JPH07203967A - 霊長動物造血成長因子の新規種族 - Google Patents

霊長動物造血成長因子の新規種族

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JPH07203967A
JPH07203967A JP7002454A JP245495A JPH07203967A JP H07203967 A JPH07203967 A JP H07203967A JP 7002454 A JP7002454 A JP 7002454A JP 245495 A JP245495 A JP 245495A JP H07203967 A JPH07203967 A JP H07203967A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 霊長動物IL−3蛋白質を提供すること。 【構成】 実質的に他の蛋白質性材料を随伴しない霊長
動物IL−3蛋白質。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、霊長動物IL−3様
造血成長因子の新規種族および組換え遺伝子工学技術に
よるそれらの製造方法に関するものである。
【0002】
【背景】ヘマトポイエチン、すなわち造血成長因子は、
造血細胞の生存、成長および分化を促す蛋白質である。
コロニー刺激因子(CSF)は、骨髄、胎児肝臓および他
の造血器官の前駆細胞から生じる造血細胞コロニーのイ
ンビトロ成長に対する促進能を特徴とする、これらの造
血成長因子のサブセットである。
【0003】ある種のヘマトポイエチンの生化学的およ
び生物学的同定および特徴分析は、天然供給源、例えば
血液および尿から入手され得る少量の天然因子により阻
まれていた。これらのヘマトポイエチンの中には、最近
分子クローン化され、異種発現され、均質に精製された
ものがある。[メットカーフ、『ザ・モレキュラー・バ
イオロジー・アンド・ファンクションズ・オブ・ザ・グ
ラニュロサイト−マクロファージ・コロニー・スティミ
ュレーティング・ファクターズ』、「ブラッド」、67
(2):257−267(1986)]。これらのヘマトポ
イエチンには、ヒトおよびネズミGM−CSF、ヒトG
−CSF、ヒトCSF−1およびネズミIL−3があ
る。ヒトGM−CSF[ドナヒュー等、「ネイチャ
ー」、321:872−875(1986)]、ネズミI
L−3[キンドラー等、「プロシーディングズ・オブ・
ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ・
オブ・ザ・ユナイテッド・ステーツ・オブ・アメリ
カ」、83:1001−1005(1986)、メットカ
ーフ等、「ブラッド」、68:46−57(1986)]
およびヒトG−CSF[ベルテ等、「J.Exp.Med.」、
165:941−948(1987)]は、インビボでの
造血に対する効果を立証した。ネズミ蛋白質IL−3に
よる研究は広範に行なわれたが、ヒト類縁体はまだ発見
されていない。[コーエン等、「ニュークリーク・アシ
ッズ・リサーチ」、14:3641(1986)]。
【0004】
【発明の簡単な要約】この発明は、実質的に他の霊長動
物蛋白質を含まず、後記第1および2表に示したアミノ
酸配列と同一または実質的に相同性であるペプチド配列
を有することを特徴とする、霊長動物IL−3様成長因
子の一種族を提供する。特にヒト蛋白質を含め、これら
の霊長動物蛋白質もまた、以後単にIL−3と称する。
これらの蛋白質は、表に描かれたDNA配列、およびそ
れとハイブリダイゼーション可能または遺伝子コードの
縮重を除きそれとハイブリダイゼーション可能な配列で
あって、IL−3様生物学的特性を有するポリペプチド
をコードする配列、およびこれらの特性を示す他の多様
に修飾された配列によりコードされる。これらのポリペ
プチド類はまた、IL−3様生物学的特性を特徴とす
る。
【0005】一例として、この発明は、少なくとも1つ
のIL−3様生物学的特性を有し、表2に描かれた配列
と同一または実質的に同じ配列を含むペプチド配列を特
徴とする、他のヒト・ポリペプチドの随伴が実質的にな
いヒトポリペプチドを提供する。この発明のポリペプチ
ドの別の例として、他の霊長動物ポリペプチドの随伴が
実質的にないテナガザルポリペプチドは、表1に示され
た配列と同一または実質的に同じ配列を含み、少なくと
も1つのIL−3様生物学的特性を有するペプチド配列
を特徴とする。
【0006】この発明のポリペプチドは、標準ヒト骨髄
検定において10〜100ピコモル濃度で様々な系統の
多数のタイプの造血コロニーに対する形成刺激能を有す
ることを特徴とする。この発明の蛋白質により共有され
得る他のIL−3様特性には下記の特性がある。
【0007】(a)還元SDSポリアクリルアミドゲル電
気泳動により測定された約14〜約35キロダルトンの
見かけの分子量、(b)CML検定における10〜100
ピコモル濃度でのCML細胞増殖刺激能、(c)pH6.0
〜7.6間の等電点、(d)スーパローズ6ゲルろ過カラム
における43kdでの単一の、好ましくは鋭いピーク、
(e)N−グリカナーゼ処理後のゲルにおける20.5kdの
単一バンド、および(f)エドマン分解法を用いたN−末
端分析における約2%以下の汚染物質レベル。
【0008】この発明の別の態様は、この発明による1
種またはそれ以上のポリペプチドの治療有効量を含む医
薬組成物に関するものである。これらの組成物は、造血
細胞レベルの不足を特徴とする幾つかの疾患状態の処置
方法において使用され得る。この発明によるこれらの方
法は、この明細書に記載された少なくとも1種のポリペ
プチドの有効量を患者に投与することを含む。
【0009】これらの治療方法は、例えば、骨髄移植後
の免疫細胞または造血細胞欠乏症を含む、白血球減少
症、血小板減少症、貧血、B細胞欠乏症、T細胞欠乏
症、細菌感染症およびウイルス感染症を含む、病気、放
射線被曝および/または薬剤の結果として生じる様々な
病的状態の処置を指向し得る。この発明によるこれらの
方法はまた、少なくとも1種の他のヘマトポイエチン、
インターロイキンまたは成長因子の有効量とIL−3様
ポリペプチドとの同時または連続投与を含み得る。この
用途におけるヘマトポイエチンの例には、GM−CS
F、G−CSF、CSF−1またはエリスロポイエチン
がある。インターロイキンの例には、IL−1、IL−
2、IL−4またはIL−6がある。これらの方法はま
た、B細胞成長因子、B細胞分化因子または好酸球分化
因子などの成長因子も使用し得る。
【0010】この発明のさらに別の態様は、少なくとも
1種のIL−3様生物学的特性を有する霊長動物ポリペ
プチドの発現をコードする、cDNA配列を含めたDN
A配列に関するものである。これらの配列は、表1また
は表2に示された5'〜3'方向のヌクレオチド配列を含
む。他方、ストリンジェント条件下で表1または表2の
DNA配列とハイブリダイズするDNA配列または非ス
トリンジェント条件下で示されたDNA配列とハイブリ
ダイズし、少なくとも1種のIL−3様生物学的特性を
有する蛋白質の発現をコードするDNA配列もこの発明
に含まれる。表1および表2の配列の対立遺伝子変異形
もまた、それらのヌクレオチド変化がペプチド配列の変
化を誘導する場合もしない場合も含めて、それらの他の
類縁体および誘導体と共にこの発明に含まれる。
【0011】この発明のさらに別の態様は、発現制御配
列と効果的に組合わされた上記DNA配列を含むベクタ
ー、およびそれらにより形質転換された細胞に関するも
のである。これらのベクターおよび形質転換細胞は、発
現制御配列と効果的に組合わされたIL−3様ポリペプ
チドの発現をコードするDNA配列により形質転換され
たセルラインを培養する、霊長動物IL−3様ポリペプ
チドの新規製造方法において使用され得る。この発明の
方法は、ポリペプチド発現用宿主細胞として幾つかの既
知細胞を使用し得る。現在好ましいセルラインは、ほ乳
類セルラインおよび細菌細胞である。以下、好ましい実
施態様の詳細な記載を考慮すれば、この発明の他の態様
および利点は明白である。
【0012】
【発明の詳細な記載】この発明により提供される霊長動
物IL−3様成長因子の種族は、他の霊長動物蛋白質性
材料との組合わせを実質的に含まず、下記表1および表
2に示された配列と同一または実質的に相同性のアミノ
酸配列を特徴とする。成長因子のこの新規科の構成員は
また、後述する通り、IL−3様成長因子の少なくとも
1つの生物学的特性を有することを特徴とする。好まし
くはこの発明の成長因子の種族に属する因子は全て、複
数のIL−3様生物学的特性を示す。
【0013】この明細書では、「IL−3様生物学的特
性」なる語は、下記生物学的特徴並びにインビボおよび
インビトロ活性の1つまたはそれ以上を含むものと定義
される。前述の一特性は、赤血球、リンパ球および脊髄
系統に関与した前駆細胞の成長および分化の促進性であ
る。例えば、標準ヒト骨髄検定の場合、IL−3様生物
学的特性は、か粒球タイプのコロニーおよび赤血球バー
ストの刺激性である。前述の別の特性は、初期多分化能
幹細胞との相互作用である。
【0014】別のIL−3様生物学的特性は、多能性前
駆細胞の成長の持続性である。別の特性は、慢性骨髄性
白血病(CML)細胞増殖に対する刺激能である。またI
L−3様生物学的特性は、マスト細胞増殖の刺激性であ
る。IL−3様成長因子はまた、様々な因子依存性セル
ラインの成長を促進および/または20−アルファ−ス
テロイドデヒドロゲナーゼ(20−アルファ−SPH)お
よびThy−1抗原の発現を誘発し得る。さらにIL−3
様生物学的特性は、KG−1細胞におけるコロニー形成
の刺激および/またはひ臓および骨髄培養における高い
ヒスタミン合成の刺激である。さらに別のIL−3様生
物学的特性は、還元ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動による約14〜約35kdの見かけ
の分子量である。IL−3様蛋白質の他の生物学的特性
は、ネズミIL−3に関する当技術分野の文献に開示さ
れている。
【0015】表1および表2に示された具体的なペプチ
ド配列は、この発明の成長因子種族に属する2例の配列
である。表1の865bp DNA配列は、テナガザル白
血病ウイルス感染テナガザルT−セルラインUCD−1
44−MLAのcDNA発現ライブラリーから分離され
た[クワカミ等、「ネイチャー」、235:170(19
72)]。この配列は、約152個のアミノ酸蛋白質、い
わゆるCSF−80をコードし、高疎水性配列(leu leu
leu leu gln leu leu)により示される慣用的リーダー
分泌配列を含む、456ヌクレオチドから成る1本の長
いオープン・リーディング・フレームを含む。成熟蛋白
質は、表1におけるアミノ酸数20のアラニンから始ま
る。コード領域は3個のシステインを含み、成熟蛋白質
には2個存在するため、1個のジスルフィド結合の存在
が考えられる。特徴的な配列、Asn−X−SerまたはA
sn−X−Thrにより示される2つのアスパラギン結合グ
リコシル化部位が存在し得る。コード配列により示され
たサイズおよびグリコシル化パターンは共に、リンホカ
イン様蛋白質の典型的なものである。865bp領域の残
りの非コード部分は、天然宿主での転写において調節的
役割を有し得る。この配列の3'端はまた、配列ATT
TAの幾つかの反復を含むAT−濃化セグメントを含
み、これはRNAメッセージ安定性に関係すると思われ
る[ショーおよびカーメン、「セル」、46(5):65
9−677(1986)参照]。
【0016】
【表5】
【表6】
【0017】表2の674bp DNA配列は、プローブ
として表1の配列を用いることにより、ヒト・ゲノム・
ライブラリー[ツール等、「ネイチャー」、312:3
42−346(1984)]から得られた。表2のDNA
配列は、最初ヒト・ゲノム配列のエクソン(表1のテナ
ガザルIL−3様ポリペプチドのDNA配列との比較に
より同定された)と一緒にスプライシングすることによ
り構築された。ヒトcDNAクローンのmRNA分析によ
り確認されたこのヒト配列もまた、霊長動物蛋白質のこ
の種族の一員である約152個から成るアミノ酸のポリ
ペプチドをコードする。このヒトポリペプチドは、高疎
水性配列(leu leu leu gln leu leu)により示される慣
用的リーダー分泌配列を含む。成熟ポリペプチドは、表
2におけるアミノ酸数20のアラニンから始まる。コー
ド領域は、成熟蛋白質において2個のシステインを含む
ため、1個のジスルフィド結合の存在が考えられる。特
徴的な配列、Asn−X−Serにより示される2つのアス
パラギン結合グリコシル化部位が存在し得る。674bp
配列の残りの非コード部分は、天然宿主での転写におい
て調節的役割を有し得る。
【0018】ヒト・ゲノム遺伝子[表2]のエクソンのヌ
クレオチド配列は、テナガザル遺伝子[表1]のDNA配
列と96%を越える相同性を示した。11コドンにおけ
るヌクレオチド配列変異は、テナガザルおよびヒト蛋白
質におけるアミノ酸の差異をもたらす。表2の配列の上
部に見られるヌクレオチドは、テナガザル配列が類縁ヒ
ト配列と相異している部位を示す。同様に、ヒトアミノ
酸配列の下部に見られるアミノ酸は、テナガザル配列と
相異している部位を示す。
【0019】
【表7】
【表8】
【0020】ファング等、「ネイチャー」、307:2
33−237(1984)により発表されたところでは、
ワシンシン、ディーシーのナショナル・バイオメディカ
ル・サービシーズによるコンピューター検索は、テナガ
ザルおよびヒトIL−3様配列が、ネズミIL−3 D
NA配列に対しアミノ酸レベルでは約29%の相同性お
よびヌクレオチドレベルでは約45%の相同性を有する
ことを示した。同様にヒトIL−3様遺伝子のエクソン
構造もネズミIL−3のコード領域と比較された。
【0021】エシェリヒア・コリHB101におけるプ
ラスミドに含まれる表1に示された新規865bp cDN
A配列は、1986年7月11日にアメリカン・タイプ
・カルチャー・コレクション(メリーランド、ロックビ
ル、パークローン・ドライブ12301)に寄託され、
ATCC67154の受託番号が与えられた。バクテリ
オファージ・ラムダに含まれる新規ゲノム配列(そのcD
NA配列は下記表2に示されている)も同様に1986
年8月7日に寄託され、ATCC40246の受託番号
が与えられた。エシェリヒア・コリHB101における
プラスミドpSHIL−3−1に含まれるヒトIL−3
DNAは、1987年2月24日にATCCに寄託さ
れ、ATCC67326の受託番号が与えられた。
【0022】さらに具体例としてのヒトおよびテナガザ
ルIL−3様ポリペプチドは、実施例で後述する通り、
形質転換COS細胞由来の35S標識蛋白質のSDSポリ
アクリルアミドゲル分析により特徴が明らかにされた。
両ポリペプチドは、見かけの分子量が約14kd−35k
d、さらに限定すれば18kd−30kdの範囲に含まれる
分子の種類とサイズの点で不均一である。これらの具体
例としてのIL−3様因子に関する分子量の前記範囲
は、純化COS細胞生産分子のグリコシル化における変
化の結果であると考えられる。純化蛋白質は、インビト
ロ・ヒト骨髄検定において10〜100ピコモル濃度で
小か粒球タイプのコロニーの形成を誘発する。さらに、
これらのヒト骨髄検定においてエリスロポイエチンの存
在下では、両ポリペプチドは、同等の活性レベルで赤血
球および脊髄前駆細胞の成長を促す。すなわちこれらの
IL−3様因子はマルチ−CSFである。またこれらの
IL−3様因子は、CML患者から得られた(白血病の)
白血球芽細胞の増殖を誘発する。これらのポリペプチド
はまた、付帯および成熟細胞、例えば単核白血球を刺激
して他の造血様因子を生産させ得ると共に他の造血細胞
のコロニー形成および他の造血タイプ活性をも刺激し得
る。
【0023】表1および表2のアミノ酸残基の連続配列
を全体的または部分的に複製する合成ポリペプチドもま
たこの発明に含まれる。合成手法によるこの発明のポリ
ペプチドの構築方法は、当業界の熟練者には周知であ
る。合成構築された配列は、表1および表2のIL−3
様ポリペプチドと一次、二次または三次構造および立体
配座に関する特徴を共有することにより、それらと共通
したIL−3様生物学的特性を有し得る。すなわち、そ
れらは、治療および免疫学的プロセスにおいて天然純化
霊長動物IL−3様ポリペプチドの生物学的活性または
免疫学的代用物として使用され得る。
【0024】また、この発明により提供されたIL−3
様成長因子の種族は、表1および表2の配列と類似した
配列によりコードされる因子をも含むが、それらに対す
る修飾は自然に行なわれるか、または工学的に慎重に誘
導されるものである。例えば、それらの一修飾ヒト蛋白
質は、Ser−27がプロリンと置き換えられている点を
除き表2に描かれた成熟ペプチド配列を有する。その蛋
白質は表2に示されたヒトcDNA配列によりコードさ
れるが、ただし、その表では27位に存在しているセリ
ン・コドンTCCがプロリン・コドンCCCと置き換え
られている点で修飾されている。pHucIL3−2とし
てエシェリヒア・コリHB101に含まれるこの具体例
としての修飾IL−3様DNA配列(活性ヒトIL−3
様因子を生産する)は、1987年2月13日にATC
Cに寄託され、受託番号ATCC67319が与えられ
た。
【0025】ペプチドまたは配列における他の修飾は、
公知技術を用いて当業界の熟練者により遂行され得る。
これらのIL−3様関連配列における興味深い特定の修
飾には、各コード配列における2個のシステイン残基の
一方または両方と他のアミノ酸との置換が含まれ得る。
好ましくは、両方のシステインを別のアミノ酸、例えば
セリンと置換することにより、ジスルフィド架橋を排除
する。このような置換に関する突然変異誘発技術は、当
業界の熟練者にはよく知られている。[例えば、アメリ
カ合衆国特許第4518584号参照。]
【0026】この明細書に記載されたIL−3様因子の
配列の他の具体的な突然変異には、グリコシル化部位の
一方または両方の修飾が含まれる。グリコシル化の不在
または一部のみのグリコシル化は、表1および表2に示
されたIL−3様因子の配列に存在するアスパラギン結
合グリコシル化認識部位の一方または両方におけるアミ
ノ酸置換または欠失により生じる。アスパラギン結合グ
リコシル化認識部位は、適当な細胞グリコシル化酵素に
より特異的に認識されるトリペプチド配列を含む。これ
らのトリペプチド配列は、アスパラギン−X−トレオニ
ンまたはアスパラギン−X−セリン(ただし、Xは通常
アミノ酸である)である。グリコシル化認識部位の第1
または第3アミノ酸位の一方または両方における様々な
アミノ酸置換または欠失(および/または第2位におけ
るアミノ酸欠失)の結果、修飾トリペプチド配列におけ
る非グリコシル化が生ずる。
【0027】例えば、これらの一修飾IL−3様因子で
は、表1の配列のAsn34はグルタミンと置換され得る。
生成した因子(Gln34)は、2箇所ではなく1箇所のアス
パラギン結合炭水化物部分(Asn89)のみを含むべきであ
る。当技術分野に精通しておれば、34位における別の
アミノ酸との置換および/またはグリコシル化認識部位
内の他の位置における別のアミノ酸との置換、例えばS
er36におけるバリンの挿入により、同じAsn89モノグリ
コシル化部位を有する類似糖蛋白質が製造され得ること
は明らかである。同様に、89位に対応するAsnコドン
および/または91位に対応するセリン・コドンは、突
然変異技術により他のアミノ酸に対するコドンに改変さ
れ得る。それらの改編されたヌクレオチド配列の発現に
より、その部位がグリコシル化されていない変異体が生
成される。別法として、両方の部位が前記と同様に改編
され得る。またグリコシル化部位に対してこれらの修飾
を行うことにより、表2の配列の修飾体が作製され得
る。[例えば、宮島等、EMBOジャーナル、5(6):
1993−1197(1986)および後記実施例4参
照]。全体的または部分的にIL−3様活性を保持して
いると予想される表1および表2の配列の他の類縁体お
よび誘導体もまた、この明細書の開示に従い当業界の熟
練者により容易に製造され得る。それらの明白な修飾体
は、この発明に包含されるものと考えられる。
【0028】またこの発明は、他の霊長動物蛋白質をコ
ードするDNA配列との組合わせを含まず、霊長動物I
L−3様ポリペプチドまたは成長因子の発現をコードす
る新規DNA配列を包含する。これらのDNA配列は、
5'−3'方向の表1および表2に描かれた配列並びにス
トリンジェント・ハイブリダイゼーション条件[マニア
チス等、「モレキュラー・クローニング(ア・ラボラトリ
ー・マニュアル)、コールド・スプリング・ハーバー・
ラボラトリー(1982)、387−389頁参照]下で
表1および表2のDNA配列とハイブリダイズする配列
を含む。それらのストリンジェント・ハイブリダイゼー
ション条件の一例は、65℃4×SSCにおけるハイブ
リダイゼーション、次いで65℃で1時間0.1×SS
C中での洗浄である。別法として、具体例としてのスト
リンジェント・ハイブリダイゼーション条件は、50%
ホルムアミド中42℃4×SSCである。
【0029】また、緩いハイブリダイゼーション条件下
で表1または表2の配列とハイブリダイズし、霊長動物
IL−3様生物学的特性を有する成長因子の発現をコー
ドするDNA配列は、新規成長因子のこの種族の一員を
コードする。それらの非ストリンジェント・ハイブリダ
イゼーション条件の例としては、50℃で4×SSCま
たは42℃で30−40%ホルムアミドによるハイブリ
ダイゼーションがある。例えば、DNA配列がストリン
ジェント条件下で表1または表2の配列とハイブリダイ
ズしない場合でも、表1および/または表2の配列と重
要な相同性を示す領域、例えばグリコシル化部位または
ジスルフィド結合部位を共有し、1つまたはそれ以上の
IL−3様生物学的特性を有する霊長動物蛋白質をコー
ドするDNA配列は、成長因子のこの新規種族の一員を
明らかにコードする。
【0030】同様に、表1または表2の配列によりコー
ドされる霊長動物IL−3様ポリペプチドをコードする
が、遺伝子コードの縮重または対立(遺伝子)性変形(ア
ミノ酸変化を誘導する場合もしない場合もあり得る種の
集団における天然塩基の変化)故にコドン配列が異なる
DNA配列はまた、明細書に記載されたこの種族に属す
る新規成長因子をコードする。コードされるポリペプチ
ドの活性、半減期または生産性が点突然変異または誘導
修飾により高められた表1および表2のDNA配列にお
ける変形もまたこの発明に包含される。
【0031】この発明は、別の態様において霊長動物I
L−3様成長因子の新規種族の新規製造方法を提供す
る。この発明の方法は、既知調節配列の制御下で新規霊
長動物IL−3様ポリペプチドの発現をコードするDN
A配列により形質転換された適当な細胞またはセルライ
ンの培養を含む。適当な細胞またはセルラインは、ほ乳
類細胞、例えばチャイニーズ・ハムスター卵巣細胞(C
HO)または3T3細胞であり得る。適当なほ乳類宿主
細胞の選択並びに形質転換、培養、増幅、スクリーニン
グおよび製品製造および精製の方法は当業界では周知で
ある。例えば、ゲッシングおよびサンブルック等、「ネ
イチャー」、293:620−625(1981)また
は、別法として、カウフマン等、「Moll.Cell.Bio
l.」、5(7):1750−1759(1985)またはハ
ウレイ等、アメリカ合衆国特許第4419446号参
照。別の適当なほ乳類セルライン(後記実施例に記載さ
れている)は、サルCOS−1セルラインである。同様
に有用なほ乳類セルラインはCV−1セルラインであ
る。
【0032】この発明に適した宿主細胞として同様に有
用なのは細菌細胞である。例えば、エシェリヒア・コリ
の様々な菌株(例、HB101、MC1061および後
記実施例で使用されている株)は、生物工学分野では宿
主細胞としてよく知られている。バシルス・スブチリス
(枯草菌)、シュードモナス、他のかん菌などの様々な菌
株もまたこの方法において使用され得る。
【0033】当業界の熟練者に周知の酵母細胞の様々な
株もまた、この発明のポリペプチドの発現における宿主
細胞として利用され得る。さらに所望ならば、昆虫細胞
もこの発明の方法における宿主細胞として使用され得
る。例えば、ミラー等、「ジェネティック・エンジニア
リング」、8:277−298(プレナム・プレス19
86)およびそこに引用された参考文献参照。
【0034】この発明は、別の態様においてこれらの新
規霊長動物ポリペプチドの発現方法で使用されるベクタ
ーを提供する。これらのベクターは、この発明の新規霊
長動物ポリペプチドをコードする前記新規DNA配列を
含む。他方、前記修飾配列が組込まれたベクターもまた
この発明の具体例であり、これらのIL−3様ポリペプ
チドの製造において有用である。この方法で使用される
ベクターはまた、この発明のDNAコード配列と効果的
に組合わされ、選択された宿主細胞におけるそれらの複
製および発現を指示し得る選択された調節配列を含む。
【0035】この明細書で開示されている霊長動物IL
−3様成長因子の新規種族に属する因子は、幾つかの病
的または疾患状態、特に低レベルの造血系骨髄、赤血
球、リンパ球または血小板生成細胞またはそれらの組合
わせを特徴とする状態の処置に使用され得る。さらに、
それらは成熟骨髄および/またはリンパ様細胞の活性化
に使用され得る。この発明のポリペプチドによる処置に
対して感受性を示す状態には、白血球減少症、末梢血に
おける循環白血球数の減少がある。白血球減少症は、あ
る種のウイルスまたは放射線に対する暴露により誘発さ
れ得る。それは様々な形態の癌治療、例えば化学療法剤
への暴露の副作用であることが多い。これらのIL−3
様ポリペプチド組成物による白血球減少症の治療処置
は、現在入手可能な薬剤を用いた処置により生じる望ま
しくない副作用を回避し得る。
【0036】例えばTおよび/またはBリンパ球におけ
る様々な免疫不全症または免疫疾患、例えば慢性関節リ
ウマチもまた、この発明のポリペプチドを用いた処置に
より改善され得る。これらの因子を単独または他の処置
体制と組合わせて用いると、ウイルス感染症、例えばH
TLVI、HTLVII、HIV、重度放射能被曝、癌治
療または他の医薬処置の結果生じた免疫不全症の処置ま
たは矯正に有用であり得る。この発明のポリペプチドは
また、単独または他のヘマトポイエチンと組合わされ
て、血小板減少症(血小板欠乏)または貧血(赤血球欠乏)
を含む他の血液細胞不全症の処置に使用され得る。これ
らの新規ポリペプチドの他の用途は、骨髄移植から回復
中の患者の処置並びに診断または治療用として標準的方
法により生成されるモノクローナルおよびポリクローナ
ル抗体の開発に存する。
【0037】従って、この発明のさらに別の態様は、上
記状態の処置に用いられる方法および治療組成物に関す
るものである。それらの組成物は、この発明の霊長動物
IL−3様ポリペプチドの種族に属する因子の1種また
はそれ以上の治療有効量を医薬的に許容し得る担体と混
合した形で含有する。この組成物は非経口的に全身投与
され得る。別法として、この組成物は静脈内投与され得
る。所望により、この組成物は皮下投与され得る。全身
投与される場合、この発明で用いられる治療組成物は、
発熱源不含有の非経口的に許容され得る水溶液形態を呈
する。pH、等張性、安定性などに関して医薬的に許容
し得る前記蛋白質溶液の製造は、当業界の技術領域内に
含まれる。
【0038】前記状態の処置方法に含まれる用量体制
は、薬剤の作用を変える様々な因子、例えば患者の状
態、体重、性別および食餌療法、感染の重さ、投与時間
および他の臨床因子を考慮した上で担当医により決定さ
れる。一般的には、一日摂取量は、体重1kg当たり20
0−1000マイクログラムのポリペプチドまたは50
〜5000単位(すなわち、この単位は、標準ヒト骨髄
検定において半最大刺激を誘導するポリペプチド濃度で
ある)のポリペプチドの範囲内とすべきである。
【0039】またこの発明の治療方法および組成物は、
他のヒト因子との共投与を含み得る。この発明のポリペ
プチドと同時または連続共投与される他の適当なヘマト
ポイエチン、CSFおよびインターロイキンを非限定的
に列挙すると、GM−CSF、CSF−1、G−CS
F、Meg−CSF、エリスロポイエチン(EPO)、IL
−1、IL−4、IL−2、B細胞成長因子、B細胞分
化因子および好酸球分化因子が挙げられる。造血前駆細
胞およびそれらの子孫のインビボ増幅に関して特に興味
深いものは、IL−3とIL−6(当業界ではB細胞刺
激因子2としても知られている)の組合わせであり、ヒ
ト芽細胞検定において初期幹細胞コロニー増殖の誘導能
を示す。さらに、IL−3様ポリペプチドは、治療用途
においてモノクローナルまたはポリクローナル抗体と共
に、またはそれらと化学的に結合させた形で投与され得
る。別法として、これらの成長因子は、治療体制におい
てある種の毒素、例えばリシンと結合され得る。上述の
用量を調節することにより、治療組成物におけるこれら
の追加成分に関する調整を行う。処置された患者の進行
状態は、血液プロフィール、例えば白血球数などの定期
的評価によりモニターされ得る。
【0040】以下、実施例により、霊長動物IL−3様
ポリペプチドの新規種族の構成員およびこの発明の方法
に関して詳述する。 実施例1 テナガザルIL−3様遺伝子の分離。テナガザル白血病
ウイルス、UCD−144−MLAにより感染した、ナ
ショナル・インスティテュート・オブ・ヘルス・ラボラ
トリーズから入手可能なテナガザルTセルラインをフィ
トヘマグルチニンおよびホルボール・ミリステート・ア
セテート(PHA/PMA)により誘導した。チャーグウ
ィン等、「バイオケミストリー」、18:5294(1
979)の手順によりこれらの細胞から全RNAを調製
した。ポリA+mRNAを選択し、10%〜30%しょ糖
勾配により分画した。この新規造血因子をコードするm
RNAを同定するため、UCD−144−MLAセルラ
インから得られたしょ糖勾配分画mRNAの16アリコ
ートを、ゼノプス・レビス卵母細胞にマイクロインジェ
クションし、実施例5のCML検定において示される通
り、ヒトGM−CSFに対する抗体の存在下における白
血病芽細胞の増殖刺激能に関して生成した条件培地を試
験した。IL−3様成長因子活性をコードするメッセー
ジを含むものとして同定されたしょ糖勾配分画から得ら
れたmRNAを、グプラーおよびホフマン、「ジー
ン」、25:263(1983)の方法により2本鎖cD
NAに変換した。
【0041】SV40エンハンサー、主アデノウイルス
後期プロモーター、DHFRコード配列、SV40後期
メッセージ・ポリA追加部位およびVaI遺伝子を含む
COS細胞発現ベクター、pXMをエンドヌクレアーゼ
酵素XhoIにより線状にし、dTTPの存在下DNAポ
リメラーゼI大フラグメントにより処理し、当モル量の
cDNAと結合させた(最終DNA濃度100μg/ml)。
pXMのXhoI消化およびXhoI受容cDNA配列の挿入
から得られた結合生成物をエシェリヒア・コリ株HB1
01に形質転換し、L+Ampプレートにおいて培養する
ことにより、約30×103コロニーから成るライブラ
リーを生成された。[当業界で公知の他の機能的に類似
した発現ベクターもまた、この方法においてpXMの代
替ベクターとして使用され得る]。
【0042】pXMにおけるcDNAライブラリーに対し
てニトロセルロース・フィルターを用いたレプリカ平板
法を行った。各フィルターからのコロニーをLブロス中
に掻はし、プラスミドDNAを分離した。200−30
0個の細菌コロニーのプールから各DNA試料を調製し
た。メイヤース等「ジャーナル・オブ・バクテリオロジ
ー」、127:1529(1976)の方法によりDNA
を精製した。ウォング等、「サイエンス」、228:8
10−815(1985)およびカウフマン等、「Mol.
Cell Biol.」、2:1304(1982)記載の方法
に従い、DEAE介在DNAトランスフェクションによ
り、サルCOS細胞(ATCC CRL1650)を10
6COS細胞に対し約5μgのプラスミドDNAでトラン
スフェクションし、クロロギンにより処理した。
【0043】トランスフェクションの72時間後、培地
を採収し、後記実施例5の記載に従いヒトCML検定に
おいて測定した。一プールは、GMCSFに対する抗血
清の中和に完全に耐性を示すコロニー刺激活性およびC
ML増殖活性を有する条件培地を生成し、さらに別の分
析用に選択された。元の活性プールから選ばれた個々の
コロニーからのプラスミドDNAを調製し、トランスフ
ェクションすることにより、条件培地を製造した。この
条件培地をCSFおよびCML増殖活性に関して検定し
た。この活性に関与する単一クローンを分離した。この
クローンのcDNA挿入体をM13中にサブクローン
し、サンガー・ジデオキシ鎖末端基分析方法により配列
決定した。[表1参照]
【0044】実施例2 ヒトIL−3様遺伝子の分離 プローブとして表1の配列を用い、ヒト・ゲノム・ライ
ブラリー(ラムダ・ベクターJ1のBam HI部位にク
ローン化されたヒトDNAのSau 3AI部分消化物)
[ツール等、前出]から得られた1×106個のクローン
をスクリーニングした。cDNAプローブと強くハイブ
リダイズする配列を含む3プラークが同定された。これ
らのファージのうちの2つによるDNAをエンドヌクレ
アーゼ酵素Sau 3AIにより完全消化し、バクテリオ
ファージ・ラムダM13クローニング・ベクターmp9の
Bam HI部位にサブクローン化した。テナガザルcD
NAとのハイブリダイゼーションによりエクソン配列を
含むサブクローンが同定された。1サブクローン、すな
わち約10kbのBgl II挿入体としてヒト・ゲノムDN
A配列を含むラムダCSF−16は、前記と同様ATC
Cに寄託された。実施例1記載のテナガザル遺伝子の配
列に基づく配列を有する一連のオリゴヌクレオチド・プ
ライマーによるジデオキシ鎖末端DNA配列分析法を用
いてヒト遺伝子のエクソンの全ての完全な配列を決定し
た。ヒト遺伝子のエクソンのヌクレオチド配列はテナガ
ザルcDNAの配列と96%を越える相同性を示したた
め、対応するヒトcDNAのヌクレオチド配列が再構築
された。11コドンにおけるヌクレオチド配列の変化の
結果、2種とのポリペプチドにおけるアミノ酸相異が生
じた[表2参照]。
【0045】ヒト・ゲノム配列は、ラムダCSF−16
から切除され、発現ベクター(当業界では、ほ乳類、昆
虫、酵母、真菌および細菌の発現に関して多くのタイプ
のベクターが知られている)に挿入され得る。例えば、
エンドヌクレアーゼSmaIおよびXhoIによる消化(そ
れぞれヌクレオチド629および3183のヒト遺伝子
領域を開裂する)によりヒト・ゲノム配列を寄託された
バクテリオファージから切除した。生成した2.5キロ
塩基は、全ヒトIL−3遺伝子コード配列を含み、プロ
モーター領域における「TATAA関連」配列を含む
が、「CAT関連」配列および遺伝子の3'端のポリア
デニル化シグナルを欠く。このフラグメントのSmaI端
を、市販されているリンカー配列によりXhoIに変換し
た。標準分子生物学技術[例えば、ヤング等、「セ
ル」、47:3−10(1986)参照]によりこのフラ
グメントをXhoI消化プラスミド発現ベクターpXMに
サブクローン化してプラスミドpY3を得た。
【0046】次に、pY3を細菌において増殖させ、サ
ルCOS−1細胞にトランスフェクションした。前記細
胞においてヒト遺伝子は転写され、RNAスプライシン
グが行なわれる。トランスフェクションされた細胞によ
る培地は、後記ヒト骨髄検定およびCML検定における
IL−3様生物学的活性に関する検定で陽性を示す。テ
ナガザルcDNAプローブを用いたノーザン・ブロット
分析は、後述する通り、これらの細胞から得られ、末梢
血リンパ球から得られるRNAと同じサイズの単一1キ
ロ塩基mRNAの存在を示す。標準的方法によりcDNA
をmRNAから合成し、CML活性を有するクローンを
同定する。新規IL−3様成長因子のcDNAをそこか
ら分離する。
【0047】実施例3 ヒトIL−3様成長因子 ヒトIL−3様ポリペプチドをコードする表2のcDN
A配列はまた、実施例2記載の方法以外の方法でも製造
され得る。例えば、表2の配列は、当業界の熟練者によ
く知られている方法に従い化学合成され得る。それらの
一化学合成方法では、テナガザルIL−3遺伝子を再構
築することにより、ヒトIL−3コード配列を生成させ
る。テナガザルおよびヒトIL−3蛋白質の成熟形態間
における第1アミノ酸の相異はアミノ酸82位に存在す
る。テナガザルIL−3遺伝子のアミノ酸82位からこ
の遺伝子の3'末端までのコード配列が、ヒトIL−3
をコードする化学合成DNA配列と置換され得ることに
より、適当な発現系においてヒトIL−3を生産し得る
機能性遺伝子が生成される。
【0048】テナガザル配列における2つの特有な制限
部位は、DNAの合成部分のクローニングに使用され得
る(すなわち、アミノ酸73位のAsuII部位およびアミ
ノ酸125位のEcoRI)。テナガザル遺伝子に挿入さ
れるDNA「カセット」は、21塩基対に亙って互いに
相補的である2つのオリゴヌクレオチドから得られた約
160bpのDNA2本鎖を酵素的に生成させることによ
り、AsuII部位からEcoRIまで合成された。完全な2
本鎖は、デオキシヌクレオシド・トリホスフェートおよ
びDNAポリメラーゼI、クレノウ・フラグメントを用
いて相補領域をオリゴヌクレオチドの端部まで延ばすこ
とにより形成された。完全な2本鎖をAsuIIおよび/ま
たはEcoRIで消化することにより、後続のクローニン
グで使用される付着末端が得られた。
【0049】第2の合成DNA「カセット」は、アミノ
酸125のEcoRI部位から遺伝子の端部に位置するア
ミノ酸152の次の終止コドン(これも含める)までの配
列全体に亙って互いに相補的な2つのオリゴヌクレオチ
ドで構成される。これらのオリゴは、異なる発現ベクタ
ーへのクローニングを目的として、終止コドン自体また
はその直後にEcoRI付着末端および適当な制限部位ま
たは付着末端を伴う形で設計された。
【0050】これらのカセットの2セット、即ち一方の
セットはほ乳類発現用、他方のセットは細菌発現用とし
て合成されたが、これらは原核生物および真核生物間の
コドン使用の相異、真核生物遺伝子におけるCpG2本
鎖の低い発生率およびクローニング用の種々の制限部位
の保持性またはそれらに対する必要性に応じたものであ
った。これらのコドン優先性は、当業界の熟練者には周
知である。例えば丸山等、「ニュークリーク・アシッズ
・リサーチ」、14:r151(1986)参照。これら
のカセット用に合成された具体例としてのコドン変化お
よび付着末端は下記表3に示されている。次に、これら
のカセットをベクターpCSF−MLAにクローン化す
ることにより、ヒトIL−3様因子をコードする遺伝子
を担うベクター中にそれを形質転換する。次いで、ここ
に製造されたベクターを用いてヒト因子を発現させる。
【0051】
【表9】
【表10】
【0052】ヒトIL−3様成長因子のcDNA配列を
得る別の手順は、組織供給源から得られたcDNAのク
ローニングを含み得る。マニアチス等(前出)の方法に従
い表1のテナガザルcDNA配列をプローブとして用
い、このヒトIL−3様ポリペプチドをコードするmR
NAを分離するためのヒト材料として末梢血リンパ球を
同定した。末梢血リンパ球材料からポリA+RNAを調
製し、cDNAに変換し、ファージまたはプラスミドcD
NAライブラリーとしてクローン化する。ヒトcDNA
クローンは、DNAプローブとして表1のテナガザルコ
ード配列とのハイブリダイゼーションおよびIL−3様
生物学的特性の測定により同定され得る。
【0053】同様にヒトIL−3様cDNAに関してス
クリーニングされ得る追加の組織供給源には、ひ臓、肝
臓、胸腺、へん桃、腎臓並びにバイオプシーおよび死体
から入手され得る他の新鮮な組織がある。特に興味深い
のは、腫ようが高い造血細胞数の原因であり得る場合、
例えば白血病である。追加されるべき供給源には、受託
所、例えばATCCに公的用途のため寄託されたセルラ
インまたは政府機関およびある種の私的筋を通じて入手
可能なセルラインがある。具体例としてのセルラインに
は、形質転換TおよびBセルライン、並びに造血源には
属しないがヘマトポイエチンを生産するセルラインがあ
る。
【0054】ヒトIL−3様ポリペプチドを発現させる
ためには、それをコードするcDNAを適当な発現ベク
ター、例えばpCDまたはpXM中に組入れ、前述の常用
的遺伝子工学技術により選択された宿主細胞へ導入す
る。生物学的活性組換えヒトIL−3様ポリペプチドに
関する一ほ乳類発現系は、安定状態で形質転換されたC
HO細胞である。しかしながら、活性ポリペプチドは、
エシェリヒア・コリおよび他の細菌から細胞内的または
細胞外的に製造され得る。酵母または昆虫細胞もまた、
実施例4に記載された通り発現系として使用され得る。
【0055】このヒトIL−3様ポリペプチドのさらに
別の発現方法は、例えばヒト・エリスロポイエチンに関
するPCT WO85/20610の記載による、完全
なヒト・ゲノム遺伝子を含むラムダCSF−16から得
られたBglIIフラグメントを用いてポリペプチドを発現
するほ乳類セルラインを構築する方法である。さらに、
このヒト・ゲノム遺伝子は、他の異種系における発現に
適当なプロモーターおよびプロセッシング・シグナル、
例えば昆虫細胞培養株構築用昆虫プロモーターを用いて
工学技術的に製造され得る。同様に、このゲノム遺伝子
は、酵母または他の真核生物系においても発現され得
る。
【0056】実施例4 IL−3様成長因子の発現 プラスミド、pCSF−MLAは、前記に従い表1のテ
ナガザル配列をXhoI−消化pXMに挿入することによ
り簡単に構築される。ヒト配列を有するプラスミド、p
SHIL−3−1は、前記実施例3に従いほ乳類発現用
に合成的に構築される。別のプラスミドpY3は、前記
と同様に作製される。次に、霊長動物IL−3様成長因
子を担うこれらのプラスミドの各々を常套技術によりポ
リペプチド発現用に選択された宿主細胞へ形質転換す
る。
【0057】A.ほ乳類細胞の発現 下記検定で使用されるIL−3様因子の発現を達成する
ために、pSHIL−3−1およびpCSF−MLAによ
りCOS細胞をトランスフェクションする。トランスフ
ェクションされたCOS細胞の条件培地もまた、高レベ
ルの成長因子活性を含んでいた。
【0058】この明細書に記載されたほ乳類細胞発現ベ
クターは、当業界の熟練者に周知の技術により合成され
得る。ベクターの構成成分、例えばレプリコン、選択遺
伝子、エンハンサー、プロモーターなどは、天然供給源
から入手されるか、または公知方法により合成され得
る。例えば、カウフマン等、「ジャーナル・オブ・モレ
キュラー・バイオロジー」、159:511−521
(1982)およびカウフマン、「プロシーディングズ・
オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシ
ーズ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステーツ・オブ・アメ
リカ」、82:689−693(1985)参照。具体例
としてのほ乳類宿主細胞には、特に、形質転換セルライ
ンを含めた霊長動物セルラインおよびげっ歯動物セルラ
インが含まれる。正常なディプロイド(2倍体)細胞、一
次組織のインビトロ培養由来の細胞株および一次外植体
もまた適当である。選択遺伝子が優位に作用している限
り、候補細胞は選択遺伝子において遺伝子型的に不完全
である必要は無い。ベクターDNAの安定した組込みお
よびそれに続く組込まれたベクターDNAの増幅には、
共に常用方法によりCHO細胞が使用され得る。別法と
して、ベクターDNAは、うし乳頭腫ウイルス・ゲノム
の全部または一部を含み得[ラスキー等、「セル」、3
6:391−401(1984)]、安定したエピソーム
構成要素としてセルライン、例えばC127マウス細胞
に導入され得る。他の適当なほ乳類セルラインには、H
eLa、COS−1サル細胞、マウスL−929細胞、ス
イス、Balb−cもしくはNIHマウス由来の3T3株、
BHKもしくはHaKハムスター・セルラインがある
が、これらに限定される訳ではない。
【0059】次に、安定した形質転換体を標準免疫学的
または酵素検定により生成物の発現に関してスクリーニ
ングする。変異蛋白質をコードするDNAの存在は、標
準的方法、例えばサザーン・ブロッティングにより検出
され得る。発現ベクターDNAを適当な宿主細胞、例え
ばCOS−1サル細胞に導入後、数日間変異体をコード
するDNAの一時的発現を培養培地における蛋白質の活
性または免疫学的検定により選択せずに測定する。
【0060】また当業界の熟練者であれば、例えばXho
Iにより各プラスミドから表1または表2のDNA配列
を切断し、よく知られている組換え遺伝子工学技術およ
び他の既知ベクター、例えばpJL3およびpJL4[ガ
フ等、「EMBOジャーナル」、4:645−653
(1985)]およびpMT2(pMT2−VWF、ATCC
#67122により出発、PCT出願PCT/US87
/00033参照)を用いることにより、pCSF−ML
AおよびpSHIL−3−1に匹敵する他のほ乳類発現
ベクターも構築し得る。適当な宿主に対するこれらのベ
クターの形質転換の結果、IL−3様成長因子の発現が
行なわれ得る。
【0061】B.細菌発現系 同様に、当業界の熟練者であれば、コード配列の側面に
位置するほ乳類調節配列を削除または細菌配列と置換す
ることにより表1および表2の配列を操作して、細菌細
胞によるこの発明のIL−3様因子の細胞内または細胞
外発現を目的とする細菌ベクターを作製することができ
る。さらに因子をコードするDNAを実施例3の記載に
従い修飾することにより、当業界で周知の通り細菌発現
用の異なるコドンを含ませることが可能である。同様に
当業界では周知のことであるが、好ましくはこの配列
は、成熟変異型蛋白質の細菌性発現、分泌およびプロセ
ッシングを行わせる分泌を促すリーダー・ポリペプチド
をコードするヌクレオチド配列とフレーム内で効果的に
結合される。次に、全て公知方法により、細菌性宿主細
胞で発現された化合物は、回収され、精製され、および
/または生理化学的、生化学的および/または臨床パラ
メーターに関して特徴分析され得る。
【0062】細菌性発現を目的とする前記の一細菌性ベ
クターを構築するために、部分合成的ヒトIL−3様D
NA配列をテナガザルcDNAおよび実施例3記載の合
成的細菌性カセットから構築した。この配列は、受入れ
番号40134としてATCCに寄託されているNdeI
/XbaI消化ベクターpa1181中に組込まれた。生成
したベクターpPLHIL−3−181によりエシェリ
ヒア・コリGL400をトランスフェクションし、公開
されたPCT出願86/00639でGM−CSFに関
して記載された条件に従い培養した。
【0063】エシェリヒア・コリにおけるIL−3様因
子は、不溶性細胞封入体で生産される。そこから蛋白質
を可溶化し、入手するためには、次の手順に従う。細胞
(冷凍ペースト)約50gを120mlの50mMトリス−H
Cl、pH7.5、0.1mMフェニル−メチルスルホニル
フルオリド[PMSF]および2mMジチオトレオトール
[DTT](緩衝液A)に再懸濁する。細胞を10000ps
iまたはそれ以上でフレンチ・プレスまたはマーチン・
ガウリン・バルブに通すことにより崩壊する。次に、こ
れらの崩壊された細胞を30分間20000×Gで遠心
分離にかけて、細胞破片を沈澱させる。この破片は細胞
封入体を含む。
【0064】この沈澱を、フレンチ・プレスに通すこと
により緩衝液A中55%しょ糖に再懸濁し、再び300
00×Gで30分間遠心分離を行う。IL−3様因子細
胞封入体を含む沈澱物を緩衝液A中55%しょ糖に再懸
濁し、60、65および70%しょ糖の段階的勾配によ
り層状にする。この勾配を150000×Gで2時間遠
心分離にかける。65%層に対して沈降したIL−3様
因子細胞封入体を集める。
【0065】現在約80%純度のIL−3様因子を再構
築し、再び折り畳むために、これらの細胞封入体を8モ
ル尿素中1ml当たり2−3mg蛋白質の割合で再懸濁す
る。蛋白質を含有する尿素溶液を、50mMトリス−H
Cl、pH8.0、0.1mMのPMSF、2mMのDTTお
よび0.1mMのエチレンジアミン四酢酸[EDTA](緩
衝液B)により希釈して3モル尿素の最終濃度(ただし、
IL−3濃度は約1μg/mlである)とする。6mM還元
グルタチオンおよび6mM酸化グルタチオンを含む還元
/酸化緩衝液を尿素溶液に加え、摂氏20度で2時間イ
ンキュベーションする。3モル尿素溶液を一夜緩衝液B
に対して透析することにより尿素を除去する。次いで、
IL−3蛋白質溶液を遠心分離にかけて沈澱物を全て除
去する。この段階で、IL−3様因子は再び折り畳ま
れ、純度は約85%である。
【0066】再び折り畳まれたIL−3様因子を50m
MのMES緩衝液(pH6.0、0.1mMのEDTA含有)
に対して透析し、同緩衝液中で平衡状態のDEAE−セ
ファロース・カラムに適用する。IL−3様因子は、約
99%純度でDEAEのフロー・スルーに存在する。ま
た、この段階では発熱源が全て除去される。DEAEフ
ロー・スルーから得られたIL−3のpHを、200mM
酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.0)により5.0に調節す
る。IL−3様因子をスルホニルプロピル−セファロー
ス・カラムに適用すると、IL−3様因子はSP−セフ
ァロースに結合し、酢酸ナトリウム含有緩衝液により溶
離する。この段階でIL−3様因子は純粋であり、正確
に再び折り畳まれている。CML検定において、このヒ
トIL−3様因子は1〜3×107CML単位/mgの比
活性を有する。
【0067】同様に、表1または表2のコード配列は、
XhoIによりpCSF−MLAまたはpSHIL−3−1
から切断され、さらに操作(例、他の既知リンカーに結
合または他の公知技術によりそこから非コード配列を欠
失またはそこに存在するヌクレオチドを改編することに
より修飾)され得る。次に、修飾されたIL−3様コー
ド配列は、例えば谷口等、「プロシーディングズ・オブ
・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ
・オブ・ザ・ユナイテッド・ステーツ・オブ・アメリ
カ」、77:5230−5233(1980)記載の方法
を用いて既知細菌性ベクターに挿入され得る。次に、こ
の具体例としての細菌性ベクターにより細菌性宿主細胞
を形質転換し、IL−3様因子をそこで発現させ得る。
細菌性細胞におけるIL−3様因子の細胞外発現達成ス
トラテジーに関しては、例えばヨーロッパ特許出願EP
A177343参照。
【0068】C.昆虫細胞発現 昆虫細胞での発現を目的とする昆虫ベクターの構築[例
えば、公開されたヨーロッパ特許出願155476記載
の方法参照]に関しても同様の操作が実施され得る。酵
母ベクターもまた、酵母細胞によるこの発明の蛋白質の
細胞内または細胞外発現を目的とする酵母調節配列を用
いて構築され得る。[例えば、公開されたPCT出願W
O8600639およびヨーロッパ特許出願EP123
289記載の方法参照]。
【0069】実施例5 高レベルの霊長動物IL−3様成長因子を発現するCH
Oセルラインの構築。この発明のIL−3様ポリペプチ
ドの新規霊長動物科を高レベルでほ乳類細胞から生産さ
せる方法は、異種IL−3様遺伝子の多数のコピーを含
む細胞の構築を含む。異種遺伝子は、増幅可能なマーカ
ー、例えばジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)遺伝子に結
合され得、それにより、カウフマンおよびシャープ、
「ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー」、
(1982)(前出)の手順に従い、多数の遺伝子コピーを
含む細胞が、濃度を高めたメトトレキセイト(MTX)に
おける増殖用に選択され得る。この方法は、幾つかの異
なる細胞タイプにより使用され得る。
【0070】例えば、pY3は、ヒトIL−3様遺伝子
を、その発現を可能にする他のプラスミド配列と効果的
に組合わせた形で含む。pY3およびDHFR発現プラ
スミドpAdA26SV(A)3[カウフマンおよびシャー
プ、「Mol.Cell Biol.」、3(9):1598−16
08(1983)]は、燐酸カルシウム共沈降およびトラ
ンスフェクションによりDHFR−欠損CHO細胞、D
UKX−BIIに共に導入され得る。別法として、この
遺伝子は前述のpMT2に導入され、生成したベクター
はpY3およびpAdA26SV(A)3の代わりに使用さ
れ得る。DHFR発現形質転換体を、透析胎児うし血清
を含むアルファ培地における成長に関して選択し、続い
てカウフマン等、「Mol.Cell Biol.」、5:175
0(1983)の記載に従い、濃度を高めたMTX(0.0
2、0.2、1.0および5μMのMTXによる連続段
階)中での成長による増殖に関して選択する。形質転換
体をクローン化し、生物学的活性IL−3様ポリペプチ
ド発現をCML検定によりモニターする。IL−3様ポ
リペプチド発現は、MTX耐性のレベルの増加に伴い高
まるべきである。同様の手順に従い、テナガザルIL−
3様ポリペプチドを含むIL−3様ポリペプチドのこの
科に属する他のポリペプチドも生産され得る。
【0071】実施例6 IL−3様ポリペプチドの生物学的活性 この発明の霊長動物IL−3様ポリペプチドの新規科に
属する代表的ポリペプチドとして、テナガザル・ポリペ
プチドおよびヒト・ポリペプチドの両方を用いて下記検
定を実施した。しかしながら、この科に属する他のポリ
ペプチドも、個々のポリペプチドが示すIL−3様生物
学的特性の数に左右されるこれらの同検定または他の検
定においてIL−3様生物学的活性を呈する。
【0072】A.CML検定 本質的に「ブラッド」、63(4):904−111(1
984)記載の手順に従いCML検定を実施した。安定
相のCML患者から採取された末梢血の冷凍袋から細胞
ストックを得た。この袋を解凍し、15×106細胞/
バイアルの500アリコート中に再冷凍した。これらの
細胞、「CML8−3」を用いてIL−3様ポリペプチ
ドのIL−3様活性を試験した。検定開始の前日に1バ
イアルを37℃で急速解凍する。次いで、バイアルの内
容物を15mlの管に移し、RPMI(ギブコ、RPMI
1640)中5%HiヒトAB血清[HAB/RPMI]で
2回洗浄する。これらの細胞を、5%CO2および37
℃において一夜5%HiHAB/RPMI中でインキュ
ベーションする。翌日細胞を培養から除去し、フィコル
で処理し、洗浄し、再計数し、取って置く。
【0073】検定材料を含む10%HIFCS2/RP
MI培地100μlをマイクロタイター・プレートの各
ウェルに入れる。上記で調製された細胞を回転(脱水)さ
せ、10%HIFCS/RPMIに1.3〜2×105
胞/μlの濃度で再懸濁する。細胞100μlを各ウェル
に入れ、37℃で5%CO2中48または72時間抗ヒ
トGMCSF抗体の存在下または非存在下でインキュベ
ーションする。その後、1ウェルに対し0.5μCi 3
−チミジンを加え、ウェルを37℃で6時間インキュベ
ーションする。ろ過多岐装置を用いて細胞をGFCタイ
プCフィルター紙(シュライヒエル-シュレル)に採収
し、燐酸緩衝食塩水で洗浄し、乾燥する。次いで、フィ
ルターをシンチレーション流体に浸し、3H取り込みに
関して計数する。
【0074】チミジン取り込み測定に基づくと、テナガ
ザルIL−3様成長因子およびヒトIL−3様成長因子
は、両方共白血病芽細胞の増殖刺激においてこの検定で
活性を示す。
【0075】B.骨髄検定 非付着性骨髄細胞を用いたヒト骨髄検定をウォング等
(前出)記載の方法に従い実施した。テナガザルおよびヒ
トの両因子に対する条件培地は、この検定において活性
であることが見出され、明らかなか粒球タイプ系統の小
コロニーを製造した。また、染色寒天培養の組織検査で
は、マクロファージ、か粒球-マクロファージおよび好
酸球コロニーが生成していた。この検定をエリスロポイ
エチンの存在下で実施する場合、条件培地が呈する赤血
球前駆細胞成長促進能は、赤血球コロニーの生産により
示される。ヒト骨髄検定においてGM−CSFをIL−
3様ポリペプチドと比較した場合、IL−3様ポリペプ
チドは、GM−CSFの場合よりも多くのコロニーの形
成を促進した(ただし、両ポリペプチド共エリスロポイ
エチンの存在下であった)。GM−CSFにより助長さ
れたコロニーの大部分はシングル系統であったが、この
発明のポリペプチドは、マルチ系統コロニーの形成を促
進した。同様に、芽細胞コロニー形成検定では、IL−
3様ポリペプチドは、さらに多数のマルチ系統芽細胞コ
ロニーを生産した。同検定においてGM−CSFは、ご
く僅かしか二次コロニーを生産しなかった。
【0076】C.KG−1細胞検定 ウォング等(前出)記載の要領に従いKG−1検定を実施
した。この発明に従い製造されたIL−3様成長因子の
新規霊長動物科に属するテナガザルIL−3様ポリペプ
チドは、この検定で活性を呈した。
【0077】D.多方面にわたる検定 抗体依存性細胞介在性細胞毒検定では、この発明のIL
−3様ポリペプチドは好酸球を刺激することにより、用
量依存形式で抗体被覆腫よう標的細胞を殺した。さらに
このポリペプチドは、好酸球による血清オプソニン化パ
ン酵母食作用を刺激し、好酸球による超酸化アニオン生
成を直接刺激した。この発明のIL−3様因子を健康な
サルに注入し、白(血球)数を観察する予備試験では、血
小板数および好酸球数の両方において再生可能な増加が
観察された。これらの予備結果は、ヒトおよびテナガザ
ルIL−3様因子の両方において観察された。
【0078】実施例7 COS細胞条件培地からのIL−3様ポリペプチドの精
製 上記実施例4の記載に従い、現在下記の方法を用いてC
OS細胞から均質のIL−3様蛋白質が得られる。
【0079】A.イオン交換 COS細胞条件培地[ローラー・ボトル中DMEM、0.
5%FBS、合計蛋白質濃度200μg/ml]は、約2−
3μg/mlの濃度でヒトIL−3様ポリペプチドを含
む。伝導率が8.0ms/cm2未満となるまで培地を水で希
釈する。イオン交換カートリッジ[QAE ゼータ・プ
レプ]を約500mlの0.1モルのトリス−Cl、pH8.
0、次いで2lの40mMトリス−Cl、pH7.4により
摂氏4度で平衡状態にする。培地を40ml/分の割合で
負荷し、未結合フラクションを集めた。活性が洗浄流出
しなくなるまでカートリッジを40mMトリス−Clで洗
浄した。ベンチ・スケール量のIL−3様蛋白質を得る
ために、未結合フラクションをジアフィルトレーション
・ユニット膜[アミコンYM−10]で濃縮した。
【0080】IL−3様蛋白質の大規模精製を目的とす
るこの濃縮工程に代わる方法は、QAE−ゼータ・プレ
プ未結合フラクションを1M氷酢酸で酸性化してpH4.
5とする方法である。培地をスルホニルプロピル(SP)
−ゼータ・プレプ(約500mlの20mM酢酸ナトリウム
(pH4.5)により摂氏4度で平衡状態にされている)に
40ml/分の割合で負荷する。カートリッジを20mM
酢酸ナトリウムで洗浄し、結合フラクションを20mM
酢酸ナトリウムおよび0.25〜0.5モル塩化ナトリウ
ムで溶離させる。このフラクションを1Mトリス−Cl
によりpH8.0〜pH7.4に中和し、トゥイーン−20
を加えて最終濃度0.05%とする。
【0081】B.ヒラマメ・レクチン・カラム ヒラマメ・レクチン・カラムを摂氏4度で20mMトリ
ス、pH7.4、0.05%トゥイーン−20[緩衝液I]
において平衡状態にし、次いで1時間当たり1カラム容
量の割合で負荷した。カラムを緩衝液Iで洗浄して非特
異的結合蛋白質を除去し、次いで結合蛋白質を緩衝液I
+0.2Mアルファ−メチルマンノピラノシドにより溶
離させた。溶離フラクションをプールした。
【0082】C.逆相HPLC IL−3様ポリペプチドのこの調製物を以下の要領によ
り室温で逆相(RP)HPLCに付した。IL−3様ポリ
ペプチド調製物を100%緩衝液A中平衡状態のRP
HPLCカラム[C4バイダック]に注入した。緩衝液A
は、0.1%トリフルオロ酢酸[TFA](水中)であり、
緩衝液Bは95%アセトニトリル中0.1%TFAであ
った。勾配は、45〜70%緩衝液Bまで0.2%/分
であった。この勾配からプールされたフラクションは、
46.8%B〜47.5%の緩衝液Bであった。これらの
フラクションを急速真空吸引にかけてアセトニトリルを
除去した。第2逆相HPLC段階では、緩衝液Aは水中
0.15%HFBAであり、緩衝液Bは95%アセトニ
トリル中0.15%ヘプタフルオロ酪酸[HFBA]であ
った。勾配は、45〜70%緩衝液Bまで0.2%/分
であった。この段階からプールされたフラクションは4
9%〜51%の緩衝液Bであった。HPLCから溶離す
るこのフラクションは発熱源を含まなかった。
【0083】実施例8 IL−3様ポリペプチドの分析 A.SDS−PAGE カウフマンおよびシャープ、「ジャーナル・オブ・モレ
キュラー・バイオロジー」、159:601−621
(1982)の手順に従い、pCSF−MLAによりトラ
ンスフェクションされたCOS細胞およびpY3により
トランスフェクションされたCOS細胞により生成され
たポリペプチドに35Sメチオニンを代謝的に組込む。ト
ランスフェクションされたCOS−1細胞により分泌さ
れた標識蛋白質のSDSポリアクリルアミドゲル電気泳
動(還元条件)[レムリ、「ネイチャー」、227:68
0−685(1970)]は、テナガザルおよびヒト因子
の両方に関して14kdないし35kdの範囲の見かけの分
子量を有するポリペプチドの分布を示した。この分布
は、見せかけのトランスフェクション対照試料には存在
しなかった。さらに詳しくは、CHO生産ヒトIL−3
様因子は21〜32kd間の分布を示し、主として21な
いし28kdの分布を呈するCOS細胞生産ヒト因子より
も高いグリコシル化を示した。
【0084】実施例6の生成工程後の銀染色により、平
均分子量21000〜25000の2本の主要なバンド
が両因子において大体等量で現れた。現在これら2本の
バンドにおける差異は、N−結合グリコシル化における
差異に帰因している。
【0085】B.等電点電気泳動 実施例7の精製ポリペプチドの自然等電点電気泳動は、
テナガザルおよびヒト・ポリペプチドの両方に関して4
種類を示し、Pi値の範囲はpH6.0ないしpH7.6で
ある。
【0086】C.スーパローズ6高速蛋白質液体クロマ
トグラフィー HPLCからの精製フラクションを、20mMトリス、p
H7.4、200ミリモルNaClおよび0.05%トウィ
ーン−20中ゲルろ過カラム[スーパローズ6]において
溶出させた。このカラム溶出は、両因子に関して見かけ
の分子量43kdの1つの鋭いピークを示した。
【0087】D.CML検定における比活性 上記CML検定における具体例としてのテナガザルIL
−3様因子の比活性は、ポリペプチド1mg当たり2×1
6〜1×107希釈単位の範囲内に含まれ、平均は8×
106希釈単位/mgである。実施例4(B)記載の細菌生
産ヒトポリペプチドは、ポリペプチド1mg当たり1〜3
×107希釈単位の比活性を有することが見出された。
CHO生産ヒトIL−3様因子は、この検定では蛋白質
1mg当たり約2〜3×106単位の比活性を有する。C
OS生産ヒトIL−3様因子は、1mg当たり約1〜2×
107単位の比活性を有する。希釈単位(またはCML単
位)は、CML検定において半最大刺激を与える因子の
希釈の単位として定義される。
【0088】E.N−末端分析 テナガザル・ポリペプチドのN−末端配列の分析は自動
エドマン分解法を用いて行なわれ、98%の因子純度の
レベルが示された。
【0089】F.N−グリカナーゼ処理 COS細胞において生産されたヒトおよびテナガザル因
子を、N−結合炭水化物部分を消化する酵素N−グリカ
ナーゼで処理した。各因子はこの方法により精製される
ことが示された。ゲル上の各因子の14−35kdスミア
を、テナガザル因子については15kdおよびヒト因子に
ついては20.5kdの単一バンドに縮小させた。
【0090】前述の好ましい実施態様の記載を考慮する
と、この発明の実施において多くの修正および変更が行
なわれることは当業界の熟練者であれば容易に想到でき
るはずである。それらの修正および変更も後記請求の範
囲に包含されるものと考えられる。
【0091】
【表11】微 生 物 寄託機関の名称 アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション 寄託機関の住所 12301 パークローン・ドライブ ロックビル、メリーランド20852、アメリカ合衆国寄託物の名称 ATCC番号 引用頁/行 寄託の日付 pCSF-MLA 67154 12/13 1986年7月1
1日 CSF-16 40246 12/16 1986年8月5
日 pHucIL3-2 67319 13/32 1987年2月1
3日 pSHIL-3-1 67326 12/19 1987年2月2
4日
【0092】この発明によって可能となる事項を挙げる
と次の通りである。 (1)実質的に他の蛋白質性材料を随伴しないヒトIL
−3蛋白質。 (2)実質的に他の蛋白質性材料を随伴せず、下記配列
【表12】 (ただし、a は0または1である)、または
【表13】 (ただし、a は0または1である)、およびそのアレルと
実質的に同じ配列を含むペプチド配列を特徴とするIL
−3蛋白質であって、標準ヒト骨髄検定において10〜
100ピコモル濃度で様々な系統の造血コロニーの多数
のタイプの形成に対する刺激能を有する蛋白質である、
1記載の蛋白質。 (3)さらに、 a.還元SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動により
測定された約14〜約35キロダルトンの見かけの分子
量、 b.CML検定における10〜100ピコモル濃度での
CML細胞増殖刺激能、 c.pH6.0ないし7.6間の等電点、 d.スーパローズ6ゲルろ過カラムにおける43kdでの
鋭い単一ピーク、 e.N−グリカナーゼ処理後のゲルにおける20.5kdの
単一バンド、および f.エドマン分解法を用いたN−末端分析における約2
%以下の汚染物質レベル から成る群から選ばれる少なくとも一特性を有すること
を特徴とする、2記載の蛋白質。 (4)エドマン分解法を用いたN−末端分析において約
2%以下の汚染物質レベルを有する2記載の蛋白質。 (5)医薬的に許容し得る賦形剤中に、請求項1〜4記
載のIL−3蛋白質の治療有効量を含有する医薬組成
物。 (6)低い造血細胞レベルを高めるのに使用される医薬
組成物における霊長動物IL−3。 (7)他のヘマトポイエチン、インターロイキンまたは
成長因子の少なくとも1種と組合わせて低い造血細胞レ
ベルを高めるのに使用される医薬組成物における霊長動
物IL−3。 (8)GM−CSF、G−CSF、CSF−1、エリス
ロポイエチン、IL−1、IL−2、IL−4および/
またはIL−6と組合わせて低い造血細胞レベルを高め
るのに使用される医薬組成物における霊長動物IL−
3。 (9)B細胞成長因子、B細胞分化因子または好酸球分
化因子と組合わせて低い造血細胞レベルを高めるのに使
用される医薬組成物における霊長動物IL−3。 (10)霊長動物IL−3蛋白質をコードするDNA配列
および異種DNAを含むベクターであって、IL−3蛋
白質をコードするDNA配列が、 a.実質的に表1に示されたペプチド配列をコードする
DNA配列、 b.実質的に表2に示されたペプチド配列をコードする
DNA配列、 c.(a)または(b)の配列の対立遺伝子変異型、 d.ストリンジェント条件下で(a)、(b)または(c)のDN
A配列とハイブリダイズし得るDNA配列、 から成る群から選ばれる配列である、ベクター。 (11)霊長動物IL−3蛋白質をコードするDNA配列
を発現させ得る10記載のベクターにより形質転換され
た細胞および前記細胞の子孫。 (12)ほ乳類細胞、細菌細胞、昆虫細胞および酵母細胞
から成る群から選ばれる、請求項11記載の形質転換細
胞。 (13)霊長動物IL−3蛋白質の製造方法であって、
(a)発現制御配列と操作可能に組合わされた、霊長動物
IL−3をコードするDNA配列により形質転換された
宿主細胞を適当な培養培地において培養し、(b)IL−
3を実質的に純粋な形態で分離することを含む方法。 (14)下記配列
【表14】 (ただし、a は0または1である)または
【表15】 (ただし、a は0または1である)およびそのアレルと実
質的に同じペプチド配列を特徴とする均等なIL−3蛋
白質であって、CML検定においてポリペプチド1mg当
たり少なくとも2×106希釈単位の比活性を有するI
L−3蛋白質。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 38/00 ADX 38/22 ADY C12N 1/21 8828−4B 5/00 C12P 21/02 ZNA K 9282−4B //(C12N 1/21 C12R 1:91) (C12P 21/02 K C12R 1:91) (C12P 21/02 K C12R 1:19) A61K 37/02 ACC ADX 37/24 ADY 7729−4B C12N 5/00 (31)優先権主張番号 021865 (32)優先日 1987年3月4日 (33)優先権主張国 米国(US) (72)発明者 アグネス・ビー・シアーレッタ アメリカ合衆国01876マサチューセッツ、 テュークスバリー、プレザント・ストリー ト36番 (72)発明者 ユ−チャング・ヤン アメリカ合衆国02174マサチューセッツ、 アーリントン、アパートメント19、バイキ ング・コート3番

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的に他の蛋白質性材料を随伴しない
    霊長動物(ヒトを除く)IL−3蛋白質。
  2. 【請求項2】 実質的に他の蛋白質性材料を随伴せず、
    下記配列 【表1】 (ただし、a は0または1である)、または 【表2】 (ただし、a は0または1である)、およびそのアレルと
    実質的に同じ配列を含むペプチド配列を特徴とするIL
    −3蛋白質であって、標準ヒト骨髄検定において10〜
    100ピコモル濃度で様々な系統の造血コロニーの多数
    のタイプの形成に対する刺激能を有する蛋白質である、
    請求項1記載の蛋白質。
  3. 【請求項3】 さらに、 a.還元SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動により
    測定された約14〜約35キロダルトンの見かけの分子
    量、 b.CML検定における10〜100ピコモル濃度での
    CML細胞増殖刺激能、 c.pH6.0ないし7.6間の等電点、 d.スーパローズ6ゲルろ過カラムにおける43kdでの
    鋭い単一ピーク、 e.N−グリカナーゼ処理後のゲルにおける20.5kdの
    単一バンド、および f.エドマン分解法を用いたN−末端分析における約2
    %以下の汚染物質レベル から成る群から選ばれる少なくとも一特性を有すること
    を特徴とする、請求項2記載の蛋白質。
  4. 【請求項4】 エドマン分解法を用いたN−末端分析に
    おいて約2%以下の汚染物質レベルを有する請求項2記
    載の蛋白質。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4記載のIL−3蛋白質を有
    効成分とする、医薬組成物。
  6. 【請求項6】 低い造血細胞レベルを高めるのに使用さ
    れる、請求項5記載の医薬組成物。
  7. 【請求項7】 更に他のヘマトポイエチン、インターロ
    イキンおよび成長因子の少なくとも1種を含有する、請
    求項5または6記載の医薬組成物。
  8. 【請求項8】 更にGM−CSF、G−CSF、CSF
    −1、エリスロポイエチン、IL−1、IL−2、IL
    −4およびIL−6の少なくとも1種を含有する、請求
    項5または6記載の医薬組成物。
  9. 【請求項9】 更にB細胞成長因子、B細胞分化因子お
    よび好酸球分化因子の少なくとも1種を含有する、請求
    項5または6記載の医薬組成物。
  10. 【請求項10】 下記配列 【表3】 (ただし、a は0または1である)または 【表4】 (ただし、a は0または1である)およびそのアレルと実
    質的に同じペプチド配列を特徴とする均等なIL−3蛋
    白質であって、CML検定においてポリペプチド1mg当
    たり少なくとも2×106希釈単位の比活性を有するI
    L−3蛋白質である、均質な形の請求項1記載の蛋白
    質。
  11. 【請求項11】 IL−3蛋白質をコードし、 a.表1の配列、 b.表2の配列、 c.ストリンジェント条件下で(a)または(b)のD
    NA配列とハイブリダイズするDNA配列、 d.(a)または(b)の配列の対立遺伝子変異型 から成る群から選ばれた5’〜3’方向でのヌクレオチ
    ド配列を含むcDNA配列。
  12. 【請求項12】 発現制御配列と効果的に組合わされた
    請求項11記載のcDNA配列により形質転換された細
    胞。
  13. 【請求項13】 発現制御配列と効果的に組合わされた
    IL−3蛋白質の発現をコードするcDNA配列により
    形質転換されたセルラインを培養することを含むIL−
    3蛋白質の製造方法。
  14. 【請求項14】 細胞が哺乳類セルラインである、請求
    項13記載の方法。
  15. 【請求項15】 細胞が細菌性セルラインである、請求
    項13記載の方法。
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