JPH0719713A - 冷凍冷蔵ショーケースのドレン水蒸発装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 冷媒管路を利用しての高いドレン水蒸発処理
能力を確保すると共に、凝縮器の小型化も実現可能とな
るドレン水蒸発装置を得る。 【構成】 散水皿２１のフィルター２６で浄化されてド
レン水槽１４に溜まるドレン水をポンプ２７，ドレン水
パイプ２８にて高温高圧の冷媒管路２９に散水し蒸発さ
せる。冷媒管路２９の一部が水没しているドレン水槽１
４よりオーバーフローしたドレン水を取外し自在のドレ
ン皿３２にて受け、ドレン水槽１４との間に空間に凝縮
器と熱交換後の熱風を流して蒸発させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は冷凍冷蔵ショーケースの
ドレン水蒸発装置に関する。

【０００２】従来、ドレン水の蒸発装置として図４に示
すような冷凍冷蔵ショーケース１にあっては、商品収納
庫である上方のケース部２の下部に設けた機械室３内
に、冷凍サイクルを構成する圧縮機、凝縮器などの凝縮
ユニットが設置される一方、この機械室３の一側に確保
した収納スペース５内に、商品収納庫からのドレン、お
よび上記ケース部２内の冷却器からの除霜水などのドレ
ン水がドレンホース等を介して溜められ蒸発される蒸発
皿６と蒸発能力を上回るほどに多量のドレン水がある場
合はそのドレン水を受け入れるドレンタンク７とが設け
られて、ドレン水の処理を行っている。蒸発皿６には、
その内底に冷凍サイクルのうちの高温冷媒が通るパイプ
が配されるなり、あるいは蒸発用ヒータが具備されてド
レン水の蒸発が行われている。

【０００３】なお、機械室３の前面は、スリット状の通
風口８を設けた開閉自在の保護板９で保護され、保護板
９を図１に示すように開ければ蒸発皿６および前部に把
手７ｂを有するドレンタンク７を取り出せ、その清浄等
を行えるようになっている。１１はフィルターを示しこ
の後方に圧縮機、凝縮器、凝縮器冷却用ファンなどが設
置されている。そして１２は電装ボックスを示す。

【０００４】更にドレン水の蒸発を効果的に成すため
に、実公平５−７９０号公報に示すように、冷却器から
の除霜水などをケース下部のユニット室に設けたドレン
パンに溜め、このドレン水をポンプにより上方へ吸い上
げ、ドレンパンの上に波状に張設した蒸発布に散水する
ようドレン水を循環させて、蒸発布に送風機により風を
当ててドレン水を蒸発処理するものが知られている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、図４に示すよ
うに、ユニット室内に配した蒸発皿のみにてのドレン水
蒸発を行う従来装置では、ドレン水の蒸発能力が十分で
ないので、ドレン水はドレンタンクに排水されることと
なり、そのためそのドレン水を時々捨てるという面倒な
作業、および管理を必要とする。

【０００６】一方、前記公報に示す従来装置では、ドレ
ン水は蒸発布からの自然蒸発で処理するものであるか
ら、蒸発量は少なく、大きなドレン水処理能力を期待し
難いものであった。

【０００７】そこで、本発明ではドレン水を完全蒸発で
きるほどに蒸発能力が高められ、ドレン水の確実で容易
な処理を達成する一方、冷凍サイクルの冷媒系路を巧妙
にドレン水の蒸発処理に利用することで、凝縮ユニット
の小型化をも可能とした冷凍冷蔵ショーケースのドレン
水蒸発装置を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、商品を貯蔵するケース部の下方に圧縮機、
凝縮器及び凝縮器冷却用ファンからなる凝縮ユニットを
配するユニット部を形成した冷凍冷蔵ショーケースにお
いて、前記ユニット部に設けられ、前記ケース部からの
ドレン水を溜めるドレン水槽と、前記ドレン水槽の上方
に設けられ、前記ドレン水のゴミ等を除去するフィルタ
を設けた散水皿と、前記散水皿に前記ドレン水槽に溜っ
たドレン水を送るポンプと前記散水皿とドレン水槽との
間に管路を蛇行して列をなすよう配されると共に、最下
列の前記管路は前記ドレン水槽内に配されて高温高圧の
冷媒が通る冷媒管路と、前記ドレン水槽から溢れた前記
ドレン水を溜めるドレン皿とから構成されたとしたもの
である。

【０００９】また、本発明は前記ドレン水槽とドレン皿
との間の空間には、前記凝縮ユニットからの排熱を前記
凝縮器冷却用ファンにて流すようにとしたものである。

【００１０】

【作用】散水皿に落下したドレン水はフィルターで食材
の粕ゴミなどは除去され、浄化されて散水される。この
散水されて滴下するドレン水は、高温高圧の冷媒管路に
降りかかり、蒸発作用を受けながら下のドレン水槽に溜
まる。その溜ったドレン水は、ポンプにより散水皿へと
送られ滴下して、高温高圧の冷媒の通っている冷媒管路
にまた散水されて多量に蒸発する。この時、ドレン水の
気化熱にて冷媒管路の中の冷媒は温度低下して凝縮器へ
と入る。また、ドレン水槽に溜まっているドレンも、水
中に没っしている冷媒管路の一部で蒸発が併行して行な
われる。

【００１１】そして、ドレン水槽からオーバーフローす
るドレン水は、ドレン水槽より広い面積を持つドレン皿
にて確実に受け入れられる。そして、ドレン皿と、ドレ
ン水槽との間の空間に流れる凝縮器ユニット冷却後の温
い風がドレン皿に当ってこのドレン皿内のドレン水も蒸
発処理される。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基いて説明す
る。

【００１３】図１は本発明に係るドレン水蒸発装置１０
の外観を示し、そして同装置１０の側面構造図は図２に
示す通りである。

【００１４】各図において、１４は或る程度の深さをも
つ箱状のドレン水槽で、左右に配される固定用のアング
ル１５，１６に、下に十分な空間を存する高さ位置でも
って化粧ビス１８，１８で水平に取付設置されている。
そしてアングル１５，１６の上端には水平に突出する載
置片１９，１９が設けられ、この載置片１９，１９にド
レン水槽１４と同じく箱型形状をしていて底面に多数の
スリット状をした散水孔２０を穿設された散水皿２１が
載せられて取付固定され、下の前記ドレン水槽１４との
間に十分な空間を確保させている。

【００１５】２５は商品収納庫からのドレンおよび冷却
器からの除霜水などのドレン水が導びかれるドレンホー
スであり、このドレンホース２５は散水皿２１の上方に
臨ませられている。散水皿２１の底面にはドレン水に含
まれているゴミや食物粕などを除去するフィルター２６
が敷かれている。このためドレン水槽１４には、フィル
ター２６で清浄されたドレン水が溜まる。そして前記散
水皿２１にこのドレン水槽１４内のドレン水を吸い上げ
送るようにボンプ２７とドレン水パイプが２８とが設け
られている。

【００１６】ところで、散水皿２１とドレン水槽１４と
の間の空間には、水平に蛇行しながらかつ上下に複数段
列を成すように配管され、圧縮機から吐出する高温高圧
の冷媒が通る冷媒管路２９が設けられている。高温高圧
の冷媒は、図２に示すように上部の冷媒入口より入り
（矢印ａ）、冷媒管路２９内を上の管路部から下の管路
部へと流れて、冷媒出口を出る（矢印ｂ）と凝縮器へと
流入する。

【００１７】そしてこの冷媒管路２７は後述するよう
に、散水皿２１から降りかかるドレン水を蒸発させる蒸
発手段として用いられると共に、少くとも最下位の列の
管路部２９ｃはドレン水槽１４のドレン水中に没するよ
うに配置させている。ドレン水槽１４にはドレン水槽が
多量に溜まった場合に次述するドレン皿へとドレン水を
排水させるオーバーフロ管３１が設けられている。

【００１８】３２がそのドレン皿で、ドレン水槽１４の
面積より広い開口面積となっていて、ドレン水槽１４の
下部に配置されている。そしてこのドレン皿３２は、左
右のアングル１５，１６間に、側方から挿入および引き
出し可能に設置される。

【００１９】図３は上述のドレン水蒸発装置１０で、そ
のドレン水蒸発のために利用される冷媒回路との関連を
含めて示す構成図で、３３は圧縮機、３４は凝縮器、３
５は冷却器で、これらは冷媒配管３６で環状に接続され
て冷凍サイクルを形成する。

【００２０】ここで、圧縮機３３から吐出した高温高圧
の冷媒ガスは、前記凝縮器３４で２段階にわたる凝縮作
用を受けて液化するような冷媒回路にしている。すなわ
ち、圧縮機３３から吐出した高温高圧冷媒を第１凝縮部
３４Ａにて第１段階の凝縮作用を受けさせた後、圧縮機
３３のケース内（温度の高い雰囲気下にある）を通過さ
せて第１凝縮部３４Ａの吐出直後より少し高い温度状態
の冷媒として出て行かせるデスーパ回路部３８を具備さ
せている。

【００２１】そして圧縮機ケース内通過後の高温高圧の
冷媒は、上述した冷媒管路２９に入り、そこを出ると凝
縮器３４の第２凝縮器３４Ｂへと導びかれて、ここで２
回目の凝縮作用を受けて完全に液化する。液化した冷媒
はドライヤー３９、膨張弁４１を経由して冷却器３５に
至って蒸発し、蒸発後の冷媒はアキュムレーター４２、
逆止弁４３を通って圧縮機３３に帰還し再循環する。

【００２２】一方、前記冷媒管路２９を上方に位置させ
ているドレン水槽１４には、商品収納庫と機械室３を仕
切るケース底面１Ｂの排水口４４より、ドレン水が一点
鎖線矢印にて模式的に示すように流れ落ちて溜まる。こ
の時、ドレン水（図２で示す落下水１３）は高温高圧の
冷媒管路２９に降りかかるため蒸発する。そして、蒸発
量を上回るドレン水があると、下のドレン水槽１４に溜
る。ドレン水槽１４内に溜ったドレン水はポンプ２７に
より吸い上げられ、ドレン水パイプ２８の先端から散水
皿２１へと送られる。

【００２３】そして散水皿２１の散水孔２０からの落下
水１３（図２参照）が冷媒管路２９に降りかかって、こ
の高温の冷媒管路２９によって蒸発される。また凝縮器
用ファン４５にて外部空気を取り入れ、凝縮器３４を冷
却した後の温い風４６は、図２に示すように冷媒管路２
９の設けられている空間１７に流しているため、この温
かい雰囲気が蒸発作用を補助してより効果的なドレン水
の蒸発が行なわれる。また、ドレン皿３２とドレン水槽
１４との間の空間２３にも凝縮器３４冷却後の温かい風
４６ｂが流れている。

【００２４】ここで冷媒管路２９にドレン水がかかる
と、水の気化熱により冷媒管路２９の管温度、すなわち
冷媒温度を低下させることができる。そしてこの温度低
下した冷媒を凝縮器３４で凝縮することとなるので、凝
縮温度にまで下げるのに必要とする温度は小さくなり、
そのため凝縮能力の小さい小型の凝縮器３４の使用が可
能となって、コスト低減や機械室３の小型化が計れる。

【００２５】ところで、ケース部２から排水されるドレ
ン水は、食材の粕やゴミ等の固形物が含まれることもあ
る。このような異物の入ることのあるドレン水を直接、
ドレン水槽１４に溜めると、ドレン水を吸い上げるボン
プ２７に異物が入り、その耐久性を損う。しかし本発明
では、フィルター２６を配した散水皿２１にドレン水を
落とすようにしているので、汚れを除去されたドレン水
がドレン水槽１４に溜められるので、ポンプ２７の故障
の心配が無い。

【００２６】そして、前記冷媒配管２９の少なくとも一
列はドレン水槽１４内でオーバーフロー管３１の吸込部
より下に設置して水温を温めるようにしている。これは
冬期などにおいてドレン水が減少しポンプ２７が働かな
い場合でも水温を温めることにより蒸発量を増やす役割
を果すためである。

【００２７】また悪条件が重ってドレン水槽１４からオ
ーバーフローしてドレン水が下のドレン皿３１に溜まっ
た時、ドレン皿３１とドレン水槽１４の間は十分な隙間
を設けて、その空間２３に前述の風４６ｂが導びかれ、
ドレン皿３２に当るようにしている。この風４６ｂは凝
縮器３４と熱交換した空気で温度も４０℃前後あるため
ドレン皿３２の水は順調に蒸発される。そして、このド
レン皿３２は容易に取り外しができるのでポンプ２７、
冷媒管路２９の清掃ができる。

【００２８】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、ドレン水
槽と、その上方に設けた散水皿との間に冷凍サイクルの
一系路である高温高圧の冷媒管路を配する一方、散水皿
のフィルターを通過してきたドレン水を冷媒管路に降り
かけて蒸発させながら下方のドレン水槽に溜める。この
後、そのドレン水槽に溜まったドレン水をポンプにて散
水皿に送り、再度冷媒管路にて蒸発処理を行なわせると
共に、この蒸発時に気化熱で冷媒管路の温度を低下さ
せ、温度低下させた冷媒を凝縮器へと流入している。こ
のため先ず第１にドレン水は高温高圧の冷媒管路に降り
かからせて蒸発させるので蒸発量は増え、大きな蒸発能
力を得られる。

【００２９】第２にドレン水蒸発に伴なわせて冷媒温度
を低下させることができるので、凝縮器で凝縮温度まで
下げるのに必要な温度が小さくなり、凝縮器の小型化が
実現でき、コスト低減を計れる。また、フィルターにて
清浄とされたドレン水を散水するのでその散水のための
ポンプに異物が吸い込まれず、故障が生じなく耐久性が
向上する。

【００３０】そして、ドレン水槽内には、上下方向に存
在する冷媒管路の少くとも一列を水中に没するように配
しているのでドレン水の少い状況時でも確実にドレン水
の蒸発処理を行え、逆にドレン水が多過ぎる時にも、ド
レン水槽の下に十分な隙間を存して配置したドレン皿に
排水させて、かつこの隙間に凝縮器冷却後の温い風を導
びくような構成としているので、ドレン皿での蒸発も良
好に行なわれて、ドレン水処理は万全となる。また、こ
のドレン皿は取り外し可能なので、ポンプや冷媒管路な
ど、ドレン水蒸発装置の主要な部分の清掃も容易に行え
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のドレン水蒸発装置の全体外観斜視図。

【図２】同ドレン水蒸発装置の側面構成図。

【図３】冷媒回路との関連を含んで示した同ドレン水蒸
発装置の構成図。

【図４】従来のドレン水処理部を具備している冷凍冷蔵
ショーケースの外観斜視図。

【符号の説明】

１４ ドレン水槽 ２１ 散水皿 ２５ ドレンホース ２６ フィルター ２７ ポンプ ２９ 冷媒管路 ３２ ドレン皿 ３４ 凝縮器

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 商品を貯蔵するケース部の下方に圧縮
   機、凝縮器及び凝縮器冷却用ファンからなる凝縮ユニッ
   トを配するユニット部を形成した冷凍冷蔵ショーケース
   において、 前記ユニット部に設けられ、前記ケース部からのドレン
   水を溜めるドレン水槽と、 前記ドレン水槽の上方に設けられ、前記ドレン水のゴミ
   等を除去するフィルタを設けた散水皿と、 前記散水皿に前記ドレン水槽に溜ったドレン水を送るポ
   ンプと前記散水皿とドレン水槽との間に管路を蛇行して
   列をなすよう配されると共に、最下列の前記管路は前記
   ドレン水槽内に配されて高温高圧の冷媒が通る冷媒管路
   と、前記ドレン水槽から溢れた前記ドレン水を溜めるド
   レン皿とから構成されたことを特徴とする冷凍冷蔵ショ
   ーケースのドレン水蒸発装置。
2. 【請求項２】前記ドレン水槽とドレン皿との間の空間に
   は、前記凝縮ユニットからの排熱を前記凝縮器冷却用フ
   ァンにて流すようにしたことを特徴とする請求項１記載
   の冷凍冷蔵ショーケースのドレン水蒸発装置。