JPH07204180A - 採血管ホルダー - Google Patents

採血管ホルダー

Info

Publication number
JPH07204180A
JPH07204180A JP6022203A JP2220394A JPH07204180A JP H07204180 A JPH07204180 A JP H07204180A JP 6022203 A JP6022203 A JP 6022203A JP 2220394 A JP2220394 A JP 2220394A JP H07204180 A JPH07204180 A JP H07204180A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
blood collection
collection tube
holder
stopper
blood
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6022203A
Other languages
English (en)
Inventor
Yukinori Enohara
行範 榎原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissho Corp
Original Assignee
Nissho Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissho Corp filed Critical Nissho Corp
Priority to JP6022203A priority Critical patent/JPH07204180A/ja
Publication of JPH07204180A publication Critical patent/JPH07204180A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 採血管ホルダー1の内面からは、周方向に等
配された4個の可撓部23が前方に突設され、各可撓部
23は、前方に向かうに従って径方向内方に移行する傾
斜状とされた後部側の傾斜部27と、採血管ホルダー1
の軸心と平行とされた前部側の保持部28から成る。採
血管ホルダー1内に減圧採血管3を挿入すると、各傾斜
部27が栓体15を、径方向に関して、採血管ホルダー
1の中央部に案内して、各保持部28が栓体15を保持
すると共に、栓体15が、弾性鞘体12を圧縮して、採
血針2の後部が弾性鞘体12及び栓体15を貫通する。
上記挿入時に、栓体15の外径が大であると、各可撓部
23が弾性変形しながら揺動し、保持部28は、前方に
向かうに従って径方向外方に移行する傾斜状となる。 【効果】 栓体15の外径が小さい場合でも、採血針2
を栓体15の中央穿刺部18に穿刺できると共に、キッ
クバック現象を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は採血管ホルダーに関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】臨床検
査、例えば血清検査、血球検査等を行う際には、通常、
次のような採血器具により、血液試料を採取する。即
ち、採血器具は、採血管ホルダー、採血針及び減圧採血
管から成る。採血管ホルダーの前端部には、該前端部を
貫通する採血針が装着されて、採血針の後部に外嵌され
た弾性鞘体により、採血針の後端部の開口が閉鎖されて
いる。又、減圧採血管は、血液検査に必要とされる採取
量に応じて内部が減圧されており、有底管と、有底管の
開口に挿入されて該開口を閉塞する栓体から成る。
【0003】採血時には、採血針を血管に穿刺すると共
に、採血管ホルダー内に、減圧採血管を後端部の開口か
ら挿入して、その栓体により、弾性鞘体を軸心方向に圧
縮すると共に、採血針の後部を、弾性鞘体及び減圧採血
管の栓体を貫通させ、減圧採血管の減圧度に応じて、減
圧採血管内に所定量の血液試料を採取する。
【0004】ところで、減圧採血管としては、従来、大
型の減圧採血管、即ち、容量が大で且つ栓体の外径の大
であるものが使用されてきた。しかし、最近では、小型
の減圧採血管、即ち、容量が小で且つ栓体の外径の小で
あるものが多用されている。そのため、減圧採血管が挿
入される採血管ホルダーでは、内径を大として、大型か
ら小型までの減圧採血管を使用できるようにし、汎用性
を高めるようにしている。
【0005】然しながら、上記のように、採血管ホルダ
ーの内径を大とすると、採血管ホルダー内に小型の減圧
採血管を挿入した際に、両者間に大きな隙間ができる。
このため、採血針の後部を栓体の中央穿刺部に穿刺でき
ずに、誤って、外周部に穿刺してしまう場合があった。
【0006】ところが、減圧採血管では、栓体の中央部
に位置する中央穿刺部は、採血針を容易に挿通できるよ
うに、軸心方向の長さが短くされているが、外周部は、
有底管との嵌合力を大とするために、軸心方向の長さが
長くされている。
【0007】従って、採血針を栓体の中央穿刺部に穿刺
した場合には、中央穿刺部の軸心方向の長さが短いの
で、採血針を栓体から引き抜く際の抵抗力が小さく、問
題はない。然しながら、上記のように、採血針を栓体の
外周部に穿刺した場合には、該外周部の軸心方向の長さ
が長いので、採血針を栓体から引き抜く際に、その抵抗
力が栓体の上記嵌合力を上回って、栓体が有底管から抜
けるという問題があった。
【0008】又、最近では、次のような自動化学分析装
置の普及がめざましい。即ち、上記装置では、減圧採血
管をラックに設置した状態で、減圧採血管から栓体を取
り外すことなく、検査針を栓体に挿通して、その内部の
血液試料を採取できるようにしている。
【0009】上記装置では、血液試料を容易に能率よく
採取できるように、検査針を栓体に穿刺する際の穿刺抵
抗の小さな減圧採血管が要望されている。然しながら、
このような減圧採血管を採用すると、採血時に、圧縮さ
れた弾性鞘体の反発力が、採血針を栓体に止めておこう
とする摩擦力よりも大となって、減圧採血管を後退さ
せ、その栓体から採血針が抜けるという現象(キックバ
ック現象という)が生じるため、この現象を如何に解決
するかが問題となっていた。
【0010】本発明は、上記問題を解決できる採血管ホ
ルダーを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の特徴とするところは、前端部に採血針が装
着され、後端部の開口から内部に採血管が挿入される採
血管ホルダーにおいて、内面に、・ 前方に突出し、径
方向に弾性変形を介して揺動可能とされて、採血管を周
方向に関して取り囲む複数の可撓部が、一体に形成さ
れ、各可撓部が、(1) 可撓部の後部に位置し、前方
に向かうに従って径方向内方に移行する傾斜状とされた
傾斜部と、(2) 傾斜部の前端部から前方に突設され
て、採血管を保持する保持部とを有する点にある。
【0012】尚、可撓部が、周方向等間隔に、少なくと
も3個以上配設されることもある。
【0013】又、可撓部が、・ 径方向内方に突出し、
保持部に保持された採血管と係合して、採血管が保持部
から離脱することを防止するストッパを有することもあ
る。
【0014】更に、可撓部の内面に、シリコーン系物質
が塗布されることもある。
【0015】
【作用】採血を行う場合には、採血管ホルダーの採血針
を血管に穿刺する。この状態では、採血針の後端部の開
口は弾性鞘体で閉塞されているので、血液が採血管ホル
ダー内等に漏出することはない。
【0016】次に、採血管ホルダー内に、減圧採血管を
栓体を前にして挿入する。これにより、栓体を取り囲む
各可撓部の傾斜部が栓体を案内するので、栓体は、径方
向に関して、採血管ホルダーの中央部に位置決めされた
状態で挿入されて、保持部で保持される。
【0017】又、上記挿入により、栓体が弾性鞘体を圧
縮すると共に、採血針の後部が弾性鞘体及び栓体を貫通
し、減圧採血管の減圧度に応じて、減圧採血管内に所定
量の血液試料が流入する。
【0018】ところで、上記挿入時には、栓体の外径が
小である場合には、各可撓部は、殆ど、又は、全く、径
方向に弾性変形を介して揺動しない。
【0019】しかし、栓体の外径が大である場合には、
各可撓部は、径方向に弾性変形を介して揺動し、保持部
が、前方に向かうに従って、径方向外方に移行する傾斜
状となる。従って、栓体の外径を大としておけば、可撓
部の復帰力により、保持部で保持された減圧採血管は、
前方への力を受けることとなり、この前方へ働く力と、
圧縮された弾性鞘体による減圧採血管を後方へ押す力と
が、相殺されることによって、キックバック現象が防止
される。
【0020】減圧採血管に所定量の血液試料が採取され
ると、減圧採血管の内部が昇圧して、採血が終了する。
採血が終了すれば、減圧採血管を採血管ホルダーから強
制的に引き抜く。これにより、採血針の後部が栓体及び
弾性鞘体から引き抜かれると共に、弾性鞘体も、原体勢
に復帰して、採血針の後端部の開口が弾性鞘体で閉塞さ
れるので、血液が採血管ホルダー内等に漏出することは
ない。
【0021】
【実施例】以下、本発明の第1実施例を図1〜図4の図
面に基づき説明すると、図1〜図3は採血器具を示し、
採血器具は、採血管ホルダー1、採血針2及び、減圧採
血管3から成る。
【0022】採血管ホルダー1は、内部に減圧採血管3
が挿入されるもので、本体1Aと、ホルダー部1Bとか
ら成る。
【0023】本体1Aは、ポリプロピレン等のプラスチ
ックにより一体成形されて、後方に開口しており、一定
径又はほぼ一定径の円筒状とされた筒部5と、筒部5の
前端部から先細状に突設される先細部6と、筒部5の後
端部から径方向外方に突設されたフランジ部7とから成
る。
【0024】ホルダー部1Bは、本体1A内に挿入され
るもので、可撓性を有するプラスチック、例えばポリプ
ロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボ
ネイト、ポリスチレン等により一体成形されている。図
4にも示すように、ホルダー部1Bは、一定径又はほぼ
一定径の円筒状とされ且つ前後方向に開口する筒部21
と、筒部21の後端部から径方向外方に突設されたフラ
ンジ部22と、筒部21の前端部に周方向に等配された
複数(実施例では4個)の可撓部23とを一体成形して
成る。
【0025】筒部21は、本体1Aの筒部5の後部内に
嵌合されて、接着されるか、又は、螺着されて、本体1
Aと一体化される。フランジ部22の前面には、前方に
突出する突起25が周方向に複数配設され、この突起2
5が 本体1Aのフランジ部7の後面と当接すること
で、ホルダー部1Bの本体1A内への挿入長さが設定さ
れる。
【0026】可撓部23は、筒部21の前端部から前方
に突設されて、減圧採血管3を取り囲むもので、径方向
に弾性変形を介して揺動可能とされている。可撓部23
は、くの字型とされており、前方に向かうに従って径方
向内方に移行する傾斜状とされた後部側の傾斜部27
と、傾斜部27の前端部から前方に突設され且つ減圧採
血管3を保持する保持部28と、各保持部28の前端部
から径方向内方に突出する突出部29とから成る。保持
部28は、ホルダー部1Bの軸心と平行(又は、ほぼ平
行)とされているが、保持部28は、前方に向かうに従
って径方向外方(又は、内方)に移行する傾斜状とされ
ることもある。
【0027】採血針2は、採血管ホルダー1の先細部6
に装着されるもので、採血針2の前後方向中央部に位置
し且つ採血管ホルダー1の先細部6の中央部に螺着され
たハブ10と、ハブ10に挿通され且つ中空状とされて
両端が開口する針本体11とから成る。針本体11のハ
ブ10よりも後部側には、ハブ10に固着され且つゴム
から成る弾性鞘体12が外嵌されて、針本体11の後端
部の開口が開閉可能に閉鎖されている。
【0028】減圧採血管3は、採血管ホルダー1の後端
部の開口からその内部に挿入されるもので、内部が減圧
されており、一端が開口し且つ他端が閉塞した有底管1
4と、有底管14の開口を着脱自在に閉塞する栓体15
とから成る。有底管14は、ガラス又はプラスチックか
ら成る。栓体15は、実施例では、ゴムから成るが、栓
体15を、ゴムからなる本体と、本体の外面に外嵌され
たプラスチック製カバーとから構成することもある。
又、栓体15は、軸心方向の長さが比較的短くされ且つ
採血針2が穿刺される中央穿刺部18と、有底管14と
大きな嵌合力で嵌着するために軸心方向の長さが長くさ
れた外周部19とを有する。
【0029】上記のように構成した実施例によれば、減
圧採血管3に血液試料を採取する場合には、まず、採血
管ホルダー1の採血針2を血管に穿刺する。この状態で
は、採血針2の後端部の開口は弾性鞘体12で閉塞され
ているので、血液が採血管ホルダー1内等に漏出して、
採血管ホルダー1や、減圧採血管3等を汚染することは
ない。
【0030】次に、採血管ホルダー1内に、その後端部
の開口から、減圧採血管3を栓体15を前にして挿入す
る。この際、図1及び図2に示すように、栓体15の外
径が採血管ホルダー1の内径よりもかなり小さい減圧採
血管3(以下、これを小型の減圧採血管3と称する。)
の場合には、減圧採血管3を挿入するに従って、各可撓
部23の傾斜部27が、栓体15を取り囲んだ状態で、
採血管ホルダー1の径方向中央部へと案内した後、各可
撓部23の保持部28が栓体15を保持する。
【0031】この際、各可撓部23は、殆ど、又は、全
く、径方向外方に揺動せず、保持部28は採血管ホルダ
ー1の軸心とほぼ平行状態を維持すると共に、突出部2
9が栓体15と当接することにより、減圧採血管3が採
血管ホルダー1内に所定以上挿入されることはない。
【0032】そして、減圧採血管3の上記挿入により、
栓体15は、弾性鞘体12を圧縮すると共に、採血針2
の後部が弾性鞘体12及び栓体15を貫通し、減圧採血
管3の減圧度に応じて、減圧採血管3内に所定量の血液
試料が流入する。
【0033】この際、栓体15が各可撓部23により径
方向に関して採血管ホルダー1の中央部に位置決めされ
た状態で挿入されるので、採血針2の後部は、確実に栓
体15の中央穿刺部18に穿刺され、外周部19に穿刺
されることはない。従って、採血針3を栓体15から引
き抜く際に、その抵抗力が、栓体15と有底管14との
嵌合力を上回って、栓体15が有底管14から抜けると
いう問題はない。
【0034】又、自動分析装置用の減圧採血管3では、
図3に示すように、栓体15の中央穿刺部18の軸心方
向の長さが1〜2.5mmとされて、穿刺抵抗が小さくさ
れるが、このような減圧採血管3を使用する場合には、
栓体15の外径を大としておく。
【0035】これにより、減圧採血管3を挿入するに従
って、栓体15を取り囲む各可撓部23の傾斜部27
が、栓体15を案内しながら、径方向外方に弾性変形を
介して揺動し、栓体15は各可撓部23により径方向に
関して採血管ホルダー1の中央部に位置決めされた状態
で挿入され、又、保持部28は、前方に向かうに従って
径方向外方に移行する傾斜状とされて、栓体15を保持
する。
【0036】従って、保持部28で保持された減圧採血
管3は、可撓部23の復帰力により、前方への力を受け
ることとなり、この前方へ働く力と、圧縮された弾性鞘
体12による減圧採血管3を後方へ押す力が相殺される
ことによって、減圧採血管3が後退することはない。そ
れ故、栓体15から採血針2が抜けるというキックバッ
ク現象は生じない。
【0037】又、従来より使用されている、栓体15の
中央穿刺部18の軸心方向の長さが比較的長く設定され
ると共に、外径が大きく設定された減圧採血管3(以下
では、これを大型の減圧採血管と称する。)を使用した
場合は、自動分析装置用の上記減圧採血管3と同様にし
て、血液試料を採取することができる。
【0038】上記のようにして、減圧採血管3内に所定
量の血液試料が採取されると、減圧採血管3の内部が昇
圧して、採血が終了する。採血が終了すれば、減圧採血
管3を採血管ホルダー1から強制的に引き抜く。
【0039】これにより、採血針3の後部が栓体15及
び弾性鞘体12から引き抜かれると共に、弾性鞘体12
も原体勢に復帰して、採血針3の後端部の開口が弾性鞘
体12で閉塞されるので、血液が採血管ホルダー1内等
に漏出して、採血管ホルダー1や、減圧採血管3等を汚
染することはない。
【0040】尚、採血管ホルダー1を、本体1Aのみか
ら構成して、ホルダー部1Bをアダプターとし、小型の
減圧採血管3や自動分析装置用の減圧採血管3の使用時
に、採血管ホルダー1に、ホルダー部1Bをアダプター
として装着することも考えられる。しかしながら、この
ようにすると、採血作業が複雑となり、作業者に負担を
掛けて、作業ミスを招く惧れもあり、好ましくない。
【0041】ところで、本発明と比較するために、比較
例1として、下記の試験を行った。即ち、採血管ホルダ
ーを、本体とホルダー部とから構成せず、本体のみから
構成し、この採血管ホルダー内に、図3に示す減圧採血
管を挿入して、栓体に採血針を貫通させた。この場合に
は、弾性鞘体が軸心方向に圧縮されているので、弾性鞘
体の反発力により、減圧採血管が後退して、その栓体か
ら採血針が抜けるというキックバック現象が常に生じ
た。
【0042】尚、採血管ホルダー内に減圧採血管を挿入
して、栓体に採血針が貫通するまでの挿入抵抗は、可撓
部と減圧採血管の栓体の側面との摩擦抵抗と、採血針の
後部が弾性鞘体と栓体を穿刺する際の穿刺抵抗との和と
なる。
【0043】ところで、大型の減圧採血管の場合には、
栓体の外径が大であるため、上記摩擦抵抗が大となり、
採血管ホルダーへの挿入抵抗が大となるが、予め、可撓
部の内面全域にシリコーン系物質を塗布しておくことに
より、上記摩擦抵抗の増大による、挿入抵抗の増大を防
止できる。
【0044】このことは、以下の試験例により実証され
る。即ち、大型の減圧採血管の場合の挿入抵抗を株式会
社島津製作所製のオートグラフによって、測定した。以
下に本発明の第1実施例の試験例1,2及び比較例2の
内容と結果を示す。
【0045】試験例1 可撓部の総数を4本、各可撓部
の肉厚を0.8mm、その太さを5mmに設定したポリスチ
レン製のホルダー部を作製し、このホルダー部と本体と
により、採血管ホルダーを構成して、測定を行った。 試験例1−1 ブチルゴム製の栓体の外径がφ17mm
で、中央穿刺部の厚みが6mmのものを使用した場合の挿
入抵抗は、10本の測定の平均値で2.0Kgf であっ
た。 試験例1−2 ブチルゴム製の栓体の外径がφ15mm
で、中央穿刺部の厚みが6mmのものを使用した場合の挿
入抵抗は、10本の測定の平均値で1.7Kgf であっ
た。 試験例1−3 ブチルゴム製の栓体の外径がφ17mm
で、中央穿刺部の厚みが2mmのものを使用した場合の挿
入抵抗は、10本の測定の平均値で1.2Kgf であっ
た。
【0046】試験例2 試験例1に用いたホルダー部と
同型のホルダー部に、シリコーン系物質を塗布したもの
を使用して、測定を行った。 実施例2−1 ブチルゴム製の栓体の外径がφ17mm
で、中央穿刺部の厚みが6mmのものを使用した場合の挿
入抵抗は、10本の測定の平均値で1.6Kgf であっ
た。 実施例2−2 ブチルゴム製の栓体の外径がφ15mm
で、中央穿刺部の厚みが6mmのものを使用した場合の挿
入抵抗は、10本の測定の平均値で1.6Kgf であっ
た。 実施例2−3 ブチルゴム製の栓体の外径がφ17mm
で、中央穿刺部の厚みが2mmのものを使用した場合の挿
入抵抗は、10本の測定の平均値で0.6Kgf であっ
た。
【0047】比較例2 採血管ホルダーを、本体とホル
ダー部から構成せず、本体のみから構成して、試験例1
と同じ測定を行った。 比較例2−1 ブチルゴム製の栓体の外径がφ17mm
で、中央穿刺部の厚みが6mmのものを使用した場合の挿
入抵抗は、10本の測定の平均値で1.6Kgf であっ
た。 比較例2−2 ブチルゴム製栓体の外径がφ15mmで、
中央穿刺部の厚みが6mmのものを使用した場合の挿入抵
抗は、10本の測定の平均値で1.6Kgf であった。 比較例2−3 ブチルゴム製の栓体の外径がφ17mm
で、中央穿刺部の厚みが2mmのものを使用した場合の挿
入抵抗は、10本の測定の平均値で0.5Kgf であっ
た。しかし、この比較例2−3の減圧採血管では、測定
後、キックバック現象が見られた。
【0048】図5〜図8は、本発明の第2実施例を示
し、第1実施例との相違点のみを説明すると、各可撓部
23の保持部28の後端部、又は、各可撓部23におけ
る、傾斜部27と保持部28の境界部に、プラスチック
成形において一般にアンダーカットと呼ばれる突起、即
ち、ストッパ30が形成されている。ストッパ30は、
保持部28に保持された減圧採血管3の栓体15と係合
して、栓体15が保持部28から離脱することを防止す
る。
【0049】上記のように構成した第2実施例によれ
ば、図6に示すような小型の減圧採血管3や、図7に示
すような自動分析装置用の減圧採血管3を使用した場合
には、第1実施例とほぼ同様にして、減圧採血管3が採
血管ホルダー1に挿入されるが、挿入時には、栓体15
はストッパ30を乗り越える。
【0050】従って、自動分析装置用の減圧採血管3の
場合には、第1実施例と同様に、保持部28で保持され
た減圧採血管3は、可撓部23の復帰力により、前方へ
の力を受けることとなり、この前方へ働く力と、圧縮さ
れた弾性鞘体12による減圧採血管3を後方へ押す力が
相殺されると共に、更に、ストッパ30により、保持部
28から栓体15が離脱することが防止される。それ
故、減圧採血管3が後退して、その栓体15から採血針
2が抜けるというキックバック現象を、第1実施例より
も良好に防止できる。
【0051】又、従来の大型の減圧採血管3の場合に
も、自動分析装置用の減圧採血管3の場合とほぼ同様に
して、血液試料を採取することができる。
【0052】ところで、大型の減圧採血管の場合には、
前述のように、採血管ホルダー内への挿入抵抗が大とな
る。この挿入抵抗を小さくするためには、前述のよう
に、予め、可撓部の内面全域にシリコーン系物質を塗布
しておいたり、ホルダー部の各可撓部の幅を小さくした
り、或いは、ホルダー部を滑りの良い樹脂によって成形
することが考えられる。しかし、シリコーン系物質の塗
布は面倒である。又、可撓部の幅を小さくしたり、或い
は、ホルダー部を滑りの良い樹脂によって成形しても、
可撓部にストッパを形成しないと、数度のキックバック
現象の防止については有効であるが、使用可能回数に制
限ができる。
【0053】キックバック現象を良好に防止し、しか
も、使用可能回数に制限をなくすためには、可撓部にス
トッパを形成することが最も効果的である。このこと
は、以下の試験例により実証される。即ち、大型の減圧
採血管の場合の挿入抵抗を株式会社島津製作所製のオー
トグラフによって、測定した。以下に本発明の第2実施
例の試験例3,4及び比較例3の内容と結果を示す。
【0054】試験例3 可撓部の総数を4本、各可撓部
の肉厚を0.8mm、その幅を3mmに設定したポリスチレ
ン製のホルダー部を作製した。尚、可撓部にはストッパ
を形成していない。上記ホルダー部と本体とにより、採
血管ホルダーを構成して、測定を行った。 試験例3−1 ブチルゴム製の栓体の外径がφ17mm
で、中央穿刺部の厚みが6mmのものを使用した場合の挿
入抵抗は、10本の測定の平均値で1.5Kgf であっ
た。 試験例3−2 ブチルゴム製の栓体の外径がφ15mm
で、中央穿刺部の厚みが6mmのものを使用した場合の挿
入抵抗は、10本の測定の平均値で1.5Kgf であっ
た。 試験例3−3 ブチルゴム製の栓体の外径がφ15mm
で、中央穿刺部の厚みが2mmのものを使用した場合の挿
入抵抗は、10本の測定の平均値で0.8Kgf であっ
た。しかし、10本中3本目より測定終了後、キックバ
ック現象が生じた。
【0055】試験例4 ストッパを有する以外は、試験
例3に用いたホルダー部と同一のホルダー部を使用し
て、試験例3と同様の測定を行った。 試験例4−1 ブチルゴム製の栓体の外径がφ17mm
で、中央穿刺部の厚みが6mmのものを使用した場合の挿
入抵抗は、10本の測定の平均値で1.6Kgf であっ
た。 試験例4−2 ブチルゴム製の栓体の外径がφ15mm
で、中央穿刺部の厚みが6mmのものを使用した場合の挿
入抵抗は、10本の測定の平均値で1.5Kgf であっ
た。 試験例4−3 ブチルゴム製の栓体の外径がφ17mm
で、中央穿刺部の厚みが2mmのものを使用した場合の挿
入抵抗は、10本の測定の平均値で0.9Kgf であっ
た。そして、キックバック現象は全く見られなかった。
【0056】比較例3 試験例3と同一の形状のホルダ
ー部をポリプロピレン製として、試験例3と同様の測定
を行った。 比較例3−1 ブチルゴム製の栓体の外径がφ17mm
で、中央穿刺部の厚みが6mmのものを使用した場合の挿
入抵抗は、10本の測定の平均値で1.7Kgf であっ
た。 比較例3−2 ブチルゴム製栓体の外径がφ15mmで、
中央穿刺部の厚みが6mmのものを使用した場合の挿入抵
抗は、10本の測定の平均値で1.6Kgf であった。 比較例3−3 ブチルゴム製の栓体の外径がφ17mm
で、中央穿刺部の厚みが2mmのものを使用した場合の挿
入抵抗は、10本の測定の平均値で1.0Kgf であっ
た。しかし、10本中8本目より測定終了後、キックバ
ック現象が生じた。
【0057】図9は本発明の第3実施例を示し、第1、
又は、第2実施例における、本体1Aと先細部6が別体
とされて、本体1Aにホルダー部が一体形成されてい
る。尚、先細部6は筒部5に接着又は螺着されている。
【0058】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係わる採
血管ホルダーには、栓体の外径の大小に関係なく、採血
管を使用でき、汎用性が高い。又、採血管の栓体の外径
が採血管ホルダーの内径よりかなり小さい場合でも、可
撓部により、栓体を径方向に関して採血管ホルダーの中
央部に位置決めできるので、採血針を栓体の中央穿刺部
に穿刺できる。従って、従来のように、採血針が、栓体
における軸心方向の長さが長い外周部に穿刺されること
はなく、それ故、採血針を栓体から引き抜く際に、その
抵抗力が、栓体と採血管との嵌合力を上回って、栓体が
採血針と共に採血管から抜けることはない。更に、採血
管の栓体の中央穿刺部の軸心方向の長さが極度に短い場
合でも、可撓部の作用により、キックバック現象を良好
に防止できる。又、可撓部をアダプターとし、必要時
に、採血管ホルダーに、可撓部をアダプターとして装着
するものと比較すると、本発明の方が採血作業が簡易
で、作業者に負担を掛けず、作業ミスを招く惧れも少な
い利点がある。
【0059】又、請求項3によれば、採血管の栓体の中
央穿刺部の軸心方向の長さが極度に短い場合でも、可撓
部とストッパの両作用により、キックバック現象を良好
に防止できる。従って、キックバック現象を防止するた
めに、可撓部の幅や、肉厚を大とする必要がないと共
に、可撓部に、滑りにくい樹脂を使用する必要もない。
それ故、外径が大とされた採血管でも、その採血管ホル
ダー内への挿入抵抗を小さくできる。
【0060】更に、請求項4によれば、外径が大とされ
た採血管でも、その採血管ホルダー内への挿入抵抗を小
さくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す縦側断面図である。
【図2】本発明の第1実施例を示す縦側断面図である。
【図3】本発明の第1実施例を示す縦側断面図である。
【図4】本発明の第1実施例のホルダー部の斜視図であ
る。
【図5】本発明の第2実施例を示す縦側断面図である。
【図6】本発明の第2実施例を示す縦側断面図である。
【図7】本発明の第2実施例を示す縦側断面図である。
【図8】本発明の第2実施例のホルダー部の斜視図であ
る。
【図9】本発明の第3実施例を示す縦側断面図である。
【符号の説明】
1 採血管ホルダー 1A 本体 1B ホルダー部 2 採血針 3 減圧採血管 12 弾性鞘体 14 有底管 15 栓体 18 中央穿刺部 19 外周部 23 可撓部 27 傾斜部 28 保持部 30 ストッパ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】前端部に採血針が装着され、後端部の開口
    から内部に採血管が挿入される採血管ホルダーにおい
    て、 内面に、 ・ 前方に突出し、径方向に弾性変形を介して揺動可能
    とされて、採血管を周方向に関して取り囲む複数の可撓
    部が、一体に形成され、 各可撓部が、(1) 可撓部の後部に位置し、前方に向
    かうに従って径方向内方に移行する傾斜状とされた傾斜
    部と、(2) 傾斜部の前端部から前方に突設されて、
    採血管を保持する保持部とを有することを特徴とする採
    血管ホルダー。
  2. 【請求項2】可撓部が、周方向等間隔に、少なくとも3
    個以上配設された請求項1記載の採血管ホルダー。
  3. 【請求項3】可撓部が、 ・ 径方向内方に突出し、保持部に保持された採血管と
    係合して、採血管が保持部から離脱することを防止する
    ストッパを有する請求項1又は2記載の採血管ホルダ
    ー。
  4. 【請求項4】可撓部の内面に、シリコーン系物質が塗布
    された請求項1〜3の何れかに記載の採血管ホルダー。
JP6022203A 1994-01-21 1994-01-21 採血管ホルダー Pending JPH07204180A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6022203A JPH07204180A (ja) 1994-01-21 1994-01-21 採血管ホルダー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6022203A JPH07204180A (ja) 1994-01-21 1994-01-21 採血管ホルダー

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07204180A true JPH07204180A (ja) 1995-08-08

Family

ID=12076243

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6022203A Pending JPH07204180A (ja) 1994-01-21 1994-01-21 採血管ホルダー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07204180A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007313203A (ja) * 2006-05-29 2007-12-06 Sekisui Chem Co Ltd 採血ホルダー
JP2008161311A (ja) * 2006-12-27 2008-07-17 Jms Co Ltd 真空採血管ホルダー
JP2009165819A (ja) * 2007-12-14 2009-07-30 Tyco Healthcare Group Lp 管保持構造を有する採血デバイス
WO2020250859A1 (ja) * 2019-06-13 2020-12-17 株式会社トップ 採血管ホルダー及び採血キット
WO2020250858A1 (ja) * 2019-06-13 2020-12-17 株式会社トップ 採血管ホルダー及び採血キット
WO2020250852A1 (ja) * 2019-06-13 2020-12-17 株式会社トップ 採血管ホルダー及び採血キット
WO2021000255A1 (zh) * 2019-07-02 2021-01-07 北京华视诺维医疗科技有限公司 房水采集装置
JP2021178216A (ja) * 2019-06-13 2021-11-18 株式会社トップ 採血管ホルダー及び採血キット

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007313203A (ja) * 2006-05-29 2007-12-06 Sekisui Chem Co Ltd 採血ホルダー
JP2008161311A (ja) * 2006-12-27 2008-07-17 Jms Co Ltd 真空採血管ホルダー
JP2009165819A (ja) * 2007-12-14 2009-07-30 Tyco Healthcare Group Lp 管保持構造を有する採血デバイス
WO2020250859A1 (ja) * 2019-06-13 2020-12-17 株式会社トップ 採血管ホルダー及び採血キット
WO2020250858A1 (ja) * 2019-06-13 2020-12-17 株式会社トップ 採血管ホルダー及び採血キット
WO2020250852A1 (ja) * 2019-06-13 2020-12-17 株式会社トップ 採血管ホルダー及び採血キット
JP2021178216A (ja) * 2019-06-13 2021-11-18 株式会社トップ 採血管ホルダー及び採血キット
TWI833968B (zh) * 2019-06-13 2024-03-01 日商托普股份有限公司 採血管保持器及採血套件
WO2021000255A1 (zh) * 2019-07-02 2021-01-07 北京华视诺维医疗科技有限公司 房水采集装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0638945A (ja) 採血器具のアダプター
JP5199398B2 (ja) 毛管作用採集装置および容器アセンブリ
US5575778A (en) Blood-taking device
JPS641138B2 (ja)
JP3673297B2 (ja) 採血装置
US4212309A (en) Blood gas sampler
JPH0464260B2 (ja)
JP4826784B2 (ja) 採血針セット
JPH08276015A (ja) 安全針ホルダ
JPH07204180A (ja) 採血管ホルダー
EP0717662A1 (en) Perforable cap for a biological specimen container
JP2500141Y2 (ja) 採血器具のアダプタ―
JPH05300899A (ja) 採血器具のアダプター装置
JPH08600A (ja) 採血管ホルダー
JPH10201742A (ja) 真空採血管のキャップ
JPH07327963A (ja) 真空採血管用ホルダー
JP3006075U (ja) 採血管ホルダー
WO1999032871A1 (fr) Recipient pour analyse d'urine
JPH0819527A (ja) 採血管ホルダー
JPH05300898A (ja) 採血器具のアダプター
CA1333463C (en) Blood sampling device
JP4142784B2 (ja) 採血管用ホルダー
JP3795591B2 (ja) カテーテルコネクタ
JP2515720Y2 (ja) 真空採血器
JP2002224219A (ja) 穿刺具