JPH07205454A - インクジェット記録装置および印字制御方法 - Google Patents

インクジェット記録装置および印字制御方法

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JPH07205454A
JPH07205454A JP166294A JP166294A JPH07205454A JP H07205454 A JPH07205454 A JP H07205454A JP 166294 A JP166294 A JP 166294A JP 166294 A JP166294 A JP 166294A JP H07205454 A JPH07205454 A JP H07205454A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ブラック・インクとカラー・インク間のカラ
ー画像の定着を向上し、画像形成時におけるブリーディ
ングを解決することにより鮮明な高品位カラー画像を得
ることができるインクジェット記録装置および印字制御
方法を提供する。 【構成】 各々が異色インクに対応する複数のノズルを
有する複数のノズルセット11〜14を互いに平行に配
列して構成する記録ヘッドを順次走査して記録するイン
クジェット記録装置であって、少なくとも1つの前記ノ
ズルセット14が被記録材の同一印字領域に対し、残り
の他の前記ノズルセット11〜13よりも少なくとも1
走査前に印字されるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェット記録装置
に関し、特に普通紙を使用するカラー・インクジェット
記録装置で有用なインク定着における印字制御方法に関
する。なお、ここで、記録とは、布、糸、紙、シート材
等のインク付与を受けるインク支持体全てへのインク付
与等(プリント)を含むもので、記録装置は、各種情報
処理装置全てあるいはその出力器としてのプリンタを含
むものであり、本発明はこれらへの用途が可能なもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェット記録装置の中でも
特にカラー・インクジェット記録装置において、カラー
画像を形成する際、複数色のインクを順次的に重ね打ち
するために、色境界部でインク相互間のにじみ(ブリー
ディング)、および多量のインクの打込みによる記録材
のしわ(コックリング)の発生などの問題が発生した。
【0003】こうした問題を解決するために、従来のカ
ラー・プリンタではインクの定着を向上させるために、
紙の表面をコーティングすることによりインクの吸収特
性を改善した専用のコート紙を使用することを指定した
り、あるいは電熱線を利用した定着器を使用することに
より、強制的にインクの定着を促進するなどの方法が取
られてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
方法すなわち専用のコート紙の利用はコート紙のコスト
が高価である、あるいはコート紙と言った特殊紙である
ためユーザが限定されてしまうなどの欠点を有する。ま
た、後者の定着器の利用は電熱線を利用することにより
相当な電力(通常数百ワット程度)を消費する、および
電熱線ヒータ上を記録材が通過するために火炎に対する
安全性の保証が困難であるなどの欠点が指摘される。
【0005】また、専用のコート紙や定着器の使用を不
要とするために、インクにアセチレノールなどの非イオ
ン系の界面活性剤を添加し、インクの紙に対する浸透性
を促進させる方法も採用されている。ところが一般に界
面活性剤をインクに添加すると、紙への浸透性は促進さ
れ、カラー画像などの多色インクの重ね打ちによるブリ
ーディングなどは回避される反面、OD値が低下し、特
にブラック・インクに関しては黒文字の品位が低下する
と言った欠点が生じる。従って、従来、カラー記録を行
いつつ、かつ高品位の黒文字を提供することは困難であ
る。
【0006】本発明はこのような事情に鑑み、ブラック
・インクとカラー・インク間のカラー画像の定着を向上
し、画像形成時におけるブリーディングを解決すること
により鮮明な高品位カラー画像を得ることができるイン
クジェット記録装置および印字制御方法を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の第1のインクジェット記録装置は、各々が異色イン
クに対応する複数のノズルを有する複数のノズルセット
を互いに平行に配列して構成する記録ヘッドを順次走査
して記録するインクジェット記録装置であって、少なく
とも1つの前記ノズルセットの一部、または全部が被記
録材の同一印字領域に対し、残りの他の前記ノズルセッ
トよりも少なくとも1走査前に印字されることを特徴と
する。
【0008】本発明の第2のインクジェット記録装置
は、第1のインクジェット記録装置において、前記少な
くとも1つのノズルセットがブラック・インクに対応す
ることを特徴とする。
【0009】本発明の第3のインクジェット記録装置に
おいて、第1のインクジェット記録装置において、前記
少なくとも1つのノズルセットがブラック・インクに対
応し、他の並列に配置されたノズルセットがイエロー、
マゼンタおよびシアンに対応することを特徴とする。
【0010】本発明の第4のインクジェット記録装置に
おいて、第1〜3の何れかのインクジェット記録装置に
おいて、前記記録ヘッドは、前記エネルギ発生素子とし
て、前記インクに膜沸騰を生じさせる熱エネルギを発生
する電気熱変換体を有することを特徴とする。
【0011】本発明の第1の印字制御方法は、各々が異
色インクに対応する複数のノズルを有する複数のノズル
セットを互いに平行に配列して構成する記録ヘッドを順
次走査して記録するインクジェット印字制御方法であっ
て、少なくとも1つの前記ノズルセットの一部、または
全部が被記録材の同一印字領域に対し、残りの他の前記
ノズルセットよりも少なくとも1走査前に印字されるこ
とを特徴とする。
【0012】本発明の第2の印字制御方法は、第1の印
字制御方法において、前記少なくとも1つのノズルセッ
トがブラック・インクに対応し、他の並列に配置された
ノズルセットがイエロー、マゼンタおよびシアンに対応
することを特徴とする。
【0013】本発明のインクジェット記録装置では、最
初の記録ヘッド走査でブラックに対応する記録ヘッドで
黒画像を形成し、次の走査でカラー画像を形成すること
によってブラック・インクが記録されてからカラー・イ
ンクが記録されるまでのタイミングに時間差を設けるよ
うな記録ヘッドの配置構成を具備する。
【0014】
【作用】本発明では、特にブラック・インクの定着に焦
点を当てている。この理由は、プリンタでは黒文字の品
位が製品仕様としては絶対的なものであり、濃度薄,ブ
リーディングなどの問題が生じないインクを選択する必
要がある。インクの成分としては、尿素,染料,水、お
よびグリセリン,チオジエチレングリコール,イソプロ
ピルアルコールなどの有機溶剤が含まれるが、特にYM
Cのカラー・インクでは、紙への浸透性を促進させるた
めにアセチレノールなどの非イオン系の界面活性剤を添
加する。ところが前述のように界面活性剤を添加すると
紙への浸透性は促進され、カラー画像などの多色インク
の重ね打ちによるブリーディングなどは回避される反
面、OD値が低下すると言った欠点が生じる。従って、
カラー・プリンタであり、かつ黒文字の品位をモノクロ
・プリンタ同様に高く維持するためには、YMCのカラ
ー・インクには界面活性剤を添加可能であるが、ブラッ
ク・インクにはこれを添加することはできない。こうし
たインクの組合せにより、本発明による構成の記録ヘッ
ドを使用しカラー画像を印字する場合、最初にブラック
に相当する画素が打たれ、続いて紙送りに伴い、例えば
C→M→Yの順序で画素が打たれる。ここでブラック・
インクが打込まれてからこの領域に次にシアン・インク
が打ち込まれるまでの時間経過の間に、ブラック・イン
クが完全に定着していれば問題は生じないが、そうでな
い場合には例えばシアンを背景とする領域に黒文字のタ
イトルなどが存在する場合を考えると、当然ながらブラ
ックとシアンの両インクの境界部分でブリーディングが
発生する。実際に、本実施例で使用した界面活性剤が含
まれないブラック・インクが乾燥するまでに、少なくと
も数10秒を要した。従って、後述するような本発明の
記録ヘッドの配置構成での印字制御方法によりブラック
・インクが打ち込まれてから次のカラー・インクが打ち
込まれるまでの時間を十分とることによって、ブラック
・インクが定着するまでの時間をかせぐことができるた
め有効である。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0016】(第1の実施例)図1は本発明の一実施例
に係るインクジェット装置を示す斜視図であり、図2は
そのインクジェット記録ヘッドのノズル構成を示す図、
図3は図1の側面図である。また、図4は図2のヘッド
を走査して印字するときの、パス回数と記録材との位置
的相関を示す。
【0017】図1に示すように、本実施例ではカラー・
プリンタを構成し、このプリンタ装置はカラー・インク
・カートリッジ10およびブラック・インク・カートリ
ッジ11を要し、これらのカートリッジ10および11
は、キャリッジ1に搭載されてガイド軸4および5に沿
って移動走査される。キャリッジ1はキャリッジ・モー
タ(以降CRモータと称す)(不図示)により動力を得
る。記録用紙6は印字動作の最初に紙送りローラ8およ
び紙押えローラ9により給紙され、その後キャリッジ1
の動作に連動して、矢印B方向に一定距離ずつ断続的に
搬送される。また、排紙側には排紙コロ7が設けられ、
紙の搬送経路を安全に維持する。こうした動作はライン
・フィード・モータ(以降LFモータと称す)(不図
示)により達成される。記録ヘッド2は図2に示すよう
にイエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブ
ラック(Bk)の各記録ヘッドが配置されており、各記
録ヘッドは64ノズルで構成される。本実施例の各記録
ヘッドに設けられたノズルのピッチは4色共に360d
pi(dot per inch)であり、従って前述
の記録用紙の搬送は、カラー印字の場合には64ノズル
相当すなわち0.178インチ(4.52mm)ずつ行
われる。
【0018】図1を側面から見た構成を示す図3での同
一番号は前述の説明と同一対象を示す。図から明らかな
ように、記録紙6は最初にブラック・ノズルにより印字
され、次に紙送りローラ8により64ノズル相当分の距
離搬送される。こうしてブラックが前回印字された領域
には今度はシアンが印字され、後は同様にマゼンタおよ
びイエローの順でインクが重ね打ちされる。
【0019】本発明によれば上述のシーケンスにおい
て、定着性の悪いブラック・インクが打たれてからカラ
ー・インクが打たれるまでにブラック・インクの乾燥が
促される。このようして、シアン・インクが打たれる時
には既にブラック・インクは乾燥しており、両インク間
のブリーディングの発生が防止される。また、シアン,
マゼンタ,イエロー間のブリーディングの懸念について
は、これらのインクは前述のように界面活性剤が添加さ
れているために記録紙への浸透性が良好であるため、不
要である。
【0020】図4は本発明の図2に示す記録ヘッドによ
るカラー画像の印字方法を説明するための模式図であ
り、本図を参照して本発明の印字シーケンスを詳細、か
つ具体的に説明する。図中、1スキャン,2スキャン,
…は図1においてヘッドの被記録材に対する幅方向の走
査(本発明ではこれを主走査と称する)を番号付けした
ものであり、毎パスごとに被記録材は64ノズル分すな
わち本実施例では0.178インチずつ紙送りされる。
【0021】まず、1スキャン目において、キャリッジ
が主走査方向に移動することによりBkヘッドよりイン
クが被記録材に吐出され64ノズル分のBk成分のみの
画像が印字される。1ライン分の画像形成が終わるとキ
ャリッジは逆方向に移動し次の印字に備える。同時に被
記録材はLFモータにより紙送り方向(本発明ではこれ
を副走査と称する)に64ノズル分紙送りされる。紙送
りが終わるとキャリッジが主走査方向に移動することに
よって2スキャン目の印字が行われる。2スキャン目の
印字においてBkヘッドは1スキャン目で印字した次の
64ノズル分への印字を行う。同時にシアン,マゼン
タ,イエローの各ヘッドからは1スキャン目でBk成分
の画像が形成された領域へのカラー成分の印字が行われ
カラー画像の形成が完了する。ここでシアン,マゼン
タ,イエローの各インクが吐出される領域にはすでにB
kインクが吐出されているわけであるが本発明では、記
録ヘッドの位置を図2に示すような構成にすることによ
ってBkインクとカラー・インクの被記録材への吐出タ
イミングに時間差をおいて印字を行うことが可能であ
る。以後、3スキャン目以降も2スキャン目と同様の印
字を行う。画像下端部においてはBkヘッドからのイン
クの吐出は行わずカラーインクのみを吐出することによ
って印字を完了する。
【0022】以上のことから本発明においてはカラー画
像形成時にBkインクとカラー・インクを吐出するタイ
ミングに時間差をもたせることによってBkインクとカ
ラー・インクの色境界部でのブリーディングを防止する
ことが可能であり、鮮明なカラー画像を得ることが可能
である。
【0023】さらに、本実施例では、モノクロ画像ある
いはテキストとカラー画像が混在するような場合におい
て、次に印字する64ラスタに対応して、Y,M,C共
にデータが存在しない場合(すなわちデータが全て0の
場合)、Bkの64ノズル全てを使用して1主走査印字
を行い、その後64ノズル分の紙送りを行う。すなわ
ち、モノクロ印字の場合と同じ印字動作となり、カラー
およびモノクロ混在画像に対する記録スピードの高速化
を実現する。
【0024】(第2の実施例)図5は、図1のインクジ
ェット記録装置で使用するインクジェット記録ヘッドの
他のノズル構成を示す図であり、図7は図5のヘッドを
走査して印字するときの、パス回数と記録材との位置的
相関を示す。
【0025】記録ヘッド2は図5に示すようにイエロー
(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック
(K)の各記録ヘッドが配置されており各記録ヘッドは
カラー64ノズル、Bk128ノズルで構成される。本
実施例の各記録ヘッドに設けられたノズルのピッチは4
色共に360dpi(dot per inch)であ
り、従って前述の記録用紙の搬送は、カラー印字の場合
には64ノズル相当すなわち0.178インチ(4.5
2mm)ずつ行われる。
【0026】図6は本実施例のヘッドを搭載した図1の
記録装置を側面から見た構成を示し、同一番号は前述の
説明と同一対象を示す。図から明らかなように、記録紙
6は最初にブラック・インクの#1〜#64により本来
印字すべき記録データの半分がドラフト印字(千鳥パタ
ーンで印字)され、次に紙送りローラ8により64ノズ
ル相当分の距離搬送される。こうしてブラックが前回印
字された領域には今度はシアンが印字され、後は同様に
マゼンタおよびイエローの順でカラーインクが重ね打ち
される。その後ブラック・ノズルの#65〜#128に
より残りの記録データを印字しカラー画像の形成を行
う。
【0027】本発明によれば上述のシーケンスにおい
て、定着性の悪いブラック・インクの被記録材へのイン
ク吐出量を2回に分割して打ち込むことによりブラック
・インクの乾燥を促す。このようして、シアン・インク
が打たれる時には既にブラック・インクは乾燥してお
り、カラー・インクとブラック・インクが同時に打たれ
る場合においてもブラック・インクの打ち込み量を抑え
ることによって、両インク間のブリーディングの発生が
防止される。また、シアン,マゼンタ,イエロー間のブ
リーディングの懸念については、これらのインクは前述
のように界面活性剤が添加されているために記録紙への
浸透性が良好であるため、不要である。
【0028】図7は本発明の図5に示す記録ヘッドによ
るカラー画像の印字方法を説明するための模式図であ
り、本図を参照して本発明の印字シーケンスを詳細、か
つ具体的に説明する。図中、1スキャン,2スキャン,
…は図1においてヘッドの被記録材に対する幅方向の走
査(本発明ではこれを主走査と称する)を番号付けした
ものであり、毎パスごとに被記録材は64ノズル分すな
わち本実施例では0.178インチずつ紙送りされる。
【0029】まず1スキャン目において、キャリッジが
主走査方向に移動することによりBkヘッドの#1〜#
64のノズルより本来印字すべきBkデータ半分のデー
タが被記録材に吐出され64ノズル分のBk成分のみの
ハーフ画像が印字される。1ライン分の画像形成が終わ
るとキャリッジは逆方向に移動し次の印字に備える。同
時に被記録材はLFモータによる紙送り方向(本発明で
はこれを副走査と称する)に64ノズル分紙送りされ
る。紙送りが終わるとキャリッジが主走査方向に移動す
ることによって2スキャン目の印字が行われる。2スキ
ャン目の印字は1スキャン目と同様にBkヘッドよりイ
ンクを1スキャン目で印字した次の64ノズル分に吐出
することによって印字を行う。同時にシアン,マゼン
タ,イエローの各ヘッドからは1スキャン目でBk成分
のハーフ画像が形成された領域へのカラー・インクの印
字が行われ続けてBkヘッドの#65〜#128のノズ
ルから残りのBkデータが印字されることによってカラ
ー画像の形成が完了する。ここでシアン,マゼンタ,イ
エローの各インクが吐出される領域には既にBkインク
が吐出されているわけであるが、本発明では、記録ヘッ
ドを図5に示すような構成にすることによってBkイン
クとカラー・インクの被記録材への吐出タイミングに時
間差を設けBk成分の印字データを2回に分割して印字
を行うことが可能である。以後、3スキャン目以降も2
スキャン目と同様の印字を行う。画像下端部においては
Bkヘッド#1〜#64のノズルからのインクの吐出は
行わずシアンヘッド,マゼンタヘッド,イエローヘッド
からのカラー・インクとBkヘッド#65〜#128ノ
ズルからBkインクを吐出することによって印字を完了
する。
【0030】以上のことから本発明においてはカラー画
像形成時にBkインクとカラー・インクを吐出するタイ
ミングに時間差を持たせ、本来印字すべきBkデータを
2回に分割して印字を行うことによってBkインクとカ
ラー・インクの色境界部でのブリーディングを防止する
ことが可能であり、鮮明なカラー画像を得ることが可能
である。
【0031】さらに、本実施例では、モノクロ画像ある
いはテキストとカラー画像が混在するような場合におい
て、次に印字する64ラスタに対応して、Y,M,C共
にデータが存在しない場合(すなわちデータが全て0の
場合)、Bkの128ノズル全てを使用して1主走査印
字を行い、その後128ノズル分の紙送りを行う。すな
わち、モノクロ印字の場合と同じ印字動作となり、カラ
ーおよびモノクロ混在画像に対する記録スピードの高速
化を実現する。
【0032】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0033】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0034】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0035】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0036】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0037】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0038】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、記録色や濃度を異にする複数のインク
に対応して複数個数設けられるものであってもよい。す
なわち、例えば記録装置の記録モードとしては黒色等の
主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一
体的に構成するか複数個の組み合わせによるかいずれで
もよいが、異なる色の複色カラー、または混色によるフ
ルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備えた装置
にも本発明は極めて有効である。
【0039】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0040】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
最初の記録ヘッド走査でブラックに対応する記録ヘッド
で黒画像を形成し、次の走査でカラー画像を形成するこ
とによってブラック・インクが記録されてからカラー・
インクが記録されるまでのタイミングに時間差を設ける
ような記録ヘッドの配置構成、およびブラックデータを
複数に分割して黒画像を形成することによって、ブラッ
ク・インクとカラー・インク間でのカラー画像の定着を
向上し、画像形成時におけるブリーディングを解決する
ことにより普通紙における鮮明な高品位なカラー画像を
得ることができる印字制御方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るインクジェット記録装
置の斜視図である。
【図2】第1の実施例で使用したインクジェット記録ヘ
ッドの構成図である。
【図3】記録紙と第1の実施例で使用したインクジェッ
ト記録ヘッドとの位置関係を示す図である。
【図4】図2の記録ヘッドによるカラー印字方法を説明
するための図である。
【図5】第2の実施例で使用したインクジェット記録ヘ
ッドの構成図である。
【図6】記録紙と第2の実施例で使用したインクジェッ
ト記録ヘッドとの位置関係を示す図である。
【図7】図5の記録ヘッドによるカラー印字方法を説明
するための図である。
【符号の説明】
1 キャリッジ 2 印字ヘッド 3 カートリッジガイド 4,5 ガイド軸 6 記録用紙 7 配紙コロ 8 紙送りローラ 9 紙押さえ板 10 カラーカートリッジ 11 ブラックカートリッジ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各々が異色インクに対応する複数のノズ
    ルを有する複数のノズルセットを互いに平行に配列して
    構成する記録ヘッドを順次走査して記録するインクジェ
    ット記録装置であって、少なくとも1つの前記ノズルセ
    ットの一部、または全部が被記録材の同一印字領域に対
    し、残りの他の前記ノズルセットよりも少なくとも1走
    査前に印字されることを特徴とするインクジェット記録
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のインクジェット記録装置
    において、前記少なくとも1つのノズルセットがブラッ
    ク・インクに対応することを特徴とするインクジェット
    記録装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のインクジェット記録装置
    において、前記少なくとも1つのノズルセットがブラッ
    ク・インクに対応し、他の並列に配置されたノズルセッ
    トがイエロー、マゼンタおよびシアンに対応することを
    特徴とするインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れかに記載のインクジ
    ェット記録装置において、前記記録ヘッドは、前記エネ
    ルギ発生素子として、前記インクに膜沸騰を生じさせる
    熱エネルギを発生する電気熱変換体を有することを特徴
    とするインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 各々が異色インクに対応する複数のノズ
    ルを有する複数のノズルセットを互いに平行に配列して
    構成する記録ヘッドを順次走査して記録するインクジェ
    ット印字制御方法であって、少なくとも1つの前記ノズ
    ルセットの一部、または全部が被記録材の同一印字領域
    に対し、残りの他の前記ノズルセットよりも少なくとも
    1走査前に印字されることを特徴とする印字制御方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の印字制御方法において、
    前記少なくとも1つのノズルセットがブラック・インク
    に対応し、他の並列に配置されたノズルセットがイエロ
    ー、マゼンタおよびシアンに対応することを特徴とする
    印字制御方法。
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