物は強度、靱性に
優れているものの耐熱性に乏しく、また接着性も必ずし
も良くない。一方、N−(4´−ヒドロキシフェニル)
−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−
2,3−ジカルボキシイミドのような水酸基を含むアル
ケニル置換ナジイミド、エポキシ樹脂およびイミダゾー
ル触媒からなる組成物も提案されているが(特開昭61
−18,761号公報)、この組成物も強度、耐熱性の
点で不十分であった。本発明者等は先にアルケニル置換
ナジイミド、エポキシ樹脂およびオニウム塩触媒を必須
成分とする組成物を提案した(特開平5−301,94
8号公報)。この組成物は上記特開昭60−124,6
19号公報および特開昭61−18,761号公報の組
成物より優れているものの、用途によっては強度、耐熱
性および接着性の点で未だ十分ではなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は上記の従来技術の欠点がなく、成分間の相溶性お
よび保存安定性に優れ、比較的低い温度、短時間でも硬
化反応が進行し、硬化物の耐熱性、靱性、接着性、密着
性のよい熱硬化性樹脂組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、エポキシ樹脂と反応し
得る官能基を含まないアルケニル置換ナジイミド、エポ
キシ樹脂およびエポキシ樹脂と反応し得る官能基と炭素
−炭素二重結合とを有する化合物を配合すれば、成分間
の相溶性および保存安定姓に優れ、比較的低い温度、短
時間でも硬化反応が進行する熱硬化性樹脂組成物が得ら
れ、その硬化物は優れた耐熱性、靱性、接着性および密
着性を有することを見出し、本発明を完成した。
【0010】すなわち、本発明の要旨は、次の成分
(A)、(B)および(C)を含有し、(B)成分およ
び(C)成分に対する(A)成分の重量組成比(A)/
{(B)+(C)}が95/5〜10/90であり、か
つ、成分(C)のエポキシ基と反応し得る官能基に対す
る成分(B)のエポキシ基の当量比(B)/(C)が
0.3〜20である熱硬化性樹脂組成物にある。 (A)エポキシ樹脂と反応し得る官能基を含まないビス
アルケニル置換ナジイミド (B)エポキシ樹脂 (C)エポキシ樹脂と反応し得る官能基と炭素−炭素二
重結合とを有する化合物
【0011】本発明について、さらに詳述すると、本発
明で用いられる成分(A)のエポキシ樹脂と反応し得る
官能基を含まないビスアルケニル置換ナジイミドとして
は、特開昭59−80662号公報、特開昭60−17
8862号公報および特開昭63−170358号公報
等に記載されている、公知のビスアルケニル置換ナジイ
ミド、あるいは特願平5−222258号に係る種々の
ビスアルケニル置換ナジイミドを用いることができ、一
般に、下記の一般式[1]
【化1】 [ここで、R1およびR2は同一でも異なっていてもよ
く、水素原子またはメチル基を示す。X1は炭素数2〜
10のアルキレン基、炭素数5〜8のシクロアルキレン
基、炭素数4〜200のポリオキシアルキレン基、炭素
数6〜18の二価の芳香族基、基−R−C64−(R
´)m−(ここでmは0または1の整数を示し、R、R
´は同一でも異なっていてもよく、炭素数2〜10のア
ルキレン基、炭素数5〜12のシクロアルキレン基を示
す。)または基−C64−A−C64−{ここでAは−
CH2−、−C(CH32−、−CO−、−O−、−O
64C(CH3)264O−、−S−、−SO2−を示
す。}を示す。]で表されるビスアルケニル置換ナジイ
ミドが用いられる。
【0012】このような一般式[1]において、X1
炭素数6〜18の二価の芳香族基としては、たとえばフ
ェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、フルオレ
ニレン基、アントリレン基、フェナントリレン基、テル
フェニルジイル基またはこれらに低級アルキルが置換し
た基が挙げられる。これらのビスアルケニル置換ナジイ
ミドは、一般に対応する無水アルケニル置換ナジック酸
とジアミンとの反応によって合成される。
【0013】上記一般式[1]で表されるビスアルケニ
ル置換ナジイミドとして一例を挙げれば、N,N′−エ
チレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−
5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N′−
トリメチレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘ
プト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,
N′−ヘキサメチレン−ビス(アリルビシクロ[2.
2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミ
ド)、N,N′−デカメチレン−ビス(アリルビシクロ
[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキ
シイミド);N,N′−シクロヘキシレン−ビス(アリ
ルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−
ジカルボキシイミド);N,N′−p−フェニレン−ビ
ス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−
2,3−ジカルボキシイミド)、N,N′−m−フェニ
レン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5
−エン−2,3−ジカルボキシイミド);N,N′−p
−キシリレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘ
プト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,
N′−m−キシリレン−ビス(アリルビシクロ[2.
2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミ
ド);ビス{4−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニ
ル}メタン、ビス{4−(アリルビシクロ[2.2.
1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)
フェニル}エーテル等がある。
【0014】勿論、ここに例示した化合物のアリル基を
メタリル基で置き換えたもの、あるいは上に例示した化
合物ならびに前記したそれらのメタリル置換体のノルボ
ルネン環の1つの水素原子がメチル基で置換された化合
物も本発明で使用され得る化合物として例示され得る。
【0015】このようなビスアルケニル置換ナジイミド
は単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよ
い。また、該ビスアルケニル置換ナジイミドはオリゴマ
ーとして用いても差し支えない。
【0016】本発明で用いられる(B)成分のエポキシ
樹脂は、特に限定されるものではなく、公知のすべての
エポキシ樹脂が使用可能である。たとえばビスフェノー
ルとエピクロルヒドリンの反応によって得られるビスフ
ェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック樹脂や
クレゾールノボラック樹脂とエピクロルヒドリンとの反
応によって得られるノボラック型エポキシ樹脂、レゾル
シノールあるいはハイドロキノンのような多価フェノー
ルとエピクロルヒドリンの反応によって得られるポリヒ
ドロキシベンゼン型エポキシ樹脂、トルイジンやアニリ
ンなどの芳香族アミンとエピクロルヒドリンの反応によ
って得られる含窒素エポキシ樹脂、シクロヘキセン、ビ
ニルシクロヘキセン、シクロペンタジエン、ジシクロペ
ンタジエンなどを出発原料とする脂環式エポキシ樹脂、
ブタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリン、トリ
メチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどのジま
たはポリグリシジルエーテル類、エポキシ樹脂にシラノ
ールを反応させて得られる含ケイ素エポキシ樹脂、イソ
シアヌール酸から得られる含窒素ヘテロ環を有するエポ
キシ樹脂などが挙げられるが、これらに限定されない。
これらのエポキシ樹脂は単独または2種以上の混合物と
して用いられる。
【0017】また、本発明で用いられる成分(C)のエ
ポキシ樹脂と反応し得る官能基および炭素−炭素二重結
合を含む化合物の例としては、次の化合物、、、
およびから選択された少なくとも1種類の化合物が
挙げられる。 エポキシ樹脂と反応し得る官能基を有するアルケニル
置換ナジイミド エポキシ樹脂と反応し得る官能基を有するマレイミド エポキシ樹脂と反応し得る官能基を有するビスアルケ
ニル置換ナジイミド エポキシ樹脂と反応し得る官能基を有するビスマレイ
ミド アルケニル基置換フェノール類、アルケニル基置換フ
ェノール樹脂、アルケニルナジイミド基またはマレイミ
ド基置換フェノール・アニリン樹脂およびアルケニルナ
ジイミド基またはマレイミド基置換アニリン樹脂
【0018】ここでエポキシ樹脂と反応し得る官能基と
しては、たとえば水酸基、カルボキシル基、アミノ基、
メルカプト基、カルバモイル基およびイソシアノ基等、
好ましくは水酸基、カルボキシル基、アミノ基およびメ
ルカプト基が挙げられる。
【0019】化合物としては、たとえば一般式[2]
【化2】 [ここで、R3およびR4は同一でも異なっていてもよ
く、水素原子またはメチル基を示す。X2は炭素数1〜
18のアルキル基、炭素数3〜6のアルケニル基、炭素
数5〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜18の一価の
芳香族基、炭素数7〜19の置換ベンジル基、基−
{(Cq2qO)t(Cr2rO)uv2v+1}(ここで
q、r、vはそれぞれ2〜6の整数を示し、tは0また
は1の整数を示し、uは1〜30の整数を示す。)また
は基−C64−T−C65{ここでTは−CH2−、−
C(CH32−、−CH264−、−CO−、−O
−、−OC64−、−OC64C(CH3)264
−、−S−、−SO2−を示す。}の水素原子が1〜3
個のエポキシ樹脂と反応し得る官能基で置換されている
基を表す。]で表されるようなアルケニル置換ナジイミ
ド、
【0020】化合物としては、一般式[3]
【化3】 [ここで、R5およびR6は同一でも異なっていてもよ
く、水素原子またはメチル基を示す。X3は炭素数1〜
18のアルキル基、炭素数3〜6のアルケニル基、炭素
数5〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜18の一価の
芳香族基、炭素数7〜19の置換ベンジル基、基−
{(Cx2xO)y(Cz2zO)wb2b+1}(ここで
x、z、bはそれぞれ2〜6の整数を示し、yは0また
は1の整数を示し、wは1〜30の整数を示す。)また
は基−C64−T´−C65{ここでT´は−CH
2−、−C(CH32−、−CH264−、−CO−、
−O−、−OC64−、−OC64C(CH3)264
O−、−S−、−SO2−を示す。}の水素原子が1〜
3個のエポキシ樹脂と反応し得る官能基で置換されてい
る基を表す。]で表されるようなマレイミド、
【0021】化合物としては、一般式[4]
【化4】 [ここで、R7およびR8は同一でも異なっていてもよ
く、水素原子またはメチル基を示す。X1´は炭素数2
〜10のアルキレン基、炭素数5〜8のシクロアルキレ
ン基、炭素数4〜200のポリオキシアルキレン基、炭
素数6〜18の二価の芳香族基、基−R″−C64
(R″´)n−(ここでnは0または1の整数を示し、
R″、R″´は同一でも異なっていてもよく、炭素数2
〜10のアルキレン基または炭素数5〜12のシクロア
ルキレン基を示す。)または基−C64−A´−C64
−{ここでA´は−CH2−、−C(CH32−、−C
O−、−O−、−OC64C(CH3)264O−、−
S−、−SO2−を示す。}の水素原子が1〜3個のエ
ポキシ樹脂と反応し得る官能基で置換されている基を表
す。]で表されるようなビスアルケニル置換ナジイミ
ド、
【0022】化合物としては一般式[5]
【化5】 [ここで、R9およびR10は同一でも異なっていてもよ
く、水素原子またはメチル基を示す。X1″は炭素数2
〜10のアルキレン基、炭素数5〜8のシクロアルキレ
ン基、炭素数4〜200のポリオキシアルキレン基、炭
素数6〜18の二価の芳香族基、基−R″″−C64
(R″″´)n−(ここでnは0または1の整数を示
し、R″″、R″″´は同一でも異なっていてもよく、
炭素数2〜10のアルキレン基または炭素数5〜12の
シクロアルキレン基を示す。)または基−C64−A″
−C64−{ここでA″は−CH2−、−C(CH32
−、−CO−、−O−、−OC64C(CH3)264
O−、−S−、−SO2−を示す。}の水素原子が1〜
3個のエポキシ樹脂と反応し得る官能基で置換されてい
る基を表す。]で表されるようなビスマレイミド、また
【0023】化合物アルケニル基置換フェノール類、
アルケニル基置換フェノール樹脂、アルケニルナジイミ
ド基またはマレイミド基置換フェノール・アニリン樹脂
およびアルケニルナジイミド基またはマレイミド基置換
アニリン樹脂等が挙げられ、好ましくは化合物、、
およびである。
【0024】化合物およびの一般式[2]および
[3]において、X2 およびX3 が上記官能基として水
酸基を有する場合の例を挙げれば、炭素数1〜18の水
酸基置換アルキル基として、ヒドロキシエチル基、ジヒ
ドロキシブチル基、ジメチルヒドロキシヘキシル基等、
炭素数5〜8の水酸基置換シクロアルキル基としてヒド
ロキシシクロヘプチル基、ヒドロキシシクロヘキシル基
等、炭素数6〜18の一価の水酸基置換芳香族基とし
て、ヒドロキシフェニル基、ジヒドロキシフェニル基、
トリヒドロキシフェニル基、ヒドロキシナフチル基、ヒ
ドロキシアントリル基、ヒドロキシビフェニル基、ヒド
ロキシテルフェニル基、ヒドロキシフェノキシフェニル
基等、炭素数7〜18の置換ベンジル基としてヒドロキ
シベンジル基、ヒドロキシメチルベンジル基等が挙げら
れるが、これらに限定されない。
【0025】また化合物およびの一般式[4]およ
び[5]において、X1´およびX1″が上記官能基とし
て水酸基を有する場合の例を挙げれば、炭素数2〜10
の水酸基置換アルキレン基として、ヒドロキシトリメチ
レン基、2−ヒドロキシブチリデン基、2−ヒドロキシ
−3−メチルペンタメチレン基、2,3−ジヒドロキシ
ヘキサメチレン基、2,3−ジメチル−4−ヒドロキシ
ヘキサメチレン基、5−ヒドロキシデカメチレン基等、
炭素数5〜8の水酸基置換シクロアルキレン基として、
2−ヒドロキシ−1,3−シクロペンチレン基、2−ヒ
ドロキシ−1,4−シクロヘキシレン基、2−メチル−
3−ヒドロキシ−1,4−シクロヘキシレン基、3−ヒ
ドロキシ−1,5−シクロオクチレン基等、水酸基置換
炭素数4〜200のポリオキシアルキレン基として、−
(CH2 2 OCH2 CH(OH)CH2 −、−(CH
2 3 O[CH2 CH(OH)CH2 2 −、−(CH
23 O(CH2 2 O[(CH2 )CH(OH)]3
−、−CH2 CH(CH3)O(CH2 2 OCH(O
H)CH(CH3 )−、−(CH2 3 O{CH2CH
(OH)CH2 }O(CH2 3 −、−(CH2 3
(CH2 2 CH(CH3 )(CH2 2 O(CH2
3 CH(OH)(CH2 3 −、−(CH23 CH
(OH)CH2 O(CH2 3 O(CH2 4 CH(O
H)CH2 −等、
【0026】炭素数6〜18の水酸基置換二価芳香族基
として、2−ヒドロキシ−1,4−フェニレン基、2−
メチル−3−ヒドロキシ−1,4−フェンニレン基、2
−フェニル−5−ヒドロキシ−1,4−フェニレン基、
3−ヒドロキシ−1,5−ナフチレン基、3−ヒドロキ
シ−2,7−アントリレン基、基−C6 3 (OH)C
6 4 −等、水酸基置換された基−R″−C6 4
(R″´)n −として、2−ヒドロキシ−1,4−フェ
ニレン・メチレン基、1,3−フェニレン・2−ヒドロ
キシトリメチレン基、1,3−フェニレン・2−ヒドロ
キシ−1,3−シクロペンチレン基、2−メチル−3−
ヒドロキシ−1,4−シクロペンチレン・1,3−フェ
ニレン基、2−メチル−3−ヒドロキシ−1,4−フェ
ニレン・3−ヒドロキシ−1,5−シクロヘプチレン
基、メチレン・2−ヒドロキシ−1,3−フェニレン・
メチレン基、メチレン・1,4−フェニレン・2−ヒド
ロキシ−1,4−ブチレン基、エチレン・1,4−フェ
ニレン・2−ヒドロキシ−1,4−シクロペンチレン基
等、
【0027】水酸基置換された上記−C6 4 −T−C
6 4 −で表される基として、−C63 (OH)−C
2 −C6 4 −、−C6 3 (OH)−C(CH3
2 −C6 4 −、−C6 3 (OH)−CO−C6 4
−、−C6 3 (OH)−O−C6 4 −、−C6 3
(OH)−OC6 4 C(CH3 2 6 3 (OH)
O−C6 4 −等が挙げられるが、これらに限定される
ものではない。これらの化合物〜は単独で用いても
よいし、複数種を混合して用いてもよく、また、オリゴ
マーとして用いても差支えない。
【0028】さらに、化合物の中で、ビニルまたはア
リル基置換フェノール類としては、たとえばフェノー
ル、クレゾール、ナフトール、ビフェノール、ビスフェ
ノールA、ビスフェノールS等のビニルまたはアリル基
置換体が挙げられ、ビニルまたはアリル基置換フェノー
ル樹脂としては、たとえばレゾール樹脂、フェノールノ
ボラック樹脂およびクレゾールノボラック樹脂等のビニ
ルまたはアリル基置換体が挙げられ、アリルナジイミド
基またはマレイミド基置換フェノール・アニリン樹脂お
よびアニリン樹脂としてはこれらの樹脂のアミノ基の一
部がアリルナジミド基またはマレイミド基で置換された
ものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0029】本発明の各成分の組成比は、組成物の取扱
い作業性、貯蔵安定性、硬化速度および最終目的硬化物
の物性等を考慮して選択される。すなわち、成分
(A)、(B)および(C)の混合重量比(A)/
{(B)+(C)}は95/5〜10/90、好ましく
は90/10〜20/80であり、かつ成分(C)のエ
ポキシ基と反応し得る官能基に対する成分(B)のエポ
キシ基の当量比(B)/(C)は0.3〜20、好まし
くは0.7〜15の範囲内で選択され、これらの組成比
の範囲外では本発明の所期の目的を達成することはでき
ない。また、本発明の組成物は、一般に成分(A)の含
有率が高くなると、当量比(B)/(C)の最適範囲は
広がる傾向にある。
【0030】また、本発明では上記3成分に硬化触媒を
成分(D)として加えてもよい。成分(D)としては、
1)第3アミン、2)第3アミンのルイス酸錯体、3)
オニウム塩、および4)オニウム塩と弱い還元剤または
安息香酸銅との混合触媒から選択された少なくとも1種
類が挙げられる。
【0031】成分(D)の1)第3アミンとしては、異
節環状第3アミン、脂肪族第3アミンおよび芳香族第3
アミン等が挙げられ、異節環状第3アミンとしては、た
とえば、イミダゾール、ピリジン、ジメチルアミノピリ
ジン、ピペリジン、ピペラジンおよびこれらのアルキル
基、アルケニル基、フェニル基、ベンジル基またはN−
アシル置換体等があげられる。イミダゾール置換体の例
を挙げれば、たとえば1−メチルイミダゾール、2−エ
チル−4−メチルイミダゾール、2−ビニルイミダゾー
ル、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メ
チルイミダゾール、1−(3−アミノプロピル)−イミ
ダゾール、1−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)
−2−フェニルイミダゾール、1−(2,6−ジクロロ
ベンゾイル)−2−メチルイミダゾール、1−(2,6
ジクロロベンゾイル)−フェニルイミダゾール、1−
(2,6−ジクロロベンゾイル)−2−エチル−4−メ
チルイミダゾール、1−(2,6−ジクロロベンゾイ
ル)−4−フェニルイミダゾール、1−(2−クロロ−
6−ニトロベンゾイル)−2−エチルイミダゾール、1
−ペンタクロロベンゾイル−2−メチルイミダゾール、
1−ペンタクロロベンゾイル−2−フェニルイミダゾー
ル、1−プロペニル−2−フェニルイミダゾール、1−
プロペニル−4−フェニルイミダゾール等がある。
【0032】脂肪族第3アミンとしては、たとえばトリ
エチルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジエチ
ルアミノエチルアミン、ジメチルアミノベンジルアミ
ン、1,6−ビス−(ジメチルアミノ)−ヘキサン、ト
リエタノールアミン、芳香族第3アミンとしては、たと
えばN,N−ジメチルアニリンの他に、N,N−ジメチ
ルベンジルアミン、N,N−ジエチルベンジルアミン、
N,N−ジメチルアミノベンズアルデヒド、トリス(ジ
メチルアミノメチル)フェノール等も含まれるが、これ
らに限定されない。
【0033】成分(D)の2)第3アミンのルイス酸錯
体の、ルイス酸としては、たとえばBF3 、BCl3
AlCl3 、FeCl3 、TiCl4 、SnCl4 等、
特にBF3 、BCl3 があげられるが、これらに限定さ
れない。
【0034】成分(D)の3)オニウム塩としては、ア
ンモニウム化合物[R4N]+-、ホスホニウム化合物
[R4P]+-、アルソニウム化合物[R4As]+-
スチボニウム化合物[R4Sb]+-、オキソニウム化
合物[R3O]+-、スルホニウム化合物[R3S]
+-、セレノニウム化合物[R3Se]+-、スタンノ
ニウム化合物[R3Sn]+-、およびヨードニウム化
合物[R2I]+-(式中、Rは置換または無置換芳香
族基または、直鎖または分岐鎖アルキルまたはアルケニ
ル基を表し、それらはそれぞれ独立に選ばれる。また、
-は親核性の弱いまたは親核性のないアニオンを表
す)等が挙げられ、好ましくはヨードニウム化合物[R
2I]+-が挙げられる。ヨードニウム化合物の代表的
なものとして、たとえば、ジフェニルヨードニウムクロ
リド、ジフェニルヨードニウムブロミド、ジフェニルヨ
ードニウムパークロレート、ジフェニルヨードニウムテ
トラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサ
フルオロアルセネート、ジフェニルヨードニウムヘキサ
フルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサ
フルオロアンチモネート、(p−メトキシフェニル)フ
ェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジ(2−
ニトロフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアルセネ
ート、ジ(p−トリル)ヨードニウムヘキサフルオロホ
スフェート、ジ(p−クロロフェニル)ヨードニウヘキ
サフルオロアルセネート等が挙げられるが、これらに限
定されない。
【0035】成分Dの4)オニウム塩と弱い還元剤また
は安息香銅の弱い還元剤としては、α−ヒドロキシケト
ン類または、その互変異性体であるエンジオール類が挙
げられ、その代表的はものとして、アスコルビン酸、ベ
ンゾイン、アニソイン、4、4´−ジクロロベンゾイ
ン、フロイン、α−ピリドイン等が挙げられるが、これ
らに限定されず、また、安息香酸銅としては、1または
2価の安息香酸銅が使用される。これらの弱い還元剤ま
たは安息香酸銅の使用量は、オニウム塩1重量部に対し
て0.05〜2重量部、好ましくは0.1〜1重量部で
ある。
【0036】本発明において、成分(D)の添加量は特
に規定されず広い範囲内で適宜選択すれば良いが、通常
前記成分(A)、(B)および(C)の合計量100重
量部に対して0.1〜8重量部、好ましくは0.2〜5
重量部使用する。
【0037】(A)成分であるビスアルケニル置換ナジ
イミド、(B)成分であるエポキシ樹脂および(C)成
分であるエポキシ樹脂と反応し得る官能基と炭素−炭素
二重結合とを有する化合物の混合方法としては特に制限
はなく、用途に応じて両者を溶融混合してもよいし、溶
媒を用いて溶液として混合してもよい。溶液を調製する
際の溶媒は特に限定されず、これらの各成分と反応を伴
わずに溶解する溶媒、たとえばアセトン、MEK、MI
BK、シクロヘキサノンのようなケトン類、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、安息香酸エチルのようなエステル類、
エチルエーテル、ブチルエーテル、THF、ジオキサン
のようなエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、
テトラヒドロナフタレンのような芳香族炭化水素、DM
F、N−メチルピロリドンのような極性溶媒等が使用さ
れるが、これらに限定されない。
【0038】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、優れた相
溶性を有するために溶媒を使用しなくてもよいので、用
途が溶媒に溶解したワニス状で適用可能な用途に限定さ
れることなく、種々の用途に適用可能である。すなわ
ち、積層材料、注型材料、成型材料、コーティング材、
塗料、接着材料、充填材料として有用であり、ガラス繊
維、炭素繊維等を強化材とする複合材料等のマトリック
ス樹脂としても有用である。該樹脂組成物を複合材料に
利用する際の強化、充填材としては、例えばガラス繊
維、炭素繊維、金属繊維、セラミック繊維、リン酸カル
シウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化ア
ルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化アンチモン、石
膏、シリカ、アルミナ、クレー、タルク、石英粉末また
はカーボンブラック等が挙げられ、これらは該熱硬化性
樹脂組成物100重量部に対し5〜500重量部混合し
て使用される。
【0039】また、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、種
々の用途に、種々の使用形態にて用い得るが、その硬化
条件は使用形態により適宜選択される。その例を示せば
次の通りである。例えば成形材料として使用する場合
は、(A)、(B)および(C)の3成分または
(A)、(B)、(C)および(D)の4成分を無溶媒
で熔融混合し、注型成形、射出成形、圧縮成形等による
成形法が採用される。硬化成形は80〜280℃、好ま
しくは120〜260℃の温度で、0.01〜20時
間、好ましくは0.05〜12時間加熱することによっ
て行われる。
【0040】該熱硬化性樹脂組成物の他の使用形態とし
て、塗料、コーティング材として使用する場合は、無溶
媒で熔融混合した、または溶媒を用いて溶液とした混合
物を、金属、ガラス、セラミック、プラスチック等の基
材に塗布した後、必要に応じて溶媒を除去し、80〜4
00℃、好ましくは120〜380℃の温度で、0.0
01〜10時間、好ましくは0.005〜5時間加熱す
ることによって重合、硬化させ薄膜、被覆膜とすること
ができる。
【0041】さらに他の使用形態として、該熱硬化性樹
脂組成物を接着剤として使用する場合は、たとえば、上
記のように熔融または溶液とした該組成物を被接着体に
塗布した後、必要に応じて加熱、溶媒を除去し、50〜
250℃の温度、好ましくは80〜220℃の温度で、
1分〜5時間、好ましくは2分〜3時間放置して、いわ
ゆるB−ステージ化する。その後塗布面を重ね合わせ、
必要に応じて接着体を加圧しながら100〜350℃の
温度で、1分〜10時間加熱硬化させる。
【0042】上記の硬化条件により得られた成形体、複
合材料、薄膜、被覆膜、接着体等は、必要に応じて15
0〜350℃の温度で、0.5〜30時間さらに熱処理
してもよい。
【0043】
【実施例】本発明を実施例および比較例によりさらに詳
細に説明するが、本発明の内容は、これらによって制限
されるものではない。
【0044】なお、硬化物の物性の測定は、ガラス転移
温度はTMA法により、アイゾット衝撃強度は、JIS
K7110に準拠し、引張強度はJIS K7113
に準拠し(1号形試験片を使用)、曲げ強度および曲げ
弾性率はJIS K7203に準拠した3点曲げ試験に
より行った。
【0045】実施例1〜4、比較例1〜3 表1に示した重量組成のビス{4−(アリルビシクロ
[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキ
シイミド)フェニル}メタン(融点75℃)(以下「B
ANI−M」と略記する)、N−(4´−ヒドロキシフ
ェニル)−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−
エン−2,3−ジカルボキシイミド(以下「ANI−p
−HP」と略記する)およびエポキシ樹脂(商品名エピ
コート180S65;油化シェルエポキシ社製、212
g/当量、以下「EP180S65」と略記する)を1
50℃のオイルバス中で加熱、熔融、混合し、それに
0.1wt%の2−フェニルイミダゾールを加えて均一
にかき混ぜた。つぎにそれを減圧脱気した後、型に流し
込み、大気中、250℃で10時間加熱硬化した。硬化
物から試験片を切り出し、物性試験をしたところ、表1
に示す結果が得られた。一方、樹脂組成物の50wt%
MEK溶液を軟鋼板に塗布し、160℃で30分間乾燥
した後、2枚の塗布面を張り合わせ、クリップで固定し
ながら250℃で10時間加熱し硬化(ただしエポキシ
樹脂単独の場合は230℃で10時間硬化)させた。得
られた試験片について、引張剪断試験を行ったところ、
表1に示す結果が得られた。
【0046】
【表1】
【0047】実施例5 N−N´−p−キシリレン−ビス(アリルビシクロ
[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキ
シイミド)(以下「BANI−p−X」と略記する)3
0wt%、ANI−p−HP40wt%およびエポキシ
樹脂(商品名エピコート1001;油化シェルエポキシ
社製、475g/当量、以下「EP1001」と略記す
る)30wt%からなる組成物(当量比(B)/
(C):0.46)を150℃のオイルバス中で加熱、
熔融、混合し、減圧脱気した後、型に流し込み、大気
中、250℃で5時間加熱硬化した。硬化物から試験片
を切り出して物性試験したところ、ガラス転移温度:2
35℃、アイゾット衝撃強度:3.0Kg・cm/cm
2 、曲げ強度:15.5Kg/mm2 、曲げ弾性率:2
80Kg/mm2 の硬化物が得られた。
【0048】比較例4 実施例5において、原料としてANI−p−HPを55
wt%、EP1001を45wt%用いた以外は、実施
例5と同様に実験を行い(当量比(B)/(C):0.
51)、硬化物の物性試験をしたところ、ガラス転移温
度:189℃、アイゾット衝撃強度:3.8Kg・cm
/cm2 、曲げ強度:16.3Kg/mm2 、曲げ弾性
率:250Kg/mm2 の硬化物が得られた。
【0049】実施例6 BANI−M40wt%、ANI−p−HP34.9w
t%およびEP180S65 25.1wt%からなる
混合物(当量比(B)/(C):1.0)のMEK溶液
(50wt%)を軟鋼板に塗布し、160℃で30分間
乾燥した後、2枚の塗布面を張り合わせ、クリップで固
定しながら250℃で3時間加熱し硬化させた。得られ
た試験片について引張剪断試験を行ったところ、引張剪
断接着強度は室温下では172Kg/cm2 、250℃
の雰囲気下では120Kg/cm2 であった。
【0050】比較例5 実施例6において、ANI−p−HPのみを用いて50
wt%MEK溶液を調製した以外は実施例6と同様にし
て硬化させ、得られた試験片について引張剪断試験を行
ったところ、引張剪断接着強度は室温下では20Kg/
cm2 、250℃の雰囲気下では12Kg/cm2 であ
った。
【0051】比較例6 実施例6において、BANI−Mを50wt%、ANI
−p−HPを50wt%用いて50wt%MEK溶液を
調製した以外は、実施例6と同様にして硬化させた。得
られた試験片について引張剪断試験を行ったところ、引
張剪断接着強度は室温下では69Kg/cm2 、250
℃の雰囲気下では48Kg/cm2 であった。
【0052】実施例7 BANI−M20wt%、ANI−p−HP46.5w
t%およびEP180S65 33.5wt%からなる
混合物(当量比(B)/(C):1.0)のMEK溶液
(50wt%)を軟鋼板に塗布し、160℃で20分間
乾燥した後、2枚の塗布面を張り合わせ、クリップで固
定しながら230℃で3時間加熱し硬化させた。得られ
た試験片について引張剪断試験を行ったところ、引張剪
断接着強度は室温下では162Kg/cm2 、200℃
の雰囲気下では138Kg/cm2 、250℃の雰囲気
下では127Kg/cm2 であった。
【0053】比較例7 実施例7において、ANI−p−HPを58.2wt%
およびEP180S65を41.8wt%用いて50w
t%MEK溶液を調製した以外は実施例7と同様にして
硬化させた(当量比(B)/(C):1.0)。得られ
た試験片について引張剪断試験を行ったところ、引張剪
断接着強度は室温下では172Kg/cm2 、200℃
の雰囲気下では123Kg/cm2 、250℃の雰囲気
下では82Kg/cm2であった。
【0054】実施例8〜10および比較例8〜9 実施例7において、表2に示した重量組成により50w
t%MEK溶液を調製した以外は実施例7と同様にして
硬化させた。得られた試験片について、室温下または2
50℃の雰囲気下で引張剪断試験を行ったところ、表2
に示す結果が得られた。
【0055】
【表2】
【0056】実施例11 実施例7において、ANI−p−HPに代えてN−(4
´−カルボキシフェニル)−アリルビシクロ[2.2.
1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド4
6.5wt%を用いた以外は実施例7と同様にして硬化
させた(当量比(B)/(C):1.1)。得られた試
験片について引張剪断試験を行ったところ、引張剪断接
着強度は室温下では155Kg/cm2 、200℃の雰
囲気下では128Kg/cm2 、250℃の雰囲気下で
は117Kg/cm2であった。
【0057】実施例12 N−N´−m−キシリレン−ビス(アリルビシクロ
[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキ
シイミド)(以下「BANI−m−X」と略記する)6
0.0wt%、ANI−p−HP23.3wt%および
EP180S6516.7wt%からなる混合物(当量
比(B)/(C):1.0)のMEK溶液(50wt
%)を軟鋼板に塗布し、160℃で20分間乾燥した
後、2枚の塗布面を張り合わせ、クリップで固定しなが
ら250℃で3時間加熱し硬化させた。得られた試験片
を大気循環式の250℃に保たれた恒温槽内に放置し、
所定時間経過した後試験片を取り出し、その試験片につ
いて、室温下または250℃の雰囲気下で引張剪断試験
を行ったところ、表3に示す結果が得られた。
【0058】比較例10 実施例12において、BANI−m−Xのみを用いて5
0wt%MEK溶液を調製した以外は実施例12と同様
にして硬化させた。得られた試験片について実施例12
と同様の引張剪断試験を行ったところ、表3に示す結果
が得られた。
【0059】比較例11 実施例12において、ANI−p−HPを58.2wt
%、EP180S65を41.8wt%用いて50wt
%MEK溶液を調製した以外は実施例12と同様にして
硬化させた(当量比(B)/(C):1.0)。得られ
た試験片について実施例12と同様の引張剪断試験を行
ったところ、表3に示す結果が得られた。
【0060】実施例13 実施例12において、BANI−m−Xに代えてN,N
´−ヘキサメチレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.
1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)
(以下「BANI−H」と略記する)60.0wt%を
用いた以外は実施例12と同様にして硬化させた(当量
比(B)/(C):1.0)。得られた試験片を大気循
環式の250℃に保たれた恒温槽内に放置し、所定時間
経過した後試験片を取り出し、その試験片について、室
温下または250℃の雰囲気下で引張剪断試験を行った
ところ、表3に示す結果が得られた。
【0061】比較例12 実施例13において、BANI−Hのみを用いて50w
t%MEK溶液を調製した以外は実施例13と同様にし
て硬化させた。得られた試験片について実施例13と同
様の引張剪断試験を行ったところ、表3に示す結果が得
られた。
【0062】
【表3】
【0063】実施例14〜22および比較例13 表4に示した重量組成のBANI−M、EP180S6
5およびANI−p−HPからなる混合物のMEK溶液
(50wt%)を軟鋼板に塗布し、160℃で20分間
乾燥した後、2枚の塗布面を張り合わせ、クリップで固
定しながら230℃で3時間加熱し硬化させた。得られ
た試験片について、室温下または250℃の雰囲気下で
引張剪断試験を行ったところ、表4に示す結果が得られ
た。
【0064】
【表4】
【0065】実施例23 N−N´−1,4−シクロヘキシレン−ビス(アリルビ
シクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカ
ルボキシイミド)20.0wt%、N−(3´−ヒドロ
キシフェニル)−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト
−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド(以下「AN
I−m−HP」と略記する)46.5wt%、エポキシ
樹脂(商品名エピコート152;油化シェルエポキシ社
製、175g/当量、以下EP152と略記する)3
3.4wt%およびBF3 ・ピペラジン錯体0.1wt
%からなる混合物(当量比(B)/(C):1.2)の
MEK溶液(50wt%)を軟鋼板に塗布し、160℃
で20分間乾燥した後、2枚の塗布面を張り合わせ、ク
リップで固定しながら210℃で2時間加熱し硬化させ
た。得られた試験片について引張剪断試験を行ったとこ
ろ、引張剪断接着強度は室温下では180Kg/c
2 、250℃の雰囲気下では120Kg/cm2であ
った。
【0066】実施例24 BANI−M40.0wt%、p−ヒドロキシフェニル
マレイミド(以下「p−HPMI」と略記する)28.
3wt%およびEP180S65 31.7wt%から
なる混合物(当量比(B)/(C):1.2)のMEK
溶液(50wt%)を軟鋼板に塗布し、160℃で20
分間乾燥した後、2枚の塗布面を張り合わせ、クリップ
で固定しながら230℃で3時間加熱し硬化させた。得
られた試験片について引張剪断試験を行ったところ、引
張剪断接着強度は室温下では166Kg/cm2 、25
0℃の雰囲気下では129Kg/cm2 であった。
【0067】実施例25 BANI−H40.0wt%、p−HPMI28.3w
t%およびEP15231.7wt%からなる混合物
(当量比(B)/(C):1.5)のMEK溶液(50
wt%)を軟鋼板に塗布し、160℃で20分間乾燥し
た後、2枚の塗布面を張り合わせ、クリップで固定しな
がら230℃で3時間加熱し硬化させた。得られた試験
片について引張剪断試験を行ったところ、引張剪断接着
強度は室温下では178Kg/cm2 、250℃の雰囲
気下では125Kg/cm2 であった。
【0068】実施例26 BANI−M60wt%、o,o´−ジアリルビスフェ
ノールA16.5wt%、EP180S65 22.5
wt%および2−フェニルイミダゾール1wt%からな
る混合物(当量比(B)/(C):1.6)のMEK溶
液(50wt%)を軟鋼板に塗布し、160℃で20分
間乾燥した後、2枚の塗布面を張り合わせ、クリップで
固定しながら250℃で3時間加熱し硬化させた。得ら
れた試験片について引張剪断試験を行ったところ、引張
剪断接着強度は室温下では169Kg/cm2 、200
℃の雰囲気下では135Kg/cm2 であった。
【0069】
【発明の効果】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、比較的
低い温度、短時間でも硬化反応が進行し、硬化物の耐熱
性、機械的強度、靱性および接着性、密着性がよく、電
子、電気分野を含めた広い範囲の分野において、積層材
料、注型材料、成形材料、コーティング材、塗料、接着
材料、充填材料として有用であり、また、ガラス繊維、
炭素繊維等を強化材とする複合材料等のマトリックス樹
脂としても有用である。また成分間の相溶性がよく、溶
媒を使用しなくても均一な混合物となり、保存安定性も
よいので作業性が向上すると共に、使用形態がワニスに
してフィルム、塗膜等の薄膜を形成させる形態に限定さ
れない。さらに本発明の熱硬化性樹脂組成物は特に耐熱
性に優れており、接着剤として用いた場合は、高温にお
いても優れた接着性を維持することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の成分(A)、(B)および(C)を
    含有し、(B)成分および(C)成分に対する(A)成
    分の重量組成比(A)/{(B)+(C)}が95/5
    〜10/90であり、かつ、成分(C)のエポキシ基と
    反応し得る官能基に対する成分(B)のエポキシ基の当
    量比(B)/(C)が0.3〜20である熱硬化性樹脂
    組成物。 (A)エポキシ樹脂と反応し得る官能基を含まないビス
    アルケニル置換ナジイミド (B)エポキシ樹脂 (C)エポキシ樹脂と反応し得る官能基と炭素−炭素二
    重結合とを有する化合物
  2. 【請求項2】 さらに成分(D)として1)第3アミ
    ン、2)第3アミンのルイス酸錯体、3)オニウム塩、
    または4)オニウム塩と弱い還元剤または安息香酸銅と
    の混合触媒から選択された少なくとも1種類の硬化触媒
    を含有する請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 成分(C)が、次の化合物、、、
    およびから選択された少なくとも1種類の化合物で
    ある請求項1または2記載の熱硬化性樹脂組成物。 エポキシ樹脂と反応し得る官能基を有するアルケニル
    置換ナジイミド エポキシ樹脂と反応し得る官能基を有するマレイミド エポキシ樹脂と反応し得る官能基を有するビスアルケ
    ニル置換ナジイミド エポキシ樹脂と反応し得る官能基を有するビスマレイ
    ミド アルケニル基置換フェノール類、アルケニル基置換フ
    ェノール樹脂、アルケニルナジイミド基またはマレイミ
    ド基置換フェノール・アニリン樹脂およびアルケニルナ
    ジイミド基またはマレイミド基置換アニリン樹脂
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11140417A (ja) * 1997-11-10 1999-05-25 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 導電性接着剤
JP2011219539A (ja) * 2010-04-05 2011-11-04 Mitsui Chemicals Inc ビスイミド化合物、ビスアミド酸化合物およびそれらの製造方法
TWI826625B (zh) * 2018-12-28 2023-12-21 美商帝克萊股份有限公司 耐高溫傳導性熱固型樹脂組合物

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