JPH07204477A - 気体分離膜の製造方法 - Google Patents
気体分離膜の製造方法Info
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- JPH07204477A JPH07204477A JP415294A JP415294A JPH07204477A JP H07204477 A JPH07204477 A JP H07204477A JP 415294 A JP415294 A JP 415294A JP 415294 A JP415294 A JP 415294A JP H07204477 A JPH07204477 A JP H07204477A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 混合気体の分離濃縮に用いる、膜厚方向に非
対称組織を有する有機高分子体による気体分離膜の製造
方法を提供する。 【構成】 主溶剤と添加剤からなる溶剤系に、有機高分
子体を溶解させた製膜用原液5を、支持基材2の上に塗
布した後、塗布層の表面を主溶剤及び添加剤の沸点以上
の温度に保持された高温体6に接触させて、塗布層の表
層部分の主溶剤及び添加剤を蒸発させる。その後、直ち
に、凝固溶液8中に、支持基材2とともに浸漬すること
によって、支持基材2の上に、有機高分子体の膜を生成
させる。 【効果】 緻密な有機高分子体の薄膜の生成が可能とな
り、選択分離性、ガス透過性、及び、機械的強度を合わ
せ持つ気体分離膜が製造できる。本発明によって、主溶
剤として、従来のハロゲン化炭化水素に代わって、比較
的、毒性の低い有機溶媒の使用が可能となった。
対称組織を有する有機高分子体による気体分離膜の製造
方法を提供する。 【構成】 主溶剤と添加剤からなる溶剤系に、有機高分
子体を溶解させた製膜用原液5を、支持基材2の上に塗
布した後、塗布層の表面を主溶剤及び添加剤の沸点以上
の温度に保持された高温体6に接触させて、塗布層の表
層部分の主溶剤及び添加剤を蒸発させる。その後、直ち
に、凝固溶液8中に、支持基材2とともに浸漬すること
によって、支持基材2の上に、有機高分子体の膜を生成
させる。 【効果】 緻密な有機高分子体の薄膜の生成が可能とな
り、選択分離性、ガス透過性、及び、機械的強度を合わ
せ持つ気体分離膜が製造できる。本発明によって、主溶
剤として、従来のハロゲン化炭化水素に代わって、比較
的、毒性の低い有機溶媒の使用が可能となった。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、混合気体の分離濃縮に
用いる気体分離膜の製造方法に関する。
用いる気体分離膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】有機高分子体を用いた気体分離膜につい
ては、長年、研究が進められ、種々のものが提案されて
いる。それらの中で、特に、ポリエーテルスルフォンを
用いた気体分離膜は、天然ガスから二酸化炭素を分離す
る選択分離性能に優れ、産業上の要求が高く、その実用
化が希求されている。
ては、長年、研究が進められ、種々のものが提案されて
いる。それらの中で、特に、ポリエーテルスルフォンを
用いた気体分離膜は、天然ガスから二酸化炭素を分離す
る選択分離性能に優れ、産業上の要求が高く、その実用
化が希求されている。
【0003】気体分離膜に対しては、天然ガス等の混合
気体から、目的のガス成分(例えば二酸化炭素)を選択
的に分離する機能と、効率良く目的のガス成分を透過す
る機能が大きいことが要求される。即ち、選択分離性能
と透過性能が共に高いことが重要である。
気体から、目的のガス成分(例えば二酸化炭素)を選択
的に分離する機能と、効率良く目的のガス成分を透過す
る機能が大きいことが要求される。即ち、選択分離性能
と透過性能が共に高いことが重要である。
【0004】一般に、均質の膜の場合、気体の透過性能
は膜厚に反比例する。従って気体分離膜の製造に当たっ
ては、いかに薄く、かつ緻密な膜を生成するかが重要な
課題となるが、他方、膜厚の減少に伴い機械的強度が低
下するので、実用化可能な膜厚には限界がある。
は膜厚に反比例する。従って気体分離膜の製造に当たっ
ては、いかに薄く、かつ緻密な膜を生成するかが重要な
課題となるが、他方、膜厚の減少に伴い機械的強度が低
下するので、実用化可能な膜厚には限界がある。
【0005】このため,膜の構造を複合化して、選択分
離性能に加えて透過性能と機械的強度を両立させる試み
が、提案されている。その一例として、有機高分子体の
薄膜を多孔質体からなるシート状の支持基材の上に積層
する方法がある(例えば,特開昭56−92926号公
報、特開昭63−296822号公報)。しかし、薄膜
を製造して、それを支持基材上に積層することは容易で
はなく、また、支持基材との接着により極薄膜の透過性
能が阻害される恐れもある。
離性能に加えて透過性能と機械的強度を両立させる試み
が、提案されている。その一例として、有機高分子体の
薄膜を多孔質体からなるシート状の支持基材の上に積層
する方法がある(例えば,特開昭56−92926号公
報、特開昭63−296822号公報)。しかし、薄膜
を製造して、それを支持基材上に積層することは容易で
はなく、また、支持基材との接着により極薄膜の透過性
能が阻害される恐れもある。
【0006】さらに、この問題を解決する方法として、
有機高分子体の膜自体に、高い選択分離性能を有する極
く薄い緻密層と、比較的厚く、機械的強度と透過性能を
合わせ持つ多孔質層の2層を一体的に生成させた、いわ
ゆる非対称分離膜が発表されている。
有機高分子体の膜自体に、高い選択分離性能を有する極
く薄い緻密層と、比較的厚く、機械的強度と透過性能を
合わせ持つ多孔質層の2層を一体的に生成させた、いわ
ゆる非対称分離膜が発表されている。
【0007】この様な非対称分離膜は以下の様に製造さ
れる。製膜用原液として、膜本体を形成する有機高分子
体、有機高分子体を溶解する主溶剤、及び有機高分子体
を実質的に溶解しない添加剤を混合した溶液を調製す
る。この製膜用原液をガラスあるいは不織布等の支持基
材の上に延展塗布した後、短時間、放置する。この間
に、塗布された製膜用原液の表層から主溶剤及び添加剤
が蒸発して、表層に極く薄い緻密層が生成した段階で、
塗布膜を支持基材と共に凝固溶剤の中に浸漬する。な
お、この凝固溶剤は主溶剤及び添加剤のいずれに対して
も相溶性を有する液体である。
れる。製膜用原液として、膜本体を形成する有機高分子
体、有機高分子体を溶解する主溶剤、及び有機高分子体
を実質的に溶解しない添加剤を混合した溶液を調製す
る。この製膜用原液をガラスあるいは不織布等の支持基
材の上に延展塗布した後、短時間、放置する。この間
に、塗布された製膜用原液の表層から主溶剤及び添加剤
が蒸発して、表層に極く薄い緻密層が生成した段階で、
塗布膜を支持基材と共に凝固溶剤の中に浸漬する。な
お、この凝固溶剤は主溶剤及び添加剤のいずれに対して
も相溶性を有する液体である。
【0008】凝固溶剤の中に浸漬することによって、塗
布膜の表層下に残存している添加剤及び主溶剤が凝固溶
液中に溶出して,スポンジ状あるいは柱状の多孔質組織
(層)が、塗布膜の表層下に形成される。
布膜の表層下に残存している添加剤及び主溶剤が凝固溶
液中に溶出して,スポンジ状あるいは柱状の多孔質組織
(層)が、塗布膜の表層下に形成される。
【0009】以上の様にして、片側の表面のみに緻密層
を有し、この緻密層が同一の有機高分子体の多孔質層で
一体的に支持された、(膜厚方向に)非対称組織を有す
る有機高分子体の気体分離膜が形成される。
を有し、この緻密層が同一の有機高分子体の多孔質層で
一体的に支持された、(膜厚方向に)非対称組織を有す
る有機高分子体の気体分離膜が形成される。
【0010】以上の製膜方法においては、良好な非対称
組織を得るためには、支持基材に延展塗布された製膜用
原液の表面から、短時間に主溶剤等を蒸発させて、塗布
層の表層部分のみに極く薄い緻密層を生成させることが
重要な課題となっている。
組織を得るためには、支持基材に延展塗布された製膜用
原液の表面から、短時間に主溶剤等を蒸発させて、塗布
層の表層部分のみに極く薄い緻密層を生成させることが
重要な課題となっている。
【0011】このため、遠赤外線を照射して表層部分か
ら主溶剤を蒸発させる方法(特開昭58−36617号
公報)、あるいは、主溶剤として沸点が非常に低く、大
きな蒸発速度が期待できるジクロロメタンあるいは1,
1,2−トリクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素を
使用して、短時間、空気中に放置することで、表層部分
から溶剤を蒸発させる方法(特開昭62−014916
号公報)等が提案されている。
ら主溶剤を蒸発させる方法(特開昭58−36617号
公報)、あるいは、主溶剤として沸点が非常に低く、大
きな蒸発速度が期待できるジクロロメタンあるいは1,
1,2−トリクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素を
使用して、短時間、空気中に放置することで、表層部分
から溶剤を蒸発させる方法(特開昭62−014916
号公報)等が提案されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、遠赤外
線を照射する方法では、十分な入熱速度の確保と精密な
温度の制御を両立させることが容易ではない。また、低
沸点のハロゲン化炭化水素溶剤を使用する方法は、良好
な選択分離性能を備えた非対称組織の気体分離膜を製造
する方法として、有力な方法ではあるが、近年、これら
の溶剤の毒性が問題となっており、環境上、その工業的
使用が困難となっている。本発明の目的は、毒性の少な
い溶剤を使用して、極く薄い緻密層を有する非対称組織
の気体分離膜を安定的に製造する方法を提供するもので
ある。
線を照射する方法では、十分な入熱速度の確保と精密な
温度の制御を両立させることが容易ではない。また、低
沸点のハロゲン化炭化水素溶剤を使用する方法は、良好
な選択分離性能を備えた非対称組織の気体分離膜を製造
する方法として、有力な方法ではあるが、近年、これら
の溶剤の毒性が問題となっており、環境上、その工業的
使用が困難となっている。本発明の目的は、毒性の少な
い溶剤を使用して、極く薄い緻密層を有する非対称組織
の気体分離膜を安定的に製造する方法を提供するもので
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段及び作用】有機高分子体
を、有機高分子体を溶解する主溶剤、及び、主溶剤に対
して相溶性を有し、かつ、有機高分子体を実質的に溶解
しない添加剤からなる溶剤系に溶解させて、製膜用原液
を作成する。
を、有機高分子体を溶解する主溶剤、及び、主溶剤に対
して相溶性を有し、かつ、有機高分子体を実質的に溶解
しない添加剤からなる溶剤系に溶解させて、製膜用原液
を作成する。
【0014】この製膜用原液を、支持基材上に均一に塗
布した後、その塗布層の表面を、主溶剤及び添加剤の沸
点以上の温度に保持された高温体に短時間、接触させ
る。これによって、塗布層の表層部分のみから主溶剤及
び添加剤を蒸発させて、塗布層の表層部分に高分子体の
緻密な薄膜を生成させる。
布した後、その塗布層の表面を、主溶剤及び添加剤の沸
点以上の温度に保持された高温体に短時間、接触させ
る。これによって、塗布層の表層部分のみから主溶剤及
び添加剤を蒸発させて、塗布層の表層部分に高分子体の
緻密な薄膜を生成させる。
【0015】その後、直ちに、主溶剤及び添加剤のいず
れに対しても相溶性を有する凝固溶剤の中に、前記支持
基材とともに浸漬する。これによって、塗布層の表層下
に残存している主溶剤および添加剤が凝固溶剤の中に溶
出して、表層下の高分子体の凝固が進行する、この際、
主溶剤及び添加剤が溶出した経路が柱状あるいはスポン
ジ状の空孔として残り、多孔質組織が形成される。
れに対しても相溶性を有する凝固溶剤の中に、前記支持
基材とともに浸漬する。これによって、塗布層の表層下
に残存している主溶剤および添加剤が凝固溶剤の中に溶
出して、表層下の高分子体の凝固が進行する、この際、
主溶剤及び添加剤が溶出した経路が柱状あるいはスポン
ジ状の空孔として残り、多孔質組織が形成される。
【0016】以上の様にして、前記支持基材の上に、膜
厚方向に非対称組織を有する有機高分子体の膜が形成さ
れる。この膜を支持基材から剥離の後、乾燥して、ある
いは通気性のある支持基材を用いた場合は、支持基材に
積層したままで乾燥して、気体分離膜を得る。
厚方向に非対称組織を有する有機高分子体の膜が形成さ
れる。この膜を支持基材から剥離の後、乾燥して、ある
いは通気性のある支持基材を用いた場合は、支持基材に
積層したままで乾燥して、気体分離膜を得る。
【0017】なお、上記の有機高分子体としては、ポリ
エーテルスルフォンが好適であるが、この他に、例え
ば、ポリスルフォン、ポリアミド、ポリイミド、酢酸セ
ルロース、ポリアクリルニトリル等が使用できる。
エーテルスルフォンが好適であるが、この他に、例え
ば、ポリスルフォン、ポリアミド、ポリイミド、酢酸セ
ルロース、ポリアクリルニトリル等が使用できる。
【0018】有機高分子体を溶解する主溶剤としては、
例えば、ジメチルフォルムアミド、メチルエチルケト
ン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N−メチル−2
−ピロリドン、ジメチルアセトアミド等の有機溶剤、あ
るいはこれらの二種以上の混合物が使用できる。有機高
分子体の配合量は主溶剤の10〜80%である。
例えば、ジメチルフォルムアミド、メチルエチルケト
ン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N−メチル−2
−ピロリドン、ジメチルアセトアミド等の有機溶剤、あ
るいはこれらの二種以上の混合物が使用できる。有機高
分子体の配合量は主溶剤の10〜80%である。
【0019】主溶剤に溶解し、かつ、有機高分子体を実
質的に溶解しない添加剤としては、、例えば、有機高分
子体としてポリエーテルスルフォンを使用した場合に
は、蟻酸、酢酸等のカルボン酸類、プロパノール、ブタ
ノール等の脂肪族アルコール、シクロヘキサノール等の
環状アルコール、キシレン、トルエン等のアルキルベン
ゼン類等、あるいはこれらの二種以上の混合物が使用で
きる。添加剤の配合量は、主溶剤の3〜80%が用いら
れるが、添加剤の増加に従って、前記の緻密層が薄くな
る傾向があるので、製膜用原液中での有機高分子体の分
散状態が均一に保たれる限度内で、でき限り添加量は多
めに設定する。
質的に溶解しない添加剤としては、、例えば、有機高分
子体としてポリエーテルスルフォンを使用した場合に
は、蟻酸、酢酸等のカルボン酸類、プロパノール、ブタ
ノール等の脂肪族アルコール、シクロヘキサノール等の
環状アルコール、キシレン、トルエン等のアルキルベン
ゼン類等、あるいはこれらの二種以上の混合物が使用で
きる。添加剤の配合量は、主溶剤の3〜80%が用いら
れるが、添加剤の増加に従って、前記の緻密層が薄くな
る傾向があるので、製膜用原液中での有機高分子体の分
散状態が均一に保たれる限度内で、でき限り添加量は多
めに設定する。
【0020】凝固溶剤としては、添加剤に対して強い相
溶性を有し,主溶剤に対しても相溶性を有し、かつ、有
機高分子体を実質上溶解しない溶剤が用いられる。例え
ば、有機高分子体としてポリエーテルスルフォンを使用
し、主溶剤としてジメチルフォルムアミド、添加剤とし
てプロパノールを使用する場合には、凝固溶剤として水
が使用される。
溶性を有し,主溶剤に対しても相溶性を有し、かつ、有
機高分子体を実質上溶解しない溶剤が用いられる。例え
ば、有機高分子体としてポリエーテルスルフォンを使用
し、主溶剤としてジメチルフォルムアミド、添加剤とし
てプロパノールを使用する場合には、凝固溶剤として水
が使用される。
【0021】支持基材としては、一般的にはガラス板が
用いられるが、連続的に製膜を行うプロセスに適用する
場合には、ステンレス、アルミニウム、テフロン等、表
面が平滑な薄板を用いる。さらに、ポリエステルの不織
布等のシート状繊維を用いることも可能である。
用いられるが、連続的に製膜を行うプロセスに適用する
場合には、ステンレス、アルミニウム、テフロン等、表
面が平滑な薄板を用いる。さらに、ポリエステルの不織
布等のシート状繊維を用いることも可能である。
【0022】有機高分子体を主溶剤及び添加剤からなる
溶剤系に溶解させた製膜用原液の、支持基材への塗布量
としては、生成される高分子体の分離膜の合計の膜厚が
20〜300μm、望ましくは50〜150μmとなる
様に選択される。
溶剤系に溶解させた製膜用原液の、支持基材への塗布量
としては、生成される高分子体の分離膜の合計の膜厚が
20〜300μm、望ましくは50〜150μmとなる
様に選択される。
【0023】高温体の表面温度は、主溶剤及び添加剤を
短時間の間に蒸発させるために、主溶剤及び添加剤のい
ずれの沸点よりも高い温度に設定する。望ましくは,二
者の内の高い方の沸点よりも20℃〜100℃高い温度
とする。また、高温体との接触時間は、薄い緻密膜を得
るためには短い方が望ましく、例えば、1〜10秒程度
である。
短時間の間に蒸発させるために、主溶剤及び添加剤のい
ずれの沸点よりも高い温度に設定する。望ましくは,二
者の内の高い方の沸点よりも20℃〜100℃高い温度
とする。また、高温体との接触時間は、薄い緻密膜を得
るためには短い方が望ましく、例えば、1〜10秒程度
である。
【0024】
【実施例】本発明の方法による連続製膜装置の概要図を
図1に示す。本実施例では、支持基材としてポリエステ
ル不織布を用いている。供給ロール1から供給された支
持基材2の上に、原液貯槽3からノズル4を用いて製膜
用原液5を均一に塗布する。その後、この塗布層の上面
をステンレス製高温体6と接触させて、塗布層の表層部
分から主溶剤等を蒸発させる。なお、このステンレス製
高温体6は内部にヒータを備え、表面付近に埋込まれた
熱電対によって外部表面温度を検出して、その表面温度
が一定になる様に制御されている。
図1に示す。本実施例では、支持基材としてポリエステ
ル不織布を用いている。供給ロール1から供給された支
持基材2の上に、原液貯槽3からノズル4を用いて製膜
用原液5を均一に塗布する。その後、この塗布層の上面
をステンレス製高温体6と接触させて、塗布層の表層部
分から主溶剤等を蒸発させる。なお、このステンレス製
高温体6は内部にヒータを備え、表面付近に埋込まれた
熱電対によって外部表面温度を検出して、その表面温度
が一定になる様に制御されている。
【0025】ステンレス製高温体6との接触の直後に、
ガイドロール7で導いて、凝固溶液8の中に浸漬させ、
表層下に残存している主溶剤等を溶出させる。以上の様
にして、支持基材の上に膜厚方向に非対称組織を有する
高分子膜を形成させた後、凝固溶液8の貯槽9の中に設
置された巻取ロール10によって高分子膜を支持基材と
ともに巻き取る。その後、高分子膜を支持基材とともに
乾燥して、気体分離膜を得る。
ガイドロール7で導いて、凝固溶液8の中に浸漬させ、
表層下に残存している主溶剤等を溶出させる。以上の様
にして、支持基材の上に膜厚方向に非対称組織を有する
高分子膜を形成させた後、凝固溶液8の貯槽9の中に設
置された巻取ロール10によって高分子膜を支持基材と
ともに巻き取る。その後、高分子膜を支持基材とともに
乾燥して、気体分離膜を得る。
【0026】本装置を用いて製造した気体分離膜のデー
タを以下に示す。使用したポリエーテルスルフォンは、
ICI社製の商品名VICTREX PES 4800
Pで、主溶剤としてジメチルフォルムアミド(沸点15
3℃)、添加剤としてプロパノール(沸点97℃)、凝
固溶液として水を使用した。製膜用原液の配合比は、ポ
リエーテルスルフォンが20重量%、主溶剤が75重量
%、添加剤が5重量%であった。
タを以下に示す。使用したポリエーテルスルフォンは、
ICI社製の商品名VICTREX PES 4800
Pで、主溶剤としてジメチルフォルムアミド(沸点15
3℃)、添加剤としてプロパノール(沸点97℃)、凝
固溶液として水を使用した。製膜用原液の配合比は、ポ
リエーテルスルフォンが20重量%、主溶剤が75重量
%、添加剤が5重量%であった。
【0027】製膜用原液の塗布厚みを250μmとし
て,高温体の表面温度は200℃に設定し、高温体と塗
布膜との接触時間が2秒となる様に、支持基材の送り速
度を設定した。
て,高温体の表面温度は200℃に設定し、高温体と塗
布膜との接触時間が2秒となる様に、支持基材の送り速
度を設定した。
【0028】第2図に、本実施例で製膜された膜厚方向
に非対称組織を有する気体分離膜の断面図を示す。表面
の緻密層11の厚みは約0.5μm,多孔質層12の厚
みは約100μmであった。この気体分離膜を使用し
て、二酸化炭素−メタンからなる混合ガスに対する二酸
化炭素の選択分離性能を測定したところ、二酸化炭素の
メタンに対する分離係数36.5、二酸化炭素のガス透
過量4.7×10-5cc(STP)/(cm2 ・sec
・cmHg)との良好な結果を得た。
に非対称組織を有する気体分離膜の断面図を示す。表面
の緻密層11の厚みは約0.5μm,多孔質層12の厚
みは約100μmであった。この気体分離膜を使用し
て、二酸化炭素−メタンからなる混合ガスに対する二酸
化炭素の選択分離性能を測定したところ、二酸化炭素の
メタンに対する分離係数36.5、二酸化炭素のガス透
過量4.7×10-5cc(STP)/(cm2 ・sec
・cmHg)との良好な結果を得た。
【0029】
【発明の効果】本発明では、塗布膜の表層部分の溶剤等
を蒸発させる手段として、高温体との接触伝熱を利用し
ているので、短時間に塗布膜の表層部分のみから主溶剤
及び添加剤を蒸発させることが可能となり、これによっ
て、極く薄い緻密層を有する、非対称構造の気体分離膜
の安定的な製造が可能になった。また、主溶剤として環
境上問題のあるハロゲン化炭化水素を使用せずに、比較
的、毒性の低い有機溶剤の使用が可能になった。
を蒸発させる手段として、高温体との接触伝熱を利用し
ているので、短時間に塗布膜の表層部分のみから主溶剤
及び添加剤を蒸発させることが可能となり、これによっ
て、極く薄い緻密層を有する、非対称構造の気体分離膜
の安定的な製造が可能になった。また、主溶剤として環
境上問題のあるハロゲン化炭化水素を使用せずに、比較
的、毒性の低い有機溶剤の使用が可能になった。
【図1】本発明の方法を適用した、連続製膜装置の概要
図。
図。
【図2】本発明の方法により製造された気体分離膜の断
面組織の例。
面組織の例。
1 供給ロール 2 支持基材 3 原料貯槽 4 ノズル 5 製膜用原液 6 高温体 7 ガイドロール 8 凝固溶液 9 貯槽(凝固溶液槽) 10 巻取ロール 11 緻密層 12 多孔質層 13 不織布
Claims (1)
- 【請求項1】 有機高分子体、前記有機高分子体を溶解
する主溶剤、前記主溶剤に対して相溶性を有し、かつ、
前記有機高分子体を実質的に溶解しない添加剤、及び、
前記主溶剤及び前記添加剤のいずれに対しても相溶性を
有し、かつ、前記有機高分子体を実質的に溶解しない凝
固溶剤、を用いて、 前記主溶剤と前記添加剤からなる溶剤系に、前記有機高
分子体を溶解させた製膜用原液を、支持基材上に塗布し
た後、塗布層の表面を、前記主溶剤及び前記添加剤の沸
点以上の温度に保持された高温体に接触させ、 その後、直ちに、前記凝固溶剤中に前記支持基材ととも
に浸漬することによって、前記支持基材の上に有機高分
子体の膜を生成させることを特徴とする、膜厚方向に非
対称組織を有する気体分離膜の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP415294A JP2795158B2 (ja) | 1994-01-19 | 1994-01-19 | 気体分離膜の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP415294A JP2795158B2 (ja) | 1994-01-19 | 1994-01-19 | 気体分離膜の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07204477A true JPH07204477A (ja) | 1995-08-08 |
JP2795158B2 JP2795158B2 (ja) | 1998-09-10 |
Family
ID=11576793
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP415294A Expired - Lifetime JP2795158B2 (ja) | 1994-01-19 | 1994-01-19 | 気体分離膜の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2795158B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005014149A1 (ja) * | 2003-08-07 | 2005-02-17 | Asahi Kasei Kabushiki Kaisha | 複合多孔膜とその製造方法 |
-
1994
- 1994-01-19 JP JP415294A patent/JP2795158B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005014149A1 (ja) * | 2003-08-07 | 2005-02-17 | Asahi Kasei Kabushiki Kaisha | 複合多孔膜とその製造方法 |
US8999167B2 (en) | 2003-08-07 | 2015-04-07 | Asahi Kasei Medical Co., Ltd. | Composite porous membrane and process for producing the same |
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Publication number | Publication date |
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JP2795158B2 (ja) | 1998-09-10 |
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