JPH07198631A - スピン偏極電子線源特性x線解析装置 - Google Patents

スピン偏極電子線源特性x線解析装置

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JPH07198631A
JPH07198631A JP5336326A JP33632693A JPH07198631A JP H07198631 A JPH07198631 A JP H07198631A JP 5336326 A JP5336326 A JP 5336326A JP 33632693 A JP33632693 A JP 33632693A JP H07198631 A JPH07198631 A JP H07198631A
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spin
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electron beam
polarized
ray
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JP5336326A
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Tadashi Mizoguchi
正 溝口
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APUKO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、スピン偏極電子線を試料に照射し
て発生させた特性X線を解析し、磁気偏極度などを測定
するスピン偏極電子源特性X線解析装置に関し、磁化し
た試料表面の磁化方向と平行にスピン偏極したスピン偏
極電子線および逆方向にスピン偏極したスピン偏極電子
線を照射したときの特性X線の強度Xpおよび強度Xa
をそれぞれ測定し、これら両者をもとに微小領域に含ま
れる元素の磁気偏極度や電子線の偏極度を測定すること
を目的とする。 【構成】 ある方向および逆方向にスピン偏極させたス
ピン偏極電子線(K)を磁性体である試料(D)にそれ
ぞれ照射して発生させた特性X線(L)の強度をそれぞ
れ求め、これら求めた両者の強度をもとに当該試料
(D)に含まれる元素の磁気偏極度を測定するように構
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スピン偏極電子線を試
料に照射して発生させた特性X線を解析し、磁気偏極度
などを測定するスピン偏極電子線源特性X線解析装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子線を試料に照射して当該試料
から発生する特性X線のスペクトルを測定する物理分析
法は、EPMA(Electron Probe Micro Analysis)とし
て確立し、定性組成分析や定量組成分析として一般に用
いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、電子源として
非偏極電子を用いるので、試料中の原子の磁気モーメン
トに関する情報は、全く得られない。
【0004】一方、電子ビーム自身のスピン偏極度を測
定する手段として、モット散乱検出器がある。これは、
100Kev程度の高電圧を用いなければならないた
め、放電に対する対策が大がかりなものとなり高価であ
る。他のスピン偏極度の測定法も提案されているが、い
ずれも試料の表面状態に極めて敏感でしかも超高真空を
必要とすることなどから取り扱いが難しいという問題が
ある。
【0005】このため、下記の問題を解決することが望
まれている。 (1) 試料中に含まれている原子の種類を特定した上
でその磁気偏極度に関する情報を得る。
【0006】(2) スピン偏極電子線のスピン偏極度
を測定する。本発明は、これらの問題を解決するため、
磁化した試料表面の磁化方向と平行にスピン偏極したス
ピン偏極電子線および逆方向にスピン偏極したスピン偏
極電子線を照射したときの特性X線の強度Xpおよび強
度Xaをそれぞれ測定し、これら両者をもとに微小領域
に含まれる元素の磁気偏極度や電子線のスピン偏極度を
測定することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】図1は、本発明の原理構
成図を示す。図1において、光電子発生源Aは、ある方
向および逆方向にスピン偏極したスピン偏極電子線Kを
発生するものであって、例えば円偏光光線(右、左周
り)Jを照射してスピン偏極したスピン偏極電子線Kを
発生するものである。
【0008】静電レンズBは、光電子発生源Aから放射
されたスピン偏極電子線Kを試料Dの表面に結像するも
のである。偏向器Cは、スピン偏極電子線Kを偏向して
試料D上の任意の部位に照射するためのものである。
【0009】試料Dは、磁性体の試料であって、微小部
位に含まれる元素の磁気偏極度の測定対象の試料であ
る。磁化用電磁石または永久磁石D’は、試料Dに磁束
を印加するものであって、ここではコイルに電流を流し
て一定方向および逆方向の磁束を試料Dに供給するもの
である。
【0010】X線検出器Eは、試料Dから放射された特
性X線を検出するものである。円偏光発生装置Fは、右
周りおよび左周りの円偏光光線Jを発生するものであ
る。
【0011】計測制御装置Gは、円偏光発生装置Fを制
御して円偏光光線Jを発生させたり、X線検出器Eによ
って検出した特性X線の強度を計数したりなどし、試料
Dの磁気偏極度などを算出するものである。
【0012】超高真空排気装置Hは、図中で囲んだ容器
を超高真空に排気する排気装置である。円偏光光線J
は、円偏光発生装置Fによって発生された右周りあるい
は左周りの円偏光光線である。
【0013】スピン偏極電子線Kは、右周りあるいは左
周りの円偏光光線Jを光電子発生源Aに照射してある方
向あるいは逆方向にスピン偏極して発生されたスピン偏
極電子線である。
【0014】
【作用】本発明は、図1に示すように、光電子発生源A
がある方向および逆方向にスピン偏極したスピン偏極電
子線Kを発生し、静電レンズBによって加速および集束
して試料Dにスピン偏極電子線Kを照射すると共に偏向
器Cによって任意の試料Dの部位を照射し、この部位か
ら放射された特性X線をX線検出器Eが検出し、これら
検出した信号を計測制御装置が計測してその強さを求め
て磁気偏極度を算出するようにしている。
【0015】この際、ある方向および逆方向のスピン偏
極として、試料Dの磁性原子のスピンの方向に平行およ
び逆方向とし、そのときの特性X線の強度を検出して磁
気偏極度を算出するようにしている。
【0016】また、試料Dに含まれる元素の磁気偏極度
mを下式によって測定するようにしている。 ここで、 Xp:スピン偏極したスピン偏極電子線Kの電子スピン
の方向が上記試料Dの磁性原子のスピン方向と同一の場
合の特性X線Lの強度 Xa:スピン偏極したスピン偏極電子線Kの電子スピン
の方向が上記試料Dの磁性原子のスピン方向と逆の場合
の特性X線Lの強度 p:スピン偏極度(装置固有の定数) A:非対称因子(磁性体である試料Dに含まれるの元素
に固有な定数) m:磁気偏極度(磁性体である試料Dに含まれる元素が
その試料中で持つ定数) また、非対称因子Aおよび磁気偏極度mが既知の試料D
を用いて、電子線のスピン偏極度pを測定するようにし
ている。
【0017】また、右周りの円偏光光線Jおよび左周り
の円偏光光線Jを光電子発生源Aに照射して上記ある方
向および逆方向にスピン偏極したスピン偏極電子線Kを
それぞれ発生するようにしている。
【0018】従って、磁化した試料Dの表面の磁化方向
と平行にスピン偏極したスピン偏極電子線Kおよび逆方
向にスピン偏極したスピン偏極電子線Kを照射したとき
の特性X線の強度Xpおよび強度Xaをそれぞれ測定
し、これら両者をもとに微小領域に含まれる元素の磁気
偏極度mやスピン偏極電子線Kのスピン偏極度pを測定
することが可能となる。
【0019】
【実施例】次に、図2を用いて本発明の実施例の構成お
よび動作を順次詳細に説明する。図2は、本発明の1実
施例構成図を示す。
【0020】図2の(a)は、全体構成図を示す。図2
の(a)において、レーザー光発生器12は、レーザー
光線21を発生させるものである。
【0021】直線偏光器11は、レーザー光線21を直
線偏光光線22にするものである。1/4波長板10
は、直線偏光光線22を円偏光光線23にするものであ
る。この際に、1/4波長板10の回転方向によって、
Aに示すように右周りの円偏光光線23あるいはBに示
すように左周りの円偏光光線23にすることができる。
【0022】レーザー光線取り入れウィンドウ8は、円
偏光光線23を真空容器1内に取り込むためのウィンド
ウである。この取り込んだ円偏光光線23は、GaAs
光電子発生源2を照射する。
【0023】GaAs光電子発生源2は、円偏光光線2
3を照射してスピン偏極電子線24を発生するものであ
る。この際、Aの右周り円偏光光線23が照射された場
合、A’の右向きのスピン偏極電子線24を発生する。
Bの左周り円偏光光線23が照射された場合、B’の左
向きのスピン偏極電子線24を発生する。
【0024】加速静電レンズ3は、GaAs光電子発生
源2から発生されたスピン偏極電子線24を加速すると
共に試料5の表面に微小スポットとして集束するもので
ある。特性X線を発生させるのに必要なエネルギーまで
の加速は、この加速静電レンズおよび試料に加えられた
電位によってなされる。発生されたスピン偏極電子線2
4のスピンの向きA’あるいはB’は、試料5に到達す
る迄保存される。
【0025】静電偏向器4は、加速静電レンズ3を出射
したスピン円偏極電子線24を偏向して試料5上のC点
に結像させるものである。試料5は、微小領域に含まれ
る元素の磁気偏極度を測定する対象の試料である。この
試料5は、スピン偏極電子線24のスピンの方向と同一
の方向を持つ磁束、あるいは逆方向を持つ磁束を印加す
るように、試料励磁コイル7およびヨーク6を図示のよ
うに構成している。磁束の向きは、試料励磁コイル7に
流す励磁電流の向きによって、任意の励磁方向を選択で
きる。試料励磁コイル7に電流を流すと、磁束の流れ
は、コイル内磁性体−ヨーク−試料−ヨーク−コイル内
磁性体と閉ループを描き、この磁束が試料5の元素の磁
気偏極度の向き(A’’’あるいはB’’’)を定め
る。ここで、既述した、1/4波長板によって、試料5
上に到達したスピン偏極電子線24のスピンの向き
A’’あるいはB’’の任意に設定できる。これらによ
って、 (A) スピン偏極電子線24のスピンの向きと、試料
5の元素のスピンの向きとを同じ方向にすることができ
る(A’’とA’’’、あるいはB’’とB’’’の組
み合わせの場合)。
【0026】(B) スピン偏極電子線24のスピンの
向きと、試料5の元素のスピンの向きとを逆方向にする
ことができる(A’’とB’’’、あるいはB’’と
A’’’の組み合わせの場合)。
【0027】特性X線26は、スピン偏極電子線24を
照射した試料5から放射された特性X線である。X線取
り出しウィンドウ9は、真空容器1から真空外に特性X
線26を取り出すウィンドウである。X線検出器13を
真空容器1内に配置する場合には、X線取り出しウィン
ドウ9は、不要である。
【0028】X線検出器13は、特性X線を検出するも
のであって、例えば半導体検出器であるSSDである。
このX線検出器13によって一定時間内に発生する特性
X線26の個数を計測してX線計測パルス信号を生成す
るものである。
【0029】パルス計測器14は、X線計測パルス信号
を入力として、一定時間内のパルス数を計測するもので
ある。ここでは、X線計測パルス信号27を計測したパ
ルス数信号28を、 上記(A)の場合、Xp個 上記(B)の場合、Xa個 とする。
【0030】計数値メモリ15は、パルス数信号28を
記憶するものであって、上記(A)のパルス数信号Xp
および(B)のパルス数信号Xaを記憶するものであ
る。計数値演算回路および表示器16は、計数値メモリ
15に記憶したパルス数信号Xpおよびパルス数信号X
aを下式に代入し、その結果や磁気偏極度mなどを表示
するものである。
【0031】 Xp−Xa ───── = p・A・m (式1) Xp+Xa ここで、 Xp:スピン偏極電子線15のスピンの方向が、試料5
の磁化方向に一致する場合の特性X線の数である。
【0032】Xa:スピン偏極電子線15のスピンの方
向が、試料5の磁化方向と逆方向の場合の特性X線の数
である。 p:スピン偏極度(GaAs光電子発生源2に固有な定
数) A:非対称因子(試料5に含まれる元素に固有の定数) m:磁気偏極度(試料5に含まれる元素がその試料中で
持つ定数)を表す。
【0033】図2の(b)は、試料付近の部分図を示
す。これは、左側から試料5にスピン偏極電子線25を
照射し、下方向に特性X線26を放射する様子を示す。
ここで、 スピン偏極電子線25のスピンがA’’の右
向あるいはスピンがB’’の左向きで試料5を照射す
る。試料5の元素の磁気偏極度mの方向をA’’’ある
いはB’’’とする。
【0034】スピン偏極電子線25のスピンの向きと、
試料5の元素の磁気偏極度mの向きとが一致する場合に
発生した特性X線の個数をXpとし、試料5の元素の磁
気偏極度mの向きとが逆の場合に発生した特性X線の個
数をXaとする。そして、既述した(式1)に代入して
試料5の微小領域に含まれる元素の磁気偏極度mなどを
算出する。
【0035】次に、動作を説明する。 (1) レーザー光発生器12によってレーザー光線2
1を発生し、直線偏光器11によって直線偏光光線22
にする。この直線偏光光線22を1/4波長板10の回
転方向によってAの右周りの円偏光光線23あるいはB
の左周りの円偏光光線23にする。このAの右周りの円
偏光光線23あるいはBの左周りの円偏光光線23をレ
ーザー光取り入れウィンドウ8を通して真空容器1に入
射させ、GaAs光電子発生源2を照射する。
【0036】(2) Aの右周りの円偏光光線23ある
いはBの左周りの円偏光光線23によって照射されたG
aAs光電子発生源2は、A’の右向きのスピンを有す
るスピン偏極電子線24あるいはB’の左向きのスピン
を有するスピン偏極電子線24を発生し、これは加速静
電レンズ3によって加速されると共に集束し、静電偏向
器4によって試料5上に結像する。ここで、GaAs光
電子発生源2は、スピン偏極電子線24を発生するGa
As単結晶で、表面を清浄にした後にCs(セシウム)
とO(酸素)とを微量つけ、適当なエネルギの円偏光光
線23を照射し、スピン偏極電子線24を発生させる。
【0037】(3) スピン偏極電子線24によって照
射された試料5は、試料励磁コイル7およびヨーク8に
よって磁束が供給されて磁化されている。この際、スピ
ン偏極電子線24を試料5面に低角で入射させて磁化方
向とほぼ平行あるいは逆方向となるようにする。スピン
偏極電子線24の回転方向は、1/4波長板10を回転
させる回転方向によって右向きあるいは左向きに任意に
変えることができる。
【0038】(3) 試料5から発生した特性X線26
は、X線取り出しウィンドウ9、例えばBe板のウィン
ドウを通って真空容器1外に取り出す。この取り出した
特性X線26をX線検出器13によって測定する。この
際、一定間隔で円偏光光線23の向きを右向きおよび左
向きを交互に逆転させてスピン偏光電子線24のスピン
を反転させ、それぞれのときの特性X線のパルス数信号
Xp、Xaを計測する。これら測定したパルス数信号X
p、Xaを(式1)に代入し、p(スピン偏極度)およ
びA(非対称因子)を予め求めておいた値を代入して磁
気偏極度mを算出する。
【0039】尚、スピン偏極度pの判ったGaAs光電
子発生源2を用いて測定を行えば、試料5中の元素を特
性X線の波長で特定した上で、その元素(原子)の磁気
偏極度mと非対称因子Aの積を求めることができる。磁
気偏極度mが既知である試料5により非対称因子Aを求
めておけば、種々の環境下でのその原子の磁気偏極度m
を測定することができる。
【0040】また、非対称因子Aおよび磁気偏極度mが
既知の標準の試料5を用いれば、スピン偏極電子線24
のスピン偏極度pを測定することができる。この手法で
は、10〜20Kevという手頃な加速電圧を用いれば
よいので、装置は扱い易く、しかも標準試料の表面状態
に敏感ではないので、安定した測定を行うことが可能と
なる。
【0041】以上によって、右向きあるは左向きのスピ
ン偏極電子線24を試料5上に照射してそのときに放射
された特性X線の強度を測定し、スピン偏極電子線15
のスピンの方向と試料5の磁化方向とが一致する場合の
特性X線の強度をXpとし、スピン偏極電子線15のス
ピンの方向と試料5の磁化方向とが逆の場合の特性X線
の強度をXaとして計測し、これらを(式1)に代入
し、pAmの積を算出し、p(スピン偏極度)およびA
(非対称因子)を予め求めておけば、試料5上の微小領
域に含まれる元素の磁気偏極度mを測定することが可能
となる。
【0042】上述した実施例の他に、下記のようであっ
てもよい。 (1) GaAsをスピン偏極電子線源として用いると
き、照射する右または左周り円偏光のエネルギーはEg
より大きく(光電子励起可能とするため)、Eg+δよ
りも小さく(スピン偏極させるため)する。
【0043】ただし、EgはGaAsの伝導帯の準位で
Γ6と価電子帯の準位Γ8のエネルギー差であり、δは価
電子帯Γ8とその下の価電子帯Γ7の間のエネルギー差で
ある。 (2) スピン偏極電子線の進行方向を静電偏向によっ
て変えても、そのスピンの方向は変化しないので、試料
の磁化方向に平行または反平行のスピン方向を保ったま
ま、試料面に対して任意の角度で電子線を入射すること
ができる(図1、図2参照)。また、磁場で電子線を曲
げた場合は、その進行方向に従ってスピンの方向も回転
する。従って、静電偏向と磁場偏向とを組み合わせ、電
子線の進行方向を不変に保てばスピンの方向のみを任意
の方向に向けることができるので、任意の方向から任意
のスピン方向を持ったスピン偏極電子線を試料に入射さ
せることが可能となる。 (3) 試料に入射するスピン偏極電子線の運動エネル
ギーは試料に含まれる元素の特性X線を発生させるのに
十分なだけの大きさが必要である。これを得るためにに
は、GaAs電子源と試料の間に十分な電位差をかけて
加速すればよい。装置チェンバーの電位を0電位(グラ
ンドレベル)とし、 (a)電子源を負、試料をゼロ電位にした場合、試料の
扱いが簡単となる。
【0044】(b)電子線源をゼロ電位に近くし、試料
を正とすれば、電子線源であるGaAsが正イオンでた
たかれてダメージを受ける度合いが減り、光電子放出の
寿命が延びる利点がある。
【0045】(c)本装置のGaAs電子源を除いて、
スピン偏極度を測定したい他の電子線源につないでスピ
ン偏極度測定器として用いる場合は、入射電子線の運動
エネルギーに応じて、、試料の電位を任意の適当な値に
設定する。 (4) GaAs光電子発生源の代わりに、他の電子線
源からの電子線を入射させて、その電子線のスピン偏極
度pを測定するスピン偏極検出装置として用いるように
してもよい。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
磁化した試料の表面の磁化方向と平行にスピン偏極した
スピン偏極電子線および逆方向にスピン偏極したスピン
偏極電子線を照射したときの特性X線の強度Xpおよび
強度Xaをそれぞれ測定し、これら両者をもとに試料の
微小領域に含まれる元素の磁気偏極度mや電子線のスピ
ン偏極度pを測定することができる。これらにより、従
来なかった上述の全く新しい原理により、ミクロ領域の
各元素の磁気偏極度を測定することが可能となった。ま
た、電子線のスピン偏極度を測定する上述の新しい原理
によるスピン検出器として用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理構成図である。
【図2】本発明の1実施例構成図である。
【符号の説明】
A:光電子発生源 B:静電レンズ C:偏向器 D:試料 D’:磁化用電磁石 E:X線検出器 F:円偏光発生装置 G:計測制御装置 H:超高真空排気装置 J:円偏光光線 K:スピン偏極電子線 L:特性X線 1:真空容器 2:GaAs光電子発生源 3:加速静電レンズ 4:静電偏光器 5:試料 6:ヨーク 7:試料励磁コイル 8:レーザー光取り入れウィンドウ 9:X線取り出しウィンドウ 10:1/4波長板 11:直線偏光器 12:レーザー光発生器 13:X線検出器 14:パルス計数器 15:計数値メモリ 16:計数値演算回路及び表示器 21:レーザー光線 22:直線偏光光線 23:円偏光光線 24:スピン偏極電子線 25:偏光されたスピン偏極電子線 26:特性X線 27:X線計数パルス信号 28:パルス数信号 29:パルス数信号Xp 30:パルス数信号Xa

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ある方向および逆方向にスピン偏極させた
    スピン偏極電子線(K)を磁性体である試料(D)にそ
    れぞれ照射して発生させた特性X線(L)の強度をそれ
    ぞれ求め、これら求めた両者の強度をもとに当該試料
    (D)に含まれる元素の磁気偏極度を測定するように構
    成したことを特徴とするスピン偏極電子線源特性X線解
    析装置。
  2. 【請求項2】上記ある方向および逆方向のスピン偏極と
    して、上記試料(D)の磁性原子のスピンの方向に平行
    および逆方向としたことを特徴とする請求項1記載のス
    ピン偏極電子線源特性X線解析装置。
  3. 【請求項3】上記試料(D)に含まれる元素の磁気偏極
    度mを下式によって測定することを特徴とする請求項1
    および請求項2記載のスピン偏極電子線源特性X線解析
    装置。 ここで、 Xp:スピン偏極したスピン偏極電子線(K)の方向が
    上記試料(D)の磁化方向と同一の場合の特性X線
    (L)の強度 Xa:スピン偏極したスピン偏極電子線(K)の方向が
    上記試料(D)の磁化方向と逆の場合の特性X線(L)
    の強度 p:スピン偏極度(装置固有の定数) A:非対称因子(磁性体である試料(D)に含まれる元
    素に固有な定数) m:磁気偏極度(磁性体である試料(D)に含まれる元
    素がその試料中で持つ定数)
  4. 【請求項4】上記非対称因子Aおよび磁気偏極度mが既
    知の試料(D)を用いて、電子線のスピン偏極度pを測
    定することを特徴とする請求項1から請求項3記載のス
    ピン偏極電子線源特性X線解析装置。
  5. 【請求項5】右周りの円偏光光線(J)および左周りの
    円偏光光線(J)を照射して上記ある方向および逆方向
    にスピン偏極したスピン偏極電子線(K)をそれぞれ発
    生する光電子発生源(A)を備えたことを特徴とする請
    求項1から請求項4記載のスピン偏極電子線源特性X線
    解析装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009216387A (ja) * 2007-07-23 2009-09-24 National Institute For Materials Science 磁気構造解析方法とそれに使用するスピン偏極イオン散乱分光装置
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