JPH07206616A - 抗菌抗ウイルス抗黴性複合体 - Google Patents
抗菌抗ウイルス抗黴性複合体Info
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- JPH07206616A JPH07206616A JP243694A JP243694A JPH07206616A JP H07206616 A JPH07206616 A JP H07206616A JP 243694 A JP243694 A JP 243694A JP 243694 A JP243694 A JP 243694A JP H07206616 A JPH07206616 A JP H07206616A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明はガラスあるいは材料という入手し易
く加工の容易な材料を担持体とすることによって抗菌剤
とも反応しない安定したかつ安価な抗菌製複合体を得
る。 【構成】 本発明は、担持体として多孔質ガラスまたは
多孔質炭酸カルシウムを用い、それに銀錯体を担持させ
た持続性のある抗菌抗ウイルス抗黴性能を有する抗菌抗
ウイルス抗黴性複合体およびその製造法に関する。
く加工の容易な材料を担持体とすることによって抗菌剤
とも反応しない安定したかつ安価な抗菌製複合体を得
る。 【構成】 本発明は、担持体として多孔質ガラスまたは
多孔質炭酸カルシウムを用い、それに銀錯体を担持させ
た持続性のある抗菌抗ウイルス抗黴性能を有する抗菌抗
ウイルス抗黴性複合体およびその製造法に関する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、担持体として多孔質ガ
ラスまたは多孔質炭酸カルシウムを用いた銀錯体を用い
た抗菌剤において持続性のある抗菌抗ウイルス抗黴性能
を有する抗菌抗ウイルス抗黴性複合体に関する。
ラスまたは多孔質炭酸カルシウムを用いた銀錯体を用い
た抗菌剤において持続性のある抗菌抗ウイルス抗黴性能
を有する抗菌抗ウイルス抗黴性複合体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、台所用品のように衛生面で注意を
払う必要がある分野に合成樹脂製品が用いられる場合
に、樹脂表面の菌による汚染が問題となってきている。
また建築用資材として使用されているコーキング材表面
に菌や黴がはえ、衛生面、あるいは外観が悪くなる等の
問題が生じている。その対策として合成樹脂中に抗菌抗
黴性組成物を混入し、樹脂表面にこの組成物を溶出させ
て殺菌を行う方法が用いられている。合成樹脂中の抗菌
抗黴材料を積極的に溶出させ、この樹脂表面およびその
周囲に対して殺菌殺黴効果を得るためには、従来、チア
ベンダゾール等の有機抗菌抗黴材料が用いられていた。
払う必要がある分野に合成樹脂製品が用いられる場合
に、樹脂表面の菌による汚染が問題となってきている。
また建築用資材として使用されているコーキング材表面
に菌や黴がはえ、衛生面、あるいは外観が悪くなる等の
問題が生じている。その対策として合成樹脂中に抗菌抗
黴性組成物を混入し、樹脂表面にこの組成物を溶出させ
て殺菌を行う方法が用いられている。合成樹脂中の抗菌
抗黴材料を積極的に溶出させ、この樹脂表面およびその
周囲に対して殺菌殺黴効果を得るためには、従来、チア
ベンダゾール等の有機抗菌抗黴材料が用いられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、有機抗菌抗黴
材料は揮発性を有するため、これを合成樹脂に含有させ
ると、この合成樹脂の周囲環境が汚染され、またこの合
成樹脂の表面と接触した排液中には抗菌抗黴材料が含有
されるため、これが排水環境汚染の原因となったり、下
水処理中の活性汚泥に影響を及ぼすなどの問題があっ
た。
材料は揮発性を有するため、これを合成樹脂に含有させ
ると、この合成樹脂の周囲環境が汚染され、またこの合
成樹脂の表面と接触した排液中には抗菌抗黴材料が含有
されるため、これが排水環境汚染の原因となったり、下
水処理中の活性汚泥に影響を及ぼすなどの問題があっ
た。
【0004】植物抽出物の中には、テルペン系化合物が
抗菌効果を有することが知られている。この化合物を用
いた技術として、白せん菌の治療剤作成(特開昭63−
30424号公報)、植物からフィトンチッドを取り出
して冷蔵庫に取り付けた、防臭防黴ユニット付冷蔵庫
(特開昭61−228283公報)、空気清浄器(特開
昭61−268934公報)が開示されている。しか
し、上記の植物内に存在する物質の多くは芳香性物質で
あり、揮発性を有するため、これら物質を樹脂に混入す
る場合に、樹脂の成形時の加熱により蒸発するため、混
入することができないという問題があった。
抗菌効果を有することが知られている。この化合物を用
いた技術として、白せん菌の治療剤作成(特開昭63−
30424号公報)、植物からフィトンチッドを取り出
して冷蔵庫に取り付けた、防臭防黴ユニット付冷蔵庫
(特開昭61−228283公報)、空気清浄器(特開
昭61−268934公報)が開示されている。しか
し、上記の植物内に存在する物質の多くは芳香性物質で
あり、揮発性を有するため、これら物質を樹脂に混入す
る場合に、樹脂の成形時の加熱により蒸発するため、混
入することができないという問題があった。
【0005】一般に抗菌性材料は、その表面の永久的か
つ完全な抗菌性を保証するものでないため、定期的な表
面殺菌を行う方が、より清潔性を維持できる。この場合
の表面殺菌法として一般には、次亜塩素酸ナトリウム等
の塩素系漂白剤がよく用いられる。しかし、銀イオン
(Ag+)を用いた銀系抗菌剤の場合、銀イオンが塩素
系漂白剤中の塩素イオンと反応し不溶性の塩化銀を生成
し、さらに塩化銀の光反応性が高いためすぐに金属銀、
酸化銀に変化することにより、黒変するのみならず、抗
菌性能を低下させる問題点があった。また樹脂中に混練
した場合、加熱温度が、200℃以上になるため、抗菌
性材料が変色し、白色の樹脂成型物が得られ難いという
問題点もあった。さらに、抗菌剤を担持させる材料とし
てシリカゲル等の多孔体を用いていたが、孔の形成に際
し、その形状や数の調整が難しかった。
つ完全な抗菌性を保証するものでないため、定期的な表
面殺菌を行う方が、より清潔性を維持できる。この場合
の表面殺菌法として一般には、次亜塩素酸ナトリウム等
の塩素系漂白剤がよく用いられる。しかし、銀イオン
(Ag+)を用いた銀系抗菌剤の場合、銀イオンが塩素
系漂白剤中の塩素イオンと反応し不溶性の塩化銀を生成
し、さらに塩化銀の光反応性が高いためすぐに金属銀、
酸化銀に変化することにより、黒変するのみならず、抗
菌性能を低下させる問題点があった。また樹脂中に混練
した場合、加熱温度が、200℃以上になるため、抗菌
性材料が変色し、白色の樹脂成型物が得られ難いという
問題点もあった。さらに、抗菌剤を担持させる材料とし
てシリカゲル等の多孔体を用いていたが、孔の形成に際
し、その形状や数の調整が難しかった。
【0006】本発明は、上記問題点に鑑み、多孔度やそ
の径を制御し易い担持体に抗菌剤を担持させた抗菌抗ウ
イルス抗黴性の複合体を提供することを目的とする。
の径を制御し易い担持体に抗菌剤を担持させた抗菌抗ウ
イルス抗黴性の複合体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、抗菌材料を多
孔質ガラス粒子または多孔質炭酸カルシウムの多孔性粒
子からなる担体に担持したことを特徴とする抗菌抗ウイ
ルス抗黴性複合体である。
孔質ガラス粒子または多孔質炭酸カルシウムの多孔性粒
子からなる担体に担持したことを特徴とする抗菌抗ウイ
ルス抗黴性複合体である。
【0008】
【作用】本発明における抗菌抗ウイルス抗黴性複合体
は、銀が多孔質ガラスまたは多孔質炭酸カルシウムから
なる担体に担持されているので安定した抗菌抗ウイルス
抗黴効果を示す抗菌抗ウイルス抗黴性複合体を得られ
る。すなわち、多孔質ガラスまたは多孔質炭酸カルシウ
ムからなる担体は多孔度や孔径の調整が容易になり、抗
菌剤の徐放性を制御し易い。
は、銀が多孔質ガラスまたは多孔質炭酸カルシウムから
なる担体に担持されているので安定した抗菌抗ウイルス
抗黴効果を示す抗菌抗ウイルス抗黴性複合体を得られ
る。すなわち、多孔質ガラスまたは多孔質炭酸カルシウ
ムからなる担体は多孔度や孔径の調整が容易になり、抗
菌剤の徐放性を制御し易い。
【0009】
【実施例】まず本実施例の構成要件である多孔質ガラス
および多孔質炭酸カルシウムについて説明する。多孔質
ガラスは、(1)微粒子状ののガラス粉の焼結、(2)
無機塩や金属アルコキシド等の加水分解(シリカゲルも
この方法で得られるが、ここでは、狭義として含まな
い)、(3)ガラスの分相などの方法によって得られ
る。(1)は、SiO2−CaO−Na2O系ガラスを1
0時間湿式粉砕したパウダーガラスに発泡剤として炭酸
塩を2%添加混合し、造粒したものを850℃で100
秒焼成して泡ガラスをつくり、この粒状泡ガラス(5〜
20体積%の吸水率)を4日間、70℃の温水中に浸漬
して、可溶性のアルカリ成分を除去し、泡ガラスの表面
層並びに独立気泡中に開口を設けるようにして製造す
る。この結果、20〜50体積%の吸水率のものが得ら
れる。(3)SiO2ーNa2OーB2O3−Al2O3系ガ
ラスを500〜650℃で熱処理して分相させ、酸水中
でB2O3ーNa2Oに富む相を除去して製造する。ガラ
スの組成系としては、上記以外にSiO2−B2O3−Z
rO2ーNa2OーZnO系やSiO2ーNa2O−P2O5
系、SiO2−B2O3ーCaO−Al2O3系、SiO2−
B2O3ーCaO−MgOーAl2O3−TiO2系なども
ある。前記(1)〜(3)で得られた多孔質ガラスは、
細孔径が、40オングストロームから40μmの広範囲
を任意に選択することができる。また多孔質炭酸カルシ
ウムは、細孔径1.5〜2.0μmのものが市販(例え
ば、恒和化学工業製フォミューズP)されている。
および多孔質炭酸カルシウムについて説明する。多孔質
ガラスは、(1)微粒子状ののガラス粉の焼結、(2)
無機塩や金属アルコキシド等の加水分解(シリカゲルも
この方法で得られるが、ここでは、狭義として含まな
い)、(3)ガラスの分相などの方法によって得られ
る。(1)は、SiO2−CaO−Na2O系ガラスを1
0時間湿式粉砕したパウダーガラスに発泡剤として炭酸
塩を2%添加混合し、造粒したものを850℃で100
秒焼成して泡ガラスをつくり、この粒状泡ガラス(5〜
20体積%の吸水率)を4日間、70℃の温水中に浸漬
して、可溶性のアルカリ成分を除去し、泡ガラスの表面
層並びに独立気泡中に開口を設けるようにして製造す
る。この結果、20〜50体積%の吸水率のものが得ら
れる。(3)SiO2ーNa2OーB2O3−Al2O3系ガ
ラスを500〜650℃で熱処理して分相させ、酸水中
でB2O3ーNa2Oに富む相を除去して製造する。ガラ
スの組成系としては、上記以外にSiO2−B2O3−Z
rO2ーNa2OーZnO系やSiO2ーNa2O−P2O5
系、SiO2−B2O3ーCaO−Al2O3系、SiO2−
B2O3ーCaO−MgOーAl2O3−TiO2系なども
ある。前記(1)〜(3)で得られた多孔質ガラスは、
細孔径が、40オングストロームから40μmの広範囲
を任意に選択することができる。また多孔質炭酸カルシ
ウムは、細孔径1.5〜2.0μmのものが市販(例え
ば、恒和化学工業製フォミューズP)されている。
【0010】(実施例1)銀塩として酢酸銀を使用し
た。ここで、原料のCH3COOAgは、7.7g/3
0mlを60℃以下の純水に溶解した。その理由は、6
0℃以上ではCH3COOAgが分解するからである。
次に、K2SO3:CH3COOAg=2.7g:1gを
添加し、充分溶解させた後にK2S2O3:CH3COOA
g=6.6g:1gを添加溶解させた。この時の溶解工
程は40℃〜室温の温度範囲が好ましい。
た。ここで、原料のCH3COOAgは、7.7g/3
0mlを60℃以下の純水に溶解した。その理由は、6
0℃以上ではCH3COOAgが分解するからである。
次に、K2SO3:CH3COOAg=2.7g:1gを
添加し、充分溶解させた後にK2S2O3:CH3COOA
g=6.6g:1gを添加溶解させた。この時の溶解工
程は40℃〜室温の温度範囲が好ましい。
【0011】多孔質ガラスまたは多孔質炭酸カルシウム
を担体として所望の粒度(10μm)で、銀化合物溶液
を担体に対し3%の濃度になるよう充分に吸着含浸させ
た。この工程では、40℃〜室温が好ましい。なお、上
記多孔質担体は細孔径が40オングストローム〜2μ
m、粒径が1〜100μmであれば良好である。
を担体として所望の粒度(10μm)で、銀化合物溶液
を担体に対し3%の濃度になるよう充分に吸着含浸させ
た。この工程では、40℃〜室温が好ましい。なお、上
記多孔質担体は細孔径が40オングストローム〜2μ
m、粒径が1〜100μmであれば良好である。
【0012】担体に吸着または含浸させた銀化合物溶液
の乾燥は、銀化合物が分解しないように圧力は常圧で温
度は40℃とした。このようにして銀化合物を担体に担
持させた複合体を得た。
の乾燥は、銀化合物が分解しないように圧力は常圧で温
度は40℃とした。このようにして銀化合物を担体に担
持させた複合体を得た。
【0013】(表1)は多孔質ガラスの細孔径とAg+
イオンの室温中での溶出速度の関係を示したものであ
る。ガラス量は1gとし、1時間あたりの溶出速度で示
した。
イオンの室温中での溶出速度の関係を示したものであ
る。ガラス量は1gとし、1時間あたりの溶出速度で示
した。
【0014】
【表1】
【0015】なお、細孔径1.5〜2.0μmの多孔質
炭酸カルシウムを使ったときの溶出速度は、1350p
pm/Hであった。
炭酸カルシウムを使ったときの溶出速度は、1350p
pm/Hであった。
【0016】(比較例1)市販のシリカガラスパウダー
(多孔質ではない)を使った以外は、実施例1と同様に
して抗菌性複合体を作成した。溶出速度は、25000
ppm/Hできわめて低い除放性を示すことを認めた。
(多孔質ではない)を使った以外は、実施例1と同様に
して抗菌性複合体を作成した。溶出速度は、25000
ppm/Hできわめて低い除放性を示すことを認めた。
【0017】次に複合体に被覆層を形成させる方法につ
いて述べる。この被覆層は前記複合体の抗菌性やウィル
ス抑止性の薬治効果の持続時間の調整を可能にするもの
である。すなわち、被覆層の面積や厚さにより、薬治効
果の持続性の制御を可能にする。
いて述べる。この被覆層は前記複合体の抗菌性やウィル
ス抑止性の薬治効果の持続時間の調整を可能にするもの
である。すなわち、被覆層の面積や厚さにより、薬治効
果の持続性の制御を可能にする。
【0018】(実施例2)エチルアルコ−ル1mlにテ
トラエトキシシラン1mlを加えた液に銀化合物を担持
した複合体を1g加え、よく混合し約0.2mlの純水
を滴下することによりテトラエトキシシランを加水分解
させ、酸化珪素による被覆層を前記複合体表面に形成さ
せた。また、エチルアルコ−ルの代わりにメチル、プロ
ピル、ブチル系を用い、またテトラエトキシシランの代
わりにメチル、エチル、プロピル、ブチル系のものから
目的用途と経済性を勘案して選択することが望ましい。
この抗菌抗ウイルス抗黴性複合体からの銀化合物の溶出
速度は、表2に示した。
トラエトキシシラン1mlを加えた液に銀化合物を担持
した複合体を1g加え、よく混合し約0.2mlの純水
を滴下することによりテトラエトキシシランを加水分解
させ、酸化珪素による被覆層を前記複合体表面に形成さ
せた。また、エチルアルコ−ルの代わりにメチル、プロ
ピル、ブチル系を用い、またテトラエトキシシランの代
わりにメチル、エチル、プロピル、ブチル系のものから
目的用途と経済性を勘案して選択することが望ましい。
この抗菌抗ウイルス抗黴性複合体からの銀化合物の溶出
速度は、表2に示した。
【0019】(実施例3)シリコン樹脂による表面コー
ティングは、クロロホルム1mlにシリコン樹脂溶液1
mlを加えた液に銀化合物を担持した複合体を1g加
え、よく混合し、減圧下乾燥後、100度で7時間加熱
し、シリコン樹脂膜を硬化させる。このように表面コー
ティングを行った抗菌抗ウイルス抗黴性複合体からの銀
化合物の溶出速度について調べた結果を表2に示した。
ティングは、クロロホルム1mlにシリコン樹脂溶液1
mlを加えた液に銀化合物を担持した複合体を1g加
え、よく混合し、減圧下乾燥後、100度で7時間加熱
し、シリコン樹脂膜を硬化させる。このように表面コー
ティングを行った抗菌抗ウイルス抗黴性複合体からの銀
化合物の溶出速度について調べた結果を表2に示した。
【0020】Ag+イオンの溶出速度は、被覆層を形成
することにより、しないときの1/10〜1/200に
なることが判明した。
することにより、しないときの1/10〜1/200に
なることが判明した。
【0021】(実施例4)実施例1で添加するK2S2O
3の添加量を変化させ樹脂に混練した時の成形物の変色
と抗菌性、抗ウイルス性を調べた結果を(表3、4)に
示す。この結果から、原料中のS2O3/Agモル比は1
以下では生成物の安定性が悪く、4では耐熱変色性が悪
く240℃付近から抗菌性複合体の変色がみられ、8以
上では原料のK2S2O3の析出が多く作業性が悪いこと
から、1〜3または5〜8の領域で良好な耐熱変色性を
有する。
3の添加量を変化させ樹脂に混練した時の成形物の変色
と抗菌性、抗ウイルス性を調べた結果を(表3、4)に
示す。この結果から、原料中のS2O3/Agモル比は1
以下では生成物の安定性が悪く、4では耐熱変色性が悪
く240℃付近から抗菌性複合体の変色がみられ、8以
上では原料のK2S2O3の析出が多く作業性が悪いこと
から、1〜3または5〜8の領域で良好な耐熱変色性を
有する。
【0022】上記実施例で、酢酸銀を銀原料として用い
たが、そのかわりに硫酸銀を用いても同様の抗菌性能、
耐熱耐変色性が得られた。
たが、そのかわりに硫酸銀を用いても同様の抗菌性能、
耐熱耐変色性が得られた。
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】
【表4】
【0026】(実施例5)抗菌性複合体を、ポリプロピ
レン樹脂の成型時に、樹脂100gに、1.5gを均一
に分散させ、樹脂を成形し、成型体を得た。この樹脂成
形体について下記に示すような抗黴試験、抗菌試験を行
った。その結果を(表5)に示す。
レン樹脂の成型時に、樹脂100gに、1.5gを均一
に分散させ、樹脂を成形し、成型体を得た。この樹脂成
形体について下記に示すような抗黴試験、抗菌試験を行
った。その結果を(表5)に示す。
【0027】
【表5】
【0028】(表5)より、本実施例の抗菌抗黴性複合
体は実用的な抗菌抗黴性能を有することがわかる。
体は実用的な抗菌抗黴性能を有することがわかる。
【0029】抗黴試験:日本工業規格のカビ抵抗性試験
(JIS Z 2911)の繊維製品用防黴試験による
ハローテスト法に準じた。用いた黴は、Cladosporium c
ladosporoides(クラト゛スホ゜リウム クラト゛スホ゜リオテ゛ス)、Chaetomium
globosum(ケトヨウム ク゛ロホ゛サム)、Penicillium citrinum(ヘ゜ロ
シリウム シトリナム)およびAsperigillus niger(アスヘ゜ルキ゛ルス ニケ゛
ル)であった。評価は14日後に行った。
(JIS Z 2911)の繊維製品用防黴試験による
ハローテスト法に準じた。用いた黴は、Cladosporium c
ladosporoides(クラト゛スホ゜リウム クラト゛スホ゜リオテ゛ス)、Chaetomium
globosum(ケトヨウム ク゛ロホ゛サム)、Penicillium citrinum(ヘ゜ロ
シリウム シトリナム)およびAsperigillus niger(アスヘ゜ルキ゛ルス ニケ゛
ル)であった。評価は14日後に行った。
【0030】抗菌試験:Escherichia coli(エスケリチア コ-ラ
イ)、 Staphylococcus aureus(スタフィロコックス アウレウス)、 Baci
llus subtillis(ハ゛チルス サフ゛チリス)を用い、ハローテスト法
に準じた。評価は7日後に行った。
イ)、 Staphylococcus aureus(スタフィロコックス アウレウス)、 Baci
llus subtillis(ハ゛チルス サフ゛チリス)を用い、ハローテスト法
に準じた。評価は7日後に行った。
【0031】(実施例6)上記製法中原料中のカリウム
イオンの一部あるいは全部をナトリウムイオンに置き換
えても、同様の抗菌性能を有する抗菌性複合体が得られ
た。
イオンの一部あるいは全部をナトリウムイオンに置き換
えても、同様の抗菌性能を有する抗菌性複合体が得られ
た。
【0032】なお、上記実施例では、銀錯塩について述
べたが、抗菌性の調節のために少量の銅錯塩あるいは、
亜鉛化合物を含有させてもよい。また、担体としては結
晶質あるいは非晶質の多孔質ガラスの何れでもよい。
べたが、抗菌性の調節のために少量の銅錯塩あるいは、
亜鉛化合物を含有させてもよい。また、担体としては結
晶質あるいは非晶質の多孔質ガラスの何れでもよい。
【0033】
【発明の効果】以上のように本発明は、適度に調整可能
な抗菌剤の徐放性を得られる抗菌抗ウイルス抗黴性複合
体を提供できる。
な抗菌剤の徐放性を得られる抗菌抗ウイルス抗黴性複合
体を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 冨田 勝己 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 宮地 寿明 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 西野 敦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】多孔質ガラスまたは多孔質炭酸カルシウム
からなる担体にチオ硫酸銀錯塩を担持させたことを特徴
とする抗菌抗ウイルス抗黴性複合体。 - 【請求項2】原料中のS2O3/Agモル比が1〜3また
は5〜8であることを特徴とする請求項1記載の抗菌抗
ウイルス抗黴性複合体。 - 【請求項3】表面に被覆層を形成することを特徴とする
請求項1または2記載の抗菌抗ウイルス抗黴性複合体。 - 【請求項4】被覆層がシリコン樹脂からなることを特徴
とする請求項3記載の抗菌抗ウイルス抗黴性複合体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP243694A JPH07206616A (ja) | 1994-01-14 | 1994-01-14 | 抗菌抗ウイルス抗黴性複合体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP243694A JPH07206616A (ja) | 1994-01-14 | 1994-01-14 | 抗菌抗ウイルス抗黴性複合体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07206616A true JPH07206616A (ja) | 1995-08-08 |
Family
ID=11529226
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP243694A Pending JPH07206616A (ja) | 1994-01-14 | 1994-01-14 | 抗菌抗ウイルス抗黴性複合体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07206616A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001335391A (ja) * | 2000-05-19 | 2001-12-04 | Torimu:Kk | ガラス粉末を原料とする発泡資材とその製造方法 |
JP2013035796A (ja) * | 2011-08-09 | 2013-02-21 | Nippon Soda Co Ltd | 固体材料 |
WO2017159271A1 (ja) * | 2016-03-15 | 2017-09-21 | 富士フイルム株式会社 | 抗菌膜及び抗菌シート |
-
1994
- 1994-01-14 JP JP243694A patent/JPH07206616A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001335391A (ja) * | 2000-05-19 | 2001-12-04 | Torimu:Kk | ガラス粉末を原料とする発泡資材とその製造方法 |
JP4638572B2 (ja) * | 2000-05-19 | 2011-02-23 | 株式会社トリム | ガラス粉末を原料とする発泡資材とその製造方法 |
JP2013035796A (ja) * | 2011-08-09 | 2013-02-21 | Nippon Soda Co Ltd | 固体材料 |
WO2017159271A1 (ja) * | 2016-03-15 | 2017-09-21 | 富士フイルム株式会社 | 抗菌膜及び抗菌シート |
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