JPH0720551A - カメラの情報設定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 回転部材上のパターンが簡略化できるととも
に、回転部材の小型化が図られ、小回転角度での設定値
変更が確実に行なえるカメラの情報設定装置を提供する
こと。 【構成】 回転部材の軸上から放射状に回転部材を複数
分割するように形成されたパターンと、回転部材の回転
により導通、非導通信号を出力する２つのスイッチ手段
と、パターンの非導通部分で確実に停止して、それを基
準位とするような停止保持手段と、を備え、回転部材の
回転方向判別に従ってカメラの設定値を増減させて、カ
メラの情報設定を確実に行なわせるものとした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はカメラのシャッタースピ
ード、絞り値あるいは撮影モード等の変更又は設定を行
なうための設定装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、カメラの情報設定方法としては、
例えば特公平３−３２０４９号等に記載されているよう
に、回転部材に接地信号とオープン信号とを形成する第
１パターンと位相差をもった第２パターンを設けて、前
記パターンそれぞれに対応した検知スイッチの変化を検
知して、撮影情報の設定を行なうように構成されたもの
がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例では、回転部材に、第１パターンと位相差をもった
第２のパターンおよび前記第１パターンと第２パターン
とが接続された接地パターンとを形成する構成となって
いた。すなわち、回転部材の径方向に３種類のパターン
を必要とするため、回転部材を小型化できない、あるい
は、第１パターンと第２パターンに位相差を形成する
際、パターンニングのわずらわしさや回転部材の１周当
りのパターン分割数を増せない等の欠点があった。

【０００４】さらに、回転部材の各基準位置まで回転さ
せていないにもかかわらず、カメラの設定値が変化して
しまう場合や、各基準位置に確実に保持しない場合等の
問題点もあった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、前記した従来
例における欠点や問題点を解決するものであって、その
発明の要旨とするところは、撮影者の手動により左右に
回転する回転部材に回転部材の軸上から放射状に回転部
材を複数分割するように形成されたパターンと、前記回
転部材の回転により、導通信号と非導通信号を出力する
２つのスイッチ手段と、前記複数分割されたパターンの
非導通部分で確実に停止し、基準位置とするような停止
保持手段と、を備えてなり、前記回転部材の基準位置か
らの回転により、前記２つのスイッチ手段のうちどちら
が先に導通状態になったかを検知して回転方向を判別
し、さらに回転部材の回転により前記２つのスイッチ手
段がいずれも非導通状態となったとき、始めてカメラの
設定値を前記回転方向判別に従って増減させるととも
に、前記回転部材が回転停止した場合には、前記停止保
持手段により必ず基準位置に停止するように構成したこ
とを特徴とするカメラの情報設定装置にある。

【０００６】

【作用】本発明のカメラの情報設定装置によれば、前記
回転部材の基準位置からの回転により、前記２つのスイ
ッチ手段のうちどちらが先に導通状態になったかを検知
して回転方向を判別し、さらに、回転部材の回転により
前記２つのスイッチ手段がいずれも非導通状態となった
とき、始めてカメラの設定値を前記回転方向判別に従っ
て増減させるとともに、前記回転部材が回転停止し、前
記２つのスイッチ手段がいずれも非導通状態となった後
には必ず基準位置に停止するように構成されているの
で、回転部材上のパターンが簡略化できるとともに、回
転部材の小型化、あるいは、１周当りのパターン分割数
を増すことができ、小回転角度での設定値変更が確実に
行なえる。

【０００７】さらに、回転部材の停止保持手段により、
次に操作されるまで回転部材のスタート位置を前記スイ
ッチ手段の非導通状態に確実に停止させておくことがで
き、不用意に回転することもなくなる。

【０００８】

【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の実施例を
詳述する。

【０００９】図１は本発明を実施したカメラ本体１およ
びレンズ２の上面図で、３は第１ストロークの押込みで
測光、測距等を行ない第２ストロークの押込みでレリー
ズ動作を行なわせるレリーズ釦、４はカメラの露出モー
ド等の変更を行なう為のモードダイヤル、５はカメラの
状態や設定値等を撮影者に知らせる表示器、６は表示器
５に表示された設定値等の変更を行なう本発明に係る設
定値変更装置（以下電子ダイヤルと記す）である。

【００１０】図２、図３は本発明に係る電子ダイヤルの
内部構造を示した詳細図である。

【００１１】図２には、ダイヤル６とともに回転するク
リック板１１が配置され、これにプリント基板７が固定
された態様が示されている。

【００１２】プリント基板７には、電子ダイヤル６の軸
中心から放射状にプリント基板７を複数分割するように
形成されたスイッチパターン８ａとＧＮＤパターン８ｂ
とが図示されるように配置され、３個の摺動接片９ａ
（ＳＷＤＩＡＬ−１）、９ｂ（ＳＷＤＩＡＬ−２）およ
び９ｃ（ＧＮＤ）を持つスイッチ接片９が固定部材１０
に固定されている。

【００１３】摺動接片９ａ，９ｂ，はプリント基板７上
のスイッチパターン８ａを検知するように配置され、通
常、電子ダイヤル６が回転停止している状態では、複数
の停止基準位置のうちの、ある点Ａに停止し、摺動接片
９ａ，９ｂ共に非導通となるＯＦＦ状態となっている。

【００１４】上記のＯＦＦ状態の停止位置保持は、図３
で示すように、Ａ点での停止を確実とするため、クリッ
ク板１１の外周部に形成されている凹部１１ａにはまり
こむクリックボール１２が配置され、このボールを付勢
しているコイルバネ１３が固定部材１４に保持されてい
る。クリック板１１の凹部１１ａはＡ点に対応した位置
に設けられ、これによって停止位置が保持される。

【００１５】以上のように形成されている電子ダイヤル
において、撮影者がダイヤルを図２において時計方向Ｂ
に１クリック回転させると、まず、摺動接片９ａがスイ
ッチパターン８ａに接触してＯＮ状態となり、ここで図
５に示す制御回路１５は、この信号により、まず回転方
向を判別し、設定値を増加させるものであると判断す
る。

【００１６】次に、摺動接片９ｂがスイッチパターン８
ａに接触しＯＮ状態となり、さらに回転していくと摺動
接片９ａがスイッチパターン８ａから離れて、ＯＦＦ状
態となり、その後、摺動接片９ｂがスイッチパターン８
ａから離れ、ＯＦＦ状態となる。この時点で始めて、制
御回路は設定値を増加方向へ変更し、その値を表示器で
表示させる。

【００１７】反時計方向への回転の場合は、摺動接片と
スイッチパターンとの関係が前記時計方向への回転の場
合と、ちょうど反対となり、同様のタイミングで回転方
向判別と、設定値の変更とを行なう。

【００１８】図４（ａ），（ｂ）はこの様子を示したタ
イミングチャートでダイヤルを回転させたときに摺動接
片９ａと９ｂに発生するパルス信号とそのタイミングを
示している。

【００１９】図４の（ａ）は、ダイヤルを時計方向に１
クリック回転させた場合を、図４の（ｂ）はダイヤルを
反時計方向に回転させた場合を示したもので、この信号
から、回転方向判別と設定値変更のタイミングとを検出
している。

【００２０】さらに、図３で示されるように、クリック
板１１によって、電子ダイヤルがＡからＡ’まで回転さ
れる間に回転操作が中断された時でも、基準位置、Ａや
Ａ’の位置に戻すように構成されているため、再度電子
ダイヤルを回転させる場合でも確実に基準位置からのス
タートができることとなる。もし、クリック板１１の凸
部で停止したとしても、摺動接片９ａおよび９ｂがいず
れもＯＦＦ状態となっていないため、設定値が変更され
るようなことはない。

【００２１】また、図３中、ＥおよびＤは、摺動接片９
ａと９ｂをある基準位置Ａ’点に対応させた時の停止位
置を示し、この位置からダイヤル回転により、スタート
することになる。

【００２２】図６は、従来の信号発生用のダイヤルの例
を示すものであり、この従来例では基板２０上にＧＮＤ
パターン２１ｃ、および信号検知用のリングパターン２
１ａと２１ｂの２本を配置し、これらの２本をＧＮＤパ
ターン２１ｃに接続する短絡部２１ｄから構成される導
体パターン２１を有しており、このリング状に形成され
た２１ａ，２１ｂ，２１ｃに対してそれぞれの円周上
に、不図示の摺動接片が接触され、ダイヤルの回転を検
知するようにしている。

【００２３】上記従来例の方式では、２種類のスイッチ
のために、２つのパターンを設けなければならないこと
を示している。また、図６中のＡは基準位置を示し、ダ
イヤルの回転により、本実施例と結果的に同様な信号が
発生するが、パターン２１をＡ位置に、停止させる機能
に対応した部材は、特に明示されていない。

【００２４】図７は本発明の他の実施例を示す図であ
る。これは、光学的にダイヤルの回転方向を検知し、設
定値を変更させる方式である。

【００２５】 図７の（ａ）はこの実施例のダイヤル
正面図で、回転体３２には、反射板３３が設置され、反
射型光センサー３０がスリット穴を設けた保持部材３１
に固定保持されている。

【００２６】 図７の（ｂ）は、ダイヤル部材を側面
から見た図を示し、回転体３２には、クリックボール３
４がはまりこむ凹部３２ａが設けられ、このボールを付
勢するコイルバネ３５が固定部材３６に保持されてい
る。

【００２７】 図７（ｃ）は保持部材３１をスリット
穴３７側から見た図である。このスリット穴は、ダイヤ
ルの多分割化への対応のためのものであり、摺動接片使
用時と同等の信号を精度よく得ることができる。

【００２８】図７に示す実施例の場合においても先に述
べた実施例の場合と同様に停止位置を確実に保持するこ
とができる。

【００２９】

【発明の効果】以上説明したように、回転部材上の信号
検知パターンを１種類で形成できるようにしたため、パ
ターンを簡略化できるとともに、回転部材の小型化、あ
るいは回転部材上の１周当りのパターン分割数を増す事
ができ小回転角度での設定値が確実に行なえる。

【００３０】さらに、回転部材の停止位置での保持を合
わせて、もっている為、次の操作まで回転部材のスター
ト位置を確実に停止させておくことができ、不用意に回
転することもなくせるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を実施したカメラの上面図

【図２】本発明に係るダイヤル装置の内部構造を示した
詳細図

【図３】本発明に係るダイヤル装置の内部構造を示した
詳細図

【図４】ダイヤル回転によるスイッチのタイミングチャ
ート

【図５】本発明に係る電気回路図

【図６】従来の実施例を示すダイヤルパターン図

【図７】本発明の他の実施例を示す図

【符号の説明】 １…カメラ本体 ３…レリーズ釦 ５…表示器 ６…電子ダイヤル ７…プリント基板 ８ａ…スイッチパ
ターン ９…摺動接片 １１…クリック板 １２…クリックボール １３…コイルバネ １５…制御回路 ３０…反射型光セ
ンサー ３７…スリット穴

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 撮影者の手動により左右に回転する回転
   部材に回転部材の軸上から放射状に回転部材を複数分割
   するように形成されたパターンと、前記回転部材の回転
   により、導通信号と非導通信号を出力する２つのスイッ
   チ手段と、前記複数分割されたパターンの非導通部分で
   確実に停止し、基準位置とするような停止保持手段と、
   を備えてなり、前記回転部材の基準位置からの回転によ
   り、前記２つのスイッチ手段のうちどちらが先に導通状
   態になったかを検知して回転方向を判別し、さらに回転
   部材の回転により前記２つのスイッチ手段がいずれも非
   導通状態となったとき、始めてカメラの設定値を前記回
   転方向判別に従って増減させるとともに、前記回転部材
   が回転停止した場合には、前記停止保持手段により必ず
   基準位置に停止するように構成したことを特徴とするカ
   メラの情報設定装置。