JPH07198483A - 赤外線検知回路 - Google Patents

赤外線検知回路

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JPH07198483A
JPH07198483A JP29086494A JP29086494A JPH07198483A JP H07198483 A JPH07198483 A JP H07198483A JP 29086494 A JP29086494 A JP 29086494A JP 29086494 A JP29086494 A JP 29086494A JP H07198483 A JPH07198483 A JP H07198483A
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Yuji Takada
裕司 高田
Nobuyuki Ibara
伸行 茨
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Abstract

(57)【要約】 【目的】安価で、高性能且つ高信頼性とする。 【構成】赤外線感応抵抗体Rtと基準抵抗Rref とで交
流電源1aの電圧を分圧する。この分圧電圧と比較電圧
3との差分を交流差動増幅器2で増幅し、その増幅出力
を同期検波・積分器4で検波し、積分する。赤外線感応
抵抗体Rtの赤外線の輻射熱による抵抗値変化を交流電
圧変化として検知し、交流的に処理する。これにより、
交流差動増幅器2を構成する演算増幅器の直流的な誤差
の影響が交流差動増幅器2の出力に一切現れず、高性能
且つ高信頼性を確保することを可能とする。また、交流
差動増幅器2を一般に市販されている演算増幅器で構成
し、安価とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、赤外線を検知する存在
検知型の赤外線検知回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の赤外線検知回路を図53に示す。
この赤外線検知回路は、直流電源11の両端に基準抵抗
Rref を介して直列接続された赤外線感応抵抗体Rtで
赤外線を感知し、その感知出力が比較電圧13との差分
を直流差動増幅器12で増幅した電圧を出力電圧Vout
とするものである。
【0003】赤外線感応抵抗体(以下、感応抵抗体と呼
ぶ)Rtは、温度変化に応じて抵抗値が変化する例えば
サーミスタなどの抵抗体である。代表的なサーミスタの
温度変化に対する抵抗値変化(いわゆる温度特性)を図
54に示す。ここで、上記感応抵抗体Rtとしては、熱
容量が極力小さく、且つ熱抵抗が極力大きいものを用い
ることにより、わずかな輻射熱によっても、感応抵抗体
Rt自体の温度が上昇し、抵抗値変化を起こすようにし
てある。
【0004】基準抵抗Rref は、上記感応抵抗体Rtと
全く同一の抵抗値のものであり、且つ感応抵抗体Rtと
全く同一の温度変化に対する抵抗変化率を有する抵抗体
である。但し、外部からの輻射熱からは完全に遮断され
ている。つまりは、抵抗値や抵抗変化率に影響を与えな
い方法、あるいは空間的に絶縁する方法で、赤外線によ
る輻射熱を遮断してある。従って、輻射熱が感応抵抗体
Rtに入射されない場合は、たとえ周囲温度が変化して
も、感応抵抗体Rtと基準抵抗Rref による分圧電圧は
一定となるようにしてある。
【0005】比較電圧13は、直流電源11の電圧をE
とすると、E/2に設定してある。なお、比較電圧13
は、図57に示すように、直流電源11の電圧Eを抵抗
Rd1,Rd2 で分圧して得るようにしてもよい。上記赤
外線検知回路では、感応抵抗体Rtの輻射熱による抵抗
値変化がない場合には、感応抵抗体Rtと基準抵抗Rre
f との抵抗値は等しく、感応抵抗体Rtと基準抵抗Rre
f との分圧電圧(直流差動増幅器12の入力電圧Vin)
が比較電圧13と一致するので、直流差動増幅器12の
出力電圧Vout が0Vとなる。そして、感応抵抗体Rt
の輻射熱による抵抗値変化があると、感応抵抗体Rtと
基準抵抗Rref とによる分圧電圧と比較電圧13の電圧
E/2との差に応じた出力電圧Vout が直流差動増幅器
12から出力される。即ち、周囲温度の変化は相殺さ
れ、輻射熱量に応じた値のみが直流差動増幅器12から
出力される。
【0006】ここで、直流差動増幅器12の利得をAと
した場合、直流差動増幅器12の入力電圧Vinと出力電
圧Vout は次式で表される。
【0007】
【数1】
【0008】上記赤外線検知回路を人体検知装置に適用
した場合を図55に示す。この人体検知装置では、レン
ズなどの適当な光学手段Lを用い、感応抵抗体Rtに赤
外線を照射するようにし、直流差動増幅器12の出力電
圧Vout を適当な基準電圧6と比較する比較器5を設
け、基準電圧6の設定により決まるある一定レベル以上
の輻射熱に対してハイ,ロー2値の出力(いわゆるオ
ン,オフ出力)が得られる。
【0009】赤外線輻射物体である人体Xが図55にお
ける(あ)→(い)→(う)というように移動した場合
の上記人体検知装置の動作を図56に示す。ここで、人
体Xが周囲温度よりΔT℃高い(ある場合は低い)エネ
ルギを有するものとし、図55における(あ)→(い)
→(う)というように検知視野(検知エリア)を通過し
たときの検知視野内における輻射エネルギの変化を図5
6(a)に示す。ここで、検知視野内に人体Xが存在し
ない場合は、検知視野内の温度と感応抵抗体Rt及び基
準抵抗Rref の温度とは等しいとする。
【0010】人体Xが上述のように移動した場合、図5
6(a)の検知視野内の輻射熱により同図(b)に示す
ように感応抵抗体Rtの抵抗値が変化する。この感応抵
抗体Rtの抵抗値の変化に伴い直流差動増幅器12の入
力電圧Vinが図56(c)に示すように変化する。ここ
で、図56(c)に示すように直流差動増幅器12の入
力電圧Vinが基準電圧E/2に対してΔVinだけ高くな
ったとすると、直流差動増幅器12から同図(d)に示
す出力電圧Vout が得られる。いま、比較器5の基準電
圧6を図56(d)に示すように設定してある場合、比
較器5の出力は同図(e)に示すようになる。
【0011】このように、検知視野内に人体Xが存在す
ることによって、感応抵抗体Rtの抵抗値が変化し、そ
の抵抗値の変化を電圧値変化として直流増幅することに
より、人体Xの存在を検知することができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た赤外線検知回路では次のような問題がある。即ち、上
記赤外線検知回路では、直流差動増幅器12のオフセッ
ト電圧,電流のばらつきが小さく、オフセット電圧,電
流が周囲温度に影響されない温度特性を有するなどの高
度の性能が要求される。即ち、上記赤外線検知回路で
は、感応抵抗体Rtの抵抗値変化を直流電圧の変化と
し、それを直流差動増幅器12で直流増幅しているの
で、直流差動増幅器12の直流安定性が高度に要求され
るのである。ここで、例えば上述のような性能を満足し
ない直流差動増幅器12を用いた場合には、動作が不安
定となる。
【0013】また、経年変化により直流差動増幅器12
のオフセット電圧,電流が変化したり、感応抵抗体Rt
及び基準抵抗Rref の抵抗値が変化したりして、動作が
不安定になるという問題がある。即ち、従来のこの種の
赤外線検知回路では、長期の安定性及び信頼性に関する
問題もあった。上記赤外線検知回路を用いた人体検知装
置における要求仕様は、要求検知性能、光学系の効率、
感応抵抗体Rtの変換効率によって決定される。例え
ば、一般的なサーミスタボロメータの場合において、周
囲温度と1度差の範囲内の要求検知性能を満足させるも
のとし、光学系の効率を1.0[μW/deg ](感応抵
抗体Rt上の輻射エネルギ/温度差)、感応抵抗体Rt
の変換効率を25[ppm /μW](抵抗値の変化率)、
使用温度範囲を−10〜40[℃]、直流電源11の電
源電圧を8.0[V]であるとすると、入力電圧Vin
の変化ΔVin は、式(1)より、 ΔVin=50[μV] となる。従って、直流差動増幅器12の入力オフセット
電圧、電流値による変動Voff は、使用温度範囲におい
て誤差を入力電圧Vinの変化の1/10以下に抑えると
すると、 Voff =0.1[μV] 以下でなければならない。この値は、直流差動増幅器1
2を構成する一般に入手できる安価な演算増幅器では実
現困難である。
【0014】従って、結果的に、従来の赤外線検知回路
においては、上記演算増幅器として高価なものを用い
て、コスト高となるか、あるいは比較的に安価な演算増
幅器を用いて、性能,信頼性を犠牲にするかのどちらか
の問題を生じる。即ち、従来構成の存在検知型の赤外線
検知回路では、安価で、高性能且つ高信頼性を実現する
ことは困難であった。
【0015】そこで、現在市販されている人体検知装置
は、そのほとんどが上述した理由により、移動もしくは
通過検知型の赤外線検知回路を用いて構成してある。つ
まりは、上記人体検知装置に用いられる赤外線検知回路
では、赤外線輻射量の変化のみを増幅し、上記直流的誤
差を回避するようにしてある。しかし、この移動もしく
は通過検知型の赤外線検知回路を用いた人体検知装置で
は、人体が静止すると、人体を検出できないという欠点
がある。
【0016】なお、以上の説明は人体検知装置に赤外線
検知回路を適用した場合を例として説明したが、上記赤
外線検知回路は輻射温度計にも適用され、この輻射温度
計に用いる赤外線検知回路の直流差動増幅器にも、上述
したと同様に高度の性能が要求され、その要求を満たさ
ない場合には人体検知装置の場合と同様の問題を生じ
る。
【0017】一方、上記従来回路においては、直流電源
11の直流電圧を感応抵抗体Rtと基準抵抗Rref との
直列回路により分圧することにより直流差動増幅器12
の入力電圧Vinを得ているため、感応抵抗体Rtの抵抗
値変化と入力電圧Vinの変化とが比例せずに非線形とな
ってしまう。具体的には、感応抵抗体Rtの微小な抵抗
値変化ΔRtに対する入力電圧Vinの変化分ΔVinは次
式で表される。
【0018】
【数2】
【0019】すなわち、上式(2)に示すごとく、感応
抵抗体Rtの抵抗値変化ΔRtと入力電圧Vinの変化分
ΔVinとは比例せず、感応抵抗体Rtの抵抗値の変化幅
によってΔRtに対する入力電圧変化率(ΔVin)が大
きく変化することになる。例えば、周囲温度T1 におい
ては感応抵抗体Rtの抵抗値と基準抵抗Rref の抵抗値
とは等しい(Rt=Rref )が、そこに輻射熱が入射し
て感応抵抗体Rtの抵抗値がΔRtだけ変化したとする
と、この場合の入力電圧Vinの変化分ΔVinは次式によ
り表される。
【0020】
【数3】
【0021】上記式(3)は、感応抵抗体Rtの抵抗値
変化ΔRtと入力電圧Vinの変化分Vinとが比例すなわ
ち線形の関係にあることを示している。しかし、この式
(3)はΔRt1 が微小な場合に限って成立するもので
あり、感応抵抗体Rtの抵抗値が大きく変化した場合に
はRt=Rref という関係が崩れるため、上記式(3)
が成立せず、それぞれの感応抵抗体Rtの抵抗値におい
て抵抗値変化ΔRtに対する入力電圧Vinの変化分Vin
を計算しなければならない。
【0022】つまり、仮に輻射熱により感応抵抗体Rt
の抵抗値が、Rt=0.5×Rrefとなるまで変化した
とすると、この感応抵抗体Rtの抵抗値におけるΔRt
に対する入力電圧Vinの変化分ΔVinは、Rt=0.5
×Rref を式(2)に代入して次式のように表される。
【0023】
【数4】
【0024】ここで、感応抵抗体Rtの入射輻射熱に対
する変化率が一定であるとすると、同一の微小輻射熱の
変化に対する感応抵抗体Rtの抵抗値変化ΔRtは、Δ
Rt2 =0.5×ΔRt1 であるから、この場合の入力
電圧Vinの変化分Vinは次式にて表される。
【0025】
【数5】
【0026】つまり、上記式(4)と式(5)に示され
たΔVin2 の差が非線形性を示している。したがって、
従来回路においては、上記の非線形性を補正するための
補正手段を設ける必要があり、そのためにコストアップ
になったり、あるいは充分な補正ができずに赤外線の輻
射量に対する赤外線検知回路の出力(輻射温度計におけ
る温度計測値など)に誤差が生じてしまうという問題が
ある。
【0027】本発明は上述の点に鑑みて為されたもので
あり、その目的とするところは、安価で、高性能且つ高
信頼性の赤外線検知回路を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、上記
目的を達成するために、赤外線による輻射熱を受ける赤
外線感応抵抗体と、この赤外線感応抵抗体と同一の抵抗
値であり且つ同一の温度に対する抵抗値変化を示し赤外
線による輻射熱を受けない基準抵抗と、上記赤外線感応
抵抗体と基準抵抗との直列回路に交流電圧を印加する第
1の交流電圧発生手段と、この第1の交流電圧発生手段
と同一の周波数で且つ第1の交流電圧発生手段の半分の
電圧の交流電圧を発生する第2の交流電圧発生手段と、
上記赤外線感応抵抗体と基準抵抗とによる第1の交流電
圧発生手段の出力電圧の分圧電圧と上記第2の交流電圧
発生手段の電圧との差分を増幅する交流差動増幅手段
と、交流差動増幅手段の出力を検波する検波手段とを備
えている。
【0029】なお、長期使用時の動作の安定性及び信頼
性を確保するために、請求項2に示すように、上記赤外
線感応抵抗体が赤外線による輻射熱を受けていないと
き、検波手段の出力が生じないように第2の交流電圧発
生手段の電圧または交流差動増幅手段の差動バランスを
調節する調節手段を設けることが望ましい。請求項3の
発明は、上記目的を達成するために、赤外線による輻射
熱を受ける赤外線感応抵抗体と、この赤外線感応抵抗体
と同一の抵抗値であり且つ同一の温度に対する抵抗値変
化を示し赤外線による輻射熱を受けない基準抵抗と、上
記赤外線感応抵抗体と基準抵抗との直列回路の一端に交
流電圧を印加する第1の交流電圧発生手段と、この第1
の交流電圧発生手段と同一周波数で位相が逆で、且つ同
一振幅の交流電圧を上記直列回路の他端に印加する第2
の交流電圧発生手段と、上記赤外線感応抵抗体と基準抵
抗との接続点の交流変化を増幅する交流増幅手段と、交
流増幅手段の出力を検波する検波手段とを備えている。
【0030】なお、長期使用時の動作の安定性及び信頼
性を確保するために、請求項4に示すように、上記赤外
線感応抵抗体が赤外線による輻射熱を受けていないと
き、検波手段の出力が生じないようにいずれかの交流電
圧発生手段の電圧または基準抵抗の抵抗値を調節する調
節手段を設けることが望ましい。請求項5の発明では、
上記目的を達成するために、赤外線による輻射熱を受け
る赤外線感応抵抗体と、この赤外線感応抵抗体と同一の
抵抗値であり且つ同一の温度に対する抵抗値変化を示し
赤外線による輻射熱を受けない基準抵抗と、交流電圧を
発生する交流電圧発生手段と、上記赤外線感応抵抗体及
び基準抵抗を夫々入力抵抗と帰還抵抗として構成され上
記交流電圧発生手段の出力を反転増幅する反転増幅手段
と、上記交流電圧発生手段の出力と反転増幅手段の出力
とを加算する加算手段と、その加算出力を交流増幅する
交流増幅手段と、交流増幅手段の出力を検波する検波手
段とを備えている。
【0031】なお、長期使用時の動作の安定性及び信頼
性を確保するために、請求項6に示すように、上記赤外
線感応抵抗体が赤外線による輻射熱を受けていないと
き、検波手段の出力が生じないように加算手段の加算比
率または反転増幅手段の利得を調節する調節手段を設け
ることが望ましい。請求項7の発明では、上記目的を達
成するために、赤外線による輻射熱を受ける赤外線感応
抵抗体と、この赤外線感応抵抗体と同一の抵抗値であり
且つ同一の温度に対する抵抗値変化を示し赤外線による
輻射熱を受けない基準抵抗と、交流電圧を発生する第1
の交流電圧発生手段と、この第1の交流電圧発生手段と
同一周波数で位相が逆で、且つ同一振幅の交流電圧を発
生する第2の交流電圧発生手段と、上記赤外線感応抵抗
体及び基準抵抗を夫々入力抵抗として構成され夫々の入
力抵抗を介して入力される上記第1及び第2の交流電圧
発生手段の出力を加算すると共に反転増幅する加算反転
増幅手段と、この加算反転増幅手段の出力を交流増幅す
る交流増幅手段と、交流増幅手段の出力を検波する検波
手段とを備えている。
【0032】なお、長期使用時の動作の安定性及び信頼
性を確保するために、請求項8に示すように、上記赤外
線感応抵抗体が赤外線による輻射熱を受けていないと
き、検波手段の出力が生じないようにいずれかの交流電
圧発生手段の電圧または基準抵抗の抵抗値を調節する調
節手段を設けることが望ましい。また、請求項1,3,
5,7のいずれかに記載の赤外線検知回路において、外
乱ノイズの影響を受けにくくするために、請求項9に示
すように、上記検波手段において、交流電圧発生手段の
周波数に同期する信号のみを検波するようにすることが
望ましい。
【0033】請求項10の発明は、上記目的を達成する
ために、赤外線による輻射熱を受ける赤外線感応抵抗体
と、この赤外線感応抵抗体と同一の抵抗値であり且つ同
一の温度に対する抵抗値変化を示し赤外線による輻射熱
を受けない基準抵抗と、直流電圧を出力する直流電圧発
生手段と、上記赤外線感応抵抗体を帰還抵抗とするとと
もに上記基準抵抗を入力抵抗として直流電圧発生手段の
直流電圧を反転増幅する反転増幅手段と、上記直流電圧
発生手段の直流電圧と反転増幅手段の出力電圧とを加算
する加算手段とを備えている。
【0034】請求項11の発明は、上記目的を達成する
ために、赤外線による輻射熱を受ける赤外線感応抵抗体
と、この赤外線感応抵抗体と同一の抵抗値であり且つ同
一の温度に対する抵抗値変化を示し赤外線による輻射熱
を受けない基準抵抗と、直流電圧を出力する直流電圧発
生手段と、上記赤外線感応抵抗体と基準抵抗との何れか
一方を帰還抵抗とし他方を入力抵抗として直流電圧発生
手段の直流電圧を反転増幅する反転増幅手段と、上記直
流電圧発生手段の直流電圧と反転増幅手段の出力電圧と
を加算する加算手段と、上記赤外線感応抵抗体が赤外線
による輻射熱を受けていないとき、上記加算手段の出力
が生じないように加算手段の加算比率または反転増幅手
段の利得を調節する調節手段を設けている。
【0035】請求項12の発明は、上記目的を達成する
ために、赤外線による輻射熱を受ける赤外線感応抵抗体
と、この赤外線感応抵抗体と同一の抵抗値であり且つ同
一の温度に対する抵抗値変化を示し赤外線による輻射熱
を受けない基準抵抗と、直流電圧を出力する第1の直流
電圧発生手段と、この第1の直流電圧発生手段と絶対値
が同一で極性が逆の直流電圧を出力する第2の直流電圧
発生手段と、上記赤外線感応抵抗体を帰還抵抗として第
1の直流電圧発生手段の直流電圧を反転増幅する第1の
反転増幅手段と、上記基準抵抗を帰還抵抗として第2の
直流電圧発生手段の直流電圧を反転増幅する第2の反転
増幅手段と、上記第1及び第2の反転増幅手段の出力電
圧を加算する加算手段とを備えている。
【0036】なお、長期使用時の動作の安定性及び信頼
性を確保するために、請求項13に示すように、上記赤
外線感応抵抗体が赤外線による輻射熱を受けていないと
き、上記加算手段の出力が生じないように加算手段の加
算比率または反転増幅手段の利得または第1及び第2の
直流電圧発生手段のいずれかの直流電圧を調節する調節
手段を設けている。
【0037】請求項14の発明は、上記目的を達成する
ために、赤外線による輻射熱を受ける赤外線感応抵抗体
と、この赤外線感応抵抗体と同一の抵抗値であり且つ同
一の温度に対する抵抗値変化を示し赤外線による輻射熱
を受けない基準抵抗と、直流電圧を出力する第1の直流
電圧発生手段と、この第1の直流電圧発生手段と絶対値
が同一で極性が逆の直流電圧を出力する第2の直流電圧
発生手段と、上記赤外線感応抵抗体及び基準抵抗の一方
と他方とをそれぞれ介して加算された第1の直流電圧発
生手段の直流電圧と第2の直流電圧発生手段の直流電圧
とを反転増幅する反転増幅手段とを備え、上記赤外線感
応抵抗体が赤外線による輻射熱を受けていないとき、上
記加算手段の出力が生じないように加算手段の加算比率
または第1及び第2の直流電圧発生手段のいずれかの直
流電圧を調節する調節手段を設けている。
【0038】
【作用】請求項1の発明は、上述のように構成して、赤
外線感応抵抗体の赤外線の輻射熱により抵抗値変化を交
流電圧変化とし、その抵抗値変化に応じた交流電圧を交
流増幅することにより、交流差動増幅手段を構成する演
算増幅器の直流的な誤差の影響が交流差動増幅手段の出
力に一切現れないようにする。これにより、交流差動増
幅手段を一般に市販されている安価な演算増幅器を用い
て構成することを可能とし、赤外線検知回路を安価に構
成することを可能とする。また、演算増幅器の直流的な
誤差の影響が交流差動増幅手段の出力に一切現れないこ
とにより、高性能且つ高信頼性を確保することを可能と
する。
【0039】請求項2の発明は、経年変化で赤外線感応
抵抗体及び基準抵抗の抵抗値が変化することにより、赤
外線感応抵抗体が赤外線による輻射熱を受けていないと
き、検波手段の出力が生じることを、調節手段により回
避する。これにより、長期使用時の動作の安定性及び信
頼性を確保する。請求項3の発明でも、赤外線感応抵抗
体の赤外線の輻射熱により抵抗値変化を交流電圧変化と
し、その抵抗値変化に応じた交流電圧を交流増幅するこ
とにより、交流増幅手段を構成する演算増幅器の直流的
な誤差の影響がでないようにし、安価に構成することを
可能とし、且つ高性能且つ高信頼性を確保する。
【0040】請求項4の発明は、調節手段により赤外線
感応抵抗体が赤外線による輻射熱を受けていないとき、
検波手段の出力が生じることを回避し、長期使用時の動
作の安定性及び信頼性を確保する。請求項5の発明にお
いても、請求項1及び請求項3の発明と同様に、赤外線
感応抵抗体の赤外線の輻射熱により抵抗値変化を交流電
圧変化とし、その抵抗値変化に応じた交流電圧を交流増
幅することにより、反転増幅手段及び交流増幅手段を構
成する演算増幅器の直流的な誤差の影響がでないように
し、安価に構成することを可能とし、且つ高性能且つ高
信頼性を確保する。
【0041】請求項6の発明は、請求項5の発明におい
て、調節手段により赤外線感応抵抗体が赤外線による輻
射熱を受けていないとき、検波手段の出力が生じること
を回避する。請求項7の発明においても、赤外線の輻射
熱による変化を交流的に処理することで、加算反転増幅
手段及び交流増幅手段を構成する演算増幅器の直流的な
誤差の影響がでないようにし、安価に構成することを可
能とし、且つ高性能且つ高信頼性を確保する。
【0042】請求項8の発明では、請求項7の発明にお
いて、調節手段により赤外線感応抵抗体が赤外線による
輻射熱を受けていないとき、検波手段の出力が生じるこ
とを回避する。請求項9の発明では、検波手段におい
て、交流電圧発生手段の周波数に同期する信号のみを検
波することで、外乱ノイズが検波出力として生じないよ
うにし、外乱ノイズの影響を受けにくくする。
【0043】請求項10の発明は、上述のように構成し
て、赤外線の輻射熱による赤外線感応抵抗体の抵抗値変
化に対する反転増幅手段の出力電圧変化が赤外線感応抵
抗体に依存しないようにする。これにより、赤外線感応
抵抗体の抵抗値変化と加算手段から出力される赤外線検
知出力とが比例することになり、両者の非線形性を補正
するために従来必要であった補正回路を不要とすること
が可能になり、赤外線検知回路の高精度化が図れるとと
もに安価に構成することを可能とし、且つ小型化が図れ
る。さらに、補正回路が不要となることで、補正回路に
よる調整作業が要らなくなって調整時間や調整作業にか
かる時間や労力を不要とし、この点においてもコストの
削減を図ることが可能となる。
【0044】請求項11の発明は、上述のように構成し
て、直流電圧発生手段の直流電圧と、赤外線の輻射熱に
応じて変化する反転増幅手段の出力電圧とを加算手段に
て加算することにより、加算手段を構成する直流増幅器
の直流的な誤差の影響を相殺して加算手段の出力に一切
現れないようにする。これにより、赤外線検知回路を安
価に構成することを可能とする。また、加算手段を構成
する直流増幅器の直流的な誤差の影響が加算手段の出力
に一切現れないことにより、高性能且つ高信頼性を確保
することを可能とする。さらに、経年変化で赤外線感応
抵抗体及び基準抵抗の抵抗値が変化することにより、赤
外線感応抵抗体が赤外線による輻射熱を受けていないと
き、加算手段の出力が生じることを、調節手段により回
避する。これにより、長期使用時の動作の安定性及び信
頼性を確保する。ここで、赤外線感応抵抗体を帰還抵抗
とし基準抵抗を入力抵抗とすれば、請求項10の発明と
同様に赤外線の輻射熱による赤外線感応抵抗体の抵抗値
変化に対する反転増幅手段の出力電圧変化が赤外線感応
抵抗体に依存しなくなり、赤外線感応抵抗体の抵抗値変
化と加算手段から出力される赤外線検知出力とが比例
し、両者の非線形性を補正するために従来必要であった
補正回路を不要とすることが可能になり、赤外線検知回
路の高精度化が図れるとともに安価に構成することを可
能とし、且つ小型化が図れ、さらに、補正回路が不要と
なることで、補正回路による調整作業が要らなくなって
調整時間や調整作業にかかる時間や労力を不要とし、こ
の点においてもコストの削減を図ることが可能となる。
一方、赤外線感応抵抗体を反転増幅手段の入力抵抗とし
基準抵抗を帰還抵抗とすれば、赤外線感知回路の全体の
インピーダンスを低下させることができ、外来ノイズの
影響を受けにくくすることが可能となる。
【0045】請求項12の発明は、上述のように構成し
て、赤外線の輻射熱による赤外線感応抵抗体の抵抗値変
化に対する反転増幅手段の出力電圧変化が赤外線感応抵
抗体に依存しないようにする。これにより、赤外線感応
抵抗体の抵抗値変化と加算手段から出力される赤外線検
知出力とが比例することになり、両者の非線形性を補正
するために従来必要であった補正回路を不要とすること
が可能になり、赤外線検知回路の高精度化が図れるとと
もに安価に構成することを可能とし、且つ小型化が図れ
る。さらに、補正回路が不要となることで、補正回路に
よる調整作業が要らなくなって調整時間や調整作業にか
かる時間や労力を不要とし、この点においてもコストの
削減を図ることが可能となる。ここで、赤外線感応抵抗
体及び基準抵抗をそれぞれ第1及び第2の反転増幅手段
の帰還抵抗としているため、赤外線感知回路の全体のイ
ンピーダンスを低下させることができ、外来ノイズの影
響を受けにくくすることが可能となる。
【0046】請求項13の発明は、経年変化で赤外線感
応抵抗体及び基準抵抗の抵抗値が変化することにより、
赤外線感応抵抗体が赤外線による輻射熱を受けていない
とき、検波手段の出力が生じることを、調節手段により
回避する。これにより、長期使用時の動作の安定性及び
信頼性を確保する。請求項14の発明は、上述のように
構成して、第1の直流電圧発生手段の直流電圧と、第2
の直流電圧発生手段の逆極性の直流電圧とを赤外線感応
抵抗体及び基準抵抗のそれぞれ一方と他方とを介して加
算し、反転増幅することにより、加算手段を構成する直
流増幅器の直流的な誤差の影響を相殺して加算手段の出
力に一切現れないようにする。これにより、赤外線検知
回路を安価に構成することを可能とする。また、加算手
段を構成する直流増幅器の直流的な誤差の影響が加算手
段の出力に一切現れないことにより、高性能且つ高信頼
性を確保することを可能とする。さらに、経年変化で赤
外線感応抵抗体及び基準抵抗の抵抗値が変化することに
より、赤外線感応抵抗体が赤外線による輻射熱を受けて
いないとき、加算手段の出力が生じることを、調節手段
により回避する。これにより、長期使用時の動作の安定
性及び信頼性を確保する。また、赤外線感応抵抗体及び
基準抵抗が反転増幅手段の入力抵抗となるため、赤外線
感知回路の全体のインピーダンスを低下させることがで
き、外来ノイズの影響を受けにくくすることが可能とな
る。
【0047】
【実施例】
(実施例1)図1に本発明の第1の実施例を示す。本実
施例の赤外線検知回路は、感応抵抗体Rtの赤外線の輻
射熱による抵抗変化を交流電圧変化とし、その抵抗値変
化に応じた交流電圧を交流増幅し、増幅された交流電圧
を直流電圧に変換して、感応抵抗体Rtの赤外線の輻射
熱による抵抗変化に応じた直流電圧を得るものである。
【0048】具体的には、図1に示すように、図53の
直流電源11に代えて交流電源1を用いると共に、直流
差動増幅器12に代えて交流差動増幅器2を用い、交流
差動増幅器2に交流の比較電圧3を与える構成としてあ
る。また、交流差動増幅器2の出力は感応抵抗体Rtの
赤外線の輻射熱による抵抗変化に応じた交流電圧となる
ので、直流電圧に変換するために、同期検波・積分器4
を備えている。
【0049】ここで、上記交流電源1は、例えば周波数
0 の信号を発生する発振器などであってもよい。ま
た、比較電圧3は、周波数f0 で上記交流電源1の1/
2の電圧の交流信号を交流差動増幅器2に与えるように
すればよく、その比較電圧3は交流電源あるいは発振器
などから供給するようにすればよい。同期検波・積分器
4は、交流電源1の周波数f0 に同期する信号のみを検
波し、その検波出力を積分するもので、この同期検波・
積分器4からは交流実効値電圧に比例した直流電圧が得
られる。
【0050】上述の構成とすれば、従来の赤外線検知回
路と同様に、感応抵抗体Rtに入射される輻射エネルギ
に応じた直流電圧出力Vout を得ることができる。しか
も、本実施例の交流差動増幅器2では差電圧を交流とし
て増幅しているので、直流差動増幅器を用いた場合に問
題であったオフセット電圧、電流値の変動による直流的
誤差の発生は全く起こらないことになる。すなわち、交
流差動増幅器2であれば、交流成分のみを差動増幅する
ため、交流差動増幅器2自身の直流オフセット誤差は出
力には一切現れないからである。従って、従来のように
入力オフセットに関して要求されていた非常に高精度な
性能は不要であり、一般的に市販されている安価な演算
増幅器を用いて交流差動増幅器2を構成しても、十分に
安定した特性を得ることができる。
【0051】また、上記直流的な誤差を回避するため
に、従来では直流差動増幅器12の温度上昇を抑えた
り、温度勾配を無くしたりする構造的あるいは回路的な
手段を講じる場合もあったが、本実施例の場合にはその
ような手段を講じる必要が全くないという利点もある。
さらに、従来では直流的精度を確保するための調整に多
大な時間と労力とがかかっていたが、本実施例では直流
的な精度は要求されないので、調整作業も軽減できる利
点もある。
【0052】また、同期検波・積分器4の直流安定性
は、交流差動増幅器2において十分に信号が増幅される
ので、高度な特性は要求されない。つまり、直流差動増
幅器に必要とされていたオフセット電圧に、交流差動増
幅器2のゲインをかけた値がその値となるからである。
具体的には、交流差動増幅器2では1000〜10万倍
増幅されるので、要求される特性は1000〜10万倍
緩くなる。
【0053】さらに、同期検波・積分器4において、位
相も検波するように構成すれば、輻射量の大小のみなら
ず、比較電圧3に対して入力電圧Vinが高いか低いか、
つまりは、正負の極性をも検出できる。この場合には、
周囲温度との演算により対象物の温度を非接触で測定で
きる輻射温度計への応用が可能となる。本実施例の赤外
線検知回路を用いて、存在検知型の人体検知装置を構成
した場合を図2に示す。構成的には、図55で説明した
と同様に、レンズなどの適当な光学手段Lを用い、感応
抵抗体Rtに赤外線を照射するようにし、同期検波・積
分器4の出力電圧Vout を適当な基準電圧6と比較する
比較器5を設け、基準電圧6の設定により決まるある一
定レベル以上の輻射熱に対してハイ,ロー2値の出力
(オン,オフ出力)が得られるようにしてある。なお、
図2に示すように、比較電圧3を交流電源1の両端電圧
を抵抗Rd1,Rd2 で分圧して得るようにしてもよい。
【0054】赤外線輻射物体である人体Xが図2におけ
る(あ)→(い)→(う)というように移動した場合の
上記人体検知装置の動作を図3に示す。ここで、人体X
が図2における(あ)→(い)→(う)というように検
知視野(検知エリア)を通過したときの検知視野内にお
ける輻射エネルギの変化は図3(a)に示すようにな
る。従って、この人体Xの移動に伴う図3(a)の検知
視野内の輻射熱により同図(b)に示すように感応抵抗
体Rtの抵抗値が変化する。この感応抵抗体Rtの抵抗
値の変化に伴い交流差動増幅器2の入力電圧Vinが図3
(c)に示すように変化し、交流差動増幅器2から同図
(d)に示す増幅出力Vacが得られる。そして、その増
幅出力Vacを同期検波・積分器4で検波し積分すること
により、図3(e)に示す出力電圧Vout が得られる。
この出力電圧Vout を比較器5の基準電圧6と比較する
ことで、人体の有無が検知される。この人体検知装置の
場合には、図2における(い)に示す状態に人体Xがた
とえ長時間静止しても安定に検知することができる。
【0055】ところで、上述の赤外線検知回路の場合に
は同期検波・積分器4を用いたが、図4に示すように検
波器4’を用いてもよい。但し、このように検波器4’
を用いた場合、同期検波を行わないため、外乱ノイズに
弱くなる。なお、図4の場合には、感応抵抗体Rtと基
準抵抗Rref との位置関係を図2の場合と反対にしてあ
るが、この場合には交流差動増幅器2の出力Vacの位相
が反転するのみで基本的には図2の場合と同様に動作す
る。
【0056】(実施例2)図5に本発明の第2の実施例
を示す。本実施例では、図1の赤外線検知回路におい
て、感応抵抗体Rtに赤外線が輻射されてないときにお
ける同期検波・積分器4の出力Vout が0となるように
比較電圧3を制御するフィードバック回路7を設けた点
に特徴がある。
【0057】上記フィードバック回路7は、長期的なレ
ンジにおける比較電圧3(この比較電圧を発生する発振
器)の不安定性や感応抵抗体Rtと基準抵抗Rref の抵
抗値の不安定性による問題を回避するように働く。即
ち、このような目的で上記フィードバック回路7は使用
されるので、フィードバック制御系における時定数は非
常に大きな値(例えば、数時間)であればよい。
【0058】なお、本実施例の場合には、図示しない
が、感応抵抗体Rtに輻射熱が加わっているかどうかを
検知する検知手段を備えている。この検知手段では、例
えば同期検波・積分器4の出力電圧Vout の短期的な変
動を測定して、感応抵抗体Rtに輻射熱が加わっている
かどうかを検知するようにしてある。即ち、人体の移動
であれば、0.1〜10Hzくらいの周波数成分の短期
的な変動が測定されるので、その有無により感応抵抗体
Rtに輻射熱が加わっているかどうかを検知することが
可能である。
【0059】但し、さらに確実に感応抵抗体Rtに輻射
熱が加わっているかどうかを検知する場合には、感応抵
抗体Rtの前に、光学的なシャッタなどの輻射熱遮蔽手
段を配置し、必要に応じた時間間隔で輻射熱を遮断した
状態で、上記フィードバック制御を行うことが望まし
い。本実施例の赤外線検知回路を人体検知装置に用いた
場合を図6に示す。なお、構成的には実施例1のものと
同じであるので、詳細な説明は省略し、特徴とする点に
ついてのみ説明する。図6においては、比較電圧3を交
流電源1の電圧を抵抗Rd1,Rd2 で分圧して得てお
り、抵抗Rd2 として電圧制御型抵抗を用い、この抵抗
Rd2 の抵抗値をフィードバック回路7の出力で調節す
ることで、感応抵抗体Rtに赤外線による輻射熱が加わ
っていないとき、同期検波・積分器4の出力電圧Vout
を0Vに保つようにしてある。なお、この人体検知装置
の動作は、図7に示すように、基本的に実施例1の場合
と何等変わりのないものである。
【0060】ところで、実施例1における図4の場合と
同様に、同期検波・積分器4の代わりに検波器4’を用
い、感応抵抗体Rtと基準抵抗Rref との位置関係を図
6の場合と反対にしたものを図8に示す。基本的には図
4で説明したと同様である。但し、この図8では、フィ
ードバック回路7で交流差動増幅器2の差動バランスを
制御するようにしてある点に特徴がある。このようにフ
ィードバック回路7で交流差動増幅器2の差動バランス
を制御しても、感応抵抗体Rtに赤外線による輻射熱が
加わっていないとき、検波器4’の出力電圧Vout を0
Vに保つようにできる。
【0061】(実施例3)図9に本発明の第3の実施例
を示す。本実施例の赤外線検知回路では、感応抵抗体R
tに交流電源1aを印加すると共に、交流電源1aと同
一周波数、振幅且つ逆位相の交流電源1bを基準抵抗R
ref に印加する構成とし、赤外線による輻射熱が感応抵
抗体Rtに加わっていないときは、感応抵抗体Rt及び
基準抵抗Rref の接続点において夫々の交流電源1a,
1bの出力電圧が打ち消され、赤外線による輻射熱で感
応抵抗体Rtの抵抗値が変化して、感応抵抗体Rtと基
準抵抗Rref との抵抗値のバランスが崩れたときに、そ
のアンバランス状態に応じた交流電圧が感応抵抗体Rt
及び基準抵抗Rref の接続点の電位変化として得られる
ようにしたものである。
【0062】この場合には、上記構成により感応抵抗体
Rtの抵抗値の変化に伴う交流変化が得れるので、交流
差動増幅器2の代わりに単に感応抵抗体Rt及び基準抵
抗Rref の接続点から得られる交流電圧(入力電圧Vi
n)を単に交流増幅する交流増幅器2’を用いてある。
図10に上記赤外線検知回路を用いた構成した人体検知
装置を示す。図11は図10の(あ)→(い)→(う)
と人体Xが移動したときの動作を示し、同図(c),
(d)に交流電源1a,1bの出力電圧波形を示す。図
10における(い)の位置に人体Xが存在する場合、上
述したように感応抵抗体Rtと基準抵抗Rref との抵抗
値のバランスが崩れ、図11(e)に示すように、感応
抵抗体Rt及び基準抵抗Rref の接続点の電位変化が生
じる。この交流変化は交流増幅器2’で増幅され、同期
検波・積分器4で交流電源1a,1bの周波数f0 に同
期する信号のみを検波すると共に積分し、図11(f)
に示すように感応抵抗体Rtが受けた輻射熱に応じた直
流電圧出力Vout が得られる。そして、その出力電圧V
out と基準電圧6との比較により、比較器5の出力に人
体Xの有無に応じた出力が得られる。
【0063】図12は上記赤外線検知回路を同期検波・
積分器4の代わりに検波器4’を用い、感応抵抗体Rt
と基準抵抗Rref との位置関係を異ならせた場合の構成
を示す。 (実施例4)図13に本発明の第4の実施例を示す。本
実施例の赤外線検知回路においては、実施例3の赤外線
検知回路において、実施例2で説明したと同様の働きを
するフィードバック回路7を設けた点に特徴がある。即
ち、本実施例のフィードバック回路7では、感応抵抗体
Rtに赤外線が輻射されてないときにおける同期検波・
積分器4の出力Vout が0となるように、交流電源1b
の電圧を制御するようにしてある。これにより、長期的
なレンジにおける交流電源1a,1bの不安定性や感応
抵抗体Rtと基準抵抗Rref の抵抗値の不安定性による
問題を回避する。
【0064】図14は本発明の赤外線検知回路を用いた
人体検知装置を示し、その動作を図15に示す。また、
同期検波・積分器4の代わりに検波器4’を用い、感応
抵抗体Rtと基準抵抗Rref との位置関係を異ならせた
ものを図16に示す。なお、図16ではフィードバック
回路7で交流電源1bの電圧を制御することに代え、基
準抵抗Rref の抵抗値を制御するようにしてある。つま
り、基準抵抗Rref として電圧制御型抵抗を用い、この
基準抵抗Rref の抵抗値をフィードバック回路7の出力
で調節することで、感応抵抗体Rtに赤外線による輻射
熱が加わっていないとき、検波器4’の出力電圧Vout
を0Vに保つようにしてある。
【0065】(実施例5)図17に本発明の第5の実施
例を示す。本実施例の赤外線検知回路では、交流電源1
の出力電圧を反転増幅する反転増幅器8と、この反転増
幅器8で反転増幅した出力と交流電源1の出力とを加算
して増幅する加算交流増幅器2”とを備えている点に特
徴がある。
【0066】上記反転増幅器8は、感応抵抗体Rtを入
力抵抗とすると共に、基準抵抗Rref を帰還抵抗として
演算増幅器7aを用いて構成してある。なお、感応抵抗
体Rtを帰還抵抗とし、基準抵抗Rref を入力抵抗して
もよいことは言うでもない。この反転増幅器8では、感
応抵抗体Rtが輻射熱を受けていないとき、感応抵抗体
Rtと基準抵抗Rref との抵抗値が等しく、その出力の
振幅が交流電源1の振幅と一致する。このため、感応抵
抗体Rtが輻射熱を受けていないときは、反転増幅器8
の出力電圧は、交流電源1と同一周波数で位相が逆で、
振幅が等しいものとなり、加算交流増幅器2”で交流電
源1の電圧と反転増幅器8の出力電圧とを加算すると、
互いに相殺され、加算交流増幅器2”の出力は0Vとな
る。
【0067】逆に、感応抵抗体Rtが輻射熱を受けたと
きには、反転増幅器8の出力電圧が変化し、これにより
交流電源1の出力とに差を生じる。従って、このときに
は、加算交流増幅器2”の出力として、感応抵抗体Rt
が受けた輻射熱に応じた交流電圧が生じ、同期検波・積
分器4の出力として感応抵抗体Rtが受けた輻射熱に応
じた直流電圧出力Vout が得られる。
【0068】ここで、上述のように反転増幅器8を用い
ることにより、赤外線検知回路の全体のインピーダンス
を下げることができ、外来ノイズの影響を受けにくくで
きる。また、反転増幅器8を用いることにより、抵抗値
の変化と出力電圧との変化がリニアな関係になり、信号
処理が簡単になる。図18に上記赤外線検知回路を用い
た人体検知装置を示す。なお、図18では加算交流増幅
器2”を具体的に示してある。図18では、加算交流増
幅器2”を、演算増幅器2aで構成し、抵抗値の等しい
入力抵抗R1 ,R2 を夫々介する反転増幅器8の出力と
交流電源1の出力とを加算する構成としてある。図19
に上記人体検知装置の動作を示す。
【0069】図20は抵抗値の等しい抵抗R1 ,R2
直列回路の一端に交流電源1の電圧を印加すると共に、
反転増幅器8の出力電圧を上記抵抗R1 ,R2 の直列回
路の他端に印加し、抵抗R1 ,R2 の接続点の電位変化
として、反転増幅器8の出力変化を生じさせる構成とし
たものである。そして、交流増幅器2’で抵抗R1 ,R
2 の接続点の電位変化を増幅するようにしてある。な
お、図20では、反転増幅器8において、感応抵抗体R
tを帰還抵抗とし、基準抵抗Rref を入力抵抗としてあ
り、検波器4’を用いてある。
【0070】(実施例6)図21に本発明の第6の実施
例を示す。本実施例は、実施例5の赤外線検知回路に、
感応抵抗体Rtに赤外線が輻射されてないときにおける
同期検波・積分器4の出力Vout を0とするフィードバ
ック回路7を設けたものであり、本実施例の場合には加
算交流増幅器2”の各入力の利得バランスを制御して、
同期検波・積分器4の出力Vout を0とするようにして
ある。
【0071】図22は上記赤外線検知回路を用いた人体
検知装置であり、各入力の利得バランスを制御し、同期
検波・積分器4の出力Vout を0とするために、抵抗R
2 として電圧制御型抵抗を用い、この抵抗R2 の抵抗値
を調節して加算比率を可変し、利得バランスを制御する
ようにしてある。この人体検知装置の動作は図23に示
す。
【0072】図24は感応抵抗体Rtに赤外線が輻射さ
れてないときにおける同期検波・積分器4の出力Vout
を0とする別の方法を示し、この図24の場合には反転
増幅器8の入力抵抗(基準抵抗Rref )として電圧制御
型抵抗を用い、反転増幅器8の利得を制御することによ
り、同期検波・積分器4の出力Vout を0とするように
してある。なお、この図24では検波器4’を用いてあ
る。
【0073】(実施例7)図25に第7の実施例を示
す。本実施例では、交流電源1aと、この交流電源1a
と同一周波数、振幅且つ逆位相の交流電源1bと、夫々
の交流電源1a,1bの出力を加算して増幅する加算反
転増幅器9と、加算反転増幅器9の出力を交流増幅する
交流増幅器2’とを備える点に特徴がある。ここで、上
記加算反転増幅器9は演算増幅器9aを用いて構成して
あり、入力抵抗として感応抵抗体Rtと基準抵抗Rref
とを用い、夫々の入力抵抗を介して入力される交流電源
1a,1bを加算し、その差分を増幅するようになって
いる。
【0074】加算反転増幅器9では、実施例3で説明し
たと同様に、赤外線による輻射熱が感応抵抗体Rtに加
わっていないときは、感応抵抗体Rt及び基準抵抗Rre
f の接続点において夫々の交流電源1a,1bの出力電
圧が打ち消され、赤外線による輻射熱で感応抵抗体Rt
の抵抗値が変化して、感応抵抗体Rtと基準抵抗Rref
との抵抗値のバランスが崩れたときに、そのアンバラン
ス状態に応じた交流出力電圧が感応抵抗体Rt及び基準
抵抗Rref の接続点の電位変化として得られ、感応抵抗
体Rt及び基準抵抗Rref の接続点における加算出力を
増幅するようにしたものである。
【0075】図26に赤外線検知回路を用いた人体検知
装置を示し、その動作を図27に示す。また、図28は
図26の加算反転増幅器9とは夫々反対の入力に交流電
源1a,1bを印加する構成、実質的には感応抵抗体R
tと基準抵抗Rref との挿入位置を逆にしたもであり、
検波器4’を用いたものである。 (実施例8)図29に第8の実施例を示す。本実施例
は、実施例7に、感応抵抗体Rtに赤外線が輻射されて
ないときにおける同期検波・積分器4の出力Vout を0
とするフィードバック回路7を設けたものであり、交流
電源1aの電圧を可変することにより、感応抵抗体Rt
に赤外線が輻射されてないときの同期検波・積分器4の
出力Vout を0としてある。なお、交流電源1bの電圧
を可変することによっても、同様に同期検波・積分器4
の出力Vout を0とすることができる。
【0076】図30に本実施例の赤外線検知回路を用い
た人体検知装置を示し、その動作を図31に示す。ま
た、図32に示すように、交流電源1aの代わりに、基
準抵抗Rref の抵抗値を調節するようにしてもよい。な
お、図32では加算反転増幅器9と夫々反対の入力に交
流電源1a,1bを印加し、検波器4’を用いてある。 (実施例9)図33に第9の実施例を示す。本実施例の
赤外線検知回路は、直流電源11の直流電圧を感応抵抗
体Rtの赤外線の輻射熱による抵抗変化に応じて増幅度
の変化する反転増幅器14によって反転増幅し、この反
転増幅器14の出力電圧を直流電源11の直流電圧に加
算して、感応抵抗体Rtの赤外線の輻射熱による抵抗変
化に応じた直流電圧を得るものである。
【0077】具体的には、図33に示すように、図53
の従来例と同じく直流電源11を用いるとともに、反転
増幅器14により直流電源11の直流電圧を反転増幅
し、さらに、その反転増幅された直流電圧Vinと直流電
源11の電源電圧とを加算直流増幅器15において加算
し増幅する構成としてある。上記反転増幅器14は、基
準抵抗Rref を入力抵抗とするとともに、感応抵抗体R
tを帰還抵抗として演算増幅器14aを用いて構成して
ある。この反転増幅器14では、感応抵抗体Rtが輻射
熱を受けていないとき、感応抵抗体Rtと基準抵抗Rre
f との抵抗値が等しいため、反転増幅器14の増幅度は
−1となり、反転増幅器14からは直流電源11の直流
電圧と絶対値が等しく極性が反転した直流電圧が出力さ
れる。このため、加算直流増幅器15にて直流電源11
の直流電圧と反転増幅器14の出力電圧とを加算する
と、互いに相殺され、加算直流増幅器15の出力は0V
となる。
【0078】逆に、感応抵抗体Rtが輻射熱を受けたと
きは、感応抵抗体Rtの抵抗値が変化し反転増幅器14
の増幅度の絶対値が1からずれるため、反転増幅器14
の出力電圧が変化し、これにより直流電源11の直流電
圧とに差を生じる。したがって、このときには、加算直
流増幅器15の出力として、感応抵抗体Rtが受けた輻
射熱に応じた直流電圧出力Vout が得られる。
【0079】すなわち、反転増幅器14の出力電圧とし
て加算直流増幅器15に入力される電圧Vinと、加算直
流増幅器15の出力電圧Vout との間には次式の関係が
ある。なお、Eは直流電源11の直流電圧、Aは加算直
流増幅器15の増幅度である。
【0080】
【数6】
【0081】よって、上記式(6)より、感応抵抗体R
tの抵抗値変化ΔRtに対する入力電圧Vinの変化分Δ
Vinは次式により求められる。
【0082】
【数7】
【0083】上記式(8)より明らかなように、上述の
構成によれば、抵抗値変化ΔRtと入力電圧Vinの変化
分ΔVinとは、感応抵抗体Rtの抵抗値に依らず、常に
線形関係(比例関係)を維持することができる。したが
って、従来のように抵抗値変化ΔRtに対する入力電圧
Vinの変化分ΔVinを線形とするための補正回路が不要
となり、コストの削減を図ることができ、併せて赤外線
検知回路全体の小型化も図れる。また、補正回路が必要
でなくなることから、補正回路の精度に起因する誤差が
生じなくなり、赤外線検知回路の全体の精度を向上させ
ることができる。さらに、補正回路を備えた場合に上記
誤差を回避して精度を確保するために、従来では補正回
路の調整を行わなければならず、その調整に多大な時間
と労力(調整のためのヒートアップ、エージングあるい
は補正値の微調整等)を要していたのが、全て不要とな
り、この点においてもコストの削減を図ることができる
という利点がある。ここで、上述のように反転増幅器1
4を用いることにより、赤外線検知回路の全体のインピ
ーダンスを下げることができ、外来ノイズの影響を受け
にくくできるという利点もある。
【0084】なお、抵抗値変化ΔRtと入力電圧Vinの
変化分ΔVinとが線形関係を維持することができるた
め、周囲温度との演算により、対象物の温度を非接触に
測定することができる輻射温度計にこの赤外線検知回路
を応用することができる。本実施例の赤外線検知回路を
用いて、輻射温度計を構成した場合を図34に示す。構
成的には、上記実施例1〜8に示した存在検知型の人体
検知装置と同様に、レンズなどの適当な光学手段Lを用
い、感応抵抗体Rtに赤外線を照射するようにし、演算
増幅器15aにて構成される加算直流増幅器15から、
赤外線の輻射量に応じた直流の出力電圧Vout が得られ
る。この出力電圧Vout と周囲温度とを演算することに
より、測定対象の表面温度を非接触にて計測することが
できる。
【0085】赤外線輻射物体である人体Xが図34にお
ける(あ)→(い)→(う)というように移動した場合
の上記輻射温度計の動作を図35に示す。ここで、人体
Xが図34における(あ)→(い)→(う)というよう
に検知視野(検知エリア)を通過したときの検知視野内
における輻射エネルギーの変化は図35(a)に示すよ
うになる。従って、この人体Xの移動に伴う図35
(a)の検知視野内の輻射熱により同図(b)に示すよ
うに感応抵抗体Rtの抵抗値が変化する。この感応抵抗
体Rtの抵抗値の変化に伴い加算直流増幅器15の入力
電圧Vinが図35(c)に示すように変化し、加算直流
増幅器15から同図(d)に示す出力電圧Vout が得ら
れる。この出力電圧Vout を他の適当な手段により得ら
れた周囲温度に応じた出力との間で演算することによ
り、人体Xの表面温度を非接触で計測することができ
る。
【0086】ただし、図34の場合には、加算直流増幅
器15を演算増幅器15aから成る反転増幅器にて構成
してあるため、出力電圧Vout の極性は図35(d)と
は反対になる。 (実施例10)図36に本発明の第10の実施例を示
す。本実施例では、図33に示した上記第9の実施例に
おいて、加算直流増幅器15を用いる代わりに、反転増
幅器14の出力端と直流電源11の正極とを抵抗R
1 ,Rd2 を介して接続し、直流増幅器16により直
流増幅している点に特徴がある。すなわち、反転増幅器
14の出力電圧を直流電源11の電源電圧Eとを抵抗R
1 ,Rd2 により加算しており、これらの抵抗R
1 ,Rd2 が加算手段となる。
【0087】上述の赤外線検知回路の動作は、出力電圧
Vout が低下(約半分)する以外は基本的に実施例9の
ものと同一であり、説明は省略する。上述の構成によれ
ば、加算直流増幅器15は必要でなく、通常の1入力の
直流増幅器16を用いればよいから、コストの削減を図
ることができる。 (実施例11)図37に本発明の第11の実施例を示
す。本実施例では、上記実施例9の赤外線検知回路(図
33参照)において、感応抵抗体Rtに赤外線が輻射さ
れていないときにおける加算直流増幅器15の出力電圧
Vout が0Vとなるように、加算直流増幅器15におけ
る加算比率を制御するフィードバック回路17を設けた
点に特徴がある。
【0088】上記フィードバック回路17は、加算直流
増幅器15のオフセット電圧・電流の温度による変動お
よび長期的なレンジにおける安定性、あるいは感応抵抗
体Rtと基準抵抗Rref の抵抗値の不安定性による問題
を回避するように働く。即ち、このような目的で上記フ
ィードバック回路17は使用されるので、フィードバッ
ク制御系における時定数は非常に大きな値(例えば、数
時間)であればよい。
【0089】なお、本実施例の場合には、図示しないが
実施例2と同様に、感応抵抗体Rtに輻射熱が加わって
いるかどうかを検知する検知手段を備えている。この検
知手段では、例えば加算直流増幅器15の出力電圧Vou
t の短期的な変動を測定して、感応抵抗体Rtに輻射熱
が加わっているかどうかを検知するようにしてある。即
ち、人体の移動であれば、0.1〜10Hzくらいの周
波数成分の短期的な変動が測定されるので、その有無に
より感応抵抗体Rtに輻射熱が加わっているかどうかを
検知することが可能である。
【0090】但し、さらに確実に感応抵抗体Rtに輻射
熱が加わっているかどうかを検知する場合には、感応抵
抗体Rtの前に、光学的なシャッタなどの輻射熱遮蔽手
段を配置し、必要に応じた時間間隔で輻射熱を遮断した
状態で、上記フィードバック制御を行うことが望まし
い。上述の構成とすれば、感応抵抗体Rtに入射される
輻射エネルギーに応じた直流電圧出力Vout を得ること
ができるとともに、実施例9の場合と同様に感応抵抗体
Rtの抵抗値変化ΔRtと加算直流増幅器15の入力電
圧Vinの変化分ΔVinとの線形性を常時維持することが
できる。しかも、加算直流増幅器15においては反転増
幅器14からの入力電圧Vinと直流電源11からの直流
電圧Eとが加算されるため、従来例のように直流差動増
幅器を用いた場合に問題であったオフセット電圧、電流
値の変動あるいは感応抵抗体Rtや基準抵抗Rref の抵
抗値の不安定性に起因するドリフトによる直流的誤差の
発生は全く起こらないことになる。すなわち、加算直流
増幅器15においては上記のようなオフセット電圧や電
流値変動あるいはドリフトが相殺され、出力には一切現
れないからである。従って、従来のように入力オフセッ
トに関して要求されていた非常に高精度な性能は不要で
あり、一般的に市販されている安価な演算増幅器を用い
て加算直流増幅器15を構成しても、十分に安定した特
性を得ることができる。
【0091】また、上記直流的な誤差を回避するため
に、従来では直流差動増幅器12の温度上昇を抑えた
り、温度勾配を無くしたりする構造的あるいは回路的な
手段を講じる場合もあったが、本実施例の場合には加算
直流増幅器15に対してそのような手段を講じる必要が
全くないという利点もある。さらに、従来では直流的精
度を確保するための調整に多大な時間と労力とがかかっ
ていたが、本実施例では直流的な精度は要求されないの
で、調整作業も軽減できる利点もある。
【0092】さらに、本実施例では、フィードバック回
路17によって赤外線による輻射熱が感応抵抗体Rtに
加わっていないときに加算直流増幅器15の出力Vout
を0となるようにしているため、この点でも直流的誤差
が生じず、信頼性すなわち長期的安定性を向上させるこ
とができるという利点がある。それに加えて、本実施例
では、実施例9と同様に抵抗値変化ΔRtと入力電圧V
inの変化分ΔVinとは、感応抵抗体Rtの抵抗値に依ら
ず、常に線形関係(比例関係)を維持することができる
から、従来のように抵抗値変化ΔRtに対する入力電圧
Vinの変化分ΔVinを線形とするための補正回路が不要
となり、コストの削減を図ることができ、併せて赤外線
検知回路全体の小型化も図れる。また、補正回路が必要
でなくなることから、補正回路の精度に起因する誤差が
生じなくなり、赤外線検知回路の全体の精度を向上させ
ることができる。さらに、補正回路を備えた場合に上記
誤差を回避して精度を確保するために、従来では補正回
路の調整を行わなければならず、その調整に多大な時間
と労力(調整のためのヒートアップ、エージングあるい
は補正値の微調整等)を要していたのが、全て不要とな
り、この点においてもコストの削減を図ることができる
という利点がある。ここで、上述のように反転増幅器1
4を用いることにより、赤外線検知回路の全体のインピ
ーダンスを下げることができ、外来ノイズの影響を受け
にくくできるという利点もある。
【0093】本実施例の赤外線検知回路を用いて、存在
検知型の人体検知装置を構成した場合を図38に示す。
なお、構成的には実施例1のものと同じく、レンズなど
の適当な光学手段Lを用い、感応抵抗体Rtに赤外線を
照射するようにし、加算直流増幅器15の出力電圧Vou
t を適当なしきい値と比較し、しきち値を越えるある一
定レベル以上の輻射熱に対してハイ,ロー2値の出力
(オン,オフ出力)が得られるようにしてある。さら
に、図38においては、感応抵抗体Rtを反転増幅器1
4の入力抵抗、基準抵抗Rref を帰還抵抗としており、
直流電源11からの直流電圧Eに対する加算直流増幅器
15の入力抵抗Rd2 として電圧制御型抵抗を用い、こ
の抵抗Rd2 の抵抗値をフィードバック回路17の出力
で調節することで、感応抵抗体Rtに赤外線による輻射
熱が加わっていないとき、加算直流増幅器15の出力電
圧Vout を0Vに保つようにしてある。
【0094】赤外線輻射物体である人体Xが図38にお
ける(あ)→(い)→(う)というように移動した場合
の上記人体検知装置の動作を図39に示す。ここで、人
体Xが図38における(あ)→(い)→(う)というよ
うに検知視野(検知エリア)を通過したときの検知視野
内における輻射エネルギの変化は図39(a)に示すよ
うになる。従って、この人体Xの移動に伴う図39
(a)の検知視野内の輻射熱により同図(b)に示すよ
うに感応抵抗体Rtの抵抗値が変化する。この感応抵抗
体Rtの抵抗値の変化に伴い加算直流増幅器15の入力
電圧Vinが図39(c)に示すように変化し、加算直流
増幅器15から同図(d)に示す直流の出力電圧Vout
が得られる。この出力電圧Vout を比較器5の比較電圧
6と比較することで、人体の有無が検知される。この人
体検知装置の場合には、図38における(い)に示す状
態に人体Xがたとえ長時間静止しても安定に検知するこ
とができる。
【0095】なお、図40に示すように、直流電源11
の正極と反転増幅器14の出力端とを入力抵抗Rd1
Rd2 を介して接続し、1入力の直流増幅器16の入力
端に接続して実施例10と同様に構成してもよい。 (実施例12)図41に本発明の第12の実施例を示
す。本実施例の赤外線検知回路は、直流電圧Eを発生す
る直流電源111 と、この直流電圧Eと絶対値が等しく
逆極性の直流電圧E’(E’=−E)を発生する直流電
源112 と、抵抗R1 を入力抵抗とし感応抵抗体Rtを
帰還抵抗とする反転増幅器141 と、抵抗R2 を入力抵
抗とし基準抵抗Rref を帰還抵抗とする反転増幅器14
2 と、2つの反転増幅器141 ,142 からの入力電圧
Vin1 ,Vin2 を加算増幅する加算直流増幅器15とを
備え、一方の反転増幅器141 に直流電源111 の直流
電圧Eを入力し、他方の反転増幅器142 に直流電源1
2 の直流電圧E’を入力している。なお、各反転増幅
器141 ,142 の入力抵抗R1 ,R2 の抵抗値は等し
くしてある。
【0096】2つの反転増幅器141 ,142 は、それ
ぞれ同じ抵抗値の抵抗R1 ,R2 を入力抵抗とし、感応
抵抗体Rtと基準抵抗Rref とをそれぞれ帰還抵抗とし
て演算増幅器14a1 ,14a2 を用いて構成してあ
る。ここで、感応抵抗体Rtが輻射熱を受けていないと
き、感応抵抗体Rtと基準抵抗Rref との抵抗値が等し
いため、反転増幅器141 ,142 の増幅度は−1とな
り、各反転増幅器141,142 から加算直流増幅器1
5に入力される入力電圧Vin1 ,Vin2 は絶対値が等し
く逆極性となるから加算直流増幅器15の出力電圧Vou
t は0Vとなる。
【0097】逆に、感応抵抗体Rtが輻射熱を受けたと
きは、感応抵抗体Rtの抵抗値が変化し反転増幅器14
1 の増幅度の絶対値が1からずれるため、2つの反転増
幅器141 ,142 の増幅度の間に感応抵抗体Rtの抵
抗値の変化に応じた差が生じる。すなわち、加算直流増
幅器15の出力電圧Vout は、反転増幅器141 からの
入力電圧Vin1 と、反転増幅器142 からの入力電圧V
in2 とにより、以下の式で表される。なお、Aは加算直
流増幅器15の増幅度である。
【0098】
【数8】
【0099】よって、上記式(9)より、感応抵抗体R
tの抵抗値変化ΔRtに対する入力電圧Vinの変化分Δ
Vinは次式により求められる。
【0100】
【数9】
【0101】上記式(10)より明らかなように、上述
の構成によれば、抵抗値変化ΔRtと入力電圧Vin1
変化分ΔVin1 とは、感応抵抗体Rtの抵抗値に依ら
ず、常に線形関係(比例関係)を維持することができ
る。したがって、線形に補正するための補正回路が不要
となり、コストの削減を図ることができ、併せて赤外線
検知回路全体の小型化も図れる。また、補正回路が必要
でなくなることから、補正回路の精度に起因する誤差が
生じなくなり、赤外線検知回路の全体の精度を向上させ
ることができる。さらに、補正回路を備えた場合に上記
誤差を回避して精度を確保するために、従来では補正回
路の調整を行わなければならず、その調整に多大な時間
と労力(調整のためのヒートアップ、エージングあるい
は補正値の微調整等)を要していたのが、全て不要とな
り、この点においてもコストの削減を図ることができる
という利点がある。ここで、上述のように反転増幅器1
1 ,142 を用いることにより、赤外線検知回路の全
体のインピーダンスを下げることができ、外来ノイズの
影響を受けにくくできるという利点もある。
【0102】なお、抵抗値変化ΔRtと入力電圧Vin1
の変化分ΔVin1 とが線形関係を維持することができる
ため、周囲温度との演算により、対象物の温度を非接触
に測定することができる輻射温度計にこの赤外線検知回
路を応用することができる。本実施例の赤外線検知回路
を用いて、存在検知型の人体検知装置を構成した場合を
図42に示す。図43は図42の(あ)→(い)→
(う)と人体Xが移動したときの動作を示す。図42に
おける(い)の位置に人体Xが存在する場合、上述した
ように感応抵抗体Rtと基準抵抗Rref との抵抗値のバ
ランスが崩れ、同図(c)に示すように反転増幅器14
1 ,142 からの加算直流増幅器15への入力電圧Vin
1 ,Vin2 間に差が生じ、この差に応じて加算直流増幅
器15から入射した赤外線の輻射量に比例した直流電圧
出力Vout が得られる。この出力電圧Vout を比較器5
の比較電圧6と比較することで、人体の有無が検知され
る。この人体検知装置の場合には、図42における
(い)に示す状態に人体Xがたとえ長時間静止しても安
定に検知することができる。ただし、図42の場合に
は、加算直流増幅器15を演算増幅器15aから成る反
転増幅器にて構成してあるため、出力電圧Vout の極性
は図43(d)とは反対になる。
【0103】なお、図44に示すように、反転増幅器1
1 ,142 の出力端を抵抗Rd1,Rd2 を介して接
続し、1入力の直流増幅器16の入力端に接続して実施
例10と同様に構成してもよい。 (実施例13)図45に本発明の第13の実施例を示
す。本実施例の赤外線検知回路においては、実施例12
の赤外線検知回路において、実施例11で説明したと同
様の働きをするフィードバック回路17を設けた点に特
徴がある。即ち、本実施例のフィードバック回路17で
は、感応抵抗体Rtに赤外線が輻射されてないときにお
ける加算直流増幅器15の出力Vout が0となるよう
に、直流電源112 の直流電圧E’を制御するようにし
てある。これにより、長期的なレンジにおける直流電源
111 ,112 の不安定性や感応抵抗体Rtと基準抵抗
Rref の抵抗値の不安定性による問題を回避する。
【0104】図46は本発明の赤外線検知回路を用いた
人体検知装置を示し、その動作を図47に示す。なお、
図46の人体検知装置では、反転増幅器142 の出力端
に接続された加算直流増幅器15の入力抵抗Rd2 に電
圧制御型抵抗を用い、フィードバック回路17で直流電
源112 の電圧を制御することに代え、フィードバック
回路17の出力で上記抵抗Rd2 の抵抗値を調節するこ
とで、感応抵抗体Rtに赤外線による輻射熱が加わって
いないとき、加算直流増幅器15の出力電圧Vout を0
Vに保つようにしてある。
【0105】なお、図48に示すように、反転増幅器1
1 ,142 の出力端を抵抗Rd1,Rd2 を介して接
続し、1入力の直流増幅器16の入力端に接続して実施
例10と同様に構成してもよい。また、フィードバック
回路17で直流電源112 の電圧や入力抵抗Rdを制御
することに代え、基準抵抗Rref として電圧制御型抵抗
を用い、この基準抵抗Rref の抵抗値をフィードバック
回路17の出力で調節するようにしてもよい。
【0106】(実施例14)図49に本発明の第14の
実施例を示す。本実施例では、直流電圧Eを発生する直
流電源111 と、この直流電圧Eと絶対値が等しく逆極
性の直流電圧E’(E’=−E)を発生する直流電源1
2 と、感応抵抗体Rtと基準抵抗Rref とをそれぞれ
入力抵抗とし固定抵抗R1 を帰還抵抗とする加算反転増
幅器18と、加算反転増幅器18からの入力電圧Vinを
直流増幅する直流増幅器16と、感応抵抗体Rtに赤外
線が輻射されてないときにおける直流増幅器16の出力
Voutが0となるように、直流電源112 の直流電圧
E’を制御するフィードバック回路17とを備えてい
る。
【0107】上記加算反転増幅器18は、直流電源11
1 の直流電圧Eと直流電源112 の直流電圧E’とをそ
れぞれ感応抵抗体Rt及び基準抵抗Rref を介して加算
するとともに反転増幅している。したがって、この加算
反転増幅器18では、赤外線による輻射熱が感応抵抗体
Rtに加わっていないときは、感応抵抗体Rt及び基準
抵抗Rref の接続点においてそれぞれの直流電源1
1 ,112 の出力電圧E,E’が打ち消され、赤外線
による輻射熱で感応抵抗体Rtの抵抗値が変化して、感
応抵抗体Rtと基準抵抗Rref との抵抗値のバランスが
崩れたときに、そのアンバランス状態に応じた直流出力
電圧が感応抵抗体Rtと基準抵抗Rref の接続点の電位
変化として得られ、感応抵抗体Rt及び基準抵抗Rref
の接続点における加算出力を増幅するようにしてある。
【0108】図50に本実施例の赤外線検知回路を用い
た人体検知装置を示し、その動作を図51に示す。な
お、図50に示した人体検知装置では、直流電源112
の代わりにもう一方の直流電源111 の電圧をフィード
バック回路17の出力によって制御するようにしてあ
る。また、図52に示すように、直流電源112 に接続
された基準抵抗Rref を電圧制御型抵抗とし、フィード
バック回路17で直流電源111 ,112 の電圧を制御
することに代え、この基準抵抗Rref の抵抗値をフィー
ドバック回路17の出力で調節するようにしてもよい。
あるいは加算反転増幅器18の帰還抵抗R1 を電圧制御
型抵抗とし、この抵抗R1 をフィードバック回路17の
出力で調整するようにしてもよい。
【0109】
【発明の効果】請求項1の発明は上述のように、赤外線
による輻射熱を受ける赤外線感応抵抗体と、この赤外線
感応抵抗体と同一の抵抗値であり且つ同一の温度に対す
る抵抗値変化を示し赤外線による輻射熱を受けない基準
抵抗と、上記赤外線感応抵抗体と基準抵抗との直列回路
に交流電圧を印加する第1の交流電圧発生手段と、この
第1の交流電圧発生手段と同一の周波数で且つ第1の交
流電圧発生手段の半分の電圧の交流電圧を発生する第2
の交流電圧発生手段と、上記赤外線感応抵抗体と基準抵
抗とによる第1の交流電圧発生手段の出力電圧の分圧電
圧と上記第2の交流電圧発生手段の電圧との差分を増幅
する交流差動増幅手段と、交流差動増幅手段の出力を検
波する検波手段とを備えたものであり、赤外線感応抵抗
体の赤外線の輻射熱による抵抗値変化を交流電圧変化と
し、その抵抗値変化に応じた交流電圧を交流増幅してい
るので、交流差動増幅手段を構成する演算増幅器の直流
的な誤差の影響が交流差動増幅手段の出力に一切現れな
いようにでき、このため交流差動増幅手段を一般に市販
されている安価を演算増幅器を用いて構成することがで
き、安価に構成でき、また演算増幅器の直流的な誤差の
影響が交流差動増幅手段の出力に一切現れないので、高
性能且つ高信頼性を確保することができる。
【0110】請求項2の発明では、上記赤外線感応抵抗
体が赤外線による輻射熱を受けていないとき、検波手段
の出力が生じないように第2の交流電圧発生手段の電圧
または交流差動増幅手段の差動バランスを調節する調節
手段を設けてあるので、経年変化による赤外線感応抵抗
体や基準抵抗の抵抗値の変化などにより、赤外線感応抵
抗体が赤外線による輻射熱を受けていないときに検波手
段の出力が生じることを調節手段で回避でき、このため
長期使用時の動作の安定性及び信頼性を確保することが
できる。
【0111】請求項3の発明は、赤外線による輻射熱を
受ける赤外線感応抵抗体と、この赤外線感応抵抗体と同
一の抵抗値であり且つ同一の温度に対する抵抗値変化を
示し赤外線による輻射熱を受けない基準抵抗と、上記赤
外線感応抵抗体と基準抵抗との直列回路の一端に交流電
圧を印加する第1の交流電圧発生手段と、この第1の交
流電圧発生手段と同一周波数で位相が逆で、且つ同一振
幅の交流電圧を上記直列回路の他端に印加する第2の交
流電圧発生手段と、上記赤外線感応抵抗体と基準抵抗と
の接続点の交流変化を増幅する交流増幅手段と、交流増
幅手段の出力を検波する検波手段とを備えたものであ
り、赤外線感応抵抗体の赤外線の輻射熱により抵抗値変
化を交流電圧変化とし、その抵抗値変化に応じた交流電
圧を交流増幅するようにしてあるので、交流増幅手段を
構成する演算増幅器の直流的な誤差の影響がでず、演算
増幅器として安価なものを用いて構成でき、高性能且つ
高信頼性を確保することができる。
【0112】請求項4の発明は、赤外線感応抵抗体が赤
外線による輻射熱を受けていないとき、検波手段の出力
が生じないようにいずれかの交流電圧発生手段の電圧ま
たは基準抵抗の抵抗値を調節する調節手段を設けてある
ので、経年変化による赤外線感応抵抗体や基準抵抗の抵
抗値の変化などによる動作の安定性を回避し、長期使用
時にも信頼性を確保することができる。
【0113】請求項5の発明では、赤外線による輻射熱
を受ける赤外線感応抵抗体と、この赤外線感応抵抗体と
同一の抵抗値であり且つ同一の温度に対する抵抗値変化
を示し赤外線による輻射熱を受けない基準抵抗と、交流
電圧を発生する交流電圧発生手段と、上記赤外線感応抵
抗体及び基準抵抗を夫々入力抵抗と帰還抵抗として構成
され上記交流電圧発生手段の出力を反転増幅する反転増
幅手段と、上記交流電圧発生手段の出力と反転増幅手段
の出力とを加算する加算手段と、その加算出力を交流増
幅する交流増幅手段と、交流増幅手段の出力を検波する
検波手段とを備えているので、請求項1及び請求項3の
発明と同様に、赤外線の輻射熱による変化を交流的に処
理することで、反転増幅手段及び交流増幅手段を安価な
演算増幅器を用いて構成でき、且つ演算増幅器の直流的
なばらつきの影響が出力に現れないことにより、高性能
且つ高信頼性を確保することができる。
【0114】請求項6の発明では、赤外線感応抵抗体が
赤外線による輻射熱を受けていないとき、検波手段の出
力が生じないように加算手段の加算比率または反転増幅
手段の利得を調節する調節手段を設けるてあるので、請
求項2及び請求項4の発明と同様にして、長期使用時の
動作の安定性及び信頼性を確保することができる。請求
項7の発明は、赤外線による輻射熱を受ける赤外線感応
抵抗体と、この赤外線感応抵抗体と同一の抵抗値であり
且つ同一の温度に対する抵抗値変化を示し赤外線による
輻射熱を受けない基準抵抗と、交流電圧を発生する第1
の交流電圧発生手段と、この第1の交流電圧発生手段と
同一周波数で位相が逆で、且つ同一振幅の交流電圧を発
生する第2の交流電圧発生手段と、上記赤外線感応抵抗
体及び基準抵抗を夫々入力抵抗として構成され夫々の入
力抵抗を介して入力される上記第1及び第2の交流電圧
発生手段の出力を加算すると共に反転増幅する加算反転
増幅手段と、この加算反転増幅手段の出力を交流増幅す
る交流増幅手段と、交流増幅手段の出力を検波する検波
手段とを備えているので、赤外線の輻射熱による変化を
交流的に処理することで、加算反転増幅手段及び交流増
幅手段を安価な演算増幅器を用いて構成でき、且つ演算
増幅器の直流的なばらつきの影響が出力に現れないこと
により、高性能且つ高信頼性を確保することができる。
【0115】請求項8の発明は、赤外線感応抵抗体が赤
外線による輻射熱を受けていないとき、検波手段の出力
が生じないようにいずれかの交流電圧発生手段の電圧ま
たは基準抵抗の抵抗値を調節する調節手段を設けてある
ので、長期使用時の動作の安定性及び信頼性を確保する
ことができる。請求項9の発明では、検波手段におい
て、交流電圧発生手段の周波数に同期する信号のみを検
波しているので、外乱ノイズが検波出力として生じず、
外乱ノイズの影響を受けにくくできる。
【0116】請求項10の発明は、赤外線による輻射熱
を受ける赤外線感応抵抗体と、この赤外線感応抵抗体と
同一の抵抗値であり且つ同一の温度に対する抵抗値変化
を示し赤外線による輻射熱を受けない基準抵抗と、直流
電圧を出力する直流電圧発生手段と、上記赤外線感応抵
抗体を帰還抵抗とするとともに上記基準抵抗を入力抵抗
として直流電圧発生手段の直流電圧を反転増幅する反転
増幅手段と、上記直流電圧発生手段の直流電圧と反転増
幅手段の出力電圧とを加算する加算手段とを備えたもの
であり、赤外線の輻射熱による赤外線感応抵抗体の抵抗
値変化に対する反転増幅手段の出力電圧変化が赤外線感
応抵抗体に依存しないようにすることができ、これによ
り、赤外線感応抵抗体の抵抗値変化と加算手段から出力
される赤外線検知出力とが比例することになり、両者の
非線形性を補正するために従来必要であった補正回路を
不要とすることができ、赤外線検知回路の高精度化が図
れるとともに安価に構成することを可能とし、且つ小型
化が図れる。さらに、補正回路が不要となることで、補
正回路による調整作業が要らなくなって調整時間や調整
作業にかかる時間や労力を不要とし、この点においても
コストの削減を図ることができる。
【0117】請求項11の発明は、赤外線による輻射熱
を受ける赤外線感応抵抗体と、この赤外線感応抵抗体と
同一の抵抗値であり且つ同一の温度に対する抵抗値変化
を示し赤外線による輻射熱を受けない基準抵抗と、直流
電圧を出力する直流電圧発生手段と、上記赤外線感応抵
抗体と基準抵抗との何れか一方を帰還抵抗とし他方を入
力抵抗として直流電圧発生手段の直流電圧を反転増幅す
る反転増幅手段と、上記直流電圧発生手段の直流電圧と
反転増幅手段の出力電圧とを加算する加算手段と、上記
赤外線感応抵抗体が赤外線による輻射熱を受けていない
とき、上記加算手段の出力が生じないように加算手段の
加算比率または反転増幅手段の利得を調節する調節手段
を設けたものであり、直流電圧発生手段の直流電圧と、
赤外線の輻射熱に応じて変化する反転増幅手段の出力電
圧とを加算手段にて加算することにより、加算手段を構
成する直流増幅器の直流的な誤差の影響を相殺して加算
手段の出力に一切現れないようにするので、赤外線検知
回路を安価に構成することができ、また、加算手段を構
成する直流増幅器の直流的な誤差の影響が加算手段の出
力に一切現れないことにより、高性能且つ高信頼性を確
保することができる。さらに、経年変化で赤外線感応抵
抗体及び基準抵抗の抵抗値が変化することにより、赤外
線感応抵抗体が赤外線による輻射熱を受けていないと
き、加算手段の出力が生じることを、調節手段により回
避するができ、このため長期使用時の動作の安定性及び
信頼性を確保することができる。なお、赤外線感応抵抗
体を帰還抵抗とし基準抵抗を入力抵抗とすれば、請求項
10の発明と同様に赤外線の輻射熱による赤外線感応抵
抗体の抵抗値変化に対する反転増幅手段の出力電圧変化
が赤外線感応抵抗体に依存しなくなり、赤外線感応抵抗
体の抵抗値変化と加算手段から出力される赤外線検知出
力とが比例し、両者の非線形性を補正するために従来必
要であった補正回路を不要とすることが可能になり、赤
外線検知回路の高精度化が図れるとともに安価に構成す
ることができ、且つ小型化が図れ、さらに、補正回路が
不要となることで、補正回路による調整作業が要らなく
なって調整時間や調整作業にかかる時間や労力を不要と
し、この点においてもコストの削減を図ることができ
る。一方、赤外線感応抵抗体を反転増幅手段の入力抵抗
とし基準抵抗を帰還抵抗とすれば、赤外線感知回路の全
体のインピーダンスを低下させることができ、外来ノイ
ズの影響を受けにくくすることができる。
【0118】請求項12の発明は、赤外線による輻射熱
を受ける赤外線感応抵抗体と、この赤外線感応抵抗体と
同一の抵抗値であり且つ同一の温度に対する抵抗値変化
を示し赤外線による輻射熱を受けない基準抵抗と、直流
電圧を出力する第1の直流電圧発生手段と、この第1の
直流電圧発生手段と絶対値が同一で極性が逆の直流電圧
を出力する第2の直流電圧発生手段と、上記赤外線感応
抵抗体を帰還抵抗として第1の直流電圧発生手段の直流
電圧を反転増幅する第1の反転増幅手段と、上記基準抵
抗を帰還抵抗として第2の直流電圧発生手段の直流電圧
を反転増幅する第2の反転増幅手段と、上記第1及び第
2の反転増幅手段の出力電圧を加算する加算手段とを備
えたものであり、赤外線の輻射熱による赤外線感応抵抗
体の抵抗値変化に対する反転増幅手段の出力電圧変化が
赤外線感応抵抗体に依存しないようにすることができる
ので、赤外線感応抵抗体の抵抗値変化と加算手段から出
力される赤外線検知出力とが比例することになり、両者
の非線形性を補正するために従来必要であった補正回路
を不要とすることができ、赤外線検知回路の高精度化が
図れるとともに安価に構成することができ、且つ小型化
が図れる。さらに、補正回路が不要となることで、補正
回路による調整作業が要らなくなって調整時間や調整作
業にかかる時間や労力を不要とし、この点においてもコ
ストの削減を図ることができる。なお、赤外線感応抵抗
体及び基準抵抗をそれぞれ第1及び第2の反転増幅手段
の帰還抵抗としているため、赤外線感知回路の全体のイ
ンピーダンスを低下させることができ、外来ノイズの影
響を受けにくくすることができる。
【0119】請求項13の発明では、上記赤外線感応抵
抗体が赤外線による輻射熱を受けていないとき、上記加
算手段の出力が生じないように加算手段の加算比率また
は反転増幅手段の利得または第1及び第2の直流電圧発
生手段のいずれかの直流電圧を調節する調節手段を設け
てあるので、経年変化による赤外線感応抵抗体や基準抵
抗の抵抗値の変化などにより、赤外線感応抵抗体が赤外
線による輻射熱を受けていないときに加算手段の出力が
生じることを調節手段により回避でき、このため長期使
用時の動作の安定性及び信頼性を確保することができ
る。
【0120】請求項14の発明は、赤外線による輻射熱
を受ける赤外線感応抵抗体と、この赤外線感応抵抗体と
同一の抵抗値であり且つ同一の温度に対する抵抗値変化
を示し赤外線による輻射熱を受けない基準抵抗と、直流
電圧を出力する第1の直流電圧発生手段と、この第1の
直流電圧発生手段と絶対値が同一で極性が逆の直流電圧
を出力する第2の直流電圧発生手段と、上記赤外線感応
抵抗体及び基準抵抗の一方と他方とをそれぞれ介して加
算された第1の直流電圧発生手段の直流電圧と第2の直
流電圧発生手段の直流電圧とを反転増幅する反転増幅手
段とを備え、上記赤外線感応抵抗体が赤外線による輻射
熱を受けていないとき、上記加算手段の出力が生じない
ように加算手段の加算比率または第1及び第2の直流電
圧発生手段のいずれかの直流電圧を調節する調節手段を
設けてあるので、第1の直流電圧発生手段の直流電圧
と、第2の直流電圧発生手段の逆極性の直流電圧とを赤
外線感応抵抗体及び基準抵抗のそれぞれ一方と他方とを
介して加算し、反転増幅することにより、加算手段を構
成する直流増幅器の直流的な誤差の影響を相殺して加算
手段の出力に一切現れないようにするので、赤外線検知
回路を安価に構成することができ、また、高性能且つ高
信頼性を確保することができる。さらに、経年変化で赤
外線感応抵抗体及び基準抵抗の抵抗値が変化することに
より、赤外線感応抵抗体が赤外線による輻射熱を受けて
いないとき、加算手段の出力が生じることを、調節手段
により回避でき、このため長期使用時の動作の安定性及
び信頼性を確保することができる。また、赤外線感応抵
抗体及び基準抵抗が反転増幅手段の入力抵抗となるた
め、赤外線感知回路の全体のインピーダンスを低下させ
ることができ、外来ノイズの影響を受けにくくすること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の回路図である。
【図2】同上を人体検知装置に用いた場合の回路図であ
る。
【図3】同上の人体検知装置の動作説明図である。
【図4】同上の人体検知装置の一部構成を異ならせた場
合の回路図である。
【図5】第2の実施例の回路図である。
【図6】同上を人体検知装置に用いた場合の回路図であ
る。
【図7】同上の人体検知装置の動作説明図である。
【図8】同上の人体検知装置の一部構成を異ならせた場
合の回路図である。
【図9】第3の実施例の回路図である。
【図10】同上を人体検知装置に用いた場合の回路図で
ある。
【図11】同上の人体検知装置の動作説明図である。
【図12】同上の人体検知装置の一部構成を異ならせた
場合の回路図である。
【図13】第4の実施例の回路図である。
【図14】同上を人体検知装置に用いた場合の回路図で
ある。
【図15】同上の人体検知装置の動作説明図である。
【図16】同上の人体検知装置の一部構成を異ならせた
場合の回路図である。
【図17】第5の実施例の回路図である。
【図18】同上を人体検知装置に用いた場合の回路図で
ある。
【図19】同上の人体検知装置の動作説明図である。
【図20】同上の人体検知装置の一部構成を異ならせた
場合の回路図である。
【図21】第6の実施例の回路図である。
【図22】同上を人体検知装置に用いた場合の回路図で
ある。
【図23】同上の人体検知装置の動作説明図である。
【図24】同上の人体検知装置の一部構成を異ならせた
場合の回路図である。
【図25】第7の実施例の回路図である。
【図26】同上を人体検知装置に用いた場合の回路図で
ある。
【図27】同上の人体検知装置の動作説明図である。
【図28】同上の人体検知装置の一部構成を異ならせた
場合の回路図である。
【図29】第8の実施例の回路図である。
【図30】同上を人体検知装置に用いた場合の回路図で
ある。
【図31】同上の人体検知装置の動作説明図である。
【図32】同上の人体検知装置の一部構成を異ならせた
場合の回路図である。
【図33】第9の実施例の回路図である。
【図34】同上を輻射温度計に用いた場合の回路図であ
る。
【図35】同上の輻射温度計の動作説明図である。
【図36】第10の実施例の回路図である。
【図37】第11の実施例の回路図である。
【図38】同上を人体検知装置に用いた場合の回路図で
ある。
【図39】同上の人体検知装置の動作説明図である。
【図40】同上の人体検知装置の一部構成を異ならせた
場合の回路図である。
【図41】第12の実施例の回路図である。
【図42】同上を人体検知装置に用いた場合の回路図で
ある。
【図43】同上の人体検知装置の動作説明図である。
【図44】同上の人体検知装置の一部構成を異ならせた
場合の回路図である。
【図45】第13の実施例の回路図である。
【図46】同上を人体検知装置に用いた場合の回路図で
ある。
【図47】同上の人体検知装置の動作説明図である。
【図48】同上の人体検知装置の一部構成を異ならせた
場合の回路図である。
【図49】第14の実施例の回路図である。
【図50】同上を人体検知装置に用いた場合の回路図で
ある。
【図51】同上の人体検知装置の動作説明図である。
【図52】同上の人体検知装置の一部構成を異ならせた
場合の回路図である。
【図53】従来例の回路図である。
【図54】赤外線感応抵抗体としてのサーミスタの温度
特性図である。
【図55】従来例を人体検知装置に用いた場合の回路図
である。
【図56】同上の人体検知装置の動作説明図である。
【図57】従来例の一部構成を異ならせた場合の回路図
である。
【符号の説明】
Rt 赤外線感応抵抗体 Rref 基準抵抗 1,1a,1b 交流電源 2 交流差動増幅器 2’交流増幅器 2”加算交流増幅器 3 比較電圧 4 同期検波・積分器 4’検波器 7 フィードバック回路 8 反転増幅器 9 加算反転増幅器

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 赤外線による輻射熱を受ける赤外線感応
    抵抗体と、この赤外線感応抵抗体と同一の抵抗値であり
    且つ同一の温度に対する抵抗値変化を示し赤外線による
    輻射熱を受けない基準抵抗と、上記赤外線感応抵抗体と
    基準抵抗との直列回路に交流電圧を印加する第1の交流
    電圧発生手段と、この第1の交流電圧発生手段と同一の
    周波数で且つ第1の交流電圧発生手段の半分の電圧の交
    流電圧を発生する第2の交流電圧発生手段と、上記赤外
    線感応抵抗体と基準抵抗とによる第1の交流電圧発生手
    段の出力電圧の分圧電圧と上記第2の交流電圧発生手段
    の電圧との差分を増幅する交流差動増幅手段と、交流差
    動増幅手段の出力を検波する検波手段とを備えて成るこ
    とを特徴とする赤外線検知回路。
  2. 【請求項2】 上記赤外線感応抵抗体が赤外線による輻
    射熱を受けていないとき、検波手段の出力が生じないよ
    うに第2の交流電圧発生手段の電圧または交流差動増幅
    手段の差動バランスを調節する調節手段を設けて成るこ
    とを特徴とする請求項1記載の赤外線検知回路。
  3. 【請求項3】 赤外線による輻射熱を受ける赤外線感応
    抵抗体と、この赤外線感応抵抗体と同一の抵抗値であり
    且つ同一の温度に対する抵抗値変化を示し赤外線による
    輻射熱を受けない基準抵抗と、上記赤外線感応抵抗体と
    基準抵抗との直列回路の一端に交流電圧を印加する第1
    の交流電圧発生手段と、この第1の交流電圧発生手段と
    同一周波数で位相が逆で、且つ同一振幅の交流電圧を上
    記直列回路の他端に印加する第2の交流電圧発生手段
    と、上記赤外線感応抵抗体と基準抵抗との接続点の交流
    変化を増幅する交流増幅手段と、交流増幅手段の出力を
    検波する検波手段とを備えて成ることを特徴とする赤外
    線検知回路。
  4. 【請求項4】 上記赤外線感応抵抗体が赤外線による輻
    射熱を受けていないとき、検波手段の出力が生じないよ
    うにいずれかの交流電圧発生手段の電圧または基準抵抗
    の抵抗値を調節する調節手段を設けて成ることを特徴と
    する請求項3記載の赤外線検知回路。
  5. 【請求項5】 赤外線による輻射熱を受ける赤外線感応
    抵抗体と、この赤外線感応抵抗体と同一の抵抗値であり
    且つ同一の温度に対する抵抗値変化を示し赤外線による
    輻射熱を受けない基準抵抗と、交流電圧を発生する交流
    電圧発生手段と、上記赤外線感応抵抗体及び基準抵抗を
    夫々入力抵抗と帰還抵抗として構成され上記交流電圧発
    生手段の出力を反転増幅する反転増幅手段と、上記交流
    電圧発生手段の出力と反転増幅手段の出力とを加算する
    加算手段と、その加算出力を交流増幅する交流増幅手段
    と、交流増幅手段の出力を検波する検波手段とを備えて
    成ることを特徴とする赤外線検知回路。
  6. 【請求項6】 上記赤外線感応抵抗体が赤外線による輻
    射熱を受けていないとき、検波手段の出力が生じないよ
    うに加算手段の加算比率または反転増幅手段の利得を調
    節する調節手段を設けて成ることを特徴とする請求項5
    記載の赤外線検知回路。
  7. 【請求項7】 赤外線による輻射熱を受ける赤外線感応
    抵抗体と、この赤外線感応抵抗体と同一の抵抗値であり
    且つ同一の温度に対する抵抗値変化を示し赤外線による
    輻射熱を受けない基準抵抗と、交流電圧を発生する第1
    の交流電圧発生手段と、この第1の交流電圧発生手段と
    同一周波数で位相が逆で、且つ同一振幅の交流電圧を発
    生する第2の交流電圧発生手段と、上記赤外線感応抵抗
    体及び基準抵抗を夫々入力抵抗として構成され夫々の入
    力抵抗を介して入力される上記第1及び第2の交流電圧
    発生手段の出力を加算すると共に反転増幅する加算反転
    増幅手段と、この加算反転増幅手段の出力を交流増幅す
    る交流増幅手段と、交流増幅手段の出力を検波する検波
    手段とを備えて成ることを特徴とする赤外線検知回路。
  8. 【請求項8】 上記赤外線感応抵抗体が赤外線による輻
    射熱を受けていないとき、検波手段の出力が生じないよ
    うにいずれかの交流電圧発生手段の電圧または基準抵抗
    の抵抗値を調節する調節手段を設けて成ることを特徴と
    する請求項7記載の赤外線検知回路。
  9. 【請求項9】 上記検波手段において、交流電圧発生手
    段の周波数に同期する信号のみを検波して成ることを特
    徴とする請求項1,3,5,7のいずれかに記載の赤外
    線検知回路。
  10. 【請求項10】 赤外線による輻射熱を受ける赤外線感
    応抵抗体と、この赤外線感応抵抗体と同一の抵抗値であ
    り且つ同一の温度に対する抵抗値変化を示し赤外線によ
    る輻射熱を受けない基準抵抗と、直流電圧を出力する直
    流電圧発生手段と、上記赤外線感応抵抗体を帰還抵抗と
    するとともに上記基準抵抗を入力抵抗として直流電圧発
    生手段の直流電圧を反転増幅する反転増幅手段と、上記
    直流電圧発生手段の直流電圧と反転増幅手段の出力電圧
    とを加算する加算手段とを備えて成ることを特徴とする
    赤外線検知回路。
  11. 【請求項11】 赤外線による輻射熱を受ける赤外線感
    応抵抗体と、この赤外線感応抵抗体と同一の抵抗値であ
    り且つ同一の温度に対する抵抗値変化を示し赤外線によ
    る輻射熱を受けない基準抵抗と、直流電圧を出力する直
    流電圧発生手段と、上記赤外線感応抵抗体と基準抵抗と
    の何れか一方を帰還抵抗とし他方を入力抵抗として直流
    電圧発生手段の直流電圧を反転増幅する反転増幅手段
    と、上記直流電圧発生手段の直流電圧と反転増幅手段の
    出力電圧とを加算する加算手段と、上記赤外線感応抵抗
    体が赤外線による輻射熱を受けていないとき、上記加算
    手段の出力が生じないように加算手段の加算比率または
    反転増幅手段の利得を調節する調節手段を設けて成るこ
    とを特徴とする赤外線検知回路。
  12. 【請求項12】 赤外線による輻射熱を受ける赤外線感
    応抵抗体と、この赤外線感応抵抗体と同一の抵抗値であ
    り且つ同一の温度に対する抵抗値変化を示し赤外線によ
    る輻射熱を受けない基準抵抗と、直流電圧を出力する第
    1の直流電圧発生手段と、この第1の直流電圧発生手段
    と絶対値が同一で極性が逆の直流電圧を出力する第2の
    直流電圧発生手段と、上記赤外線感応抵抗体を帰還抵抗
    として第1の直流電圧発生手段の直流電圧を反転増幅す
    る第1の反転増幅手段と、上記基準抵抗を帰還抵抗とし
    て第2の直流電圧発生手段の直流電圧を反転増幅する第
    2の反転増幅手段と、上記第1及び第2の反転増幅手段
    の出力電圧を加算する加算手段とを備えて成ることを特
    徴とする赤外線検知回路。
  13. 【請求項13】 上記赤外線感応抵抗体が赤外線による
    輻射熱を受けていないとき、上記加算手段の出力が生じ
    ないように加算手段の加算比率または反転増幅手段の利
    得または第1及び第2の直流電圧発生手段のいずれかの
    直流電圧を調節する調節手段を設けて成ることを特徴と
    する請求項12記載の赤外線検知回路。
  14. 【請求項14】 赤外線による輻射熱を受ける赤外線感
    応抵抗体と、この赤外線感応抵抗体と同一の抵抗値であ
    り且つ同一の温度に対する抵抗値変化を示し赤外線によ
    る輻射熱を受けない基準抵抗と、直流電圧を出力する第
    1の直流電圧発生手段と、この第1の直流電圧発生手段
    と絶対値が同一で極性が逆の直流電圧を出力する第2の
    直流電圧発生手段と、上記赤外線感応抵抗体及び基準抵
    抗の一方と他方とをそれぞれ介して入力される第1の直
    流電圧発生手段の直流電圧と第2の直流電圧発生手段の
    直流電圧とを加算し反転増幅する加算反転増幅手段とを
    備え、上記赤外線感応抵抗体が赤外線による輻射熱を受
    けていないとき、上記加算手段の出力が生じないように
    加算手段の加算比率または第1及び第2の直流電圧発生
    手段のいずれかの直流電圧を調節する調節手段を設けて
    成ることを特徴とする赤外線検知回路。
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