JPH07188692A - 高度不飽和脂肪酸類含有組成物の過酸化物除去方法 - Google Patents

高度不飽和脂肪酸類含有組成物の過酸化物除去方法

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JPH07188692A
JPH07188692A JP35249093A JP35249093A JPH07188692A JP H07188692 A JPH07188692 A JP H07188692A JP 35249093 A JP35249093 A JP 35249093A JP 35249093 A JP35249093 A JP 35249093A JP H07188692 A JPH07188692 A JP H07188692A
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fatty acid
acid
fatty acids
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Mitsumasa Mansou
三正 万倉
Yasuyuki Takagaki
康幸 高垣
Katsuyuki Nishioka
功志 西岡
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IKEDA SHIYOKUKEN KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高度不飽和脂肪酸、その低級
アルコールエステル及びそのグリセリドから選択される
少なくとも1種を含有する高度不飽和脂肪酸類含有組成
物から過酸化物を有効に除去して、この組成物の食品、
医薬品、飼料、化粧品等の分野への用途拡大を図ること
にある。 【構成】 高度不飽和脂肪酸、その低級
アルコールエステル及びそのグリセリドから選択される
少なくとも1種を含有する高度不飽和脂肪酸類含有組成
物を、120〜180℃の条件下で真空水蒸気蒸留に付した
後、該水蒸気蒸留残留分の温度が80℃以下に低下する以
前に、上記真空水蒸気蒸留前の組成物に対し1〜30重量
%の活性炭又は酸性白土又は活性白土又はケイ酸等を単
独で又は任意の割合で配合したものを加えて混合し、次
いで濾過等により分離することにより、過酸化物価(P
OV)10以下の脱臭・脱色された高度不飽和脂肪酸類
含有組成物を得ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエイコサペンタエン酸
(以下、EPAと略記)、ドコサヘキサエン酸(以下、
DHAと略記)等の酸化速度の大きい高度不飽和脂肪
酸、その低級アルコールエステル及びそのグリセリド等
の高度不飽和脂肪酸類を含有する組成物から、工業的か
つ実際的な方法で過酸化物を除去し、併せて、異臭成
分、色素類等の不純物を除去し、食品、医薬品、飼料、
化粧品等の分野に安全性が高く、品質的に優れた高度不
飽和脂肪酸類含有組成物を提供するための方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】EPA、DHA等で代表される高度不飽
和脂肪酸、その低級アルコールエステル及びそのグリセ
リドなどこれらの高度不飽和脂肪酸類はその広範な生理
活性から、食品、医薬品、飼料、化粧品等の分野への利
用が考えられており、既に実施されている分野もある
(R.G.Ackman:Chem. and Ind., 7, 139-145 (1988))。
これらの高度不飽和脂肪酸類は、目的・用途に応じて、
例えば、脱酸、濃縮、脱臭・脱色等の公知の精製工程を
経て製品化される(佃信夫:食品工業,9下,30-35 (1
985))。
【0003】しかしながら、これら高度不飽和脂肪酸類
は極めて酸化され易く、精製過程で酸化に伴う過酸化物
の生成〔過酸化物価(POV)が例えば30以上となる〕
とそれらの分解物、重合物の系内への蓄積等により安全
性に問題を生じ、このことが上記分野への高度不飽和脂
肪酸類の用途拡大を妨げる主要な要因の一つとなってい
る。また、酸化の進行に伴う異臭の発現、色素類の生成
による着色等は製品価値を損なうなど高度不飽和脂肪酸
類の品質にも多大な悪影響を及ぼすものとなっている。
【0004】これに関連して従来より、酸化防止剤の利
用に関する特許(特開昭63-72654,特開平1-126392,特
開平1-226809,特開平2-208390,特開平2-243632,特開
平3-50293,特開平3-90046,特開平3-99073,特開平3-2
87697,特開平4-330016,特開平4-334310)、報文(太
田静行・日下兵爾:油化学,28, 747-759(1979) ; 原節
子他:油化学,41, 130-135(1992) )や過酸化物除去剤
に関する特許(特開昭60-18575,特開昭60-18576,特開
昭60-18577,特開平3-204803)、報文(H. G.Shertzer
and M.W.Tabor : J.Environ. Sci. Health, A20,845-8
55(1985))などが公知である。
【0005】また、油脂類からの過酸化物除去を直接の
目的としている訳ではないが、通常の油脂精製工程、特
に、脱臭工程において過酸化物の分解・除去が同時に行
われる場合がある(宮川高明:「食用油脂製造の実
際」,幸書房 (1988) )。
【0006】一方、実験的には油脂類からの過酸化物除
去のため、ケイ酸カラムクロマトグラフィー、薄層クロ
マトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー等の方法
(金田尚志・植田伸夫編:「過酸化脂質実験法」,医歯
薬出版(1983))が知られており、また、活性炭、活性白
土、酸性白土、ケイ酸等々の吸着剤によっても油脂類か
らの過酸化物除去が可能であることが経験的に知られて
いる。しかしながら、上記のいずれの方法においても上
記高度不飽和脂肪酸類から実際的かつ工業的規模で過酸
化物を除き、脱臭・脱色を行う事は困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記高度不
飽和脂肪酸類を含有する組成物から実際的かつ工業的規
模で過酸化物を除き、脱臭・脱色を行う為の新規手段を
提供し、食品、医薬品、飼料、化粧品等の分野への用途
拡大を可能とすることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、高度不飽和脂
肪酸、その低級アルコールエステル及びそのグリセリド
から選択される少なくとも1種を含有する高度不飽和脂
肪酸類含有組成物に対して、従来の脱臭・脱色工程で一
般によく用いられる真空水蒸気蒸留法を改良して用いる
ことにより、上記組成物から過酸化物を効率よく除去
し、かつ脱臭・脱色する方法を見いだし、本発明を完成
させるに至った。
【0009】かくして本願『請求項1』にかかる発明に
よれば、『高度不飽和脂肪酸、その低級アルコールエス
テル及びそのグリセリドから選択される少なくとも1種
を含有する高度不飽和脂肪酸類含有組成物を、120〜180
℃の条件下で真空水蒸気蒸留に付した後、該水蒸気蒸留
残留分の温度が80℃以下に低下する以前に、上記真空水
蒸気蒸留前の組成物に対し 1〜30重量%の活性炭又は酸
性白土又は活性白土又はケイ酸等を単独で又は任意の割
合で配合したものを加えて混合し、次いで濾過等により
分離することにより、過酸化物価(POV)10以下の脱臭
・脱色された高度不飽和脂肪酸類含有組成物を得ること
を特徴とする高度不飽和脂肪酸類含有組成物の過酸化物
除去方法』が提供される。
【0010】本発明において、過酸化物の除去を対象と
する高度不飽和脂肪酸類含有組成物は、高度不飽和脂肪
酸、その低級アルコールエステル及びそのグリセリドか
ら選択される少なくとも1種を含有する組成物をいい、
天然物及び合成物のいずれをも含むものである。
【0011】上記高度不飽和脂肪酸は、天然物及び合成
物のいずれもを対象とし、さらに本願『請求項2』に示
すように、『炭素数18個以上でかつ不飽和結合数3個以
上の脂肪酸』が好ましく、例えば、α-リノレン酸、γ-
リノレン酸、オクタデカテトラエン酸、ジホモ-γ-リノ
レン酸、アラキドン酸、EPA 、ドコサペンタエン
酸、DHA等が挙げられるが、これらに限定されない。
また、上記高度不飽和脂肪酸の低級アルコールエステル
としては、そのメチルエステル、エチルエステル等が好
ましい。
【0012】上記高度不飽和脂肪酸類を含有する組成物
は、天然油脂原料としては、例えば、水産油脂類(魚
油、藻類脂質他)、微生物油脂類、高等植物油脂などが
挙げられる。なお、これらの天然油脂原料からの脂肪酸
の調製、その誘導体の合成等は定法(稲葉恵一・平野二
郎編:「新版脂肪酸化学」,幸書房,(1981))により容
易に達成される。
【0013】本発明の方法において、上記高度不飽和脂
肪酸類含有組成物は、真空水蒸気蒸留に付される。真空
水蒸気蒸留は、従来、植物油脂類の脱酸・脱臭・不純物
除去等のためにバッチ式又は半連続式又は連続式で用い
られている。一般にバッチ式の場合、195〜200 ℃( 6
〜10mmHg)、半連続式及び連続式の場合、230〜260℃
( 3〜 6mmHg)の条件下で処理される(宮川高明:「食
用油脂製造の実際」,幸書房 (1988))。しかしなが
ら、かかる条件下では高度不飽和脂肪酸類は酸化・分解
される危険性が高く、実際 210℃以上では共役ジエン体
を形成したり、シス−トランス異性化によるトランス体
を形成したり、重合反応を促進するものと推察される。
【0014】そこで本発明においては、真空水蒸気蒸留
の条件として、120〜180℃、50mmHg以下望ましくは10mm
Hg以下が選択される。上記温度が 120℃付近の場合、過
酸化物分解の為の処理時間が長くなるが、酸化、分解、
熱重合、異性化等の劣化の不安がより少ない。また上記
温度が 180℃付近の場合、過酸化物分解の為の処理時間
が短くなるが、劣化の不安がより大きい。具体的な処理
時間と処理温度の関係は装置の方式、処理量、原料の種
類等の違いにより異なるため、都度、目的に応じた条件
を設定する事が出来る。但し、本願の処理対象組成物の
高度不飽和脂肪酸を処理する場合のみは、該真空水蒸気
蒸留処理の際に、目的物が真空ライン側へ失われる危険
性を避けるため、上記条件の範囲内では出来るだけ低温
下、50mmHgに近い真空条件下で処理する事が望ましい。
【0015】本発明の方法において、上記真空水蒸気蒸
留終了後の残留分には、活性炭、活性白土、酸性白土、
ケイ酸から選択される少なくとも1種以上(以下、処理
剤という)が添加・混合される。この添加・混合によ
り、残留分の温度が低下する過程で再び過酸化物が発生
し、品質の低下を招くことが防止できる。上記処理剤が
添加・混合される際の残留分の温度は、80℃以上とさ
れ、 100℃以上が望ましい。また、上記添加・混合され
る処理剤の量は、蒸留前の高度不飽和脂肪酸含有組成物
に対し 1〜30重量%とされる。また処理剤との混合時
間、混合温度に関しては、特には限定されないが、少な
くとも30分間以上、室温〜 100℃の範囲、望ましくは、
60分間、平均40〜50℃の範囲が実際的である。但し、混
合直後の品温は80℃以上なので、ここに示した温度範囲
は平均的な目安である。なお、本処理工程を窒素ガス、
ヘリウムガス等の不活性ガス環境下で行う事により、更
に高品質の製品が得られる事は言うまでもないが、本発
明の必須要件ではない。混合工程以後の操作温度は組成
物の品質保持の見地からみて、低温の方が望ましい。な
おさらに、上記処理剤に対して、公知の脱水剤、吸着剤
等を必要に応じて適量併用することもできる。
【0016】本発明の方法において、活性炭、活性白
土、酸性白土、ケイ酸から選択される少なくとも1種以
上が添加された混合物は、濾過等に付され、高度不飽和
脂肪酸類含有組成物が処理剤から分離される。以上のよ
うにして、POVが10以下でかつ異臭・着色の低減さ
れたの高度不飽和脂肪酸類含有組成物が得られることと
なる。
【0017】
【実施例】以下、本発明を図示実施例に従って詳述する
が、これによって本発明が限定されるものではない。な
お、本実施例においては真空水蒸気蒸留の際の水蒸気吹
き込み量は水換算の容量(ml)として示してある。 実施例1 高度不飽和脂肪酸類含有組成物として、EPA、DHA
を含むイワシ油をフィッシュミール工場から入手し、定
法に従い、脱ガム、脱酸処理(宮川高明:「食用油脂製
造の実際」,幸書房 (1988) )、低温溶媒分別結晶法に
よる濃縮処理(露木英男:‘EPA の抽出技術',「総合脂
質科学」, 鹿山光編, PP.64-73(1989),恒星社厚生閣)
を行い、下記性状の濃縮イワシ油を得た。なお、この濃
縮イワシ油はTLC/FID法的に、90%以上がトリグ
リセリドから構成されていた。
【0018】 上記濃縮イワシ油をバッチ法にて真空水蒸気蒸留処理し
た。すなわち、試料 200gを1リットル容丸底フラスコ
に入れ、窒素ガス気流下、 150℃にて30分間水蒸気蒸留
に付した。この間の吹き込み水蒸気量は 75ml、真空度
は10mmHgであった。真空水蒸気蒸留処理終了後直ちに、
窒素ガス気流下、活性炭(商品名: カルボラフィン、武
田薬品工業株式会社製)15gを加え、常温で1時間攪拌
した後、活性炭を吸引濾過(No.5C,東洋濾紙使用)によ
り除き、精製イワシ油(製品) 154gを得た。活性炭を
加えた直後の品温は 142℃、活性炭の攪拌混合終了時の
品温は51℃であった。得られた製品の品質は下記の通り
であった。
【0019】 上記製品の品質は、機能性食品素材としての条件を充分
に満たすものであった。
【0020】実施例2 高度不飽和脂肪酸類含有組成物として市販のアマニ油を
用い、定法(稲葉恵一・平野二郎編:「新版脂肪酸化
学」,幸書房,(1981))に従い下記性状のアマニ油脂肪
酸を調製した。この試料はTLC/FID的に90%以上
が遊離脂肪酸から構成されていた。
【0021】 上記アマニ油をバッチ法にて真空水蒸気蒸留処理した。
すなわち、試料 200gを1リットル容丸底フラスコに入
れ、窒素ガス気流下、 130 ℃にて 120分間水蒸気蒸留
処理した。この間の吹き込み水蒸気量は 100ml、真空度
は40mmHgであった。真空水蒸気蒸留処理終了後直ちに、
窒素ガス気流下、ケイ酸(商品名:Kieselgel 60 reins
t, 70-230 mesh, Merk社)20gを加え、常温で2時間攪
拌した後、ケイ酸を吸引濾過(No.5C,東洋濾紙使用)に
より除き、精製アマニ油脂肪酸(製品) 117gを得た。
ケイ酸を加えた直後の品温は 124℃、ケイ酸の攪拌混合
終了時の品温は45℃であった。得られた製品の品質は下
記の通りであった。
【0022】 上記製品の品質は本発明の方法による高度不飽和脂肪酸
からの過酸化物除去の効果を証明するに足るものであっ
た。
【0023】実施例3 高度不飽和脂肪酸類含有組成物として、EPA、DHA
を含むイワシ油をフィッシュミール工場から入手し、定
法(稲葉恵一・平野二郎編:「新版脂肪酸化学」,幸書
房,(1981))従い、これら脂肪酸のエチルエステルを
調整した。続いて、EPA,DHA等の高度不飽和脂肪
酸のエチルエステルを濃縮するため、尿素付加法(佃信
夫:食品工業,9下,30−35(1985) )により更に精製
し、下記性状の脂肪酸エチルエステルを得た。このエチ
ルエステルはTLC/FID的に純度90%以上であっ
た。
【0024】 上記エチルエステル化処理されたイワシ油をバッチ法に
て真空水蒸気蒸留処理した。すなわち、試料 200gを1
リットル容丸底フラスコに入れ、窒素ガス気流下、 165
℃にて20分間水蒸気蒸留処理した。この間の吹き込み水
蒸気量は50ml、真空度は 5mmHgであった。真空水蒸気蒸
留処理終了後直ちに、窒素ガス気流下、酸性白土(商品
名:半井化学薬品株式会社製)40gを加え、常温で1時
間攪拌した後、酸性白土を吸引濾過(No.5C,東洋濾紙
使用)により除き、製品 133gを得た。酸性白土を加え
た直後の品温は 154℃、酸性白土の攪拌混合終了時の品
温58℃であった。得られた製品の品質は下記の通りであ
った。
【0025】 上記製品の品質は本発明の方法による高度不飽和脂肪酸
エチルエステルからの過酸化物除去の効果を証明するに
足るものであった。
【0026】実施例4 高度不飽和脂肪酸類含有組成物として、EPA、DHA
を含むカツオ油をカツオ節製造工場から入手し、定法に
従い、脱ガム、脱酸処理(宮川高明:「食用油脂製造の
実際」,幸書房 (1988) )、低温溶媒分別結晶法による
濃縮処理(露木英男:■EPAの抽出技術',「総合脂
質科学」, 鹿山光編,PP.64−73(1989),恒星社厚
生閣)を行い、下記性状の濃縮カツオ油を得た。
【0027】 上記濃縮カツオ油をバッチ法にて真空水蒸気蒸留処理し
た。すなわち、試料200gを1リットル容丸底フラスコ
に入れ、窒素ガス気流下、 150℃にて30分間水蒸気蒸留
処理した。この間の吹き込み水蒸気量は75ml、真空度は
10mmHgであった。真空水蒸気蒸留処理終了後直ちに、窒
素ガス気流下、無水硫酸ナトリウム10g及び活性白土
(商品名:半井化学薬品株式会社製)40gを加え、常温
で1時間攪拌した後、無水硫酸ナトリウム及び活性白土
を吸引濾過(No.5C,東洋濾紙使用)により除き、精製
カツオ油(製品) 121gを得た。無水硫酸ナトリウム及
び活性白どを加えた直後の品温は 133℃、無水硫酸ナト
リウム及び活性白土の攪拌混合終了時の品温57℃であっ
た。得られた製品の品質は下記の通りであった。
【0028】 上記製品の品質は、機能性食品素材としての条件を充分
に満たすものであった。
【0029】実施例5 高度不飽和脂肪酸類含有組成物として、実施例4で用い
たものと同一の性状の濃縮カツオ油を用い、真空水蒸気
蒸留処理した。本実施例では、窒素ガスの吹き込みを行
わないでそのまま処理した。他の真空水蒸気蒸留処理条
件は全て実施例4と同一とした。真空水蒸気蒸留処理終
了後直ちに、窒素ガスの吹き込みを行わないで、無水硫
酸ナトリウム10g及び活性白土(商品名:半井化学薬品
株式会社製)40gを加え、常温で1時間撹拌した後、無
水硫酸ナトリウム及び活性白土を吸引濾過(No.5C,東
洋濾紙使用)により除き、精製カツオ油(製品)122g
を得た。無水硫酸ナトリウム及び活性白土を加えた直後
の品温は 132℃、無水硫酸ナトリウム及び活性白土の撹
拌終了時の品温は57℃であった。得られた製品の品質は
下記の通りであった。
【0030】 上記製品の品質は、実施例4で得られた製品と比較する
と、POV、官能評価(異臭)の点でやや劣るが、機能
性食品素材としての条件を充分に満たすものであり、本
発明の効果を証明するに足るものであった。
【0031】比較例1 実施例1〜4までに用いた試料と同一の試料を用いた場
合の比較例について述べる。すなわち、それぞれの試料
別に、実施例に示した方法と同一の条件で真空水蒸気蒸
留処理を行い、続いて、いずれの真空水蒸気蒸留処理済
の試料共、3時間以内に常温(25℃)にまで冷却した。
しかる後に、各試料共、それぞれの実施例に示した方法
と同一の条件で活性炭、ケイ酸、酸性白土、活性白土
(無水硫酸ナトリウム)等により処理したところ、下記
表1に示す通りの製品が得られた。
【0032】 すなわち、比較例1〜4はすべて過酸化物価は10以上
となり、異臭(魚臭・刺激臭)も強く、食品、医薬品、
飼料、化粧品等の分野に用いる為の品質的条件を満たし
ていなかった。このことは、上記比較例の場合、本発明
の基本的要件の一つである「120〜180℃条件下で真空水
蒸気蒸留に付した後、該水蒸気蒸留済油の温度が80℃以
下になるより先に、製品に対し 1〜30重量%の活性炭又
は酸性白土又は活性白土又はケイ酸等を単独で、又は任
意の割合で配合したものを加えて混合する」ことに反
し、常温(25℃)まで冷却させた後に活性炭又は酸性白
土又は活性白土又はケイ酸等を混合したことにある、と
推定される。従って、本発明の有効性はこれらの比較例
からも証明されるものである。
【0033】以上説明しかつ実証した通り、本発明はP
OVが低く、異臭少なく、色調の改良された高度不飽和
脂肪酸類含有組成物の提供を通じて、食品、医薬品、飼
料、化粧品等の分野に利用範囲を拡大し、最終的に、健
康の維持、向上に寄与するものである。
【0034】
【発明の効果】本発明は、高度不飽和脂肪酸、その低級
アルコールエステル及びそのグリセリドから選択される
少なくとも1種を含有する高度不飽和脂肪酸類含有組成
物を、POVが10以下でかつ異臭、着色の低減された
品質に改良することができる。これにより、上記高度不
飽和脂肪酸類含有組成物について食品、医薬品、飼料、
化粧品等の分野に用いる場合の品質条件を満足させるこ
とができ、これらの分野への用途拡大を可能とする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C11C 1/08 2115−4H 1/10 2115−4H

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高度不飽和脂肪酸、その低級アルコ
    ールエステル及びそのグリセリドから選択される少なく
    とも1種を含有する高度不飽和脂肪酸類含有組成物を、
    120〜180℃の条件下で真空水蒸気蒸留に付した後、該水
    蒸気蒸留残留分の温度が80℃以下に低下する以前に、上
    記真空水蒸気蒸留前の組成物に対し 1〜30重量%の活性
    炭又は酸性白土又は活性白土又はケイ酸等を単独で又は
    任意の割合で配合したものを加えて混合し、次いで濾過
    等により分離することにより、過酸化物価(POV)1
    0以下の脱臭・脱色された高度不飽和脂肪酸類含有組成
    物を得ることを特徴とする高度不飽和脂肪酸類含有組成
    物の過酸化物除去方法。
  2. 【請求項2】 高度不飽和脂肪酸類含有組成物が、
    炭素数18個以上でかつ不飽和結合数3個以上の高度不飽
    和脂肪酸、その低級アルコールエステル及びそのグリセ
    リドから選択される少なくとも1種を10重量%以上含有
    していることを特徴とする請求項1記載の高度不飽和脂
    肪酸類含有組成物の過酸化物除去方法。
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