JP2642942B2 - 霊長動物造血成長因子の新規種族 - Google Patents

霊長動物造血成長因子の新規種族

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Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、霊長動物(ヒトを含む。)IL−3様造血
成長因子の新規種族および組換え遺伝子工学技術による
それらの製造方法に関するものである。
[背景] ヘマトポイエチン、すなわち造血成長因子は、造血細
胞の生存、成長および分化を促す蛋白質である。コロニ
ー刺激因子(CSF)は、骨髄、胎児肝臓および他の造血
器官の前駆細胞から生じる造血細胞コロニーのインビト
ロ成長に対する促進能を特徴とする、これらの造血成長
因子のサブセットである。
ある種のヘマトポイエチンの生化学的および生物学的
同定および特徴分析は、天然供給源、例えば血液および
尿から入手され得る少量の天然因子により阻まれてい
た。これらのヘマトポイエチンの中には、最近分子クロ
ーン化され、異種発現され、均質に精製されたものがあ
る。[メットカーフ、『ザ・モレキュラー・バイオロジ
ー・アンド・ファンクションズ・オブ・ザ・グラニュロ
サイト−マクロファージ・コロニー・スティミュレーテ
ィング・ファクターズ』、「ブラッド」、67(2):257
−267(1986)]。これらのヘマトポイエチンには、ヒ
トおよびネズミGM−CSF、ヒトG−CSF、ヒトCSF−1お
よびネズミIL−3がある。ヒトGM−CSF[ドナヒュー
等、「ネイチャー」、321:872−875(1986)]、ネズミ
IL−3[キンドラー等、「プロシーディングズ・オブ・
ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ・
オブ・ザ・ユナイテッド・ステーツ・オブ・アメリ
カ」、83:1001−1005(1986)、メットカーフ等、「ブ
ラッド」、68:46−57(1986)]およびヒトG−CSF[ベ
ルテ等、「J.Exp.Med.」、165:941−948(1987)]は、
インビボでの造血に対する効果を立証した。ネズミ蛋白
質IL−3による研究は広範に行なわれたが、ヒト類縁体
はまだ発見されていない。[コーエン等、「ニュークリ
ーク・アシッズ・リサーチ」、14:3641(1986)]。
[発明の簡単な要約] この発明は、実質的に他の霊長動物蛋白質を含まず、
後記第1および2表に示したアミノ酸配列と同一または
実質的に相同性であるペプチド配列を有することを特徴
とする、霊長動物IL−3様成長因子の一種族を提供す
る。特にヒト蛋白質を含め、これらの霊長動物蛋白質も
また、以後単にIL−3と称する。これらの蛋白質は、表
に描かれたDNA配列、およびそれとハイブリダイゼーシ
ョン可能または遺伝子コードの縮重を除きそれとハイブ
リダイゼーション可能な配列であって、IL−3様生物学
的特性を有するポリペプチドをコードする配列、および
これらの特性を示す他の多様に修飾された配列によりコ
ードされる。これらのポリペプチド類はまた、IL−3様
生物学的特性を特徴とする。
一例として、この発明は、少なくとも1つのIL−3様
生物学的特性を有し、第2表に描かれた配列と同一また
は実質的に同じ配列を含むペプチド配列を特徴とする、
他のヒト・ポリペプチドの随伴が実質的にないヒトポリ
ペプチドを提供する。この発明のポリペプチドの列の例
として、他の霊長動物ポリペプチドの随伴が実質的にな
いテナガザルポリペプチドは、第1表に示された配列と
同一または実質的に同じ配列を含み、少なくとも1つの
IL−3様生物学的特性を有するペプチド配列を特徴とす
る。
この発明のポリペプチドは、標準ヒト骨髄検定におい
て10〜100ピコモル濃度で様々な系統の多数のタイプの
造血コロニーに対する形成刺激能を有することを特徴と
する。この発明の蛋白質により共有され得る他のIL−3
様特性には下記の特性がある。
(a)還元SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動により
測定された約14〜約35キロダルトンの見かけの分子量、 (b)CML検定における10〜100ピコモル濃度でのCML細
胞増殖刺激能、 (c)pH6.0〜7.6間の等電点、 (d)スーパローズ6ゲルろ過カラムにおける43kdでの
単一の、好ましくは鋭いピーク、 (e)N−グリカナーゼ処理後のゲルにおける20.5kdの
単一バンド、および (f)エドマン分解法を用いたN−末端分析における約
2%以下の汚染物質レベル。
この発明の別の態様は、この発明による1種またはそ
れ以上のポリペプチドの治療有効量を含む医薬組成物に
関するものである。これらの組成物は、造血細胞レベル
の不足を特徴とする幾つかの疾患状態の処置方法におい
て使用され得る。この発明によるこれらの方法は、この
明細書に記載された少なくとも1種のポリペプチドの有
効量を患者に投与することを含む。
これらの治療方法は、例えば、骨髄移植後の免疫細胞
または造血細胞欠乏症を含む、白血球減少症、血小板減
少症、貧血、B細胞欠乏症、T細胞欠乏症、細菌感染症
およびウイルス感染症を含む、病気、放射線被曝および
/または薬剤の結果として生じる様々な病的状態の処置
を指向し得る。この発明によるこれらの方法はまた、少
なくとも1種の他のヘマトポイエチン、インターロイキ
ンまたは成長因子の有効量とIL−3様ポリペプチドとの
同時または連続投与を含み得る。この用途におけるヘマ
トポイエチンの例には、GM−CSF、G−CSF、CSF−1ま
たはエリスロポイエチンがある。インターロイキンの例
には、IL−1、IL−2、IL−4またはIL−6がある。こ
れらの方法はまた、B細胞成長因子、B細胞分化因子ま
たは好酸球分化因子などの成長因子も使用し得る。
この発明のさらに別の態様は、少なくとも1種のIL−
3様生物学的特性を有する霊長動物ポリペプチドの発現
をコードする、cDNA配列を含めたDNA配列に関するもの
である。これらの配列は、第1表または第2表に示され
る5′〜3′方向のヌクレオチド配列を含む。他方、ス
トリンジェント条件下で第1表または第2表のDNA配列
とハイブリダイズするDNA配列または非ストリンジェン
ト条件下で示されたDNA配列とハイブリダイズし、少な
くとも1種のIL−3様生物学的特性を有する蛋白質の発
現をコードするDNA配列もこの発明に含まれる。第1表
および第2表の配列の対立遺伝子変異形(allelic vari
ations)もまた、それらのヌクレオチド変化がペプチド
配列の変化を誘導する場合もしない場合も含めて、それ
らの他の類縁体および誘導体と共にこの発明に含まれ
る。
この発明のさらに別の態様は、発現制御配列と効果的
に組合わされた上記DNA配列を含むベクター、およびそ
れらにより形質転換された細胞に関するものである。こ
れらのベクターおよび形質転換細胞は、発現制御配列と
効果的に組合わされたIL−3様ポリペプチドの発現をコ
ードするDNA配列により形質転換されたセルラインを培
養する、霊長動物IL−3様ポリペプチドの新規製造方法
において使用され得る。この発明の方法は、ポリペプチ
ド発現用宿主細胞として幾つかの既知細胞を使用し得
る。現在好ましいセルラインは、ほ乳類セルラインおよ
び細菌細胞である。
以下、好ましい実施態様の詳細な記載を考慮すれば、
この発明の他の態様および利点は明白である。
[発明の詳細な記載] この発明により提供される霊長動物IL−3様成長因子
の種族は、他の霊長動物蛋白質性物質を実質的に含ま
ず、下記第1表および第2表に示された配列と同一また
は実質的に相同性のアミノ酸配列を特徴とする。成長因
子のこの新規科の構成員はまた、後述する通り、IL−3
様成長因子の少なくとも1つの生物学的特性を有するこ
とを特徴とする。好ましくはこの発明の成長因子の種族
に属する因子は全て、複数のIL−3様生物学的特性を示
す。
この明細書では、「IL−3様生物学的特性」なる語
は、下記生物学的特徴並びにインビボおよびインビトロ
活性の1つまたはそれ以上を含むものと定義される。前
述の一特性は、赤血球、リンパ球および脊髄系統に関与
した前駆細胞の成長および分化の促進性である。例え
ば、標準ヒト骨髄検定の場合、IL−3様生物学的特性
は、か粒球タイプのコロニーおよび赤血球バーストの刺
激性である。前述の別の特性は、初期多分化能幹細胞と
の相互作用である。
別のIL−3様生物学的特性は、多能性前駆細胞の成長
の持続性である。別の特性は、慢性骨髄性白血病(CM
L)細胞増殖に対する刺激能である。またIL−3様生物
学的特性は、マスト細胞増殖の刺激性である。IL−3様
成長因子はまた、様々な因子依存性セルラインの成長を
促進および/または20−アルファ−ステロイドデヒドロ
ゲナーゼ(20−アルファ−SPH)およびThy−1抗原の発
現を誘発し得る。さらにIL−3様生物学的特性は、KG−
1細胞におけるコロニー形成の刺激および/またはひ臓
および骨髄培養における高いヒスタミン合成の刺激であ
る。さらに別のIL−3様生物学的特性は、還元ドデシル
硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動による
約14〜約35kdの見かけの分子量である。IL−3様蛋白質
の他の生物学的特性は、ネズミIL−3に関する当技術分
野の文献に開示されている。
第1表および第2表に示された具体的なペプチド配列
は、この発明の成長因子種族に属する2例の配列であ
る。第1表の865bpDNA配列は、テナガザル白血病ウイル
ス感染テナガザルT−セルラインUCD−144−MLAのcDNA
発現ライブラリーから分離された[クワカミ等、「ネイ
チャー」、235:170(1972)]。この配列は、約152個の
アミノ酸蛋白質、いわゆるCSF−80をコードし、高疎水
性配列(leu leu leu leu gln leu leu)により示され
る慣用的リーダー分泌配列を含む、456ヌクレオチドか
ら成る1本の長いオープン・リーディング・フレームを
含む。成熟蛋白質は、第1表におけるアミノ酸数20のア
ラニンから始まる。コード領域は3個のシステインを含
み、成熟蛋白質には2個存在するため、1個のジスルフ
ィド結合の存在が考えられる。特徴的な配列、Asn−X
−SerまたはAsn−X−Thrにより示される2つのアスパ
ラギン結合グルコシル化部位が存在し得る。コード配列
により示されたサイズおよびグリコシル化パターンは共
に、リンホカイン様蛋白質の典型的なものである。865b
p領域の残りの非コード部分は、天然宿主での転写にお
いて調節的役割を有し得る。この配列の3′端はまた、
配列ATTTAの幾つかの反復を含むAT−濃化セグメントを
含み、これはRNAメッセージ安定性に関係すると思われ
る[ショーおよびカーメン、「セル」、46(5):659−
677(1986)参照]。
第2表の674bpDNA配列は、プローブとして第1表の配
列を用いることにより、ヒト・ゲノム・ライブラリー
[ツール等、「ネイチャー」、312:342−346(1984)]
から得られた。第2表のDNA配列は、最初ヒト・ゲノム
配列のエクソン(第1表のテナガザルIL−3様ポリペプ
チドのDNA配列との比較により同定された)と一緒にス
プライシングすることにより構築された。ヒトcDNAクロ
ーンのmRNA分析により確認されたこのヒト配列もまた、
霊長動物蛋白質のこの種族の一員である約152個から成
るアミノ酸のポリペプチドをコードする。このヒトポリ
ペプチドは、高疎水性配列(leu leu leu gln leu le
u)により示される慣用的リーダー分泌配列を含む。成
熟ポリペプチドは、第2表におけるアミノ酸数20のアラ
ニンから始まる。コード領域は、成熟蛋白質において2
個のシステインを含むため、1個のジスルフィド結合の
存在が考えられる。特徴的な配列、Asn−X−Serにより
示される2つのアスパラギン結合グルコシル化部位が存
在し得る。674bp配列の残りの非コード部分は、天然宿
主での転写において調節的役割を有し得る。
ヒト・ゲノム遺伝子[第2表]のエクソンのヌクレオ
チド配列は、テナガザル遺伝子[第1表]のDNA配列と9
6%を越える相同性を示した。11コドンにおけるヌクレ
オチド配列変異は、テナガザルおよびヒト蛋白質におけ
るアミノ酸の差異をもたらす。第2表の配列の上部に見
られるヌクレオチドは、テナガザル配列が類縁ヒト配列
と相異している部位を示す。同様に、ヒトアミノ酸配列
の下部に見られるアミノ酸は、テナガザル配列と相異し
ている部位を示す。
ファング等、「ネイチャー」、307:233−237(1984)
により発表されたところでは、ワシンシン、ディーシー
のナショナル・バイオメディカル・サービシーズによる
コンピューター検索は、テナガザルおよびヒトIL−3様
配列が、ネズミIL−3 DNA配列に対しアミノ酸レベルで
は約29%の相同性およびヌクレオチドレベルでは約45%
の相同性を有することを示した。同様にヒトIL−3様遺
伝子のエクソン構造もネズミIL−3のコード領域と比較
された。
エシェリヒア・コリHB101におけるプラスミドに含ま
れる第1表に示された新規865bp cDNA配列は、1986年7
月11日にアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクショ
ン(メリーランド、ロックビル、パークローン・ドライ
ブ12301)に寄託され、ATCC67154の受託番号が与えられ
た。バクテリオファージ・ラムダに含まれる新規ゲノム
配列(そのcDNA配列は下記第2表に示されている)も同
様に1986年8月7日に寄託され、ATCC40246の受託番号
が与えられた。エシェリヒア・コリHB101におけるプラ
スミドpSHIL−3−1に含まれるヒトIL−3 DNAは、1987
年2月24日にATCCに寄託され、ATCC67326の受託番号
(ブダペスト条約に基づく国際寄託)が与えられた。
さらに具体例としてのヒトおよびテナガザルIL−3様
ポリペプチドは、実施例で後述する通り、形質転換COS
細胞由来の35S標識蛋白質のSDSポリアクリルアミドゲル
分析により特徴が明らかにされた。両ポリペプチドは、
見かけの分子量が約14kd−35kd、さらに限定すれば18kd
−30kdの範囲に含まれる分子の種類とサイズの点で不均
一である。これらの具体例としてのIL−3様因子に関す
る分子量の前記範囲は、純化COS細胞生産分子のグリコ
シル化における変化の結果であると考えられる。純化蛋
白質は、インビトロ・ヒト骨髄検定において10〜100ピ
コモル濃度で小か粒球タイプのコロニーの形成を誘発す
る。さらに、これらのヒト骨髄検定においてエリスロポ
イエチンの存在下では、両ポリペプチドは、同等の活性
レベルで赤血球および脊髄前駆細胞の成長を促す。すな
わちこれらのIL−3様因子はマルチ−CSFである。また
これらのIL−3様因子は、CML患者から得られた(白血
病の)白血球芽細胞の増殖を誘発する。これらのポリペ
プチドはまた、付帯および成熟細胞、例えば単核白血球
を刺激して他の造血様因子を生産させ得ると共に他の造
血細胞のコロニー形成および他の造血タイプ活性をも刺
激し得る。
第1表および第2表のアミノ酸残基の連続配列を全体
的または部分的に複製する合成ポリペプチドもまたこの
発明に含まれる。合成手法によるこの発明のポリペプチ
ドの構築方法は、当業界の熟練者には周知である。合成
構築された配列は、第1表および第2表のIL−3様ポリ
ペプチドと一次、二次または三次構造および立体配座に
関する特徴を共有することにより、それらと共通したIL
−3様生物学的特性を有し得る。すなわち、それらは、
治療および免疫学的プロセスにおいて天然純化霊長動物
IL−3様ポリペプチドの生物学的活性または免疫学的代
用物として使用され得る。
また、この発明により提供されたIL−3様成長因子の
種族は、第1表および第2表の配列と類似した配列によ
りコードされる因子をも含むが、それらに対する修飾は
自然に行なわれるか、または人為的に誘導されるもので
ある。例えば、それらの一修飾ヒト蛋白質は、Ser−27
がプロリンと置き換えられている点を除き第2表に描か
れた成熟ペプチド配列を有する。その蛋白質は第2表に
示されたヒトcDNA配列によりコードされるが、ただし、
その表では27位に存在しているセリン・コドンTCCがプ
ロトン・コドンCCCと置き換えられている点で修飾され
ている。pHucIL3−2としてエシェリヒア・コリHB101に
含まれるこの具体例としての修飾IL−3様DNA配列(活
性ヒトIL−3様因子を生産する)は、1987年2月13日に
ATCCに寄託され、受託番号ATCC67319(ブダペスト条約
に基づく国際寄託)が与えられた。
ペプチドまたは配列における他の修飾は、公知技術を
用いて当業界の熟練者により遂行され得る。これらのIL
−3様関連配列における興味深い特定の修飾には、各コ
ード配列における2個のシステイン残基の一方または両
方と他のアミノ酸との置換が含まれ得る。好ましくは、
両方のシステインを別のアミノ酸、例えばセリンと置換
することにより、ジスルフィド架橋を排除する。このよ
うな置換に関する突然変異誘発技術は、当業界の熟練者
にはよく知られている。[例えば、アメリカ合衆国特許
第4518584号参照。] この明細書に記載されたIL−3様因子の配列の他の具
体的な突然変異には、グリコシル化部位の一方または両
方の修飾が含まれる。グリコシル化の不在または一部の
みのグリコシル化は、第1表および第2表に示されたIL
−3様因子の配列に存在するアスパラギン結合グリコシ
ル化認識部位の一方または両方におけるアミノ酸置換ま
たは欠失により生じる。アスパラギン結合グリコシル化
認識部位は、適当な細胞グリコシル化酵素により特異的
に認識されるトリペプチド配列を含む。これらのトリペ
プチド配列は、アスパラギン−X−トレオニンまたはア
スパラギン−X−セリン(ただし、Xは通常アミノ酸で
ある)である。グリコシル化認識部位の第1または第3
アミノ酸位の一方または両方における様々なアミノ酸置
換または欠失(および/または第2位におけるアミノ酸
欠失)の結果、修飾トリペプチド配列における非グリコ
シル化が生ずる。
例えば、これらの一修飾IL−3様因子では、第1表の
配列のAsn34はグルタミンと置換され得る。生成した因
子(Gln34)は、2箇所ではなく1箇所のアスパラギン
結合炭水化物部分(Asn89)のみを含むべきである。当
技術分野に精通しておれば、34位における別のアミノ酸
との置換および/またはグリコシル化認識部位内の他の
位置における別のアミノ酸との置換、例えばSer36にお
けるバリンの挿入により、同じAsn89モノグリコシル化
部位を有する類似糖蛋白質が製造され得ることは明らか
である。同様に、89位に対応するAsnコドンおよび/ま
たは91位に対応するセリン・コドンは、突然変異技術に
より他のアミノ酸に対するコドンに改編され得る。それ
らの改編されたヌクレオチド配列の発現により、その部
位がグリコシル化されていない変異体が生成される。別
法として、両方の部位が前記と同様に改変され得る。ま
たグリコシル化部位に対してこれらの修飾を行うことに
より、第2表の配列の修飾体が作製され得る。[例え
ば、宮島等、EMBOジャーナル、(6):1993−1197(1
986)および後記実施例4参照]。全体的または部分的
にIL−3様活性を保持していると予想される第1表およ
び第2表の配列の他の類縁体および誘導体もまた、この
明細書の開示に従い当業界の熟練者により容易に製造さ
れ得る。それらの明白な修飾体は、この発明に包含され
るものと考えられる。
またこの発明は、他の霊長動物蛋白質をコードするDN
A配列との組合わせを含まず、霊長動物IL−3様ポリペ
プチドまたは成長因子の発現をコードする新規DNA配列
を包含する。これらのDNA配列は、5′−3′方向の第
1表および第2表に描かれた配列並びにストリンジェン
ト・ハイブリダイゼーション条件[マニアチス等、「モ
レキュラー・クローニング(ア・ラボラトリー・マニュ
アル)、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリ
ー(1982)、387−389頁参照]下で第1表および第2表
のDNA配列とハイブリダイズする配列を含む。それらの
ストリンジェント・ハイブリダイゼーション条件の一例
は、65℃4×SSCにおけるハイブリダイゼーション、次
いで65℃で1時間0.1×SSC中での洗浄である。別法とし
て、具体的としてのストリンジェント・ハイブリダイゼ
ーション条件は、50%ホルムアミド中45℃4×SSCであ
る。
また、緩いハイブリダイゼーション条件下で第1表ま
たは第2表の配列とハイブリダイズし、霊長動物IL−3
様生物学的特性を有する成長因子の発現をコードするDN
A配列は、新規成長因子のこの種族の一員をコードす
る。それらの非ストリンジェント・ハイブリダイゼーシ
ョン条件の例としては、50℃で4×SSCまたは42℃で30
−40%ホルムアミドによるハイブリダイゼーションがあ
る。例えば、DNA配列がストリンジェント条件下で第1
表または第2表の配列とハイブリダイズしない場合で
も、第1表および/または第2表の配列と重要な相同性
を示す領域、例えばグリコシル化部位またはジスルフィ
ド結合部位を共有し、1つまたはそれ以上のIL−3様生
物学的特性を有する霊長動物蛋白質をコードするDNA配
列は、成長因子のこの新規種族の一員を明らかにコード
する。
同様に、第1表または第2表の配列によりコードされ
る霊長動物IL−3様ポリペプチドをコードするが、遺伝
子コードの縮重または対立(遺伝子)性変形(アミノ酸
変化を誘導する場合もしない場合もあり得る種の集団に
おける天然塩基の変化)故にコドン配列が異なるDNA配
列はまた、明細書に記載されたこの種族に属する新規成
長因子をコードする。コードされるポリペプチドの活
性、半減期または生産性が点突然変異または誘導修飾に
より高められた第1表および第2表のDNA配列における
変形もまたこの発明に包含される。
上記した「点突然変異(point mutation)」とは、一
個のアミノ酸の改変を言い、誘発される場合もあれば、
自発的に起こる場合もある。また、「誘導修飾(induce
d modification)」は、改変が意図的に行われる場合を
言い、一個のアミノ酸の場合もあれば、二個以上のアミ
ノ酸の欠失のようにより実質的な変化が起こる場合もあ
る。これら、点突然変異や誘導修飾を人為的に行う手法
としては、次の文献に記載されたものを例示することが
出来る:Nucleic Acids Research,Vol.10,p.6487−6500
(1982)、Science,Vol.224,p.1431−1433、Proc.Natl.
Acad.Sci.USA,Vol.79,p.6409−6413)(1982)。
なお、請求の範囲にいう「アレル変異体」とは、同種
由来の、同一の遺伝子座を占める、塩基配列に固体差レ
ベルの変異を有する遺伝子によりコードされているアミ
ノ酸配列を有する蛋白質を指称する。
この発明は、別の態様において霊長動物IL−3様成長
因子の新規種族の新規製造方法を提供する。この発明の
方法は、既知調節配列の制御下で新規霊長動物IL−3様
ポリペプチドの発現をコードするDNA配列により形質転
換された適当な細胞またはセルラインの培養を含む。適
当な細胞またはセルラインは、ほ乳類細胞、例えばチャ
イニーズ・ハムスター卵巣細胞(CHO)または3T3細胞で
あり得る。適当なほ乳類宿主細胞の選択並びに形質転
換、培養、増幅、スクリーニングおよび製品製造および
精製の方法は当業界では周知である。例えば、ゲッシン
グおよびサンブルック等、「ネイチャー」、293:620−6
25(1981)または、別法として、カウフマン等、「Mol
l.Cell.Biol.」、(7):1750−1759(1985)または
ハウレイ等、アメリカ合衆国特許第4419446号参照。別
の適当なほ乳類セルライン(後記実施例に記載されてい
る)は、サルCOS−1セルラインである。同様に有用な
ほ乳類セルラインはCV−1セルラインである。
この発明に適した宿主細胞として同様に有用なのは細
菌細胞である。例えば、エシェリヒア・コリの様々な菌
株(例、HB101、MC1061および後記実施例で使用されて
いる株)は、生物工学分野では宿主細胞としてよく知ら
れている。バシルス・スブチリス(枯草菌)、シュード
モナス、他のかん菌などの様々な菌株もまたこの方法に
おいて使用され得る。
当業界の熟練者に周知の酵母細胞の様々な株もまた、
この発明のポリペプチドの発現における宿主細胞として
利用され得る。さらに所望ならば、昆虫細胞もこの発明
の方法における宿主細胞として使用され得る。例えば、
ミラー等、「ジェネティック・エンジニアリング」、
:277−298(プレナム・プレス1986)およびそこに引
用された参考文献参照。
この発明は、別の態様においてこれらの新規霊長動物
ポリペプチドの発現方法で使用されるベクターを提供す
る。これらのベクターは、この発明の新規霊長動物ポリ
ペプチドをコードする前記新規DNA配列を含む。他方、
前記修飾配列が組込まれたベクターもまたこの発明の具
体例であり、これらのIL−3様ポリペプチドの製造にお
いて有用である。この方法で使用されるベクターはま
た、この発明のDNAコード配列と効果的に組合わされ、
選択された宿主細胞におけるそれらの複製および発現を
指示し得る選択された調節配列を含む。
この明細書で開示されている霊長動物IL−3様成長因
子の新規種族に属する因子は、幾つかの病的または疾患
状態、特に低レベルの造血系骨髄、赤血球、リンパ球ま
たは血小板生成細胞またはそれらの組合わせを特徴とす
る状態の処置に使用され得る。さらに、それらは成熟骨
髄および/またはリンパ様細胞の活性化に使用され得
る。この発明のポリペプチドによる処置に対して感受性
を示す状態には、白血球減少症、末梢血における循環白
血球数の減少がある。白血球減少症は、ある種のウイル
スまたは放射線に対する暴露により誘発され得る。それ
は様々な形態の癌治療、例えば化学療法剤への暴露の副
作用であることが多い。これらのIL−3様ポリペプチド
組成物による白血球減少症の治療処置は、現在入手可能
な薬剤を用いた処置により生じる望ましくない副作用を
回避し得る。
例えばTおよび/またはBリンパ球における様々な免
疫不全症または免疫疾患、例えば慢性関節リウマチもま
た、この発明のポリペプチドを用いた処置により改善さ
れ得る。これらの因子を単独または他の処置体制と組合
わせて用いると、ウイルス感染症、例えばHTLVI、HTLVI
I、HIV、重度放射能被曝、癌治療または他の医薬処置の
結果生じた免疫不全症の処置または矯正に有用であり得
る。この発明のポリペプチドはまた、単独または他のヘ
マトポイエチンと組合わされて、血小板減少症(血小板
欠乏)または貧血(赤血球欠乏)を含む他の血液細胞不
全症の処置に使用され得る。これらの新規ポリペプチド
の他の用途は、骨髄移植から回復中の患者の処置並びに
診断または治療用として標準的方法により生成されるモ
ノクローナルおよびポリクローナル抗体の開発に存す
る。
従って、この発明のさらに別の態様は、上記状態の処
置に用いられる方法および治療組成物に関するものであ
る。それらの組成物は、この発明の霊長動物IL−3様ポ
リペプチドの種族に属する因子の1種またはそれ以上の
治療有効量を医薬的に許容し得る担体と混合した形で含
有する。この組成物は非経口的に全身投与され得る。別
法として、この組成物は静脈内投与され得る。所望によ
り、この組成物は皮下投与され得る。全身投与される場
合、この発明で用いられる治療組成物は、発熱源不含有
の非経口的に許容され得る水溶液形態を呈する。pH、等
張性、安定性などに関して医薬的に許容し得る前記蛋白
質溶液の製造は、当業界の技術領域内に含まれる。
前記状態の処置方法に含まれる用量体制は、薬剤の作
用を変える様々な因子、例えば患者の状態、体重、性別
および食餌療法、感染の重さ、投与時間および他の臨床
因子を考慮した上で担当医により決定される。一般的に
は、一日摂取量は、体重1kg当たり200−1000マイクログ
ラムのポリペプチドまたは50〜5000単位(すなわち、こ
の単位は、標準ヒト骨髄検定において半最大刺激を誘導
するポリペプチド濃度である)のポリペプチドの範囲内
とすべきである。
またこの発明の治療方法および組成物は、他のヒト因
子との共投与を含み得る。この発明のポリペプチドと同
時または連続共投与される他の適当なヘマトポイエチ
ン、CSFおよびインターロイキンを非限定的に列挙する
と、GM−CSF、CSF−1、G−CSF、Meg−CSF、エリスロ
ポイエチン(EPO)、IL−1、IL−4、IL−2、B細胞
成長因子、B細胞分化因子および好酸球分化因子が挙げ
られる。造血前駆細胞およびそれらの子孫のインビボ増
幅に関して特に興味深いものは、IL−3とIL−6(当業
界ではB細胞刺激因子2としても知られている)の組合
わせであり、ヒト芽細胞検定において初期幹細胞コロニ
ー増殖の誘導能を示す。さらに、IL−3様ポリペプチド
は、治療用途においてモノクローナルまたはポリクロー
ナル抗体と共に、またはそれらと化学的に結合させた形
で投与され得る。別法として、これらの成長因子は、治
療体制においてある種の毒素、例えばリシンと結合され
得る。上述の用量を調節することにより、治療組成物に
おけるこれらの追加成分に関する調整を行う。処置され
た患者の進行状態は、血液プロフィール、例えば白血球
数などの定期的評価によりモニターされ得る。
以下、実施例により、霊長動物IL−3様ポリペプチド
の新規種族の構成員およびこの発明の方法に関して詳述
する。
実施例1 テナガザルIL−3様遺伝子の分離。
テナガザル白血病ウイルス、UCD−144−MLAにより感
染した、ナショナル・インスティテュート・オブ・ヘル
ス・ラボラトリーズから入手可能なテナガザルTセルラ
インをフィトヘマグルチニンおよびホルボール・ミリス
テート・アセテート(PHA/PMA)により誘導した。チャ
ーグウィン等、「バイオケミストリー」、18:5294(197
9)の手順によりこれらの細胞から全RNAを調製した。ポ
リA+mRNAを選択し、10%〜30%しょ糖勾配により分画し
た。この新規造血因子をコードするmRNAを同定するた
め、UCD−144−MLAセルラインから得られたしょ糖勾配
分画mRNAの16アリコートを、ゼノプス・レジス卵母細胞
にマイクロインジェクションし、実施例5のCML検定に
おいて示される通り、ヒトGM−CSFに対する抗体の存在
下における白血病芽細胞の増殖刺激能に関して生成した
条件培地を試験した。IL−3様成長因子活性をコードす
るメッセージを含むものとして同定されたしょ糖勾配分
画から得られたmRNAを、グプラーおよびホフマン、「ジ
ーン」、25:263(1983)の方法により2本鎖cDNAに変換
した。
SV40エンハンサー、主アデノウイルス後期プロモータ
ー、DHFRコード配列、SV40後期メッセージ・ポリA追加
部位およびVa I遺伝子を含むCOS細胞発現ベクター、pXM
をエンドヌクレアーゼ酵素Xho Iにより線状にし、dTTP
の存在下DNAポリメラーゼI大フラグメントにより処理
し、当モル量のcDNAと結合させた(最終DNA濃度100μg/
ml)。pXMのXho I消化およびXho I受容cDNA配列の挿入
から得られた結合生成物をエシェリヒア・コリ株HB101
に形質転換し、L+Ampプレートにおいて培養すること
により、約30×103コロニーから成るライブラリーを生
成された。「当業界で公知の他の機能的に類似した発現
ベクターもまた、この方法においてpXMの代替ベクター
として使用され得る]。
pXMにおけるcDNAライブラリーに対してニトロセルロ
ース・フィルターを用いたレプリカ平板法を行った。各
フィルターからのコロニーをLブロス中に掻はし、プラ
スミドDNAを分離した。200−300個の細菌コロニーのプ
ールから各DNA試料を調製した。メイヤース等「ジャー
ナル・オブ・バクテリオロジー」、127:1529(1976)の
方法によりDNAを精製した。ウォング等、「サイエン
ス」、228:810−815(1985)およびカウフマン等、「Mo
l.Cell Biol.」、:1304(1982)記載の方法に従い、D
EAE介在DNAトランスフェクションにより、サルCOS細胞
(ATCC CRL1650)を106COS細胞に対し約5μgのプラ
スミドDNAでトランスフェクションし、クロロギンによ
り処理した。
トランスフェクションの72時間後、培地を採収し、後
記実施例5の記載に従いヒトCML検定において測定し
た。一プールは、GMCSFに対する抗血清の中和に完全に
耐性を示すコロニー刺激活性およびCML増殖活性を有す
る条件培地を生成し、さらに別の分析用に選択された。
元の活性プールから選ばれた個々のコロニーからのプラ
スミドDNAを調製し、トランスフェクションすることに
より、条件培地を製造した。この条件培地をCSFおよびC
ML増殖活性に関して検定した。この活性に関与する単一
クローンを分離した。このクローンのcDNA挿入体をM13
中にサグクローンし、サンガー・ジデオキシ鎖末端基分
析方法により配列決定した。[第1表参照] 実施例2 ヒトIL−3様遺伝子の分離 プローブとして第1表の配列を用い、ヒト・ゲノム・
ライブラリー(ラムダ・ベクターJ1のBam HI部位にク
ローン化されたヒトDNAのSau3AI部分消化物)[ツール
等、前出]から得られた1×106個のクローンをスクリ
ーニングした。cDNAプローブと強くハイブリダイズする
配列を含む3プラークが同定された。これらのファージ
のうちの2つによるDNAをエンドヌクレアーゼ酵素Sau3A
Iにより完全消化し、バクテリオファージ・ラムダM13ク
ローニング・ベクターmp9のBam.HI部位にサブクローン
化した。テナガザルcDNAとのハイブリダイゼーションに
よりエクソン配列を含むサブクローンが同定された。1
サブクローン、すなわち約10kbのBgl II挿入体としてヒ
ト・ゲノムDNA配列を含むラムダCSF−16は、前記と同様
ATCCに寄託された。実施例1記載のテナガザル遺伝子の
配列に基づく配列を有する一連のオリゴヌクレオチド・
プライマーによるジデオキシ鎖末端DNA配列分析法を用
いてヒト遺伝子のエクソンの全ての完全な配列を決定し
た。ヒト遺伝子のエクソンのヌクレオチド配列はテナガ
ザルcDNAの配列と96%を越える相同性を示したため、対
応するヒトcDNAのヌクレオチド配列が再構築された。11
コドンにおけるヌクレオチド配列の変化の結果、2種と
のポリペプチドにおけるアミノ酸相異が生じた[第2表
参照]。
ヒト・ゲノム配列は、ラムダCSF−16から切除され、
発現ベクター(当業界では、ほ乳類、昆虫、酵母、真菌
および細菌の発現に関して多くのタイプのベクターが知
られている)に挿入され得る。例えば、エンドヌクレア
ーゼSma IおよびXho Iによる消化(それぞれヌクレオチ
ド629および3183のヒト遺伝子領域を開裂する)により
ヒト・ゲノム配列を寄託されたバクテリオファージから
切除した。生成した2.5キロ塩基は、全ヒトIL−3遺伝
子コード配列を含み、プロモーター領域における「TATA
A関連」配列を含むが、「CAT関連」配列および遺伝子の
3′端のポリアデニル化シグナルを欠く。このフラグメ
ントのSma I端を、市販されているリンカー配列によりX
ho Iに変換した。標準分子生物学技術[例えば、ヤング
等、「セル」、47:3−10(1986)参照]によりこのフラ
グメントをXho I消化プラスミド発現ベクターpXMにサブ
クローン化してプラスミドpY3を得た。
次に、pY3を細菌において増殖させ、サルCOS−1細胞
にトランスフェクションした。前記細胞においてヒト遺
伝子は転写され、RNAスプライシングが行なわれる。ト
ランスフェクションされた細胞による培地は、後記ヒト
骨髄検定およびCML検定におけるIL−3様生物学的活性
に関する検定で陽性を示す。テナガザルcDNAプローブを
用いたノーザン・ブロット分析は、後述する通り、これ
らの細胞から得られ、末梢血リンパ球から得られるRNA
と同じサイズの単一1キロ塩基mRNAの存在を示す。標準
的方法によりcDNAをmRNAから合成し、CML活性を有する
クローンを同定する。新規IL−3様成長因子のcDNAをそ
こから分離する。
実施例3 ヒトIL−3様成長因子 ヒトIL−3様ポリペプチドをコードする第2表のcDNA
配列はまた、実施例2記載の方法以外の方法でも製造さ
れ得る。例えば、第2表の配列は、当業界の熟練者によ
く知られている方法に従い化学合成され得る。それらの
一化学合成方法では、テナガザルIL−3遺伝子を再構築
することにより、ヒトIL−3コード配列を生成させる。
テナガザルおよびヒトIL−3蛋白質の成熟形態間におけ
る第1アミノ酸の相異はアミノ酸82位に存在する。テナ
ガザルIL−3遺伝子のアミノ酸82位からこの遺伝子の
3′末端までのコード配列が、ヒトIL−3をコードする
化学合成DNA配列と置換され得ることにより、適当な発
現系においてヒトIL−3を生産し得る機能性遺伝子が生
成される。
テナガザル配列における2つの特有な制限部位は、DN
Aの合成部分のクローニングに使用され得る(すなわ
ち、アミノ酸73位のAsu II部位およびアミノ酸125位のE
coR I)。テナガザル遺伝子に挿入されるDNA「カセッ
ト」は、21塩基対に亙って互いに相補的である2つのオ
リゴヌクレオチドから得られた約160bpのDNA2本鎖を酵
素的に生成させることにより、Asu II部位からEcoR Iま
で合成された。完全な2本鎖は、デオキシヌクレオシド
・トリホスフェートおよびDNAポリメラーゼI、クレノ
ウ・フラグメントを用いて相補領域をオリゴヌクレオチ
ドの端部まで延ばすことにより形成された。完全な2本
鎖をAsu IIおよび/またはEcoR Iで消化することによ
り、後続のクローニングで使用される付着末端が得られ
た。
第2の合成DNA「カセット」は、アミノ酸125のEcoR I
部位から遺伝子の端部に位置するアミノ酸152の次の終
止コドン(これも含める)までの配列全体に亙って互い
に相補的な2つのオリゴヌクレオチドで構成される。こ
れらのオリゴは、異なる発現ベクターへのクローニング
を目的として、終止コドン自体またはその直後にEcoR I
付着末端および適当な制限部位または付着末端を伴う形
で設計された。
これらのカセットの2セット、即ち一方のセットはほ
乳類発現用、他方のセットは細菌発現用として合成され
たが、これらは原核生物および真核生物間のコドン使用
の相異、真核生物遺伝子におけるCpG2本鎖の低い発生率
およびクローニング用の種々の制限部位の保持性または
それらに対する必要性に応じたものであった。これらの
コドン優先性は、当業界の熟練者には周知である。例え
ば丸山等、「ニュークリーク・アシッズ・リサーチ」、
14:r151(1986)参照。これらのカセット用に合成され
た具体例としてのコドン変化および付着末端は下記第3
表に示されている。次に、これらのカセットをベクター
pCSF−MLAにクローン化することにより、ヒトIL−3様
因子をコードする遺伝子を担うベクター中にそれを形質
転換する。次いで、ここに製造されたベクターを用いて
ヒト因子を発現させる。
ヒトIL−3様成長因子のcDNA配列を得る別の手順は、
組織供給源から得られたcDNAのクローニングを含み得
る。マニアチス等(前出)の方法に従い第1表のテナガ
ザルcDNA配列をプローブとして用い、このヒトIL−3様
ポリペプチドをコードするmRNAを分離するためのヒト材
料として末梢血リンパ球を同定した。末梢血リンパ球材
料からポリA+RNAを調製し、cDNAに変換し、ファージま
たはプラスミドcDNAライブラリーとしてクローン化す
る。ヒトcDNAクローンは、DNAプローブとして第1表の
テナガザルコード配列とのハイブリダイゼーションおよ
びIL−3様生物学的特性の測定により同定され得る。
同様にヒトIL−3様cDNAに関してスクリーニングされ
得る追加の組織供給源には、ひ臓、肝臓、胸腺、へん
桃、腎臓並びにバイオプシーおよび死体から入手され得
る他の新鮮な組織がある。特に興味深いのは、腫ようが
高い造血細胞数の原因であり得る場合、例えば白血病で
ある。追加されるべき供給源には、受託所、例えばATCC
に公的用途のため寄託されたセルラインまたは政府機関
およびある種の私的筋を通じて入手可能なセルラインが
ある。具体例としてのセルラインには、形質転換Tおよ
びBセルライン、並びに造血源には属しないがヘマトポ
イエチンを生産するセルラインがある。
ヒトIL−3様ポリペプチドを発現させるためには、そ
れをコードするcDNAを適当な発現ベクター、例えばpCD
またはpXM中に組入れ、前述の常用的遺伝子工学技術に
より選択された宿主細胞へ導入する。生物学的活性組換
えヒトIL−3様ポリペプチドに関する一ほ乳類発現系
は、安定状態で形質転換されたCHO細胞である。しかし
ながら、活性ポリペプチドは、エシェリヒア・コリおよ
び他の細菌から細胞内的または細胞外的に製造され得
る。酵母または昆虫細胞もまた、実施例4に記載された
通り発現系として使用され得る。
このヒトIL−3様ポリペプチドのさらに別の発現方法
は、例えばヒト・エリスロポイエチンに関するPCT WO85
/20610の記載による、完全なヒト・ゲノム遺伝子を含む
ラムダCSF−16から得られたBgl IIフラグメントを用い
てポリペプチドを発現するほ乳類セルラインを構築する
方法である。さらに、このヒト・ゲノム遺伝子は、他の
異種系における発現に適当なプロモーターおよびプロセ
ッシング・シグナル、例えば昆虫細胞培養株構築用昆虫
プロモーターを用いて工学技術的に製造され得る。同様
に、このゲノム遺伝子は、酵母または他の真核生物系に
おいても発現され得る。
実施例4 IL−3様成長因子の発現 プラスミド、pCSF−MLAは、前記に従い第1表のテナ
ガザル配列をXho I−消化pXMに挿入することにより簡単
に構築される。ヒト配列を有するプラスミド、pSHIL−
3−1は、前記実施例3に従いほ乳類発現用に合成的に
構築される。別のプラスミドpY3は、前記と同様に作製
される。次に、霊長動物IL−3様成長因子を担うこれら
のプラスミドの各々を常套技術によりポリペプチド発現
用に選択された宿主細胞へ形質転換する。
A.ほ乳類細胞の発現 下記検定で使用されるIL−3様因子の発現を達成する
ために、pSHIL−3−1およびpCSF−MLAによりCOS細胞
をトランスフェクションする。トランスフェクションさ
れたCOS細胞の条件培地もまた、高レベルの成長因子活
性を含んでいた。
この明細書に記載されたほ乳類細胞発現ベクターは、
当業界の熟練者に周知の技術により合成され得る。ベク
ターの構成成分、例えばレプリコン、選択遺伝子、エン
ハンサー、プロモーターなどは、天然供給源から入手さ
れるか、または公知方法により合成され得る。例えば、
カウフマン等、「ジャーナル・オブ・モレキュラー・バ
イオロジー」、159:511−521(1982)およびカウフマ
ン、「プロシーディングズ・オブ・ザ・ナショナル・ア
カデミー・オブ・サイエンシーズ・オブ・ザ・ユナイテ
ッド・ステーツ・オブ・アメリカ」、82:689−693(198
5)参照。具体例としてのほ乳類宿主細胞には、特に、
形質転換セルラインを含めた霊長動物セルラインおよび
げっ歯動物セルラインが含まれる。正常なディプロイド
(2倍体)細胞、一次組織のインビトロ培養由来の細胞
株および一次外植体もまた適当である。選択遺伝子が優
位に作用している限り、候補細胞は選択遺伝子において
遺伝子型的に不完全である必要は無い。ベクターDNAの
安定した組込みおよびそれに続く組込まれたベクターDN
Aの増幅には、共に常用方法によりCHO細胞が使用され得
る。別法として、ベクターDNAは、うし乳頭腫ウイルス
・ゲノムの全部または一部を含み得[ラスキー等、「セ
ル」、36:391−401(1984)]、安定したエピソーム構
成要素としてセルライン、例えばC127マウス細胞に導入
され得る。他の適当なほ乳類セルラインには、HeLa、CO
S−1サル細胞、マウスL−929細胞、Balb−cもしくは
NIHマウス由来の3T3株、BHKもしくはHaKハムスター・セ
ルラインがあるが、これらに限定される訳ではない。
次に、安定した形質転換体を標準免疫学的または酵素
検定により生成物の発現に関してスクリーニングする。
変異蛋白質をコードするDNAの存在は、標準的方法、例
えばサザーン・ブロッティングにより検出され得る。発
現ベクターDNAを適当な宿主細胞、例えばCOS−1サル細
胞に導入後、数日間変異体をコードするDNAの一時的発
現を培養培地における蛋白質の活性または免疫学的検定
により選択せずに測定する。
また当業界の熟練者であれば、例えばXho Iにより各
プラスミドから第1表または第2表のDNA配列を切断
し、よく知られている組換え遺伝子工学技術および他の
既知ベクター、例えばpJL3およびpJL4[ガフ等、「EMBO
ジャーナル」、:645−653(1985)]およびpMT2(pMT
2−VWF、ATCC#67122により出発、PCT出願PCT/US87/000
33参照)を用いることにより、pCSF−MLAおよびpSHIL−
3−1に匹敵する他のほ乳類発現ベクターも構築し得
る。適当な宿主に対するこれらのベクターの形質転換の
結果、IL−3様成長因子の発現が行なわれ得る。
B.細菌発現系 同様に、当業界の熟練者であれば、コード配列の側面
に位置するほ乳類調節配列を削除または細菌配列と置換
することにより第1表および第2表の配列を操作して、
細菌細胞によるこの発明のIL−3様因子の細胞内または
細胞外発現を目的とする細菌ベクターを作製することが
できる。さらに因子をコードするDNAを実施例3の記載
に従い修飾することにより、当業界で周知の通り細菌発
現用の異なるコドンを含ませることが可能である。同様
に当業界では周知のことであるが、好ましくはこの配列
は、成熟変異型蛋白質の細菌性発現、分泌およびプロセ
ッシングを行わせる分泌を促すリーダー・ポリペプチド
をコードするヌクレオチド配列とフレーム内で効果的に
結合される。次に、全て公知方法により、細菌性宿主細
胞で発現された化合物は、回収され、精製され、および
/または生理化学的、生化学的および/または臨床パラ
メーターに関して特徴分析され得る。
細菌性発現を目的とする前記の一細菌性ベクターを構
築するために、部分合成的ヒトIL−3様DNA配列をテナ
ガザルcDNAおよび実施例3記載の合成的細菌性カセット
から構築した。この配列は、受入れ番号40134としてATC
Cに寄託されているNde I/Xba I消化ベクターpa1181中に
組込まれた。生成したベクターpPLHIL−3−181により
エシェリヒア・コリGL400をトランスフェクションし、
公開されたPCT出願86/00639でGM−CSFに関して記載され
た条件に従い培養した。
エシェリヒア・コリにおけるIL−3様因子は、不溶性
細胞封入体で生産される。そこから蛋白質を可溶化し、
入手するためには、次の手順に従う。細胞(冷凍ペース
ト)約50gを120mlの50mMトリス−HCl、pH7.5、0.1mMフ
ェニル−メチルスルホニルフルオリド[PMSF]および2m
Mジチオトレオトール[DTT](緩衝液A)に再懸濁す
る。細胞を10000psiまたはそれ以上でフレンチ・プレス
またはマーチン・ガウリン・バルブに通すことにより崩
壊する。次に、これらの崩壊された細胞を30分間20000
×Gで遠心分離にかけて、細胞破片を沈澱させる。この
破片は細胞封入体を含む。
この沈澱を、フレンチ・プレスに通すことにより緩衝
液A中55%しょ糖に再懸濁し、再び30000×Gで30分間
遠心分離を行う。IL−3様因子細胞封入体を含む沈澱物
を緩衝液A中55%しょ糖に再懸濁し、60、65および70%
しょ糖の段階的勾配により層状にする。この勾配を1500
00×Gで2時間遠心分離にかける。65%層に対して沈降
したIL−3様因子細胞封入体を集める。
現在約80%純度のIL−3様因子を再構築し、再び折り
畳むために、これらの細胞封入体を8モル尿素中1ml当
たり2−3mg蛋白質の割合で再懸濁する。蛋白質を含有
する尿素溶液を、50mMトリス−HCl、pH8.0、0.1mMのPMS
F、2mMのDTTおよび0.1mMのエチレンジアミン四酢酸[ED
TA](緩衝液B)により希釈して3モル尿素の最終濃度
(ただし、IL−3濃度は約1μg/mlである)とする。6m
M還元グルタチオンおよび6mM酸化グルタチオンを含む還
元/酸化緩衝液を尿素溶液に加え、摂氏20度で2時間イ
ンキュベーションする。3モル尿素溶液を一夜緩衝液B
に対して透析することにより尿素を除去する。次いで、
IL−3蛋白質溶液を遠心分離にかけて沈澱物を全て除去
する。この段階で、IL−3様因子は再び折り畳まれ、純
度は約85%である。
再び折り畳まれたIL−3様因子を50mMのMES緩衝液(p
H6.0、0.1mMのEDTA含有)に対して透析し、同緩衝液中
で平衡状態のDEAE−セファロース・カラムに適用する。
IL−3様因子は、約99%純度でDEAEのフロー・スルーに
存在する。また、この段階では発熱源が全て除去され
る。DEAEフロー・スルーから得られたIL−3のpHを、20
0mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.0)により5.0に調節す
る。IL−3様因子をスルホニルプロピル−セファロース
・カラムに適用すると、IL−3様因子はSP−セファロー
スに結合し、酢酸ナトリウム含有緩衝液により溶離す
る。この段階でIL−3様因子は純粋であり、正確に再び
折り畳まれている。CML検定において、このヒトIL−3
様因子は1〜3×107CML単位/mgの比活性を有する。
同様に、第1表または第2表のコード配列は、Xho I
によりpCSF−MLAまたはpSHIL−3−1から切断され、さ
らに操作(例、他の既知リンカーに結合または他の公知
技術によりそこから非コード配列を欠失またはそこに存
在するヌクレオチドを改編することにより修飾)され得
る。次に、修飾されたIL−3様コード配列は、例えば谷
口等、「プロシーディングズ・オブ・ザ・ナショナル・
アカデミー・オブ・サイエンシーズ・オブ・ザ・ユナイ
テッド・ステーツ・オブ・アメリカ」、77:5230−5233
(1980)記載の方法を用いて既知細菌性ベクターに挿入
され得る。次に、この具体例としての細菌性ベクターに
より細菌性宿主細胞を形質転換し、IL−3様因子をそこ
で発現させ得る。細菌性細胞におけるIL−3様因子の細
胞外発現達成ストラテジーに関しては、例えばヨーロッ
パ特許出願EPA177343参照。
C.昆虫細胞発現 昆虫細胞での発現を目的とする昆虫ベクターの構築
[例えば、公開されたヨーロッパ特許出願155476記載の
方法参照]に関しても同様の操作が実施され得る。酵母
ベクターもまた、酵母細胞によるこの発明の蛋白質の細
胞内または細胞外発現を目的とする酵母調節配列を用い
て構築され得る。[例えば、公開されたPCT出願WO86006
39およびヨーロッパ特許出願EP123289記載の方法参
照]。
実施例5 高レベルの霊長動物IL−3様成長因子を発現するCHOセ
ルラインの構築。
この発明のIL−3様ポリペプチドの新規霊長動物科を
高レベルでほ乳類細胞から生産させる方法は、異種IL−
3様遺伝子の多数のコピーを含む細胞の構築を含む。異
種遺伝子は、増幅可能なマーカー、例えばジヒドロ葉酸
還元酵素(DHFR)遺伝子に結合され得、それにより、カ
ウフマンおよびシャープ、「ジャーナル・オブ・モレキ
ュラー・バイオロジー」、(1982)(前出)の手順に従
い、多数の遺伝子コピーを含む細胞が、濃度を高めたメ
トトレキセイト(MTX)における増殖用に選択され得
る。この方法は、幾つかの異なる細胞タイプにより使用
され得る。
例えば、pY3は、ヒトIL−3様遺伝子を、その発現を
可能にする他のプラスミド配列と効果的に組合わせた形
で含む。pY3およびDHFR発現プラスミドpAdA26SV(A)
3[カウフマンおよびシャープ、「Mol.Cell Biol.」、
(9):1598−1608(1983)]は、燐酸カルシウム共
沈降およびトランスフェクションによりDHFR−欠損CHO
細胞、DUKX−BIIに共に導入され得る。別法として、こ
の遺伝子は前述のpMT2に導入され、生成したベクターは
pY3およびpAdA26SV(A)3の代わりに使用され得る。D
HFR発現形質転換体を、透析胎児うし血清を含むアルフ
ァ培地における成長に関して選択し、続いてカウフマン
等、「Mol.Cell Biol.」、:1750(1983)の記載に従
い、濃度を高めたMTX(0.02、0.2、1.0および5μMのM
TXによる連続段階)中での成長による増殖に関して選択
する。形質転換体をクローン化し、生物学的活性IL−3
様ポリペプチド発現をCML検定によりモニターする。IL
−3様ポリペプチド発現は、MTX耐性のレベルの増加に
伴い高まるべきである。同様の手順に従い、テナガザル
IL−3様ポリペプチドを含むIL−3様ポリペプチドのこ
の科に属する他のポリペプチドも生産され得る。
実施例6 IL−3様ポリペプチドの生物学的活性 この発明の霊長動物IL−3様ポリペプチドの新規科に
属する代表的ポリペプチドとして、テナガザル・ポリペ
プチドおよびヒト・ポリペプチドの両方を用いて下記検
定を実施した。しかしながら、この科に属する他のポリ
ペプチドも、個々のポリペプチドが示すIL−3様生物学
的特性の数に左右されるこれらの同検定または他の検定
においてIL−3様生物学的活性を呈する。
A.CML検定 本質的に「ブラッド」、63(4):904−111(1984)
記載の手順に従いCML検定を実施した。安定相のCML患者
から採取された末梢血の冷凍袋から細胞ストックを得
た。この袋を解凍し、15×106細胞/バイアルの500アリ
コート中に再冷凍した。これらの細胞、「CML8−3」を
用いてIL−3様ポリペプチドのIL−3様活性を試験し
た。検定開始の前日に1バイアルを37℃で急速解凍す
る。次いで、バイアルの内容物を15mlの管に移し、RPMI
(ギブコ、RPMI1640)中5%HiヒトAB血清[HAB/RPMI]
で2回洗浄する。これらの細胞を、5%CO2および37℃
において一夜5%HiHAB/RPMI中でインキュベーションす
る。翌日細胞を培養から除去し、フィコルで処理し、洗
浄し、再計数し、取って置く。
検定材料を含む10%HIFCS2/RPMI培地100μをマイク
ロタイター・プレートの各ウェルに入れる。上記で調製
された細胞を回転(脱水)させ、10%HIFCS/RPMIに1.3
〜2×105細胞/μの濃度で再懸濁する。細胞100μ
を各ウェルに入れ、37℃で5%CO2中48または72時間抗
ヒトGMCSF抗体の存在下または非存在下でインキュベー
ションする。その後、1ウェルに対し0.5μCi3H−チミ
ジンを加え、ウェルを37℃で6時間インキュベーション
する。ろ過多岐装置を用いて細胞をGFCタイプCフィル
ター紙(シュライヒエル−シュレル)に採収し、燐酸緩
衝食塩水で洗浄し、乾燥する。次いで、フィルターをシ
ンチレーション流体に浸し、3H取り込みに関して計数す
る。
チミジン取り込み測定に基づくと、テナガザルIL−3
様成長因子およびIL−3様成長因子は、両方共白血病芽
細胞の増殖刺激においてこの検定で活性を示す。
B.骨髄検定 非付着性骨髄細胞を用いたヒト骨髄検定をウォング等
(前出)記載の方法に従い実施した。テナガザルおよび
ヒトの両因子に対する条件培地は、この検定において活
性であることが見出され、明らかなか粒球タイプ系統の
小コロニーを製造した。また、染色寒天培養の組織検査
では、マクロファージ、か粒球−マクロファージおよび
好酸球コロニーが生成していた。この検定をエリスロポ
イエチンの存在下で実施する場合、条件培地が呈する赤
血球前駆細胞成長促進能は、赤血球コロニーの生産によ
り示される。ヒト骨髄検定においてGM−CSFをIL−3様
ポリペプチドと比較した場合、IL−3様ポリペプチド
は、GM−CSFの場合よりも多くのコロニーの形成を促進
した(ただし、両ポリペプチド共エリスロポイエチンの
存在下であった)。GM−CSFにより助長されたコロニー
の大部分はシグナル系統であったが、この発明のポリペ
プチドは、マルチ系統コロニーの形成を促進した。同様
に、芽細胞コロニー形成検定では、IL−3様ポリペプチ
ドは、さらに多数のマルチ系統芽細胞コロニーを生産し
た。同検定においてGM−CSFは、ごく僅かしか二次コロ
ニーを生産しなかった。
C.KG−1細胞検定 ウォング等(前出)記載の要領に従いKG−1検定を実
施した。この発明に従い製造されたIL−3様成長因子の
新規霊長動物科に属するテナガザルIL−3様ポリペプチ
ドは、この検定で活性を呈した。
D.多方面にわたる検定 抗体依存性細胞介在性細胞毒検定では、この発明のIL
−3様ポリペプチドは好酸球を刺激することにより、用
量依存形式で抗体被覆腫よう標的細胞を殺した。さらに
このポリペプチドは、好酸球による血清オプソニン化パ
ン酵母食作用を刺激し、好酸球による超酸化アニオン生
成を直接刺激した。この発明のIL−3様因子を健康なサ
ルに注入し、白(血球)数を観察する予備試験では、血
小板数および好酸球数の両方において再生可能な増加が
観察された。これらの予備結果は、ヒトおよびテナガザ
ルIL−3様因子の両方において観察された。
実施例7 COS細胞条件培地からのIL−3様ポリペプチドの精製 上記実施例4の記載に従い、現在下記の方法を用いて
COS細胞から均質のIL−3様蛋白質が得られる。
A.イオン交換 COS細胞条件培地[ローラー・ボトル中DMEM、0.5%FB
S、合計蛋白質濃度200μg/ml]は、約2−3μg/mlの濃
度でヒトIL−3様ポリペプチドを含む。伝導率が8.0ms/
cm2未満となるまで培地を水で希釈する。イオン交換カ
ートリッジ[QAEゼータ・プレグ]を約500mlの0.1モル
のトリス−Cl、pH8.0、次いで2の40mMトリス−Cl、p
H7.4により摂氏4度で平衡状態にする。培地を40ml/分
の割合で負荷し、未結合フラクションを集めた。活性が
洗浄流出しなくなるまでカートリッジを40mMトリス−Cl
で洗浄した。ベンチ・スケール量のIL−3様蛋白質を得
るために、未結合フラクションをジアフィルトレーショ
ン・ユニット膜[アミコンYM−10]で濃縮した。
IL−3様蛋白質の大規模精製を目的とするこの濃縮工
程に代わる方法は、QAE−ゼータ・プレプ未結合フラク
ションを1M氷酢酸で酸性化してpH4.5とする方法であ
る。培地をスルホニルプロピル(SP)−ゼータ・プレプ
(約500mlの20mM酢酸ナトリウム(pH4.5)により摂氏4
度で平衡状態にされている)に40ml/分の割合で負荷す
る。カートリッジを20mM酢酸ナトリウムで洗浄し、結合
フラクションを20mM酢酸ナトリウムおよび0.25〜0.5モ
ル塩化ナトリウムで溶離させる。このフラクションを1M
トリス−ClによりpH8.0〜pH7.4に中和し、トゥイーン−
20を加えて最終濃度0.05%とする。
B.ヒラマメ・レクチン・カラム ヒラマメ・レクチン・カラムを摂氏4度で20mMトリ
ス、pH7.4、0.05トゥイーン−20[緩衝液I]において
平衡状態にし、次いで1時間当たり1カラム容量の割合
で負荷した。カラムを緩衝液Iで洗浄して非特異的結合
蛋白質を除去し、次いで結合蛋白質を緩衝液I+0.2Mア
ルファ−メチルマンノピラノシドにより溶離させた。溶
離フラクションをプールした。
C.逆相HPLC IL−3様ポリペプチドのこの調製物を以下の要領によ
り室温で逆相(RP)HPLCに付した。IL−3様ポリペプチ
ド調製物を100%緩衝液A中平衡状態のRP HPLCカラム
[C4バイダック]に注入した。緩衝液Aは、0.1%トリ
フルオロ酢酸[TFA](水中)であり、緩衝液Bは95%
アセトニトリル中0.1%TFAであった。勾配は、45〜70%
緩衝液Bまで0.2%/分であった。この勾配からプール
されたフラクションは、46.8%B〜47.5%の緩衝液Bで
あった。これらのフラクションを急速真空吸引にかけて
アセトニトリルを除去した。第2逆相HPLC段階では、緩
衝液Aは水中0.15%HFBAであり、緩衝液Bは95%アセト
ニトリル中0.15%ヘプタフルオロ酪酸[HFBA]であっ
た。勾配は、45〜70%緩衝液Bまで0.2%/分であっ
た。この段階からプールされたフラクションは49%〜51
%の緩衝液Bであった。HPLCから溶離するこのフラクシ
ョンは発熱源を含まなかった。
実施例8 IL−3様ポリペプチドの分析 A.SDS−PAGE カウフマンおよびシャープ、「ジャーナル・オブ・モ
レキュラー・バイオロジー」、159:601−621(1982)の
手順に従い、pCSF−MLAによりトランスフェクションさ
れたCOS細胞およびpY3によりトランスフェクションされ
たCOS細胞により生成されたポリペプチドに35Sメチオニ
ンを代謝的に組込む。トランスフェクションされたCOS
−1細胞により分泌された標識蛋白質のSDSポリアクリ
ルアミド電気泳動(還元条件)[レムリ、「ネイチャ
ー」、227:680−685(1970)]は、テナガザルおよびヒ
ト因子の両方に関して14kdないし35kdの範囲の見かけの
分子量を有するポリペプチドの分布を示した。この分布
は、見せかけのトランスフェクション対照試料には存在
しなかった。さらに詳しくは、CHO生産ヒトIL−3様因
子は21〜32kd間の分布を示し、主として21ないし28kdの
分布を呈するCOS細胞生産ヒト因子よりも高いグリコシ
ル化を示した。
実施例6の生成工程後の銀染色により、平均分子量21
000〜25000の2本の主要なバンドが両因子において大体
等量で現れた。現在これら2本のバンドにおける差異
は、N−結合グリコシル化における差異に帰因してい
る。
B.等電点電気泳動 実施例7の精製ポリペプチドの自然等電点電気泳動
は、テナガザルおよびヒト・ポリペプチドの両方に関し
て4種類を示し、Pi値の範囲はpH6.0ないしpH7.6であ
る。
C.スーパローズ6高速蛋白質液体クロマトグラフィー HPLCからの精製フラクションを、20mMトリス、pH7.
4、200ミリモルNaClおよび0.05%トウィーン−20中ゲル
ろ過カラム[スーパローズ6]において溶出させた。こ
のカラム溶出は、両因子に関して見かけの分子量43kdの
1つの鋭いピークを示した。
D.CML検定における比活性 上記CML検定における具体例としてのテナガザルIL−
3様因子の比活性は、ポリペプチド1mg当たり2×106
1×107希釈単位の範囲内に含まれ、平均は8×106希釈
単位/mgである。実施例4(B)記載の細菌生産ヒトポ
リペプチドは、ポリペプチド1mg当たり1〜3×107希釈
単位の比活性を有することが見出された。CHO生産ヒトI
L−3様因子は、この検定では蛋白質1mg当たり約2〜3
×106単位の比活性を有する。COS生産ヒトIL−3様因子
は、1mg当たり約1〜2×107単位の比活性を有する。希
釈単位(またはCML単位)は、CML検定において半最大刺
激を与える因子の希釈の単位として定義される。
E.N−末端分析 テナガザル・ポリペプチドのN−末端配列の分析は自
動エドマン分解法を用いて行なわれ、98%の因子純度の
レベルが示された。
F.N−グリカナーゼ処理 COS細胞において生産されたヒトおよびテナガザル因
子を、N−結合炭水化物部分を消化する酵素N−グリカ
ナーゼで処理した。各因子はこの方法により精製される
ことが示された。ゲル上の各因子の14−35kdスミアを、
テナガザル因子については15kdおよびヒト因子について
は20.5kdの単一バンドに縮小させた。
前述の好ましい実施態様の記載を考慮すると、この発
明の実施において多くの修正および変更が行なわれるこ
とは当業界の熟練者であれば容易に想到できるはずであ
る。それらの修正および変更も後記請求の範囲に包含さ
れるものと考えられる。
微 生 物 寄託機関の名称 アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション 寄託機関の住所 12301 パークローン・ドライブ ロックビル、メリーランド20852、アメリカ合衆国寄託物の名称 ATCC番号 引用頁/行 寄託の日付 pCSF−MLA 67154 12/13 1986年7月11日 CSF−16 40246 12/16 1986年8月5日 pHucIL3−2 67319 13/32 1987年2月13日 pSHIL−3−1 67326 12/19 1987年2月24
日 この発明によって可能となる事項を挙げると次の通り
である。
(1)実質的に他の蛋白質材料を随伴しないヒトIL−3
蛋白質。
(2)実質的に他の蛋白質性材料を随伴せず、下記配列 (ただし、aは0または1である)、または (ただし、aは0または1である)、およびそのアレル
と実質的に同じ配列を含むペプチド配列を特徴とするIL
−3蛋白質であって、標準ヒト骨髄検定において10〜10
0ピコモル濃度で様々な系統の造血コロニーの多数のタ
イプの形成に対する刺激能を有する蛋白質である、1記
載の蛋白質。
(3)さらに、 a.還元SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動により測定
された約14〜約35キロダルトンの見かけの分子量、 b.CML検定における10〜100ピコモル濃度でのCML細胞増
殖刺激能、 c.pH6.0ないし7.6間の等電点、 d.スーパローズ6ゲルろ過カラムにおける43kdでの鋭い
単一ピーク、 e.N−グリカナーゼ処理後のゲルにおける20.5kdの単一
バンド、および f.エドマン分解法を用いたN−末端分析における約2%
以下の汚染物質レベル から成る群から選ばれる少なくとも一特性を有すること
を特徴とする、2記載の蛋白質。
(4)エドマン分解法を用いたN−末端分析において約
2%以下の汚染物質レベルを有する2記載の蛋白質。
(5)医薬的に許容し得る賦形剤中に、1〜4記載のIL
−3蛋白質の治療有効量を含有する医薬組成物。
(6)低い造血細胞レベルを高めるのに使用される医薬
組成物における霊長動物IL−3。
(7)他のヘマトポイエチン、インターロイキンまたは
成長因子の少なくとも1種と組合わせて低い造血細胞レ
ベルを高めるのに使用される医薬組成物における霊長動
物IL−3。
(8)GM−CSF、G−CSF、CSF−1、エリスロポイエチ
ン、IL−1、IL−2、IL−4および/またはIL−6と組
合わせて低い造血細胞レベルを高めるのに使用される医
薬組成物における霊長動物IL−3。
(9)B細胞成長因子、B細胞分化因子または好酸球分
化因子と組合わせて低い造血細胞レベルを高めるのに使
用される医薬組成物における霊長動物IL−3。
(10)霊長動物IL−3蛋白質をコードするDNA配列およ
び異種DNAを含むベクターであって、IL−3蛋白質をコ
ードするDNA配列が、 a.実質的に第1表に示されたペプチド配列をコードする
DNA配列、 b.実質的に第2表に示されたペプチド配列をコードする
DNA配列、 c.(a)または(b)の配列の対立遺伝子変異型、 d.ストリンジェント条件下で(a)、(b)または
(c)のDNA配列とハイブリダイズし得るDNA配列、 から成る群から選ばれる配列である、ベクター。
(11)霊長動物IL−3蛋白質をコードするDNA配列を発
現させ得る10記載のベクターにより形質転換された細胞
および前記細胞の子孫。
(12)ほ乳類細胞、細菌細胞、昆虫細胞および酵母細胞
から成る群から選ばれる、11記載の形質転換細胞。
(13)霊長動物IL−3蛋白質の製造方法であって、 (a)発現制御配列と操作可能に組合わされた、霊長動
物IL−3をコードするDNA配列により形質転換された宿
主細胞を適当な培養培地において培養し、 (b)IL−3を実質的に純粋な形態で分離する ことを含む方法。
(14)下記配列 (ただし、aは0または1である)または (ただし、aは0または1である)およびそのアレルと
実質的に同じペプチド配列を特徴とする均等なIL−3蛋
白質であって、CML検定においてポリペプチド1mg当たり
少なくとも2×106希釈単位の比活性を有するIL−3蛋
白質。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 21/02 C12N 5/00 B (C12P 21/02 C12R 1:91) (C12P 21/02 C12R 1:19) (31)優先権主張番号 21,865 (32)優先日 1987年3月4日 (33)優先権主張国 米国(US) 微生物の受託番号 ATCC 67326 微生物の受託番号 ATCC 67319 (72)発明者 ヤン、ユーチャング アメリカ合衆国02174 マサチューセッ ツ、アーリントン、アパートメント 19、バイキング・コート 3番 (56)参考文献 特開 平1−502157(JP,A) Nature,Vol.307(1984) P.233−237 Proc.Natl.Acad.Sc i.USA,Vol.81(1984)P. 1070−1074 Nucl.Acids Res.,V ol.14(1986.May)P.3641− 3658

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の蛋白質(A)〜(D)のいずれかであ
    って、標準ヒト骨髄検定において10〜100ピコモル濃度
    で多数のタイプの造血コロニーの形成を刺激する能力を
    有する、霊長類(ヒトを含む。)IL−3蛋白質: (A)下記アミノ酸配列: 又は (ただし、aは0又は1である。)を有する蛋白質、 (B)(A)のアレル変異体蛋白質、 (C)(A)又は(B)の蛋白質の一つ又はそれ以上の
    グリコシル化位置修飾蛋白質、又は (D)(a)下記塩基配列: 又は のDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし
    得るDNAと、 (b)(a)のDNAと縮重の関係にあるDNA のいずれかによってコードされる蛋白質。
  2. 【請求項2】蛋白質がCML検定においてポリペプチド1mg
    当たり少なくとも2×106希釈単位の比活性を有するも
    のである、均質な状態の請求項1記載の蛋白質。
  3. 【請求項3】蛋白質が実質的に他の蛋白性物質を随伴せ
    ず、下記特性: a.還元SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動により測定
    された約14〜約35キロダルトンの見かけの分子量、 b.CML検定における10〜100ピコモル濃度でのCML細胞増
    殖刺激能、 c.pH6.0ないし7.6間の等電点、 d.スーパローズ6ゲルろ過カラムにおける43kdでの鋭い
    単一ピーク、 e.N−グリカナーゼ処理後のゲルにおける20.5kdの単一
    バンド、 f.エドマン分解法を用いたN−末端分析における汚染物
    質レベルが約2%以下 から選ばれる少なくとも一つの性質を有するものであ
    る、請求項1記載の蛋白質。
  4. 【請求項4】エドマン分解法を用いたN−末端分析にお
    いて汚染物質レベルが約2%以下である、請求項1記載
    の蛋白質。
  5. 【請求項5】蛋白質が下記アミノ酸配列: (ただし、aは0または1である。) を有するものである、請求項1記載の蛋白質。
  6. 【請求項6】当該蛋白質のアミノ酸配列をコードするDN
    Aにより形質転換された細胞宿主を培養することにより
    産生された、請求項1記載の蛋白質。
  7. 【請求項7】宿主が哺乳類細胞である、請求項6記載の
    蛋白質。
  8. 【請求項8】宿主が細菌である、請求項6記載の蛋白
    質。
  9. 【請求項9】次の蛋白質(A)〜(D)のいずれかであ
    って、標準ヒト骨髄検定において10〜100ピコモル濃度
    で多数のタイプの造血コロニーの形成を刺激する能力を
    有する、霊長類(ヒトを含む。)IL−3蛋白質の有効量
    を含有する、低い造血細胞レベルを高めるのに使用され
    る医薬組成物: (A)下記アミノ酸配列: 又は (ただし、aは0又は1である。)を有する蛋白質、 (B)(A)のアレル変異体蛋白質、 (C)(A)又は(B)の蛋白質の一つ又はそれ以上の
    グリコシル化位置修飾蛋白質、又は (D)(a)下記塩基配列: 又は のDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし
    得るDNAと、 (b)(a)のDNAと縮重の関係にあるDNA のいずれかによってコードされる蛋白質。
  10. 【請求項10】蛋白質がCML検定においてポリペプチド1
    mg当たり少なくとも2×106希釈単位の比活性を有する
    ものである、均質な状態の請求項9記載の組成物。
  11. 【請求項11】蛋白質が実質的に他の蛋白性物質を随伴
    せず、下記特性: a.還元SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動により測定
    された約14〜約35キロダルトンの見かけの分子量、 b.CML検定における10〜100ピコモル濃度でのCML細胞増
    殖刺激能、 c.pH6.0ないし7.6間の等電点、 d.スーパローズ6ゲルろ過カラムにおける43kdでの鋭い
    単一ピーク、 e.N−グリカナーゼ処理後のゲルにおける20.5kdの単一
    バンド、 f.エドマン分解法を用いたN−末端分析における汚染物
    質レベルが約2%以下 から選ばれる少なくとも一つの性質を有するものであ
    る、請求項9記載の組成物。
  12. 【請求項12】エドマン分解法を用いたN−末端分析に
    おいて汚染物質レベルが約2%以下である、請求項9記
    載の組成物。
  13. 【請求項13】蛋白質が下記アミノ酸配列: (ただし、aは0または1である。) を有するものである、請求項9記載の組成物。
  14. 【請求項14】他のヘマトポイエチン、インターロイキ
    ンおよび成長因子の少なくとも1種を含有する、請求項
    9〜13のいずれかに記載の組成物。
  15. 【請求項15】GM−CSF、G−CSF、CSF−1、エリスロ
    ポイエチン、IL−1、IL−2、IL−4及びIL−6の少な
    くとも1種を含有する、請求項9〜13のいずれかに記載
    の組成物。
  16. 【請求項16】B細胞成長因子、B細胞分化因子及び好
    酸球分化因子の少なくとも1種と組合わせて使用する、
    請求項9〜13のいずれかに記載の組成物。
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