JPH07201712A - 照度分布調整装置 - Google Patents

照度分布調整装置

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Publication number
JPH07201712A
JPH07201712A JP5350629A JP35062993A JPH07201712A JP H07201712 A JPH07201712 A JP H07201712A JP 5350629 A JP5350629 A JP 5350629A JP 35062993 A JP35062993 A JP 35062993A JP H07201712 A JPH07201712 A JP H07201712A
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JP
Japan
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illuminance distribution
light source
exposure
illuminance
mask
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Application number
JP5350629A
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English (en)
Inventor
Kenji Endo
健次 遠藤
Tsutomu Kamiyama
勉 上山
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 誰でも簡単に照度分布の調整を行える照度分
布調整装置を提供する。 【構成】 初期処理部101による初期処理、ピーキン
グ処理部102によるピーキング処理の後、判定部10
3は、露光領域内の所定の測定位置において照度分布を
測定し、測定した照度分布と基準の照度分布の許容範囲
とのズレ量を測定位置ごとに算出し、全測定位置の照度
が、基準の照度分布の許容範囲内に収まっていれば、終
了処理部107の終了処理の後、処理を終了し、そうで
なければ、移動量算出部105により光源61の移動方
向・移動量が算出され、光源移動部106はその移動方
向・移動量で光源61を移動させた後、判定部103の
処理に戻る。光源の移動方向・移動量は、光源の微小移
動前後の照度分布の各重心位置と、光源61の微小移動
量と、基準位置とに基づき算出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、交換可能な光源を含む
照明光学系から出射された照明光で露光し、液晶表示器
用ガラス基板や半導体基板等(以下、これらを「基板」
という)に塗布された感光材料に、マスクのパターンを
焼き付ける露光処理(フォト・リソグラフィ工程)で用
いられる露光装置に係り、特に、照明光学系から露光領
域に照射されるべき照明光の照度分布を、基準の照度分
布に調整する照度分布調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の露光装置の一つである近
接露光装置による露光処理は以下のように行われてい
る。すなわち、基板は、所定位置に保持されたマスクと
位置合わせがなされ、マスクと所定のギャップを隔てて
近接される。その状態で照明光学系からの照明光がマス
クを経て基板に照射されることにより、マスクに描画さ
れたパターンが基板に塗布された感光材料に焼き付けら
れる。
【0003】照明光学系は、フライアイレンズやフレネ
ルレンズ等を含む光学系と、光源等で構成されている。
光源から出射された光は、光源の周りを覆う楕円鏡で集
光され、フライアイレンズに入射する。フライアイレン
ズに入射した光は、フライアイレンズを構成する複数個
のエレメントレンズによって分割され、フレネルレンズ
に入射する。各エレメントレンズから出射された光は、
フレネルレンズ上で再合成され、フレネルレンズから
は、所定の照度分布の光が出射される。また、フライア
イレンズはフレネルレンズの焦点位置に配置されるの
で、フレネルレンズからは平行光が出射され、照明光学
系からは所定の照度分布の平行光(照明光)が露光領域
に向けて照射される。また、この照明光学系から露光領
域に向けて照射される照明光の照度分布は、装置ごとに
基準の照度分布に調整されているので、露光処理時にお
ける露光領域への光量分布が所望の光量分布になり、基
板へのパターンの焼き付け精度の均一化が図られてい
る。なお、照明光学系から露光領域に向けて照射される
照明光の照度分布は、フライアイレンズの各エレメント
レンズに入射する光の照度分布に左右される。
【0004】ところで、照明光学系の光源は寿命がくる
と交換される。この交換は、作業員が光源の電極接続を
外した後、新しい光源と取り替えることにより行われ
る。光源としては一般に超高圧水銀灯が用いられている
が、この超高圧水銀灯自体の発光部分は基本的に放電で
あるので、光源自体のでき具合、すなわち、固体差によ
って光源内の発光位置が異なる。従って、取り替え前の
光源の取り付け位置に、新たな光源を取り付けても、新
たな光源からの光がフライアイレンズの各エレメントレ
ンズに入射する照度分布は、必ずしも、交換前の光源か
らの光がフライアイレンズの各エレメントレンズに入射
する照度分布と一致するとは限らず、露光処理時におい
て、交換後の光源から露光領域に照射される照明光の照
度分布は、交換前の光源から露光領域に照射される照明
光の照度分布と同じであるとは限らない。
【0005】そのため、光源の取り付け部は、その位置
をフライアイレンズに対してX、Y、Zの3次元方向に
移動できるように構成されている。そして、光源の取り
付け部を移動させながら、照明光学系から露光領域に所
定の照度分布で照明光が照射されるように調整する必要
がある。この調整作業は、従来、専門の技術者によって
行われている。すなわち、露光処理時に、照明光学系か
ら出射され、露光領域に照射される照明光の照度分布
を、基準の照度分布に調整するために、技術者は、照度
計を用いて照明光学系から露光領域に照射される照明光
の照度分布を複数個の測定位置で測定して、測定した照
度分布が基準の照度分布の許容範囲に収まるまで、光源
の取り付け部を3次元方向に移動する作業を繰り返し行
っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成を有する従来例の場合には、次のような問題が
ある。すなわち、従来の光源の交換作業は、光源の交換
を行った後、人手によって、照度分布の調整作業を行っ
ているが、この調整作業は難しいので、誰でも行えるも
のではなく、そのための熟練した専門技術者を必要とし
ていた。
【0007】また、この専門技術者は、照度分布の調整
作業において、各測定位置の照度の測定と光源の移動を
繰り返すという煩わしい作業を行わなければならず、専
門技術者の負担は多大なものであるし、その調整作業に
長時間を要することもあり、光源交換時における装置の
ダウンタイムが大きくなっているという問題もある。
【0008】しかも、超高圧水銀灯の寿命は、約100
0時間と短いので、上記のような光源の取替え作業は頻
繁に行う必要があり、そのたびに煩雑な照度分布の調整
作業を行わなければならないので、専門技術者の負担は
多大なものであり、また、光源交換時の装置のダウンタ
イムが頻繁に起きることから、生産性の低下をもたらし
ている。
【0009】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、誰でも簡単に照度分布の調整を行える
照度分布調整装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために、次のような構成をとる。すなわ
ち、本発明は、交換可能な光源を含む照明光学系から出
射される照明光によって、マスクに形成されたパターン
を基板に塗布された感光材料に露光する露光装置に備え
られ、前記照明光学系から出射され、前記基板の露光領
域に照射されるべき照明光の照度分布を調整する照度分
布調整装置であって、前記照明光学系から出射され、前
記露光領域に照射される照明光の照度分布を測定する照
度分布測定手段と、前記照度分布測定手段で測定した照
度分布と、基準の照度分布とに基づき、前記光源の位置
の移動が必要か否かを判定する判定手段と、前記判定手
段で光源の位置の移動が必要であると判定された場合、
必要な光源の移動方向と移動量とを算出する移動量算出
手段と、前記移動量算出手段で算出された移動方向・移
動量で、前記光源の位置を移動させる光源移動手段と、
を備えたものである。
【0011】
【作用】本発明の作用は次のとおりである。判定手段
は、照度分布測定手段で測定した照度分布と、基準の照
度分布とに基づき、光源の位置の移動が必要か否かを判
定する。判定手段で光源の位置の移動が必要であると判
定された場合、移動量算出手段は、必要な光源の移動方
向と移動量とを算出する。そして、光源移動手段は、移
動量算出手段で算出された移動方向・移動量で、光源の
位置を移動させる。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の一実施例を説
明する。図1は、本発明の一実施例に係る照度分布調整
装置を備えた近接露光装置の全体構成を示す正面図、図
2は、その平面図である。ただし、図1では、搬送機構
の図示を省略しており、図2では、照明光学系の図示を
省略している。なお、本実施例では、液晶表示器用ガラ
ス基板(以下、単に「基板」という)を露光するための
近接露光装置に備えられた照度分布調整装置を例に採り
説明する。
【0013】この近接露光装置は、大きく分けて、感光
材料が塗布された基板1を基板カセット31から取り出
す基板ローダ部3と、所定位置に保持されたマスク2に
描画されたパターンを基板1の感光材料に焼き付ける露
光部4と、露光済の基板1を露光済基板カセット51に
収納する基板アンローダ部5と、照明光学系6と、基板
ローダ部3から露光部4に基板1を搬入するとともに、
露光部4から基板アンローダ部5に露光済基板1を搬出
する搬送機構7等によって構成されている。各部の構成
を、主に露光処理中の動作に従って以下に説明する。
【0014】まず、基板ローダ部3の構成を説明する。
基板ローダ部3には、基板カセット31から基板1を取
り出し、搬送機構7に渡すローダロボット32が備えら
れている。ローダロボット32の構成を、図3を参照し
て説明する。図3に示すように、ローダロボット32
は、伸縮自在で、かつ、回動自在の支持軸33がロボッ
ト本体34に設けられ、その支持軸33にアーム支持台
35が取り付けられており、このアーム支持台35の長
手方向に沿って移動自在の移動部材36を介してアーム
37がアーム支持台35に取り付けられて構成されてい
る。すなわち、図3(a)に示すように、支持軸33を
伸縮させることにより、アーム37はZ方向に昇降可能
であり、図3(a)、(b)に示すように、移動部材3
6をアーム支持台35の長手方向に沿って移動させるこ
とにより、アーム37は伸縮可能である。また、図3
(b)に示すように、支持軸33を回動させることによ
り、アーム37の伸長方向を任意に選択することも可能
である。このアーム37の先端部と基端部には、基板1
を吸着保持するための吸着パッド部38a、38bが設
けられている。なお、吸着パッド部38a、38bの孔
38cは、図示しない真空ポンプに連通接続されてお
り、この孔38cによって吸着パッド部38a、38b
に当接した基板1を真空吸着するように構成されてい
る。また、アーム37の先端部の吸着パッド部38aに
は、後述する照度分布調整処理時に使用される照度セン
サ39も取り付けられている。
【0015】基板カセット31には、感光材料が塗布さ
れた複数枚の基板1が所定間隔を隔てて収納されてい
る。ローダロボット31は、露光処理中、アーム37を
基板カセット31方向に伸長可能な状態にして、支持軸
33を伸長させてアーム37をZ方向に上昇させ、さら
に、アーム37を伸長させて、基板カセット31の最下
段に収納された基板1の下方にアーム37を挿入させ、
さらに、アーム37を上昇させて、基板カセット31の
棚に両端部が載置された基板1を吸着パッド部38a、
38bで受け取って吸着保持する。そして、アーム37
を収縮させて基板1を基板カセット31から取り出し、
アーム37をZ方向に降下させ、基板1の吸着保持を解
除して、待機している搬送機構7に、取り出した基板1
を渡すように構成されている。この露光処理中のローダ
ロボット31の動作は、後述する露光処理制御部により
制御されるように構成されている。なお、基板1を受け
取った搬送機構7は、その基板1を露光部4に搬入す
る。
【0016】また、ローダロボット31は、照度分布調
整処理中、支持軸33を回動させてアーム37を露光部
4方向に伸縮可能な状態にして、アーム37の伸長と回
転とを行うことにより、図4に示すように、露光部4の
マスクホルダ21と露光ステージ41の間の空間におい
て基板1を露光する露光領域RA内で照度を測定する測
定位置SPに照度センサ39を移動させ、各測定位置S
Pの照度を測定するように動作する。この照度分布調整
処理中のローダロボット31、照度センサ39の動作
は、後述する照度分布調整処理制御部により制御される
ように構成されている。
【0017】図1、図2に戻って、露光部4の構成を説
明する。露光部4には、マスク2が所定位置に位置付け
られてマスクホルダ2に吸着保持され、マスク2の上方
に照明光学系6が配置され、マスク2の下方に露光ステ
ージ41が備えられている。この露光ステージ41は、
Z方向駆動機43によりZ方向に昇降自在に構成されて
いるとともに、X−Y平面において水平移動(X方向の
移動と、Y方向の移動と、回動)が可能に構成されてい
る。また、露光ステージ41には、複数個(図では4
個)の伸縮自在の支持ピン42が付設されている。各支
持ピン42が伸長されると露光ステージ41の上面から
突出された状態になり、各支持ピン42が収縮されると
露光ステージ41の上面より引っ込んだ状態になる。こ
の支持ピン42の伸縮動作は、後述するマスク交換処理
と照度分布調整処理で行われ、露光処理中は、後述する
ように、露光ステージ41の上面で基板1を吸着保持す
る動作の邪魔にならないように、各支持ピン42は常に
収縮された状態(露光ステージ41の上面より引っ込ん
だ状態)にされている。
【0018】この露光部4では、露光処理中、搬送機構
7によって露光ステージ41とマスク2との間に基板1
が搬入されると、露光ステージ41をZ方向に上昇さ
せ、搬送機構7から基板1を受け取らせ、基板1を露光
ステージ41の上面に吸着保持させる。そして、図示し
ない位置ズレ検出機構で基板1とマスク2との位置ズレ
を検出して、検出した位置ズレを補正するように露光ス
テージ41を水平移動させてプリアライメントを行う。
その後、露光ステージ41をさらに上昇させ、基板1を
マスク2から所定のギャップを隔てた状態に配置し、そ
の状態で図示しない顕微光学系を用い、露光ステージ4
1を水平方向に移動させてファインアライメントを行
う。そして、照明光学系6から出射される平行光でマス
ク2のパターンを基板1の感光材料に焼き付ける。露光
が終了すると、露光ステージ41をZ方向に降下させ、
露光済基板1の吸着を解除させて、既に待機している搬
送機構7に露光済基板1を渡し、露光ステージ41をさ
らに待機位置まで降下させ、次の基板1が搬入されるま
で待機させる。この露光処理中の露光部4の露光ステー
ジ41や位置ズレ検出機構、顕微光学系等の動作は、後
述する露光処理制御部により制御されるように構成され
ている。なお、露光済基板1を受け取った搬送機構7
は、その露光済基板1を基板アンローダ部5に搬出す
る。
【0019】次に、基板アンローダ部5の構成を説明す
る。基板アンローダ部5には、アンローダロボット52
が備えられている。このアンローダロボット52は、上
述した基板ローダ部3に備えられたローダロボット32
と基本的に同様の構成のものであるが、アンローダロボ
ット52には照度センサ39は取り付けられておらず、
マスク用吸着パッド部58d、58eがアーム57に設
けられている。このマスク用吸着パッド部58d、58
eは、後述するマスク交換処理等において、マスク2を
吸着保持するためのものであり、マスク2が(露光済)
基板1に比べてサイズが大きいことから、マスク用吸着
パッド部58d、58eは、露光済基板1の吸着用の吸
着パッド部58a、58bよりも外側に設けられてい
る。また、マスク用吸着パッド部58d、58eでマス
ク2を吸着する際、マスク用吸着パッド部58d、58
eに吸着保持されたマスク2が露光済基板1の吸着用の
吸着パッド部58a、58bの吸着面に擦れないよう
に、マスク用吸着パッド部58d、58eの吸着面は、
露光済基板1の吸着用の吸着パッド部58a、58bの
吸着面よりも高くなるように構成されている。なお、図
1、図2中の符号53は支持軸、34はロボット本体、
35はアーム支持台、36は移動部材、38cは吸着孔
をそれぞれ示す。
【0020】このアンローダロボット52は、露光処理
中、アンローダロボット52のアーム57を処理済基板
カセット51方向に伸長可能な状態にして、搬送機構7
が露光済基板1をアーム57の上方に搬出してくると、
アーム57をZ方向に上昇させて露光済基板1を搬送機
構7から受け取り、アーム57の吸着パッド部58a、
58bで吸着保持しさらに上昇させる。そして、アーム
57を伸長させて、露光済基板カセット51内に露光済
基板1を挿入して、露光済基板1の吸着保持を解除し
て、アーム57をZ方向に降下させ露光済基板1を露光
済基板カセット51内の所定の棚に、露光済基板1の両
端部を載置して収納する。そして、アーム57を収縮さ
せて、アーム57を露光済基板カセット51から退出さ
せ、さらにアーム57をZ方向に降下させて次の露光済
基板1が搬出されるまで待機する。この露光処理中のア
ンローダロボット52の動作は、後述する露光処理制御
部により制御されるように構成されている。なお、露光
済基板カセット51は、複数枚の露光済基板1が収納で
きるように構成されている。
【0021】また、このアンローダロボット52は、上
述したように、マスク2の交換も行えるように構成され
ている。すなわち、マスク交換処理中、マスク2はマス
クホルダ21の吸着保持が解除され、露光ステージ41
が、支持ピン42を伸長させた状態でZ方向に上昇され
て、マスク2が、マスクホルダ21から浮いた状態で、
露光ステージ41の支持ピン42に支持される。そし
て、アンローダロボット52は、アンローダロボット5
2のアーム57を露光部4方向に伸長可能な状態にし
て、アーム57をZ方向に上昇させ、さらにアーム57
を伸長させて、アーム57をマスクホルダ21と、支持
ピン42に支持されたマスク2との間の空間に挿入させ
る。なお、露光処理中、照明光学系6から出射される光
以外の外部からの光がマスク2に照射されないように、
照明光学系6とマスクホルダ21との間の周囲は、マス
ク2を挿抜するための図示しない開閉自在のシャッター
が付設された遮光壁22で囲われている。従って、上記
アーム57の伸長の際には、このマスク挿抜用のシャッ
ターは開かれる。アーム57がマスクホルダ21とマス
ク2との間の空間に挿入されると、露光ステージ41を
Z方向に降下させて、マスク2をアーム57のマスク用
吸着パッド部58d、58eに渡す。マスク2が渡され
ると、マスク用吸着パッド部58d、58eにマスク2
を吸着保持させ、アーム57を収縮させて、マスク2を
露光部4から取り出す。なお、マスク2が取り出される
と、上記マスク挿抜用のシャッターは閉じられる。そし
て、アンローダロボット52は、支持軸53を90°回
転させて、アンローダロボット52の側方に設置されて
いるマスクカセット59方向にアーム57を伸長可能な
状態にして、アーム57をZ方向に上昇または降下さ
せ、さらにアーム57を伸長させて、取り出したマスク
2をマスクカセット59の所定の棚に挿入させ、マスク
吸着パッド部58d、58eの吸着保持を解除し、アー
ム57をZ方向に降下させて、マスク2をマスクカセッ
ト59の所定の棚に収納する。そして、アーム57を収
縮させて、アーム57をマスクカセット59から退出さ
せる。ここまででマスク交換処理のマスク取り出し処理
が終了する。なお、マスクカセット59は、複数枚のマ
スク2を収納するための棚が設けられている。
【0022】次に、上述のマスク取り出し処理と逆の動
作でマスクセッテイング処理が行われる。すなわち、ア
ンローダロボット52は、アーム57をZ方向に上昇ま
たは降下させ、さらにアーム57を伸長させて、マスク
カセット59に収納されている、セッテングすべきマス
ク2の下方にアーム57を挿入させ、さらにアーム57
を上昇させて、マスク吸着パッド部58d、58eでマ
スク2を持ち上げ、持ち上げたマスク2をマスク吸着パ
ッド部58d、58eで吸着保持する。そして、アーム
57を収縮させて、マスク2をマスクカセット59から
取り出す。次に、支持軸53を90°逆回転させて、ア
ーム57を露光部4方向に伸縮可能な状態にして、アー
ム57をZ方向に上昇または降下させ、さらにアーム5
7を伸長させて、マスク2をアームホルダ21の上方の
空間に挿入させる。なお、このときにも、上記マスク挿
抜用のシャッターは開かれる。そして、マスク用吸着パ
ッド部58d、58eのマスク2の吸着保持を解除し、
支持ピン42を伸長させた露光ステージ41をZ方向に
上昇させて、マスク2をマスク用吸着パッド部58d、
58eから支持ピン42に渡す。そして、アーム57を
収縮させて、アーム57を露光部4から退出させる。な
お、アーム57が露光部4から退出されると、上記マス
ク挿抜用のシャッターは閉じられる。また、アーム57
はZ方向に降下されて待機される。次に、図示しない顕
微光学系でマスク2の位置を検出しながら、露光ステー
ジ41をX−Y平面内で水平移動させ、マスク2の位置
合わせを行う。そして、露光ステージ41をZ方向に降
下させて、マスク2をマスクホルダ21に渡す。マスク
ホルダ21は、受け取ったマスク2を吸着保持し、一
方、露光ステージ41は、支持ピン42を収縮させ、さ
らにZ方向に降下して待機位置で待機される。これで、
マスクセッティング処理が終了し、マスク交換処理が完
了する。
【0023】このマスク交換処理中のアンローダロボッ
ト52や露光ステージ41、顕微光学系、マスク挿抜用
のシャッター等の動作は、後述するマスク交換処理制御
部により制御されるように構成されている。
【0024】なお、このマスク交換処理のマスク取り出
し処理とマスクセッテイング処理は、後述する照度分布
調整処理中においてもそれぞれ分離して実行されるが、
このときのマスク取り出し処理とマスクセッテイング処
理中のアンローダロボット52や露光ステージ41、顕
微光学系、マスク挿抜用のシャッター等の動作は、後述
する照度分布調整処理制御部により制御されるように構
成されている。
【0025】次に、搬送機構7の構成を説明する。この
搬送機構7は、基板ローダ部3から露光部4(露光部4
から基板アンローダ部5)に渡る長さを有する、分離さ
れた2本のアーム71、72が、基板ローダ部3と露光
部4とに渡って位置している状態と、露光部4と基板ア
ンローダ部5とに渡って位置している状態とを、同期し
て往復移動するように構成されている。また、各アーム
71、72の後端側には、基板1を基板ローダ部3から
露光部4に搬入する際、基板1を吸着保持するための吸
着パッド部73がそれぞれ設けられており、各アーム7
1、72の前端側には、露光済基板1を露光部4から基
板アンローダ部5に搬出する際、露光済基板1を吸着保
持するための吸着パッド部74がそれぞれ設けられてい
る。
【0026】搬送機構7は、露光処理中、各アーム7
1、72が、基板ローダ部3と露光部4とに渡って位置
している状態において、基板ローダ部3では、ローダロ
ボット32から基板1を各アーム71、72の後端側の
各吸着パッド部73で受け取り、露光部4では、露光ス
テージト41から露光済基板1を各アーム71、72の
前端側の各吸着パッド部74で受け取る。このとき、ロ
ーダロボット32のアーム37は、搬送機構7の各アー
ム71、72の間の空間を降下して、取り出した基板1
を各アーム71、72の各吸着パッド部73に渡し、搬
送機構7は、各吸着パッド部73が基板1を受け取る
と、受け取った基板1を各吸着パッド部73に吸着保持
し、露光部4において露光済基板1を各アーム71、7
2の吸着パッド部74で吸着保持するまで待機する。一
方、露光ステージ41は、搬送機構7の各アーム71、
72の間の空間を降下して、露光済基板1を各アーム7
1、72の各吸着パッド部74に渡し、搬送機構7は、
各吸着パッド部74が露光済基板1を受け取ると、受け
取った露光済基板1を各吸着パッド部74に吸着保持す
る。そして、基板ローダ部3で基板1を、露光部4で露
光済基板1をそれぞれ受け取り、各吸着パッド部73、
74で吸着保持すると、各アーム71、72を、露光部
4と基板アンローダ部5とに渡って位置している状態に
移動させ、基板1の搬入と露光済基板1の搬出とを同時
に行う。この状態において、露光部4では、各アーム7
1、72の間の空間を、露光ステージ41がZ方向に上
昇して、搬入された基板1が露光ステージ41の上面に
受け渡される。このとき、各吸着パッド部73による基
板1の吸着保持は解除されている。そして、露光ステー
ジ41が受け取った基板1は上記露光部4で説明したよ
うに露光がなされる。一方、基板アンローダ部5では、
各アーム71、72の間の空間を、アンローダロボット
52のアーム57がZ方向に上昇して、搬出された露光
済基板1がアンローダロボット52のアーム57に受け
渡される。このとき、各吸着パッド部74による露光済
基板1の吸着保持は解除されている。そして、アンロー
ダロボット52が受け取った露光済基板1は上記基板ア
ンローダ部5で説明したように露光済基板カセット51
に収納される。搬入した基板1を露光ステージ41に、
搬出した露光済基板1をアンローダロボット52にそれ
ぞれ渡すと、搬送機構7は、各アーム71、72を、基
板ローダ部3と露光部4とに渡って位置している状態に
移動させ、基板ローダ部3で次に搬入する基板1をロー
ダロボット32から受け取り、露光部4で前回搬入して
露光が終了した露光済基板1を受け取り、それらの搬入
と搬出とを上述したように行い、以後同様の処理を繰り
返す。この露光処理中の搬送機構7の動作は、後述する
露光処理制御部により制御されるように構成されてい
る。
【0027】次に、照明光学系6の構成を図1、図5を
参照して説明する。図5は、照明光学系の光源の取り付
け部を移動させる移動機構の構成を示す図である。
【0028】照明光学系6においては、図1に示すよう
に、光源(超高圧水銀灯)61から出射された光が楕円
鏡62で集光され、ミラー63により光路が折り返さ
れ、フレネルレンズ66の焦点位置に配置されたフライ
アイレンズ64を構成する各エレメントレンズに入射す
る。そして、フライアイレンズ64から出射された光
は、ミラー65により光路が再び折り返された後、フレ
ネルレンズ66に入射し、フライアイレンズ64の各エ
レメントレンズで分割された光がフレネルレンズ66で
再合成され、また、平行光にされてマスク2に照射され
る。なお、図中、符号67は光源61からの光の出射を
制御するための光源シャッターを示し、露光処理中は、
露光部4において基板1の露光が行われる間だけ、この
光源シャッター67が開にされ、また、照度分布調整処
理中は、常に光源シャッター67が開にされるように構
成されている。この光源シャッター67の露光処理中の
開閉制御は、後述する露光処理制御部により行われ、照
度分布調整処理中の光源シャッターの開閉制御は、後述
する照度分布調整処理制御部により行われるように構成
されている。また、光源61、楕円鏡62、ミラー6
3、65、フライアイレンズ64、フレネルレンズ6
6、光源シャッター67はランプハウス60に収納され
ており、フレネルレンズ66がランプハウス60の平行
光出射窓になっている。
【0029】この光源61の取り付け部は、図5に示す
ように、ランプ固定板600、絶縁用のセラミック板6
01を介してXYZステージ603に支持されており、
X、Y、Zの3次元方向に移動自在に構成され、光源6
1と図示しないフライアイレンズ64との位置関係を変
位できるようになっている。XYZステージ603は、
ランプハウス60に固設された支持板604に対してX
方向可動板605がX方向に移動し、また、X方向可動
板605に固設された支持板606に対してY方向可動
板607がY方向に移動し、さらに、Y方向可動板60
7に固設された支持板608に対してZ方向に伸縮可能
なZ方向可動軸609が「L」の字型の支持部材610
をZ方向に変位させることにより、支持部材610にセ
ラミック板601、ランプ固定板600を介して固定さ
れた光源61を、3次元方向に移動させる。上記X方向
可動板605、Y方向可動板607、Z方向可動軸60
9は、図示しない3個のモータにより、それぞれ独立し
て駆動可能に構成されている。このXYZステージ60
3(各モータ)の駆動は、後述する照度分布調整処理制
御部により制御されるように構成されている。なお、ケ
ーブル611は光源61の電極612に接続されてお
り、ケーブル611から高電圧を印加することにより光
源61が点灯される。この光源61の点灯と消灯の制御
は、後述する全体制御部により行われるように構成され
ている。また、光源61の交換が可能なように、光源6
1はランプ固定板600から取り外すことができる。
【0030】次に、近接露光装置の制御部の構成を図6
を参照して説明する。図6は、近接露光装置の制御部の
構成を示すブロック図である。
【0031】図6に示すように、この近接露光装置の制
御部8は、全体制御部81と露光処理制御部82とマス
ク交換処理制御部83とパラメータ登録処理制御部84
と照度分布調整処理制御部85とで構成されている。各
部の構成と動作を以下に説明する。
【0032】まず、全体制御部81の構成と動作を図
6、図7を参照して説明する。図7は、制御部内の全体
制御部の動作を示すフローチャートである。全体制御部
81は、初期処理を行うとともに、入力装置91から入
力された処理選択情報に基づき、露光処理制御部82ま
たはマスク交換処理制御部83またはパラメータ登録処
理制御部84または照度分布調整処理制御部85に制御
を渡すか、あるいは、光源61の点灯処理か消灯処理か
装置停止を実行するように構成されている。
【0033】処理が開始されると、まず、初期処理を実
行する(ステップS1)。この初期処理では、ローダロ
ボット32や露光ステージ41、アンローダロボット5
2、搬送機構7を初期状態にする等の装置の立上げ処理
が行われる。
【0034】次に、入力装置91から処理選択情報が入
力されるのを待ち(ステップS2)、処理選択情報が入
力されるとその情報に応じて各制御部に制御を渡す等の
処理を実行する。すなわち、入力された処理選択情報
が、露光処理であれば、露光処理制御部82に制御を渡
し(ステップS3、S4)、また、入力された処理選択
情報が、マスク交換処理であれば、マスク交換処理制御
部83に制御を渡し(ステップS5、S6)、さらに、
入力された処理選択情報が、パラメータ登録処理であれ
ば、パラメータ登録処理制御部84に制御を渡し(ステ
ップS7、S8)、また、入力された処理選択情報が、
照度分布調整処理であれば、照度分布調整処理制御部8
5に制御を渡す(ステップS9、S10)。さらに、入
力された処理選択情報が、光源の点灯であれば、光源6
1に高電圧を印加して光源61を点灯し(ステップ1
1、S12)、入力された処理選択情報が、光源の消灯
であれば、光源61に高電圧を印加するのを停止して光
源61を消灯する(ステップ13、S14)。さらに、
入力された処理選択情報が、装置停止であれば(ステッ
プS15)、処理を終了(装置を停止)させる。
【0035】なお、入力装置91は、各種のデータを制
御部8に入力するためのものであり、例えば、キーボー
ドとCRT、または、タッチパネル、あるいは、各種の
データ設定を行うスイッチを備えた操作盤等によって構
成されている。
【0036】次に、露光処理制御部82の構成と動作を
説明する。露光処理制御部82は、入力装置91から露
光処理が選択されたとき、全体制御部81から制御が渡
される。この露光処理制御部82は、ローダロボット3
2、露光ステージ41、位置ズレ検出機構、顕微光学
系、アンローダロボット52、搬送機構7、光源シャッ
ター67等を制御して、上述したように、基板カセット
31から基板1を取り出し、その基板1を露光部4に搬
入させて露光を行い、露光済基板1を基板アンローダ部
5に搬出させて、露光済基板カセット51に収納する処
理を連続的に行うように制御する。また、この露光処理
中に、入力装置91から露光処理の停止が指示される
と、露光処理を停止して、全体制御部81に制御を返す
ように構成されている。
【0037】次に、マスク交換処理制御部83の構成と
動作を説明する。マスク交換処理制御部83は、入力装
置91からマスク交換処理が選択されたとき、全体制御
部81から制御が渡される。このマスク交換処理制御部
83は、アンローダロボット52、露光ステージ41、
顕微光学系、マスク挿抜用のシャッター等を制御して、
上述したマスク取り出し処理とマスクセッティング処理
とを続けて行うように制御する。なお、マスクセッティ
ング処理が終了(マスク交換処理が完了)すると、全体
制御部81に制御を返すように構成されている。
【0038】次に、パラメータ登録処理制御部84の構
成と動作を説明する。パラメータ登録処理制御部84
は、入力装置91からパラメータ登録処理が選択された
とき、全体制御部81から制御が渡される。このパラメ
ータ登録処理制御部84は、入力装置91から設定され
る、後述する照度分布調整処理の実行に必要な各種のパ
ラメータを外部記憶装置92に登録する制御を行う。す
なわち、入力装置91からパラメータが入力されると、
そのパラメータを取り込んで、メモリ93に記憶してい
き、全てのパラメータの設定が完了したとき、メモリ9
3に記憶したパラメータをまとめて外部記憶装置92に
登録させる。
【0039】ここで、登録されるパラメータを説明す
る。なお、各パラメータの使用目的等の詳細について
は、後述する照度分布調整処理で明らかにする。
【0040】(A) ピーキング処理で使用される光源
61の移動ピッチPx、Py、Pz。
【0041】(B) ピーキング処理で使用される光源
61の駆動範囲Ax、Ay、Az。なお、この駆動範囲
Ax、Ay、Azはそれぞれの駆動範囲の下限と上限と
で設定される。すなわち、AxはAxmin (下限)とA
max (上限)、AyはAymin (下限)とAy
max (上限)、AzはAzmin (下限)とAzmax (上
限)が設定される。
【0042】(C) 照度測定処理等で使用される測定
位置DP。この測定位置は、図8に示すように、露光領
域RAの中心位置CPを原点(0,0)としたx−y直
交座標系(以下、「測定座標系」という)の座標(x,
y)(例えば、(1,1)等)で指定される。この測定
位置DP(x,y)は、照度測定する全位置(複数位
置)が指定される。なお、この測定座標系のx、y軸
は、図1ないし図4に表示しているX、Y軸と平行であ
る。また、図8中のxmax は露光領域RA内のx座標の
最大値、−xmax は露光領域RA内のx座標の最小値、
max は露光領域RA内のy座標の最大値、−ymax
露光領域RA内のy座標の最小値をそれぞれ示す。
【0043】(D) 上記(C)の測定座標系の座標ピ
ッチZP(図8参照)の実長。この座標ピッチZPの実
長は、露光対象物に求められる解像力を基準として決め
られる。この座標ピッチZPの実長として、例えば1cm
として登録したとき、上記(C)においてDP(1,
1)を登録したとき、その位置DP(1,1)は、露光
領域RAの中心位置CP(原点(0,0))からX(の
正)方向に1cm、Y(の正)方向に1cm離れた位置を指
していることになる。
【0044】(E) 以下の式(1)で表される基準の
照度分布I(r)の分布係数a、b、c、…。 I(r) = k(1+ar2 +br4 +cr6 +…) …… (1) ただし、rは、露光領域RAの中心位置CPからの距離
(実長)であり、次式で定義される。 r = √(xr 2 +yr 2 ) …… (2) なお、xr は、測定座標系のx座標の実長であり、(測
定座標系のx座標)×(測定座標系の座標ピッチZPの
実長)で求まり、また、yr は、測定座標系のy座標の
実長であり、(測定座標系のy座標)×(測定座標系の
座標ピッチZPの実長)で求まる。さらに、kは、分布
変数であり、後述する照度分布調整処理中において、照
度分布の実測値に基づき特定される。
【0045】(F) 上記kを特定する際に使用される
kの変動幅kw。
【0046】(G) 上記kを特定する際に、上記kの
変動幅kw内でkの値を変動するときの変動ピッチk
p。
【0047】(H) 照度分布の許容範囲を決める許容
定数m。後述するように、露光領域RAの照度分布は、
上式(1)で定義される基準の照度分布I(r)に一致
するように調整するのが好ましいが、基準の照度分布I
(r)に対してある程度のバラツキがあっても実用上大
きな問題とならない。従って、照度分布調整処理におい
て、調整する照度分布の許容範囲を設けており、許容定
数mは、その許容範囲を決めるための定数であり、許容
範囲は、mにより以下の式で定義される。 〔I(r)−m×I(r)〕〜〔I(r)+m×I(r)〕 …… (3) ここで、〔I(r)−m×I(r)〕は許容範囲の下限
値、〔I(r)+m×I(r)〕は許容範囲の上限値で
ある。なお、mは、0〜1の値で設定される。
【0048】(I) 中止判定部での判定に使用する移
動許容回数AN。照度分布が上記(F)で決めた照度分
布の許容範囲内に収束しないときに処理を中止させるた
めの光源61の移動調整処理の許容回数である。
【0049】(J) 光源61の移動方向・移動量の算
出のために、光源61を微小移動せるときの光源61の
微小移動量Δxs、Δys。
【0050】図6に戻って、外部記憶装置92は、装置
が停止され、電源の供給が無くなっても、記憶したデー
タを保存している不揮発性の記憶装置であり、例えば、
磁気ディスク装置やフレキシブルディスク装置等で構成
されている。また、メモリ93は、データの一時記憶に
使用されるので、半導体RAM(ランダム・アクセス・
メモリ)等で構成されている。
【0051】なお、入力装置にCRTのような表示装置
を備え、上記パラメータの登録時に、現在、外部記憶装
置92に記憶(登録)されているパラメータを表示し、
そのパラメータを修正しながらパラメータの設定を行う
ように構成してもよい。
【0052】次に、照度分布調整処理制御部85の構成
を図9を参照して説明する。図9は、照度分布調整処理
制御部の詳細構成を示すブロック図である。照度分布調
整処理制御部85は、入力装置91から照度分布調整処
理が選択されたとき、全体制御部81から制御が渡され
る。この照度分布調整処理制御部85は、初期処理部1
01、ピーキング処理部102、判定部103、中止判
定部104、移動量算出部105、光源移動部106、
終了処理部107、異常処理部108で構成され、ま
た、判定部103は、照度分布測定部111a、ズレ量
算出部112a、ズレ量判定部113で構成され、移動
量算出部105は、光源微小移動部114、照度分布測
定部111b、ズレ量算出部112b、移動方向・移動
量算出部115で構成されている。なお、図9において
は、2つの照度分布測定部およびズレ量算出部を便宜上
記載しているが、実際的には1つで十分である。
【0053】そして、各部101〜108、111a、
11b〜115は、ローダロボット32、露光ステージ
41、顕微光学系、アンローダロボット52、光源シャ
ッター67、マスク挿抜用のシャッター、XYZステー
ジ603、照度センサ39、メモリ93、外部記憶装置
92等を制御して、後述する照度分布調整処理を行う。
照度分布調整処理が終了または中止されると、全体制御
部81に制御を返すように構成されている。
【0054】なお、上記照度分布測定部111a、11
1bとローダロボット32と照度センサ39は、本発明
における照度分布測定手段に相当し、また、上記判定部
103は、本発明における判定手段に相当し、さらに、
上記移動量算出部105は、本発明における移動量算出
手段に相当する。また、上記光源移動部106とXYZ
ステージ603は、本発明における光源移動手段に相当
する。
【0055】なお、この照度分布調整処理制御部85に
よる照度分布調整処理の動作は後述するが、照度分布調
整処理が実行される前に、上記パラメータ登録処理制御
部84によりパラメータ登録処理が行われており、ま
た、通常、光源61の交換作業が作業者により行われ
る。従って、パラメータの登録が行われていなければ、
上記の図7のフローチャートで照度分布調整処理が選択
されてもその処理を実行しないようなチェック機能を設
けていてもよい。また、光源61の交換作業の後、照度
分布調整処理を選択するのであれば、作業者は、上記の
図7のフローチャートにおいて、まず、光源61の消灯
(ステップS13、S14)を選択して光源61を消灯
させて、光源61の交換作業を行い、光源61の交換後
に光源61の点灯(ステップS11、S12)を選択し
て光源61を点灯し、その後、照度分布調整処理を選択
することになる。
【0056】なお、この近接露光装置の制御部8は、C
PU(中央処理装置)で構成されており、メモリ93と
は図示しないバスで接続されており、また、入力装置9
1、外部記憶装置92、ローダロボット32、露光ステ
ージ41、位置ズレ検出機構、顕微光学系、アンローダ
ロボット52、光源シャッター67、搬送機構7、照度
センサ39、マスク挿抜用のシャッター、XYZステー
ジ603等とは、バスに接続された図示しないI/Oイ
ンターフェースを介して接続されている。また、外部記
憶装置92には、上記各制御部81〜85が実行する処
理手順(プログラム)が予め記憶されており、装置起動
時にそのプログラムをメモリ93に読み出して、CPU
がそのプログラムを実行するように構成されている。
【0057】次に、照度分布調整処理制御部85による
照度分布調整処理について説明する。まず、本実施例装
置による照度分布調整処理の基本的な考え方を説明す
る。
【0058】(a) 露光領域RAに照射される光の照
度をできるだけ高くして照度分布を調整する。このよう
に露光領域RAの照度を高くして、照度分布を調整する
ことにより、照度分布調整後の露光処理において、露光
時間を短時間に実行することができ、露光処理の処理ス
ループットを高くすることができるという効果が得られ
る。なお、この照度を高くして照度分布を調整するとい
う考えは、後述する図11のフローチャートのステップ
S22(後述する図12のフローチャート)のピーキン
グ処理を実行することにより実現されている。
【0059】(b) 露光処理時に、均一な光量分布で
露光が行えるように、照度分布を調整する。例えば、図
10(b)、(c)(図10(b)は、図10(a)の
露光領域RAのxl−xr間の照度分布、図10(c)
は、同じくyd−yu間の照度分布を示す図)に示すよ
うに、露光領域RA全面に渡って照度分布が均一になる
ように調整した場合、実際の露光処理において次のよう
な不都合が生じることがある。すなわち、露光処理時に
おいては、照明光学系6から出射された光はマスク2を
経て基板1に照射されるが、このとき、照明光学系6か
ら出射された光は、マスク2や基板1の表面で照明光学
系6方向に反射し、その反射光が照明光学系6内の光学
系で再び反射されて、基板1に照射されること(このよ
うな光を迷光という)がある。また、この迷光は、基板
1の特定領域(例えば、中心付近)に集光する傾向があ
る。従って、照度分布を露光領域RA全面に渡って均一
に調整していた場合、露光処理時のこのような迷光によ
って、基板1に実際に照射される光量分布が不均一にな
る。一方、露光処理は均一な光量分布で行うことが必要
である。従って、露光処理時に均一な光量分布で露光で
きるように、露光処理時の迷光等の影響を相殺するよう
に照度分布を調整する必要がある。例えば、露光領域R
A全面に渡って照度分布が測定時に均一に調整されてお
り、露光処理時に、迷光が基板1の中心付近に集光し、
露光処理時の光量分布が、図10(d)、(e)(図1
0(d)は、図10(a)の露光領域RAのxl−xr
間の光量分布、図10(e)は、同じくyd−yu間の
光量分布を示す図)に示すようになる傾向があるのであ
れば、図10(f)、(g)に示すような、照度分布と
なるように測定時の照度分布を調整してやればよいこと
になる。なお、本実施例では、測定時の照度分布を基準
の照度分布I(r)に近づけるように調整するので、こ
の基準の照度分布I(r)を、例えば、図10(f)、
(g)に設定することにより、露光処理時に、均一な光
量分布で露光することができる。また、基準の照度分布
I(r)の変化の割合などは、分布係数a、b、c、…
で変更することができる。
【0060】(c) 照度分布に許容範囲を設け、各測
定位置DP(x,y)の照度をその許容範囲内に収める
ように調整する。すなわち、照度分布は、基準の照度分
布I(r)に一致させるのが最善であるが、露光領域の
照度分布が基準の照度分布I(r)に一致することはま
れである。換言すれば、照度分布を基準の照度分布I
(r)に一致させるように調整すれば、永久に照度分布
の調整が終了しないか、または、双方が一致する場合で
あっても、照度分布調整処理に長時間を要することにな
る。一方、露光処理では、必ず基準の照度分布I(r)
で露光しなければならないけではなく、照度分布に僅か
なバラツキがあっても、実用上大きな問題とはならな
い。従って、実用上許される許容範囲を設定(許容定数
mで設定)し、その許容範囲に照度分布を収束させるよ
うに照度分布の調整を行うようにしている。
【0061】次に、本実施例による照度分布調整処理
を、図11ないし図15のフローチャートを参照して具
体的に説明する。図11は、光量分布調整処理制御部に
よる光量分布調整処理の手順を示すフローチャートであ
る。
【0062】なお、図11のフローチャートの内、ステ
ップS21は初期処理部101により、ステップS22
はピーキング処理部102により、ステップS23ない
しステップS25は判定部103により、ステップS2
6は中止判定部104により、ステップS27ないしス
テップS30は移動量算出部105により、ステップS
31は光源移動部106により、ステップS32は終了
処理部107により、ステップS33は異常処理部10
8によりそれぞれ実行される。さらに詳しくは、ステッ
プS23は判定部103内の照度分布測定部111aに
より、ステップS24は判定部103内のズレ量算出部
112aにより、ステップS25は判定部103内のズ
レ量判定部113により、ステップS27は移動量算出
部105内の光源微小移動部114により、ステップS
28は移動量算出部105内の照度分布測定部111b
により、ステップS29は移動量算出部105内のズレ
量算出部112bにより、ステップS30は移動量算出
部105内の移動方向・移動量算出部115によりそれ
ぞれ実行される。
【0063】また、図12は、ピーキング処理部102
によるピーキング処理の手順を示すフローチャートであ
り、図13は、照度分布測定部111a、111bによ
る照度分布測定処理の手順を示すフローチャート、図1
4は、ズレ量算出部112a、112bによるズレ量算
出処理の手順を示すフローチャート、図15は、移動方
向・移動量算出部115による移動方向・移動量算出処
理の手順を示すフローチャートである。
【0064】図11のフローチャートの概要を説明する
と、初期処理、ピーキング処理が終了した後、ステップ
S23〜S25により、露光領域RAの照度分布(複数
の測定位置で測定された各照度)が基準の照度分布の許
容範囲内に収束したか否かを判定し、収束していれば終
了処理を実行後、照度分布調整処理を終了し、一方、収
束していなければ、ステップS27〜S31の光源61
の移動調整を実行する。そして、ステップS23〜S2
5に戻り、露光領域RAの照度分布が基準の照度分布の
許容範囲内に収束するまで上記処理が実行される。但
し、ステップS27〜S31の光源61の移動調整の回
数をカウントしておき、そのカウント値がパラメータと
して登録されている移動許容回数ANを越えた場合に
は、露光領域RAの照度分布が基準の照度分布の許容範
囲内に収束しなかったものとして、異常処理を実行後、
照度分布調整処理を終了(処理を中止)する。
【0065】図11において、まず、初期処理部101
は、初期処理を実行する(ステップS21)。この初期
処理としては、マスク取り出し処理、パラメータ読み出
し処理、移動回数カウンタINの初期化、光源シャッタ
ー67の開処理が行われる。
【0066】マスク取り出し処理は、上述したマスク交
換処理のマスク取り出し処理と同じ処理であり、マスク
ホルダ21からマスク2を取り出す。このマスク取り出
し処理により、照明光学系6から出射される光は、マス
ク2を介さず、直接、露光ステージ41の上面に照射さ
れる。すなわち、本実施例では、照度センサ39を、マ
スクホルダ21と露光ステージ41との間に挿入させ、
登録された測定位置DP(x,y)に位置させて照度を
測定するので、マスク2がマスクホルダ21に吸着保持
された状態では、マスク2を経た光の照度を測定するこ
とになる。このような場合、例えば、測定位置DP
(x,y)によっては、マスク2のパターンの下側に位
置する場合とそうでない場合とが起こることがあり、正
確な照度分布の測定が行えなくなる。そこで、マスク2
の取り出し処理を行い、マスク2がない状態で、各測定
位置DP(x,y)の照度を照度センサ39で測定する
ようにしたものである。
【0067】パラメータ読み出し処理は、外部記憶装置
92に記憶されているパラメータを読み出し、メモリ9
3に記憶させる。この読み出したパラメータを使って、
以下の照度分布の調整処理が実行される。
【0068】また、移動回数カウンタINの初期化は、
メモリ93内の移動回数カウンタINに「0」をセット
する。この移動回数カウンタINは、ステップS31に
おいてカウントアップされ、ステップS26で移動許容
回数ANと比較される。
【0069】さらに、光源シャッター67の開処理によ
り、照明光学系6からは常に照明光が出射された状態と
なり、その状態で以後の照度分布の調整処理が実行され
る。
【0070】次に、ピーキング処理部102は、ピーキ
ング処理を実行する(ステップS22)。このピーキン
グ処理は、露光領域RAの中心において照度が最大にな
るような光源61の位置を探し、光源61をその位置に
移動させるものである。このピーキング処理後に、露光
領域RAの照度分布を基準の照度分布の許容範囲内に収
束させることにより、上記したように、調整後の露光領
域RA全体の照度をできるだけ高くすることができ、露
光処理時のスループットの向上を図ることができる。こ
のピーキング処理の具体的な処理手順を図12を参照し
て説明する。
【0071】まず、照度センサ39を露光領域RAの中
心位置(測定座標系の原点(0,0))に配置するよう
にローダロボット32を駆動制御する(ステップS4
1)。すなわち、ローダロボット32のアーム37を露
光部4方向に伸縮可能な状態にし、アーム37を伸長さ
せて、図16に示すように、吸着パッド部38aに取り
付けられた照度センサ39を、露光領域RAの中心位置
CP(測定座標系の原点(0,0))に位置付ける。
【0072】なお、このときのアーム37の伸長量(移
動部材36の移動量)Lsは、(L1−L2)で求めら
れる。L1は、露光領域RAの中心位置CPとアーム3
7の回転中心との間の長さであり、装置組立て時に決ま
る。また、L2は、アーム37の回転中心と照度センサ
39との間の長さであり、照度センサ39をローダロボ
ット32に取り付けた時に決まる。従って、L1、L2
が既知であるので上記アーム37の伸長量Lsは特定で
きる。
【0073】次に、Z方向における光源61の最大照度
位置を特定する(ステップS42〜S43)。まず、ス
テップS42では、XYZステージ603をZ方向にの
み駆動して、図17(a)に示すように、Z方向の駆動
範囲Az(パラメータ)内で光源61を移動ピッチPz
(パラメータ)でピッチ移動し、各位置(Azmin 、A
min+Pz、Azmin +2Pz、…、Azmax −P
z、Azmax )における露光領域RAの中心位置CPの
照度を測定してメモリ93に記憶する。メモリ93に記
憶された、光源61の位置と測定照度との関係を図18
(a)に示す。
【0074】次に、ステップS43では、メモリ93に
記憶された、光源61の位置と測定照度との関係(図1
8(a)参照)を、図18(b)に示すように、2次式
で近似し、その近似式KSからZ方向における最大照度
(ピーク)となる光源61の位置MPZを特定する。
【0075】そして、光源61をZ方向にMPZへ移動
させるように、XYZステージ603を駆動する(ステ
ップS44)。
【0076】次に、Z方向の位置MPZにおける、X方
向の光源61の最大照度位置を特定する(ステップS4
5〜S46)。すなわち、図17(b)に示すように、
Z方向の位置がMPZの状態で、XYZステージ603
をX方向にのみ駆動して、X方向の駆動範囲Ax(パラ
メータ)内で光源61を移動ピッチPx(パラメータ)
でピッチ移動し、各位置(Axmin 、Axmin +Px、
Axmin +2Px、…、Axmax −Px、Axmax )に
おける露光領域RAの中心位置CPの照度を測定してメ
モリ93に記憶し(ステップS45)、メモリ93に記
憶された、光源61の位置と測定照度との関係に基づ
き、上記ステップS43と同様の方法で、Z方向の位置
MPZにおけるX方向の最大照度となる光源61の位置
MPXを特定する(ステップS46)。
【0077】そして、光源61をX方向にMPXへ移動
させるように、XYZステージ603を駆動する(ステ
ップS47)。
【0078】次に、Z方向の位置MPZ、X方向の位置
MPXにおける、Y方向の光源61の最大照度位置を特
定する(ステップS48〜S49)。すなわち、図17
(c)に示すように、Z方向の位置がMPZ、X方向の
位置がMPXの状態で、XYZステージ603をY方向
にのみ駆動して、Y方向の駆動範囲Ay(パラメータ)
内で光源61を移動ピッチPy(パラメータ)でピッチ
移動し、各位置(Aymin 、Aymin +Py、Aymin
+2Py、…、Aymax −Py、Aymax )における露
光領域RAの中心位置CPの照度を測定してメモリ93
に記憶し(ステップS48)、メモリ93に記憶され
た、光源61の位置と測定照度との関係に基づき、上記
ステップS43と同様の方法で、Z方向の位置MPZ、
X方向の位置MPXにおけるY方向の最大照度となる光
源61の位置MPYを特定する(ステップS49)。
【0079】そして、光源61をY方向にMPYへ移動
させるように、XYZステージ603を駆動する(ステ
ップS50)。
【0080】次に、X方向の位置MPX、Y方向の位置
MPYにおける、Z方向の光源61の最大照度位置を特
定する(ステップS51〜S52)。すなわち、図17
(d)に示すように、X方向の位置がMPX、Y方向の
位置がMPYの状態で、上記ステップS42、S43と
同様の処理を行い、X方向の位置MPX、Y方向の位置
MPYにおけるZ方向の最大照度となる光源61の位置
MPZ’を特定する。
【0081】そして、光源61をZ方向にMPZ’へ移
動させるように、XYZステージ603を駆動する(ス
テップS53)。
【0082】なお、このZ方向の最大照度位置を再度求
めるのは、上述したX方向、Y方向の最大照度位置に光
源61を移動したことにより、Z方向の最大照度位置が
MPZから若干ずれることが考えられるので、そのずれ
を補正するためである。
【0083】これにより、図17(e)に示すように、
光源61は、MPX(X方向)、MPY(Y方向)、M
PZ’(Z方向)に位置付けられ、露光領域RAの中心
の照度は最高(またはそれに近い状態)となる。光源6
1をこの位置に位置付けて、以下の照度分布調整を実行
する。なお、上述のX方向の最大照度位置への光源61
の移動処理、Y方向の最大照度位置への光源61の移動
処理、Z方向の最大照度位置への光源61の移動処理を
複数回繰り返し、露光領域RAの中心の照度は最高照度
に完全に収束させて後、以下の照度分布調整を実行する
ようにしても良い。
【0084】図11に戻って、ピーキング処理(ステッ
プS22)が終了すると、次に、判定部103の照度分
布測定部111aによる照度分布測定処理を行う(ステ
ップS23)。この処理は、パラメータとして登録され
た全測定位置に順次照度センサ39を位置付け、各測定
位置DPij(xi ,yj )(iは1〜X座標の設定数、
xiはi番目のX座標、jは1〜Y座標の設定数、yj
はj番目のY座標)における照度を各々測定してメモリ
93に記憶する。具体的な処理手順を図13を参照して
説明する。
【0085】まず、測定位置DPij(xi ,yj )に照
度センサ39を位置付けるための、ローダロボット32
の駆動データ、すなわち、アーム37(支持軸33)の
回転方向と回転角度θ、アーム37の伸長量(移動部材
36の移動量)Lsを特定する(ステップS61)。
【0086】この特定方法を図19を参照して説明す
る。図19では、測定位置DPij(xi ,yj )(x座
標xi 、y座標yj ともに負の座標)に照度センサ39
を位置付ける場合を示している。
【0087】まず、アーム37の回転方向は、測定位置
のy座標の符号により決まる。測定位置DPij(xi
j )のy座標(yj )の符号が正であれば図のLR方
向に回転させ、y座標(yj )の符号が負であれば図の
RR方向に回転させればよい。図19では、DPij(x
i ,yj )のy座標(yj )の符号が負であるので、R
R方向に回転させている。
【0088】次に、アーム37の回転角度θは、tan
-1(L5/L4)で特定される。L4は、(L1−L
3)で求められる。L1は、露光領域RAの中心位置C
Pとアーム37の回転中心との間の長さであり、装置の
組立て時に特定される。一方、L3は、|(x座標
i )×(測定座標系の座標ピッチPZの実長(パラメ
ータ))|により特定される。また、L5は、|(y座
標yj )×(測定座標系の座標ピッチPZの実長)|に
より特定される。従って、L4、L5は、測定位置DP
ij(xi ,yj )のx座標(xi )、y座標(yj )に
応じて特定でき、その際のアーム37の回転角度θを特
定することができる。
【0089】次に、アーム37の伸長量Lsは、(L6
−L2)で求められる。L6は、√(L42 +L52
で求まる。また、L2は、アーム37の回転中心と照度
センサ39との間の長さであり、照度センサ39をロー
ダロボット32に取り付けた時に決まる。従って、測定
位置DPij(xi ,yj )のx座標(xi )、y座標
(yj )に応じてL6が特定され、L2は既知であるの
で、アーム37の伸長量Lsを特定することができる。
【0090】上述のように、測定位置DPij(xi ,y
j )に対する、ローダロボット32の駆動データが特定
されると、それに従ってアーム37の回転と伸長とを行
い、照度センサ39を測定位置DPij(xi ,yj )に
位置付ける(ステップS62)。そして、照度センサ3
9で、その測定位置DPij(xi ,yj )の照度Sij
測定し、測定データ(Sij)をメモリ93に記憶する
(ステップS63)。このステップS61〜S63の動
作を全測定位置について行い、全測定位置の照度
(Sij)がメモリ93に記憶されると照度分布測定処理
を終了する(ステップS64)。
【0091】図11に戻って、照度分布測定処理(ステ
ップS23)が終了すると、次に、判定部103のズレ
量算出部112aによるズレ量算出処理を行う(ステッ
プS24)。この処理では、全測定位置について、測定
された照度(実測の照度分布)と、基準の照度分布との
ズレ量を求める。具体的な処理手順を図14を参照して
説明する。
【0092】まず、ステップS71〜S74の処理で、
基準の照度分布I(r)(上記式(1):I(r)=k
(1+ar2 +br4 +cr6 +…)のkを特定し、ス
テップS75の処理で、上記ステップS71〜74で特
定されたk(kt )を代入した基準の照度分布I(r)
(It (r))と、上記ステップS23で測定された照
度(実測データ)とのズレ量を、全測定位置について算
出する。
【0093】すなわち、まず、基準の照度分布I(r)
(上記式(1)参照)のkの初期値を特定する(ステッ
プS71)。このkの初期値を特定する方法としては、
例えば、以下の2通りの方法を採ることができる。
【0094】(a) 式(1)の分布係数a、b、c、
…にパラメータとして登録された値を代入し、上記ステ
ップS23で測定された各測定位置DPij(xi
j )の照度をI(rij)として、各測定位置DP
ij(xi ,yj )のkijを算出し、算出した各kijの平
均値を、基準の照度分布I(r)のkの初期値とする。
なお、上記rijと、xi 、yj との関係は、図20に示
すように、rij=√(xri 2+yrj 2 )、xri
i ×(座標ピッチZPの実長)、yrj =yj ×(座
標ピッチZPの実長)である。
【0095】(b) 式(1)の分布係数a、b、c、
…にパラメータとして登録された値を代入し、上記ステ
ップS23で測定された中心位置C(0,0)の照度を
I(r00)として、中心位置Cのk00を算出し、算出し
たk00を、基準の照度分布I(r)のkの初期値とす
る。なお、この方法は、ステップS23で、中心位置C
の照度が測定されていることが前提となる。
【0096】次に、上記ステップS71で特定されたk
の初期値を中心として、パラメータとして登録されたk
の変動幅kwを加減したkの変動範囲(kの初期値−k
w〜kの初期値+kw)内で、パラメータとして登録さ
れたkの変動ピッチkpごとにkの値を変動させ(k
(k1 とする)=kの初期値−kw、k(k2 )=kの
初期値−kw+kp、k(k3 )=kの初期値−kw+
2kp、…、k(kn-1=kの初期値+kw−kp、k
(kn )=kの初期値+kw)、各々のk(k1
2 、k3 、…、kn-1 、kn )について以下のステッ
プS72の処理を繰り返す(ステップS73)。
【0097】すなわち、ステップS72では、knn(n
nは1、2、3、…、n−1、n)と、パラメータとし
て登録されたa、b、c、…とを式(1)に代入して求
めた基準の照度分布Inn(r)と、上記ステップS23
で測定された各測定位置DPij(xi ,yj )の照度S
ij(実測データ)とのズレ量ΔInnijを、各測定位置D
ij(xi ,yj )ごとに全測定位置について算出し、
|ΔInnij|/Inn(rij)を、各測定位置DPij(x
i ,yj )ごとに全測定位置について算出し、その中か
ら最大値MISmmを求める。以下に算出式を示す。
【0098】 Inn(r)=knn(1+ar2 +br4 +cr6 +…) ΔInnij=Inn(rij)−Sij MISnn=MAX(|ΔInnij|/Inn(rij)) なお、MAX(|ΔInnij|/Inn(rij))は、各測
定位置DPij(xi ,yj )についての|ΔInnij|/
nn(rij)の算出結果の最大値を求める関数である。
【0099】次に、ステップS74では、上述ステップ
S72、S73で求めた各k(k1、k2 、k3 、…、
n-1 、kn )についてのMISnn(nnは1〜n)の
内の最小値SISを求める。以下に算出式を示す。
【0100】SIS=MIN(MISnn) なお、MIN(MISnn)は、各kについてのMISnn
の算出結果の最小値を求める関数である。
【0101】ステップS74で求めたSISを採るとき
のknnを、基準の照度分布I(r)のkとして採用す
る。これを、kt とする。
【0102】そして、ステップS75では、kをkt
した基準の照度分布It (r)(It (r)=kt (1
+ar2 +br4 +cr6 +…))を中心とした許容範
囲(上記(3)式参照:〔It (r)−m×I
t (r)〕〜〔It (r)+m×It (r)〕)と、上
記ステップS23で測定された各測定位置DP
ij(xi ,yj )の照度Sij(実測データ)とのズレ量
ΔItij を、各測定位置DPij(xi,yj )ごとに全
測定位置について算出し、メモリ93に記憶する。この
とき、照度Sijが、上記許容範囲内に収まっていれば、
ズレ量ΔItij =0とし、照度Sijが、上記許容範囲の
上限値(すなわち、〔It (rij)+m×I
t (rij)〕)を越えていれば、照度Sijから上限値を
引いてズレ量ΔItij を算出し、照度Sijが、上記許容
範囲の下限値(すなわち、〔It (rij)−m×I
t (rij)〕)未満であれば、照度Sijから下限値を引
いてズレ量ΔItij を算出する。なお、mは、パラメー
タとして登録された許容定数である。また、以下に算出
式を示す。
【0103】 〔It (rij)−m×It (rij)〕≦Sij≦ 〔It (rij)+m×It (rij)〕のとき、 ΔItij =0
【0104】 Sij>〔It (rij)+m×It (rij)〕のとき、 ΔItij =Sij−〔It (rij)+m×It (rij)〕
【0105】 Sij<〔It (rij)−m×It (rij)〕のとき、 ΔItij =Sij−〔It (rij)−m×It (rij)〕
【0106】例えば、x座標xi として、−x2 、−x
1 、0、x1 、x2 、また、y座標yj として、−
1 、0、y1 とした15個所の測定位置DP
ij(xi ,yj )について、ステップS23で測定され
た照度が図21(a)に示すような結果であり、ステッ
プS71〜74で特定された基準の照度分布It (r)
が図21(b)に示すような結果であったとする。この
とき、許容定数mが「0.1」で登録されていれば、基
準の照度分布It (r)の許容範囲は、図21(c)に
示すようになる。従って、各測定位置DPij(xi ,y
j )の実測データ(図21(a))と、基準の照度分布
t (r)の許容範囲(図21(c))とのズレ量を上
記ステップS75で説明したように算出すると、図21
(d)に示すようになる。例えば、測定位置DP
0 0 (0,0)では、実測データ(「10」)は、その
測定位置DP0 0 (0,0)の許容範囲(「9.9」〜
「10.1」)に収まっているので、ズレ量は「0」と
なり、また、測定位置DP2 -1(x2 ,−y1)では、
実測データ(「11.3」)は、その測定位置DP2 -1
(x2 ,−y1)の許容範囲(「9.198」〜「1
1.242」)の上限値(「11.242」)を越える
ので、ズレ量は「0.058」(実測データ「11.
3」−許容範囲の上限値「11.242」)となり、さ
らに、測定位置DP-2 0(−x2 ,0)では、実測デー
タ(「9.1」)は、その測定位置DP-2 0(−x2
0)の許容範囲(「9.18」〜「11.22」)の下
限値(「9.18」)未満であるので、ズレ量は「−
0.08」(実測データ「9.1」−許容範囲の下限値
「9.18」)となる。
【0107】図11のフローチャートに戻って、次に、
判定部103のズレ量判定部113によって、ステップ
S24で算出された、各測定位置DPij(xi ,yj
のズレ量ΔItij が、全て「0」であるか否かを判定す
る(ステップS25)。ズレ量ΔItij が全て「0」で
あれば、現在の光源61の位置において、全測定位置の
照度(露光領域RAの照度分布)が、基準の照度分布I
t (r)の許容範囲内に収まっているので、照度分布の
調整を終了するために、ステップS32の処理に進み、
1個でもズレ量ΔItij が「0」でなければ、現在の光
源61の位置では、露光領域RAの照度分布が、基準の
照度分布It (r)の許容範囲内に収まないので、光源
61の位置を調整するために、ステップS26の処理に
進む。
【0108】ステップS32では、終了処理部107
が、終了処理を実行する。この終了処理としては、ま
ず、光源シャッター67を閉じ、次に、上述したマスク
交換処理のマスクセッティング処理と同じ処理を実行し
て、マスク2をマスクホルダ21の所定位置に吸着保持
させる。これにより、露光処理を再開することができ
る。なお、このステップS32が終了すると、照度分布
調整処理が終了する。
【0109】また、ステップS26では、中止判定部1
04が、照度分布調整処理の中止を判定する。すなわ
ち、光源61の移動回数INが、パラメータとして登録
されている移動許容回数AN以下(IN≦AN)であれ
ば、以下のステップS27〜31の光源61の移動調整
の処理を実行し、一方、光源61の移動回数INが、移
動許容回数ANを越える(IN>AN)と、照度分布が
基準の照度分布I(r)の許容範囲に収束しないのもと
して、ステップS33の異常処理を実行した後、照度分
布調整処理が終了(中止)される。なお、この光源61
の移動回数INは、上述した初期処理(ステップS2
1)で「0」がセットされ、後述する光源61の移動を
行うステップS31においてカウントアップされる。
【0110】ステップS33の異常処理は、異常処理部
108が、例えば、ブザーを鳴動させる等して、露光領
域RAの照度分布が基準の照度分布I(r)の許容範囲
に収束しなかったことを作業者に知らせる。
【0111】次に、ステップS27〜S31の光源の移
動調整の処理を説明する。まず、移動量算出部105の
光源微小移動部114により、光源61を、ステップS
23、S24における光源61の位置から、パラメータ
として設定された微小移動量Δxs、Δysだけ、X、
Y方向に移動されるように、XYZステージ103を駆
動する(ステップS27)。
【0112】次に、移動量算出部105の照度分布測定
部111bによる照度分布測定処理を行い(ステップS
28)、移動量算出部105のズレ量算出部112bに
よるズレ量算出処理を行う(ステップS29)。なお、
これら照度分布測定処理と、ズレ量算出処理は、上述し
たステップS23、S24と同じであるので、ここでの
詳述は省略する。
【0113】このステップS27〜S29の処理では、
光源61が、上記ステップS23、S24における光源
61の位置から、微小移動量Δxs、Δysだけ、X、
Y方向に移動された状態における、各測定位置DP
ij(xi ,yj )のズレ量(これをΔItij ’とする)
を算出して、メモリ93に記憶する。
【0114】次に、移動量算出部105の移動方向・移
動量算出部115よる、光源61の移動方向・移動量算
出処理を行う(ステップS30)。この移動方向・移動
量算出処理の具体的な処理手順を図15を参照して説明
する。
【0115】まず、図11のフローチャートのステップ
S23、S24で求めたズレ量ΔItij と、測定位置D
ij(xi ,yj )のx、y座標とに基づき、光源61
が微小移動(微小移動量Δxs、Δysの移動)される
前の照度分布の重心位置(xg1,yg1)を算出する(ス
テップS81)。この算出式を以下に示す。
【0116】
【数1】
【0117】例えば、x座標として−4、−2、0、
2、4(xmax =4、xmin =−4)、また、y座標と
して−2、0、2(ymax =2、ymin =−2)とした
15個所の測定位置DPij(xi ,yj )のズレ量ΔI
tij が、図22(a)に示すような結果であった場合、
i =−2に対する全てのズレ量ΔItij (「−2」
(yj =−2)、「−1」(yj =0)、「0」(yj
=2))の合計ΔIxi は「−3」 となり、同じく、
i =−4に対するΔIxi は「0」 、xi =0に対
するΔIxi は「−1」、xi =2に対するΔIxi
「1」、xi =4に対するΔIxi は「0」 となる。
従って、重心位置のx座標xg1は、((−4)×0+
(−2)×(−3)+0×(−1)+2×1+4×0)
/(0+(−3)+(−1)+1+0)より、約「−
2.67」となる。また、同様にyj =−2に対する全
てのズレ量ΔItij (「0」(xi =−4)、「−2」
(xi =−2)、「−1」(xi =0)、「0」(xi
=2)、「0」(xi =4))の合計ΔIyj は「−
3」となり、同じく、yj =0に対するΔIyj は「−
1」、xj =2に対するΔIxj は「1」となる。従っ
て、重心位置のy座標yg1は、((−2)×(−3)+
0×(−1)+2×1)/((−3)+(−1)+1)
より、約「−2.67」となる。
【0118】次に、図11のフローチャートのステップ
S27〜S29で求めたズレ量ΔItij ’と、測定位置
DPij(xi ,yj )のx、y座標とに基づき、光源6
1が微小移動された後の照度分布の重心位置(xg2,y
g2)を算出する(ステップS82)。この重心位置(x
g2,yg2)は、ステップS81で使用した式(4)〜
(7)を用いて、ΔItij の代わりにΔItij ’を代入
することにより求める。
【0119】例えば、x座標として−4、−2、0、
2、4、また、y座標として−2、0、2とした15個
所の測定位置DPij(xi ,yj )のズレ量ΔI
tij が、図22(b)に示すような結果であった場合、
重心位置のx座標xg2は、((−4)×0+(−2)×
(−3.2)+0×(−1.1)+2×1.3+4×
0.1)/(0+(−3.2)+(−1.1)+1.3
+0.1)より、約「−3.24」となり、また、重心
位置のy座標yg2は、((−2)×(−3.1)+0×
(−1.1)+2×1.3)/((−3.1)+(−
1.1)+1.3)より、約「−3.03」となる。
【0120】そして、ステップS81で求められた重心
位置(xg1,yg1)と、ステップS82で求められた重
心位置(xg2,yg2)と、微小移動量Δxs、Δys
と、中心位置CP(測定座標系の原点(0,0))とに
基づき、以下の算出式で、光源61の移動すべき方向と
移動量(Δx、Δy、移動方向はΔx、Δyの符号で与
えられ、移動量は、|Δx|、|Δy|で与えられる)
とを算出する(ステップS83)。
【0121】 Δx=(Δxs(0−xg1))/(xg2−xg1) Δy=(Δys(0−yg1))/(yg2−yg1
【0122】すなわち、光源61の微小移動量(Δx
s、Δys)に対する、照度分布の重心位置の変動
((xg2−xg1)、(yg2−yg1))と、光源61を微
小移動させる前の状態の照度分布の重心位置を中心位置
CPに変動((0−xg1)、(0−yg1))させるとき
の光源61の移動方向・移動量(Δx、Δy)とは、以
下の式に示すような比例式で結べるので、この比例式を
変形することにより、上述の算出式が得られる。
【0123】 Δx:Δxs=(0−xg1):(xg2−xg1) Δy:Δys=(0−yg1):(yg2−yg1
【0124】光源61が微小移動される前の重心位置
(xg1,yg1)が例えば、(−2.67,−2.67)
(例えば、図22(a)の場合)、光源61が微小移動
された後の重心位置(xg2,yg2)が例えば、(−3.
24,−3.03)(例えば、図22(b)の場合)、
微小移動量(Δxs、Δys)が(「0.1」cm、
「0.1」cm)であった場合、Δxは、(0.1×(0
−(−2.67))/((−3.24)−(−2.6
7))より、約「−0.47」cmとなり、また、Δy
は、(0.1×(0−(−2.67))/((−3.0
3)−(−2.67))より、約「−0.74」cmとな
る。
【0125】図11のフローチャートに戻って、次に、
光源移動部107は、微小移動される前の状態から光源
61をΔx、Δyだけ移動させるようにXYZステージ
603を駆動し、光源61の移動回数INをカウントア
ップする(ステップS31)。なお、このステップS3
1により光源61が移動される際の光源61の位置は、
ステップS27により微小移動された後の位置であるの
で、ステップS31では、光源61を(Δx−Δx
s)、(Δy−Δys)だけ移動させればよいことにな
る。このように、照度分布の重心位置を中心位置CPに
一致させるように光源61を移動させることにより、照
度分布の調整を精度よく行うことができる。
【0126】光源61の移動が完了すると、再び、ステ
ップS23に戻り、光源61をΔx、Δyだけ移動した
後の状態で、露光領域RAの照度分布が基準の照度分布
の許容範囲内に収束したか否かを調べる。
【0127】このように自動で照度分布調整を行うよう
にしたことにより、光源61の交換の後の照度分布調整
を行うための専門の技術者が不要となり、誰でも簡単に
光源の交換作業を行うことが可能となる。また、照度分
布調整は自動で行われるので、人手(専門の技術者)が
行う場合に比べて、処理速度が速く、かつ、正確に行う
ことができる。
【0128】ここで、上述の実施例の測定例について説
明する。
【0129】(a) 露光領域RAの中心(測定座標系
の原点(0,0))と、その周辺4点の合計5点を測定
位置として照度分布の調整を行う。但し、周辺の4点
は、x、y軸に対称となる位置に決める。測定位置を上
記5点に決めて照度分布の調整を行うと、照度分布の調
整処理の時間の短縮が図れるという長所がある反面、全
露光領域RAにおいて、照度分布が許容範囲内に収まる
保証が低い、すなわち、全露光領域RAの照度分布内
に、基準の照度分布の許容範囲内に収まっていない領域
が生じ易く、照度分布にバラツキが生じる可能性が高い
という短所がある。従って、例えば、照度分布の許容範
囲が広い場合(例えば、露光線幅(露光すべき線幅)が
大きいときや感光材料のγ値が大きいとき等)や、露光
領域RAの面積が小さく、所望の照度分布が容易に得ら
れる場合、全露光領域RAにおいて、照度分布が許容範
囲内に収まる保証が低くても実用上問題ない場合に、こ
のような測定位置で照度分布の調整を行うと、処理時間
の短縮を図ることができる。
【0130】(b) 格子状の多点(例えば、50点以
上)を測定位置として照度分布の調整を行う。測定位置
をこのように多数にして照度分布の調整を行うと、上記
(a)の場合と逆に、全露光領域RAにおいて、照度分
布が許容範囲内に収まる保証が高いという長所がある反
面、照度分布の調整処理時間に長時間を要するという短
所がある。従って、例えば、照度分布の許容範囲が狭い
場合(例えば、露光線幅(露光すべき線幅)が小さいと
きや感光材料のγ値が小さいとき等)や、露光領域RA
の面積が大きく、所望の照度分布が容易に得られない場
合等、全露光領域RAにおいて、照度分布が許容範囲内
に収まる保証が高いことが望まれる場合に、このような
測定位置で照度分布の調整を行うのが好ましい。
【0131】なお、上述の実施例では、測定位置DPを
登録する際、全照度位置の座標を設定するように構成し
たが、例えば、図23に示すように、測定エリアの四隅
の位置(xL ,yU )、(xL ,yD )、(xR
U )、(xR ,yD )とx方向の測定点数xmとy方
向の測定点数ynとを設定して、格子状の測定位置を登
録するように構成してもよい。このように設定された場
合には、パラメータ登録処理制御部84は、設定された
測定エリアの四隅の位置とx方向の測定点数xmとy方
向の測定点数ynとに基づき、以下のようにして、全測
定位置の座標を求めればよい。すなわち、Y座標として
は、yD 、yD +((yU −yD )/(yn−1))、
D +2((yU −yD )/(yn−1))、…、yU
−((yU −yD )/(yn−1))、yU を採り、一
方、x座標としては、xL 、xL +((xR −xL )/
(xm−1))、xL +2((xR −xL )/(xm−
1))、…、xR −((xR −xL )/(xm−
1))、xR −2((xR −xL )/(xm−1))、
R を採るので、これらx、y座標の組合わせに係る座
標を測定位置とする。なお、このとき、中央付近の一点
(図では、(xL +3((xR−xL )/(xm−
1)),yD +2((yU −yD )/(yn−1)))
が測定座標系の原点(0,0)に一致するとともに、各
座標は、測定座標系の座標の整数倍、例えば、(xR
2((xR −xL )/(xm−1)),yU −((yU
−yD )/(yn−1)))が測定座標系の(2,2)
に一致するように測定エリアの四隅の位置とx方向の測
定点数xmとy方向の測定点数ynとを設定するのが好
ましい。また、図21(a)において、r1 は、√(x
1 2 +yr1 2 )、r2 は、√(xr2 2 +y
2 2 )であり、xr1 =〔xR −2((xR−xL
/(xm−1))〕×〔測定座標系の座標ピッチの実
長〕、yr1 =〔yU −((yU −yD )/(yn−
1))〕×〔測定座標系の座標ピッチの実長〕、xr2
=〔xR 〕×〔測定座標系の座標ピッチの実長〕、yr
2 =〔yL 〕×〔測定座標系の座標ピッチの実長〕で求
まる。
【0132】また、図24に示すように、測定エリアの
四隅の位置(xL ,yU )、(xL,yD )、(xR
U )、(xR ,yD )とx方向のピッチPxとy方向
のピッチPyとを設定して、格子状の測定位置を登録す
るように構成してもよい。この場合には、(yU
D )/Py=yn、(xR −xL )/Px=xm、と
して上記図23と同様に測定座標系の各座標を求めるこ
とができる。
【0133】さらに、例えば、半導体基板の露光を行う
場合のように露光領域RAが円形である場合にも、格子
状の座標を設定し、図25に示すように、その座標の
内、露光領域RA内に位置する座標のみを測定位置の座
標として採用するように処理すれば、測定座標を簡易に
設定することができる。
【0134】また、上述の実施例では、基準の照度分布
を測定データに基づいて特定し、特定した基準の照度分
布と測定された照度(実測データ)とのズレ量を算出す
るように構成したが、基準の照度分布を予め実験的に求
めておいて、その基準の照度分布と、実測データとのズ
レ量を算出するように構成してもよい。
【0135】さらに、上述の実施例では、ローダロボッ
ト32に照度センサ39を取り付け、アンローダロボッ
ト52でマスク2の交換を行わうように構成している
が、アンローダロボット52に照度センサ39を取り付
け、ローダロボット52でマスク2の交換を行わうよう
に構成してもよいし、ローダロボット32かアンローダ
ロボット52のいずれか一方に照度センサ39を取り付
けるとともに、マスク2の交換も行わわせるように構成
してもよい。
【0136】また、上述の実施例では、マスクホルダ2
1と露光ステージ41との間の平面で照度センサ39を
移動させ、マスク2をマスクホルダ21から取り出した
状態で照度分布を測定するように構成したが、例えば、
マスク2の上方の平面内で、照度センサ39を移動させ
て、照明光学系6から出射され、露光領域RAに照射さ
れる照明光束の照度分布を測定するようにしてもよい。
このように構成すれば、マスク2の取り出し処理を行う
必要がないので、処理手順を簡略化させることができ
る。また、マスクホルダ21にパターンが描画されてい
ないマスクをセッティングし、マスクホルダ21と露光
ステージ41との間の平面で照度センサ39を移動させ
て照度分布を測定するように構成してもよい。
【0137】さらに、上述の実施例では、ローダロボッ
ト32に1個の照度センサ39を取り付けて、各測定位
置に照度センサ39を順次位置付けて、照度分布を測定
するように構成したが、図26に示すように、全測定位
置に対応させて複数個の照度センサ39を配置した照度
センサユニット390を用いて露光領域RAの照度分布
を同時に測定するように構成してもよい。このとき、照
度センサユニット390をローダロボット32のアーム
37またはアンローダロボット52のアーム57または
露光ステージ41に支持させて、各照度センサ39と測
定位置とを位置合わせし、照度分布の測定を行えばよ
い。
【0138】また、上述の実施例では液晶表示器用ガラ
ス基板を露光する近接露光装置の照度分布調整を例に採
り説明したが、本発明に係る照度分布調整装置は、その
他の基板(例えば、半導体基板等)を露光する場合にも
同様に適用できるし、また、光源を交換するたびに光源
の位置を調整しながら照度分布の調整を行うその他の露
光装置(例えば投影露光装置等)にも同様に適用するこ
とができる。なお、例えば、ステッパーに適用する場合
には、基板を吸着保持してXY方向に移動させるXYス
テージに照度センサを取り付けることにより、照度セン
サを所定の測定位置に移動させることができる。
【0139】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、光源の位置の移動が必要か否かを判定し、光
源の位置の移動が必要である場合には必要な光源の移動
方向と移動量とを算出して、光源の位置を算出された移
動方向・移動量で移動させる処理を自動的に行うように
構成したので、光源の交換の後の照度分布調整を行うた
めの専門の技術者が不要となり、誰でも簡単に光源の交
換作業を行うことが可能となった。
【0140】また、照度分布調整は自動で行われるの
で、人手(専門の技術者)が行う場合に比べて、正確
に、かつ、処理速度が速く行うことができるので、光源
交換時のダウンタイムを少なくでき、生産性の向上を図
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る照度分布調整装置を備
えた近接露光装置の全体構成を示す正面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】(a):ローダロボットの構成を示す正面図で
ある。 (b):ローダロボットの構成を示す平面図である。
【図4】照度センサを露光領域の照度測定位置に位置合
わせした状態を示す図である。
【図5】照明光学系の光源の取り付け部を移動させる移
動機構の構成を示す図である。
【図6】近接露光装置の制御部の構成を示すブロック図
である。
【図7】制御部内の全体制御部の動作を示すフローチャ
ートである。
【図8】測定座標系を説明するための図である。
【図9】照度分布調整処理制御部の詳細構成を示すブロ
ック図である。
【図10】照度分布を露光処理時の光量分布の関係を説
明するための図である。
【図11】光量分布調整処理制御部による光量分布調整
処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】ピーキング処理部によるピーキング処理の手
順を示すフローチャートである。
【図13】照度分布測定部による照度分布測定処理の手
順を示すフローチャートである。
【図14】ズレ量算出部によるズレ量算出処理の手順を
示すフローチャートである。
【図15】移動方向・移動量算出部による移動方向・移
動量算出処理の手順を示すフローチャートである。
【図16】照度センサを露光領域の中心に移動させると
きのローダロボットのアームの伸長量の算出方法を説明
するための図である。
【図17】ピーキング処理の光源の移動状態を示す図で
ある。
【図18】最大照度となる光源の位置を特定する方法を
説明するための図である。
【図19】照度センサを測定位置に移動させるときのロ
ーダロボットのアームの回転方向、回転角度、アームの
伸長量の算出方法を説明するための図である。
【図20】基準の照度分布のrと座標との関係を示す図
である。
【図21】ズレ量算出の方法を説明するための図であ
る。
【図22】重心位置の算出の方法と、光源の移動方向・
移動量の算出の方法とを説明するための図である。
【図23】測定位置の設定方法の変形例を説明するため
の図である。
【図24】測定位置の設定方法の変形例を説明するため
の図である。
【図25】測定位置の設定方法の変形例を説明するため
の図である。
【図26】照度センサを多数備えた照度センサユニット
の外観を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 … 基板 2 … マスク 3 … 基板ローダ部 4 … 露光部 5 … 基板アンローダ部 6 … 照明光学系 32 … ローダロボット 39 … 照度センサ 61 … 光源 85 … 照度分布調整処理制御部 103 … 判定部 105 … 移動量算出部 106 … 光源移動部 111a、111b … 照度分布測定部 603 … XYZステージ RA … 露光領域 CP … 露光領域の中心

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交換可能な光源を含む照明光学系から出
    射される照明光によって、マスクに形成されたパターン
    を基板に塗布された感光材料に露光する露光装置に備え
    られ、前記照明光学系から出射され、前記基板の露光領
    域に照射されるべき照明光の照度分布を調整する照度分
    布調整装置であって、 前記照明光学系から出射され、前記露光領域に照射され
    る照明光の照度分布を測定する照度分布測定手段と、 前記照度分布測定手段で測定した照度分布と、基準の照
    度分布とに基づき、前記光源の位置の移動が必要か否か
    を判定する判定手段と、 前記判定手段で光源の位置の移動が必要であると判定さ
    れた場合、必要な光源の移動方向と移動量とを算出する
    移動量算出手段と、 前記移動量算出手段で算出された移動方向・移動量で、
    前記光源の位置を移動させる光源移動手段と、 を備えたことを特徴とする照度分布調整装置。
JP5350629A 1993-12-27 1993-12-27 照度分布調整装置 Pending JPH07201712A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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