JP3363272B2 - 赤外線検知回路 - Google Patents
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Description
検知型の赤外線検知回路に関するものである。
この赤外線検知回路は、直流電源11の両端に基準抵抗
Rref を介して直列接続された赤外線感応抵抗体Rtで
赤外線を感知し、その感知出力が比較電圧13との差分
を直流差動増幅器12で増幅した電圧を出力電圧Vout
とするものである。
ぶ)Rtは、温度変化に応じて抵抗値が変化する例えば
サーミスタなどの抵抗体である。代表的なサーミスタの
温度変化に対する抵抗値変化(いわゆる温度特性)を図
34に示す。ここで、上記感応抵抗体Rtとしては、熱
容量が極力小さく、且つ熱抵抗が極力大きいものを用い
ることにより、わずかな輻射熱によっても、感応抵抗体
Rt自体の温度が上昇し、抵抗値変化を起こすようにし
てある。
全く同一の抵抗値のものであり、且つ感応抵抗体Rtと
全く同一の温度変化に対する抵抗変化率を有する抵抗体
である。但し、外部からの輻射熱からは完全に遮断され
ている。つまりは、抵抗値や抵抗変化率に影響を与えな
い方法、あるいは空間的に絶縁する方法で、赤外線によ
る輻射熱を遮断してある。従って、輻射熱が感応抵抗体
Rtに入射されない場合は、たとえ周囲温度が変化して
も、感応抵抗体Rtと基準抵抗Rref による分圧電圧は
一定となるようにしてある。
とすると、E/2に設定してある。なお、比較電圧13
は、図37に示すように、直流電源11の電圧Eを抵抗
Rd1,Rd2 で分圧して得るようにしてもよい。上記赤
外線検知回路では、感応抵抗体Rtの輻射熱による抵抗
値変化がない場合には、感応抵抗体Rtと基準抵抗Rre
f との抵抗値は等しく、感応抵抗体Rtと基準抵抗Rre
f との分圧電圧(直流差動増幅器12の入力電圧Vin)
が比較電圧13と一致するので、直流差動増幅器12の
出力電圧Vout が0Vとなる。そして、感応抵抗体Rt
の輻射熱による抵抗値変化があると、感応抵抗体Rtと
基準抵抗Rref とによる分圧電圧と比較電圧13の電圧
E/2との差に応じた出力電圧Vout が直流差動増幅器
12から出力される。即ち、周囲温度の変化は相殺さ
れ、輻射熱量に応じた値のみが直流差動増幅器12から
出力される。
した場合、直流差動増幅器12の入力電圧Vinと出力電
圧Vout は次式で表される。
した場合を図35に示す。この人体検知装置では、レン
ズなどの適当な光学手段Lを用い、感応抵抗体Rtに赤
外線を照射するようにし、直流差動増幅器12の出力電
圧Vout を適当な基準電圧6と比較する比較器5を設
け、基準電圧6の設定により決まるある一定レベル以上
の輻射熱に対してハイ,ロー2値の出力(いわゆるオ
ン,オフ出力)が得られる。
ける(あ)→(い)→(う)というように移動した場合
の上記人体検知装置の動作を図36に示す。ここで、人
体Xが周囲温度よりΔT℃高い(ある場合は低い)エネ
ルギを有するものとし、図35における(あ)→(い)
→(う)というように検知視野(検知エリア)を通過し
たときの検知視野内における輻射エネルギの変化を図3
6(a)に示す。ここで、検知視野内に人体Xが存在し
ない場合は、検知視野内の温度と感応抵抗体Rt及び基
準抵抗Rref の温度とは等しいとする。
6(a)の検知視野内の輻射熱により同図(b)に示す
ように感応抵抗体Rtの抵抗値が変化する。この感応抵
抗体Rtの抵抗値の変化に伴い直流差動増幅器12の入
力電圧Vinが図36(c)に示すように変化する。ここ
で、図36(c)に示すように直流差動増幅器12の入
力電圧Vinが基準電圧E/2に対してΔVinだけ高くな
ったとすると、直流差動増幅器12から同図(d)に示
す出力電圧Vout が得られる。いま、比較器5の基準電
圧6を図36(d)に示すように設定してある場合、比
較器5の出力は同図(e)に示すようになる。
ることによって、感応抵抗体Rtの抵抗値が変化し、そ
の抵抗値の変化を電圧値変化として直流増幅することに
より、人体Xの存在を検知することができる。
た赤外線検知回路では次のような問題がある。即ち、上
記赤外線検知回路では、直流差動増幅器12のオフセッ
ト電圧,電流のばらつきが小さく、オフセット電圧,電
流が周囲温度に影響されない温度特性を有するなどの高
度の性能が要求される。即ち、上記赤外線検知回路で
は、感応抵抗体Rtの抵抗値変化を直流電圧の変化と
し、それを直流差動増幅器12で直流増幅しているの
で、直流差動増幅器12の直流安定性が高度に要求され
るのである。ここで、例えば上述のような性能を満足し
ない直流差動増幅器12を用いた場合には、動作が不安
定となる。
のオフセット電圧,電流が変化したり、感応抵抗体Rt
及び基準抵抗Rref の抵抗値が変化したりして、動作が
不安定になるという問題がある。即ち、従来のこの種の
赤外線検知回路では、長期の安定性及び信頼性に関する
問題もあった。上記赤外線検知回路を用いた人体検知装
置における要求仕様は、要求検知性能、光学系の効率、
感応抵抗体Rtの変換効率によって決定される。例え
ば、一般的なサーミスタボロメータの場合において、周
囲温度と1度差の範囲内の要求検知性能を満足させるも
のとし、光学系の効率を1.0[μW/deg ](感応抵
抗体Rt上の輻射エネルギ/温度差)、感応抵抗体Rt
の変換効率を25[ppm /μW](抵抗値の変化率)、
使用温度範囲を−10〜40[℃]、直流電源11の電
源電圧を8.0[V]であるとすると、入力電圧Vin
の変化ΔVin は、式(1)より、 ΔVin=50[μV] となる。従って、直流差動増幅器12の入力オフセット
電圧、電流値による変動Voff は、使用温度範囲におい
て誤差を入力電圧Vinの変化の1/10以下に抑えると
すると、 Voff =0.1[μV] 以下でなければならない。この値は、直流差動増幅器1
2を構成する一般に入手できる安価な演算増幅器では実
現困難である。
においては、上記演算増幅器として高価なものを用い
て、コスト高となるか、あるいは比較的に安価な演算増
幅器を用いて、性能,信頼性を犠牲にするかのどちらか
の問題を生じる。即ち、従来構成の存在検知型の赤外線
検知回路では、安価で、高性能且つ高信頼性を実現する
ことは困難であった。
は、そのほとんどが上述した理由により、移動もしくは
通過検知型の赤外線検知回路を用いて構成してある。つ
まりは、上記人体検知装置に用いられる赤外線検知回路
では、赤外線輻射量の変化のみを増幅し、上記直流的誤
差を回避するようにしてある。しかし、この移動もしく
は通過検知型の赤外線検知回路を用いた人体検知装置で
は、人体が静止すると、人体を検出できないという欠点
がある。
検知回路を適用した場合を例として説明したが、上記赤
外線検知回路は輻射温度計にも適用され、この輻射温度
計に用いる赤外線検知回路の直流差動増幅器にも、上述
したと同様に高度の性能が要求され、その要求を満たさ
ない場合には人体検知装置の場合と同様の問題を生じ
る。
あり、その目的とするところは、安価で、高性能且つ高
信頼性の赤外線検知回路を提供することにある。
目的を達成するために、赤外線による輻射熱を受ける赤
外線感応抵抗体と、この赤外線感応抵抗体と同一の抵抗
値であり且つ同一の温度に対する抵抗値変化を示し赤外
線による輻射熱を受けない基準抵抗と、交流電圧を発生
する交流電圧発生手段と、上記赤外線感応抵抗体を介し
て上記交流電圧を入力し且つ上記基準抵抗が上記交流電
圧の入力端と出力端の間に帰還抵抗として接続され上記
交流電圧発生手段の出力を反転増幅する反転増幅手段
と、上記交流電圧発生手段の出力と反転増幅手段の出力
とを加算する加算手段と、その加算出力を交流増幅する
交流増幅手段と、交流増幅手段の出力を検波する検波手
段とを備えている。
性を確保するために、請求項2に示すように、上記赤外
線感応抵抗体が赤外線による輻射熱を受けていないと
き、検波手段の出力が生じないように加算手段の加算比
率または反転増幅手段の利得を調節する調節手段を設け
ることが望ましい。請求項3の発明では、上記目的を達
成するために、赤外線による輻射熱を受ける赤外線感応
抵抗体と、この赤外線感応抵抗体と同一の抵抗値であり
且つ同一の温度に対する抵抗値変化を示し赤外線による
輻射熱を受けない基準抵抗と、交流電圧を発生する第1
の交流電圧発生手段と、この第1の交流電圧発生手段と
同一周波数で位相が逆で、且つ同一振幅の交流電圧を発
生する第2の交流電圧発生手段と、上記赤外線感応抵抗
体を介して入力される上記第1の交流電圧発生手段の出
力と上記基準抵抗を介して入力される上記第2の交流電
圧発生手段の出力とを加算すると共に反転増幅する加算
反転増幅手段と、この加算反転増幅手段の出力を交流増
幅する交流増幅手段と、交流増幅手段の出力を検波する
検波手段とを備えている。
性を確保するために、請求項4に示すように、上記赤外
線感応抵抗体が赤外線による輻射熱を受けていないと
き、検波手段の出力が生じないようにいずれかの交流電
圧発生手段の電圧または基準抵抗の抵抗値を調節する調
節手段を設けることが望ましい。また、請求項1,3の
いずれかに記載の赤外線検知回路において、外乱ノイズ
の影響を受けにくくするために、請求項5に示すよう
に、上記検波手段において、交流電圧発生手段の周波数
に同期する信号のみを検波するようにすることが望まし
い。
外線感応抵抗体の赤外線の輻射熱により抵抗値変化を交
流電圧変化とし、その抵抗値変化に応じた交流電圧を交
流増幅することにより、反転増幅手段及び交流増幅手段
を構成する演算増幅器の直流的な誤差の影響がでないよ
うにし、安価に構成することを可能とし、且つ高性能且
つ高信頼性を確保する。
て、調節手段により赤外線感応抵抗体が赤外線による輻
射熱を受けていないとき、検波手段の出力が生じること
を回避する。請求項3の発明においても、赤外線の輻射
熱による変化を交流的に処理することで、加算反転増幅
手段及び交流増幅手段を構成する演算増幅器の直流的な
誤差の影響がでないようにし、安価に構成することを可
能とし、且つ高性能且つ高信頼性を確保する。
いて、調節手段により赤外線感応抵抗体が赤外線による
輻射熱を受けていないとき、検波手段の出力が生じるこ
とを回避する。請求項5の発明では、検波手段におい
て、交流電圧発生手段の周波数に同期する信号のみを検
波することで、外乱ノイズが検波出力として生じないよ
うにし、外乱ノイズの影響を受けにくくする。
検知回路は、感応抵抗体Rtの赤外線の輻射熱による抵
抗変化を交流電圧変化とし、その抵抗値変化に応じた交
流電圧を交流増幅し、増幅された交流電圧を直流電圧に
変換して、感応抵抗体Rtの赤外線の輻射熱による抵抗
変化に応じた直流電圧を得るものである。
直流電源11に代えて交流電源1を用いると共に、直流
差動増幅器12に代えて交流差動増幅器2を用い、交流
差動増幅器2に交流の比較電圧3を与える構成としてあ
る。また、交流差動増幅器2の出力は感応抵抗体Rtの
赤外線の輻射熱による抵抗変化に応じた交流電圧となる
ので、直流電圧に変換するために、同期検波・積分器4
を備えている。
f0 の信号を発生する発振器などであってもよい。ま
た、比較電圧3は、周波数f0 で上記交流電源1の1/
2の電圧の交流信号を交流差動増幅器2に与えるように
すればよく、その比較電圧3は交流電源あるいは発振器
などから供給するようにすればよい。同期検波・積分器
4は、交流電源1の周波数f0 に同期する信号のみを検
波し、その検波出力を積分するもので、この同期検波・
積分器4からは交流実効値電圧に比例した直流電圧が得
られる。
路と同様に、感応抵抗体Rtに入射される輻射エネルギ
に応じた直流電圧出力Vout を得ることができる。しか
も、本基本例の交流差動増幅器2では差電圧を交流とし
て増幅しているので、直流差動増幅器を用いた場合に問
題であったオフセット電圧、電流値の変動による直流的
誤差の発生は全く起こらないことになる。すなわち、交
流差動増幅器2であれば、交流成分のみを差動増幅する
ため、交流差動増幅器2自身の直流オフセット誤差は出
力には一切現れないからである。従って、従来のように
入力オフセットに関して要求されていた非常に高精度な
性能は不要であり、一般的に市販されている安価な演算
増幅器を用いて交流差動増幅器2を構成しても、十分に
安定した特性を得ることができる。
に、従来では直流差動増幅器12の温度上昇を抑えた
り、温度勾配を無くしたりする構造的あるいは回路的な
手段を講じる場合もあったが、本基本例の場合にはその
ような手段を講じる必要が全くないという利点もある。
さらに、従来では直流的精度を確保するための調整に多
大な時間と労力とがかかっていたが、本基本例では直流
的な精度は要求されないので、調整作業も軽減できる利
点もある。
は、交流差動増幅器2において十分に信号が増幅される
ので、高度な特性は要求されない。つまり、直流差動増
幅器に必要とされていたオフセット電圧に、交流差動増
幅器2のゲインをかけた値がその値となるからである。
具体的には、交流差動増幅器2では1000〜10万倍
増幅されるので、要求される特性は1000〜10万倍
緩くなる。
相も検波するように構成すれば、輻射量の大小のみなら
ず、比較電圧3に対して入力電圧Vinが高いか低いか、
つまりは、正負の極性をも検出できる。この場合には、
周囲温度との演算により対象物の温度を非接触で測定で
きる輻射温度計への応用が可能となる。本基本例の赤外
線検知回路を用いて、存在検知型の人体検知装置を構成
した場合を図2に示す。構成的には、図35で説明した
と同様に、レンズなどの適当な光学手段Lを用い、感応
抵抗体Rtに赤外線を照射するようにし、同期検波・積
分器4の出力電圧Vout を適当な基準電圧6と比較する
比較器5を設け、基準電圧6の設定により決まるある一
定レベル以上の輻射熱に対してハイ,ロー2値の出力
(オン,オフ出力)が得られるようにしてある。なお、
図2に示すように、比較電圧3を交流電源1の両端電圧
を抵抗Rd1,Rd2 で分圧して得るようにしてもよい。
る(あ)→(い)→(う)というように移動した場合の
上記人体検知装置の動作を図3に示す。ここで、人体X
が図2における(あ)→(い)→(う)というように検
知視野(検知エリア)を通過したときの検知視野内にお
ける輻射エネルギの変化は図3(a)に示すようにな
る。従って、この人体Xの移動に伴う図3(a)の検知
視野内の輻射熱により同図(b)に示すように感応抵抗
体Rtの抵抗値が変化する。この感応抵抗体Rtの抵抗
値の変化に伴い交流差動増幅器2の入力電圧Vinが図3
(c)に示すように変化し、交流差動増幅器2から同図
(d)に示す増幅出力Vacが得られる。そして、その増
幅出力Vacを同期検波・積分器4で検波し積分すること
により、図3(e)に示す出力電圧Vout が得られる。
この出力電圧Vout を比較器5の基準電圧6と比較する
ことで、人体の有無が検知される。この人体検知装置の
場合には、図2における(い)に示す状態に人体Xがた
とえ長時間静止しても安定に検知することができる。
は同期検波・積分器4を用いたが、図4に示すように検
波器4’を用いてもよい。但し、このように検波器4’
を用いた場合、同期検波を行わないため、外乱ノイズに
弱くなる。なお、図4の場合には、感応抵抗体Rtと基
準抵抗Rref との位置関係を図2の場合と反対にしてあ
るが、この場合には交流差動増幅器2の出力Vacの位相
が反転するのみで基本的には図2の場合と同様に動作す
る。
赤外線検知回路において、感応抵抗体Rtに赤外線が輻
射されてないときにおける同期検波・積分器4の出力V
out が0となるように比較電圧3を制御するフィードバ
ック回路7を設けた点に特徴がある。
ンジにおける比較電圧3(この比較電圧を発生する発振
器)の不安定性や感応抵抗体Rtと基準抵抗Rref の抵
抗値の不安定性による問題を回避するように働く。即
ち、このような目的で上記フィードバック回路7は使用
されるので、フィードバック制御系における時定数は非
常に大きな値(例えば、数時間)であればよい。
が、感応抵抗体Rtに輻射熱が加わっているかどうかを
検知する検知手段を備えている。この検知手段では、例
えば同期検波・積分器4の出力電圧Vout の短期的な変
動を測定して、感応抵抗体Rtに輻射熱が加わっている
かどうかを検知するようにしてある。即ち、人体の移動
であれば、0.1〜10Hzくらいの周波数成分の短期
的な変動が測定されるので、その有無により感応抵抗体
Rtに輻射熱が加わっているかどうかを検知することが
可能である。
熱が加わっているかどうかを検知する場合には、感応抵
抗体Rtの前に、光学的なシャッタなどの輻射熱遮蔽手
段を配置し、必要に応じた時間間隔で輻射熱を遮断した
状態で、上記フィードバック制御を行うことが望まし
い。本基本例の赤外線検知回路を人体検知装置に用いた
場合を図6に示す。なお、構成的には基本例1のものと
同じであるので、詳細な説明は省略し、特徴とする点に
ついてのみ説明する。図6においては、比較電圧3を交
流電源1の電圧を抵抗Rd1,Rd2 で分圧して得てお
り、抵抗Rd2 として電圧制御型抵抗を用い、この抵抗
Rd2 の抵抗値をフィードバック回路7の出力で調節す
ることで、感応抵抗体Rtに赤外線による輻射熱が加わ
っていないとき、同期検波・積分器4の出力電圧Vout
を0Vに保つようにしてある。なお、この人体検知装置
の動作は、図7に示すように、基本的に基本例1の場合
と何等変わりのないものである。
同様に、同期検波・積分器4の代わりに検波器4’を用
い、感応抵抗体Rtと基準抵抗Rref との位置関係を図
6の場合と反対にしたものを図8に示す。基本的には図
4で説明したと同様である。但し、この図8では、フィ
ードバック回路7で交流差動増幅器2の差動バランスを
制御するようにしてある点に特徴がある。このようにフ
ィードバック回路7で交流差動増幅器2の差動バランス
を制御しても、感応抵抗体Rtに赤外線による輻射熱が
加わっていないとき、検波器4’の出力電圧Vout を0
Vに保つようにできる。
検知回路では、感応抵抗体Rtに交流電源1aを印加す
ると共に、交流電源1aと同一周波数、振幅且つ逆位相
の交流電源1bを基準抵抗Rref に印加する構成とし、
赤外線による輻射熱が感応抵抗体Rtに加わっていない
ときは、感応抵抗体Rt及び基準抵抗Rref の接続点に
おいて夫々の交流電源1a,1bの出力電圧が打ち消さ
れ、赤外線による輻射熱で感応抵抗体Rtの抵抗値が変
化して、感応抵抗体Rtと基準抵抗Rref との抵抗値の
バランスが崩れたときに、そのアンバランス状態に応じ
た交流電圧が感応抵抗体Rt及び基準抵抗Rref の接続
点の電位変化として得られるようにしたものである。
Rtの抵抗値の変化に伴う交流変化が得れるので、交流
差動増幅器2の代わりに単に感応抵抗体Rt及び基準抵
抗Rref の接続点から得られる交流電圧(入力電圧Vi
n)を単に交流増幅する交流増幅器2’を用いてある。
図10に上記赤外線検知回路を用いた構成した人体検知
装置を示す。図11は図10の(あ)→(い)→(う)
と人体Xが移動したときの動作を示し、同図(c),
(d)に交流電源1a,1bの出力電圧波形を示す。図
10における(い)の位置に人体Xが存在する場合、上
述したように感応抵抗体Rtと基準抵抗Rref との抵抗
値のバランスが崩れ、図11(e)に示すように、感応
抵抗体Rt及び基準抵抗Rref の接続点の電位変化が生
じる。この交流変化は交流増幅器2’で増幅され、同期
検波・積分器4で交流電源1a,1bの周波数f0 に同
期する信号のみを検波すると共に積分し、図11(f)
に示すように感応抵抗体Rtが受けた輻射熱に応じた直
流電圧出力Vout が得られる。そして、その出力電圧V
out と基準電圧6との比較により、比較器5の出力に人
体Xの有無に応じた出力が得られる。
積分器4の代わりに検波器4’を用い、感応抵抗体Rt
と基準抵抗Rref との位置関係を異ならせた場合の構成
を示す。 (基本例4) 図13に本発明の第4の基本例を示す。本基本例の赤外
線検知回路においては、基本例3の赤外線検知回路にお
いて、基本例2で説明したと同様の働きをするフィード
バック回路7を設けた点に特徴がある。即ち、本実施例
のフィードバック回路7では、感応抵抗体Rtに赤外線
が輻射されてないときにおける同期検波・積分器4の出
力Vout が0となるように、交流電源1bの電圧を制御
するようにしてある。これにより、長期的なレンジにお
ける交流電源1a,1bの不安定性や感応抵抗体Rtと
基準抵抗Rref の抵抗値の不安定性による問題を回避す
る。
た人体検知装置を示し、その動作を図15に示す。ま
た、同期検波・積分器4の代わりに検波器4’を用い、
感応抵抗体Rtと基準抵抗Rref との位置関係を異なら
せたものを図16に示す。なお、図16ではフィードバ
ック回路7で交流電源1bの電圧を制御することに代
え、基準抵抗Rref の抵抗値を制御するようにしてあ
る。つまり、基準抵抗Rrefとして電圧制御型抵抗を用
い、この基準抵抗Rrefの抵抗値をフィードバック回路
7の出力で調節することで、感応抵抗体Rtに赤外線に
よる輻射熱が加わっていないとき、検波器4’の出力電
圧Voutを0Vに保つようにしてある。
線検知回路では、感応抵抗体Rtを介して交流電圧を入
力し且つ基準抵抗Rrefが交流電圧の入力端と出力端の
間に帰還抵抗として接続されて成り、交流電源1の出力
電圧を反転増幅する反転増幅器8と、この反転増幅器8
で反転増幅した出力と交流電源1の出力とを加算して増
幅する加算交流増幅器2”とを備えている点に特徴があ
る。
力抵抗とすると共に、基準抵抗Rrefを帰還抵抗とした
演算増幅器7aを用いて構成してある。なお、感応抵抗
体Rtを帰還抵抗とし、基準抵抗Rrefを入力抵抗して
もよいことは言うでもない。この反転増幅器8では、感
応抵抗体Rtが輻射熱を受けていないとき、感応抵抗体
Rtと基準抵抗Rrefとの抵抗値が等しく、その出力の
振幅が交流電源1の振幅と一致する。このため、感応抵
抗体Rtが輻射熱を受けていないときは、反転増幅器8
の出力電圧は、交流電源1と同一周波数で位相が逆で、
振幅が等しいものとなり、加算交流増幅器2”で交流電
源1の電圧と反転増幅器8の出力電圧とを加算すると、
互いに相殺され、加算交流増幅器2”の出力は0Vとな
る。
きには、反転増幅器8の出力電圧が変化し、これにより
交流電源1の出力とに差を生じる。従って、このときに
は、加算交流増幅器2”の出力として、感応抵抗体Rt
が受けた輻射熱に応じた交流電圧が生じ、同期検波・積
分器4の出力として感応抵抗体Rtが受けた輻射熱に応
じた直流電圧出力Voutが得られる。
ることにより、赤外線検知回路の全体のインピーダンス
を下げることができ、外来ノイズの影響を受けにくくで
きる。また、反転増幅器8を用いることにより、抵抗値
の変化と出力電圧との変化がリニアな関係になり、信号
処理が簡単になる。図18に上記赤外線検知回路を用い
た人体検知装置を示す。なお、図18では加算交流増幅
器2”を具体的に示してある。図18では、加算交流増
幅器2”を、演算増幅器2aで構成し、抵抗値の等しい
入力抵抗R1,R2を夫々介する反転増幅器8の出力と交
流電源1の出力とを加算する構成としてある。図19に
上記人体検知装置の動作を示す。
列回路の一端に交流電源1の電圧を印加すると共に、反
転増幅器8の出力電圧を上記抵抗R1,R2の直列回路の
他端に印加し、抵抗R1,R2の接続点の電位変化とし
て、反転増幅器8の出力変化を生じさせる構成としたも
のである。そして、交流増幅器2’で抵抗R1,R2の接
続点の電位変化を増幅するようにしてある。なお、図2
0では、反転増幅器8において、感応抵抗体Rtを帰還
抵抗とし、基準抵抗Rrefを入力抵抗としてあり、検波
器4’を用いてある。
施例1の赤外線検知回路に、感応抵抗体Rtに赤外線が
輻射されてないときにおける同期検波・積分器4の出力
Voutを0とするフィードバック回路7を設けたもので
あり、本実施例の場合には加算交流増幅器2”の各入力
の利得バランスを制御して、同期検波・積分器4の出力
Voutを0とするようにしてある。
検知装置であり、各入力の利得バランスを制御し、同期
検波・積分器4の出力Voutを0とするために、抵抗R2
として電圧制御型抵抗を用い、この抵抗R2の抵抗値を
調節して加算比率を可変し、利得バランスを制御するよ
うにしてある。この人体検知装置の動作は図23に示
す。
れてないときにおける同期検波・積分器4の出力Vout
を0とする別の方法を示し、この図24の場合には反転
増幅器8の入力抵抗(基準抵抗Rref)として電圧制御
型抵抗を用い、反転増幅器8の利得を制御することによ
り、同期検波・積分器4の出力Voutを0とするように
してある。なお、この図24では検波器4’を用いてあ
る。
1aと、この交流電源1aと同一周波数、振幅且つ逆位
相の交流電源1bと、感応抵抗体Rtを介して入力され
る交流電源1aの出力と基準抵抗Rrefを介して入力さ
れる交流電源1bの出力を加算して反転増幅する加算反
転増幅器9と、加算反転増幅器9の出力を交流増幅する
交流増幅器2’とを備える点に特徴がある。ここで、上
記加算反転増幅器9は演算増幅器9aを用いて構成して
あり、入力抵抗として感応抵抗体Rtと基準抵抗Rref
とを用い、夫々の入力抵抗を介して入力される交流電源
1a,1bを加算し、その差分を増幅するようになって
いる。
たと同様に、赤外線による輻射熱が感応抵抗体Rtに加
わっていないときは、感応抵抗体Rt及び基準抵抗Rre
fの接続点において夫々の交流電源1a,1bの出力電
圧が打ち消され、赤外線による輻射熱で感応抵抗体Rt
の抵抗値が変化して、感応抵抗体Rtと基準抵抗Rref
との抵抗値のバランスが崩れたときに、そのアンバラン
ス状態に応じた交流出力電圧が感応抵抗体Rt及び基準
抵抗Rrefの接続点の電位変化として得られ、感応抵抗
体Rt及び基準抵抗Rrefの接続点における加算出力を
増幅するようにしたものである。
装置を示し、その動作を図27に示す。また、図28は
図26の加算反転増幅器9とは夫々反対の入力に交流電
源1a,1bを印加する構成、実質的には感応抵抗体R
tと基準抵抗Rrefとの挿入位置を逆にしたもであり、
検波器4’を用いたものである。 (実施例4) 図29に第4の実施例を示す。本実施例は、実施例3
に、感応抵抗体Rtに赤外線が輻射されてないときにお
ける同期検波・積分器4の出力Voutを0とするフィー
ドバック回路7を設けたものであり、交流電源1aの電
圧を可変することにより、感応抵抗体Rtに赤外線が輻
射されてないときの同期検波・積分器4の出力Voutを
0としてある。なお、交流電源1bの電圧を可変するこ
とによっても、同様に同期検波・積分器4の出力Vout
を0とすることができる。
た人体検知装置を示し、その動作を図31に示す。ま
た、図32に示すように、交流電源1aの代わりに、基
準抵抗Rrefの抵抗値を調節するようにしてもよい。な
お、図32では加算反転増幅器9と夫々反対の入力に交
流電源1a,1bを印加し、検波器4’を用いてある。
線による輻射熱を受ける赤外線感応抵抗体と、この赤外
線感応抵抗体と同一の抵抗値であり且つ同一の温度に対
する抵抗値変化を示し赤外線による輻射熱を受けない基
準抵抗と、交流電圧を発生する交流電圧発生手段と、上
記赤外線感応抵抗体を介して上記交流電圧を入力し且つ
上記基準抵抗が上記交流電圧の入力端と出力端の間に帰
還抵抗として接続され上記交流電圧発生手段の出力を反
転増幅する反転増幅手段と、上記交流電圧発生手段の出
力と反転増幅手段の出力とを加算する加算手段と、その
加算出力を交流増幅する交流増幅手段と、交流増幅手段
の出力を検波する検波手段とを備えているので、赤外線
の輻射熱による変化を交流的に処理することで、反転増
幅手段及び交流増幅手段を安価な演算増幅器を用いて構
成でき、且つ演算増幅器の直流的なばらつきの影響が出
力に現れないことにより、高性能且つ高信頼性を確保す
ることができる。
外線による輻射熱を受けていないとき、検波手段の出力
が生じないように加算手段の加算比率または反転増幅手
段の利得を調節する調節手段を設けてあるので、長期使
用時の動作の安定性及び信頼性を確保することができ
る。請求項3の発明は、赤外線による輻射熱を受ける赤
外線感応抵抗体と、この赤外線感応抵抗体と同一の抵抗
値であり且つ同一の温度に対する抵抗値変化を示し赤外
線による輻射熱を受けない基準抵抗と、交流電圧を発生
する第1の交流電圧発生手段と、この第1の交流電圧発
生手段と同一周波数で位相が逆で、且つ同一振幅の交流
電圧を発生する第2の交流電圧発生手段と、上記赤外線
感応抵抗体を介して入力される上記第1の交流電圧発生
手段の出力と上記基準抵抗を介して入力される上記第2
の交流電圧発生手段の出力とを加算すると共に反転増幅
する加算反転増幅手段と、この加算反転増幅手段の出力
を交流増幅する交流増幅手段と、交流増幅手段の出力を
検波する検波手段とを備えているので、赤外線の輻射熱
による変化を交流的に処理することで、加算反転増幅手
段及び交流増幅手段を安価な演算増幅器を用いて構成で
き、且つ演算増幅器の直流的なばらつきの影響が出力に
現れないことにより、高性能且つ高信頼性を確保するこ
とができる。
外線による輻射熱を受けていないとき、検波手段の出力
が生じないようにいずれかの交流電圧発生手段の電圧ま
たは基準抵抗の抵抗値を調節する調節手段を設けてある
ので、長期使用時の動作の安定性及び信頼性を確保する
ことができる。請求項5の発明では、検波手段におい
て、交流電圧発生手段の周波数に同期する信号のみを検
波しているので、外乱ノイズが検波出力として生じず、
外乱ノイズの影響を受けにくくできる。
る。
合の回路図である。
る。
合の回路図である。
ある。
場合の回路図である。
ある。
場合の回路図である。
ある。
場合の回路図である。
ある。
場合の回路図である。
ある。
場合の回路図である。
ある。
場合の回路図である。
特性図である。
である。
である。
Claims (5)
- 【請求項1】赤外線による輻射熱を受ける赤外線感応抵
抗体と、この赤外線感応抵抗体と同一の抵抗値であり且
つ同一の温度に対する抵抗値変化を示し赤外線による輻
射熱を受けない基準抵抗と、交流電圧を発生する交流電
圧発生手段と、上記赤外線感応抵抗体を介して上記交流
電圧を入力し且つ上記基準抵抗が上記交流電圧の入力端
と出力端の間に帰還抵抗として接続され上記交流電圧発
生手段の出力を反転増幅する反転増幅手段と、上記交流
電圧発生手段の出力と反転増幅手段の出力とを加算する
加算手段と、その加算出力を交流増幅する交流増幅手段
と、交流増幅手段の出力を検波する検波手段とを備えて
成ることを特徴とする赤外線検知回路。 - 【請求項2】上記赤外線感応抵抗体が赤外線による輻射
熱を受けていないとき、検波手段の出力が生じないよう
に加算手段の加算比率または反転増幅手段の利得を調節
する調節手段を設けて成ることを特徴とする請求項1記
載の赤外線検知回路。 - 【請求項3】赤外線による輻射熱を受ける赤外線感応抵
抗体と、この赤外線感応抵抗体と同一の抵抗値であり且
つ同一の温度に対する抵抗値変化を示し赤外線による輻
射熱を受けない基準抵抗と、交流電圧を発生する第1の
交流電圧発生手段と、この第1の交流電圧発生手段と同
一周波数で位相が逆で、且つ同一振幅の交流電圧を発生
する第2の交流電圧発生手段と、上記赤外線感応抵抗体
を介して入力される上記第1の交流電圧発生手段の出力
と上記基準抵抗を介して入力される上記第2の交流電圧
発生手段の出力とを加算すると共に反転増幅する加算反
転増幅手段と、この加算反転増幅手段の出力を交流増幅
する交流増幅手段と、交流増幅手段の出力を検波する検
波手段とを備えて成ることを特徴とする赤外線検知回
路。 - 【請求項4】上記赤外線感応抵抗体が赤外線による輻射
熱を受けていないとき、検波手段の出力が生じないよう
にいずれかの交流電圧発生手段の電圧または基準抵抗の
抵抗値を調節する調節手段を設けて成ることを特徴とす
る請求項3記載の赤外線検知回路。 - 【請求項5】上記検波手段において、交流電圧発生手段
の周波数に同期する信号 のみを検波して成ることを特徴
とする請求項1,3のいずれかに記載の赤外線検知回
路。
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---|---|
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CN112857564B (zh) * | 2019-11-28 | 2024-09-06 | 浙江舜创智能光学科技有限公司 | 光电探测器电路系统和光电探测方法 |
-
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- 1994-11-25 JP JP29086494A patent/JP3363272B2/ja not_active Expired - Fee Related
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