JPH07201277A - 電子放出素子及びそれを用いた画像形成装置の製造方法 - Google Patents

電子放出素子及びそれを用いた画像形成装置の製造方法

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JPH07201277A
JPH07201277A JP34913493A JP34913493A JPH07201277A JP H07201277 A JPH07201277 A JP H07201277A JP 34913493 A JP34913493 A JP 34913493A JP 34913493 A JP34913493 A JP 34913493A JP H07201277 A JPH07201277 A JP H07201277A
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electron
thin film
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image
electron emission
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Ryoji Fujiwara
良治 藤原
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2201/00Electrodes common to discharge tubes
    • H01J2201/30Cold cathodes
    • H01J2201/316Cold cathodes having an electric field parallel to the surface thereof, e.g. thin film cathodes
    • H01J2201/3165Surface conduction emission type cathodes

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  • Cold Cathode And The Manufacture (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 画像形成装置等の電子源に用いられる電子放
出素子の製造方法を提供する。 【構成】 対向する電極5,6間に跨がる電子放出部を
含む薄膜4を有する電子放出素子の製造方法において、
その製造工程が、電子放出部形成用薄膜を形成する工程
と、電極を形成する工程と、電子放出部形成用薄膜に電
子放出部3を形成する工程を含み、電子放出部形成用薄
膜を形成する工程が、有機金属薄膜を形成する工程と、
有機金属薄膜を真空雰囲気中で熱処理して金属微粒子膜
を形成する工程を有することを特徴とする。 【効果】 素子の電子放出特性の再現性が確保される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子放出素子及びそれ
を電子源として用いた表示装置等の画像形成装置に関わ
り、特に表面伝導型電子放出素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子放出素子として熱電子源と冷
陰極電子源の2種類が知られている。冷陰極電子源には
電界放出型、金属/絶縁層/金属型や表面伝導型電子放
出素子(以下SCEと記す)等が有る。
【0003】SCEは基板上に形成された小面積の薄膜
に、膜面に平行に電流を流すことにより、電子放出が生
ずる現象を利用するものである。その典型的な構成とし
ては、絶縁性基板上に1対の素子電極を設け、該電極を
連絡するように金属酸化物等の薄膜(以下、「電子放出
部形成用薄膜」という。)を成膜し、該薄膜を予めフォ
ーミングと呼ばれる通電処理により局所的に破壊して電
子放出部を形成したもので、フォーミング前後の薄膜は
基本的に微粒子膜より形成されている。以下、フォーミ
ングにより形成した電子放出部を含む電子放出部形成用
薄膜を、電子放出部を含む薄膜と呼ぶ。
【0004】このSCEはある電圧(閾値電圧)以上の
素子電圧を印加することにより急激に放出電流が増加
し、一方、上記閾値電圧未満では放出電流がほとんど検
出されない非線形素子である。SCEの放出電流は素子
電圧で制御でき、放出電荷は素子電圧の印加時間により
制御できる。さらに、このSCEを複数個配置してなる
電子源と、該電子源より放出された電子によって可視光
を発光せしめる蛍光体とを組み合わせることにより種々
の表示装置が構成されるが、大画面の装置でも比較的容
易に製造でき、且つ表示品位に優れた自発光型表示装置
であるため、CRTに替わる画像形成装置として期待さ
れている。
【0005】上記電子放出部形成用薄膜の材料として
は、金属酸化物に限らず金属やカーボンをはじめとし、
多くの物が使用可能である。これらのうち、金属酸化物
を用いる場合の製造方法として、有機金属薄膜を形成
後、大気中で加熱焼成し金属酸化物膜を形成する方法
が、他の薄膜形成技術と比較して、生産技術の利点が大
きい事などから、研究が進められている。
【0006】上記従来の電子放出素子の基本構成図を図
11に示す。尚、図11(a)は平面図、図11(b)
は断面図であり、図中、1は絶縁性基板、5と6は電極
(素子電極)、3は電子放出部、4は電子放出部を含む
薄膜である。以下に、従来用いられてきた電子放出素子
の製造方法について図12の製造工程図に基づいて概説
する。尚、以下の工程a〜kは同図の(a)〜(k)に
対応する。
【0007】工程a: 絶縁性基板1上に素子電極5,
6を形成する。
【0008】工程b: この上にCrなどの膜を全面に
成膜する。
【0009】工程c: この上にレジストを塗布する。
【0010】工程d: 電子放出部形成用薄膜のパター
ンを持つフォトマスクを用いて露光する。
【0011】工程e: 上記レジストを現像する。
【0012】工程f: 酸エッチャントによりレジスト
のない部分のCrをエッチングして除去する。
【0013】工程g: 有機溶剤を用いてレジストを取
り除く。
【0014】工程h: 有機金属溶液をスピンナー等の
方法により塗布し有機金属薄膜7を形成する。
【0015】工程i: 300℃の炉内で10分間程度
の加熱焼成処理をし有機金属薄膜7を金属酸化物とす
る。
【0016】工程j: 残ったCr膜をリフトオフして
所望のパターンの電子放出部形成用薄膜2を形成する。
【0017】工程k: 前記フォーミングにより電子放
出部3を形成する。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の製造方法においては、次のような問題が有った。
【0019】(1)金属酸化物の微粒子からなる電子放
出部形成用薄膜2は、基板との密着性が悪いため、素子
電極を形成した後に該素子電極上に形成せざるをえず、
素子設計上の自由度が制限される。
【0020】(2)上記の構成をとった場合、素子の電
子放出特性は素子電極端の変形等を含む電極形状の影響
を受けやすく、素子特性の再現性がとりにくい。このた
め、複数の電子放出素子を高精細な表示装置等の電子源
として用いる場合には、各素子の電子放出量のばらつ
き、ひいては表示画像の輝度のばらつきといった問題が
生じ易い。
【0021】従って本発明の目的とするところは、電子
放出部を含む薄膜を有する電子放出素子及びそれを用い
た画像形成装置において、電極等の形状の影響を受け
ず、電子放出量のばらつき、さらには表示画像のばらつ
きを低減し得る新規な製造方法を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段及び作用】上記目的を達成
するために成された本発明は、対向する電極間に跨がる
電子放出部を含む薄膜を有する電子放出素子の製造方法
において、該電子放出素子の製造工程が、電子放出部形
成用薄膜を形成する工程と、上記電極を形成する工程
と、電子放出部形成用薄膜に電子放出部を形成する工程
を含み、上記電子放出部形成用薄膜を形成する工程が、
有機金属薄膜を形成する工程と、該有機金属薄膜を真空
雰囲気中で熱処理する工程を有することを特徴とする電
子放出素子の製造方法にあり、
【0023】また、対向する電極間に跨がる電子放出部
を含む薄膜を有する複数の電子放出素子と、該電子放出
素子から放出される電子線の照射により画像を形成する
画像形成部材を具備する画像形成装置の製造方法におい
て、上記電子放出素子の製造工程が、電子放出部形成用
薄膜を形成する工程と、上記電極を形成する工程と、電
子放出部形成用薄膜に電子放出部を形成する工程を含
み、上記電子放出部形成用薄膜を形成する工程が、有機
金属薄膜を形成する工程と、該有機金属薄膜を真空雰囲
気中で熱処理する工程を有することを特徴とする画像形
成装置の製造方法にあり、
【0024】更には、上記本発明の製造方法により得ら
れた電子放出素子あるいは画像形成装置にある。
【0025】本発明によれば、有機金属薄膜を真空雰囲
気中で熱処理することにより、通常の金属酸化物微粒子
よりも基板との密着性が高い金属微粒子からなる電子放
出部形成用薄膜を形成した後、該電子放出部形成用薄膜
上に電極を形成するものである。このため、電子放出部
形成用薄膜は電極等の形状の影響を受けることがなく、
素子設計が容易になると共に、電子放出特性のばらつき
の少ない素子を得ることができる。
【0026】本発明に関わる電子放出素子の基本的な構
成は図1に示すようなものであり、同図において、1は
絶縁性基板、5と6は電極(素子電極)、4は電子放出
部を含む薄膜、3は電子放出部である。
【0027】図2の素子製造工程図に基づいて本発明の
製造方法を以下に説明する。尚、以下の工程a〜cは図
2の(a)〜(c)に対応する。
【0028】工程a:絶縁性基板1を洗剤、純水および
有機溶剤により十分に洗浄後、該基板上に有機金属溶液
を塗布した後、真空雰囲気中で加熱処理をして、金属微
粒子からなる電子放出部形成用薄膜2を形成する。
【0029】尚、有機金属溶液とは、Pd,Ru,A
g,Au,Ti,In,Cu,Cr,Fe,Zn,S
n,Ta,W,Pb等を中心金属として含有する有機化
合物の溶液である。この有機金属薄膜は真空雰囲気中で
加熱するとある温度で熱分解をおこし、金属微粒子膜と
なる。
【0030】尚、ここで述べる微粒子膜とは、複数の微
粒子が集合した膜であり、その微細構造として、微粒子
が個々に分散配置した状態のみならず、微粒子が互いに
隣接、あるいは重なり合った状態(島状も含む)の膜を
さす。
【0031】本発明において、上記微粒子膜のシート抵
抗は、10KΩ/□以上、1MΩ/□以下である。
【0032】工程b:真空蒸着技術,フォトリソグラフ
ィー技術により電子放出部形成用薄膜2上に素子電極
5,6を形成する。素子電極の材料としては、導電性を
有するものであればどのようなものであっても構わない
が、例えばNi,Au,Mo,W,Pt,Ti,Al,
Cu,Pd等の金属或は合金が挙げられる。
【0033】工程c:素子電極5,6間に不図示の電源
により電圧を印加することで、先述のフォーミングと呼
ばれる通電処理を施し、電子放出部形成用薄膜の部位に
構造の変化した電子放出部3を形成する。
【0034】以上の工程を経て得られる電子放出素子
は、電子放出部を含む薄膜4に電圧を印加し、素子表面
に電流を流すことにより、電子放出部3より電子を放出
する。尚、図1に示した構成を有する電子放出素子の製
造工程において、有機金属薄膜の熱処理を従来のように
大気中で行い、金属酸化物微粒子膜を形成した後、該微
粒子膜に素子電極を形成したものにあっては、本発明と
同様に上記微粒子膜は電極等の形状の影響を受けること
はないが、絶縁性基板と微粒子膜との界面における膜剥
れが生じ易く、実用性に欠ける。
【0035】次に、本発明にかかわる電子放出素子の評
価方法について図4を用いて説明する。
【0036】図4は、図1で示した構成を有する素子の
電子放出特性を測定するための測定評価装置の概略構成
図である。図4において、1は絶縁性基板、5及び6は
素子電極、4は電子放出部を含む薄膜、3は電子放出部
を示す。また、41は素子に素子電圧Vfを印加するた
めの電源、40は素子電極5,6間の電子放出部を含む
薄膜4を流れる素子電流Ifを測定するための電流計、
44は素子の電子放出部より放出される放出電流Ieを
捕捉するためのアノード電極、43はアノード電極44
に電圧を印加するための高圧電源、42は素子の電子放
出部3より放出される放出電流Ieを測定するための電
流計である。電子放出素子の上記素子電流If,放出電
流Ieの測定にあたっては、素子電極5,6に電源41
と電流計40とを接続し、該電子放出素子の上方に電源
43と電流計42とを接続したアノード電極44を配置
している。また、本電子放出素子及びアノード電極44
は真空装置内に設置され、所望の真空下で本素子の測定
評価を行えるようになっている。
【0037】なお、アノード電極の電圧は1kV〜10
kV、アノード電極と電子放出素子との距離Hは3mm
〜8mmの範囲で測定する。
【0038】図4に示した測定評価装置により測定され
た放出電流Ie及び素子電流Ifと素子電圧Vfの関係
の典型的な例を図5に示す。なお、図5は任意単位で示
されており、放出電流Ieは素子電流Ifのおおよそ1
000分の1程度である。
【0039】次に、上記の電子放出素子を複数搭載した
基板を電子源として用いる画像形成装置について説明す
る。
【0040】図7は、本発明に関わる多数の電子放出素
子を単純マトリクス配線して構成した電子源の概略図で
あり、71はガラス基板等からなる絶縁性基板であり、
その大きさ及び厚みは、絶縁性基板71に設置される電
子放出素子の個数及び個々の素子の設計上の形状、及び
電子源の使用時に容器の一部を構成する場合には、その
容器を真空に保持するための条件等に依存して適宜設定
される。
【0041】m本のX方向配線72は、DX1,DX2
・・・DXmからなり、絶縁性基板71上に、真空蒸着
法、印刷法、スパッタ法等で形成し、所望のパターンと
した導電性金属等からなり、多数の電子放出素子にでき
るだけ均等な電圧が供給される様に、材料、膜厚、配線
巾が設定される。Y方向配線73は、DY1,DY2,・
・・DYnのn本の配線からなり、X方向配線72と同
様に、真空蒸着法、印刷法、スパッタ法等で形成し、所
望のパターンとした導電性金属等からなり、多数の電子
放出素子にできるだけ均等な電圧が供給される様に、材
料、膜厚、配線巾が設定される。これらm本のX方向配
線72とn本のY方向配線73間は、不図示の層間絶縁
層で電気的に分離されて、マトリックス配線を構成す
る。尚、このm,nは、共に正の整数である。不図示の
層間絶縁層は、真空蒸着法、印刷法、スパッタ法等で形
成されたSiO2等である。
【0042】更に、電子放出素子74の対向する素子電
極(不図示)が、m本のX方向配線72とn本のY方向
配線73に、真空蒸着法、印刷法、スパッタ法等で形成
された導電性金属等からなる結線75によって電気的に
接続されている。
【0043】上記複数の電子放出素子74は、先述した
本発明の製造方法により形成され、絶縁性基板71上に
同時に、所望のパターンを有する複数の電子放出部形成
用薄膜が形成されたものである。
【0044】また、前記X方向配線72には、X方向に
配列する電子放出素子74の行を任意に走査するための
走査信号を印加するための不図示の走査信号発生手段と
電気的に接続されている。
【0045】一方、Y方向配線73には、Y方向に配列
する電子放出素子74の各列を任意に変調するための変
調信号を印加するための不図示の変調信号発生手段と電
気的に接続されている。
【0046】さらに、各電子放出素子に印加される駆動
電圧は、当該素子に印加される走査信号と変調信号の差
電圧として供給されるものである。
【0047】以上のようにして作製した電子源を用いた
画像形成装置について図8と図9を用いて説明する。図
8は画像形成装置の基本構成図であり、図9は該画像形
成装置に用いられる蛍光膜のパターンである。81は上
述のようにして電子放出素子を作製した未フォーミング
の電子源、82は電子源81を固定したリアプレート、
90はガラス基板87の内面の蛍光膜88とメタルバッ
ク89等が形成されたフェースプレ−ト、83は支持枠
であり、リアプレート82及びフェースプレート90を
フリットガラス等で封着して、外囲器91を構成する。
【0048】外囲器91は上述の如く、フェースプレ−
ト90、支持枠83、リアプレート82で構成したが、
リアプレート82は主に電子源81の強度を補強する目
的で設けられるため、電子源81自体で十分な強度を持
つ場合は別体のリアプレート82は不要であり、電子源
81に直接支持枠83を封着し、フェースプレート9
0、支持枠83、電子源81にて外囲器91を構成して
も良い。
【0049】蛍光膜88は、モノクロームの場合は蛍光
体のみから成るが、カラーの蛍光膜の場合は、図9に示
されるように蛍光体の配列によりブラックストライプあ
るいはブラックマトリクスなどと呼ばれる黒色導電材9
2と蛍光体93とで構成される。ブラックストライプ、
ブラックマトリクスが設けられる目的は、カラー表示の
場合必要となる三原色蛍光体の、各蛍光体93間の塗り
分け部を黒くすることで混色を目立たなくすることと、
蛍光膜88における外光反射によるコントラストの低下
を抑制することである。ブラックストライプの材料とし
ては、通常よく用いられている黒鉛を主成分とする材料
だけでなく、導電性があり、光の透過及び反射が少ない
材料であれば適用できる。
【0050】ガラス基板87に蛍光体を塗布する方法は
モノクローム、カラーによらず、沈殿法や印刷法が用い
られる。
【0051】また、蛍光膜88の内面側には通常メタル
バック89が設けられる。メタルバックの目的は、蛍光
体の蛍光のうち内面側への光をフェースプレート90側
へ鏡面反射することにより輝度を向上すること、電子ビ
ーム加速電圧を印加するための電極として作用するこ
と、外囲器内で発生した負イオンの衝突によるダメージ
からの蛍光体の保護等である。メタルバックは、蛍光膜
作製後、蛍光膜の内面側表面の平滑化処理(通常フィル
ミングと呼ばれる)を行い、その後Alを真空蒸着等で
堆積することで作製できる。フェースプレート90に
は、更に蛍光膜88の導電性を高めるため、蛍光膜88
の外面側に透明電極(不図示)を設けてもよい。
【0052】前述の封着を行う際、カラーの場合は各色
蛍光体と電子放出素子とを対応させなくてはいけないた
め、十分な位置合わせを行う必要がある。
【0053】外囲器91は、不図示の排気管に通じ、1
0のマイナス6乗[Torr]程度の真空度にされ、外
囲器91の封止が行われる。
【0054】尚、容器外端子Dox1ないしDoxm
と、Doy1ないしDoynを通じ、対向する素子電極
間に電圧を印加し、先述のフォーミングを行い、電子放
出部を形成して電子放出素子74を作製する。また、外
囲器91の封止後の真空度を維持するために、ゲッター
処理を行う場合もある。これは、外囲器91の封止行う
直前あるいは封止後に、抵抗加熱あるいは高周波加熱等
により、外囲器91内の所定の位置(不図示)に配置さ
れたゲッターを加熱し、蒸着膜を形成する処理である。
ゲッターは通常Baが主成分であり、該蒸着膜の吸着作
用により、たとえば1×10のマイナス5乗ないしは1
×10のマイナス7乗[Torr]の真空度を維持する
ものである。
【0055】以上のようにして完成した本発明に係る画
像形成装置において、各電子放出素子には、容器外端子
Dox1ないしDoxmとDoy1ないしDoynを通
じ、電圧を印加することにより、電子放出させ、高圧端
子Hvを通じ、メタルバック89、あるいは透明電極
(不図示)に数kV以上の高圧を印加し、電子ビームを
加速し、蛍光膜88に衝突させ、励起・発光させること
で画像を表示するものである。
【0056】以上述べた構成は、画像表示等に用いられ
る好適な画像形成装置を作製する上で必要な概略構成で
あり、例えば各部材の材料等、詳細な部分は上述内容に
限定されるものではなく、画像形成装置の用途に適する
ように適宜選択する。
【0057】また、本発明の思想によれば、画像表示に
用いられる好適な画像形成装置に限るものでなく、感光
性ドラムと発光ダイオード等で構成された光プリンター
の発光ダイオード等の代替の発光源として、上述の画像
形成装置を用いることもできる。またこの際、上述のm
本の行方向配線とn本の列方向配線を、適宜選択するこ
とで、ライン状発光源だけでなく、2次元状の発光源と
しても応用できる。
【0058】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を説明する。
【0059】実施例1 本実施例の電子放出素子として、図1に示すような電子
放出素子を作製した。図1(a)は本素子の平面図を、
図1(b)は断面図を示している。なお、図中のL1は
素子電極5,6間の間隔、W1は素子電極及び電子放出
部を含む薄膜4の幅、dは素子電極の厚さを表してい
る。
【0060】図2を用いて、本実施例の電子放出素子の
製造方法を述べる。尚、以下の工程a〜cは図2の
(a)〜(c)に対応する。
【0061】工程a:絶縁性基板1として石英基板を用
い、これを有機溶剤により充分に洗浄後、有機パラジウ
ム(奥野製薬(株)製、ccp−4230)含有溶液を
塗布した後、真空チャンバー中で300℃で10分間の
加熱処理をして、金属パラジウム(Pd)微粒子(平均
粒径:70Å)からなる微粒子膜を形成し、電子放出部
形成用薄膜2とした。この薄膜2の膜厚は100Å、シ
ート抵抗値は5×104Ω/□であった。
【0062】尚、加熱処理時の上記真空チャンバー内
は、2×10-6Torrの真空度とし、熱処理時間で電
子放出部形成用薄膜のシート抵抗を調節した。
【0063】工程b:上記電子放出部形成用薄膜2上
に、Ptからなる素子電極5,6を形成した。この時、
素子電極間隔L1は3μmとし、素子電極の幅W1を5
00μm、その厚さdを600Åとした。
【0064】工程c:素子電極5,6間に電圧を印加
し、電子放出部形成用薄膜2を通電処理(フォーミング
処理)することにより、電子放出部3を形成した。フォ
ーミング処理に用いた電圧波形を図3に示す。
【0065】図3中、T1及びT2は電圧波形のパルス幅
とパルス間隔であり、本実施例ではT1を1ミリ秒、T2
を10ミリ秒とし、三角波の波高値(フォーミング時の
ピーク電圧)は5Vとし、フォーミング処理は約10の
マイナス6乗Torrの真空雰囲気下で60秒間行っ
た。
【0066】以上のようにして作製した電子放出素子の
電子放出特性の測定を、図4に示した測定評価装置を用
いて行った。
【0067】尚、測定条件は、アノード電極44と電子
放出素子間の距離Hを4mm、アード電極の電位を1k
V、電子放出特性測定時の真空装置内の真空度を1×1
0のマイナス6乗Torrとした。その結果、本実施例
の素子では、図6に示すような電流−電圧特性が得られ
た。本素子では、素子電圧8V程度から急激に放出電流
Ieが増加し、素子電圧14Vで素子電流Ifが2.2
mA 、放出電流Ieが1.1μAとなり、電子放出効
率η=Ie/If(%)は0.05%であった。
【0068】同様にして複数の素子を作製し、各素子間
の放出電流Ieのばらつきを見たところ、従来の素子と
比較して、そのばらつきの程度が2分の1以下に抑えら
れていた。
【0069】実施例2 本実施例では、電子放出素子を行列状に多数個配列して
なる図7に示したような電子源を用いて、図8に示した
ような画像形成装置を作製した例を説明する。
【0070】電子源の一部の平面図を図13に示す。ま
た、図中のA−A’断面図を図14に示す。但し、図
7,図13,図14で、同じ符号で示したものは、同じ
ものを示す。ここで、71は基板、72はX方向配線
(下配線とも呼ぶ)、73はY方向配線(上配線とも呼
ぶ)、4は電子放出部を含む薄膜、5,6は素子電極、
194は層間絶縁層、195は素子電極5と下配線72
との電気的接続のためのコンタクトホ−ルである。
【0071】まず、電子源の製造方法を図15により工
程順に従って具体的に説明する。尚、以下の工程a〜h
は、図15の(a)〜(h)に対応する。
【0072】工程a:清浄化した石英基板1上に、真空
蒸着により厚さ50ÅのCr、厚さ6000ÅのAuを
順次積層した後、フォトレジスト(AZ1370ヘキス
ト社製)をスピンナーにより回転塗布、ベークした後、
フォトマスク像を露光、現像して、下配線72のレジス
トパターンを形成し、Au/Cr堆積膜をウエットエッ
チングして、所望の形状の下配線72を形成する。
【0073】工程b:次に、厚さ0.1μmのシリコン
酸化膜からなる層間絶縁層194をRFスパッタ法によ
り堆積する。
【0074】工程c:工程bで堆積したシリコン酸化膜
にコンタクトホール195を形成するためのフォトレジ
ストパターンを作り、これをマスクとして層間絶縁層1
94をエッチングしてコンタクトホール195を形成す
る。エッチングはCF4 とH2 ガスを用いた(Reac
tive Ion Etching)法によった。
【0075】工程d:電子放出部形成用薄膜を形成すべ
き部分に開口を有するマスクを用い膜厚1000ÅのC
r膜196を真空蒸着により堆積・パターニングし、そ
の上に有機パラジウム(奥野製薬(株)製、CCP−4
230)含有溶液を塗布し、有機パラジウム薄膜7を形
成した。
【0076】工程e:実施例1と同様に真空チャンバー
中で300℃で10分間の加熱処理をして、金属パラジ
ウム微粒子(平均粒径:70Å)からなる微粒子膜を形
成した後、リフトオフにより電子放出部形成用薄膜2を
パターン形成した。
【0077】工程f:その後、素子電極と素子電極間ギ
ャップとなるべきパタ−ンをフォトレジスト(RD−2
000N−41日立化成社製)で形成し、真空蒸着法に
より厚さ50ÅのTi、厚さ1000ÅのNiを順次堆
積した。フォトレジストパターンを有機溶剤で溶解し、
Ni/Ti堆積膜をリフトオフし、素子電極間隔L1は
3μmとし、素子電極の幅W1を300μm、を有する
素子電極5,6を形成した。
【0078】工程g:素子電極5,6の上に上配線73
のフォトレジストパターンを形成した後、厚さ50Åの
Ti,厚さ5000ÅのAuを順次真空蒸着により堆積
し、リフトオフにより不要の部分を除去して、所望の形
状の上配線73を形成した。
【0079】工程h:コンタクトホール195部分以外
にレジストを塗布するようなパターンを形成し、真空蒸
着により厚さ50ÅのTi、厚さ5000ÅのAuを順
次堆積した。リフトオフにより不要の部分を除去するこ
とにより、コンタクトホール195を埋め込んだ。
【0080】以上の工程により、絶縁性基板1上に下配
線72、層間絶縁層194、上配線73、電子放出部形
成用薄膜2、素子電極5,6等を形成した。
【0081】以上のようにして作製した未フォーミング
の電子源を用いて表示装置を構成した例を、図8及び図
9を用いて説明する。
【0082】まず、未フォーミングの電子源81をリア
プレート82に固定した後、電子源81の5mm上方
に、フェースプレート90(ガラス基板87の内面に画
像形成部材であるところの蛍光膜88とメタルバック8
9が形成されて構成される。)を支持枠83を介し配置
し、フェースプレート90、支持枠83、リアプレート
82の接合部にフリットガラスを塗布し、大気中で40
0℃乃至500℃で10分以上焼成することで封着した
(図8参照)。また、リアプレート82への電子源81
の固定もフリットガラスで行った。
【0083】画像形成部材であるところの蛍光膜88
は、モノクロームの場合は蛍光体のみから成るが、本実
施例では蛍光体はストライプ形状(図9参照)を採用
し、蛍光膜88を作製した。ブラックストライプの材料
として、通常よく用いられている黒鉛を主成分とする材
料を用いた。ガラス基板87に蛍光体を塗布する方法は
スラリー法を用いた。
【0084】また、蛍光膜88の内面側に設けられるメ
タルバック89は、蛍光膜作製後、蛍光膜の内面側表面
の平滑化処理(通常フィルミングと呼ばれる)を行い、
その後Alを真空蒸着することで作製した。フェースプ
レート90には、更に蛍光膜88の導電性を高めるた
め、蛍光膜88の外面側に透明電極が設けられる場合も
あるが、本実施例では、メタルバックのみで十分な導電
性が得られたので省略した。前述の封着を行う際、カラ
ーの場合は各色蛍光体と電子放出素子とを対応させなく
てはいけないため、十分な位置合わせを行った。
【0085】以上のようにして完成したガラス容器内の
雰囲気を排気管(不図示)を通じ真空ポンプにて排気
し、十分な真空度に達した後、容器外端子Dox1ない
しDoxmとDoy1ないしDoynを通じ実施例1に
示した要領で素子電極間に電圧を印加し、前述の通電処
理(フォーミング処理)を行い、電子放出部を形成し電
子放出素子を作製した。
【0086】次に10-6Torr程度の真空度で、不図
示の排気管をガスバーナで熱することで溶着し外囲器9
1の封止を行った。
【0087】最後に、封止後の真空度を維持するため
に、ゲッター処理を行った。
【0088】以上のようにして完成した画像表示装置に
おいて、各電子放出素子には、容器外端子Dox1ない
しDoxm,Doy1ないしDoynを通じ、走査信号
及び変調信号を不図示の信号発生手段によりそれぞれ印
加することにより、電子放出させ、高圧端子Hvを通
じ、メタルバック89に数kV以上の高圧を印加し、電
子ビ−ムを加速し、蛍光膜88に衝突させ、励起・発光
させることで画像を表示した。
【0089】実施例3 図10は、実施例2で作製した表示装置(ディスプレイ
パネル)に、例えばテレビジョン放送をはじめとする種
々の画像情報源より提供される画像情報を表示できるよ
うに構成した画像表示装置の一例を示すための図であ
る。図中100はディスプレイパネル、101はディス
プレイパネルの駆動回路、102はディスプレイコント
ローラ、103はマルチプレクサ、104はデコーダ、
105は入出力インターフェース回路、106はCP
U、107は画像生成回路、108,109及び110
は画像メモリインターフェース回路、111は画像入力
インターフェース回路、112及び113はTV信号受
信回路、114は入力部である。(尚、本表示装置は、
例えばテレビジョン信号のように映像情報と音声情報の
両方を含む信号を受信する場合には、当然映像の表示と
同時に音声を再生するものであるが、本発明の特徴と直
接関係しない音声情報の受信、分離、再生、処理、記憶
などに関する回路やスピーカーなどについては説明を省
略する。)以下、画像信号の流れに沿って各部を説明し
てゆく。
【0090】先ず、TV信号受信回路113は、例えば
電波や空間光通信などのような無線伝送系を用いて伝送
されるTV画像信号を受信するための回路である。受信
するTV信号の方式は特に限られるものではなく、例え
ば、NTSC方式、PAL方式、SECAM方式などの
諸方式でも良い。また、これらよりさらに多数の走査線
よりなるTV信号(例えばMUSE方式をはじめとする
いわゆる高品位TV)は、大面積化や大画素数化に適し
た前記ディスプレイパネルの利点を生かすのに好適な信
号源である。TV信号受信回路113で受信されたTV
信号は、デコーダ104に出力される。
【0091】また、画像TV信号受信回路112は、例
えば同軸ケーブルや光ファイバーなどのような有線伝送
系を用いて伝送されるTV画像信号を受信するための回
路である。前記TV信号受信回路113と同様に、受信
するTV信号の方式は特に限られるものではなく、また
本回路で受信されたTV信号もデコーダ104に出力さ
れる。
【0092】また、画像入力インターフェース回路11
1は、例えばTVカメラや画像読取スキャナーなどの画
像入力装置から供給される画像信号を取り込むための回
路で、取り込まれた画像信号はデコーダ104に出力さ
れる。
【0093】また、画像メモリインターフェース回路1
10は、ビデオテープレコーダー(以下VTRと略す)
に記憶されている画像信号を取り込むための回路で、取
り込まれた画像信号はデコーダ104に出力される。
【0094】また、画像メモリインターフェース回路1
09は、ビデオディスクに記憶されている画像信号を取
り込むための回路で、取り込まれた画像信号はデコーダ
104に出力される。
【0095】また、画像メモリ−インターフェース回路
108は、いわゆる静止画ディスクのように、静止画像
データを記憶している装置から画像信号を取り込むため
の回路で、取り込まれた静止画像データはデコーダ10
4に出力される。
【0096】また、入出力インターフェース回路105
は、本表示装置と、外部のコンピュータ、コンピュータ
ネットワークもしくはプリンタなどの出力装置とを接続
するための回路である。画像データや文字・図形情報の
入出力を行なうのはもちろんのこと、場合によっては本
表示装置の備えるCPU106と外部との間で制御信号
や数値データの入出力などを行なうことも可能である。
【0097】また、画像生成回路107は、前記入出力
インターフェース回路105を介して外部から入力され
る画像データや文字・図形情報や、或いはCPU106
より出力される画像データや文字・図形情報に基づき表
示用画像データを生成するための回路である。本回路の
内部には、例えば画像データや文字・図形情報を蓄積す
るための書き換え可能メモリや、文字コードに対応する
画像パターンが記憶されている読み出し専用メモリや、
画像処理を行なうためのプロセッサなどをはじめとして
画像の生成に必要な回路が組み込まれている。
【0098】本回路により生成された表示用画像データ
は、デコーダ104に出力されるが、場合によっては前
記入出力インターフェース回路105を介して外部のコ
ンピュータネットワークやプリンターに出力することも
可能である。
【0099】また、CPU106は、主として本表示装
置の動作制御や、表示画像の生成、選択、編集に関わる
作業を行なう。
【0100】例えば、マルチプレクサ103に制御信号
を出力し、ディスプレイパネルに表示する画像信号を適
宜選択したり組み合わせたりする。また、その際には表
示する画像信号に応じてディスプレイパネルコントロー
ラ102に対して制御信号を発生し、画面表示周波数や
走査方法(例えばインターレースかノンインターレース
か)や一画面の走査線の数など表示装置の動作を適宜制
御する。
【0101】また、前記画像生成回路107に対して画
像データや文字・図形情報を直接出力したり、或いは前
記入出力インターフェース回路105を介して外部のコ
ンピュータやメモリをアクセスして画像データや文字・
図形情報を入力する。
【0102】尚、CPU106は、むろんこれ以外の目
的の作業にも関わるものであっても良い。例えば、パー
ソナルコンピュータやワードプロセッサなどのように、
情報を生成したり処理する機能に直接関わっても良い。
【0103】或いは、前述したように入出力インターフ
ェース回路105を介して外部のコンピューターネット
ワークと接続し、例えば数値計算などの作業を外部機器
と協同して行なっても良い。
【0104】また、入力部114は、前記CPU106
に使用者が命令やプログラム、或いはデータなどを入力
するためのものであり、例えばキーボードやマウスの
他、ジョイスティック、バーコードリーダー、音声認識
装置など多様な入力機器を用いることが可能である。
【0105】また、デコーダ104は、前記107ない
し113より入力される種々の画像信号を3原色信号、
または輝度信号とI信号、Q信号に逆変換するための回
路である。尚、同図中に点線で示すように、デコーダ1
04は内部に画像メモリを備えるのが望ましい。これ
は、例えばMUSE方式をはじめとして、逆変換するに
際して画像メモリを必要とするようなテレビ信号を扱う
ためである。また、画像メモリを備えることにより、静
止画の表示が容易になる、或いは前記画像生成回路10
7及びCPU106と協同して画像の間引き、補間、拡
大、縮小、合成をはじめとする画像処理や編集が容易に
行なえるようになるという利点が生まれるからである。
【0106】また、マルチプレクサ103は前記CPU
106より入力される制御信号に基づき表示画像を適宜
選択するものである。即ち、マルチプレクサ103はデ
コーダ104から入力される逆変換された画像信号のう
ちから所望の画像信号を選択して駆動回路101に出力
する。その場合には、一画面表示時間内で画像信号を切
り換えて選択することにより、いわゆる多画面テレビの
ように、一画面を複数の領域に分けて領域によって異な
る画像を表示することも可能である。
【0107】また、ディスプレイパネルコントローラ1
02は、前記CPU106より入力される制御信号に基
づき駆動回路101の動作を制御するための回路であ
る。
【0108】先ず、ディスプレイパネルの基本的な動作
に関わるものとして、例えばディスプレイパネルの駆動
用電源(不図示)の動作シーケンスを制御するための信
号を駆動回路101に対して出力する。
【0109】また、ディスプレイパネルの駆動方法に関
わるものとして、例えば画面表示周波数や走査方法(例
えばインターレースかノンインターレースか)を制御す
るための信号を駆動回路101に対して出力する。
【0110】また、場合によっては表示画像の輝度、コ
ントラスト、色調、シャープネスといった画質の調整に
関わる制御信号を駆動回路101に対して出力する場合
もある。
【0111】また、駆動回路101は、ディスプレイパ
ネル100に印加する駆動信号を発生するための回路で
あり、前記マルチプレクサ103から入力される画像信
号と、前記ディスプレイパネルコントローラ102より
入力される制御信号に基づいて動作するものである。
【0112】以上、各部の機能を説明したが、図10に
例示した構成により、本表示装置においては多様な画像
情報源より入力される画像情報をディスプレイパネル1
00に表示することが可能である。即ち、テレビジョン
放送をはじめとする各種の画像信号はデコーダ104に
おいて逆変換された後、マルチプレクサ103において
適宜選択され、駆動回路101に入力される。一方、デ
ィスプレイコントローラ102は、表示する画像信号に
応じて駆動回路101の動作を制御するための制御信号
を発生する。駆動回路101は、上記画像信号と制御信
号に基づいてディスプレイパネル100に駆動信号を印
加する。これにより、ディスプレイパネル100におい
て画像が表示される。これらの一連の動作は、CPU1
06により統括的に制御される。また、本表示装置にお
いては、前記デコーダ104に内蔵する画像メモリや、
画像生成回路107及びCPU106が関与することに
より、単に複数の画像情報の中から選択したものを表示
するだけでなく、表示する画像情報に対して、例えば拡
大、縮小、回転、移動、エッジ強調、間引き、補間、色
変換、画像の縦横比変換などをはじめとする画像処理
や、合成、消去、接続、入れ替え、はめ込みなどをはじ
めとする画像編集を行なうことも可能である。また、本
実施例の説明では、特に触れなかったが、上記画像処理
や画像編集と同様に、音声情報に関しても処理や編集を
行なうための専用回路を設けても良い。
【0113】従って、本表示装置は、テレビジョン放送
の表示機器、テレビ会議の端末機器、静止画像及び動画
像を扱う画像編集機器、コンピューターの端末機器、ワ
ードプロセッサをはじめとする事務用端末機器、ゲーム
機などの機能を一台で兼ね備えることが可能で、産業用
或いは民生用として極めて応用範囲が広い。
【0114】尚、上記図10は、本発明による電子放出
素子を電子源とするディスプレイパネルを用いた表示装
置の構成の一例を示したに過ぎず、これのみに限定され
るものでないことは言うまでもない。例えば図10の構
成要素のうち使用目的上必要のない機能に関わる回路は
省いても差し支えない。またこれとは逆に、使用目的に
よってはさらに構成要素を追加しても良い。例えば、本
表示装置をテレビ電話機として応用する場合には、テレ
ビカメラ、音声マイク、照明機、モデムを含む送受信回
路などを構成要素に追加するのが好適である。
【0115】本表示装置においては、とりわけ本発明に
よる電子放出素子を電子源とするディスプレイパネルの
薄型化が容易なため、表示装置の奥行きを小さくするこ
とができる。それに加えて、大画面化が容易で輝度が高
く視野角特性にも優れるため、本表示装置は臨場感あふ
れ迫力に富んだ画像を視認性良く表示することが可能で
ある。
【0116】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の製造方法
によれば、電子放出特性が電極等の形状の影響を受け
ず、再現性が向上するため、素子特性のばらつきの少な
い電子放出素子が得られる。
【0117】特に電子放出素子を複数配列し、大面積に
わたって素子を形成する場合に特に有効な方法と言え、
大画面の画像形成装置において、各画素の輝度のばらつ
きを防止し、ひいては高品位な画像を形成することが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電子放出素子の構成図である。
【図2】実施例1にて示す電子放出素子の製造方法を説
明するための工程図である。
【図3】フォ−ミング処理時の電圧波形の一例である。
【図4】電子放出素子の電子放出特性の測定評価装置を
示す概略構成図である。
【図5】電子放出素子の電流−電圧特性を示す図であ
る。
【図6】実施例1にて示す電子放出素子の電流−電圧特
性を示す図である。
【図7】多数の電子放出素子を単純マトリクス配線して
構成した電子源の概略図である。
【図8】本発明による画像形成装置の一構成例を示す部
分切り欠き斜視図である。
【図9】画像形成装置における蛍光膜の構成例を示す図
である。
【図10】本発明による画像表示装置の一構成例を示す
ブロック図である。
【図11】従来例の電子放出素子の構成図である。
【図12】従来例の電子放出素子の製造方法を説明する
ための工程図である。
【図13】本発明による電子源の一例を示す部分平面図
である。
【図14】図13の電子源の構成を示す部分断面図であ
る。
【図15】図13の電子源の製造工程を説明するための
断面図である。
【符号の説明】
1 絶縁性基板 2 電子放出部形成用薄膜 3 電子放出部 4 電子放出部を含む薄膜 5,6 素子電極 7 有機金属薄膜 40 電流計 41 電源 42 電流計 43 高圧電源 44 アノ−ド電極 71 絶縁性基板 72 X方向配線 73 Y方向配線 74 電子放出素子 75 結線 81 電子源 82 リアプレ−ト 83 支持枠 87 ガラス基板 88 蛍光膜 89 メタルバック 90 フェ−スプレ−ト 91 外囲器 92 黒色導電材 93 蛍光体

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向する電極間に跨がる電子放出部を含
    む薄膜を有する電子放出素子の製造方法において、 該電子放出素子の製造工程が、電子放出部形成用薄膜を
    形成する工程と、上記電極を形成する工程と、電子放出
    部形成用薄膜に電子放出部を形成する工程を含み、 上記電子放出部形成用薄膜を形成する工程が、有機金属
    薄膜を形成する工程と、該有機金属薄膜を真空雰囲気中
    で熱処理する工程を有することを特徴とする電子放出素
    子の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記電子放出部形成用薄膜のシ−ト抵抗
    が、10Kオーム/□以上、1Mオーム/□以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子放出素子の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記有機金属が、有機Pdであることを
    特徴とする請求項1又は2に記載の電子放出素子の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3いずれかに記載の製造方法
    により得られた電子放出素子。
  5. 【請求項5】 対向する電極間に跨がる電子放出部を含
    む薄膜を有する複数の電子放出素子と、該電子放出素子
    から放出される電子線の照射により画像を形成する画像
    形成部材を具備する画像形成装置の製造方法において、 上記電子放出素子の製造工程が、電子放出部形成用薄膜
    を形成する工程と、上記電極を形成する工程と、電子放
    出部形成用薄膜に電子放出部を形成する工程を含み、 上記電子放出部形成用薄膜を形成する工程が、有機金属
    薄膜を形成する工程と、該有機金属薄膜を真空雰囲気中
    で熱処理する工程を有することを特徴とする画像形成装
    置の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記電子放出部形成用薄膜のシート抵抗
    が、10Kオーム/□以上、1Mオーム/□以下である
    ことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 前記有機金属が、有機Pdであることを
    特徴とする請求項5又は6に記載の画像形成装置の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 請求項5〜7いずれかに記載の製造方法
    により得られた画像形成装置。
JP34913493A 1993-12-28 1993-12-28 電子放出素子及びそれを用いた画像形成装置の製造方法 Withdrawn JPH07201277A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5080976A (en) * 1988-02-19 1992-01-14 Canon Kabushiki Kaisha Blade and method for preparation thereof
US6975075B2 (en) 2002-07-25 2005-12-13 Hitachi, Ltd. Field emission display

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US5080976A (en) * 1988-02-19 1992-01-14 Canon Kabushiki Kaisha Blade and method for preparation thereof
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