JPH07235257A - 電子源、電子線発生装置、及び画像形成装置 - Google Patents

電子源、電子線発生装置、及び画像形成装置

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JPH07235257A
JPH07235257A JP19620194A JP19620194A JPH07235257A JP H07235257 A JPH07235257 A JP H07235257A JP 19620194 A JP19620194 A JP 19620194A JP 19620194 A JP19620194 A JP 19620194A JP H07235257 A JPH07235257 A JP H07235257A
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electron
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JP19620194A
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Hideaki Mitsutake
英明 光武
Naohito Nakamura
尚人 中村
Yoshihisa Sano
義久 左納
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Canon Inc
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2201/00Electrodes common to discharge tubes
    • H01J2201/30Cold cathodes
    • H01J2201/316Cold cathodes having an electric field parallel to the surface thereof, e.g. thin film cathodes
    • H01J2201/3165Surface conduction emission type cathodes

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  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)
  • Cold Cathode And The Manufacture (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 画像形成装置等に用いられる電子線発生装置
を提供する。 【構成】 対向する一対の素子電極5,6とこれらに跨
がる電子放出部を含む薄膜4とで構成される表面伝導型
電子放出素子を複数有する電子源と、電子被照射部材を
有する電子線発生装置において、電子源と電子被照射部
材との間に、電子源に飛翔してくる帯電粒子を遮蔽する
ための遮蔽部材9を設けたことを特徴とする。 【効果】 電子被照射部材として蛍光体等の画像形成部
材を用いて画像形成装置を構成した際に、画像形成部材
で発生する正イオンの衝突による電子放出部の劣化を防
止でき、装置の耐久性が増す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子源、電子線発生装
置及びその応用である表示装置等の画像形成装置に関わ
り、特に表面伝導型電子放出素子等の電子放出素子を備
える電子源、電子線発生装置及び画像形成装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子を用いた画像形成装置にお
いては、真空雰囲気を維持する外囲器、電子を放出させ
る為の電子源とその駆動回路、電子の衝突により発光す
る蛍光体等の画像形成部材、電子を画像形成部材に向け
て加速するための加速電極及び高圧電源が必要である。
また、薄型画像表示装置などのように扁平な外囲器を用
いる画像形成装置においては、耐大気圧構造体として支
持柱(スペーサ)を用いる場合もある。
【0003】上記画像形成装置において、上記外囲器内
を加速電子が飛翔する時、真空雰囲気内や蛍光体上の残
留ガス等が電離され、その正イオンが上記加速電極によ
り電子源側へ向けて飛翔する現象が生じる。この正イオ
ンが電子源、特に電子放出部を有する電子放出素子に衝
突すると、上記電子源を劣化させてしまう。このため、
電子放出素子に対して帯電粒子が直接衝突するのを防ぐ
ことは、電子源の長寿命化及び信頼性の向上を図る上で
重要である。
【0004】上記現象による電子源の劣化を防止するた
めの構成として、USP4155028に示されるよう
な静電偏向システムがある。図27はその概略構成を示
したものであり、3011は熱陰極からなる電子放出素
子、3012は第1グリッド、3013は第2グリッ
ド、3014は加速電極である。第1グリッド3012
と第2グリッド3013は、互いに一定の角度を成して
配置され、両者は電子放出素子から電子を引き出すには
十分であるが、正イオンの生成には不十分である同一の
電位が与えられている。図中、3015の実線は電子放
出素子3011からの放出電子の軌道を表しており、第
2グリッド3013の近傍で偏向され、加速電極301
4に対して垂直な軌道になる。一方、加速電極3014
で発生する正イオンは、電子に比べて質量が大きいの
で、第2グリッド3013近傍での偏向量は少なく、3
016で示される点線の軌道をとる。従って、上記正イ
オンが直接電子放出素子3011に向かうことはない。
この様にUSP4155028においては、傾斜配置を
成す複数の制御電極を用いて電子放出素子の劣化を防止
した。
【0005】画像形成装置の電子源に用いられる電子放
出素子としては、上記熱陰極素子の他に冷陰極素子が知
られている。冷陰極素子には電界放出型(以下、「FE
型」と称す)、金属/絶縁層/金属型(以下、「MIM
型」と称す)や表面伝導型電子放出素子等が有る。
【0006】FE型の例としては、W.P.Dyke
& W.W.Dolan,“Field emissi
on”,Advance in Electron P
hysics,8,89(1956)あるいはC.A.
Spindt,“Physical Properti
es of Thin−film Field Emi
ssion Cathodes with Molyb
denum Cones”,J.Appl.Phy
s.,47,5248(1976)等が知られている。
【0007】MIM型の例としては、C.A.Mea
d,“The tunnel−emission am
plifier”,J.Appl.Phys.,32,
646(1961)等が知られている。
【0008】表面伝導型電子放出素子の例としては、
M.I.Elinson,RadioEng.Elec
tron Phys.,10,1290(1965)等
がある。
【0009】表面伝導型電子放出素子は、基板上に形成
された小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことに
より電子放出が生ずる現象を利用するものである。この
表面伝導型電子放出素子としては、前記エリンソン等に
よるSnO2 薄膜を用いたもの、Au薄膜によるもの
[G.Dittmer:“Thin Solid Fi
lms”,9,317(1972)]、In23 /S
nO2 薄膜によるもの[M.Hartwell and
C.G.Fonstad:“IEEE Trans.
ED Conf.”,519(1975)]、カーボン
薄膜によるもの[荒木久 他:真空、第26巻、第1
号、22頁(1983)]等が報告されている。
【0010】これらの表面伝導型電子放出素子の典型的
な素子構成として、前述のM.ハートウェルの素子構成
を図28に示す。同図において3101は絶縁性基板で
ある。3102は電子放出部形成用薄膜(導電性膜)
で、H型形状のパターンにスパッタで形成された金属酸
化物等からなり、後述のフォーミングと呼ばれる通電処
理により電子放出部3103が形成されている。
【0011】従来、これらの表面伝導型電子放出素子に
おいては、電子放出を行う前に導電性膜3102に予め
フォーミングと呼ばれる通電処理によって電子放出部3
103を形成するのが一般的であった。即ち、フォーミ
ングとは、導電性膜3102の両端に電圧を印加通電
し、導電性膜を局所的に破壊、変形もしくは変質せし
め、電気的に高抵抗な状態にした電子放出部3103を
形成する処理である。なお、電子放出部3103は導電
性膜3102の一部に亀裂が発生しその亀裂付近から電
子放出が行われる。以下フォーミングにより形成した電
子放出部を含む導電性膜3102を電子放出部を含む薄
膜3104と呼ぶ。前記フォーミング処理をした表面伝
導型電子放出素子は、電子放出部を含む薄膜3104に
電圧を印加し、素子に電流を流すことにより、電子放出
部3103より電子を放出せしめるものである。
【0012】多数の表面伝導型電子放出素子を配列形成
した例としては、並列に表面伝導型電子放出素子を配列
し、個々の素子の両端を配線にてそれぞれ結線した行を
多数行配列した電子源が挙げられる(例えば、本出願人
の特開昭64−31332号公報)。
【0013】表面伝導型電子放出素子を複数個配置して
なる電子源と、上記電子源より放出された電子によって
可視光を発光せしめる画像形成部材としての蛍光体とを
組み合わせることにより、種々の画像形成装置が構成さ
れるが(例えば、本出願人によるUSP506688
3)、大画面の装置でも比較的容易に製造でき、且つ表
示品位に優れた自発光型表示装置であるため、CRTに
替わる画像形成装置として期待されている。
【0014】例えば、本出願人が先に提案した特開平2
−257551号公報等に記載された様な画像形成装置
において、多数形成された表面伝導型電子放出素子の選
択は、上記表面伝導型電子放出素子を並列に配置し結線
した配線(行方向配線)、及び上記行方向配線と直行す
る方向(列方向)に電子源と蛍光体間の空間に設置され
た制御電極(グリッドと呼ぶ)への適当な駆動信号によ
り行われる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本出願人は、表面伝導
型電子放出素子を用いた画像形成装置をより簡単な構成
で実現する方法として、複数本の行方向配線と複数本の
列方向配線とによって、表面伝導型電子放出素子の対向
する一対の素子電極をそれぞれ結線することで、行列状
に表面伝導型電子放出素子を配列した単純マトリクス型
の電子源を構成し、行方向と列方向に適当な駆動信号を
与えることで、多数の表面伝導型電子放出素子を選択
し、電子放出量を制御し得る系を考えている。
【0016】(第1の課題)上記単純マトリクス型の表
面伝導型電子放出素子電子源を用いた画像形成装置にお
いても、電子源、特に表面伝導型電子放出素子の電子放
出部に帯電粒子が衝突して、上記電子源が劣化してしま
う可能性がある。また、上記電子源、特に表面伝導型電
子放出素子の電子放出部が、加速電極側からみて直接露
出しているために、不測の放電が起こった場合に電子源
が劣化してしまう可能性がある。
【0017】(第2の課題)また、上記単純マトリクス
型の表面伝導型電子放出素子電子源を用いた画像形成装
置の検討において、本発明者らは、画像形成部材をなす
蛍光体上の発光位置(電子の衝突位置)や発光形状が設
計値からずれる場合が生ずることを見いだした。特に、
カラー画像用の画像形成部材を用いた場合は、発光位置
ずれと併せて、輝度低下や色ずれの発生も見られる場合
あった。また、本現象は電子源と画像形成部材間に配置
される支持枠または支持柱(スペーサ)の近傍、或は画
像形成部材の周縁部で起こることを確認した。
【0018】本発明は上記問題点に鑑み、電子放出素子
として特に表面伝導型電子放出素子などのように、基板
面に並設された電極間に電子放出部を有する電子放出素
子を用いた電子源を有する画像形成装置において、簡易
な構成でかつ容易に素子の選択及び電子放出量を制御し
得ると同時に、発光位置ずれ等がなく長寿命で信頼性の
高い新規な画像形成装置の提供を目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは鋭
意研究した結果、上記課題のうち、第2の課題である蛍
光体上の発光位置や発光形状の変化についても、電子源
から放出される電子がその誘因となることを見いだし
た。
【0020】電子源から放出された電子は画像形成部材
である蛍光体への衝突の他に、確率は低いが真空中の残
留ガスへの衝突が起こる。これらの衝突時にある確率で
発生した散乱粒子(イオン,2次電子,中性粒子等)の
一部が、画像形成装置内の絶縁性材料の露出した部分に
衝突し、上記露出部が帯電していることがわかった。こ
の帯電により、上記露出部の近傍では電場が変化して電
子軌道のずれが生じ、蛍光体の発光位置や発光形状の変
化が引き起こされたと考えられる。
【0021】また、上記蛍光体の発光位置,形状の変化
の状況から、上記露出部には主に正電荷が蓄積している
こともわかった。この原因としては、散乱粒子のうちの
正イオンが付着帯電する場合、或は散乱粒子が上記露出
部に衝突するときに発生する2次電子放出により正の帯
電が起きる場合などが考えられる。
【0022】以下で、上記の課題を解決する為の手段及
びその作用を説明する。
【0023】上記目的を達成するためになされた本発明
は、電子放出素子と、該電子放出素子に飛翔してくる帯
電粒子を遮蔽するための遮蔽部材とを、基板上に一体配
置したことを特徴とする電子源にあり、特に、前記電子
放出素子は、基板面に並設された電極間に電子放出部を
有するがために、その駆動時に、前記基板面に平行な電
界成分を発生する素子であり、前記遮蔽部材は、前記電
子放出素子の電子放出部の直上部を覆っていることを特
徴とする電子源にある。
【0024】また、上記目的を達成するためになされた
本発明は、複数の電子放出素子を有する電子源と、電子
被照射部材を有する電子線発生装置において、前記電子
源と前記電子被照射部材との間に、該電子源に飛翔して
くる帯電粒子を遮蔽するための遮蔽部材を設置したこと
を特徴とする電子線発生装置にあり、特に、前記電子放
出素子は、基板面に並設された電極間に電子放出部を有
するがために、その駆動時に、前記基板面に平行な電界
成分を発生する素子であり、前記遮蔽部材は、前記電子
放出素子の電子放出部の直上部を覆っていることを特徴
とする電子線発生装置にある。
【0025】また、上記目的を達成するためになされた
本発明は、複数の電子放出素子を有する電子源と、電子
被照射部材を有する電子線発生装置において、前記電子
源と前記電子被照射部材との間に、該電子源に飛翔して
くる帯電粒子を遮蔽するための遮蔽部材を設置し、且つ
前記電子源は、前記複数の電子放出素子の各々が、その
交差部に絶縁層を介して積層された行方向配線と列方向
配線とに結線されて行列状に配列している電子源である
ことを特徴とする電子線発生装置にあり、特に、前記電
子放出素子は、基板面に並設された電極間に電子放出部
を有するがために、その駆動時に、前記基板面に平行な
電界成分を発生する素子であることを特徴とする電子線
発生装置にある。
【0026】また、上記目的を達成するためになされた
本発明は、複数の電子放出素子を有する電子源と、電子
被照射部材を有する電子線発生装置において、前記電子
源と前記電子被照射部材との間に、該電子源に飛翔して
くる帯電粒子を遮蔽するための遮蔽部材を設置し、且つ
前記電子源は、前記複数の電子放出素子の各々が行方向
配線によって結線されており、且つ変調機能を有する制
御電極が列方向配線によって結線されていることを特徴
とする電子線発生装置にあり、特に、前記遮蔽部材が、
前記制御電極よりも前記電子源側或は前記電子被照射部
材側に配置され、前記電子放出素子は、基板面に並設さ
れた電極間に電子放出部を有するがために、その駆動時
に、前記基板面に平行な電界成分を発生する素子であ
り、前記遮蔽部材が、前記電子放出素子の電子放出部の
直上部を覆っていることを特徴とする電子線発生装置に
ある。
【0027】また、上記目的を達成するためになされた
本発明は、上記本発明の電子線発生装置における前記電
子被照射部材に代えて、前記電子源に対向配置され、前
記電子放出素子から放出された電子が衝突することによ
り画像が形成される画像形成部材を有することを特徴と
する画像形成装置にある。
【0028】本発明によれば、画像形成装置内の電子源
と画像形成部材間に設置された遮蔽部材により、画像形
成部材側から電子源側へ飛翔する粒子(主に正イオン)
が、主として電子源に衝突したり、付着するのを防ぎ、
電子源の劣化や不要な帯電を生じない画像形成装置を提
供できる。また、帯電の防止に関しては、電子源以外の
部分に対しても上記方法が有効であり、耐大気圧支持部
材(スペーサ)等の絶縁性表面を覆うように上記遮蔽部
材の形状や配置を決めればよい。
【0029】特に、本発明者らは、表面伝導型電子放出
素子のように、基板面に並設された素子電極間に電子放
出部を有するタイプの電子放出素子は、その駆動時に、
前記基板面に平行な電界成分を発生する素子であるがゆ
えに、電子放出部からの放出電子の軌道が、電子放出部
の真上方向に対して一対の素子電極のなす電界方向にず
れる点、さらには画像形成装置内で発生する正イオン
が、電子源と画像形成部材間に印加させる高圧により形
成されるこれらに垂直な電界にほぼ沿って飛翔する点に
着目し、本発明の最も好ましい形態を完成させたもので
ある。
【0030】即ち、本発明の画像形成装置によれば、電
子放出素子の電子放出部から放出された電子は、上記素
子の真上方向に対して一対の素子電極のなす電界方向に
ずれて飛翔する為、電子放出部の直上部を覆う遮蔽部材
を成す上記遮蔽電極に遮られることなく蛍光体等の画像
形成部材へ向かうことができると共に、上記画像形成部
材で発生する正イオンから電子放出部を保護することが
できる。また、不測の放電が生じた場合にも電子源の劣
化を防止できる。従って、本発明の場合、図27に示し
たような電子偏向の為のグリッドを付加する必要はな
い。
【0031】従って、複雑な付加構造を必要としない本
発明の構成は、本出願人の提案による複数本の行方向配
線と複数本の列方向配線とによって、表面伝導型電子放
出素子の対向する1対の素子電極をそれぞれ結線する事
で、行列状に表面伝導型電子放出素子を配列した単純マ
トリクス型の電子源を用いた画像形成装置に、特に好適
である。
【0032】また、本発明は、表面伝導型電子放出素子
以外の冷陰極素子のうち、電子放出素子の真上方向に対
してずれた電子軌道を成すいずれの電子放出素子に対し
ても適用できる。具体例としては、本出願人による特開
昭63−274047号公報に記載されたような対向す
る一対の電極を電子源を成す基板面に沿って構成した電
界放出型の電子放出素子がある。
【0033】また、本発明は、単純マトリクス型以外の
電子源を用いた画像形成装置に対しても適用できる。例
えば、本出願人による特開平2−257551号公報等
に記載されたような制御電極を用いて表面伝導型電子放
出素子の選択を行う画像形成装置において、上記制御電
極からみて、表面伝導型電子放出素子を有する電子源側
或は蛍光体を有するフェースプレート側に本発明の遮蔽
電極を付加したものを挙げることができる。
【0034】また、本発明の思想によれば、表示用とし
て好適な画像形成装置に限るものではなく、感光性ドラ
ムと発光ダイオード等で構成された光プリンターの発光
ダイオード等の代替の発光源として、上述の画像形成装
置を用いることもできる。またこの際、上述のm本の行
方向配線とn本の列方向配線を、適宜選択することで、
ライン状発光源だけでなく、2次元状の発光源としても
応用できる。
【0035】また、本発明の思想によれば、例えば電子
顕微鏡のように、電子源からの放出電子の被照射部材
が、画像形成部材以外の部材である場合についても、本
発明は適用できる。従って、本発明は被照射部材を特定
しない電子線発生装置としての形態もとり得る。
【0036】以下、本発明に関わる電子源の一構成例を
図1に示す。図1(a)は平面図、図1(b),(c)
は断面図であり、図中、1は絶縁性基板、5と6は素子
電極、4は電子放出部を含む導電性膜、3は電子放出
部、9は電子放出部の直上部を覆う遮蔽部材である。
尚、図1は、基板1上に並設された素子電極5,6間
に、電子放出部3を含む導電性膜4を有する表面伝導型
電子放出素子と、遮蔽部材9とが一体配置された構成を
有する電子源の例を示すものである。
【0037】図1に示した電子源を例に、図2(図1の
A−A’断面)の製造工程図に基づいて、製造方法の一
例を以下に説明する。尚、以下の工程a〜dは図2の
(a)〜(d)に対応する。
【0038】工程a:絶縁性基板1を洗剤、純水および
有機溶剤により十分に洗浄後、真空蒸着法、スパッタ法
等により素子電極材料を堆積後、フォトリソグラフィー
技術により上記絶縁性基板1上に素子電極5,6を形成
する。
【0039】絶縁性基板1としては、石英ガラス,Na
等の不純物含有量を減少したガラス,青板ガラス,青板
ガラスにスパッタ法等により形成したSiO2 を積層し
たガラス基板等のガラス部材及びアルミナ等のセラミッ
クス部材等が挙げられる。
【0040】素子電極5,6の材料としては導電性を有
するものであればどのようなものであっても構わない
が、例えばNi,Cr,Au,Mo,W,Pt,Ti,
Al,Cu,Pd等の金属、或は合金、及びPd,A
g,Au,RuO2 ,Pd−Ag等の金属や金属酸化物
とガラス等から構成される印刷導体、或はIn23
SnO2 等の透明導電体及びポリシリコン等の半導体導
体材料等が挙げられる。
【0041】工程b:絶縁性基板1上に設けられた素子
電極5と素子電極6との間に、有機金属溶液を塗布して
有機金属薄膜を形成する。この後、有機金属薄膜を加熱
焼成処理し、リフトオフ、エッチング等によりパターニ
ングし、電子放出部形成用薄膜(導電性膜)2を形成す
る。
【0042】電子放出部を含む薄膜(導電性膜)4を構
成する材料の具体例を挙げるならば、Pd,Ru,A
g,Au,Ti,In,Cu,Cr,Fe,Zn,S
n,Ta,W,Pb等の金属、PdO,SnO2 ,In
23 ,PbO,Sb23 等の酸化物、HfB2 ,Z
rB2 ,LaB6 ,CeB6 ,YB4 ,GdB4 等の硼
化物、TiC,ZrC,HfC,TaC,SiC,WC
等の炭化物、TiN,ZrN,HfN等の窒化物、S
i,Ge等の半導体、カーボン等であり、基本的には微
粒子膜からなる。
【0043】なお、上記有機金属溶液とは、前記Pd,
Ru,Ag,Au,Ti,In,Cu,Cr,Fe,Z
n,Sn,Ta,W,Pb等の金属を主元素とする有機
化合物の溶液である。
【0044】なお、ここでは、有機金属溶液の塗布法に
より説明したが、これに限る物ではなく、真空蒸着法、
スパッタ法、化学的気相堆積法、分散塗布法、ディッピ
ング法、スピンナー法等によって形成される場合もあ
る。
【0045】工程c:電子放出部形成用薄膜2の保護層
7をCrで形成した後、犠牲層8及び遮蔽部材9を順次
積層形成する。このとき、上記遮蔽部材9の両端部が絶
縁性基板1上に形成されるように、犠牲層8及び遮蔽部
材9のサイズを選択する。遮蔽部材9としては導電性を
有するものが好ましく、例えばAl等の薄膜金属により
構成される。
【0046】工程d:犠牲層8をエッチング除去して、
薄膜2と遮蔽部材9との間に間隙部を成す。次に、上記
エッチング時における薄膜2の保護層7を除去する。最
後に、素子電極5,6間に不図示の電源により電圧を印
加することで、先述のフォーミングと呼ばれる通電処理
を施し、電子放出部形成用薄膜2の部位に構造の変化し
た電子放出部3を形成する。このようにして形成した電
子放出部3は導電性微粒子で構成されていることを本出
願人らは確認している。
【0047】以上の工程を経て得られる電子源は、電子
放出素子として表面伝導型電子放出素子を有し、該素子
は、電子放出部を含む薄膜4に電圧を印加し、素子表面
に電流を流すことにより、電子放出部3より電子を放出
する。この表面伝導型電子放出素子より放出された電子
は、素子電極5,6により電子放出部3の近傍に形成さ
れる水平方向の電界により、電子放出部3の真上から外
れた軌道を持つため、電子放出部の真上を覆うようにし
て形成された遮蔽部材9によって遮られることはない。
このとき遮蔽部材9に対して、電位を規定する電圧印加
手段を設けることが好ましい。
【0048】尚、本発明に関わる電子源の製造方法は、
上述の方法に限定されるものではなく、前記基本的な製
造方法のうちの一部を変更してもよい。
【0049】次に、本発明にかかわる電子源の評価方法
について図4を用いて説明する。
【0050】図4は、図1で示した構成を有する電子源
の電子放出特性を測定するための測定評価装置の概略構
成図である。図4において、1は絶縁性基板、5及び6
は素子電極、4は電子放出部を含む薄膜、3は電子放出
部、9は遮蔽部材を示す。また、41は素子に素子電圧
Vfを印加するための電源、40は素子電極5,6間の
電子放出部を含む薄膜4を流れる素子電流Ifを測定す
るための電流計、44は素子の電子放出部より放出され
る放出電流Ieを捕捉するためのアノード電極、43は
アノード電極44に電圧を印加するための高圧電源、4
2は素子の電子放出部3より放出される放出電流Ieを
測定するための電流計である。電子放出素子の上記素子
電流If,放出電流Ieの測定にあたっては、素子電極
5,6に電源41と電流計40とを接続し、上記電子放
出素子の上方に電源43と電流計42とを接続したアノ
ード電極44を配置している。また、本電子源及びアノ
ード電極44は真空装置内に設置され、その真空装置に
は不図示の排気ポンプ及び真空計等の真空装置に必要な
機器が具備されており、所望の真空下で本電子源の測定
評価を行えるようになっている。
【0051】なお、アノード電極の電圧は1kV〜10
kV、アノード電極と電子放出素子との距離Hは3mm
〜8mmの範囲で測定した。
【0052】図4に示した測定評価装置により測定され
た放出電流Ie及び素子電流Ifと素子電圧Vfの関係
の典型的な例を図5に示す。なお、図5は著しくIf,
Ieの大きさが異なるため任意単位で示されており、放
出電流Ieは素子電流Ifのおおよそ2000分の1程
度である。
【0053】次に、本発明の電子線発生装置及び画像形
成装置について説明する。
【0054】図6は、電子放出素子74の多数個を単純
マトリクス配線して構成した本発明の電子源の概略図で
あり、71はガラス基板等からなる絶縁性基板であり、
その大きさ及び厚みは、絶縁性基板71に設置される電
子放出素子の個数及び個々の素子の設計上の形状、及び
電子源の使用時に容器の一部を構成する場合には、その
容器を真空に保持するための条件等に依存して適宜設定
される。尚、図6及び、後述する図7は、説明の便宜
上、本発明の主眼である遮蔽部材は明示していないが、
個々の電子放出素子74には、前述の図1に示したよう
な、遮蔽部材が配置されている。
【0055】m本のX方向配線72は、DX1 ,DX
2 ,・・・DXm からなり、絶縁性基板71上に、真空
蒸着法、印刷法、スパッタ法等で形成し、所望のパター
ンとした導電性金属等からなり、多数の電子放出素子に
できるだけ均等な電圧が供給される様に、材料、膜厚、
配線巾が設定される。Y方向配線73は、DY1 ,DY
2 ,・・・DYn のn本の配線からなり、X方向配線7
2と同様に、真空蒸着法、印刷法、スパッタ法等で形成
し、所望のパターンとした導電性金属等からなり、多数
の電子放出素子にできるだけ均等な電圧が供給される様
に、材料、膜厚、配線巾が設定される。これらm本のX
方向配線72とn本のY方向配線73間は、不図示の層
間絶縁層で電気的に分離されて、マトリックス配線を構
成する。尚、このm,nは、共に正の整数である。不図
示の層間絶縁層は、真空蒸着法、印刷法、スパッタ法等
で形成されたSiO2 等であり、X方向配線72を形成
した絶縁性基板71の全面或は一部に所望の形状で形成
され、特にX方向配線72とY方向配線73の交差部の
電位差に耐え得るように、膜厚,材料,製法が適宜設定
される。
【0056】更に、電子放出素子74の対向する素子電
極(不図示であるが、図1の部材5,6に相当する)
が、m本のX方向配線72とn本のY方向配線73に、
真空蒸着法、印刷法、スパッタ法等で形成された導電性
金属等からなる結線75によって電気的に接続されてい
る。
【0057】また、X方向配線72には、X方向に配列
する電子放出素子74の行を任意に走査するための走査
信号を印加するための不図示の走査信号発生手段と電気
的に接続されている。一方、Y方向配線73には、Y方
向に配列する電子放出素子74の各列を任意に変調する
ための変調信号を印加するための不図示の変調信号発生
手段と電気的に接続されている。ここにおいて、各電子
放出素子に印加される駆動電圧は、当該素子に印加され
る走査信号と変調信号の差電圧として供給されるもので
ある。
【0058】上記の電子源を用いた電子線発生装置とし
て、電子の被照射部材に画像形成部材を用いた画像形成
装置の例を図7と図8を用いて説明する。図7は画像形
成装置の基本構成図であり、図8は該画像形成装置に用
いられる蛍光膜のパターンである。81は図6に示した
ような構成を有する電子源、82は電子源81を固定し
たリアプレート、90はガラス基板87の内面の蛍光膜
88とメタルバック89等が形成されたフェースプレー
ト、83は支持枠であり、リアプレート82及びフェー
スプレート90をフリットガラス等で封着して、外囲器
91を構成する。
【0059】外囲器91は上述の如く、フェースプレ−
ト90、支持枠83、リアプレート82で構成したが、
リアプレート82は主に電子源81の強度を補強する目
的で設けられるため、電子源81自体で十分な強度を持
つ場合は別体のリアプレート82は不要であり、電子源
81に直接支持枠83を封着し、フェースプレート9
0、支持枠83、電子源81にて外囲器91を構成して
も良い。
【0060】蛍光膜88は、モノクロームの場合は蛍光
体のみから成るが、カラーの蛍光膜の場合は、図9に示
されるように蛍光体の配列によりブラックストライプあ
るいはブラックマトリクスなどと呼ばれる黒色導電材9
2と蛍光体93とで構成される。ブラックストライプ、
ブラックマトリクスが設けられる目的は、カラー表示の
場合必要となる三原色蛍光体の、各蛍光体93間の塗り
分け部を黒くすることで混色を目立たなくすることと、
蛍光膜88における外光反射によるコントラストの低下
を抑制することである。ブラックストライプの材料とし
ては、通常よく用いられている黒鉛を主成分とする材料
だけでなく、導電性があり、光の透過及び反射が少ない
材料であれば適用できる。
【0061】ガラス基板87に蛍光体を塗布する方法は
モノクローム、カラーによらず、沈殿法や印刷法が用い
られる。
【0062】また、蛍光膜88の内面側には通常メタル
バック89が設けられる。メタルバックの目的は、蛍光
体の蛍光のうち内面側への光をフェースプレート90側
へ鏡面反射することにより輝度を向上すること、電子ビ
ーム加速電圧を印加するための電極として作用するこ
と、外囲器内で発生した負イオンの衝突によるダメージ
からの蛍光体の保護等である。メタルバックは、蛍光膜
作製後、蛍光膜の内面側表面の平滑化処理(通常フィル
ミングと呼ばれる)を行い、その後Alを真空蒸着等で
堆積することで作製できる。フェースプレート90に
は、更に蛍光膜88の導電性を高めるため、蛍光膜88
の外面側に透明電極(不図示)を設けてもよい。
【0063】前述の封着を行う際、カラーの場合は各色
蛍光体と電子放出素子とを対応させなくてはいけないた
め、十分な位置合わせを行う必要がある。
【0064】外囲器91は、不図示の排気管に通じ、1
0のマイナス6乗[Torr]程度の真空度にされた
後、封止される。
【0065】また、外囲器91の封止後の真空度を維持
するために、ゲッター処理を行う場合もある。これは、
外囲器91の封止を行う直前あるいは封止後に、抵抗加
熱あるいは高周波加熱等により、外囲器91内の所定の
位置(不図示)に配置されたゲッターを加熱し、蒸着膜
を形成する処理である。ゲッタ−は通常Baが主成分で
あり、該蒸着膜の吸着作用により、たとえば1×10の
マイナス5乗ないしは1×10のマイナス7乗[Tor
r]の真空度を維持するものである。
【0066】以上のようにして完成した本発明の画像形
成装置において、各電子放出素子には、容器外端子Do
x1ないしDoxmとDoy1ないしDoynを通じ、
電圧を印加することにより、電子放出させ、高圧端子H
vを通じ、メタルバック89、あるいは透明電極(不図
示)に数kV以上の高圧を印加し、電子ビームを加速
し、蛍光膜88に衝突させ、励起・発光させることで画
像を表示するものである。このときフェースプレート9
0側で発生する正イオンは、高圧により形成されるZ方
向の電界に沿った飛翔軌道を成すので、電子放出素子7
4の電子放出部に向かう正イオンは、前述の図1に示す
ように個々の電子放出素子74に配置された遮蔽部材9
によって遮ることができる。
【0067】尚、通常、電子放出素子の一対の素子電極
間の印加電圧は12〜16V程度、メタルバック或は透
明電極と電子放出素子との距離は2mm〜8mm程度、
メタルバック或は透明電極と電子放出素子間の高圧は1
kV〜10kV程度である。また、遮蔽部材9は好まし
くは電子放出素子寄りに設置し、その電位は遮蔽部材を
設けない時の遮蔽部材位置の電位と同じ程度に設定した
ほうが良い。但し、遮蔽部材の電位はこの条件以外であ
っても、放出電子を遮蔽してしまわない限り、本発明の
効果は失われない。また、放出電子を遮蔽してしまわな
い限り、遮蔽部材9は電子放出部3の直上部だけでな
く、電子放出部を含む薄膜4や、素子電極5,6の直上
部の一部または全部を覆ってもよい。
【0068】以上述べた構成は、画像表示等に用いられ
る好適な画像形成装置を作製する上で必要な概略構成で
あり、例えば各部材の材料や配置等、詳細な部分は上述
内容に限定されるものではなく、画像形成装置の用途に
適するように適宜選択する。
【0069】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を説明する。
【0070】実施例1 本実施例における電子源の概略的な部分斜視図を図10
に示す。また、図中のC−C’断面図及びD−D’断面
図を図11に示す。但し、図6,図10及び図11にお
いて同じ符号で示したものは、同等部材を示している。
図中、71は絶縁性基板、72は絶縁性基板71上にパ
ターン形成されたY方向配線、72はY方向配線73と
層間絶縁層(不図示)を介して印刷法などにより形成し
た膜厚50μmのX方向配線であり、74は電子放出素
子である。
【0071】電子放出素子74は、前述した図1の、並
設された素子電極5,6間に、電子放出部3を含む導電
性膜4を有する表面伝導型電子放出素子であり、この電
子放出素子74の多数個が図10に示すように、結線7
5によりX方向配線72及びY方向配線73と電気的に
接続されている。
【0072】9は導電性を有する薄板(アルミニウム
等)からなる遮蔽部材であり、X方向配線72上に絶縁
層(不図示)を介して設置される。遮蔽部材9は各電子
放出素子74の直上部を覆い、かつ各電子放出素子の電
子放出部から放出される電子の軌道を遮らないように電
子通過孔10が形成されている。具体的には、電子放出
部の直上から40μm(図11に示すS2)ずれた位置
に中心を持つ半径30μmの円形の電子通過孔10を遮
蔽部材9上に形成した。
【0073】以下、本実施例の電子源の製造方法を工程
順に従って簡単に説明する。
【0074】1)清浄化した青板ガラス上に厚さ0.5
μmのシリコン酸化膜をスパッタ法で形成した基板71
上に、真空蒸着により、厚さ50ÅのCr、厚さ600
0ÅのAuを順次積層した後、ホトレジスト(AZ13
70 ヘキスト社製)をスピンナ−により回転塗布、ベ
−クした後、ホトマスク像を露光、現像して、Y方向配
線73のレジストパタ−ンを形成し、Au/Cr堆積膜
をウエットエッチングして、所望の形状のY方向配線7
3を形成した。
【0075】2)次に、厚さ1.0μmのシリコン酸化
膜からなる層間絶縁層(不図示)をRFスパッタ法によ
り堆積した。
【0076】3)上記シリコン酸化膜に、Y方向配線7
3と素子電極との電気的接続のためのコンタクトホ−ル
を形成するためのホトレジストパタ−ンを作り、これを
マスクとして層間絶縁層をエッチングしてコンタクトホ
−ル(不図示)を形成した。エッチングはCF4 とH2
ガスを用いたRIE(Reactive Ion Et
ching)法によった。
【0077】4)その後、素子電極5,6と素子電極間
ギャップとなるべきパタ−ンをホトレジスト(RD−2
000N−41 日立化成社製)で形成し、真空蒸着法
により、厚さ50ÅのTi、厚さ1000ÅのNiを順
次堆積した。ホトレジストパタ−ンを有機溶剤で溶解
し、Ni/Ti堆積膜をリフトオフし、素子電極5,6
を形成した。
【0078】5)素子電極5,6の上にX方向配線72
のホトレジストパタ−ンを形成した後、厚さ50ÅのT
i,厚さ5000ÅのAuを順次真空蒸着により堆積
し、リフトオフにより不要の部分を除去して、所望の形
状のX方向配線72を形成した。
【0079】6)素子電極間ギャップおよびこの近傍に
開口を有するマスクにより膜厚1000ÅのCr膜を真
空蒸着により堆積・パターニングし、その上に有機Pd
(ccp−4230 奥野製薬(株)製)をスピンナー
により回転塗布、300℃で10分間の加熱焼成処理を
した。このようにして、主元素としてPdよりなる微粒
子からなる電子放出部形成用薄膜(導電性膜)を形成し
た。
【0080】7)上記Cr膜および焼成後の電子放出部
形成用薄膜を酸エッチャントによりエッチングして、所
望のパターン形状を有する電子放出部形成用薄膜を形成
した。
【0081】8)全面にレジストを塗布し、マスクを用
いて露光の後現像し、上記コンタクトホール部分のみレ
ジストを除去した。この後、真空蒸着により、厚さ50
ÅのTi、厚さ5000ÅのAuを順次堆積し、リフト
オフにより不要な部分を除去することによりコンタクト
ホールを埋め込んだ。
【0082】以上の工程により、絶縁性基板71上にY
方向配線73、層間絶縁層(不図示)、X方向配線7
2、素子電極5,6、電子放出部形成用薄膜3等を形成
し、未フォーミングの電子源を得た。
【0083】続いて、前述の導電性を有する薄板(アル
ミニウム等)からなる遮蔽部材9を、X方向配線72上
に絶縁層(不図示)を介して所定の位置に配置した。
【0084】次に、以上のようにして作製した未フォー
ミングの電子源を用いて表示装置を構成した例を、図7
及び図8を用いて説明する。
【0085】まず、未フォーミングの電子源81をリア
プレート82に固定した後、電子源81の5mm上方
に、フェースプレート90(ガラス基板87の内面に画
像形成部材であるところの蛍光膜88とメタルバック8
9が形成されて構成される。)を支持枠83を介し配置
し、フェースプレート90、支持枠83、リアプレート
82の接合部にフリットガラスを塗布し、大気中で40
0℃乃至500℃で10分以上焼成することで封着した
(図7参照)。また、リアプレート82への電子源81
の固定もフリットガラスで行った。
【0086】画像形成部材であるところの蛍光膜88
は、モノクロームの場合は蛍光体のみから成るが、本実
施例では蛍光体はストライプ形状(図8参照)を採用
し、蛍光膜88を作製した。ブラックストライプの材料
として、通常よく用いられている黒鉛を主成分とする材
料を用いた。ガラス基板87に蛍光体を塗布する方法は
スラリー法を用いた。
【0087】また、蛍光膜88の内面側に設けられるメ
タルバックは、蛍光膜作製後、蛍光膜の内面側表面の平
滑化処理(通常フィルミングと呼ばれる)を行い、その
後Alを真空蒸着することで作製した。フェースプレー
ト90には、更に蛍光膜88の導電性を高めるため、蛍
光膜88の外面側に透明電極が設けられる場合もある
が、本実施例では、メタルバックのみで十分な導電性が
得られたので省略した。前述の封着を行う際、カラーの
場合は各色蛍光体を電子放出素子とを対応させなくては
いけないため、十分な位置合わせを行った。
【0088】以上のようにして完成したガラス容器内の
雰囲気を排気管(不図示)を通じ真空ポンプにて排気
し、十分な真空度に達した後、容器外端子Dox1ない
しDoxmとDoy1ないしDoynを通じ電子放出素
子74の素子電極5,6間に電圧を印加し、電子放出部
形成用薄膜2を通電処理(フォーミング処理)すること
により電子放出部3を形成した。フォーミング処理に用
いた電圧波形を図3に示す。図3中、T1 及びT2 は電
圧波形のパルス幅とパルス間隔であり、本実施例ではT
1を1ミリ秒、T 2を10ミリ秒とし、三角波の波高値
(フォーミング時のピーク電圧)は5Vとし、フォーミ
ング処理は約10のマイナス6乗Torrの真空雰囲気
下で60秒間行った。
【0089】次に10-6Torr程度の真空度で、不図
示の排気管をガスバーナで熱することで溶着し外囲器9
1の封止を行った。
【0090】最後に、封止後の真空度を維持するため
に、ゲッター処理を行った。
【0091】以上のようにして完成した画像表示装置に
おいて、各電子放出素子には、容器外端子Dox1ない
しDoxm,Doy1ないしDoynを通じ、走査信号
及び変調信号を不図示の信号発生手段よりそれぞれ印加
することにより、電子放出させ、高圧端子Hvを通じ、
メタルバック89に高圧を印加し、電子ビームを加速
し、蛍光膜88に衝突させ、励起・発光させることで画
像を表示した。尚、高圧端子Hvへの印加電圧は5k
V、遮蔽部材9への印加電圧は50V、一対の素子電極
5,6間の印加電圧は14Vとした。
【0092】このとき、電子放出部3から放出される電
子は、素子電極5,6により放出部近傍に形成される水
平方向の電界により電子放出部3の真上からはずれた軌
道を成し、遮蔽部材9によって放出電子が遮られること
は無かった。一方、フェースプレート90側で発生する
正イオンは、高圧により形成される垂直な電界に沿った
飛翔軌道を成し、正イオンは遮蔽部材9で遮ることがで
き、電子放出部3がダメージを受けるような現象は発生
しなかった。
【0093】本実施例の場合、遮蔽部材9は電子放出部
3(図1参照)以外にも、素子電極5,6(図1参
照)、結線75及び配線72,73の一部の直上部も覆
っているので、これらの部分へのダメージもなかった。
また、絶縁性基板1の露出絶縁面また、電子通過孔10
の形状及び位置を多少変えることにより、電子ビームの
整形及び偏向機能なども兼ねることができた。
【0094】実施例2 図12は第2の実施例の画像形成装置を示したものであ
り、(a)は装置の一部を示す斜視図、(b)は(a)
のE−E’断面図である。実施例1と異なる点は、
(a)に示されるように、電子源をなす4枚の基板81
a〜dを合わせて電子源全体を構成しているものであ
る。なお、上記電子源以外の構成部材、例えばリアプレ
ート82、支持枠83、フェースプレート90等は実施
例1と同様である。
【0095】図12中のE−E’断面は、図10中のC
−C’断面と同等の方向のものである。各電子源81a
〜dは図10及び図11で示した電子源と基本的に同等
の構造を有するものであり、図12(b)に示したよう
に、例えば基板71d上のX方向配線72d上に不図示
の絶縁層を介して設置された遮蔽部材をなす電極板9d
は、電子放出素子74dからの電子が通過する為の電子
通過孔10dを有する。
【0096】各遮蔽部材9a〜dは、実施例1と同様に
各電子放出素子74a〜dの直上部、特に電子放出部を
覆い、かつ各電子放出素子の電子放出部から放出される
電子の軌道を遮らない様に電子通過孔10a〜dが形成
されている。具体的には、電子放出部の直上から40μ
mずれた位置に中心を持つ半径30μmの円形の電子通
過孔10a〜dを遮蔽部材9a〜d上に形成した。
【0097】以上のようにな構成を持つ本実施例の画像
表示装置において、実施例1と同様に、各電子放出素子
には、容器外端子Dox1ないしDoxm,Doy1な
いしDoynを通じ、走査信号及び変調信号を不図示の
信号発生手段よりそれぞれ印加することにより、電子放
出させ、高圧端子Hvを通じ、メタルバック89に高圧
を印加し、電子ビームを加速し、蛍光膜88に衝突さ
せ、励起・発光させることで画像を表示した。尚、高圧
端子Hvへの印加電圧は5kV、遮蔽部材9a〜dへの
印加電圧は100V、一対の素子電極5,6間の印加電
圧は14Vとした。
【0098】本実施例においても、実施例1と同様の効
果を得た。また、本実施例においては、複数電子源及
び、複数の遮蔽電極部材を用いることにより、より大画
面での画像表示ができる画像形成装置を実現できた。
【0099】本実施例の変形例の一つとしては、一枚の
電子源上に複数の遮蔽電極部材を配置した構成としても
よい。この場合も、本実施例と同様の効果を得た。
【0100】実施例3 本実施例は、本出願人による特開平2−257551号
公報等に記載されたような変調機能を有する制御電極を
用いて表面伝導型電子放出素子の選択を行う画像形成装
置において、上記制御電極からみて、表面伝導型電子放
出素子を有する電子源側に本発明の遮蔽電極部材を付加
したものである。
【0101】本実施例における画像形成装置の概略斜視
図を図13に示す。また、図14に図13の一部拡大斜
視図を、図15に図13中のF−F’断面図を示す。
【0102】図中、201は絶縁性基板、202,20
3は各々絶縁性基板201上に印刷法等により形成され
た正極側配線及び負極側配線であり、204は電子放出
素子である。各電子放出素子204は、遮蔽部材9がな
い点を除いて図1に示したような構成とし、結線205
により正極側配線202及び負極側配線203と電気的
に接続した。
【0103】209は導電性を有する薄板(アルミニウ
ム等)からなる遮蔽部材であり、正極側配線202およ
び負極側配線203上に絶縁層(不図示)を介して設置
した。遮蔽部材209は各電子放出部204の直上部を
覆いかつ各電子放出部204から放出される電子の軌道
を遮らないように電子通過孔210が形成されている。
具体的には、電子放出部の直上から40μmずれた位置
に中心を持つ半径30μmの円形の電子通過孔210を
遮蔽部材209上に形成した。
【0104】以上の絶縁性基板201及び絶縁性基板2
01上に形成された各部材を含め、電子源211と呼
ぶ。
【0105】207は電子源211と後述のフェースプ
レート220の中間に正極側敗戦202及び負極側配線
203と直交して設けられたストライプ状の制御電極、
208は制御電極207上に各電子放出素子204に対
応して1個づつ設けられた電子通過孔であり、制御電極
207は支持板215上に形成され、支持柱214によ
り電子源211とフェースプレート220の中間部に保
持されている。
【0106】212は電子源211を固定したリアプレ
ート、220はガラス基板217の内面の蛍光膜218
とメタルバック219が形成されたフェースプレート、
213は支持枠である。画像形成部材であるところの蛍
光膜218は、実施例1の蛍光膜88と同様の構成のも
のを用いた。
【0107】本画像表示装置では、リアプレート21
2、支持枠213及びフェースプレート220をフリッ
トガラスで封着して、外囲器221を構成する。
【0108】まず、未フォーミングの電子源211をリ
アプレート212に固定し、次に電子源211の上方
に、支持柱214を介して支持板215を固定した。更
に、電子源211の上方に、支持枠213を介してフェ
ースプレート220を配置し、フェースプレート22
0、支持枠213、リアプレート212の接合部にフリ
ットガラスを塗布し、大気中あるいは窒素雰囲気中で4
00℃乃至500℃で10分以上焼成することで封着し
た。また、リアプレート212への電子源211の固
定、及び電子源211への支持板215の固定もフリッ
トガラスで行った。
【0109】また、正極側配線202は容器外端子Da
1〜Damを通じ、負極側配線203は容器外端子Db
1〜Dbnを通じ、制御電極207は容器外端子G1〜
Gnを通じ、遮蔽電極209は容器外端子Svを通じ、
メタルバック219は高圧端子Hvを通じて、各々不図
示の電圧印加手段と接続した。
【0110】前述の封着を行う際、カラーの場合は各色
蛍光体と電子放出素子とを対応させなくてはいけないた
め、十分な位置合わせを行った。また、制御電極と電子
放出素子との位置合わせも十分行った。
【0111】以上のようにして完成したガラス容器内の
雰囲気を排気管(不図示)を通じ真空ポンプにて排気
し、十分な真空度に達した後、容器外端子Da1ないし
DamとDb1ないしDbnを通じて電子放出素子20
4を実施例1と同様に通電処理(フォーミング処理)す
ることにより電子放出部を作成した。
【0112】次に、10-6Torr程度の真空度で、不
図示の排気管をガスバーナで熱することで溶着し外囲器
221の封止を行った。なお、封止後の真空度を維持す
るために封止の直前にゲッター処理を行った。
【0113】以上のように完成した画像表示装置におい
て、各電子放出素子204には容器外端子Da1ないし
Dam,Db1ないしDbnを通じ走査信号に応じた電
圧波形を不図示の信号発生手段よりそれぞれ印加するこ
とにより電子を放出させ、各制御電極207には容器外
端子G1ないしGnを通じ変調信号に応じた電圧波形を
不図示の信号発生手段よりそれぞれ印加することにより
電子通過孔208の通過電子量を制御し、メタルバック
219には高圧端子Hvを通じて高圧を印加し、電子通
過孔208を通過した電子ビームを加速して蛍光膜21
8に衝突させ、励起・発光させることで画像を表示し
た。
【0114】尚、電子源211の電子放出素子204と
メタルバック219間の距離は5mmとし、高圧端子H
vへの印加電圧は5kV、遮蔽部材209への印加電圧
は100V、電子放出素子204の一対の素子電極間の
印加電圧は14Vとした。
【0115】本実施例においても、実施例1と同様な効
果を得た。また、本実施例においては、遮蔽電極209
を付加したことにより、制御電極207に印加される変
調電圧に拘らず、遮蔽電極209と電子放出素子204
間の電位分布がほぼ一定に保たれるので、より安定した
発光位置,形状を持つ画像表示装置を実現できた。
【0116】本実施例の変形例の一つとしては、図16
の部分拡大斜視図、及び図17の断面図に示すように、
遮蔽部材209をフェースプレート220と制御電極2
07の間に配置した構成がある。この場合、実施例1と
同様の効果に加え、遮蔽電極209により、制御電極2
07に印加される変調電圧に拘らず、遮蔽電極209と
フェースプレート220間の電位分布がほぼ一定に保た
れるので、フェースプレート220側から発生する正イ
オンを確実に遮断できた。
【0117】実施例4 本実施例では、図1に示したような電子放出素子を行列
状に多数個配列してなる図6に示したような電子源を用
いて、図7に示したような画像形成装置を作製した例を
説明する。電子源の一部の平面図を図18に示す。ま
た、図中のG−G’断面図を図19に示す。但し、図
7,図18,図19で、同じ符号で示したものは、同じ
ものを示す。ここで、71は絶縁性基板、72はX方向
配線、73はY方向配線、4は電子放出部を含む薄膜、
5,6は素子電極、141は層間絶縁層、142は素子
電極5とX方向配線72との電気的接続のためのコンタ
クトホールである。
【0118】まず、電子源の製造方法を図20により工
程順に従って具体的に説明する。尚、以下の工程a〜m
は、図20の(a)〜(m)に対応する。
【0119】工程a:清浄化した青板ガラス上に厚さ
0.5μmのシリコン酸化膜をスパッタ法で形成した基
板71上に、真空蒸着により厚さ50ÅのCr、厚さ6
000ÅのAuを順次積層した後、ホトレジスト(AZ
1370 ヘキスト社製)をスピンナーにより回転塗
布、ベークした後、ホトマスク像を露光、現像して、X
方向配線72のレジストパターンを形成し、Au/Cr
堆積膜をウエットエッチングして、所望の形状のX方向
配線72を形成する。
【0120】工程b:次に、厚さ1.0μmのシリコン
酸化膜からなる層間絶縁層141をRFスパッタ法によ
り堆積する。
【0121】工程c:工程bで堆積したシリコン酸化膜
にコンタクトホール142を形成するためのホトレジス
トパターンを作り、これをマスクとして層間絶縁層14
1をエッチングしてコンタクトホール142を形成す
る。エッチングはCF4とH2ガスを用いたRIE(R
eactive Ion Etching)法によっ
た。
【0122】工程d:その後、素子電極と素子電極間ギ
ャップとなるべきパターンをホトレジスト(RD−20
00N−41 日立化成社製)で形成し、真空蒸着法に
より厚さ50ÅのTi、厚さ1000ÅのNiを順次堆
積した。ホトレジストパターンを有機溶剤で溶解し、N
i/Ti堆積膜をリフトオフし、素子電極間隔が3μ
m、素子電極幅が300μmである素子電極5,6を形
成した。
【0123】工程e:素子電極5,6の上にY方向配線
73のホトレジストパターンを形成した後、厚さ50Å
のTi,厚さ5000ÅのAuを順次真空蒸着により堆
積し、リフトオフにより不要の部分を除去して、所望の
形状のY方向配線73を形成した。
【0124】工程f:図21に本工程に関わる電子放出
素子の電子放出部形成用薄膜2のマスクの平面図の一部
を示す。これは素子電極間ギャップL1およびこの近傍
に開口を有するマスクであり、このマスクにより膜厚1
000ÅのCr膜151を真空蒸着により堆積・パター
ニングし、その上に有機Pd(ccp4230 奥野製
薬(株)社製)をスピンナーにより回転塗布、300℃
で10分間の加熱焼成処理をした。
【0125】このようにして形成されたPdを主元素と
する微粒子からなる電子放出部形成用薄膜2の膜厚は約
100Å、シート抵抗値は5×104Ω/□であった。
なおここで述べる微粒子膜とは、複数の微粒子が集合し
た膜であり、その微細構造として、微粒子が個々に分散
配置した状態のみならず、微粒子が互いに隣接、あるい
は、重なり合った状態(島状も含む)の膜をさし、その
粒径とは、前記状態で粒子形状が認識可能な微粒子につ
いての径をいう。
【0126】工程g:酸エッチャントによりCr膜15
1を除去して、所望のパターン形状を有する電子放出部
形成用薄膜2を形成した。
【0127】工程h:コンタクトホール142部分以外
にレジストを塗布するようなパターンを形成し、真空蒸
着により厚さ50ÅのTi、厚さ5000ÅのAuを順
次堆積した。リフトオフにより不要の部分を除去するこ
とにより、コンタクトホール142を埋め込んだ。
【0128】工程i:電子放出部形成用薄膜2を覆うよ
うにCr薄膜からなる保護層131を形成した。
【0129】工程j:ポジ型フォトレジスト(AZ13
50J ヘキスト社製)をスピンコーターにより5μm
塗布しパターニングを行って、後述の工程lにて除去さ
れる空隙となる犠牲層132を形成した。
【0130】工程k:遮蔽部材9となるAl薄膜を成膜
し、幅(S1)0.5μmでパターニングを行った。こ
の時、遮蔽部材9は素子電極5又は6のいずれかへ接続
されるようにパターンを決めた。
【0131】工程l:犠牲層132のフォトレジストを
酸素とCF4の混合ガスによりRIEにてエッチング除
去した。
【0132】工程m:保護層131のCrをウエットエ
ッチングで除去した。
【0133】以上の工程により、絶縁性基板1上にX方
向配線72、層間絶縁層141、Y方向配線73、素子
電極5,6、電子放出部形成用薄膜2、遮蔽部材9等を
形成した。
【0134】以上のようにして作製した電子源を用い
て、実施例1と同様にして図7に示したような表示装置
を構成した。
【0135】以上のようにして完成した画像表示装置に
おいて、実施例1同様に、各電子放出素子には、容器外
端子Dox1ないしDoxm,Doy1ないしDoyn
を通じ、走査信号及び変調信号を不図示の信号発生手段
によりそれぞれ印加することにより電子放出させ、高圧
端子Hvを通じてメタルバック89に高圧を印加し、放
出電子ビームを加速して蛍光膜88に衝突させ、励起・
発光させることで画像を表示した。このとき、高圧端子
Hvへの印加電圧は5kV、一対の素子電極5,6間の
印加電圧は14Vとした。また素子電極5,6のうち遮
蔽部材9へ接続される側を高電位とした。本実施例にお
いても、実施例1と同様の効果を得た。
【0136】本実施例の変形例の一つとしては、遮蔽部
材9へ接続する配線及び該配線への電圧印加手段を別途
設け、遮蔽部材9の電位を規定してもよい。本変形例で
は10Vを印加し、実施例1と同様の効果を得た。
【0137】また本実施例の変形例の一つとしては、遮
蔽部材9が電子放出部を含む薄膜4の全体まで、或は素
子電極5,6の全体を覆う形状のものでもよい。この場
合も、実施例1と同様の効果を得た。
【0138】また、本実施例の変形例の一つとしては、
多数の電子放出素子を基板上に形成し、X方向配線とY
方向配線との層間絶縁層が、該X,Y方向配線の交差部
にのみ存在し、素子電極とX方向配線及びY方向配線と
の結線がコンタクトホールを介せず結線され、電気的に
接続され、かつ絶縁性基板に直接設置された場合であ
る。
【0139】実施例5 本実施例では図22,図23に示す電子源を用いて図7
に示したような画像形成装置を構成した例を説明する。
図22は電子源の概略的な部分斜視図、図23は縦断面
図であり、また図22中のH−H’断面図及びI−I’
断面図を図24に示す。尚、図7,図22,図23及び
図24で、同じ符号で示したものは、同等部材を示す。
図中、171は電子源を有する基板71と蛍光膜を有す
るフェースプレート90間の間隔を保つために設置され
るスペーサであり、9は該スペ−サ171に固定された
棒状の遮蔽部材である。スペーサ171はX方向配線7
2上に設置した。また、遮蔽部材9は各電子放出素子7
4の直上部を覆い、かつ各電子放出素子74の電子放出
部から放出される電子の軌道を遮らない様に、位置およ
びサイズを選択した。具体的には、電子放出素子真上2
00μmの位置に、幅80μm(図24中のS3)、高
さ80μm(図24のS4)の遮蔽部材9を形成した。
基板71の電子放出素子面とフェースプレート90のメ
タルバック面間の距離は5mmとした。
【0140】スペーサ171及び遮蔽部材9は電子軌道
近傍の電位を安定させるために、少なくとも若干の導電
性を有することが好ましく、本実施例ではソーダガラス
の表面に導電性膜をスプレーコートにより形成したもの
を用いた。また、スペーサ171及び遮蔽部材9に不図
示の電圧印加手段を接続し、一定電圧を印加した。
【0141】また、遮蔽部材9は、スペーサ171と予
め一体成型されたものを用いても良いし、組立工程にお
いて接合しても構わない。
【0142】本実施例の電子源を用いて実施例1と同様
にして完成した画像表示装置において、実施例1同様
に、各電子放出素子には、容器外端子Dox1ないしD
oxm,Doy1ないしDoynを通じ、走査信号及び
変調信号を不図示の信号発生手段によりそれぞれ印加す
ることにより電子放出させ、高圧端子Hvを通じてメタ
ルバック89に高圧を印加し、放出電子ビームを加速し
て蛍光膜88に衝突させ、励起・発光させることで画像
を表示した。このとき、高圧端子Hvへの印加電圧は5
kV、一対の素子電極5,6間の印加電圧は14Vとし
た。本実施例においても、実施例1と同様の効果を得
た。また、スペーサ171への不要な帯電も発生しなか
った。
【0143】本実施例の変形例として、遮蔽部材9への
別途電圧印加手段及び配線を設け、遮蔽部材9の電位を
規定してもよい。本例では200Vを印加し、実施例1
と同様の効果を得た。
【0144】実施例6 本実施例では、実施例1の電子源(図10参照)おける
遮蔽部材9として、図25に示すようにフェースプレー
ト90側にスペーサ191を介して設置した遮蔽部材を
用いた以外は、実施例1と同様にして図7に示したよう
な画像形成装置を構成した例を説明する。図25は遮蔽
部材9を設けたフェースプレート90の概略的な部分斜
視図であり、図中のJ−J’断面図と共に、これに対向
配置される電子源基板71の断面図を図26に示す。
尚、図7,図25及び図26で、同じ符号で示したもの
は、同等部材を示す。
【0145】遮蔽部材9は導電性材料(アルミニウム
等)でメッシュ状に形成され、スペーサ191によって
フェースプレート90との間隔を一定に保って保持され
ている。遮蔽部材9は少なくとも各電子放出素子74の
直上部を覆い、かつ各電子放出素子74の電子放出部か
ら放出される電子軌道を完全には遮らない様に、メッシ
ュ位置およびメッシュサイズを選択した。遮蔽部材9
は、電子源基板71とフェースプレート90の間隔に対
し、フェースプレート90側から10%の位置に配置し
た。また、遮蔽部材9はフェースプレート90に与えら
れる電位と同等或は10%程度低い電位となるように不
図示の直流電源により電圧を印加した。
【0146】以上の構成以外は実施例1と同様にして完
成した画像表示装置において、実施例1同様に、各電子
放出素子には、容器外端子Dox1ないしDoxm,D
oy1ないしDoynを通じ、走査信号及び変調信号を
不図示の信号発生手段によりそれぞれ印加することによ
り電子放出させ、高圧端子Hvを通じてメタルバック8
9に数kV以上の高圧を印加し、放出電子ビームを加速
して蛍光膜88に衝突させ、励起・発光させることで画
像を表示した。このとき、実施例1と同様の効果を得
た。
【0147】実施例7 図9は、実施例1〜6で作製した表示装置(ディスプレ
イパネル)に、例えばテレビジョン放送をはじめとする
種々の画像情報源より提供される画像情報を表示できる
ように構成した画像表示装置の一例を示すための図であ
る。図中100はディスプレイパネル、101はディス
プレイパネルの駆動回路、102はディスプレイコント
ローラ、103はマルチプレクサ、104はデコーダ、
105は入出力インターフェース回路、106はCP
U、107は画像生成回路、108,109及び110
は画像メモリインターフェース回路、111は画像入力
インターフェース回路、112及び113はTV信号受
信回路、114は入力部である。(尚、本表示装置は、
例えばテレビジョン信号のように映像情報と音声情報の
両方を含む信号を受信する場合には、当然映像の表示と
同時に音声を再生するものであるが、本発明の特徴と直
接関係しない音声情報の受信、分離、再生、処理、記憶
などに関する回路やスピーカーなどについては説明を省
略する。)以下、画像信号の流れに沿って各部を説明し
てゆく。
【0148】先ず、TV信号受信回路113は、例えば
電波や空間光通信などのような無線伝送系を用いて伝送
されるTV画像信号を受信するための回路である。受信
するTV信号の方式は特に限られるものではなく、例え
ば、NTSC方式、PAL方式、SECAM方式などの
諸方式でも良い。また、これらよりさらに多数の走査線
よりなるTV信号(例えばMUSE方式をはじめとする
いわゆる高品位TV)は、大面積化や大画素数化に適し
た前記ディスプレイパネルの利点を生かすのに好適な信
号源である。TV信号受信回路113で受信されたTV
信号は、デコーダ104に出力される。
【0149】また、画像TV信号受信回路112は、例
えば同軸ケーブルや光ファイバーなどのような有線伝送
系を用いて伝送されるTV画像信号を受信するための回
路である。前記TV信号受信回路113と同様に、受信
するTV信号の方式は特に限られるものではなく、また
本回路で受信されたTV信号もデコーダ104に出力さ
れる。
【0150】また、画像入力インターフェース回路11
1は、例えばTVカメラや画像読取スキャナーなどの画
像入力装置から供給される画像信号を取り込むための回
路で、取り込まれた画像信号はデコーダ104に出力さ
れる。
【0151】また、画像メモリインターフェース回路1
10は、ビデオテープレコーダー(以下VTRと略す)
に記憶されている画像信号を取り込むための回路で、取
り込まれた画像信号はデコーダ104に出力される。
【0152】また、画像メモリインターフェース回路1
09は、ビデオディスクに記憶されている画像信号を取
り込むための回路で、取り込まれた画像信号はデコーダ
104に出力される。
【0153】また、画像メモリ−インターフェース回路
108は、いわゆる静止画ディスクのように、静止画像
データを記憶している装置から画像信号を取り込むため
の回路で、取り込まれた静止画像データはデコーダ10
4に出力される。
【0154】また、入出力インターフェース回路105
は、本表示装置と、外部のコンピュータ、コンピュータ
ネットワークもしくはプリンタなどの出力装置とを接続
するための回路である。画像データや文字・図形情報の
入出力を行なうのはもちろんのこと、場合によっては本
表示装置の備えるCPU106と外部との間で制御信号
や数値データの入出力などを行なうことも可能である。
【0155】また、画像生成回路107は、前記入出力
インターフェース回路105を介して外部から入力され
る画像データや文字・図形情報や、或いはCPU106
より出力される画像データや文字・図形情報に基づき表
示用画像データを生成するための回路である。本回路の
内部には、例えば画像データや文字・図形情報を蓄積す
るための書き換え可能メモリや、文字コードに対応する
画像パターンが記憶されている読み出し専用メモリや、
画像処理を行なうためのプロセッサなどをはじめとして
画像の生成に必要な回路が組み込まれている。
【0156】本回路により生成された表示用画像データ
は、デコーダ104に出力されるが、場合によっては前
記入出力インターフェース回路105を介して外部のコ
ンピュータネットワークやプリンターに出力することも
可能である。
【0157】また、CPU106は、主として本表示装
置の動作制御や、表示画像の生成、選択、編集に関わる
作業を行なう。
【0158】例えば、マルチプレクサ103に制御信号
を出力し、ディスプレイパネルに表示する画像信号を適
宜選択したり組み合わせたりする。また、その際には表
示する画像信号に応じてディスプレイパネルコントロー
ラ102に対して制御信号を発生し、画面表示周波数や
走査方法(例えばインターレースかノンインターレース
か)や一画面の走査線の数など表示装置の動作を適宜制
御する。
【0159】また、前記画像生成回路107に対して画
像データや文字・図形情報を直接出力したり、或いは前
記入出力インターフェース回路105を介して外部のコ
ンピュータやメモリをアクセスして画像データや文字・
図形情報を入力する。
【0160】尚、CPU106は、むろんこれ以外の目
的の作業にも関わるものであっても良い。例えば、パー
ソナルコンピュータやワードプロセッサなどのように、
情報を生成したり処理する機能に直接関わっても良い。
【0161】或いは、前述したように入出力インターフ
ェース回路105を介して外部のコンピューターネット
ワークと接続し、例えば数値計算などの作業を外部機器
と協同して行なっても良い。
【0162】また、入力部114は、前記CPU106
に使用者が命令やプログラム、或いはデータなどを入力
するためのものであり、例えばキーボードやマウスの
他、ジョイスティック、バーコードリーダー、音声認識
装置など多様な入力機器を用いることが可能である。
【0163】また、デコーダ104は、前記107ない
し113より入力される種々の画像信号を3原色信号、
または輝度信号とI信号、Q信号に逆変換するための回
路である。尚、同図中に点線で示すように、デコーダ1
04は内部に画像メモリを備えるのが望ましい。これ
は、例えばMUSE方式をはじめとして、逆変換するに
際して画像メモリを必要とするようなテレビ信号を扱う
ためである。また、画像メモリを備えることにより、静
止画の表示が容易になる、或いは前記画像生成回路10
7及びCPU106と協同して画像の間引き、補間、拡
大、縮小、合成をはじめとする画像処理や編集が容易に
行なえるようになるという利点が生まれるからである。
【0164】また、マルチプレクサ103は前記CPU
106より入力される制御信号に基づき表示画像を適宜
選択するものである。即ち、マルチプレクサ103はデ
コーダ104から入力される逆変換された画像信号のう
ちから所望の画像信号を選択して駆動回路101に出力
する。その場合には、一画面表示時間内で画像信号を切
り換えて選択することにより、いわゆる多画面テレビの
ように、一画面を複数の領域に分けて領域によって異な
る画像を表示することも可能である。
【0165】また、ディスプレイパネルコントローラ1
02は、前記CPU106より入力される制御信号に基
づき駆動回路101の動作を制御するための回路であ
る。
【0166】先ず、ディスプレイパネルの基本的な動作
に関わるものとして、例えばディスプレイパネルの駆動
用電源(不図示)の動作シーケンスを制御するための信
号を駆動回路101に対して出力する。
【0167】また、ディスプレイパネルの駆動方法に関
わるものとして、例えば画面表示周波数や走査方法(例
えばインターレースかノンインターレースか)を制御す
るための信号を駆動回路101に対して出力する。
【0168】また、場合によっては表示画像の輝度、コ
ントラスト、色調、シャープネスといった画質の調整に
関わる制御信号を駆動回路101に対して出力する場合
もある。
【0169】また、駆動回路101は、ディスプレイパ
ネル100に印加する駆動信号を発生するための回路で
あり、前記マルチプレクサ103から入力される画像信
号と、前記ディスプレイパネルコントローラ102より
入力される制御信号に基づいて動作するものである。
【0170】以上、各部の機能を説明したが、図9に例
示した構成により、本表示装置においては多様な画像情
報源より入力される画像情報をディスプレイパネル10
0に表示することが可能である。即ち、テレビジョン放
送をはじめとする各種の画像信号はデコーダ104にお
いて逆変換された後、マルチプレクサ103において適
宜選択され、駆動回路101に入力される。一方、ディ
スプレイコントローラ102は、表示する画像信号に応
じて駆動回路101の動作を制御するための制御信号を
発生する。駆動回路101は、上記画像信号と制御信号
に基づいてディスプレイパネル100に駆動信号を印加
する。これにより、ディスプレイパネル100において
画像が表示される。これらの一連の動作は、CPU10
6により統括的に制御される。
【0171】また、本表示装置においては、前記デコー
ダ104に内蔵する画像メモリや、画像生成回路107
及びCPU106が関与することにより、単に複数の画
像情報の中から選択したものを表示するだけでなく、表
示する画像情報に対して、例えば拡大、縮小、回転、移
動、エッジ強調、間引き、補間、色変換、画像の縦横比
変換などをはじめとする画像処理や、合成、消去、接
続、入れ替え、はめ込みなどをはじめとする画像編集を
行なうことも可能である。また、本実施例の説明では、
特に触れなかったが、上記画像処理や画像編集と同様
に、音声情報に関しても処理や編集を行なうための専用
回路を設けても良い。
【0172】従って、本表示装置は、テレビジョン放送
の表示機器、テレビ会議の端末機器、静止画像及び動画
像を扱う画像編集機器、コンピューターの端末機器、ワ
ードプロセッサをはじめとする事務用端末機器、ゲーム
機などの機能を一台で兼ね備えることが可能で、産業用
或いは民生用として極めて応用範囲が広い。
【0173】尚、上記図9は、本発明によるディスプレ
イパネルを用いた表示装置の構成の一例を示したに過ぎ
ず、これのみに限定されるものでないことは言うまでも
ない。例えば図9の構成要素のうち使用目的上必要のな
い機能に関わる回路は省いても差し支えない。またこれ
とは逆に、使用目的によってはさらに構成要素を追加し
ても良い。例えば、本表示装置をテレビ電話機として応
用する場合には、テレビカメラ、音声マイク、照明機、
モデムを含む送受信回路などを構成要素に追加するのが
好適である。
【0174】本表示装置においては、とりわけ本発明に
よるディスプレイパネルの薄型化が容易なため、表示装
置の奥行きを小さくすることができる。それに加えて、
大画面化が容易で輝度が高く視野角特性にも優れるた
め、本表示装置は臨場感あふれ迫力に富んだ画像を視認
性良く表示することが可能である。
【0175】他の実施例 また、本発明は、表面伝導型電子放出素子以外の冷陰極
型電子放出素子のうち、電子放出素子の真上方向に対し
てずれた電子軌道を成すいずれの電子放出素子に対して
も適用できる。具体例としては、本出願人による特開昭
63−274047号公報に記載されたような対向する
一対の電極を電子源を成す基板面に沿って構成した電界
放出型の電子放出素子がある。
【0176】また、本発明の思想によれば、表示用とし
て好適な画像形成装置に限るものではなく、感光性ドラ
ムと発光ダイオード等で構成された光プリンターの発光
ダイオード等の代替の発光源として、上述の画像形成装
置を用いることもできる。またこの際、上述のm本の行
方向配線とn本の列方向配線を、適宜選択することで、
ライン状発光源だけでなく、2次元状の発光源としても
応用できる。
【0177】また、本発明の思想によれば、例えば電子
顕微鏡等のように、電子源からの放出電子の被照射部材
が、画像形成部材以外である場合についても、本発明は
適用できる。従って、本発明は被照射部材を特定しない
電子線発生装置としての形態もとり得る。
【0178】
【発明の効果】本発明によれば、画像形成装置内の電子
源と画像形成部材間に設置された遮蔽電極により、画像
形成部材側から電子源側へ飛翔する粒子(主に正イオ
ン)が、主として電子源に衝突したり、付着するのを防
ぎ、電子源の劣化や不要な帯電を生じない画像形成装置
を提供できる。また、帯電の防止に関しては、電子源以
外の部分に対しても上記方法が有効であり、耐大気圧支
持部材(スペーサ)等の絶縁性表面を覆うように上記遮
蔽電極の形状や配置を決めればよい。
【0179】本発明の画像形成装置によれば、電子放出
素子の電子放出部から放出された電子は、上記素子の真
上方向に対して一対の素子電極のなす電界方向にずれて
飛翔する為、電子放出部の直上部を覆う遮蔽部材を成す
上記遮蔽電極に遮られることなく蛍光体等の画像形成部
材へ向かうことができると共に、上記画像形成部材で発
生する正イオンから電子放出部を保護することができ
る。また、不測の放電が生じた場合にも電子源の劣化を
防止できる。従って、本発明の場合、図27に示したよ
うな電子偏向の為のグリッドを付加する必要はない。
【0180】従って、複雑な付加構造を必要としない本
発明の構成は、本出願人の提案による複数本の行方向配
線と複数本の列方向配線とによって、表面伝導型電子放
出素子の対向する一対の素子電極をそれぞれ結線する事
で、行列状に、表面伝導型電子放出素子を配列した単純
マトリクス型の電子源を用いた画像形成装置に、特に好
適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子源の一例を示す基本構成図で
ある。
【図2】図1の電子源の製造方法を説明するための工程
図である。
【図3】フォーミング処理時の電圧波形の一例である。
【図4】電子源の電子放出特性の測定評価装置を示す概
略構成図である。
【図5】電子放出素子の電流−電圧特性を示す図であ
る。
【図6】多数の電子放出素子を単純マトリクス配線して
構成した電子源の概略図である。
【図7】本発明による画像形成装置の一構成例を示す部
分切り欠き斜視図である。
【図8】画像形成装置における蛍光膜の構成例を示す図
である。
【図9】本発明による画像表示装置の一構成例を示すブ
ロック図である。
【図10】実施例1にて示す電子源の部分斜視図であ
る。
【図11】図10の電子源の部分断面図である。
【図12】実施例2の電子源の概略斜視図及び断面図で
ある。
【図13】実施例3の画像形成装置の一構成例を示す部
分切り欠き斜視図である。
【図14】図13の画像形成装置の部分斜視図である。
【図15】図13の画像形成装置の断面図である。
【図16】実施例3の変形例の画像形成装置の部分斜視
図である。
【図17】図16の画像形成装置の断面図である。
【図18】実施例4にて示す電子源の部分平面図であ
る。
【図19】図18の電子源の部分断面図である。
【図20】図18の電子源の製造工程を説明するための
断面図である。
【図21】図18の電子源の製造工程で用いたマスクを
示す部分平面図である。
【図22】実施例5にて示す電子源の部分斜視図であ
る。
【図23】図22の電子源を用いて構成した画像形成装
置の断面図である。
【図24】図22の電子源の部分断面図である。
【図25】実施例6にて示すフェースプレートの部分斜
視図である。
【図26】実施例6にて示す画像形成装置の部分断面図
である。
【図27】従来例の電子源の概略構成図である。
【図28】従来例の電子放出素子の概略構成図である。
【符号の説明】
1 絶縁性基板 2 電子放出部形成用薄膜 3 電子放出部 4 電子放出部を含む薄膜 5,6 素子電極 7 保護層 8 犠牲層 9 遮蔽部材 10 電子通過孔 40,42 電流計 41 電源 43 高圧電源 44 アノード電極 71 絶縁性基板 72 X方向配線 73 Y方向配線 74 電子放出素子 75 結線 81 電子源 82 リアプレート 83 支持枠 87 ガラス基板 88 蛍光膜 89 メタルバック 90 フェースプレート 91 外囲器 92 黒色導電材 93 蛍光体 131 保護層 132 犠牲層 141 層間絶縁層 142 コンタクトホール 151 Cr膜 171 スペーサ 191 スペーサ 201 絶縁性基板 202 正極側電極 203 負極側電極 204 電子放出素子 205 結線 207 制御電極 208 電子通過孔 209 遮蔽電極 210 電子通過孔 211 電子源 212 リアプレート 213 支持枠 214 支持柱 215 支持板 217 ガラス基板 218 蛍光膜 219 メタルバック 220 フェースプレート 221 外囲器

Claims (63)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子放出素子と、該電子放出素子に飛翔
    してくる帯電粒子を遮蔽するための遮蔽部材とを、基板
    上に一体配置したことを特徴とする電子源。
  2. 【請求項2】 前記遮蔽部材は、前記電子放出素子上に
    絶縁層を介して設置されていることを特徴とする請求項
    1に記載の電子源。
  3. 【請求項3】 前記電子放出素子は、前記基板面に並設
    された電極間に電子放出部を有することを特徴とする請
    求項1に記載の電子源。
  4. 【請求項4】 前記電子放出素子は、その駆動時に、前
    記基板面に平行な電界成分を発生することを特徴とする
    請求項3に記載の電子源。
  5. 【請求項5】 前記電子放出素子が、表面伝導型電子放
    出素子であることを特徴とする請求項4に記載の電子
    源。
  6. 【請求項6】 前記電子放出素子が、電界放出型電子放
    出素子であることを特徴とする請求項4に記載の電子
    源。
  7. 【請求項7】 前記遮蔽部材が、前記電子放出素子の電
    子放出部の直上部を覆っていることを特徴とする請求項
    3に記載の電子源。
  8. 【請求項8】 前記遮蔽部材が、前記電子放出素子の電
    極部を覆っていることを特徴とする請求項7に記載の電
    子源。
  9. 【請求項9】 前記電子源は、複数の電子放出素子を有
    し、該電子放出素子の各々が、その交差部に絶縁層を介
    して積層された行方向配線と列方向配線とに結線されて
    行列状に配列している電子源であることを特徴とする請
    求項1に記載の電子源。
  10. 【請求項10】 前記遮蔽部材は、前記電子放出素子上
    に絶縁体を介して設置されていることを特徴とする請求
    項9に記載の電子源。
  11. 【請求項11】 前記電子放出素子は、前記基板面に並
    設された電極間に電子放出部を有することを特徴とする
    請求項9に記載の電子源。
  12. 【請求項12】 前記電子放出素子は、その駆動時に、
    前記基板面に平行な電界成分を発生することを特徴とす
    る請求項11に記載の電子源。
  13. 【請求項13】 前記電子放出素子が、表面伝導型電子
    放出素子であることを特徴とする請求項12に記載の電
    子源。
  14. 【請求項14】 前記電子放出素子が、電界放出型電子
    放出素子であることを特徴とする請求項12に記載の電
    子源。
  15. 【請求項15】 前記遮蔽部材が、前記電子放出素子の
    電子放出部の直上部を覆っていることを特徴とする請求
    項11に記載の電子源。
  16. 【請求項16】 前記遮蔽部材が、前記電子放出素子の
    電極部を覆っていることを特徴とする請求項15に記載
    の電子源。
  17. 【請求項17】 前記遮蔽部材が、前記電子放出素子に
    結線された配線部を覆っていることを特徴とする請求項
    15に記載の電子源。
  18. 【請求項18】 前記遮蔽部材が、前記電子源の絶縁層
    を覆っていることを特徴とする請求項15に記載の電子
    源。
  19. 【請求項19】 基板上に複数の電子放出素子を有する
    電子源と、電子被照射部材とを有する電子線発生装置に
    おいて、前記電子源と前記電子被照射部材との間に、該
    電子源に飛翔してくる帯電粒子を遮蔽するための遮蔽部
    材を設置したことを特徴とする電子線発生装置。
  20. 【請求項20】 前記電子放出素子は、前記基板面に並
    設された電極間に電子放出部を有することを特徴とする
    請求項19に記載の電子線発生装置。
  21. 【請求項21】 前記電子放出素子は、その駆動時に、
    前記基板面に平行な電界成分を発生することを特徴とす
    る請求項20に記載の電子線発生装置。
  22. 【請求項22】 前記電子放出素子が、表面伝導型電子
    放出素子であることを特徴とする請求項21に記載の電
    子線発生装置。
  23. 【請求項23】 前記電子放出素子が、電界放出型電子
    放出素子であることを特徴とする請求項21に記載の電
    子線発生装置。
  24. 【請求項24】 前記遮蔽部材が、前記電子放出素子の
    電子放出部の直上部を覆っていることを特徴とする請求
    項20に記載の電子線発生装置。
  25. 【請求項25】 前記遮蔽部材が、前記電子放出素子の
    電極部を覆っていることを特徴とする請求項24に記載
    の電子線発生装置。
  26. 【請求項26】 前記電子源と前記遮蔽部材との間に絶
    縁性部材を有し、前記遮蔽部材は、前記電子被照射部材
    からみて該絶縁性部材の表面を覆っていることを特徴と
    する請求項19に記載の電子線発生装置。
  27. 【請求項27】 前記絶縁性部材が、耐大気圧機能を有
    する支持部材であることを特徴とする請求項26に記載
    の電子線発生装置。
  28. 【請求項28】 前記絶縁性部材が、真空雰囲気維持機
    能を有する支持部材であることを特徴とする請求項26
    に記載の電子線発生装置。
  29. 【請求項29】 前記絶縁性部材が、前記電子線発生装
    置内に設置された部材を保持する機能を有する支持部材
    であることを特徴とする請求項26に記載の電子線発生
    装置。
  30. 【請求項30】 前記電子源は、複数の電子放出素子の
    各々が、その交差部に絶縁層を介して積層された行方向
    配線と列方向配線とに結線されて行列状に配列している
    電子源であることを特徴とする請求項19に記載の電子
    線発生装置。
  31. 【請求項31】 前記電子放出素子は、前記基板面に並
    設された電極間に電子放出部を有することを特徴とする
    請求項30に記載の電子線発生装置。
  32. 【請求項32】 前記電子放出素子は、その駆動時に、
    前記基板面に平行な電界成分を発生することを特徴とす
    る請求項31に記載の電子線発生装置。
  33. 【請求項33】 前記電子放出素子が、表面伝導型電子
    放出素子であることを特徴とする請求項32に記載の電
    子線発生装置。
  34. 【請求項34】 前記電子放出素子が、電界放出型電子
    放出素子であることを特徴とする請求項32に記載の電
    子線発生装置。
  35. 【請求項35】 前記遮蔽部材が、前記電子放出素子の
    電子放出部の直上部を覆っていることを特徴とする請求
    項31に記載の電子線発生装置。
  36. 【請求項36】 前記遮蔽部材が、前記電子放出素子の
    電極部を覆っていることを特徴とする請求項35に記載
    の電子線発生装置。
  37. 【請求項37】 前記遮蔽部材が、前記電子放出素子に
    結線された配線部を覆っていることを特徴とする請求項
    35に記載の電子線発生装置。
  38. 【請求項38】 前記遮蔽部材が、前記電子源の絶縁層
    を覆っていることを特徴とする請求項35に記載の電子
    線発生装置。
  39. 【請求項39】 前記複数の電子放出素子の各々が行方
    向配線によって結線されており、且つ変調機能を有する
    制御電極が列方向配線によって結線されていることを特
    徴とする請求項19に記載の電子線発生装置。
  40. 【請求項40】 前記遮蔽部材が、前記制御電極よりも
    前記電子源側に配置されていることを特徴とする請求項
    39に記載の電子線発生装置。
  41. 【請求項41】 前記遮蔽部材が、前記制御電極よりも
    前記電子被照射部材側に配置されていることを特徴とす
    る請求項39に記載の電子線発生装置。
  42. 【請求項42】 前記電子放出素子は、前記基板面に並
    設された電極間に電子放出部を有することを特徴とする
    請求項39に記載の電子線発生装置。
  43. 【請求項43】 前記電子放出素子は、その駆動時に、
    前記基板面に平行な電界成分を発生することを特徴とす
    る請求項42に記載の電子線発生装置。
  44. 【請求項44】 前記電子放出素子が、表面伝導型電子
    放出素子であることを特徴とする請求項43に記載の電
    子線発生装置。
  45. 【請求項45】 前記電子放出素子が、電界放出型電子
    放出素子であることを特徴とする請求項43に記載の電
    子線発生装置。
  46. 【請求項46】 前記遮蔽部材が、前記電子放出素子の
    電子放出部の直上部を覆っていることを特徴とする請求
    項42に記載の電子線発生装置。
  47. 【請求項47】 前記遮蔽部材が、前記電子放出素子の
    電極部を覆っていることを特徴とする請求項46に記載
    の電子線発生装置。
  48. 【請求項48】 前記遮蔽部材が、前記電子放出素子に
    結線された配線部を覆っていることを特徴とする請求項
    46に記載の電子線発生装置。
  49. 【請求項49】 前記遮蔽部材が、前記電子放出素子か
    ら放出される電子の軌道上に電子通過孔を有することを
    特徴とする請求項20に記載の電子線発生装置。
  50. 【請求項50】 前記電子通過孔の位置が、前記電子放
    出素子の電子放出部の直上部からずれていることを特徴
    とする請求項49に記載の電子線発生装置。
  51. 【請求項51】 前記遮蔽部材が、前記電子源上に設置
    されていることを特徴とする請求項19に記載の電子線
    発生装置。
  52. 【請求項52】 前記遮蔽部材が、前記電子源上に絶縁
    体を介して設置されていることを特徴とする請求項51
    に記載の電子線発生装置。
  53. 【請求項53】 前記遮蔽部材が、前記電子源と一体に
    形成されていることを特徴とする請求項51に記載の電
    子線発生装置。
  54. 【請求項54】 前記遮蔽部材が、前記電子源と前記電
    子被照射部材との間に設置された支持部材により保持さ
    れていることを特徴とする請求項19に記載の電子線発
    生装置。
  55. 【請求項55】 前記支持部材が電圧印加手段により電
    位規定されており、前記遮蔽部材が該支持部材を通じて
    電位規定されていることを特徴とする請求項54に記載
    の電子線発生装置。
  56. 【請求項56】 前記遮蔽部材が、複数の遮蔽電極片か
    ら構成されていることを特徴とする請求項19に記載の
    電子線発生装置。
  57. 【請求項57】 前記電子源は前記電子放出素子の形成
    された複数の電子源基板からなり、各々の電子源基板に
    対して、前記遮蔽電極片が少なくとも一つ対応している
    ことを特徴とする請求項56に記載の電子線発生装置。
  58. 【請求項58】 前記遮蔽部材が、前記電子放出素子か
    ら放出された電子の軌道を変化させる電界成分を発生す
    ることを特徴とする請求項19に記載の電子線発生装
    置。
  59. 【請求項59】 前記遮蔽部材による電子軌道の変化
    は、電子を集束させるものであることを特徴とする請求
    項58に記載の電子線発生装置。
  60. 【請求項60】 前記遮蔽部材による電子軌道の変化
    は、電子軌道を偏向させるものであることを特徴とする
    請求項58に記載の電子線発生装置。
  61. 【請求項61】 前記遮蔽部材が、前記電子被照射部材
    上に設置されていることを特徴とする請求項19に記載
    の電子線発生装置。
  62. 【請求項62】 前記遮蔽部材が、前記電子被照射部材
    上に支持部材を介して設置されていることを特徴とする
    請求項61に記載の電子線発生装置。
  63. 【請求項63】 請求項19〜62のいずれかに記載の
    電子線発生装置における前記電子被照射部材に代えて、
    前記電子源に対向配置され、前記電子放出素子から放出
    された電子が衝突することにより画像が形成される画像
    形成部材を有することを特徴とする画像形成装置。
JP19620194A 1993-12-27 1994-07-29 電子源、電子線発生装置、及び画像形成装置 Pending JPH07235257A (ja)

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