JP2500141Y2 - 採血器具のアダプタ― - Google Patents
採血器具のアダプタ―Info
- Publication number
- JP2500141Y2 JP2500141Y2 JP2507392U JP2507392U JP2500141Y2 JP 2500141 Y2 JP2500141 Y2 JP 2500141Y2 JP 2507392 U JP2507392 U JP 2507392U JP 2507392 U JP2507392 U JP 2507392U JP 2500141 Y2 JP2500141 Y2 JP 2500141Y2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- blood collection
- collection tube
- blood
- reduced pressure
- plug
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、血液試料を採取する採
血器具のアダプターに関する。
血器具のアダプターに関する。
【0002】
【従来の技術】臨床検査、例えば、血清検査、血球検査
等を行う際には、通常、次のような採血筒と減圧採血管
からなる採血器具により、血液試料を採取する。採血筒
の先端部には、該先端部を貫通する採血針が装着され、
採血針の基部に外嵌された弾性鞘体により、採血針の基
端部開口が開閉可能とされている。減圧採血管は、血液
検査に必要とされる適量に応じて、内部が減圧されてお
り、有底管と、有底管の開口に挿入されて該開口を閉塞
する栓体から成る。
等を行う際には、通常、次のような採血筒と減圧採血管
からなる採血器具により、血液試料を採取する。採血筒
の先端部には、該先端部を貫通する採血針が装着され、
採血針の基部に外嵌された弾性鞘体により、採血針の基
端部開口が開閉可能とされている。減圧採血管は、血液
検査に必要とされる適量に応じて、内部が減圧されてお
り、有底管と、有底管の開口に挿入されて該開口を閉塞
する栓体から成る。
【0003】そして、採血時には、採血針を血管に穿刺
すると共に、採血筒内に、減圧採血管を挿入して、その
栓体により、弾性鞘体を軸心方向に圧縮すると共に、採
血針の基端部により、弾性鞘体及び減圧採血管の栓体を
貫通させ、減圧採血管の減圧度に応じて、減圧採血管内
に所要量の血液試料を採取する。ところで、採血筒の内
径は、減圧採血管の栓体の外径に対応して設定される
が、従来においては、各種減圧採血管の栓体の外径は略
一定とされていたため、これに対応して、採血筒の内径
も一定の大きさに設定されていた。然しながら、最近に
おいては、減圧採血管としては、従来のように、容量が
大で且つ栓体の外径の大きなものはあまり使用されず、
容量が小さいものが多用され、それに伴い、比較的栓体
の外径の小さなものが使用されてきている。
すると共に、採血筒内に、減圧採血管を挿入して、その
栓体により、弾性鞘体を軸心方向に圧縮すると共に、採
血針の基端部により、弾性鞘体及び減圧採血管の栓体を
貫通させ、減圧採血管の減圧度に応じて、減圧採血管内
に所要量の血液試料を採取する。ところで、採血筒の内
径は、減圧採血管の栓体の外径に対応して設定される
が、従来においては、各種減圧採血管の栓体の外径は略
一定とされていたため、これに対応して、採血筒の内径
も一定の大きさに設定されていた。然しながら、最近に
おいては、減圧採血管としては、従来のように、容量が
大で且つ栓体の外径の大きなものはあまり使用されず、
容量が小さいものが多用され、それに伴い、比較的栓体
の外径の小さなものが使用されてきている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】このため、従来の採血
筒に、上記のような容量が小で且つ栓体の外径の小さな
減圧採血管を挿入した際には、両者間に大きな隙間がで
き、これにより、採血針の基端部を栓体の中央部に穿刺
できずに、誤って、外周部に穿刺してしまう場合があっ
た。ところで、栓体の外周部は有底管との嵌合力を大と
するために、軸心方向の長さが長くされ、又、その中央
穿刺部は、採血針を容易に挿通できるように、軸心方向
の長さが短くされている。
筒に、上記のような容量が小で且つ栓体の外径の小さな
減圧採血管を挿入した際には、両者間に大きな隙間がで
き、これにより、採血針の基端部を栓体の中央部に穿刺
できずに、誤って、外周部に穿刺してしまう場合があっ
た。ところで、栓体の外周部は有底管との嵌合力を大と
するために、軸心方向の長さが長くされ、又、その中央
穿刺部は、採血針を容易に挿通できるように、軸心方向
の長さが短くされている。
【0005】従って、上記のように、採血針を、栓体に
おける軸心方向の長さが長い外周部に穿刺すると、採血
針を栓体から引き抜く際に、その抵抗力が栓体の上記嵌
合力を上回って、栓体が有底管から抜ける場合もあっ
た。更に、最近では、次のような自動化学分析装置の普
及がめざましい。即ち、上記装置では、減圧採血管をラ
ックに設置した状態で、減圧採血管から栓体を取り外す
ことなく、検査針を栓体に貫通させて、その内部の血液
試料を採取できるようにしている。
おける軸心方向の長さが長い外周部に穿刺すると、採血
針を栓体から引き抜く際に、その抵抗力が栓体の上記嵌
合力を上回って、栓体が有底管から抜ける場合もあっ
た。更に、最近では、次のような自動化学分析装置の普
及がめざましい。即ち、上記装置では、減圧採血管をラ
ックに設置した状態で、減圧採血管から栓体を取り外す
ことなく、検査針を栓体に貫通させて、その内部の血液
試料を採取できるようにしている。
【0006】上記のような装置では、血液試料を容易に
能率よく採取できるように、検査針を栓体に穿刺する際
の穿刺抵抗の小さな減圧採血管が要望されている。然し
ながら、このような減圧採血管を採用すると、採血時
に、圧縮された弾性鞘体の反発力が、採血針を栓体に止
めておこうとする摩擦力よりも大きくなって、減圧採血
管を後退させ、その栓体から採血針が抜けるという現象
(キックバック現象という)が生じ、この現象を如何に
解決するかが問題となってくる。本考案は、上記問題を
解決でき、且つ従来の穿刺抵抗が高く、キックバック現
象が生じない栓体を有した減圧採血管をも用いることが
可能な採血器具のアダプターを提供することを目的とす
る。
能率よく採取できるように、検査針を栓体に穿刺する際
の穿刺抵抗の小さな減圧採血管が要望されている。然し
ながら、このような減圧採血管を採用すると、採血時
に、圧縮された弾性鞘体の反発力が、採血針を栓体に止
めておこうとする摩擦力よりも大きくなって、減圧採血
管を後退させ、その栓体から採血針が抜けるという現象
(キックバック現象という)が生じ、この現象を如何に
解決するかが問題となってくる。本考案は、上記問題を
解決でき、且つ従来の穿刺抵抗が高く、キックバック現
象が生じない栓体を有した減圧採血管をも用いることが
可能な採血器具のアダプターを提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本考案の特徴とするところは、採血筒の先端部に、
該先端部を貫通する採血針が装着されて、採血針の基部
に外嵌された弾性鞘体により、採血針の基端部開口が開
閉可能とされ、採血時に、採血筒内に減圧採血管が挿入
されて、減圧採血管の開口を閉塞する栓体により、弾性
鞘体が軸心方向に圧縮されると共に、採血針の基端部
が、弾性鞘体及び栓体を貫通して、減圧採血管内に血液
試料が採取される採血器具において、採血筒と減圧採血
管間に介装されるアダプターであって、採血筒内に嵌着
される筒状の基部側本体と、本体先端部から軸心方向前
方に突設され且つ減圧採血管の挿入時に栓体を取り囲む
複数の先端部側可撓部を有し、可撓部の横断面が径方向
内方に向かって突状とされると共に、可撓部が、軸心方
向前方に向かうに従って径方向内方に移行する傾斜状と
され且つ減圧採血管の挿入時にその栓体により径方向外
方に弾性変形を介して揺動する傾斜部を有する点にあ
る。尚、減圧採血管の挿入時に栓体を取り囲む先端部側
可撓部は、周方向に等配され、且つ、少なくとも3箇所
以上に突設されていることもある。
に、本考案の特徴とするところは、採血筒の先端部に、
該先端部を貫通する採血針が装着されて、採血針の基部
に外嵌された弾性鞘体により、採血針の基端部開口が開
閉可能とされ、採血時に、採血筒内に減圧採血管が挿入
されて、減圧採血管の開口を閉塞する栓体により、弾性
鞘体が軸心方向に圧縮されると共に、採血針の基端部
が、弾性鞘体及び栓体を貫通して、減圧採血管内に血液
試料が採取される採血器具において、採血筒と減圧採血
管間に介装されるアダプターであって、採血筒内に嵌着
される筒状の基部側本体と、本体先端部から軸心方向前
方に突設され且つ減圧採血管の挿入時に栓体を取り囲む
複数の先端部側可撓部を有し、可撓部の横断面が径方向
内方に向かって突状とされると共に、可撓部が、軸心方
向前方に向かうに従って径方向内方に移行する傾斜状と
され且つ減圧採血管の挿入時にその栓体により径方向外
方に弾性変形を介して揺動する傾斜部を有する点にあ
る。尚、減圧採血管の挿入時に栓体を取り囲む先端部側
可撓部は、周方向に等配され、且つ、少なくとも3箇所
以上に突設されていることもある。
【0008】
【作用】採血を行う場合、予め、採血針を有した採血筒
内にアダプターを装着した後、採血針を血管に穿刺す
る。この状態では、採血針の基端部開口は弾性鞘体で閉
塞されているので、血液が採血筒内等に漏出することは
ない。次に、アダプター内に、減圧採血管を栓体を前に
して挿入するが、この際、減圧採血管の栓体にアダプタ
ーの可撓部の傾斜部を当接させながら、減圧採血管をア
ダプター内に挿入していく。これにより、栓体を取り囲
む各可撓部が栓体を案内しながら径方向外方に弾性変形
を介して揺動するのであり、栓体の外径が広範囲にわた
り各可撓部により径方向に関してアダプター、即ち、採
血筒の中心部に位置決めされた状態で挿入される。
内にアダプターを装着した後、採血針を血管に穿刺す
る。この状態では、採血針の基端部開口は弾性鞘体で閉
塞されているので、血液が採血筒内等に漏出することは
ない。次に、アダプター内に、減圧採血管を栓体を前に
して挿入するが、この際、減圧採血管の栓体にアダプタ
ーの可撓部の傾斜部を当接させながら、減圧採血管をア
ダプター内に挿入していく。これにより、栓体を取り囲
む各可撓部が栓体を案内しながら径方向外方に弾性変形
を介して揺動するのであり、栓体の外径が広範囲にわた
り各可撓部により径方向に関してアダプター、即ち、採
血筒の中心部に位置決めされた状態で挿入される。
【0009】又、これと共に、栓体が弾性鞘体を圧縮す
ると共に、採血針の基部が弾性鞘体及び栓体を貫通し、
減圧採血管の減圧度に応じて、減圧採血管内に所要量の
血液試料が流入する。挿入された減圧採血管の栓体の穿
刺抵抗が低い場合には、アダプターの可撓部が、減圧採
血管の栓体の挿入時に、軸心方向前方に向かうに従っ
て、径方向外方に移行する傾斜状となるため、可撓部の
復帰力により栓体の側面が把持され、圧縮された弾性鞘
体によるキックバック現象が防止される。
ると共に、採血針の基部が弾性鞘体及び栓体を貫通し、
減圧採血管の減圧度に応じて、減圧採血管内に所要量の
血液試料が流入する。挿入された減圧採血管の栓体の穿
刺抵抗が低い場合には、アダプターの可撓部が、減圧採
血管の栓体の挿入時に、軸心方向前方に向かうに従っ
て、径方向外方に移行する傾斜状となるため、可撓部の
復帰力により栓体の側面が把持され、圧縮された弾性鞘
体によるキックバック現象が防止される。
【0010】又、従来の、栓体の穿刺抵抗が比較的高
く、キックバック現象の生じない栓体を有する減圧採血
管の場合には、可撓部の横断面が、径方向内方に向かっ
て突状とされているので、減圧採血管のアダプターに対
する挿脱時に、可撓部の内面が全幅にわたって栓体に当
接せず、その一部のみが当接するので、減圧採血管の挿
脱抵抗が大きくならず、減圧採血管の挿脱を容易に行え
る。減圧採血管に所要量の血液試料が採取されると、減
圧採血管の内部が昇圧して、採血が終了する。採血が終
了すれば、減圧採血管をアダプターから強制的に引き抜
く。これにより、採血針の基部が栓体及び弾性鞘体から
引き抜かれると共に、弾性鞘体も、原体勢に復帰して、
採血針の基端部開口は弾性鞘体で閉塞されるので、血液
が採血筒内等に漏出することはない。
く、キックバック現象の生じない栓体を有する減圧採血
管の場合には、可撓部の横断面が、径方向内方に向かっ
て突状とされているので、減圧採血管のアダプターに対
する挿脱時に、可撓部の内面が全幅にわたって栓体に当
接せず、その一部のみが当接するので、減圧採血管の挿
脱抵抗が大きくならず、減圧採血管の挿脱を容易に行え
る。減圧採血管に所要量の血液試料が採取されると、減
圧採血管の内部が昇圧して、採血が終了する。採血が終
了すれば、減圧採血管をアダプターから強制的に引き抜
く。これにより、採血針の基部が栓体及び弾性鞘体から
引き抜かれると共に、弾性鞘体も、原体勢に復帰して、
採血針の基端部開口は弾性鞘体で閉塞されるので、血液
が採血筒内等に漏出することはない。
【0011】
【実施例】以下、本考案の一実施例を図面に基づき説明
すると、図1乃至図3は採血器具を示し、採血器具は、
採血筒1と、採血針2と、減圧採血管3と、アダプター
4とから成る。採血筒1はポリプロピレン等のプラスチ
ックにより成形されており、ほぼ一定径の円筒状とされ
た本体5と、本体5の先端部から先細状に突設される先
細部6と、本体5の基端部から径方向外方に突設された
フランジ部7とから成る。採血針2は、採血筒1の先細
部6に装着されるもので、採血針2の長手方向中央部に
位置し且つ採血筒1の先細部6の中央部に螺結されたハ
ブ10と、ハブ10に挿通され且つ中空状とされて両端
が開口する針本体11とから成る。針本体11のハブ1
0よりも基部側には、針本体11の基端部開口を開閉し
且つゴムからなる弾性鞘体12が外嵌されて、該弾性鞘
体12がハブ10に固着されている。
すると、図1乃至図3は採血器具を示し、採血器具は、
採血筒1と、採血針2と、減圧採血管3と、アダプター
4とから成る。採血筒1はポリプロピレン等のプラスチ
ックにより成形されており、ほぼ一定径の円筒状とされ
た本体5と、本体5の先端部から先細状に突設される先
細部6と、本体5の基端部から径方向外方に突設された
フランジ部7とから成る。採血針2は、採血筒1の先細
部6に装着されるもので、採血針2の長手方向中央部に
位置し且つ採血筒1の先細部6の中央部に螺結されたハ
ブ10と、ハブ10に挿通され且つ中空状とされて両端
が開口する針本体11とから成る。針本体11のハブ1
0よりも基部側には、針本体11の基端部開口を開閉し
且つゴムからなる弾性鞘体12が外嵌されて、該弾性鞘
体12がハブ10に固着されている。
【0012】減圧採血管3は、採血筒1の基端部開口か
らその内部に挿入されるもので、内部が減圧されてお
り、図1及び図2にも示すように、一端が開口し且つ他
端が閉塞した有底管14と、有底管14の開口を着脱自
在に閉塞する栓体15とから成り、或いはゴムからなる
本体と、本体の外面に外嵌されたプラスチック製カバー
とから成るものも存在する。また、栓体15は、採血管
を穿刺すると共に軸心方向に長さが比較的短く設定され
た中央穿刺部18と、有底管14と大きな嵌合力で嵌着
するために、軸心方向の長さが長くされた外周部19を
伴った形態をしている。
らその内部に挿入されるもので、内部が減圧されてお
り、図1及び図2にも示すように、一端が開口し且つ他
端が閉塞した有底管14と、有底管14の開口を着脱自
在に閉塞する栓体15とから成り、或いはゴムからなる
本体と、本体の外面に外嵌されたプラスチック製カバー
とから成るものも存在する。また、栓体15は、採血管
を穿刺すると共に軸心方向に長さが比較的短く設定され
た中央穿刺部18と、有底管14と大きな嵌合力で嵌着
するために、軸心方向の長さが長くされた外周部19を
伴った形態をしている。
【0013】アダプター4は、採血筒1と減圧採血管3
間に着脱自在に介装されるもので、可撓性を有するプラ
スチック、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポ
リ塩化ビニル、ポリカーボネイト等により成形されてい
る。アダプター4は、略一定径の円筒状とされた本体2
1と、本体21の基端部から径方向外方に突設されたフ
ランジ部22と、本体21の先端部に周方向に等配され
た複数(実施例では4個)の可撓部23とから成る。本
体21は採血筒1の基部内に嵌着されて、フランジ部2
2の突起25が採血筒1のフランジ部7と軸心方向に関
して当接し、アダプター4の採血筒1への挿入限界位置
を設定している。
間に着脱自在に介装されるもので、可撓性を有するプラ
スチック、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポ
リ塩化ビニル、ポリカーボネイト等により成形されてい
る。アダプター4は、略一定径の円筒状とされた本体2
1と、本体21の基端部から径方向外方に突設されたフ
ランジ部22と、本体21の先端部に周方向に等配され
た複数(実施例では4個)の可撓部23とから成る。本
体21は採血筒1の基部内に嵌着されて、フランジ部2
2の突起25が採血筒1のフランジ部7と軸心方向に関
して当接し、アダプター4の採血筒1への挿入限界位置
を設定している。
【0014】可撓部23は、本体21の先端部から軸心
方向前方に突設されて、減圧採血管3の挿入時に、栓体
15を取り囲むものである。尚、軸心方向前方とは、採
血針2の先端側のことをいう。可撓部23は、その全体
が、軸心方向前方に向かうに従って径方向内方に移行す
る傾斜状とされ、且つ、減圧採血管3の挿入時に栓体1
5により径方向外方に弾性変形を介して揺動する。又、
可撓部23の横断面は、山形状とされて、径方向内方に
向かって突状とされている。
方向前方に突設されて、減圧採血管3の挿入時に、栓体
15を取り囲むものである。尚、軸心方向前方とは、採
血針2の先端側のことをいう。可撓部23は、その全体
が、軸心方向前方に向かうに従って径方向内方に移行す
る傾斜状とされ、且つ、減圧採血管3の挿入時に栓体1
5により径方向外方に弾性変形を介して揺動する。又、
可撓部23の横断面は、山形状とされて、径方向内方に
向かって突状とされている。
【0015】上記のように構成した採血器具を用い、栓
体15の外径が採血筒1の内径よりもかなり小さい減圧
採血管3に血液試料を採取する場合(実施例1)には、
予め、図1に示すように、採血筒1内にアダプター4を
装着し、この状態で、採血針2を血管に穿刺する。この
状態では、採血針2の基端部開口は弾性鞘体12で閉塞
されているので、血液が採血筒1内等に漏出して、採血
筒1、減圧採血管3、アダプター4等を汚染することは
ない。次に、図2に示すように、アダプター4内に、減
圧採血管3を栓体15を前にして挿入する。
体15の外径が採血筒1の内径よりもかなり小さい減圧
採血管3に血液試料を採取する場合(実施例1)には、
予め、図1に示すように、採血筒1内にアダプター4を
装着し、この状態で、採血針2を血管に穿刺する。この
状態では、採血針2の基端部開口は弾性鞘体12で閉塞
されているので、血液が採血筒1内等に漏出して、採血
筒1、減圧採血管3、アダプター4等を汚染することは
ない。次に、図2に示すように、アダプター4内に、減
圧採血管3を栓体15を前にして挿入する。
【0016】減圧採血管3を挿入するに従って、栓体1
5を取り囲む角可撓部23が栓体15の軸心方向中央へ
と導く。栓体5は、弾性鞘体12を圧縮すると共に、採
血針2の基端部が弾性鞘体12及び栓体15を貫通する
が、栓体15が各可撓部23により径方向に関してアダ
プター4、即ち、採血筒1の中央部に位置決めされた状
態で挿入されるので、採血針2の基部は、確実に栓体1
5の中央穿刺部18に穿刺され、外周部19に穿刺され
ることはない。又、最近においては、穿刺抵抗の小さな
減圧採血管が好ましい自動分析装置の普及がめざましい
ため、減圧採血管として、穿刺抵抗の小さなものが要望
されているが、このような減圧採血管を作製し、即ち、
図3に示すように、従来のゴムより成る栓体15におい
て、栓体15の中央穿刺部18の軸心方向の長さを1mm
〜2.5mm程度に設定されている減圧採血管3に血液試
料を採取する場合(実施例2)には、前手法と同様に、
アダプター4を装着し、採血針2を血管に穿刺した採血
筒1内に栓体15を前にして挿入する。
5を取り囲む角可撓部23が栓体15の軸心方向中央へ
と導く。栓体5は、弾性鞘体12を圧縮すると共に、採
血針2の基端部が弾性鞘体12及び栓体15を貫通する
が、栓体15が各可撓部23により径方向に関してアダ
プター4、即ち、採血筒1の中央部に位置決めされた状
態で挿入されるので、採血針2の基部は、確実に栓体1
5の中央穿刺部18に穿刺され、外周部19に穿刺され
ることはない。又、最近においては、穿刺抵抗の小さな
減圧採血管が好ましい自動分析装置の普及がめざましい
ため、減圧採血管として、穿刺抵抗の小さなものが要望
されているが、このような減圧採血管を作製し、即ち、
図3に示すように、従来のゴムより成る栓体15におい
て、栓体15の中央穿刺部18の軸心方向の長さを1mm
〜2.5mm程度に設定されている減圧採血管3に血液試
料を採取する場合(実施例2)には、前手法と同様に、
アダプター4を装着し、採血針2を血管に穿刺した採血
筒1内に栓体15を前にして挿入する。
【0017】減圧採血管3を挿入するに従って、栓体1
5を取り囲む各可撓部23が栓体15を案内しながら径
方向外方に弾性変形を介して揺動し、栓体15は各可撓
部23により径方向に関してアダプター4、即ち、採血
筒1の中央部に位置決めされた状態で挿入される。そし
て、可撓部23は、径方向内方への復帰力によって、減
圧採血管3の栓体15の側面を把持し、これにより、軸
心方向に圧縮された弾性鞘体12の反発力によって、減
圧採血管3が後退して、その栓体15から採血針2が抜
けるというキックバック現象を防止できる。ところで、
比較例1として、実施例2に使用した減圧採血管3を用
い、アダプター4を装着していない状態で、栓体15に
採血針2を貫通させた状態では、弾性鞘体12が軸心方
向に圧縮されているので、弾性鞘体12の反発力によ
り、減圧採血管3が後退して、その栓体15から採血針
2が抜けるというキックバック現象が常に生じた。
5を取り囲む各可撓部23が栓体15を案内しながら径
方向外方に弾性変形を介して揺動し、栓体15は各可撓
部23により径方向に関してアダプター4、即ち、採血
筒1の中央部に位置決めされた状態で挿入される。そし
て、可撓部23は、径方向内方への復帰力によって、減
圧採血管3の栓体15の側面を把持し、これにより、軸
心方向に圧縮された弾性鞘体12の反発力によって、減
圧採血管3が後退して、その栓体15から採血針2が抜
けるというキックバック現象を防止できる。ところで、
比較例1として、実施例2に使用した減圧採血管3を用
い、アダプター4を装着していない状態で、栓体15に
採血針2を貫通させた状態では、弾性鞘体12が軸心方
向に圧縮されているので、弾性鞘体12の反発力によ
り、減圧採血管3が後退して、その栓体15から採血針
2が抜けるというキックバック現象が常に生じた。
【0018】また、従来より使用されている、栓体15
の中央穿刺部18の軸心方向の長さが比較的長く設定さ
れると共に、外径が大きく設定された減圧採血管3を用
いる場合においても、実施例1及び2と同様な方法で血
液試料を採取することも可能である。この場合、可撓部
23の横断面が、径方向内方に向かって突状とされてい
るので、減圧採血管3のアダプター4に対する挿脱時
に、可撓部23の内面が全幅にわたって栓体15に当接
せず、その一部のみが当接するので、減圧採血管3の挿
脱抵抗が大きくならず、減圧採血管3の挿脱を容易に行
える。尚、実施例では、アダプターを採血筒に嵌合した
だけであるが、採血筒の本体の内周面及びアダプターの
本体の外周面に、周溝と、この周溝に係合する周突起を
設けて、アダプターを採血筒に強固に固定するようにし
てもよい。又、アダプターを採血筒に螺子や接着剤で固
定してもよい。
の中央穿刺部18の軸心方向の長さが比較的長く設定さ
れると共に、外径が大きく設定された減圧採血管3を用
いる場合においても、実施例1及び2と同様な方法で血
液試料を採取することも可能である。この場合、可撓部
23の横断面が、径方向内方に向かって突状とされてい
るので、減圧採血管3のアダプター4に対する挿脱時
に、可撓部23の内面が全幅にわたって栓体15に当接
せず、その一部のみが当接するので、減圧採血管3の挿
脱抵抗が大きくならず、減圧採血管3の挿脱を容易に行
える。尚、実施例では、アダプターを採血筒に嵌合した
だけであるが、採血筒の本体の内周面及びアダプターの
本体の外周面に、周溝と、この周溝に係合する周突起を
設けて、アダプターを採血筒に強固に固定するようにし
てもよい。又、アダプターを採血筒に螺子や接着剤で固
定してもよい。
【0019】又、本実施例での、減圧採血管の栓体に採
血針の基端部を穿刺する際における、圧縮された弾性鞘
体の反発力によるキックバック現象の防止機構は、アダ
プターの可撓部が、減圧採血管の栓体の挿入時に、軸心
方向前方に向かうに従って、径方向外方に移行する傾斜
状となるため、可撓部の復帰力により栓体の側面が把持
されることで達成されているが、これに限らず、アダプ
ターの可撓部が、軸心方向前方に向かうに従って径方向
内方に移行する傾斜状とされ且つ減圧採血管の挿入時に
栓体により径方向外方に弾性変形を介して揺動する基部
側の傾斜部と、傾斜部の先端部から軸心方向前方側に突
設された先端部側保持部とを有し、保持部が、減圧採血
管の挿入時の傾斜部の揺動により、径方向外方に傾斜状
とされ減圧採血管を保持するような形状にしておくこと
も可能であり、又、傾斜部と可撓部の境界部にプラスチ
ック成形上、アンダーカットと一般に呼ばれる突起を径
方向内方に向かって突出させておくようにしてもよい。
血針の基端部を穿刺する際における、圧縮された弾性鞘
体の反発力によるキックバック現象の防止機構は、アダ
プターの可撓部が、減圧採血管の栓体の挿入時に、軸心
方向前方に向かうに従って、径方向外方に移行する傾斜
状となるため、可撓部の復帰力により栓体の側面が把持
されることで達成されているが、これに限らず、アダプ
ターの可撓部が、軸心方向前方に向かうに従って径方向
内方に移行する傾斜状とされ且つ減圧採血管の挿入時に
栓体により径方向外方に弾性変形を介して揺動する基部
側の傾斜部と、傾斜部の先端部から軸心方向前方側に突
設された先端部側保持部とを有し、保持部が、減圧採血
管の挿入時の傾斜部の揺動により、径方向外方に傾斜状
とされ減圧採血管を保持するような形状にしておくこと
も可能であり、又、傾斜部と可撓部の境界部にプラスチ
ック成形上、アンダーカットと一般に呼ばれる突起を径
方向内方に向かって突出させておくようにしてもよい。
【0020】
【考案の効果】以上詳述したように、本考案によれば、
減圧採血管の栓体の外径が採血筒の内径よりもかなり小
さい場合でも、アダプターにより、減圧採血管の栓体を
アダプター、即ち、採血筒の径方向に関して中央部に位
置決めできるので、採血針を栓体の中央穿刺部に穿刺で
きる。従って、従来のように、採血針が、栓体における
軸心方向の長さが長い外周部に穿刺され、採血針を栓体
から引き抜く際に、その抵抗力が、栓体と減圧採血管の
開口部分との嵌合力を上回って、栓体が採血針と共に減
圧採血管の開口部分から抜けることはない。又、減圧採
血管の栓体の中央穿刺部の軸心方向の長さが極度に短い
場合においても、アダプターの可撓部の作用により、キ
ックバック現象を良好に防止でき、従来より用いられて
きている、栓体の中央穿刺部の軸心方向の長さが比較的
長く設定されると共に外径が大きく設定された減圧採血
管に本発明のアダプターを使用しても、容易に採血を行
うことができる。
減圧採血管の栓体の外径が採血筒の内径よりもかなり小
さい場合でも、アダプターにより、減圧採血管の栓体を
アダプター、即ち、採血筒の径方向に関して中央部に位
置決めできるので、採血針を栓体の中央穿刺部に穿刺で
きる。従って、従来のように、採血針が、栓体における
軸心方向の長さが長い外周部に穿刺され、採血針を栓体
から引き抜く際に、その抵抗力が、栓体と減圧採血管の
開口部分との嵌合力を上回って、栓体が採血針と共に減
圧採血管の開口部分から抜けることはない。又、減圧採
血管の栓体の中央穿刺部の軸心方向の長さが極度に短い
場合においても、アダプターの可撓部の作用により、キ
ックバック現象を良好に防止でき、従来より用いられて
きている、栓体の中央穿刺部の軸心方向の長さが比較的
長く設定されると共に外径が大きく設定された減圧採血
管に本発明のアダプターを使用しても、容易に採血を行
うことができる。
【図1】本考案の一実施例を示す縦側断面図である。
【図2】減圧採血管の栓体の外径の小さなものを用いた
際の同縦側断面図である。
際の同縦側断面図である。
【図3】減圧採血管の栓体の中央穿刺部が軸心方向に極
度に短く設定されたものを用いた際の同縦側断面図であ
る。
度に短く設定されたものを用いた際の同縦側断面図であ
る。
【図4】アダプターの斜視図である。
【図5】図1のA−A線矢視断面図である。
1 採血筒 2 採血針 3 減圧採血管 4 アダプター 12 弾性鞘体 14 有底管 15 栓体 18 中央穿刺部 19 外周部 21 アダプター本体 23 可撓部
Claims (2)
- 【請求項1】採血筒の先端部に、該先端部を貫通する採
血針が装着されて、採血針の基部に外嵌された弾性鞘体
により、採血針の基端部開口が開閉可能とされ、採血時
に、採血筒内に減圧採血管が挿入されて、減圧採血管の
開口を閉塞する栓体により、弾性鞘体が軸心方向に圧縮
されると共に、採血針の基端部が、弾性鞘体及び栓体を
貫通して、減圧採血管内に血液試料が採取される採血器
具において、 採血筒と減圧採血管間に介装されるアダプターであっ
て、 採血筒内に嵌着される筒状の基部側本体と、本体先端部
から軸心方向前方に突設され且つ減圧採血管の挿入時に
栓体を取り囲む複数の先端部側可撓部を有し、可撓部の
横断面が径方向内方に向かって突状とされると共に、可
撓部が、軸心方向前方に向かうに従って径方向内方に移
行する傾斜状とされ且つ減圧採血管の挿入時にその栓体
により径方向外方に弾性変形を介して揺動する傾斜部を
有することを特徴とする採血器具のアダプター。 - 【請求項2】減圧採血管の挿入時に栓体を取り囲む先端
部側可撓部は、周方向に等配され、且つ少なくとも3箇
所以上に突設されていることを特徴とする請求項1記載
の採血器具のアダプター。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2507392U JP2500141Y2 (ja) | 1992-03-24 | 1992-03-24 | 採血器具のアダプタ― |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2507392U JP2500141Y2 (ja) | 1992-03-24 | 1992-03-24 | 採血器具のアダプタ― |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0576404U JPH0576404U (ja) | 1993-10-19 |
JP2500141Y2 true JP2500141Y2 (ja) | 1996-06-05 |
Family
ID=12155755
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2507392U Expired - Lifetime JP2500141Y2 (ja) | 1992-03-24 | 1992-03-24 | 採血器具のアダプタ― |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2500141Y2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6997916B2 (en) * | 2004-01-02 | 2006-02-14 | Smiths Medical Asd, Inc. | Fluid transfer holder assembly and a method of fluid transfer |
-
1992
- 1992-03-24 JP JP2507392U patent/JP2500141Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0576404U (ja) | 1993-10-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH07108290B2 (ja) | 採血器具のアダプター | |
US6024710A (en) | Blood collection tube closure for use with a needle holder | |
EP0129029B1 (en) | Low contamination closure for blood collection tubes | |
JP5199398B2 (ja) | 毛管作用採集装置および容器アセンブリ | |
US4976925A (en) | Appliance designed for single use for taking samples of liquids | |
JP3673297B2 (ja) | 採血装置 | |
JPS641138B2 (ja) | ||
EP0342653A2 (en) | Holder for blood sample tube | |
WO1983000281A1 (en) | Ventable sample collection device | |
US5086783A (en) | Blood sampling device | |
JPS5889275A (ja) | 針保持組立体用鎧装 | |
US5687740A (en) | Needle holder assembly including sleeve of thermoplastic elastomer | |
JP2500141Y2 (ja) | 採血器具のアダプタ― | |
JPH07204180A (ja) | 採血管ホルダー | |
EP1782732A1 (en) | Blood-collecting needle set | |
EP1342449A2 (en) | Blood collecting needle | |
JP3329413B2 (ja) | 採血管ホルダー | |
JP3144591B2 (ja) | 採血器具のアダプター | |
JP3006075U (ja) | 採血管ホルダー | |
JPH07327963A (ja) | 真空採血管用ホルダー | |
JPH05300899A (ja) | 採血器具のアダプター装置 | |
JP3329414B2 (ja) | 採血管ホルダー | |
JP2584563Y2 (ja) | 真空採血管用ホルダー | |
CN214856765U (zh) | 一种采血管 | |
JPH0551308U (ja) | 減圧採血管用採血筒 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |