JPH07327963A - 真空採血管用ホルダー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】簡単な操作によってキックバックを防止するこ
とができ、採血の際に被採血者の血管を損傷したり、被
採血者に負担を与えることのない真空採血管用ホルダー
を提供する。 【構成】一端に採血針を接続するための針接合部を有
し、他端が開口している円筒状のホルダー本体Ａ内部
に、スプリングＣによって支持された保持具Ｂが設けら
れ、該ホルダー本体Ａの外側には係合部４ａを有する係
止具Ｄが設けられ、該係合部４ａによって真空採血管Ｖ
が着脱自在に保持される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は真空採血管用ホルダーに
関し、特にキックバックを防止する真空採血管用ホルダ
ーに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、血液検査を行うための採血は
注射器を用いて行われていたが、最近では真空採血器を
用いた真空採血法が採用されている。この真空採血器
は、図１に示すように、円筒状の採血ホルダー１０、支
持具２０にて該ホルダー１０に保持される採血針３０及
び血液容器４０を有する。該血液容器４０は栓体４２が
気密状態で嵌合されることにより、容器本体４１内は減
圧状態に保たれている。このような真空採血器を使用し
て、採血針３０の後端部３２を血液容器４０の栓体４２
に貫通させると共に、採血針３０の先端部３１を被採血
者の血管内に挿入することにより、減圧状態の容器本体
４１内へ血液が自動的に吸入されて採血が行われる。

【０００３】上記真空採血器には真空状態を維持するた
めにガスバリヤー性が要求され、栓体４２についてはガ
スバリヤー性や再シール性を付与するために、その厚さ
は厚いものが使用されている。しかしながら、栓体４２
の刺通部の厚さが厚くなると、採血針３０を栓体４２へ
刺通する際の刺通抵抗が強くなるため、採血針３０が刺
通直後に抜ける現象、いわゆるキックバックの起こるこ
とが知られている。

【０００４】上記キックバックを防止するために、一端
に採血針を接続するための針接合部を有し、他端が開口
しているホルダー本体の内壁面に弾発性を有した凸部を
設け、該凸部の頂点は、少なくともホルダー本体内に採
血管を挿入した際、採血管に当接すると共に僅かに変形
するように形成されており、この変形により生じた反発
力を採血管に与えるように構成された採血管ホルダーが
開示されている（特公平４−６４２６０号公報）。しか
しながら、この採血管ホルダーは、キックバックの発生
を防止するのに効果はあるが、採血針の先端部を血管に
挿入した後採血針の後端部に採血管を挿入する際や採血
針から採血管を抜く際に大きな力を入れ過ぎて、血管を
損傷する可能性があった。

【０００５】また、上記キックバックを防止するため
に、採血管本体の外面に設けられたリブと、該リブと係
合する係止部が採血管ホルダーの内面に設けられた採血
器具が開示されている（特公平３−３９６９５号公
報）。しかしながら、この採血器具は、リブの付いた採
血管本体を新たに成形する必要があり、既存の採血管を
使用することができないという問題点があった。

【０００６】また、上記採血器具は、採血管本体を傾斜
させるか回転させるかして採血管ホルダーに固定し、キ
ックバックを防止させるため、被採血者に対して大きな
負担を強いるという問題点があった。

【０００７】さらに、採血管ホルダーに設けられたスリ
ットにより採血管本体を固定する採血管ホルダーが提案
されているが、採血に際して採血ホルダーを一方の手で
固定し、他方の手で採血管本体を挿入した後その手でス
リットを操作して採血管本体を固定し、採血終了後スリ
ットを操作して採血管本体を抜き取らねばならず、被採
血者にとって煩わしい操作が要求されるいう問題点があ
った。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記欠点に
鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単な操作に
よってキックバックを防止することができ、採血の際に
被採血者の血管を損傷したり、被採血者に負担を与える
ことのない真空採血管用ホルダーを提供することにあ
る。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明の真空採血管用ホ
ルダーは、円筒状のホルダー本体と係止具から構成され
る。

【００１０】上記ホルダー本体は、図２及び図３に示す
ように、その一端に採血針を接続するための針接合部６
を有し、他端に開口部７を有する。該ホルダー本体Ａ
は、その内部にスプリングＣによって支持された保持具
Ｂを有する。この保持具Ｂは、図４に示すように、環状
の台５上に２本の突起部５ａが延設され、突起部５ａの
先端部はテーパー部５ｂを有する。上記ホルダー本体Ａ
の内周面には、複数個の深い溝１と浅い溝２とが交互に
配設されており、この溝１及び溝２には上記突起部５ａ
の先端部５ｂが挿入可能となされている。

【００１１】上記ホルダー本体Ａ及び保持具Ｂの材質と
しては、特に限定されないが、金属、プラスチック等が
好ましく、プラスチックの中でも、ポリエチレン、ポリ
プロピレンがより好ましい。

【００１２】上記ホルダー本体Ａの外部には、図５に示
すように、環状の台３上に２本の凸条片３ａが延設され
た係止具Ｄが挿入され接着剤などによって固定されてい
る。この凸条片３ａには係止部４ａ及び凸部４ｂがそれ
ぞれ設けられている。

【００１３】上記係止具Ｄの材質としては、特に限定さ
れないが、金属、プラスチックが好ましく、より好まし
くは鉄、アルミ、ニッケル等の金属又は合金等である。

【００１４】

【実施例】以下に、本発明の実施例を図面を参照しなが
ら説明する。 （実施例１）真空採血管用ホルダーを使用して採血する
場合は、まず、図６に示すように、真空採血管Ｖの栓体
Ｒの先端を保持具Ｂの環状の台５に当接して押し下げ
る。この保持具Ｂを押し下げながら回転することによ
り、図２に示したように、凸条片５ａが浅い溝２に挿入
して固定される。

【００１５】また、保持具Ｂを押し下げることにより、
栓体Ｒの鍔部ｒが係止具Ｄの係止部４ａを押し広げる。
さらに保持具Ｂを押し下げることにより、鍔部ｒが係止
部４ａから外れて凸条片３ａが狭められ、突起部５ａが
浅い溝２に固定された段階では、鍔部ｒが係止部４ａと
係合する。一方、保持具ＢはスプリングＣによって真空
採血管Ｖ側に押し上げられているので、真空採血管Ｖが
真空採血管用ホルダーにロックされる。

【００１６】次いで、真空採血管Ｖの採血針接合部６に
採血針（図示しない）を接合し、採血針の後端部を栓体
Ｒに刺通し、採血針の先端部を血管に挿入することによ
り被採血者から採血する。真空採血管Ｖが保持具Ｂと係
止具Ｄとに固定されているので、キックバックを起こす
ことがない。採血終了後、採血針を血管から抜き取り、
図３に示したように、保持具Ｂを回転させてその突起部
５ａを深い溝１に挿入することにより、保持具Ｂがスプ
リングＣによって押し上げられ、その環状の台５が係止
具Ｄの凸部４ｂと当接して凸条片３ａが押し広げられ、
その係止部４ａが栓体Ｒの鍔部ｒから外れる。

【００１７】以上の操作により、真空採血管Ｖを容易に
真空採血管用ホルダーに着脱するこができ、採血を行う
ことができる。

【００１８】上記真空採血管１の材質としては、ガラ
ス、プラスチックなどが挙げられ、プラスチックとして
は、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリプロ
ピレン、ポリエチレンなどが好適に使用される。

【００１９】上記栓体Ｒの材質としては、弾性、気密性
が要求されるため、その材質としては、一般にブチルゴ
ム、ハロゲン化ブチルゴム等が用いられる。

【００２０】

【発明の効果】本発明の真空採血管用ホルダーの構成
は、上述の通りであり、採血管を容易に固定することが
でき、さらにキックバックを防止するこおができるので
採血漏れや採血ミスが防止でき、さらに、採血者及び被
採血者の採血時における負担が軽減させ、血管を損傷す
ることがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の採血管を示す縦断面図である。

【図２】本発明で使用されるホルダー本体を示す断面図
である。

【図３】本発明で使用されるホルダー本体を示す断面図
である。

【図４】本発明で使用される保持具を示す斜視図であ
る。

【図５】本発明で使用される係止具を示す斜視図であ
る。

【図６】本発明の真空採血管ホルダーに、採血管がロッ
クされた状態を示す断面図である。

【図７】本発明の真空採血管ホルダーから、採血管が取
り外された状態を示す断面図である。

【符号の説明】

Ａ ホルダー本体 Ｂ 保持具 Ｃ スプリング Ｄ 係止具 Ｒ 栓体 ｒ 鍔部 Ｖ 真空採血管 １ 深い溝 ２ 浅い溝 ３，５ 環状の台 ６ 針接合部 ７ 開口部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】一端に採血針を接続するための針接合部を
   有し、他端が開口している円筒状のホルダー本体内部
   に、スプリングによって支持された保持具が設けられ、
   該ホルダー本体の外側には係合部を有する係止具が設け
   られ、該係合部によって真空採血管が着脱自在に保持さ
   れることを特徴とする真空採血管用ホルダー。