JPH07203845A - 油脂の味覚改良方法 - Google Patents

油脂の味覚改良方法

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JPH07203845A
JPH07203845A JP1585094A JP1585094A JPH07203845A JP H07203845 A JPH07203845 A JP H07203845A JP 1585094 A JP1585094 A JP 1585094A JP 1585094 A JP1585094 A JP 1585094A JP H07203845 A JPH07203845 A JP H07203845A
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JP
Japan
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acid
fats
oils
silicon dioxide
magnesium oxide
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Application number
JP1585094A
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Inventor
Masayasu Hasegawa
昌康 長谷川
Yukari Koishi
ゆかり 小石
Toshio Hatano
俊雄 波多野
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 多価不飽和カルボン酸を構成脂肪酸単位とす
る油脂の味覚を、簡単な処理法を採用しながらも顕著に
改良することのできる方法を提供することを目的とす
る。 【構成】 エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン
酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、リノール酸など
の多価不飽和カルボン酸を構成脂肪酸単位とする油脂
を、平均粒径15μm 以上、好ましくは30μm 以上、
殊に40μm 以上の二酸化ケイ素−酸化マグネシウム凝
集体と接触処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多価不飽和カルボン酸
を構成脂肪酸単位とする油脂の味覚を顕著に改良する方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】多価不飽和カルボン酸を構成脂肪酸単位
とする油脂(トリグリセライド)は、一般食品分野、健
康食品分野、特定保健用食品分野に使用されているが、
酸化等の変敗により悪臭が発生したり劣化したりするこ
とを免れず、その結果、食品の味覚が著しく低下するよ
うになる。
【0003】そこで味覚の低下を防止するために、多価
不飽和カルボン酸を構成脂肪酸単位とする油脂に酸化防
止剤を添加することがなされている。
【0004】なお、カキエキスなどの食品原料を無機質
粒子で精製することは知られており、そのための無機質
粒子の一つとして、二酸化ケイ素−酸化マグネシウム凝
集体を使用することがある。
【0005】たとえば、特公平4−61630号公報
(特開昭62−166866号公報)には、カキエキス
液に水不溶性無機マグネシウム化合物を主体とする吸着
剤を作用させて吸着精製処理を行い、ついで精製液を非
酸化雰囲気中で濃縮するようにしたカキエキス濃縮物の
製造法が示されている。ここで水不溶性無機マグネシウ
ム化合物としては、具体的には、式 [Mg3](Si2O5)2(OH)2・xH2O (x≦5) で示される合成層状フィロケイ酸マグネシウムを用いて
いる。同公報には、この方法は、カキエキスのほかに、
カツオ、サバ、タイ、アジ、ブリ、ホタテ貝、エビ、カ
ニ等の魚介甲殻類、コンブ等の海草類、チキンガラ、白
菜等の野菜類、マムシ等の爬虫類、スッポン等の亀甲類
等のエキスにも利用され、さらには上記のカキエキスに
これらのエキス類を混合した複合エキスに対しても上記
の方法を用いることによって同様に脱色濃縮物とするこ
とができる旨の記載もある。
【0006】上記で用いている合成層状フィロケイ酸マ
グネシウムおよびその製造法については、特公平3−5
1651号公報(特開昭61−10020号公報)に詳
しい記載があり、合成層状フィロケイ酸マグネシウムの
用途としては、各種乳液、クリーム、ローション等の化
粧用基材;床磨、各種クリーニングワックス、洗浄剤、
紙・パルプ用ピッチコントロール剤、その他の各種エマ
ルジョン用の基材、あるいは乳化剤;各種廃水からの染
料ないしは色素吸着処理剤;情報記録紙用の填剤;感圧
発色紙用の顕色剤;などがあげられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】多価不飽和カルボン酸
を構成脂肪酸単位とする油脂に酸化防止剤を添加する方
法によっては、ある程度の酸敗防止は図られるものの、
味覚改良効果は満足すべきものではなかった。すなわち
多価不飽和カルボン酸を構成脂肪酸単位とする油脂の酸
化防止のみでは、味覚改良の目的は極めて不充分にしか
達成しえないのである。
【0008】そこで本発明者らは、多価不飽和カルボン
酸を構成脂肪酸単位とする油脂の酸化防止という観点か
ら離れ、系中の味覚阻害因子の除去の観点から、先に従
来の技術の項で述べた合成層状フィロケイ酸マグネシウ
ムを多価不飽和カルボン酸を構成脂肪酸単位とする油脂
に適用することを検討した。しかしながら、期待に反
し、市販の微粒子状の合成層状フィロケイ酸マグネシウ
ムを用いて多価不飽和カルボン酸を構成脂肪酸単位とす
る油脂の処理を行っても、味覚の改良はわずかしかなさ
れなかった。
【0009】本発明は、このような背景下において、多
価不飽和カルボン酸を構成脂肪酸単位とする油脂の味覚
を、簡単な処理法を採用しながらも顕著に改良すること
のできる方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の油脂の味覚改良
方法は、多価不飽和カルボン酸を構成脂肪酸単位とする
油脂を、平均粒径15μm 以上の二酸化ケイ素−酸化マ
グネシウム凝集体と接触処理することを特徴とするもの
である。
【0011】以下本発明を詳細に説明する。
【0012】多価不飽和カルボン酸としては、エイコサ
ペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、α−またはγ−リ
ノレン酸、リノール酸、テトラデカペンタエン酸、テト
ラデカテトラエン酸などがあげられる。
【0013】このような多価不飽和カルボン酸を構成脂
肪酸単位とする油脂としては、動物油(魚油、肝油、鯨
油、牛脂、豚脂等)、植物油(ナタネ油、大豆油、ゴマ
種子油、パーム油、ヤシ油、落花生油、綿実油、オリー
ブ油、アマニ油、サフラワー油、ヒマワリ油、ヒマシ
油、ボラージ種子油、カカオ脂等)、微生物発酵による
油脂などがあげられる。
【0014】本発明においては、上記の多価不飽和カル
ボン酸を構成脂肪酸単位とする油脂を、平均粒径15μ
m 以上の二酸化ケイ素−酸化マグネシウム凝集体と接触
処理する。平均粒径とは、50重量%重量平均における
粒径を言う。
【0015】二酸化ケイ素−酸化マグネシウム凝集体
は、ケイ酸分とマグネシウムの酸化物または水酸化物と
を水熱処理することにより得られ、SiO2 とMgOと
が部分的に不規則な積層構造を有する多孔質のシリカ・
マグネシア系吸着剤の一種である。その主要成分の組成
は、 SiO2 55〜65重量% 、 MgO 25〜35重量% 、 その他 5〜15重量% である。MgO 、SiO2以外の酸化物のうちの微量成分は、
Al2O3 、Fe2O3 、CaO 、Na2O、K2O などである。
【0016】上記の二酸化ケイ素−酸化マグネシウム凝
集体の市販品としては、たとえば、水沢化学工業株式会
社の商品名「ミズカライフP−1、F−1」がある。た
だしその凝集体は平均粒径はたとえば 5.6μm と微粒子
状であるので、後述のように本発明の目的には特別の造
粒品を用いるようにする。
【0017】上記の二酸化ケイ素−酸化マグネシウム凝
集体の平均粒径は、本発明の目的には15μm 以上、好
ましくは30μm 以上、殊に40μm 以上であることが
必須条件であり、この点が本発明の最大のポイントであ
る。従って、上記凝集体の製造工程で微粒子状のものし
か得られないときは、適宜の造粒手段を講じて平均粒径
が15μm 以上、好ましくは30μm 以上、殊に40μ
m 以上となるようにする。市販の二酸化ケイ素−酸化マ
グネシウム凝集体のように平均粒径が 5.6μmとかその
近辺の微粒子状のものを用いた場合は、味覚改良効果が
不足する。一方、余りに粒径が大きくなると単位重量当
りの表面積が低下して処理時の接触効率が低下するの
で、粒径の上限は120μm 程度まで、殊に100μm
程度までとすることが多い。
【0018】接触処理にあたっては、多価不飽和カルボ
ン酸を構成脂肪酸単位とする油脂100重量部に対し上
記の二酸化ケイ素−酸化マグネシウム凝集体を0.05〜1
0重量部程度加え、撹拌する方法が好適に採用される。
撹拌時間は1〜180分程度(好ましくは10〜120
分)とすることが多いが、特に限定はない。この場合、
接触処理を減圧下または不活性ガスシール下に温度20
0℃以下(好ましくは5〜90℃)で行うことが望まし
い。
【0019】接触処理後は、ろ過、遠心分離、デカンテ
ーション等の手段により二酸化ケイ素−酸化マグネシウ
ム凝集体を分離する。
【0020】
【作用】本発明においては、多価不飽和カルボン酸を構
成脂肪酸単位とする油脂を二酸化ケイ素−酸化マグネシ
ウム凝集体と接触処理するにあたり、該凝集体として平
均粒径15μm 以上、好ましくは30μm 以上、殊に4
0μm 以上のものを用いるという工夫を講じており、こ
れにより系中の味覚阻害因子が除かれて、多価不飽和カ
ルボン酸を構成脂肪酸単位とする油脂の味覚の改良が図
られ、しかもその味覚改良効果は顕著である。
【0021】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。以下「部」、「%」とあるのは重量基準で表わした
ものである。
【0022】〈無機質粒子による処理〉 実施例1 ドコサヘキサエン酸を構成脂肪酸単位とする油脂を豊富
に含む魚油(マグロ眼窩脂肪、ドコサヘキサエン酸含有
量28%)1000部に平均粒径75μm の二酸化ケイ
素−酸化マグネシウム凝集体(水沢化学工業株式会社の
商品名「ミズカライフF−1」(SiO2 61%、MgO 27% )
を造粒したもの」)10部を添加し、80℃にまで昇温
して、50mmHgの減圧下に1時間撹拌を行った。撹拌終
了後、室温まで冷却し、上記の凝集体を50mmHgの減圧
でろ過除去した。回収された油脂は950部で、ドコサ
ヘキサエン酸含有量は28%であった。
【0023】比較例1〜3 平均粒径75μm の二酸化ケイ素−酸化マグネシウム凝
集体10部に代えて、次の粒子を用いたほかは実施例1
を繰り返した。 比較例1 平均粒径 5.6μm の二酸化ケイ素−酸化マグネシウム凝
集体(水沢化学工業株式会社の商品名「ミズカライフF
−1」)10部 比較例2 平均粒径75μm の二酸化ケイ素6部 比較例3 平均粒径75μm の酸化マグネシウム4部
【0024】実施例2 実施例1の魚油1000部に代えて、エイコサペンタエ
ン酸を構成脂肪酸単位とする油脂を豊富に含むカツオ由
来の魚油(エイコサペンタエンサン含有量18%)10
00部を用いたほかは実施例1を繰り返した。
【0025】比較例4 平均粒径75μm の二酸化ケイ素−酸化マグネシウム凝
集体10部に代えて、平均粒径10μm の二酸化ケイ素
−酸化マグネシウム凝集体10部を用いたほかは実施例
2を繰り返した。
【0026】実施例3 実施例1の魚油1000部に代えて、α−リノレン酸を
構成脂肪酸単位とする油脂を含むアマニ油(α−リノレ
ン酸含有量20%)1000部を用い、かつ平均粒径7
5μm の二酸化ケイ素−酸化マグネシウム凝集体10部
に代えて平均粒径90μm の二酸化ケイ素−酸化マグネ
シウム凝集体10部を用いたほかは、実施例1を繰り返
した。
【0027】比較例5 平均粒径90μm の二酸化ケイ素−酸化マグネシウム凝
集体10部に代えて平均粒径7μm の二酸化ケイ素−酸
化マグネシウム凝集体10部を用いたほかは、実施例3
を繰り返した。
【0028】実施例4 実施例1の魚油1000部に代えて、γ−リノレン酸を
構成脂肪酸単位とする油脂を含むボラージ種子油(γ−
リノレン酸含有量20%)1000部を用い、かつ平均
粒径75μm の二酸化ケイ素−酸化マグネシウム凝集体
10部に代えて平均粒径50μm の二酸化ケイ素−酸化
マグネシウム凝集体10部を用いたほかは、実施例1を
繰り返した。
【0029】比較例6 平均粒径50μm の二酸化ケイ素−酸化マグネシウム凝
集体10部に代えて平均粒径5μm の二酸化ケイ素−酸
化マグネシウム凝集体10部を用いたほかは、実施例4
を繰り返した。
【0030】実施例5 実施例1の魚油1000部に代えて、リノール酸を構成
脂肪酸単位とする油脂を含むアマニ油(リノール酸含有
量30%)1000部を用い、かつ平均粒径75μm の
二酸化ケイ素−酸化マグネシウム凝集体10部に代えて
平均粒径100μm の二酸化ケイ素−酸化マグネシウム
凝集体10部を用いたほかは、実施例1を繰り返した。
【0031】比較例7 平均粒径100μm の二酸化ケイ素−酸化マグネシウム
凝集体10部に代えて平均粒径10μm の二酸化ケイ素
−酸化マグネシウム凝集体10部を用いたほかは、実施
例5を繰り返した。
【0032】〈味覚評価方法と評価結果〉上記実施例1
〜5および比較例1〜7の処理前後の油脂の味覚を、パ
ネラー10名(男性6名、女性4名)による官能試験で
評価した。評価結果を表1に示す。Control とあるのは
無処理の場合である。
【0033】表1のPUFA含有油脂の欄中、PUFAは多価不
飽和カルボン酸、DHA はドコサヘキサエン酸、EPA はエ
イコサペンタエン酸、ALA はα−リノレン酸、GLA はγ
−リノレン酸、LAはリノール酸の意味である。
【0034】また表1の味覚評価の欄中、A〜Dの意味
は次の通りである。 A:良好、B:やや良好:C:やや不良、D:不良
【0035】
【表1】 PUFA含有油脂 処 理 剤 平均 味覚評価(名) 粒径 A B C D 実施例1 DHA 28% 含有 SiO2・MgO 凝集体 75μm 6 3 1 0 比較例1 DHA 28% 含有 SiO2・MgO 凝集体 5.6μm 0 1 5 4 比較例2 DHA 28% 含有 SiO2 75μm 0 0 1 9 比較例3 DHA 28% 含有 MgO 75μm 0 0 1 9 Control DHA 28% 含有 − − 0 0 1 9 実施例2 EPA 18% 含有 SiO2・MgO 凝集体 75μm 7 2 1 0 比較例4 EPA 18% 含有 SiO2・MgO 凝集体 10μm 0 2 5 3 Control EPA 18% 含有 − − 0 0 2 8 実施例3 ALA 20% 含有 SiO2・MgO 凝集体 90μm 6 3 1 0 比較例5 ALA 20% 含有 SiO2・MgO 凝集体 7μm 0 1 5 4 Control ALA 20% 含有 − − 0 0 4 6 実施例4 GLA 20% 含有 SiO2・MgO 凝集体 50μm 9 1 0 0 比較例6 GLA 20% 含有 SiO2・MgO 凝集体 5μm 0 1 5 4 Control GLA 20% 含有 − − 0 0 5 5 実施例5 LA 30% 含有 SiO2・MgO 凝集体 100μm 6 3 1 0 比較例7 LA 30% 含有 SiO2・MgO 凝集体 10μm 0 1 8 1 Control LA 30% 含有 − − 0 0 7 3
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、簡単な処理操作により
多価不飽和カルボン酸を構成脂肪酸単位とする油脂の味
覚の改良が図られ、しかもその味覚改良効果は顕著であ
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多価不飽和カルボン酸を構成脂肪酸単位と
    する油脂を、平均粒径15μm 以上の二酸化ケイ素−酸
    化マグネシウム凝集体と接触処理することを特徴とする
    油脂の味覚改良方法。
  2. 【請求項2】二酸化ケイ素−酸化マグネシウム凝集体の
    平均粒径が40μm 以上である請求項1記載の味覚改良
    方法。
  3. 【請求項3】接触処理を、減圧下または不活性ガスシー
    ル下に温度200℃以下で行うことを特徴とする請求項
    1または2記載の味覚改良方法。
  4. 【請求項4】多価不飽和カルボン酸が、エイコサペンタ
    エン酸、ドコサヘキサエン酸、α−−リノレン酸、γ−
    リノレン酸およびリノール酸よりなる群から選ばれた少
    なくとも一種の多価不飽和カルボン酸である請求項1、
    2または3記載の味覚改良方法。
JP1585094A 1994-01-14 1994-01-14 油脂の味覚改良方法 Withdrawn JPH07203845A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002540221A (ja) * 1999-01-29 2002-11-26 アトランティス マリン インコーポレイテッド 海洋源からの精製されたトリグリセリドを、穏やかな安定性油に変換するプロセス
JP2017139995A (ja) * 2016-02-10 2017-08-17 株式会社Adeka 食用油脂の精製方法
JP2020152795A (ja) * 2019-03-19 2020-09-24 日清オイリオグループ株式会社 精製油脂の製造方法、及び精製油脂

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