JPH0720605B2 - 木質材の改質方法 - Google Patents

木質材の改質方法

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JPH0720605B2
JPH0720605B2 JP3205087A JP3205087A JPH0720605B2 JP H0720605 B2 JPH0720605 B2 JP H0720605B2 JP 3205087 A JP3205087 A JP 3205087A JP 3205087 A JP3205087 A JP 3205087A JP H0720605 B2 JPH0720605 B2 JP H0720605B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は木質材の改質法に関し、さらに詳しくは、より
効率的な木質材のアセチル化法に関するものである。
従来技術とその問題点 木質材は建築物や家具類をはじめ、広範囲に利用される
資材であるが、白蟻や木材腐朽菌等の微生物に侵される
こと、並びに寸法安定性に劣るという欠点がある。この
解決法として、木材成分中の水酸基をアセチル化して木
質材を改質すると、寸法安定性が向上すると共に、薬剤
を投与することなく白蟻による食害や微生物による腐朽
作用を防ぐことができることが知られている。
従来用いられているアセチル化法には触媒を用いない無
触媒法と、適当な触媒を用いる触媒法があるが、前者は
アセチル化に長時間を要する上、生産性が低く非実用的
である。一方、後者の例として、特開昭59−218806号お
よび特開昭59−218807号の方法がある。これらは共に酢
酸塩を触媒とし、無水酢酸でアセチル化する方法に関す
るものである。その内、前者の方法は、酢酸塩の水溶液
を木材に含浸した後、木材を乾燥し、次に、アセチル化
反応液を注入し、さらに加温した該アセチル化反応液中
に浸漬することからなる。この方法によれば、無触媒法
に比べてアセチル化の反応時間は短縮できるが、触媒を
溶解するための設備、木材に接触溶液を含浸させる設備
および乾燥設備が要求される。しかも、各処理毎に手間
を要すので、全体として時間がかかり、非能率的であ
る。しかも、乾燥処理時に塩基性の酢酸塩により、木材
が変色するおそれがある。他方、後者の方法は、無水酢
酸と芳香族炭化水素溶媒からなるアセチル化反応液中に
酢酸塩触媒を混在させ、これに木材を浸漬してアセチル
化反応を行うものである。この方法においては、酢酸塩
触媒がアセチル化反応液に難溶であるため、これを溶解
させるために加熱する必要があり、かつ、加熱した状態
で含浸操作を行なわなければならず無水酢酸が気化して
危険である。さらに、アセチル化反応液の木質材への減
圧注入または減圧加圧注入は、木材中の空気を排出する
上で有効であるが、木材のアセチル化において用いられ
る無水酢酸は気化し易く、減圧注入または減圧加圧注入
を行う際に急激に気化し、危険を伴うおそれがある。従
って、アセチル化には、この様な方法を採用することが
困難であり、その結果、木材中の空気が排出されず、木
材の反応液への含浸時間が長くなる。
この様に、従来法はいずれも工程が複雑で長時間を要す
るために実用性に乏しい。本発明は、この様な従来法の
欠点を克服する目的でなされたものである。
問題点を解決するための手段 本発明は従来からの木質材の改質法を改良し、効率的に
木質材のアセチル化し、改質する方法を提供するもので
ある。
即ち、本発明は、木質材に、無水酢酸、酢酸および酢酸
金属塩からなる均質なアセチル化反応液を含浸せしめた
後、該木質材を加熱液体中に浸漬するか、加熱気体と接
触させて加熱処理することを特徴とする木質材の改質法
を提供するものである。
ここに、木質材とは、板状体、柱状体の他に木材単板、
木材チップその他の各種木質系資材を包含する。
本発明方法に用いられる酢酸塩には、酢酸ナトリウム、
酢酸カリウムおよび酢酸マグネシウム等があり、酢酸に
溶解しやすい金属塩を採用するのが好ましい。これらの
酢酸金属塩は無水酢酸には不溶性であるが酢酸には可溶
性である。従って、無水酢酸からなるアセチル化反応液
中に酢酸金属塩触媒を含有させるには、酢酸を混合せし
める必要がある。しかるに、酢酸は、無水酢酸によるア
セチル化を阻害することが分かっている。即ち、反応液
中の酢酸含有量が多いと反応効率が低下することにな
る。しかしながら、酢酸金属塩触媒の量が多ければ、酢
酸の存在下でも反応効率の低下が防止できることが本発
明者にの研究により明らかになった。即ち、本発明者ら
は、アセチル化反応の反応効率を阻害することのない、
反応液中の酢酸と酢酸塩の濃度について種々検討を重ね
た結果、無水酢酸、酢酸および酢酸塩で構成されるアセ
チル化反応液中、酢酸を5〜60重量%、好ましくは5〜
30重量%、酢酸塩を0.3〜15.0重量%、好ましくは1〜
6重量%の割合で含有するアセチル化反応液が極めて好
ましい結果を与えることを見出した。
本発明のアセチル化反応液は常温で酢酸塩が析出せず溶
液状態であるため、加熱の必要がなく、また加熱した場
合でも高温にする必要がないので木材に含浸させる際
に、減圧、あるいは減圧加圧法を行うことができる。従
って木材内部にまで反応液を充分かつ均一に含浸させる
ことができる。
次いで反応液含浸木材を、高められた温度、通常100〜1
40℃で加熱処理すると、木材中に酢酸塩触媒と無水酢酸
が充分に含浸されているので、容易にアセチル化が進行
する。加熱処理は、種々の方法で行うことができるが、
本発明方法では加熱液体中に浸漬する方法と、加熱気体
に接触させる方法を採る。
本発明方法で用いられる加熱液体としては、前記のアセ
チル化反応液自体および無水酢酸を挙げることができ
る。前者の場合、含浸処理に用いたアセチル化反応液に
木材を入れたまま加熱してもよい。しかし、昇温に要す
る時間を節約し、効率良く処理するためには、含浸用の
反応液から処理木材を取り出し、予め必要な温度まで加
熱しておいた別の加熱媒体中に入れて加熱することが好
ましい。アセチル化反応液は熱容量が大きく、しかもア
セチル化反応がより促進されるので反応効率が向上する
ことから、極めて良い結果を与えるので好ましい加熱液
体である。その他、既述のごとく、無水酢酸を用いるこ
ともできる。
また、本発明方法における加熱気体用の気体としては無
水酢酸の蒸気、またはトルエン、キシレン等の有機溶媒
として用いられる芳香族炭化水素と無水酢酸の蒸気、空
気、不活性ガス等を挙げることができる。
これら加熱処理法にはそれぞれ以下の利点があり、目的
に応じていずれを採用してもよい。
加熱溶液中での加熱処理の利点 熱容量が大きい為に反応速度が速い。
アセチル化反応は発熱反応であるがこの発生熱を液
が吸収する為に温度コントロールが容易であり、温度ム
ラがない。
大量の処理が可能である。
加熱気体中での加熱処理の利点 高温の加熱液体中に浸漬すると木材成分が多量溶出
してしまう様な樹種でも液中に浸漬しない為に成分溶出
なしに処理することができる。
樹種によるアセチル化の難易に応じて、加熱媒体に
より熱容量を変化させることができる。
反応後の木材中に含まれている無水酢酸や酢酸量が
少ないので、洗浄が容易であり、短時間で済む。
溶液中での反応のように触媒が流出しない。
木質材が汚れない。即ち、液中で反応さす場合反応
液はほとんど消費されず、かつ高価格な為に繰り返し使
用される。従って前の反応で液中に溶出した汚れが新し
い木質材に付着してこれを汚染する。加熱気体を使用す
る場合はこの様な不都合がない。
加熱気体を精製させるための液量が少量でよい。
炭化水素、空気、不活性ガス等安価な気体を利用す
ることが可能である。
発明の効果 本発明方法によれば、無水酢酸と酢酸塩を含んでいる均
質なアセチル化反応液を木材に含浸させるので、減圧法
または減圧加圧法を用いることができ、従って、木材中
に均一に含浸させることが可能となる。
また、本発明方法によれば、酢酸塩を水溶液としてでは
なく、酢酸溶液の形で、かつアセチル化反応液の一部と
して含浸させるので、木材を乾燥処理する必要がなく、
処理工程が簡略化され、時間の短縮が可能となる。この
ことは、例えば、特開昭59−218806号の方法の場合と比
較すると特開昭59−218806号では全工程に200分以上を
要するのに比較し、本発明方法の場合には、接触溶媒の
注入および単板乾燥工程が省略されるために木質材の脱
気から反応終了まで長くとも約135分であることからも
明らかである。
さらには、触媒である酢酸塩は、アセチル化反応後水洗
除去することができるので、木材の変色を招くおそれが
なく、美的外観を保持することができる。
以下に実施例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明する。
実施例1 2.5mm厚のベイマツロータリー単板を減圧釜中にて約30m
mHgの減圧下で脱気した後、無水酢酸100重量部、酢酸20
重量部および酢酸カリウム3.5重量部からなるアセチル
化反応液を減圧釜中に注入し、該釜内を15分間30mmHgの
減圧状態に維持した。次いで、常圧に戻して30分間放置
することにより、反応液を単板内に含浸させた。この単
板を120〜125℃に加温した無水酢酸中に浸漬し同温度範
囲で、30分および50分間反応を行なった。反応後、該単
板を洗浄して乾燥し、アセチル化率を測定したところ、
反応時間30分の場合は20%、50分の場合は23%であっ
た。
実施例2 実施例1と同様の条件下で調製した反応液含浸単板を、
120〜125℃に加温した無水酢酸100重量部、酢酸15重量
部、酢酸カリウム3重量部からなるアセチル化反応液中
に浸漬し、同一温度範囲で30分および50分間反応を行な
った。反応後、洗浄乾燥してアセチル化率を測定したと
ころ、反応時間30分の場合、21%、50分の場合、24%で
あった。
実施例3 実施例1と同様の条件下で調製した反応液含浸単板を反
応器内に入れ、下部より120℃の無水酢酸蒸気を吹き込
み雰囲気温度が115℃になるように60分間保持し、反応
を行なった。反応後洗浄乾燥してアセチル化率を測定し
たところ21%であった。
また、無水酢酸蒸気に代えて、加熱チッソガスを用いた
所アセチル化率は20%のものが得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 康祐 富山県東礪波郡井波町井波1番地ノ1 大 建工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−218806(JP,A) 特開 昭61−35208(JP,A)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】木質材にアセチル化反応液を含浸した後、
    該木質材を加熱液体中に浸漬することからなる木質材の
    改質方法であって、該アセチル化反応液が無水酢酸、酢
    酸および酢酸塩からなり、酢酸および酢酸塩がそれぞれ
    アセチル化反応液全重量の5〜60重量%および0.3〜15
    重量%を占めることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】加熱液体がアセチル化反応液であることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項記載の木質材の改質方
    法。
  3. 【請求項3】加熱液体が無水酢酸であることを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項記載の木質材の改質方法。
  4. 【請求項4】木質材にアセチル化反応液を含浸した後、
    該木質材を加熱気体に接触させることを特徴とする木質
    材の改質方法であって、該アセチル化反応液が無水酢
    酸、酢酸および酢酸塩からなり、酢酸および酢酸塩がそ
    れぞれアセチル化反応液全重量の5〜60重量%および0.
    3〜15重量%を占めることを特徴とする方法。
  5. 【請求項5】加熱気体が無水酢酸の蒸気または芳香族炭
    化水素および無水酢酸の蒸気からなることを特徴とする
    特許請求の範囲第4項記載の木質材の改質方法。
  6. 【請求項6】加熱気体が空気または不活性ガスであるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第4項記載の木質材の改
    質方法。
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