JPH07197050A - 燃料油添加剤及び燃料油組成物 - Google Patents

燃料油添加剤及び燃料油組成物

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JPH07197050A
JPH07197050A JP35121793A JP35121793A JPH07197050A JP H07197050 A JPH07197050 A JP H07197050A JP 35121793 A JP35121793 A JP 35121793A JP 35121793 A JP35121793 A JP 35121793A JP H07197050 A JPH07197050 A JP H07197050A
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fuel oil
formula
compound
unsaturated
trioxolane
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JP35121793A
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Hitoshi Kikawa
仁 木川
Takushi Yamatani
拓史 山谷
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Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 爆発性のない安全性にすぐれるとともに燃料
油に対してすぐれた相溶性を有し、かつ燃料油の着火性
及び燃焼効率を向上させることができ、さらに、ディー
ゼル燃料油に対して添加したときに、その少量の添加に
よりディーゼル燃料油のセタン価を著しく向上させるこ
とのできる燃料油添加剤及びそれを含む燃料油組成物を
提供する。 【構成】 次式の1,2,4−トリオキソラン環を分子
中に1〜3個含有する1,2,4−トリオキソラン化合
物からなる燃料油添加剤及びこの燃料油添加剤を含有す
る燃料油組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃料油添加剤及びそれ
を含む燃料油組成物に関するものであり、特に、低いセ
タン価の軽油や重油の着火性を向上させる燃料油添加剤
及びそれを含む燃料油組成物、特にディーゼルエンジン
をノッキング無く良好に運転できる燃料油組成物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】直留軽油(Direct Distil
lation Gas Oil,DGO)または軽油
は、本来、原油精製の際の常圧蒸留に於いて軽質の留分
と重質残油との中間で得られる中間留分である。直留軽
油はその組成および諸特性から、上記重質残油を真空蒸
留して得られるビスブレーキング軽油や触媒存在下に接
触して得られる接触分解軽油(Light Cycle
Oil,LCO)とは区別される。
【0003】DGOの常圧蒸留範囲は、通常、150℃
〜200℃の初留点から350℃〜450℃の終留点の
範囲である。DGOは、十分高い圧縮着火性を有しなけ
ればならず、その際圧縮着火性はそのセタン価(Cet
ane Number)で表され、DGOのセタン価は
特別の処理を施さなければ、通常45から60程度を有
する。一方、LCOは芳香族炭化水素や不飽和炭化水素
が多いためセタン価が低下しすぎてしまい、そのままで
はディーゼル燃料油としては好ましくない。つまりLC
Oのセタン価を向上できれば、DGO等への混合が可能
となり、ディーゼル燃料油として使用し得るようになる
ので、これらLCOの用途が広がる。このセタン価は、
その燃料が燃焼室に注入された後の点火遅れ(Igni
tion Delays)に関係する。点火遅れが長す
ぎると、その燃焼室内の燃料の量が増加し、点火した際
エンジンの運転が荒くなって煙が増加することになる。
一方、点火遅れが短くなればエンジンの運転は円滑にな
りかつ煙も減少する。
【0004】従来、ディーゼル燃料油のセタン価を向上
させるために多くの種類の添加剤が使用されてきた。こ
れらには、過酸化物(Peroxides)、ナイトラ
イト(Nitrites)、ナイトレート(Nitra
tes)などが含まれる。商業的には、硝酸アミル、硝
酸ヘキシルおよび混合硝酸オクチルのようなアルキルナ
イトレートが使用されている。しかし、これらのアルキ
ルナイトレートは、高価である上、消防法危険物第5類
自己反応性物質に該当し、爆発性を示すため安全に取り
扱うことの難しい化合物である。そこで特開平1−11
5997号に開示されているように、ナイトレートにそ
の安定剤としてジフェニルアミンや、ジエチルジフェニ
ルウレア、2−ジエトロジフェニルアミンを添加するな
どの試みがなされているが、このような技術は、ナイト
レート自体の安全性を向上させたものではなくナイトレ
ートの危険性を解消するための根本的な解決策にはなっ
ていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、爆発性のな
い安全性にすぐれるとともに燃料油に対してすぐれた相
溶性を有し、かつ燃料油の着火性及び燃焼効率を向上さ
せることができ、さらに、ディーゼル燃料油に対して添
加したときに、その少量の添加によりディーゼル燃料油
のセタン価を著しく向上させることのできる燃料油添加
剤及びそれを含む燃料油組成物を提供することをその課
題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、不飽和高級脂肪族
化合物のオゾン化により得られるオゾン化物(オゾニ
ド)である1,2,4−トリオキソラン化合物の使用に
より前記課題を解決し得ることを見出し、本発明完成す
るに至った。即ち、本発明によれば、1,2,4−トリ
オキソラン化合物からなる燃料油添加剤が提供される。
また、本発明によれば、前記燃料油添加剤を含有する燃
料油組成物が提供される。
【0007】本発明で用いる1,2,4−トリオキソラ
ン化合物は、不飽和高級脂肪族化合物をオゾン化させる
ことにより得ることができる。この場合の反応式を示す
と次の通りである。 RCH=CH−R’+O3 → R−Y−R’ (1) 前記式中、R及びR’は置換基を有していてもよい脂肪
族基である。置換基としてはアルコキシカルボニル基
や、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、ニトロ基、ア
ルコキシ基、アマイド基等が挙げられる。また、前記式
中におけるYは、次の式で表わされる1,2,4−トリ
オキソラン環を示す。 なお、本明細書中におけるYは、特記されない限り、前
記式(II)で表わされる1,2,4−トリオキソラン環
を意味する。不飽和高級脂肪族化合物のオゾン化反応
は、前記反応式(1)で示され、R−Y−R’が反応主
成物として生成されるが、実際の反応では、R−Y−
R’の他に、R−Y−R及びR’−Y−R’で表わされ
るオゾン化物が生成され、これらのオゾン化物も燃料油
添加剤として好適のものである。
【0008】次に、本発明で燃料油添加剤として好まし
く用いることのできる1,2,4−トリオキソラン化合
物(本明細書では単にオゾン化物とも言う)を、その原
料化合物との関連で示す。
【0009】(1)不飽和高級脂肪酸アルキルエステル
のオゾン化物 不飽和脂肪族カルボン酸アルキルエステルは、入手が容
易でかつ比較的安価であることから、オゾン化物原料と
して好適のものである。この不飽和高級脂肪酸アルキル
エステルとしては、次の一般式(VIII)で表わされるも
のが好ましく使用される。 CH3(CH2)n(CH=CHCH2)k(CH2)mCOOR7 (VIII) この式中、R7はアルキル基を示す。好ましいR7は炭素
数1〜6、好ましくは1〜4の低級アルキル基である。
この低級アルキル基の具体例としては、例えば、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。
kは1〜3の整数で、好ましくは1である。m及びnは
5〜13の整数、好ましくは6〜12の整数であり、m
+nは5〜13、好ましくは6〜12の範囲になるよう
に規定するのがよい。前記不飽和高級脂肪酸アルキルエ
ステルの具体例を示すと、例えば、オレイン酸、エライ
ジン酸、リノール酸、リノレン酸、パルミトレン酸、ミ
リストレイン酸、ラウロレイン酸、カプロレイン酸等の
高級不飽和脂肪酸のメチルエステル、エチルエステル、
プロピルエステル、ブチルエステル等が挙げられる。こ
れらの不飽和高級脂肪酸アルキルエステルにおいて、k
=1の場合の化合物は、単独又は混合物の形でオゾン化
することにより、次の一般式(II)で表わされるオゾン
化物を得ることができる。 前記式中、R1及びR2は同一又は異なっていてもよく、
アルコキシカルボニル基を有していてもよい飽和又は不
飽和高級脂肪族基を示す。R1及びR2における炭素数は
5以上、好ましくは6〜14である。また、本発明明細
書で言う不飽和には、二重結合及び/又は三重結合が包
含される。不飽和基が複数個ある場合には、それらの不
飽和基の全てを1,2,4−トリオキソラン環に形成さ
せることが可能である。
【0010】(2)不飽和高級脂肪酸グリコールエステ
ルのオゾン化物 不飽和高級脂肪酸グリコールエステルとしては、次の一
般式(IX)で表わされるものが好ましく用いられる。 前記式中、R3は低級アルキレン基を示す。アルキレン
基の具体例としては、エチレン基、プロピレン基、ブチ
レン基等が挙げられる。B1及びB2は同一又は異ってい
てもよく、次式で表わされる不飽和高級脂肪族基を示
す。 CH3(CH2)n(CH=CHCH2)k(CH2)m− 式中、kは1〜3の整数、好ましくは1を示す。m及び
nは5〜13、好ましくは6〜12の数を示す。m+n
は5〜13、好ましくは6〜12の範囲に規定するのが
よい。これらの不飽和高級脂肪酸グリコールエステル
は、単独又は混合物の形態でオゾン化することにより、
次の一般式(III)で表わされるオゾン化物を得ること
ができる。 前記式中、R3は低級アルキレン基を示す。A1及びA2
は、同一又は異なっていてもよく、下記一般式(IV)
で表わされる、1,2,4−トリオキソラン環含有脂肪
族基を示す。 この式中、R1は飽和又は不飽和脂肪族基を示し、その
炭素数は5以上、好ましくは6〜14である。R4は2
価飽和又は不飽和脂肪族基を示し、その炭素数は5以
上、好ましくは6〜14である。
【0011】(3)不飽和高級脂肪酸のグリセリンエス
テルのオゾン化物 不飽和高級脂肪酸グリセリンエステルとしては、次の一
般式(X)〜(XII)で表わされるものが好ましく用い
られる。 前記式中、R5及びR6は飽和又は不飽和高級脂肪族基を
示し、その炭素数は5以上、好ましくは6〜17であ
る。B1、B2、B3は次式で表わされる不飽和高級脂肪
族基を示す。 CH3(CH2)n(CH=CHCH2)k(CH2)m− 式中、kは1〜3の整数、好ましくは1である。m及び
nは5〜13の整数、好ましくは6〜12の整数であ
る。m+nは、5〜13、好ましくは6〜12の範囲に
規定するのがよい。
【0012】(4)不飽和高級脂肪酸の4価以上の多価
アルコールエステルのオゾン化物 不飽和高級脂肪酸の4価以上の多価アルコールエステル
としては、下記一般式(XIII)で示した不飽和高級脂肪
酸と、エリストール、ペンタエリスリトール、キシロー
ス、グルコース、フルクトース、ソルビトール、ソルビ
タン、ガラクトース、マンニトール、マンノール、ジグ
リセリン、トリグリセリン、ジペンタエリスリトール等
の多価アルコールとのモノエステルやポリエステルを挙
げることができる。 CH3(CH2)n(CH=CHCH2)k(CH2)mCOOH (XIII) これらの不飽和高級脂肪酸の多価アルコールエステルの
オゾン化物は、前記一般式(X)〜(IX)で示したグ
リセリンエステルのオゾン化物と同様の構造を示す。 (5)不飽和油脂のオゾン化物不飽和油脂としては、従
来公知の動植物油脂を用いることができる。このような
ものには、パーム油、大豆油、トール油、アマニ油、ヒ
マシ油、ヒマワリ油、米ぬか油、コーン油等の植物油、
魚油、牛脂等の動物油を挙げることができる。
【0013】以上、不飽和高級脂肪酸エステルのオゾン
化物について示したが、本発明の場合には、それらのエ
ステルのオゾン化物に限らず、内部に不飽和結合を有す
る高級オレフィン、高級脂肪族アルコール、高級脂肪
酸、高級脂肪族アミン、高級脂肪族アミド等の高級不飽
和脂肪族化合物をオゾン化することによって、本発明の
燃料油添加剤を得ることができる。
【0014】前記した如き不飽和高級脂肪族化合物のオ
ゾン化は、従来良く知られており、従来公知の方法に従
って、不飽和高級脂肪族化合物に、オゾン含有ガスを接
触反応させることによって行うことができる(特公昭3
6−4747号、特公昭43−9206号、ドイツ特許
第2713863号、特開平3−232839号、特開
平4−124311号、WO 93/02991号
等)。
【0015】不飽和高級脂肪族化合物のオゾン化を好ま
しく行う方法は、不飽和高級脂肪族化合物を薄膜流とし
て反応器の内壁面を流下させながら、この薄膜流にオゾ
ン含有ガスを接触させる方法である(WO 93/02
991号)。この場合、薄膜流の厚さは0.05〜3m
mの範囲である。反応温度は、10〜50℃、好ましく
は20〜45℃である。オゾン含有ガスとしては、酸
素、空気、二酸化炭素等のガスにオゾンを含有させたも
のであり、そのオゾン含有量は、0.1〜7vol%、
好ましくは0.1〜5vol%、より好ましくは0.3
〜3vol%である。このオゾン化反応においては、必
要に応じ、アルコールや炭化水素、ハロゲン化炭化水素
等の反応溶媒を用いることもできる。このようなオゾン
化反応によれば、不飽和高級脂肪族化合物を高反応率、
通常、90%以上、特に99%以上の反応率でオゾンと
反応させてオゾン化物を得ることができる。このように
して得られるオゾン化物は、そのまま燃料油添加剤とし
て用いることができる。燃料油添加剤として用いる場
合、オゾン化物中の1,2,4−トリオキソラン化合物
の純度は、30重量%以上、好ましくは50重量%以上
である。
【0016】不飽和高級脂肪族化合物のオゾン化反応に
よって得られるオゾン化物は、通常、80℃以下の温度
では爆発の危険性のない安全な液体状物質であり、消防
法第4類第3石油類に分類され、軽油や灯油と同等に取
扱うことができるものである。
【0017】本発明によるオゾン化物からなる燃料油添
加剤は、ディーゼル燃料油に少量添加することにより、
その燃料油のセタン価を著しく向上させることができ
る。従って、従来はセタン価が低いためにディーゼル燃
料油としては使用できなかったLCO、石炭液化で副生
する軽油(CGO)、そのCGOの水素化分野油(HC
GO)、水素化分野軽油(HLCO)、ナフサ分解ター
ル油、メタノール、エタノール、プロパノール等の低セ
タン価燃料油をオゾン化物とともにDGOに混合するこ
とにより、ディーゼル燃料油として使用することが可能
になる。このことはディーゼル燃料油の供給源の拡大に
なることから産業的意義は多大である。
【0018】本発明による好ましいディーゼル燃料油
は、セタン価が45以上、通常、50〜70の燃料油A
に、セタン価が燃料油Aより低いもの、一般には、セタ
ン価が45以下、通常、0〜45の燃料油Bを、本発明
による燃料油添加剤とともに混合したものからなる。こ
の混合燃料油のセタン価は、本発明の燃料油添加剤の添
加量によって調節することができ、その添加量を調節し
て、そのセタン価をディーゼル燃料油として好適な45
〜70、通常、48〜60の範囲に調節する。前記高セ
タン価の燃料油Aとしては、DGOが用いられる。一
方、前記低セタン価の燃料油Bとしては、LCO、HL
CO、CGO、HCGO、ナフサ分解タール油、各種ア
ルコール等が用いられる。燃料油Aと燃料油Bとの混合
油において、燃料油Bの混合割合は特に制約されるもの
ではないが、通常は混合油に対し、0〜50重量%、好
ましくは0〜30重量%である。この場合の燃料油添加
剤の添加量は、燃料油Bの混合比によって適当に選ばれ
るが、前記式(I)で示される1,2,4−トリオキソ
ラン環重量換算量で、通常、0.1〜15重量%、好ま
しくは0.2〜10重量%程度である。また、本発明の
他の好ましいディーゼル燃料油は、高セタン価の燃料油
Aに対し、本発明の燃料油添加剤を添加したものであ
り、その添加によって燃料油Aのセタン価を一層向上さ
せることができる。この場合の燃料油添加剤の添加量
は、1,2,4−オキソラン環換算量で、通常、0.1
〜15重量%、好ましくは0.2〜10重量%程度であ
る。
【0019】本発明の燃料油添加剤は、オゾン化物、即
ち、1,2,4−トリオキソラン化合物からなり、燃料
油に添加することにより、燃料油中の含酸素量を増加さ
せることができるので、その燃料油の着火性や燃焼性を
向上させることができる。従って、本発明の添加剤をデ
ィーゼル燃料油に添加することにより、その燃焼排ガス
中に含まれるNOx、一酸化炭素、THC(Total
Hydrocarbon)を低減させることができ
る。さらには、燃焼性の向上に伴って、排ガス中に含ま
れるカーボン粒子等の粒子状物質(Particula
tes)量も低減させることができる。
【0020】本発明の燃焼料油添加剤は、燃料油の着火
性及び燃焼性を向上させることから、その対象燃料油
は、ディーゼル燃料油に限られるものではなく、ガソリ
ンや、バーナ燃焼用の燃料油である軽油や灯油、重油等
にも適用可能のものである。
【0021】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。
【0022】参考例1 特開平3−232839号公報の実施例1に示された反
応方法によって、純度99%のオレイン酸メチルを薄膜
流の形態で99%以上の反応率でオゾン化した。この場
合の反応温度は30℃とした。このようにして得られた
オゾン化物は、1,2,4−トリオキソラン化合物を純
度80%で含むものである。このものを燃料油に対して
濃度50重量%で混合しても得られる混合物は良好な相
溶性を示した。このオレイン酸メチルのオゾン化物(以
下、オゾン化物Aと略記する)を、消防法危険物判定試
験法−第5類自己反応物質−に従って行った。その結果
を表1に示す。その表1の結果からわかるように、オゾ
ン化物Aは「総合判定III」、つまり第5類の危険物に
該当しないことが判明した。そこで、消防法危険物判定
試験法−第4類引火性液体−に従って引火点を測定した
ところ、クリーブランド開放式引火点測定器にて、引火
点が124℃と測定され、第4類第3石油類(非水溶
性)に分類されることが判った。なお、前記オゾン化物
Aの組成を示すと、1,2,4−トリオキソラン化合物
80重量%、オリゴマーパーオキサイド10重量%及び
アルデヒド化合物10重量%である。1,2,4−トリ
オキソラン化合物は、3種の異性体からなり、そのう
ち、前記式(II)で表わされる化合物(R1=CH3CC
2)7、R2=(CH2)7COOCH3)が主成分をなし、
その割合は約50%である。
【0023】
【表1】
【0024】以上のように、公知のセタン価向上剤(ア
ルキルナイトレート)が消防法危険物第5類に該当しそ
の取扱いが難しいのに比較し、本発明のオゾン化物Aは
第4類第3石油類に分離され、危険性が著しく軽減され
ることが判った。そこで、DGOにLCOを混合した軽
油(性状を表2に示す)に、オゾン化物Aを少量添加し
て軽油組成物を作成した。得られた各種軽油組成物のセ
タン価をCFRセタン価測定エンジンでJIS K22
80−1986規定の方法に基づき測定した。その結果
は表3に示すとおりである。
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】表3に見られるように、軽油にオゾン化物
Aを添加することによりそのセタン価を向上させること
ができる。
【0027】
【発明の効果】本発明の燃料油添加剤は、従来の燃料油
添加剤であるアルキルナイトレートに比べて、安全性の
著しく高いものであり、各種燃料油に添加することによ
り、その燃料油の着火性及び燃焼性を向上させる。本発
明の燃料油添加剤は、ディーゼル燃料油のセタン化向上
剤として好適のものである。本発明の燃料油添加剤を添
加した燃料油組成物は、着火性及び燃焼性の向上したも
のである。特にディーゼル燃料油に本発明の燃料油添加
剤を添加したものは、そのセタン価の著しく高められた
ものである。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1,2,4−トリオキソラン化合物から
    なる燃料油添加剤。
  2. 【請求項2】 下記一般式(I)で表わされる1,2,
    4−トリオキソラン環を分子中に1〜3個含有する1,
    2,4−トリオキソラン化合物からなる燃料油添加剤。
  3. 【請求項3】 下記一般式(II)で表わされる1,2,
    4−トリオキソラン化合物からなる燃料油添加剤。 (式中、R1及びR2は同一又は異なっていてもよく、ア
    ルコキシカルボニル基を有していてもよい炭素数5以上
    の飽和もしくは不飽和脂肪族基を示す)
  4. 【請求項4】 下記一般式(III)で表わされる1,
    2,4−トリオキソラン化合物からなる燃料油用添加
    剤。 〔式中、R3は低級アルキレン基を示し、A1及びA2
    同一又は異なっていてもよく、下記一般式(IV) (式中、R1は炭素数5以上の飽和又は不飽和脂肪族基
    を示し、R4は2価の炭素数5以上の飽和又は不飽和脂
    肪族基を示す)で表わされる1,2,4−トリオキソラ
    ン環含有脂肪族基を示す〕
  5. 【請求項5】 下記一般式(V)〜(VII)で表わされ
    る1,2,4−トリオキソラン化合物の中から選ばれる
    少なくとも1種からなる燃料油用添加剤。 〔前記式中、R5及びR6は炭素数5以上の飽和又は不飽
    和脂肪族基を示し、A1、A2及びA3は同一又は異なっ
    ていてもよく、下記一般式(IV) (式中、R1はアルコキシカルボニル基を有していても
    よい炭素数5以上の飽和又は不飽和脂肪族基を示し、R
    4は炭素数5以上の2価の飽和脂肪族基を示す)で表わ
    される1,2,4−オキソラン環含有脂肪族基を示す〕
  6. 【請求項6】 下記一般式(VIII)で表わされる不飽
    和高級脂肪酸アルキルエステルのオゾン化物からなる燃
    料油添加剤。 CH3(CH2)n(CH=CHCH2)k(CH2)mCOOR7 (VIII) (式中、R7はアルキル基、kは1〜3の整数、m、n
    はm+n=5〜13を満足する整数を示す)
  7. 【請求項7】 オレイン酸、エライジン酸、リノール
    酸、リノレン酸、パルミトレン酸、ミリストレイン酸、
    ラウロレイン酸及びカプロレイン酸の中から選ばれる少
    なくとも1種の不飽和高級脂肪酸と飽和一価アルコール
    とのエステルのオゾン化物からなる燃料油添加剤。
  8. 【請求項8】 下記一般式(IX)で表わされる不飽和
    高級脂肪酸のグリコールエステルのオゾン化物からなる
    燃料油添加剤。 〔式中、R3は低級アルキレン基を示し、B1及びB2
    同一又は異なっていてもよく、式 CH3(CH2)n(CH=CHCH2)k(CH2)m− (式中、kは1〜3の整数、m、nはm+n=5〜13
    を満足する整数を示す)で表わされる不飽和高級脂肪族
    基を示す〕
  9. 【請求項9】 下記一般式(X)〜(XII)で表わされ
    る不飽和高級脂肪酸のグリセリンエステルのオゾン化物
    からなる燃料油添加剤。 〔前記式中、R5及びR6は飽和高級脂肪族基を示し、B
    1、B2、B3は式 CH3(CH2)n(CH=CHCH2)k(CH2)m− (式中、kは1〜3の整数、m、nはm+n=5〜13
    を満足する整数を示す)で表わされる不飽和脂肪族基を
    示す〕
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかの燃料油添加
    剤を含有することを特徴とする燃料油組成物。
  11. 【請求項11】 請求項1〜9のいずれかの燃油添加剤
    を含有することを特徴とするディーゼル燃料油組成物。
  12. 【請求項12】 セタン価45〜70の燃料油に対し、
    セタン価0〜45の燃料油を請求項1〜9のいずれかの
    燃料油添加剤とともに混合してなるディーゼル燃料油組
    成物。
  13. 【請求項13】 燃料油添加剤の含有量が、1,2,4
    −トリオキソラン環重量換算量で、0.1〜15重量%
    である請求項11又は12のいずれかのディーゼル燃料
    油組成物。
JP35121793A 1993-12-30 1993-12-30 燃料油添加剤及び燃料油組成物 Pending JPH07197050A (ja)

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