JPH07201301A - 不純物注入装置及び不純物注入方法 - Google Patents

不純物注入装置及び不純物注入方法

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Publication number
JPH07201301A
JPH07201301A JP33617693A JP33617693A JPH07201301A JP H07201301 A JPH07201301 A JP H07201301A JP 33617693 A JP33617693 A JP 33617693A JP 33617693 A JP33617693 A JP 33617693A JP H07201301 A JPH07201301 A JP H07201301A
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JP
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ion beam
ion
impurity
neutral
sample
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JP33617693A
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Masao Sogawa
政雄 十川
Taketo Takahashi
武人 高橋
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Renesas Semiconductor Engineering Corp
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Renesas Semiconductor Engineering Corp
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 不純物注入対象の試料に悪影響を生じさせる
ことなく不純物を正確に注入することができる不純物注
入装置及び不純物注入方法を得る。 【構成】 イオンビーム16aの進行方向前方に設けら
れた中性化機構13は、加速管5により加速された後の
イオンビーム16aを進行方向を変更することなく中性
化する。中性化機構13の次段に設けられた偏向マグネ
ット14は、中性化機構13で中性化しなかったプラス
イオンビーム16dやマイナスイオンビーム16eを偏
向して、それぞれ多溝ファラデーカップ15a内及び多
溝ファラデーカップ15b内に入射させる。 【効果】 中性ビームの照射により、試料に形成された
絶縁物が帯電することがないため、試料に悪影響を生じ
させることなく不純物を正確に注入することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、半導体ウェーハに不
純物を注入するイオン注入装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図3は従来のイオン注入装置の構成を示
す模式図である。同図において、1は各種プラブマイオ
ンを生成するイオン源であり、2はイオンの源となる材
料ガスをガス配管3を介して供給するガスボックスであ
る。
【0003】イオン源1は、例えば、ガスボックス2よ
りガス配管3を通して供給されたガスをイオン化しプラ
スのイオンとする。このイオンは図示しない引き出し電
極によって引き出され、イオンビーム16として次段の
分析マグネット4内に入る。
【0004】分析マグネット4は、イオンビーム16を
質量分析し、注入に必要とされる質量のイオンビーム1
6aのみ通過させ、必要以上に重いイオンビーム16b
と、必要以上に軽いイオンビーム16cとを取り除く。
【0005】分析マグネット4を通過したイオンビーム
16aは加速管5に入り、加速管5により、所定の侵入
深さに応じたエネルギーになるように加速される。加速
されたイオンビーム16aは、ディスク9上に配置され
た半導体ウェーハ10に入射される。
【0006】半導体ウェーハ10は、イオンビーム16
aに対し垂直方向を位置するように設置されたディスク
9上に、複数個(図中2個示す)、円状に配置され、こ
のディスク9はモータ12により高速回転し、スキャン
用モータ(図示せず)にて、走査される。
【0007】このため、イオンビーム16aが半導体ウ
ェーハ10に照射されるウェーハ照射期間と、例えばウ
ェーハ交換時のようにウェーハ非照射期間とがある。フ
ァラデーカップ6は、ウェーハ非照射期間において、図
3に示すように、イオンビーム16aを直接取り込む位
置に配置されイオンビーム16aのビーム電流を測定
し、ウェーハ照射期間においてはイオンビーム16aの
通過を妨害しない位置に配置される。
【0008】カレントインテグレーター7は、ファラデ
ーカップ6を介してビーム電流を計測し、走査コントロ
ーラ8に制御信号を送る。走査コントローラ8はこの制
御信号に基づきスキャン用モータ(図示せず)に指令を
与え、ディスク9上の複数の半導体ウェーハ10に均一
にイオンビーム16aが照射されるようにウェーハ走査
スピードを制御する。
【0009】図4は、従来のプラズマイオンによるチャ
ージを模式的に示す断面図である。同図に示すように、
半導体ウェーハ10は、シリコン基板21、酸化膜22
及びレジスト23で構成され、不純物を注入する箇所の
シリコン基板21の表面が露出していたり、薄い膜、例
えば酸化膜が付いていたりする。
【0010】前述したように、ディスク9上に配置され
た複数の半導体ウェーハ10は機械的に高速回転し、走
査されるので、結果的には、イオンビーム16aが半導
体ウェーハ10上全体を走査することになる。
【0011】したがって、半導体ウェーハ10が図4で
示すような構成の場合、レジスト23が形成されている
箇所では、レジスト23にイオンビーム16aが照射さ
れ、レジスト23が形成されていない開孔部では、シリ
コン基板21の不純物注入層24にイオンビーム16a
が照射される。
【0012】不純物注入層24に注入されたイオンビー
ム16a中のプラスイオン18は、電荷が図示しないG
ND領域等から抜けるため、速やかに中性化され中性イ
オン19に変化する。なお、本明細書中において、イオ
ンが中性化されたものを「中性イオン」と称する。
【0013】一方、レジスト23あるいはシリコン基板
21の表面に形成される酸化膜22等の絶縁物は、イオ
ンビーム16a中のプラスイオン18が注入されるにつ
れ、注入されたイオンの数だけ電荷がたまり帯電する。
レジスト23等の半導体ウェーハ10の表面の一部が帯
電すると、イオンビーム16aが偏向され形状が歪み均
一性が悪くなってしまうため、精度良く不純物の注入を
行うことができないという問題点があった。
【0014】加えて、シリコン基板21の表面に形成さ
れる酸化膜等の膜厚の薄い絶縁物が放電により静電破壊
されてしまうという問題点があった。この問題点は、半
導体ウェーハ10上に形成される半導体素子の微細化が
進むにつれ、絶縁物も微細化されるため顕著になる。
【0015】上記した半導体ウェーハ10のプラス帯電
による悪影響を回避すべく、エレクトロンシャワー部1
1より電子20を照射して半導体ウェーハ10のプラス
帯電を緩和する。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】従来のイオン注入装置
等の不純物注入装置は以上のように構成されており、半
導体ウェーハ10上に形成される半導体素子の微細化
や、イオンビームのビーム電流量の増大に伴い、半導体
ウェーハ10の表面の絶縁物に電荷がチャージされる
と、ビームの均一性の悪化による不純物注入精度の悪化
や、絶縁物自体が静電破壊されてしまう等の悪影響が生
じる。
【0017】上記悪影響を抑制するためには、ビーム電
流量の抑制、あるいはエレクトロンシャワー部11によ
る電子シャワーの供給が必要となる。しかしながら、前
者はビーム電流量を増大する傾向にある昨今においては
実現性が乏しく、後者は常に正確にイオンを中和できる
ように電子シャワーの供給を制御するのが困難であり、
例えば、電子の供給が必要以上に多いとマイナスにチャ
ージされていまうという不具合が生じてしまう。
【0018】この発明は上記問題点を解決するためにな
されたもので、ビーム電流量が増大し、不純物注入対象
の試料上に形成される絶縁物が微細化しても、絶縁物の
静電破壊等の悪影響を生じさせることなく不純物を正確
に試料に注入することができる不純物注入装置及び不純
物注入方法を得ることを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】この発明にかかる請求項
1記載の不純物注入装置は、不純物イオンを打ち込むべ
き試料を搭載した試料搭載手段と、イオンを生成するイ
オン生成手段と、前記イオン生成手段で生成されたイオ
ンビームを加速するイオン加速手段と、加速された前記
イオンビームを中性化し中性ビームに変換するイオン中
性化手段とを備えて構成される。
【0020】前記イオン中性化手段の第1の態様とし
て、請求項2記載の不純物注入装置のように、前記イオ
ンビームが内部を通過可能な位置に配置され、前記内部
に前電荷変換効率が前記不純物より高い気体状態の物質
を収納した高電荷変換効率物質収納体を備えてもよい。
【0021】前記イオン中性化手段の第2の態様とし
て、請求項3記載の不純物注入装置のように、前記イオ
ンビームは正の電位をもつイオンビームである場合、各
々が前記イオンビームの進行方向の周囲に配置され、前
記イオンビームに向けて熱電子を供給する複数の熱電子
供給手段を備えてもよい。
【0022】前記イオン中性化手段の第3の態様とし
て、請求項4記載の不純物注入装置のように、前記イオ
ンビームが内部を通過可能な位置に配置され、前記内部
に低真空状態の空間を有する低真空空間収納体を備えて
もよい。
【0023】望ましくは、請求項5記載の不純物注入装
置のように、前記イオン中性化手段で中性化されなかっ
たイオンビームを偏向するイオンビーム偏向手段をさら
に備えてもよい。
【0024】望ましくは、請求項6記載の不純物注入装
置のように、前記試料搭載手段は、前記中性ビームに対
し前記試料を垂直方向に移動する移動機構を有し、前記
イオン生成手段で生成されたイオンビームを測定する第
1のイオンビーム電流測定手段と、前記イオンビーム偏
向手段で偏向されたイオンビーム電流を測定する第2の
イオンビーム電流測定手段と、前記第1及び第2のビー
ム電流測定手段それぞれで測定されるイオンビーム電流
値に基づき、前記中性ビームのビーム電流である中性ビ
ーム電流を求め、該中性ビーム電流に基づき、前記試料
搭載手段の前記移動機構を制御する制御手段とをさらに
備えてもよい。
【0025】この発明にかかる請求項7記載の不純物注
入方法は、請求項1記載の不純物注入装置を用い前記中
性ビームを照射して、不純物注入対象の試料に不純物を
注入する。
【0026】
【作用】この発明における請求項1ないし請求項6記載
の不純物注入装置のイオン中性化手段は、加速されたイ
オンビームを中性化し中性ビームに変換するため、試料
に形成されたレジスト等の絶縁物が帯電することはな
い。
【0027】イオン中性化手段の第1の態様として、請
求項2記載の不純物注入装置のように、イオンビームが
内部を通過可能な位置に配置され、内部に前電荷変換効
率が不純物より高い気体状態の高電荷変換効率物質を収
納した高電荷変換効率物質収納体を備えることにより、
高電荷変換効率物質をイオン化し、イオンビーム中のイ
オンを中性化することができる。
【0028】イオン中性化手段の第2の態様として、請
求項3記載の不純物注入装置のように、イオンビームは
正の電位をもつイオンビームである場合、各々がイオン
ビームの進行方向の周囲に配置され、イオンビームに向
けて熱電子を供給する複数の熱電子供給手段を備えるこ
とにより、熱電子の供給によりイオンビーム中の正イオ
ンを中性化することができる。
【0029】イオン中性化手段の第3の態様として、請
求項4記載の不純物注入装置のように、イオンビームが
内部を通過可能な位置に配置され、内部に低真空状態の
空間を有する低真空空間収納体を備えることにより、低
真空空間中の原子と衝突させてイオンビーム中のイオン
を中性化することができる。
【0030】
【実施例】図1はこの発明の一実施例であるイオン注入
装置の構成を示す説明図である。なお、符号1〜5の構
成及び動作については、図3で示した従来例と同様であ
るため、説明は省略する。
【0031】同図に示すように、イオンビーム16aの
進行方向において、加速管5の前方にファラデーカップ
6が設けられ、その前方に中性化機構13が設けられ
る。
【0032】加速管5により加速された直後のイオンビ
ーム16aは中性化機構13中を通過する。そして、イ
オンビーム16aは、中性化機構13の通過中に、進行
方向が変更されることなく中性化されて中性ビーム17
に変換される。
【0033】図5は中性化機構13の第1の構成例を示
す説明図である。第1の構成例は、電荷変換効率の高い
物質であるMgの雰囲気中にイオンビーム16aを通過
させて中性化する手法を用いている。なお、ここでいう
電荷変換効率が高いとは、最低限、イオンビーム16a
中のイオン化されたB(ボロン)等の不純物より、電荷
変換効率が高いことを意味する。
【0034】図5に示すように、内部をイオンビーム1
6aが通過可能な位置に円筒体30を配置し、円筒体3
0の内部に固体のMgを入れておき、円筒体30の底部
外周に設けられたヒーター31により、円筒体30内部
のMgを400℃位にあたためることにより、Mgを気
化し円筒体30の内部をMg雰囲気化している。
【0035】そして、イオンビーム16aを、図中の左
側の入射口3から通過させて円筒体30の内部に入射さ
せると、円筒体30の内部において、Mgがイオン化
し、反対にイオンビーム16aはMgから電子をもらっ
て中性化するという、電子の授受が行なわれ、その結
果、イオンビーム16a中のイオン、例えばB+ は中性
化されBとなり、最終的に中性ビーム17として図中右
側の出射口33から出射される。しかしながら、電子を
多く受け取りB- となる物も一部発生する。
【0036】図6は、中性化機構13の第2の構成例を
示す説明図である。第2の構成例は、イオンビーム16
aの外周より強制的に電子を供給し、イオンを中性化す
る手法を用いている。
【0037】図6に示すように、各々が開口部を有し内
部にフィラメント29を備えた4個の電子供給ボックス
28が、イオンビーム16aの通過経路の一部において
その開口部がイオンビーム16aの回りを囲むように上
下左右にそれぞれ配置されている。そして、各電子供給
ボックス28のフィラメント29に電流を流すことによ
り、フィラメント29から供給される熱電子が、電子供
給ボックス28の開口部から正の電位をもつイオンビー
ム16aに向けて照射されることにより、イオンビーム
16a中のB+ 等のイオンを中性化する。なお、4個の
電子供給ボックス28が、イオンビーム16aの通過経
路の回りを囲むように上下左右にそれぞれ配置されてい
るため、熱電子が関係のない方向に照射されることはな
い。
【0038】なお、図6の構成では、電子供給ボックス
28の個数が4個になっているが、電子供給ボックス2
8の数を増やして円筒形に近づけたほうが前述した中性
化効果が大きくなり、また、各電子供給ボックス28内
に備えるフィラメント29の数を増やしても中性化効果
が増す。
【0039】また、電子供給ボックス28内部でプラズ
マ(Ar(アルゴン)ガス等を使用する)を発生させる
ことにより、電子をイオンビーム16aに供給すること
もできる。なお、第2の構成例も第1の構成例同様、電
子の供給が多すぎると、マイナスとなるイオンも発生す
る。
【0040】図7は、中性化機構13の第3の構成例を
示す説明図である。第3の構成例は、イオンビーム16
aの輸送途上の一部において例えばAr(アルゴン)ガ
スを流し真空状態を少し悪化させた局所的な低真空空間
を作り、イオンを低真空空間のAr等の原子と衝突させ
ることにより、イオンを中性化させる手法を用いてい
る。
【0041】図7に示すように、内部をイオンビーム1
6aが通過可能な位置に円筒体34を配置し、円筒体3
4の上部の導入口37より所定の流量に制御されたAr
を均一良く導入し、円筒体34の内部の真空値を少し悪
くした低真空状態に設定している。
【0042】そして、低真空状態の円筒体34の内部に
イオンビーム16aを入射口35から円筒体30の内部
に入射させると、イオンビーム16a中のイオンが低真
空状態の空間の原子と衝突することにより中性化され、
中性ビーム17として出射口36より出射される。
【0043】図1に戻って、中性化機構13の次段に
は、イオンビーム偏向用の偏向マグネット14が配置さ
れ、さらに偏向マグネット14の次段には、イオンビー
ム測定用の多溝ファラデーカップ15a及び15bが設
けられる。
【0044】中性化機構13で中性化された中性ビーム
17は偏向マグネット14間を偏向されることなく通過
し、ディスク9上の半導体ウェーハ10に向けて照射さ
れる。
【0045】一方、中性化機構13で中性化されなかっ
たプラスイオンビーム16dやマイナスに変換されてし
まったマイナスイオンビーム16eは、次段の偏向マグ
ネット14を通過する際に偏向され、プラスイオンビー
ム16dは多溝ファラデーカップ15a内に入射され、
マイナスイオンビーム16eは多溝ファラデーカップ1
5b内に入射される。したがって、これらのイオンビー
ム16d及び16eが半導体ウェーハ10に向けて照射
されることはない。
【0046】多溝ファラデーカップ15a及び15b
は、カレントインテグレーター7に接続されており、カ
レントインテグレーター7は走査コントローラ8に接続
される。
【0047】多溝ファラデーカップ15a及び15b
は、それぞれ偏向マグネット14で偏向されたプラスイ
オンビーム16d及びマイナスイオンビーム16eをイ
オン価で分類してビーム電流を計測し、計測結果をカレ
ントインテグレーター7に付与する。
【0048】半導体ウェーハ10は、中性ビーム17に
対し垂直方向を位置するように設置されたディスク9上
に、複数個(図中2個示す)、円状に配置され、このデ
ィスク9はモータ12により高速回転し、スキャン用モ
ータで走査される。
【0049】このため、中性ビーム17が半導体ウェー
ハ10に照射されるウェーハ照射期間と半導体ウェーハ
が中性ビームの外へ出るオーバースキャン時のウェーハ
非照射期間とが交互に現れる。ファラデーカップ6は、
ウェーハ非照射期間においては、図1に示すように、加
速管5で加速された直後のイオンビーム16aを直接取
り込む位置に配置され、中性化機構13を通過する前の
イオンビーム16aのビーム電流をモニタし、ウェーハ
照射期間はイオンビーム16aの通過を妨害しない位置
に配置される。なお、オーバースキャンは、半導体ウェ
ーハ面内の均一性を良くするために行われるので、ビー
ム計測のためのオーバースキャンを余分に取っている。
【0050】カレントインテグレーター7は、ファラデ
ーカップ6で計測した第1のビーム電流と、多溝ファラ
デーカップ15a及び15bで計測した第2のビーム電
流とから、中性ビーム17のビーム電流を算出し、中性
ビーム17のビーム電流量に基づく制御信号を走査コン
トローラ8に送る。
【0051】走査コントローラ8はこの制御信号に基づ
きスキャン用モータ(図示せず)に指令を与え、ディス
ク9上の複数の半導体ウェーハ10に均一に中性ビーム
17が照射されるように制御する。
【0052】また、従来同様、エレクトロンシャワー部
11を備え、仮に二次電子の放出により、半導体ウェー
ハ10がプラスに帯電された場合でもこのエレクトロン
シャワー部11より電子20を照射して半導体ウェーハ
10のプラス帯電を緩和することができる。
【0053】図2は、本実施例のイオン注入装置による
効果を説明する断面図である。同図に示すように、半導
体ウェーハ10は、シリコン基板21、酸化膜22及び
レジスト23で構成され、不純物を注入する箇所のシリ
コン基板21の表面が露出していたり、例えば薄い酸化
膜が付いていたりする。
【0054】ディスク9上の半導体ウェーハ10は高速
回転しながら機械的に走査されるので、結果的には、中
性ビーム17が半導体ウェーハ10上全体を走査するこ
とになる。
【0055】したがって、半導体ウェーハ10が図2で
示すような構成の場合、レジスト23が形成されている
箇所では、レジスト23に中性ビーム17が照射され、
レジスト23が形成されていない開孔部では、シリコン
基板21の不純物注入層24に中性ビーム17が照射さ
れる。
【0056】レジスト23及び酸化膜等の絶縁物は、中
性ビーム17中の中性イオン19が注入されても帯電す
ることはない。したがって、中性ビーム17の均一性が
悪くなることがないのはもちろん、半導体ウェーハ10
上の絶縁物に静電破壊が発生することもない。つまり、
本実施例のイオン注入装置を用いて不純物の注入を行え
ば、試料を帯電させることなく、不純物を正確に試料に
注入することができる。また、二次電子の放出により、
プラスに帯電したとしても、少量の電子を供給すること
で容易に中性化することができる。
【0057】以下、上記した中性ビーム17を半導体ウ
ェーハ10に照射する利点についてさらに詳述する。
【0058】半導体ウェーハ10に供給されるイオンの
数をN(個)とすると、ウェーハ上に溜まる電荷量はq
N(qは電気素量:1.6×10-19 c)。またイオン
が入射した領域からは、2次電子と、2次イオンが放出
される。2次電子放出により出て行く電荷量は2次電子
数をDとすると、−(−qD)=qDとなり、一方、2
次イオン放出により出て行く電荷量は、2次イオン数を
Mとすると−(qM)となる。
【0059】したがって、供給されるイオン数をN、出
て行く2次電子数をD、出て行く2次イオンの数をMと
すると、ウェーハ上に溜まる電荷量Q1は、 Q1=qN−{(−qD)+qM} =q(N+D−M) となる。
【0060】ここで、供給されるイオンの数と放出され
る2次電子と2次イオンの和は等しいので、下式の関係
が成立する。
【0061】N=D+M 一方、中性ビーム17による中性イオンの場合はウェー
ハに溜まる電荷量Q2は、qN=0より、下式のように
なる。
【0062】 Q2=−{(−qD)+qM}=q(D−M) ここで、中性ビーム17を照射した場合、以下の条件が
成立する。 a.放出成分は2次電子,2次イオンが主体である b.放出した2次電子の一部は帯電したウェーハ上に戻
る c.N=D+Mである 一般に固体に1次イオンや中性イオン(中性元素)が入
射した際に放出される2次電荷量は、上記a〜cの条件
から、 qN>>q(D−M) となり、その結果、 Q1>>Q2 が成立する。
【0063】このことから中性ビーム17を用いれば、
イオンビーム16を用いた時よりもウェーハに溜まる電
荷量は非常に少なくなり、少量の電子を供給するだけで
容易に帯電を中和することができる効果がある。さらに
帯電量が少ないので電子を供給しなくても均一性良く中
性ビーム17を注入でき、静電気破壊を防止することが
できる範囲が広がる。
【0064】また、中性化機構13で中性化されなかっ
たプラスイオンビーム16d及びマイナスイオンビーム
16eは偏向マグネット14により偏向されるため、確
実に中性ビーム17のみを半導体ウェーハ10に注入す
ることができる。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の請求項
1ないし請求項6記載の不純物注入装置のイオン中性化
手段により、加速されたイオンビームが中性化され中性
ビームに変換されるため、不純物注入対象の試料に形成
されたレジスト等の絶縁物が帯電することはない。ま
た、仮にプラスに帯電したとしても、帯電量が少ないの
で少量の電子の供給で容易に中和できる。
【0066】その結果、試料上に形成される絶縁物が微
細化しても、試料上の絶縁物が帯電することによる静電
破壊等の悪影響を生じさせることなく試料に不純物を正
確に注入することができる したがって、請求項7記載の不純物注入方法を用いて中
性ビームを照射すれば、不純物注入対象の試料を帯電さ
せることなく試料に不純物を正確に注入することができ
る。
【0067】また、請求項5記載の不純物注入装置のイ
オンビーム偏向手段は、イオン中性化手段で中性化され
なかったイオンビームを偏向するため、確実に試料に中
性ビームのみ照射することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例であるイオン注入装置の構
成を示す説明図である。
【図2】図1のイオン注入装置の効果を示す断面図であ
る。
【図3】従来のイオン注入装置の構成を示す説明図であ
る。
【図4】図3のイオン注入装置の問題点を指摘した断面
図である。
【図5】中性化機構の第1の構成例を示す説明図であ
る。
【図6】中性化機構の第2の構成例を示す説明図であ
る。
【図7】中性化機構の第3の構成例を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
6 ファラデーカップ 7 カレントインテグレーター 8 走査コントローラ 13 中性化機構 14 偏向マグネット 15a,15b 多溝ファラデーカップ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年5月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】そして、イオンビーム16aを、図中の左
側の入射口32から通過させて円筒体30の内部に入射
させると、円筒体30の内部において、Mgがイオン化
し、反対にイオンビーム16aはMgから電子をもらっ
て中性化するという、電子の授受が行なわれ、その結
果、イオンビーム16a中のイオン、例えばB+ は中性
化されBとなり、最終的に中性ビーム17として図中右
側の出射口33から出射される。しかしながら、電子を
多く受け取りB- となる物も一部発生する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】そして、低真空状態の円筒体34の内部に
イオンビーム16aを入射口35から円筒体34の内部
に入射させると、イオンビーム16a中のイオンが低真
空状態の空間の原子と衝突することにより中性化され、
中性ビーム17として出射口36より出射される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正内容】
【0049】このため、中性ビーム17が半導体ウェー
ハ10に照射されるウェーハ照射期間と半導体ウェーハ
が中性ビームの外へ出るオーバースキャン時のウェーハ
非照射期間とが交互に現れる。ファラデーカップ6は、
オーバースキャン時の中性ビームのウェーハ非照射期間
においては、図1に示すように、加速管5で加速された
直後のイオンビーム16aを直接取り込む位置に配置さ
れ、中性化機構13を通過する前のイオンビーム16a
のビーム電流をモニタし、中性ビームのウェーハ照射期
間はイオンビーム16aの通過を妨害しない位置に配置
される。なお、オーバースキャンは、半導体ウェーハ面
内の均一性を良くするために行われるので、ビーム計測
のためのオーバースキャンを余分に取っている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正内容】
【0060】ここで、供給されるイオンの数と放出され
る2次電子と2次イオンの数において、下式の関係が成
立する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正内容】
【0061】ND+M 一方、中性ビーム17による中性イオンの場合はウェー
ハに溜まる電荷量Q2は、qN=0より、下式のように
なる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0062
【補正方法】変更
【補正内容】
【0062】 Q2=−{(−qD)+qM}=q(D−M) ここで、中性ビーム17を照射した場合、以下の条件が
成立する。 a.放出成分は2次電子,2次イオンが主体である b.放出した2次電子の一部は帯電したウェーハ上に戻
る c.ND+Mである 一般に固体に1次イオンや中性イオン(中性元素)が入
射した際に放出される2次電荷量は、上記a〜cの条件
から、 qN>>q(D−M) となり、その結果、 Q1>>Q2 が成立する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0063
【補正方法】変更
【補正内容】
【0063】このことから中性ビーム17を用いれば、
イオンビーム16を用いた時よりもウェーハに溜まる電
荷量は非常に少なくなり、少量の電子を供給するだけで
容易に帯電を中和することができる効果がある。さらに
帯電量が少ないので電子を供給しなくても均一性良く中
性ビーム17を注入でき、静電破壊を防止することがで
きる範囲が広がる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0066
【補正方法】変更
【補正内容】
【0066】その結果、試料上に形成される絶縁物が微
細化しても、試料上の絶縁物が帯電することによる静電
破壊等の悪影響を生じさせることなく試料に不純物を正
確に注入することができる したがって、請求項7記載の不純物注入方法を用いて中
性ビームを照射すれば、不純物注入対象の試料を帯電さ
せることなく試料に不純物を正確に注入することができ
る。また、前記中性ビームは、電気的に中性であるた
め、互いに反発する事がなく、ビームの発散が起こらな
い。したがって、ビームの広がりによる減少がなくな
り、ビーム電流の計測が正確に行える。中性ビームの注
入電流量は、イオン加速手段で加速されたイオンビーム
から、中性化されなかったイオンビームを差し引いた量
となるため、注入されるイオン数、つまり、ドーズカウ
ントが正確に行える。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 武人 兵庫県伊丹市瑞原4丁目1番地 三菱電機 株式会社エル・エス・アイ研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不純物イオンを打ち込むべき試料を搭載
    した試料搭載手段と、 イオンを生成するイオン生成手段と、 前記イオン生成手段で生成されたイオンビームを加速す
    るイオン加速手段と、 加速された前記イオンビームを中性化し中性ビームに変
    換するイオン中性化手段とを備えた不純物注入装置。
  2. 【請求項2】 前記イオン中性化手段は、前記イオンビ
    ームが内部を通過可能な位置に配置され、前記内部に前
    電荷変換効率が前記不純物より高い気体状態の物質を収
    納した高電荷変換効率物質収納体を備える請求項1記載
    の不純物注入装置。
  3. 【請求項3】 前記イオンビームは正の電位をもつイオ
    ンビームであり、 前記イオン中性化手段は、各々が前記イオンビームの進
    行方向の周囲に配置され、前記イオンビームに向けて熱
    電子を供給する複数の熱電子供給手段を備える請求項1
    記載の不純物注入装置。
  4. 【請求項4】 前記イオン中性化手段は、前記イオンビ
    ームが内部を通過可能な位置に配置され、前記内部に低
    真空状態の空間を有する低真空空間収納体を備える請求
    項1記載の不純物注入装置。
  5. 【請求項5】 前記イオン中性化手段で中性化されなか
    ったイオンビームを偏向するイオンビーム偏向手段をさ
    らに備える請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記
    載の不純物注入装置。
  6. 【請求項6】 前記試料搭載手段は、前記中性ビームに
    対し前記試料を垂直方向に移動する移動機構を有し、 前記イオン生成手段で生成されたイオンビームを測定す
    る第1のイオンビーム電流測定手段と、 前記イオンビーム偏向手段で偏向されたイオンビーム電
    流を測定する第2のイオンビーム電流測定手段と、 前記第1及び第2のビーム電流測定手段それぞれで測定
    されるイオンビーム電流値に基づき、前記中性ビームの
    ビーム電流である中性ビーム電流を求め、該中性ビーム
    電流に基づき、前記試料搭載手段の前記移動機構を制御
    する制御手段とをさらに備える請求項5記載の不純物注
    入装置。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の不純物注入装置を用い前
    記中性ビームを照射して、不純物注入対象の試料に不純
    物を注入する不純物注入方法。
JP33617693A 1993-12-28 1993-12-28 不純物注入装置及び不純物注入方法 Pending JPH07201301A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11144671A (ja) * 1997-11-06 1999-05-28 Hitachi Ltd イオン注入装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH11144671A (ja) * 1997-11-06 1999-05-28 Hitachi Ltd イオン注入装置

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