JPH07206737A - アルコールの製造方法 - Google Patents

アルコールの製造方法

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JPH07206737A
JPH07206737A JP535094A JP535094A JPH07206737A JP H07206737 A JPH07206737 A JP H07206737A JP 535094 A JP535094 A JP 535094A JP 535094 A JP535094 A JP 535094A JP H07206737 A JPH07206737 A JP H07206737A
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hydrogen
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Hideji Hirayama
秀二 平山
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Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アルデヒド、ケトン化合物又は高級脂肪酸エ
ステルと水素を反応させて対応するアルコールの製造方
法の提供。 【構成】 アルデヒド、ケトン化合物又は高級脂肪酸エ
ステルと水素の反応に際して、Cu/Al/Fe又はC
u/Al/Fe/Zn合金を展開して得た変性ラネー銅
触媒を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルコールの製造方法に
関する。更に詳しくは本発明はアルデヒド、ケトン化合
物又は高級脂肪酸エステルと水素を反応させてアルコー
ルを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルコールは香料、溶剤、樹脂変性剤等
として多用され、一般にはカルボニル化合物を水素と反
応させることによって合成されている。又、アルコール
の内、高級アルコールは高級脂肪酸メチルエステルを高
温下、高圧水素と反応させることにより製造されてい
る。従来から、この反応に使用される触媒は銅−クロム
酸化物系触媒であり、通常銅−クロマイト触媒と称され
ている。その製造方法はインダストリアル・アンド・エ
ンジニアリング・ケミストリー、 vol. 26,878頁
(1936年)に記載されているものから現在まで大き
な進歩はない。この銅−クロマイト触媒の製造時、多量
の6価クロムイオンが排出されるという重大な欠点があ
る。環境汚染防止のため、これらの重金属は適当な方法
で捕集されるが、生ずる重金属スラッジの最終的な処理
法はまだ確立されていない。この問題解決のために種々
の方法で製造されたCu−Fe−Al系金属酸化物触媒
が提案されている。
【0003】特開昭53−92395、特開昭55−8
820に開示されている金属酸化物触媒は性能的には良
好であるが、触媒製造時に触媒沈澱スラリーから触媒を
濾別する際の濾過速度が遅く、大規模な濾過設備を必要
とする欠点がある。特公昭58−50775にも同系触
媒が開示されているが、反応後、反応生成物をバルブを
通して高圧から常圧に抜き出す際に触媒が著しく微粒子
化して濾過が困難になったり、更に触媒沈澱剤に尿素を
使用するため、これに起因する尿素排出、アンモニア排
水処理に大きな負荷がかかる等の製造工程上の問題があ
る。さらに触媒の改良及び製造法が特開平5−9616
9、特開平5−168929に開示されている。Cu/
Fe/Al/Znの金属酸化物を担体に担持させた触媒
であるが、触媒製造工程が長く複雑であり、実用触媒の
製造方法としては不利となる。このように従来触媒であ
る銅−クロマイト系触媒の問題点を解決できるような改
良触媒開発が所望されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明はこのよ
うな問題がなく、高性能で粒子強度が高く、濾過性も良
く、且つ簡略化された再現性のある方法で製造できる高
性能触媒を用いるアルコールの製造方法を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題は「アルデヒ
ド、ケトン化合物又は高級脂肪酸エステルと水素を反応
させてアルコールを製造するに際して触媒として、銅、
アルミニウム及び鉄又は銅、アルミニウム、鉄及び亜鉛
を含有する、三元又は四元合金を展開して得た変性ラネ
ー銅触媒を使用することを特徴とするアルコールの製造
方法。」によって達成される
【0006】本発明者は、環境汚染の問題を内在する銅
−クロマイト系触媒の代替となる無公害触媒の製法を確
立するとともに、触媒の微粒子化を抑制する問題及び簡
略化され経済的に有利な触媒製造法及びアルデヒド、ケ
トン化合物又は高級脂肪酸エステルと水素の反応に高活
性を示す触媒の開発を目的として鋭意研究を重ねた結
果、Cu/Al/Fe又はCu/Al/Fe/Znより
なる合金を展開して得た変性ラネー銅触媒を用いること
により、触媒の微粒子化が抑制でき、活性、選択性、耐
久性及び濾過性が向上し、触媒製法も簡略化された代替
触媒となることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明はアルデヒド、ケトン化合物又は高級脂肪
酸エステルと水素を反応させてアルコールを製造するに
際して触媒として、銅、アルミニウム及び鉄又は銅、ア
ルミニウム、鉄及び亜鉛を含有する、三元又は四元合金
を展開して得た変性ラネー銅触媒を使用することを特徴
とするアルコールの製造方法である。
【0007】本発明に用いられるラネー銅触媒は公知文
献に基づき、次のように定義される。即ち、アルミニウ
ム、シリコンのようなアルカリ又は酸に可溶な金属とア
ルカリ又は酸に不溶な金属との合金を製造した後、この
合金を展開して得られる金属触媒と定義され、ラネー銅
触媒とは展開後得られる金属触媒中の金属組成が銅を主
体とするものである。ラネー銅触媒のうち、アルカリ又
は酸に可溶な金属としては展開の容易さ及び経済性を考
慮してアルミニウムが多用される。
【0008】通常、Cu/Al合金を展開したラネー銅
触媒の主成分はCuで且つAlが残留するがAl以外の
成分、本発明ではFe又はFe及びZnを含有するラネ
ー触媒は変性ラネー銅触媒(以下、変性R−Cu触媒と
略す。)と称されている。本発明で使用される変性R−
Cu触媒は、Cu/Al/Fe系の場合は、1〜10重
量%のFe、40〜55重量%のAl、残部がほぼ全量
Cuである変性ラネー銅合金(以下、変性R−Cu合金
と略す。)を形成させ、又、Cu/Al/Fe/Zn系
の場合は、1〜10重量%のFe、3〜20重量%のZ
n、40〜55重量%のAl、残部がほぼ全量Cuであ
る変性R−Cu合金を形成させた後、これを通常のアル
カリ金属水酸化物の水溶液を使用して展開したものを好
適に使用することができる。
【0009】展開に使用するアルカリ金属水酸化物は水
酸化ナトリウム(NaOH)又は水酸化カリウム(KO
H)が好ましく、その水溶液濃度は15〜30重量%の
範囲で選択される。アルカリ金属水酸化物の溶液は合金
中のAlを全量溶出するに必要な量より過剰の量を加え
るのが好ましい。展開温度は大気圧下50〜80℃、好
ましくは65〜75℃の範囲で選択するのが好適であ
る。本発明の変性R−Cu触媒で主成分はCu、Fe、
Znであり、Alは助触媒的役割を果していると推定さ
れる。触媒の水素との反応性能はその組成によって著し
く影響をうけるが、Cu/Al/Fe系の場合、好まし
い組成はFeはCuに対する原子比で0.01〜0.3
5、Alは0.02〜0.20の範囲である。Feは下
限値以下の添加では水素との反応活性の向上が殆どなく
なり、上限値を超えると逆に活性低下を招く結果とな
り、不利である。Alは下限値以下の場合、触媒強度の
低下を招き、上限値以上の場合、触媒比表面積が低下す
るといった現象があり、実用上不利となる。
【0010】Cu/Al/Fe/Zn系の場合、好まし
い組成はFeはCuに対する原子比で0.01〜0.3
5、Znは0.01〜0.35、Alは0.02〜0.
20の範囲である。Feは下限値以下の添加では水素と
の反応活性の向上が殆どなくなり、上限値を超えると逆
に活性低下を招く結果となり、不利である。Znは下限
値以下又は上限値以上の添加では、Feとの相乗効果に
よる反応活性の向上が期待できなくなる。Alは下限値
以下の場合、触媒強度の低下を招き、上限値以上の場
合、触媒比表面積が低下するといった現象があり、実用
上不利となる。
【0011】アルデヒド、ケトン化合物又は高級脂肪酸
エステルと水素の反応用触媒として、Cu/Al/F
e、Cu/Al/Fe/Znの成分の組合わせが有効で
あることは特開平5−96169、特開平5−1689
29に開示されている。しかし、該発明では触媒として
有効な成分はいずれもその状態が金属酸化物であり、触
媒の製造方法及び後処理法から考えても、各成分が金属
状態にあることは予測できない。本発明の触媒、Cu/
Al/Fe又はCu/Al/Fe/Znは触媒製造原料
そのものがすでに金属であり、触媒製造方法も合金を形
成させた後、アルカリ水酸化物水溶液を用いて展開する
もので、触媒成分は金属状態にあるものと考えられ、先
行触媒とは基本的に触媒有効成分の状態を異にすると考
えられる。又、本発明の触媒、Cu/Al/Fe又はC
u/Al/Fe/Zn中の触媒有効成分の状態が金属状
であるため、水素との反応に使用する際、アルデヒド、
ケトン化合物又は高級脂肪酸エステルなどの反応物質の
触媒表面での吸着性を高めることもあるが、とくに触媒
表面での水素の活性化効率が良くなるため、有効な触媒
になるものと推測される。
【0012】通常、変性R−Cu触媒の製造方法は変性
R−Cu合金のインゴットを製造した後、これを破砕し
て適当な粒度分布とした後、展開する製法が採用され
る。この場合、触媒形状は不規則型となるが、触媒強度
は十分ある為に実用触媒として使用することは可能であ
る。液相懸濁法で水素との反応を行う場合、触媒が不規
則型であると実用上やや不利な面がある。このケースで
は、球状の変性R−Cu合金を用いて展開した触媒を使
用することが一層実用上有利である。
【0013】球状の変性R−Cu合金、例えば、10〜
200μm粒径範囲のものを展開した場合、その操作で
粒子が微粒子化することは殆どなく、その粒径範囲を維
持して十分な機械的強度を保持する触媒である。球状変
性R−Cu合金の製法としては各種公知の方法、例え
ば、ガスアトマイズ法、水アトマイズ法、回転円板遠心
噴霧法を採用することができる。又、特開平5−235
97(触媒用球状変性ラネー銅触媒合金の製造方法)に
開示されているような方法も採用可能である。変性R−
Cu触媒は展開後、通常、水封状態で保管される。使用
に当っては水切り後、不活性ガス中で乾燥して使用する
ことができる。触媒は還元状態にあるため、還元せずに
使用することもできるが、使用直前に水素などで100
〜300℃の範囲で還元することが好ましい。
【0014】本発明の変性R−Cu触媒の製造工程は主
に合金製造−展開−水洗の3工程より成立するものであ
り、先行触媒の製造法に比較すると工程が簡略化され、
再現性良く工業触媒を製造する方法として優れている。
本発明で使用される変性R−Cu触媒の特色として 球状の触媒を液相で使用する場合、流動特性が良好。 十分な機械強度を持ち、沈降性、濾過性に優れ、作業
性も良い。 触媒が製造終了後、還元状態にあるため、反応に先立
つ予備還元が不要又は容易。 先行触媒に比し製造工程が簡略化され、経済的にも有
利等を挙げることができる。
【0015】本発明のアルコールの製造方法におけるア
ルデヒド又はケトン化合物の水素との反応での反応温度
は100〜300℃の範囲、水素圧は5〜400kg/
cm2 の範囲が好ましい。又、触媒の使用量はアルデヒ
ド又はケトン化合物に対して0.1〜20重量%、好ま
しくは0.5〜10重量%の範囲である。
【0016】本発明で使用できるアルデヒド又はケトン
化合物としては、例えば、脂肪族アルデヒドとして、オ
クチルアルデヒド、デシルアルデヒド、ラウリルアルデ
ヒド、ミリスチルアルデヒド、ステアリルアルデヒド、
オレイルアルデヒド、2−エチルヘキシルアルデヒド、
イソステアリルアルデヒド、ウンデシレンアルデヒド、
シトラール、シトロネラールなど、脂環式又は芳香族ア
ルデヒドとして、シクロヘキサナール、ベンズアルデヒ
ド、アニスアルデヒド、クミンアルデヒド、フェニルア
セトアルデヒド、フルフラールなど、
【0017】ケトン化合物として、ノニルメチルケト
ン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、メチ
ルエチルケトン、ジブチルケトンなどを挙げることがで
きる。これらのアルデヒド又はケトン化合物について水
素との反応を行うことにより、生成物として、これらに
対応するアルコールが得られる。
【0018】本発明の触媒を用いての高級脂肪酸エステ
ルの水素との反応は反応温度130〜350℃、好まし
くは180〜300℃、水素圧10〜300kg/cm
2 、好ましくは100〜250kg/cm2 で行われ
る。触媒の使用量は出発物質である高級脂肪酸エステル
に対し、0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10
重量%の範囲である。
【0019】本発明の触媒を用いて水素化される高級脂
肪酸エステルとしては、脂肪酸の炭素数が6以上でエス
テル基を1個以上有するものが挙げられる。高級脂肪酸
エステルとしては直鎖脂肪酸エステル、分岐鎖脂肪酸エ
ステル、あるいは不飽和脂肪酸エステルのいずれを用い
てもよく、またこれらの混合物を用いてもよい。高級脂
肪酸エステルを構成するところのアルコールは炭素数が
1〜4の低級アルコールが好ましく、特にメタノールが
好ましい。
【0020】高級脂肪酸エステルの具体例としては、ヤ
シ油脂肪酸メチルエステル、パーム油脂肪酸メチルエス
テル、パーム核油脂肪酸メチルエステル、ナタネ油脂肪
酸メチルエステル、牛脂脂肪酸メチルエステル、魚油脂
肪酸メチルエステル、オレンジラフィー脂肪酸メチルエ
ステル等を挙げることができる。
【0021】
【実施例】本発明を更に実施例、比較例をもって説明す
る。 実施例1 組成がCu43.3、Fe3.8、Al52.9重量%
よりなる球状変性R−Cu合金(粒度は100メッシュ
以下)を用い20重量%のNaOH水溶液を使用して4
0〜60℃の温度範囲で展開を行って水洗後、球状の変
性R−Cu触媒を得た。触媒は水封状態で保管してあ
る。球状変性R−Cu触媒の組成はCu89.9、Fe
8.10、Al2.0重量%であり、Fe及びAlのC
uに対する原子比は夫々0.103、0.054であっ
た。触媒の粒度分布はレーザー回折法で実測した所、2
0μ以下8.0、20〜40μ51.4、40〜80μ
36.9、80〜100μ3.7%の構成比率であっ
た。合金の展開に伴う触媒微粒子化は無視できる程度で
あり、合金と触媒の粒度は殆ど大差がない。
【0022】誘導回転撹拌式500mlのオートクレー
ブに前記変性R−Cu触媒を水切り後、100℃で真空
乾燥したもの1.75gをN2 雰囲気下で仕込んだ後、
次の条件で水素化反応を行った。 原料油 :ヤシ油脂肪酸メチルエステル(ケン化価2
55) 原料仕込量:70g 水素圧力 :140kg/cm2 (40℃) 反応温度と反応時間:270℃、1hr 撹拌数 :1,000rpm 触媒分離後、主としてラウリルアルコール、ミリスチル
アルコール、パルシチルアルコールを含有する生成物が
得られ、反応生成物のケン化価は135であった。
【0023】実施例2 組成がCu41.6、Fe7.6、Al50.8重量%
よりなる球状変性R−Cu合金を実施例1と同じに展開
して水洗後、球状の変性R−Cu触媒を得た。球状の変
性R−Cu触媒の組成はCu81.7、Fe15.5、
Al2.8重量%であり、Fe及びAlのCuに対する
原子比は夫々0.216、0.081であった。水切り
後、100℃で真空乾燥した触媒1.75gを用いる以
外、実施例1と同一試験条件で水素化反応を行った。触
媒分離後、主としてラウリルアルコール、ミリスチルア
ルコール、パルシチルアルコールを含有する生成物が得
られ、反応生成物のケン化価は155であった。
【0024】比較例1 組成がCu50.0、Al50.0重量%よりなる球状
変性R−Cu合金を実施例1と同じに展開して水洗後、
球状R−Cu触媒を得た。球状R−Cu触媒の組成はC
u98.7、Al1.3重量%であった。水切り後、1
00℃で真空乾燥した触媒1.75gを用いる以外、実
施例1と同一試験条件で水素化反応を行った。触媒分離
後、反応生成物のケン化価は220であり、R−Cu触
媒の水素化活性は明らかに低い。
【0025】実施例3 Cu/Fe/Zn/Alの4元系よりなる球状変性R−
Cu合金を使用して、実施例1と同様に展開して、球状
の変性R−Cu触媒を得た。その組成はCu87.0、
Fe7.5、Zn4.0、Al1.5重量%であり、F
e、Zn及びAlのCuに対する原子比は夫々0.1
0、0.05、0.04であった。水切り後、100℃
で真空乾燥した触媒1.75gを用いて、実施例1と同
一試験条件で水素化反応を行った。触媒分離後、主とし
てラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルシ
チルアルコールを含有する生成物が得られ、反応生成物
のケン化価は130であった。
【0026】実施例4 実施例1で用いたと同一触媒を用いて、試験条件を同じ
にして触媒の繰り返し使用による活性及び粒度分布の変
化を測定した。即ち、乾燥した触媒1.75gを用い
て、水素化反応を行い、分離回収した触媒を再度反応に
使用する操作を3回繰り返した。反応生成物のケン化価
は135〜140の範囲にあり、触媒の粒度分布には変
化が見られなかった。
【0027】実施例5 組成がCu43.3、Fe3.8、Al52.9重量%
よりなる球状変性R−Cu合金(粒度は100メッシュ
以下)を用い20重量%のNaOH水溶液を使用して4
0〜60℃の温度範囲で展開を行って水洗後、球状の変
性R−Cu触媒を得た。触媒は水封状態で保管してあ
る。球状変性R−Cu触媒の組成はCu89.9、Fe
8.10、Al2.0重量%であり、Fe及びAlのC
uに対する原子比は夫々0.103、0.054であっ
た。触媒の粒度分布はレーザー回折法で実測した所、2
0μ以下8.0、20〜40μ51.4、40〜80μ
36.9、80〜100μ3.7%の構成比率であっ
た。合金の展開に伴う触媒微粒子化は無視できる程度で
あり、合金と触媒の粒度は殆ど大差がなかった。
【0028】誘導回転撹拌式500mlのオートクレー
ブに前記変性R−Cu触媒を水切り後、100℃で真空
乾燥したもの2.0gをN2 雰囲気下で仕込んだ後、さ
らにベンズアルデヒド200gを加え、水素圧力120
kg/cm2 、反応温度180℃、撹拌回転数1,00
0rpm で水素化反応を行い、ベンジルアルコールを製造
した。反応は30分で水素吸収が終了した。反応開始
後、50分で冷却を開始、冷却後オートクレーブを開放
し、スラリーを抜き出し、反応生成物と触媒を濾別し
た。濾液のガスクロ分析の結果、ベンズアルデヒド転化
率99.5%、ベンジルアルコール収率97.3%であ
った。
【0029】実施例6 実施例5で用いたと同じ触媒を用いて、活性評価条件を
同じにして触媒の繰り返し使用による触媒活性及び粒度
分布の変化を測定した。即ち、乾燥した変性R−Cu触
媒2.0gを用いて、水素化反応を行い、N2雰囲気下
で分離回収した触媒を再度反応に使用する操作を3回繰
り返した。ベンジルアルコールの収率は95〜97.3
%の範囲にあり、触媒の粒度分布には変化がみられなか
った。
【0030】実施例7 組成がCu41.6、Fe7.6、Al50.8重量%
よりなる球状変性R−Cu合金を実施例5と同じに展開
して水洗後、球状の変性R−Cu触媒を得た。球状の変
性R−Cu触媒の組成はCu81.7、Fe15.5、
Al2.8重量%であり、Fe及びAlのCuに対する
原子比は夫々0.216、0.081であった。水切り
後、100℃で真空乾燥した触媒2.0gを用いる以
外、実施例5と同じ反応条件でベンズアルデヒドの水素
化反応を行った。反応成績はベンズアルデヒド転化率9
5.0%、ベンジルアルコール収率94.5%であっ
た。
【0031】実施例8 Cu/Fe/Zn/Alの4元系よりなる球状変性R−
Cu合金を用いて、実施例5と同様に展開して、球状の
変性R−Cu触媒を得た。その組成はCu87.0、F
e7.5、Zn4.0、Al1.5重量%であり、F
e、Zn及びAlのCuに対する原子比は夫々0.1
0、0.05、0.04であった。水切り後、100℃
で真空乾燥した触媒2.0gを用いて、実施例5と同一
反応条件でベンズアルデヒドの水素化反応を行った。反
応成績はベンズアルデヒド転化率100%、ベンジルア
ルコール収率98.5%であった。
【0032】実施例9 実施例5と同じ触媒3g、アセトフェノン200gを用
い、水素圧力130kg/cm2 、反応温度150℃、
反応時間1時間とする以外、実施例5と同じにしてアセ
トフェノンの水素化反応を行った。1−フェニルエタノ
ールの収率は95%であった。
【0033】実施例10 実施例5と同じ触媒3g、原料としてオクタナール20
0gを用い、水素圧力130kg/cm2 、反応温度1
60℃、反応時間1時間とする以外、実施例5と同じに
してオクタナールの水素化反応を行った。1−オクタノ
ールの収率は97.5%であった。
【0034】実施例11 実施例5と同じ触媒2.0g及びCa(OH)2 1.0
g、原料としてフルフリルアルデヒド200gを用い、
水素圧力120kg/cm2 、反応温度160℃、反応
時間0.3時間とする以外、実施例5と同じにしてフル
フリルアルデヒドの水素化反応を行った。フルフリルア
ルコールの収率は98%であった。
【0035】
【発明の効果】本発明の方法で、水素との反応用の触媒
として変性ラネー銅触媒を用いることにより、アルデヒ
ド、ケトン化合物又は高級脂肪酸エステルより対応する
アルコールを効率的に製造でき、産業上有用である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルデヒド、ケトン化合物又は高級脂肪
    酸エステルと水素を反応させてアルコールを製造する際
    に、銅、アルミニウム及び鉄を含有する三元合金を展開
    して得た変性ラネー銅触媒を使用することを特徴とする
    アルコールの製造方法。
  2. 【請求項2】 変性ラネー銅触媒中のアルミニウム、鉄
    の組成が、銅に対する原子比でアルミニウム0.02〜
    0.20、鉄0.01〜0.35の範囲にある請求項1
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 アルデヒド、ケトン化合物又は高級脂肪
    酸エステルと水素を反応させてアルコールを製造する際
    に、銅、アルミニウム、鉄及び亜鉛を含有する四元合金
    を展開して得た変性ラネー銅触媒を使用することを特徴
    とするアルコールの製造方法。
  4. 【請求項4】 変性ラネー銅触媒中のアルミニウム、
    鉄、亜鉛の組成が、銅に対する原子比でアルミニウム
    0.02〜0.20、鉄0.01〜0.35及び亜鉛
    0.01〜0.35の範囲にある請求項3の製造方法。
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