JP2000247915A - アルコールの製造方法及び触媒 - Google Patents

アルコールの製造方法及び触媒

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JP2000247915A
JP2000247915A JP4613699A JP4613699A JP2000247915A JP 2000247915 A JP2000247915 A JP 2000247915A JP 4613699 A JP4613699 A JP 4613699A JP 4613699 A JP4613699 A JP 4613699A JP 2000247915 A JP2000247915 A JP 2000247915A
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copper
alcohol
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fatty acid
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Minoru Nagasawa
実 長沢
Hideki Sakamura
秀樹 坂村
Kenji Negishi
賢治 根岸
Manabu Sekimoto
学 関本
Hideji Hirayama
秀二 平山
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Nikko Rica Corp
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Nikko Rica Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルコールを効率的、経済的に製造する方法
を提供する。 【解決手段】 アルデヒド、ケトン又は脂肪酸エステル
と水素を反応させてアルコールを製造する方法におい
て、銅、アルミニウム、鉄、バナジウム、及びマンガ
ン、シリコン又はニッケルのいずれかを含有する合金を
展開して得られる、あるいは展開後に酸化処理して得ら
れる変性スポンジ銅触媒を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルコールの製造
方法及び触媒に関する。詳しくは、アルデヒド、ケトン
又は脂肪酸エステルと水素を反応させてアルコールを製
造する方法及びその方法に使用するアルコール製造用触
媒に関する。
【0002】
【従来の技術】アルコールは、香料、溶剤、樹脂変性剤
等として多用され、一般に、カルボニル化合物と水素を
反応させて製造している。また、高級アルコールは高温
下で、高級脂肪酸メチルエステルと高圧水素を反応させ
て製造している。従来、アルコールの製造には、銅−ク
ロム酸化物系触媒(銅クロマイト触媒)が使用されてい
る。この触媒は、「インダストリアル・アンド・エンジ
ニアリング・ケミストリー」vol.26、878頁
(1936年)に記載された方法に基づいて製造されて
いるが、製造する際に多量の6価クロムイオン等が排出
されるという重大な問題点がある。そこで、触媒の製造
に伴う環境汚染を防止するため、排出されたクロム等の
重金属は適当な方法で捕集されるものの、捕集した結果
生ずる重金属スラッジを最終的に処理する方法は、未だ
確立されていない。
【0003】かかる問題点を解決するため、銅−クロム
酸化物系触媒の代わりに、種々の方法で製造した銅−鉄
−アルミニウム系触媒が提案されている。しかしなが
ら、例えば、特開昭53−92395号公報や特開昭5
5−8820号公報に開示された銅−鉄−アルミニウム
触媒は、性能的には良好であるが、触媒を製造する際、
触媒沈殿スラリーから触媒を濾別するのに時間がかかる
ので大規模な濾過設備が必要となり、そのため、経済的
に製造することができない。また、特公昭58−507
75号公報にも同系の触媒が開示されているが、この触
媒は、アルコールの製造に使用した後、反応生成物をバ
ルブを通して高圧から常圧の状態に抜き出す際に著しく
微粒子化するため、完全に濾過することが困難となり、
しかも、触媒沈殿剤として尿素を使用するので、尿素排
出及びアンモニア排水の処理に大きな負担がかかるとい
う問題がある。
【0004】また、銅−鉄−アルミニウム−亜鉛の金属
酸化物を、担体に担持させたアルコール製造用触媒も提
案されている(特開平5−96169号公報、特開平5
−168929号公報参照)。しかしながら、この触媒
を製造するには、長くて複雑な工程を経なければなら
ず、実用的な方法で該触媒を製造することができないと
いう問題がある。
【0005】更に、特開平7−206737号公報に
は、Cu/Al/Fe又はCu/Al/Fe/Zn合金
を展開して得られる変性スポンジ銅触媒が提案されてい
る。しかしながら、これらの触媒活性は、従来触媒であ
る銅クロマイト触媒よりは優れているものの、実用触媒
の活性としては十分ではなかった。そのため、従来触媒
の問題点を解決した改良触媒が所望されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高活性で、
濾過性もよく、簡易な方法で得られるアルコール製造用
の高性能触媒と、その触媒を用いて、アルコールを効率
的、経済的に製造する方法の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため、鋭意研究を重ねた結果、Cu/Al/F
e/V/X(X=Mn、Si又はNi)よりなる合金を
展開して得られる変性スポンジ銅触媒あるいは展開後に
酸化処理して得られる変性スポンジ銅触媒が、活性、選
択性、耐久性及び濾過性の点で優れ、しかも簡易かつ経
済的に作製できることを見出し、本発明を完成するに至
った。すなわち、本発明は、アルデヒド、ケトン又は脂
肪酸エステルと水素を反応させてアルコールを製造する
方法において、銅、アルミニウム、鉄、バナジウム、及
びマンガン、シリコン又はニッケルのいずれかを含有す
る合金を展開して得られる、あるいは展開後に酸化処理
して得られる変性スポンジ銅触媒を使用することを特徴
とするアルコールの製造方法及びその変性スポンジ銅触
媒である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の特徴は、上記したように、所定の変性ス
ポンジ銅触媒を使用する点にある。この変性スポンジ銅
触媒は、銅、アルミニウム、鉄、バナジウム、及びマン
ガン、シリコン又はニッケルのいずれかを含有する合金
を展開あるいは展開後に酸化処理して得られる多孔質金
属触媒である。
【0009】この変性スポンジ銅触媒は、以下のように
作製される。まず公知の方法により銅、アルミニウム、
鉄、バナジウム、及びマンガン、シリコン又はニッケル
のいずれかを含有する合金のインゴットを作製する。こ
の合金の組成は、通常、35〜55重量%のAl、1〜
15重量%のFe、1〜15重量%のV、0.1〜1.
5重量%のX(X=Mn、Si又はNi)からなり、残
部はほぼ全量Cuとする。
【0010】次に、このインゴットを粉末又は粒状に粉
砕するが、粒度は特に限定されない。変性スポンジ銅触
媒を製造する場合、上記合金のインゴットを作製した
後、粉砕して適当な粒度分布としたものを用いるが、球
状に粒子化した合金を用いてもよい。球状に粒子化した
合金は、各種の方法、例えば、ガスアトマイズ法、水ア
トマイズ法、回転円板遠心噴霧法を利用して調製するこ
とができる。その他、特開平5−23597号公報及び
特開平7−197110号公報で開示されている方法を
利用することもできる。
【0011】次に、得られた合金を展開、水洗する。展
開とは、合金中に存在するアルミニウムをアルカリで溶
出させる処理をいい、この処理により、アルカリに不溶
な銅を主体とする多孔質金属触媒が形成される。展開す
る際に使用するアルカリとしては、水酸化ナトリウム又
は水酸化カリウムの水溶液が好ましく、その水溶液濃度
は10〜50重量%の範囲で適宜選択される。アルカリ
水溶液は、変性スポンジ銅合金中のアルミニウムを全量
溶出するのに必要な量よりも過剰の量を使用するのが好
ましい。展開する際の温度は、大気圧又は加圧下で50
〜200℃、好ましくは90〜150℃の範囲である。
【0012】また、水洗する方法としては、デカンテー
ション法が一般的であり、上澄水のpHが8〜11の範
囲になるまで水洗する。これにより、本発明で使用する
変性スポンジ銅触媒が得られる。
【0013】上記水洗後、更に酸化処理を施すことによ
り、変性スポンジ銅触媒の多孔質構造が維持されるよう
になる。酸化処理とは、水洗して得られた変性スポンジ
銅触媒中に酸素を導入する処理を意味する。酸化処理の
方法は特に限定されないが、例えば、加熱せずに大気中
に放置して自己燃焼により酸化する方法、加熱器中、大
気下で加熱焼成して酸化する方法、触媒を分散させた水
の中に空気又は酸素を吹き込み酸化する方法、過酸化水
素溶液等の酸化性薬剤で酸化する方法が挙げられる。
【0014】本発明方法で使用する変性スポンジ銅触媒
の製造工程は、上記したように、主に合金作製−展開−
水洗の3工程又は合金作製−展開−水洗−酸化処理の4
工程よりなるものであり、従来のアルコール製造用触媒
の製造工程に比べ、簡素化され、経済的で、再現性よく
工業触媒を製造できる。本発明の変性スポンジ銅触媒の
特徴をまとめると、触媒活性が高い、沈降性、濾過
性に優れ、作業性がよい、反応に先立つ予備還元が不
要又は容易である、従来の触媒に比し、製造工程が簡
素であるため、低コストで製造できることが挙げられ
る。
【0015】展開して得られた変性スポンジ銅触媒の主
成分は、Cu、Fe、V、Al及びX(X=Mn、Si
又はNi)からなり、更に酸化処理した触媒は、該成分
及び酸素からなる。アルコールの製造において、変性ス
ポンジ銅触媒の水素に対する反応性能は、触媒組成によ
って著しく影響を受ける。変性スポンジ銅触媒の好まし
い組成は、Cuに対する原子比で、Alは0.02〜
0.40、Feは0.01〜0.35、Vは0.01〜
0.35、X(X=Mn、Si又はNi)は0.005
〜0.02の範囲である。Alが上記の下限値より少な
いか又は上限値を超える場合、触媒比表面積が低下して
実用上不利となる。Feが上記の下限値より少ないと、
水素との反応活性がほとんど向上しなくなり、上限値を
超えると逆に活性低下を招く。V及びX(X=Mn、S
i又はNi)が上記の下限値より少ないか又は上限値を
超えると、Feとの相乗効果による反応活性の向上が期
待できなくなる。
【0016】酸化処理した変性スポンジ銅触媒をX線回
折測定すると、結晶性Cu Oのピークのみが検出さ
れることから、該触媒中の結晶性酸化物の主体はCu
Oであることがわかる。これは、従来のアルコール製
造用触媒である銅クロマイト触媒や、代表的混合酸化物
である銅−亜鉛酸化物触媒の銅の酸化形態がCuOであ
るのとは異なる。このことから、多孔質な変性スポンジ
銅触媒の表面を、その形態を維持したまま酸化処理する
と、従来の触媒にはない銅の酸化形態が形成され、それ
によりアルデヒドやケトンなどの反応物質との表面吸着
性のみならず、触媒表面での水素の活性化効率が向上し
て、アルコール製造に有効な触媒になるものと推測され
る。
【0017】酸化処理をしていない変性スポンジ銅触媒
は、通常、水封状態で保管する。使用にあたっては、水
切り後、不活性ガス中で乾燥させて使用する。また、酸
化処理した変性スポンジ銅触媒は乾燥状態となっている
ため、大気中での計量や仕込み等の取扱いが可能で、作
業性に優れている。変性スポンジ銅触媒は還元せずに使
用することができるが、使用する直前に水素等により1
00〜300℃の範囲で還元することが好ましい。
【0018】上記の変性スポンジ銅触媒を用いて、アル
デヒド、ケトン又は脂肪酸エステルと水素を反応させる
ことにより、アルコールが製造される。アルデヒドある
いはケトンを水素と反応させる場合の反応温度は、10
0〜300℃、水素圧は0.5〜40MPaの範囲が好
ましい。また、その場合の触媒の使用量は、アルデヒド
あるいはケトンに対して、0.1〜20重量%、特に
0.5〜10重量%の範囲が好ましい。本発明方法にお
いて使用できるアルデヒド、ケトンとしては、例えば脂
肪酸アルデヒドとして、オクチルアルデヒド、デシルア
ルデヒド、ラウリルアルデヒド、ミリスチルアルデヒ
ド、ステアリルアルデヒド、オレイルアルデヒド、2−
エチルヘキシルアルデヒド、イソステアリルアルデヒ
ド、ウンデシレナルデヒド、シトラール、シトロネラー
ル、脂環式又は芳香族アルデヒドとして、シクロヘキサ
ナール、ベンズアルデヒド、アニスアルデヒド、クミン
アルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、フルフラー
ル、ケトンとして、ビニルメチルケトン、シクロヘキサ
ノン、メチルシクロヘキサノン、メチルエチルケトン、
ジブチルケトンが挙げられる。
【0019】脂肪酸エステルと水素を反応させる場合
は、反応温度130〜350℃、好ましくは180〜3
00℃、水素圧1〜30MPa、好ましくは10〜25
MPaで行う。また、その場合の触媒の使用量は、脂肪
酸エステルに対して、0.1〜20重量%、好ましくは
0.5〜10重量%の範囲である。本発明方法において
使用できる脂肪酸エステルとしては、脂肪酸の炭素数が
6以上でエステル基を1個以上有するものが挙げられ
る。脂肪酸エステルとしては直鎖脂肪酸エステル、分枝
脂肪酸エステルあるいは不飽和脂肪酸エステルのいずれ
を用いてもよく、これらの混合物でもよい。また、脂肪
酸エステルを構成するところのアルコール部は、特に限
定されないが、炭素数が1〜4の低級アルコールが好ま
しく、特にメタノールが好ましい。脂肪酸エステルの具
体例としては、ヤシ油脂肪酸メチルエステル、パーム油
脂肪酸メチルエステル、パーム核油脂肪酸メチルエステ
ル、ナタネ油脂肪酸メチルエステル、生脂肪酸メチルエ
ステル、魚油脂肪酸メチルエステル、オレンジラフィー
脂肪酸メチルエステルを挙げることができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例をもって具体
的に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。 (実施例1)組成がCu41.5、Al50.8、Fe
3.8、V3.5、Mn0.4重量%よりなる合金(粒
度:149μm以下)を用い、20重量%の水酸化ナト
リウム水溶液を使用して、100〜105℃の温度範囲
で展開した後、水洗して変性スポンジ銅触媒を得た。こ
の触媒は水封状態で保管していた。変性スポンジ銅触媒
の組成は、Cu86.8、Al3.0、Fe8.0、V
1.4、Mn0.8重量%であり、Al、Fe、V及び
MnのCuに対する原子比は、各々0.08、0.1
0、0.02及び0.01であった。電磁誘導回転撹拌
式500mlオートクレーブに、前記変性スポンジ銅触
媒を水切り後、100℃で真空乾燥したもの0.6gを
窒素雰囲気下で仕込んだ後、次の条件で水素化を行っ
た。 原料油 :ヤシ油脂肪酸メチルエステル(ケン化価257) 原料仕込み量 :70g 水素圧力 :14MPa 反応温度/反応時間:250〜280℃/1時間 撹拌回転数 :1000rpm 触媒分離後、生成物を調べた結果、主としてラウリルア
ルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコー
ルを含有する生成物が得られ、反応生成物のケン化価は
75であった。なお、ケン化価は、エステルの含有率を
示す指標であり数字が小さいほど反応率が高いことを示
す。
【0021】(実施例2)組成がCu41.5、Al5
0.8、Fe3.8、V3.5、Si0.4重量%より
なる変性スポンジ銅合金(粒度:149μm以下)を実
施例1と同様に、展開した後、水洗し、変性スポンジ銅
触媒を得た。変性スポンジ銅触媒の組成はCu87.
1、Al3.2、Fe8.0、V1.1、Si0.6重
量%であり、Al、Fe、V及びSiのCuに対する原
子比は、各々0.09、0.10、0.02及び0.0
1であった。水切り後、100℃で真空乾燥した触媒
0.6gを用いた以外、実施例1と同一試験条件で水素
化を行った。その結果、主としてラウリルアルコール、
ミリスチルアルコール、パルミチルアルコールを含有す
る生成物が得られ、反応生成物のケン化価は80であっ
た。
【0022】(実施例3)組成がCu41.5、Al5
0.8、Fe3.8、V3.5、Ni0.4重量%より
なる変性スポンジ銅合金(粒度:149μm以下)を実
施例1と同様に、展開した後、水洗し、変性スポンジ銅
触媒を得た。変性スポンジ銅触媒の組成はCu85.
7、Al4.1、Fe7.0、V1.4、Ni0.9重
量%であり、Al、Fe、V及びNiのCuに対する原
子比は、各々0.10、0.02、0.01及び0.1
1であった。水切り後、100℃で真空乾燥した触媒
0.6gを用いた以外、実施例1と同一試験条件で水素
化を行った。その結果、主としてラウリルアルコール、
ミリスチルアルコール、パルミチルアルコールを含有す
る生成物が得られ、反応生成物のケン化価は98であっ
た。
【0023】(実施例4)組成がCu41.5、Al5
0.8、Fe3.8、V3.5、Mn0.4重量%より
なる変性スポンジ銅合金(粒度:149μm以下)を用
い、20重量%の水酸化ナトリウム水溶液を使用して1
00〜105℃の温度範囲で展開した後、水洗したもの
を、大気下、予め100℃に加温してある加熱器中に8
時間入れて酸化処理し、変性スポンジ銅触媒を得た。変
性スポンジ銅触媒の組成は、Cu71.8、Al2.
5、Fe6.6、V1.1、Mn0.7、水分1.5重
量%で残部は酸素と考えられ、Al、Fe、V及びMn
のCuに対する原子比は、各々0.08、0.10、
0.02及び0.01であった。また、X線回折により
検出されたピークはCu Oのみであった。電磁誘導
回転撹拌式500mlオートクレーブに、前記変性スポ
ンジ銅触媒0.6gを仕込んだ後、実施例1と同一試験
条件で水素化を行った。その結果、主としてラウリルア
ルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコー
ルを含有する生成物が得られ、反応生成物のケン化価は
70であった。
【0024】(比較例1)市販の銅クロマイト触媒0.
6gを用いた以外、実施例1と同一試験条件で水素化を
行った。触媒分離後、生成物を調べた結果、主としてラ
ウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチル
アルコールを含有する生成物が得られ、反応生成物のケ
ン化価は129であった。
【0025】(比較例2)組成がCu50.0、Al5
0.0重量%よりなる合金を実施例1と同様に、展開
後、水洗し、スポンジ銅触媒を得た。スポンジ銅触媒の
組成は、Cu98.9、Al1.1重量%であった。水
切り後、100℃で真空乾燥した触媒0.6gを使用し
た以外、実施例1と同一条件で水素化を行った。触媒分
離後、生成物を調べた結果、反応生成物のケン化価は2
30であった。
【0026】(実施例5)組成がCu41.5、Al5
0.8、Fe3.8、V3.5、Mn0.4重量%より
なる変性スポンジ銅合金(粒度:149μm以下)を用
い、20重量%の水酸化ナトリウム水溶液を使用して、
100〜105℃の温度範囲で展開した後水洗し、変性
スポンジ銅触媒を得た。触媒は水封状態で保管してい
た。変性スポンジ銅触媒の組成は、Cu86.8、Al
3.0、Fe8.0、V1.4、Mn0.8重量%であ
り、Al、Fe、V及びMnのCuに対する原子比は、
各々0.08、0.10、0.02及び0.01であっ
た。電磁誘導回転撹拌式500mlオートクレーブに、
前記変性スポンジ銅触媒を水切り後、100℃で真空乾
燥したもの2.0gを窒素雰囲気下仕込み、更に、ベン
ズアルデヒド200gを加え、水素圧力12MPa、反
応温度180℃、撹拌回転数1000rpmで水素化を
1時間行い、ベンジルアルコールを製造した。触媒分離
後、濾液のガスクロ分析を実施した。その結果、ベンズ
アルデヒドの転化率は99.6%、ベンジルアルコール
の収率は97.5%であった。
【0027】(実施例6)実施例5と同一の触媒を用い
て、同一試験条件で触媒の繰り返し使用による活性の変
化を測定した。すなわち、100℃で真空乾燥した変性
スポンジ銅触媒2.0gを用いて水素化を行い、分離回
収した触媒を再度反応に使用する操作を3回繰り返し
た。その結果、ベンジルアルコールの収率は95.5〜
97.5の範囲であった。
【0028】(実施例7)実施例5と同一の触媒3g、
アセトフェノン200gを用い、水素圧力12MPa、
反応温度150℃とした以外、実施例5と同じにしてア
セトフェノンの水素化を行った。その結果、1−フェニ
ルエタノールの収率は95.5%であった。
【0029】(実施例8)実施例5と同じ触媒3g、原
料としてオクタナール200gを用い、水素圧力13M
Pa、反応温度160℃とした以外、実施例5と同じに
してオクタナールの水素化を行った。その結果、1−オ
クタナールの収率は97.9%であった。
【0030】(実施例9)実施例5と同じ触媒2g及び
Ca (OH)1g、原料としてフルフリルアルデヒド
200gを用い、水素圧力12MPa、反応温度160
℃、反応時間0.3時間とした以外、実施例5と同じに
してフルフリルアルデヒドの水素化を行った。その結
果、フルフリルアルコールの収率は98.2%であっ
た。
【0031】(実施例10)組成がCu41.5、Al
50.8、Fe3.8、V3.5、Mn0.4重量%よ
りなる変性スポンジ銅合金(粒度:149μm以下)を
用い、20重量%の水酸化ナトリウム水溶液を使用し
て、100〜105℃の温度範囲で展開後、水洗したも
のを、大気下、予め100℃に加温してある加熱器中に
8時間入れて酸化処理し変性スポンジ銅触媒を得た。変
性スポンジ銅触媒の組成は、Cu71.8、Al2.
5、Fe6.6、V1.1、Mn0.7、水分1.5重
量%であり残部は酸素と考えられ、Al、Fe、V及び
MnのCuに対する原子比は、各々0.08、0.1
0、0.02及び0.01であった。また、X線回折に
より検出されたピークはCu Oのみであった。電磁
誘導回転撹拌式500mlオートクレーブに、前記変性
スポンジ銅触媒2.0gを仕込み、更に、ベンズアルデ
ヒド200gを加え、水素圧力12MPa、反応温度1
80℃、撹拌回転数1000rpmで水素化を1時間行
い、ベンジルアルコールを製造した。触媒分離後、濾液
のガスクロ分析を実施した。その結果、ベンズアルデヒ
ドの転化率は99.8%、ベンジルアルコールの収率は
97.6%であった。
【0032】(実施例11)実施例10と同一の触媒を
用いて、同一試験条件で触媒の繰り返し使用による活性
の変化を測定した。すなわち、変性スポンジ銅触媒2.
0gを用いて水素化を行い、分離回収した触媒を再度反
応に使用する操作を3回繰り返した。その結果、ベンジ
ルアルコールの収率は95.5〜97.6の範囲であっ
た。
【0033】(実施例12)実施例10と同一の触媒3
g、アセトフェノン200gを用い、水素圧力12MP
a、反応温度150℃とした以外、実施例10と同じに
してアセトフェノンの水素化を行った。その結果、1−
フェニルエタノールの収率は96.1%であった。
【0034】(実施例13)実施例10と同じ触媒3
g、原料としてオクタナール200gを用い、水素圧力
13MPa、反応温度160℃とした以外、実施例10
と同じにしてオクタナールの水素化を行った。その結
果、1−オクタナールの収率は97.9%であった。
【0035】(実施例14)実施例10と同じ触媒2g
及びCa (OH)1g、原料としてフルフリルアルデ
ヒド200gを用い、水素圧力12MPa、反応温度1
60℃、反応時間0.3時間とした以外、実施例10と
同じにしてフルフリルアルデヒドの水素化を行った。そ
の結果、フルフリルアルコールの収率は98.5%であ
った。
【0036】
【発明の効果】本発明は、高活性で作業性に優れた変性
スポンジ銅触媒を用いるため、アルデヒド、ケトン又は
脂肪酸エステルより対応するアルコールを効率的、経済
的に製造することができ、産業上極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 29/145 C07C 33/22 31/125 C07D 307/44 33/22 C07B 61/00 300 C07D 307/44 B01J 23/84 301Z // C07B 61/00 300 311Z (72)発明者 根岸 賢治 群馬県邑楽郡明和町大佐貫22番地 日興リ カ株式会社内 (72)発明者 関本 学 群馬県邑楽郡明和町大佐貫22番地 日興リ カ株式会社内 (72)発明者 平山 秀二 群馬県邑楽郡明和町大佐貫22番地 日興リ カ株式会社内 Fターム(参考) 4C037 HA07 4G069 AA02 AA08 BB02A BB02B BB06A BB06B BC16A BC16B BC31A BC31B BC54A BC54B BC62A BC62B BC66A BC66B BC68A BC68B BD05A BD05B CB02 CB70 EA02Y EA04Y EB18Y FA01 FB39 FB48 FC08 4H006 AA02 AC11 AC41 BA05 BA09 BA12 BA16 BA19 BA21 BA30 BA33 BE20 4H039 CA60 CB20

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルデヒド、ケトン又は脂肪酸エステル
    と水素を反応させてアルコールを製造する方法におい
    て、銅、アルミニウム、鉄、バナジウム、及びマンガ
    ン、シリコン又はニッケルのいずれかを含有する合金を
    展開して得られる、あるいは展開後に酸化処理して得ら
    れる変性スポンジ銅触媒を使用することを特徴とするア
    ルコールの製造方法。
  2. 【請求項2】 変性スポンジ銅触媒中におけるアルミニ
    ウム、鉄及びバナジウムの銅に対する原子比が、アルミ
    ニウム0.02〜0.40、鉄0.01〜0.35、バ
    ナジウム0.01〜0.35の範囲にあり、マンガン、
    シリコン又はニッケルの銅に対する原子比が、0.00
    5〜0.02の範囲にある請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の変性スポンジ銅触
    媒。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012148219A (ja) * 2011-01-17 2012-08-09 Sumitomo Metal Mining Engineering Co Ltd 硝酸性窒素含有排水の処理方法及びその処理方法に用いるスポンジ銅触媒

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JP2012148219A (ja) * 2011-01-17 2012-08-09 Sumitomo Metal Mining Engineering Co Ltd 硝酸性窒素含有排水の処理方法及びその処理方法に用いるスポンジ銅触媒

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