JPH0720301A - 反射防止膜 - Google Patents

反射防止膜

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JPH0720301A
JPH0720301A JP5163401A JP16340193A JPH0720301A JP H0720301 A JPH0720301 A JP H0720301A JP 5163401 A JP5163401 A JP 5163401A JP 16340193 A JP16340193 A JP 16340193A JP H0720301 A JPH0720301 A JP H0720301A
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JP
Japan
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thin film
substrate
film
reflection
metal
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Pending
Application number
JP5163401A
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English (en)
Inventor
Toshiaki Ogura
敏明 小倉
Kenji Maruyama
賢治 丸山
Tomokazu Tokunaga
知一 徳永
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属基板、合成樹脂基板、ガラス基板の反射
を極めて小さくする反射防止膜を提供することを目的と
する。 【構成】 金属基板(合成樹脂基板、ガラス基板でもよ
い)11の表面に、誘電体薄膜12、14、16と金属
薄膜13、15の交互多層膜からなる反射防止膜を形成
する。誘電体薄膜には例えばフッ化マグネシウムが使用
でき、金属薄膜には例えばニッケルが使用できる。誘電
体薄膜および金属薄膜は真空蒸着によって形成すること
ができる。 【効果】 上記の構成により、反射率を従来に比べて著
しく低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は低反射化に関するもので
あり、特に光学系に使用される金属基板、合成樹脂基
板、ガラス基板の低反射化に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、光学系に使用される金属など、光
の反射率の高い材料には反射率を小さくするために低反
射処理が行われている。具体的な処理としては、金属体
の表面に黒色塗料を塗布したり、黒色の酸化物薄膜など
を真空蒸着法等によって形成したりするものである。ま
た、レンズ鏡筒等には、鏡筒内における内部反射による
迷光を低減ために、黒色に着色された合成樹脂をその材
料によく使用する。
【0003】また、光学レンズ等に使用されるガラスに
も、誘電体の単層あるいは多層の反射防止膜を形成する
ことが多い。誘電体の反射防止膜の形成は真空蒸着法に
よるのが一般的である。
【0004】以下、図面を参照しながら従来の低反射化
方法について説明する。図5は、アルミニウムの金属基
板51の表面に、低反射化のために黒色塗料の膜52を
塗布によって形成したものである。黒色塗膜52を有す
る金属基板51の反射率は約10%であった。また、塗
膜を形成していないアルミニウム基板そのものの反射率
は約90%であった。
【0005】図6は、金属基板61に黒色の薄膜として
酸化クロム膜62を0.5μm形成したものである。酸
化クロム膜62を形成した場合の反射率は、850nm
の波長の光に対して約15%であった。ニッケル基板6
1そのものの反射率は約70%であった。
【0006】また、レンズ鏡筒等の材料には着色した合
成樹脂が多く使用される。例えば、カ−ボンブラックを
含有させたポリカボネ−ト基板の反射率は約11%であ
った。
【0007】以上の反射防止の原理は、カ−ボンブラッ
クでの光の吸収を利用したものである。
【0008】図7は、屈折率1.52のガラス基板71
に誘電体の多層反射防止膜を真空蒸着法で形成したもの
である。即ち、図7において、71はガラス基板、72
は酸化アルミニウム(Al2 O3 )層、73は二酸化チ
タン(TiO2 )層、74はフッ化マグネシム(MgF
2 )層であり、それぞれの光学的膜厚は、130nm、
260nm、130nmである。また、その分光反射特
性を図4において曲線bで示す。
【0009】反射防止の原理は、基板および各薄膜間に
おける多重反射光の干渉を利用したものである。反射防
止の効果としては、図4において曲線bで示すように、
可視域全(380〜780nm)にわたっては有効では
ない。広帯域にわたって低反射化を図るには誘電体多層
膜では層数が多くなり製造上困難であり、コストも高く
なる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、金属
基板の低反射化方法には黒色塗料の塗布による黒色塗膜
形成、黒色酸化物の薄膜形成などがあるが、いずれの方
法であっても、残存反射率は大きく、充分な反射防止が
できない。
【0011】また、着色合成樹脂基板のような材料を使
用しても10%前後の残存反射率がある。さらに、例え
ば、光学ガラスに使われる誘電体の反射防止膜を金属基
板に使用しても、低反射化の効果は少ない。
【0012】また、ガラス基板の場合は通常の反射防止
膜には誘電体の単層あるいは多層の薄膜が使われるが、
広帯域の反射防止には層数が多くなり、形成が困難であ
り、コストも高くなる。
【0013】本発明は上記課題に鑑み、金属基板、合成
樹脂基板の反射を極めて小さくする方法を提供するもの
である。また、この方法はガラス基板の低反射化にも有
効な方法である。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の低反射化方法は金属基板、合成樹脂基板、
ガラス基板等の基板表面に、誘電体薄膜と金属薄膜の交
互多層膜を形成し、低反射化を図るものである。誘電体
薄膜には例えばフッ化マグネシウムが使用でき、金属薄
膜には例えばニッケルが使用できる。
【0015】また、誘電体薄膜および金属薄膜は真空蒸
着によって形成することができる。
【0016】
【作用】上記構成によれば本発明の低反射化方法は次の
作用を有する。
【0017】誘電体薄膜と金属薄膜の交互多層膜からな
る反射防止膜が形成された金属基板あるいは合成樹脂基
板あるいはガラス基板に入射した光は、基板、誘電体薄
膜、金属薄膜の各界面で反射し、それぞれの層間でex
p(−2πnd/λ)の位相変化をうけ多重反射をくり
返す。多重反射光はそれぞれ干渉し、さらに金属薄膜内
に入射した光は、振幅がexp(−2πkd/λ)で減
衰する。これら干渉と金属薄膜内の減衰により低反射化
の効果が得られる。ここで、nは屈折率、kは消衰係
数、λは光の波長である。
【0018】
【実施例】以下本発明の低反射化方法の実施例につい
て、図面を参照しながら説明する。
【0019】(実施例1)ミクロンオーダーもしくはサ
ブミクロンオーダーの位置検出を行うための光学スケー
ルにおいて使用される金属スリット板、即ち光を透過す
る微細なスリットが一定間隔で形成された金属スリット
板の表面に、誘電体薄膜と金属薄膜の交互多層膜からな
る反射防止膜を形成した。図1にその構成(断面図)を
示し、反射防止膜の具体的構成を(表1)に示す。図1
において、11は、金属スリット板のであるニッケル基
板、12、14、16はフッ化マグネシウムからなる誘
電体薄膜であり、13、15はニッケルからなる金属薄
膜である。
【0020】
【表1】
【0021】上記のような構成で、金属基板と誘電体薄
膜と金属薄膜の各界面での多重反射光の干渉と、金属薄
膜内に入射した光の減衰により、金属基板の低反射化が
図れる。(表2)に他の低反射処理による反射率(波長
850nmにおける)との比較を示す。
【0022】
【表2】
【0023】(表2)から明らかなように、本実施例に
おいては、反射率を著しく低減できていることが分か
る。
【0024】(実施例2)レンズ鏡筒に使用するカ−ボ
ンブラックを含有したポリカ−ボネ−ト製合成樹脂基板
の表面、に誘電体薄膜と金属薄膜の交互多層膜からなる
反射防止膜を形成した。図2にその構成(断面図)を示
し、反射防止膜の具体的構成を(表3)に示す。図2に
おいて、21はカ−ボンブラックを含有したポリカ−ボ
ネ−ト基板、22、24、26はフッ化マグネシウムか
らなる誘電体薄膜であり、23、25はニッケルからな
る金属薄膜である。
【0025】
【表3】
【0026】また、(表4)に未処理(カ−ボンブラッ
クを含有したポリカ−ボネ−ト基板)とそれに本発明の
低反射化方法を施したものとの比較を示す。
【0027】
【表4】
【0028】(表4)から明らかなように、本実施例に
おいても合成樹脂基板の反射率を著しく低減できている
ことが分かる。
【0029】(実施例3)次に本発明の実施例3につい
て説明する。
【0030】光学系に使用される光学ガラス基板表面
に、誘電体薄膜と金属薄膜の交互多層膜からなる反射防
止膜を形成した。図3にその構成(断面図)を示し、反
射防止膜の具体的構成を(表5)に示す。図3におい
て、31は光学ガラス基板、32、34はニッケルから
なる金属薄膜であり、33、35はフッ化マグネシウム
からなる誘電体薄膜である。
【0031】
【表5】
【0032】図4に、本実施例の光学ガラスの分光反射
特性を、曲線aで示す。曲線bは前述の通り、従来の反
射膜を形成した場合の特性曲線である。図4から明らか
なように、本実施例においては、光学ガラス基板の反射
を極めて小さく、また可視域全域(380〜780n
m)の広い帯域にわたって低反射化が実現できる。
【0033】なお、上記実施例では誘電体薄膜はフッ化
マグネシウムを使用し、金属薄膜にはニッケルを使用し
たが特に、誘電体薄膜はフッ化マグネシウムに限定され
るものではなく、二酸化珪素、二酸化チタン、五酸化タ
ンタルなど消衰係数が極めて小さい光学定数を有する誘
電体が使用でき、また、金属薄膜もニッケルに限定され
るものではなく、クロム、アルミニウム、金、銀なども
使用でき、所望の特性により、構成材料を選択し、層
数、膜厚等を含めて設計することができる。
【0034】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、金属基
板、合成樹脂基板、ガラス基板の表面に誘電体薄膜と金
属薄膜の交互多層膜からなる反射防止膜を形成して低反
射化を図り、基板と薄膜間および各薄膜間の多重反射光
の干渉と光の金属薄膜中での減衰という2つの作用を利
用しているので、金属基板のような材料に対しても充分
な低反射の効果を得ることができる。また、有効波長領
域の極めて広い低反射特性を少ない層数で実現すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の構成を示す断面図
【図2】本発明の第2の実施例の構成を示す断面図
【図3】本発明の第3の実施例の構成を示す断面図
【図4】本発明の第3の実施例の分光反射特性図
【図5】従来の低反射化方法を施した基板の構成を示す
断面図
【図6】従来の低反射化方法を施した基板の構成を示す
断面図
【図7】従来の低反射化方法を施した基板の構成を示す
断面図
【符号の説明】
11、21、31 基板 12、14、16、22、24、26、33、35 誘
電体薄膜 13、15、23、25、32、34 金属薄膜

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板の表面に、誘電体薄膜と金属薄膜を交
    互に多層形成して構成したことを特徴とする反射防止
    膜。
  2. 【請求項2】基板が金属であることを特徴とする請求項
    1記載の反射防止膜。
  3. 【請求項3】基板が合成樹脂であることを特徴とする反
    射防止膜。
  4. 【請求項4】基板がガラスであることを特徴とする反射
    防止膜。
  5. 【請求項5】誘電体薄膜はフッ化マグネシウムからなる
    請求項1ないし4の何れかに記載の反射防止膜。
  6. 【請求項6】金属薄膜はニッケルからなる請求項1ない
    し4の何れかに記載の反射防止膜。
  7. 【請求項7】誘電体薄膜と金属薄膜の交互多層膜は4層
    以上の多層膜である請求項1ないし4の何れかに記載の
    反射防止膜。
JP5163401A 1993-07-01 1993-07-01 反射防止膜 Pending JPH0720301A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011096770A (ja) * 2009-10-28 2011-05-12 Kyoto Univ 反射防止膜及び熱光起電力発電用エミッタ
WO2017078163A1 (ja) * 2015-11-05 2017-05-11 新日鐵住金株式会社 熱光変換部材

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