JPH07196907A - 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

難燃性ポリカーボネート樹脂組成物

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JPH07196907A
JPH07196907A JP6000305A JP30594A JPH07196907A JP H07196907 A JPH07196907 A JP H07196907A JP 6000305 A JP6000305 A JP 6000305A JP 30594 A JP30594 A JP 30594A JP H07196907 A JPH07196907 A JP H07196907A
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bisphenol
polymerization
average degree
flame
resin composition
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JP6000305A
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Toshiaki Okuzono
敏昭 奥園
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 機械的性質、耐熱性、寸法精度、流動性に優
れ、高度な難燃性を有し、成形性が良好な難燃性ポリカ
ーボネート樹脂組成物を提供する。 【構成】 (A)数平均重合度5〜120のビスフェノ
ールAとハロゲン化ビスフェノールとのコポリカーボネ
ートおよび/または数平均重合度2〜30のハロゲン化
ビスフェノールAのオリゴマー10〜90重量部、ジエ
ン(B)メチル化ビスフェノールAから得られた数平均
重合度10〜80のポリカーボネートおよび/または数
平均重合度10〜120のメチル化ビスフェノールAと
ビスフェノールAとのコポリカーボネート90〜10重
量部からなる。 【効果】 環境汚染の少なく機械的性質、耐熱性、寸法
精度、流動性に優れ、高度な難燃性を有しており、電気
・電子部品、自動車部品、機械部品、建築部品、家庭雑
貨など幅広い分野で使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機械的性質、熱的性
質、電気的性質、寸法精度、成形時の流動性(以下流動
性と略記)に優れ、特に難燃性の著しく改善された芳香
族ポリカーボネート樹脂組成物に関し、電気・電子部
品、事務用部品、自動車部品、機械部品、建築部品、家
庭用雑貨など幅広い分野で使用することができる。
【0002】
【従来の技術】従来から、幅広い分野で使用されている
ビスフェノールAからのポリカーボネート(以下PCと
略記)それ自体は、試験片肉厚3.2mmでUL規格9
4号でV−2にランクされている。さらにPCの難燃性
を向上させるために、例えば、1)テトラブロムビスフ
ェノールAとビスフェノールAの共重合体にする。
2)数平均重合度2〜20のテトラブロムビスフェノー
ルAからのカーボネートオリゴマーや、アンチモン化合
物等の難燃化剤をPCに添加するなどの方法が知られて
いる。
【0003】しかしながら、上記の方法によりPCを高
度に難燃化するためには、テトラブロムビスフェノール
Aの含有率が高くしなければならず、その結果として、
溶融粘度が高く成形性に劣るという問題点があった。溶
融粘度を低くするため、低重合度のテトラブロムビスフ
ェノールAからのカーボネートオリゴマーをPCに添加
すると、燃焼時に火の付いた樹脂が滴下し、他の材料を
燃焼させるという問題点があった。
【0004】さらに、PCに水酸化アルミニウム、水酸
化カルシュウムなどの無機充填剤を配合した場合には、
溶融混練時にPCが分解、劣化して、良好な成形品を得
ることができない。またPCに赤燐を添加すると難燃性
は著しく改善できるが、溶融混練時に異臭が発生した
り、成形品が桃色に着色したりして、PC本来の特性を
生かした成形品を得ることはできない。
【0005】一方、電気・電子部品、事務用部品、自動
車部品、機械部品、建築部品、家庭用雑貨などの小型化
・薄肉化・高性能化などにより、樹脂に求められる性能
は、機械的性質や寸法精度、電気的性質は勿論、流動性
に優れ、高度の難燃性が要求されている。
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事
情に鑑み、機械的性質、成形品外観、寸法精度、耐熱
性、電気的性質、流動性に優れ、肉厚1.0mmの成形
品により、UL規格94号に準じて燃焼試験した場合、
V−0またはV−1にランクされる難燃性の著しく改善
された樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため、多角的に種々検討を重た結果、(A)ビ
スフェノールAとハロゲン化ビスフェノールのコポリカ
ーボネート(以下CPCと略記)および/またはハロゲ
ン化ビスフェノールのカーボネートオリゴマー(以下H
PCと略記)と、(B)メチル化ビスフェノールAから
得られたメチル化ポリカーボネート(以下MPCと略
記)および/またはメチル化ビスフェノールAとビスフ
ェノールAのコポリカーボネート(以下MCPCと略
記)を特定の比率で配合した場合に、難燃性が著しく改
善され、流動性、機械的性質、成形品表面、寸法精度、
耐熱性、電気的性質に優れた樹脂組成物が得られること
をを見出だし、本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は、(A)数平均重合度
5〜120のCPCおよび/または数平均重合度2〜3
0のHPC10〜90重量部と、(B)数平均重合度1
0〜80MPCおよび/または数平均重合度10〜12
0のMCPC90〜10重量部からなる難燃性ポリカー
ボネート樹脂組成物に関する。
【0009】本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成
物を構成する各成分をそれぞれ単独で使用した場合に
は、下記のように本発明の目的を達成することができな
いが、成分(A)と(B)とを本発明における特定範囲
の比率で使用した場合には目的を達成することができ
る。
【0010】すなわち、成分(A)のCPCは、CPC
の構成成分であるハロゲン化ビスフェノールの添加率が
低いと溶融粘度がそれほど高くならないので、肉厚1.
0mm試験片の成形は可能であるが、UL規格94号に
準じた燃焼試験で、火の付いた樹脂の落下を生じたり、
燃焼時間が長くなり、本発明の目的であるV−0または
V−1を達成することはできない。V−0またはV−1
とするためには、CPCの構成成分であるハロゲン化ビ
スフェノールの添加率を高くしなければならない。しか
し、ハロゲン化ビスフェノールの添加率を高くすると、
溶融粘度も高くなり、肉厚1.0mm試験片の成形が困
難になるという問題点があった。
【0011】本発明において使用される成分(A)のH
PC自体は、高度の難燃性を有するが、重合度が低いの
で機械的性質が著しく低く、構造材料としての実用性が
ない。重合度を高くするとCPCと同様な問題点を生ず
る。
【0012】また成分(B)のMPC、MCPCはとも
に肉厚1.0mmの成型品におけるUL規格94号の燃
焼試験ではV−2またはHBとなり、本発明の目的であ
るV−0またはV−1を満足すことはできない。
【0013】これに対し、成分(A)と成分(B)を特
定の比率で溶融混練した場合は、肉厚1.0mmの成型
品で、UL規格94号の燃焼試験でV−0またはV−1
ランクとなり、本発明の目的を達成することができる。
これはおそらく、成分(A)で燃焼時間を短くし、成分
(B)のベンゼン核に直結したメチル基が、燃焼時に架
橋反応を起こし、高分子量化するため火の付いた樹脂の
落下が生じないものと考えられる。
【0014】本発明において成分(B)を構成するメチ
ル化ビスフェノールAは下記の式で表される。
【化1】
【0015】(式中、Rの2〜8個がCH3 で、残りが
水素である)
【0016】本発明において使用される上記メチル化ビ
スフェノールAとしては、例えば、2,2−ビス(4−
ヒドロキシ−3,3’−ジメチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,3’,5,5’−
テトラメチルフェニル)プロパンなどが例示される。
【0017】従って本発明において成分(B)として使
用されるポリマーはMPCまたはMCPCである。も
し、成分(B)を構成する上記の式で表されるメチル化
ビスフェノールAにおいてRが炭素数2以上の脂肪族炭
化水素の場合、本発明の混合比で成分(A)と混合溶融
しても、燃焼時間が長くなったり、火の付いた樹脂の落
下が生じ、本発明の目的である肉厚1.0mmの成形品
で、UL規格94号に準じた燃焼試験においてV−0ま
たはV−1ランクの難燃性ポリカーボネート樹脂組成物
を得ることができない。
【0018】本発明に使用される成分(A)のCPCま
たはHPCは、反応に不活性な有機溶媒、アルカリ水溶
液の存在下、ビスフェノールAとハロゲン化ビスフェノ
ールおよびホスゲン、またはハロゲン化ビスフェノール
とホスゲンとを反応させた後、第三級アミンもしくは第
四級アンモニウム塩などの重合触媒の存在下に重合させ
る界面重合法や、ハロゲン化ビスフェノールをピリジン
またはピリジンおよび不活性溶媒の混合溶液に溶解し、
ホスゲンを導入し直接PCを製造するピリジン法等従来
のPC製造法により得られるものが使用される。上記の
反応に際し、トリブロムフェノールやパラターシャリー
ブチルフェノールなど公知の分子量調節剤が使用でき
る。
【0019】CPCまたはHPCの原料となるハロゲン
化ビスフェノールは、具体的には、ビス(4−ヒドロキ
シ−3.5−ジブロモフェニル)メタン、1.1−ビス
(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)エタ
ン、2.2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモ
フェニル)プロパン、2.2−ビス(4−ヒドロキシ−
3,5−ジブロモフェニル)ブタン、1.1−ビス(4
−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)シクロヘキ
サン、ビス(4−ヒドロキシ−3.5−ジブロモフェニ
ル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3.5−ジブロ
モフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシ−3.5−
ジブロモフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシ
−3.5−ジブロモフェニル)スルフォン、ビス(4−
ヒドロキシ−3.5−ジクロロフェニル)メタン、1.
1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニ
ル)エタン、2.2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−
ジクロロフェニル)プロパン、2.2−ビス(4−ヒド
ロキシ−3,5−ジクロロフェニル)ブタン、1.1−
ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)シ
クロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシ−3.5−ジクロ
ロフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3.5
−ジクロロフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシ−
3.5−ジクロロフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒ
ドロキシ−3.5−ジクロロフェニル)スルフォン、な
どを挙げることができる。これらのビスフェノールは2
種以上混合して使用しても良い。
【0020】本発明に使用される成分(A)のCPCに
おいて原料のビスフェノールAとハロゲン化ビスフェノ
ールのモル比は、95:5〜70:30が好ましい。ハ
ロゲン化ビスフェノールのモル比が5より低いと難燃性
が低下し、30を越えると高重合度側の溶融粘度が高く
なり好ましくない。CPCの数平均重合度は5〜120
の範のものが使用し得る。CPCの数平均重合度が5よ
り低いとハロゲン含有率が低くなり、難燃効果が低下す
る。CPCの数平均重合度が120を越えると溶融粘度
が高く、成形性が低下し好ましくない。
【0021】本発明に使用される成分(A)のHPCの
数平均重合度は3〜30、好ましくは5〜20である。
HPCの数平均重合度が3より低いと、得られた難燃性
PC樹脂組成物の荷重撓み温度や機械的性質の低下が大
きく、CPCの数平均重合度が30を越えると組成物中
での分散性に劣り、さらに溶融粘度が高く、成形性が低
下し好ましくない。
【0022】本発明に使用される成分(B)の数平均重
合度10〜80のMPCまたは数平均重合度10〜12
0のMCPCも、上記(A)のCPCと同様な方法で製
造できる。また、MPCやMCPCは、特許公報平5−
68494号報に開示された方法でも製造できる。MP
Cの数平均重合度が10より低いと、機械的性質の低下
が大きく、80を越えると溶融粘度が高く、成形性が低
下し好ましくない。MCPCの数平均重合度は10〜1
20の範囲が好ましく、範囲外の数平均重合度ではMP
Cと同様な理由から好ましくない。
【0023】本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成
物の難燃性をさらに向上させるには、樹脂成分100重
量部に対して、難燃助剤として四酸化アンチモンが10
重量部以下の範囲で使用できる。四酸化アンチモンが1
0重量部を越えると、難燃性ポリカーボネート樹脂組成
物の比重が高くなったり、衝撃性が低下するので好まし
くない。本発明に使用できる難燃助剤の四酸化アンチモ
ンは、たとえば日本精鉱(株)や三国精練(株)から販
売されている。なお、三酸化アンチモンを難燃助剤とし
て使用した場合はポリカーボネート樹脂の分子量低下等
の樹脂自体の劣化が起ることから本発明には三酸化アン
チモンを難燃助剤として好ましくない。
【0024】本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成
物は、(A)CPCおよび/またはHPC10〜90重
量部と、(B)MPCおよび/またはMCPC90〜1
0重量部の配合比で成分(A)と成分(B)を配合して
なるものである。CPCおよび/またはHPCの割合が
10重量部より少ないと、ハロゲン含有率が低く、燃焼
時間が長くなったり、火の付いた樹脂の落下があり、V
−0やV−1ランクのものとはならない。CPCおよび
/またはHPCの割合が90重量部より多いと、結果的
に(B)成分が10重量部より少なくなり、燃焼試験時
に火の付いた樹脂の落下を生じ好ましくなく本発明の目
的を達成できない。逆に、MPCおよび/またはMCP
Cが90重量部を越えると、ハロゲン含有率が低くな
り、燃焼時間が長くなり、HBにランクされるので好ま
しくない。
【0025】本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成
物に、高度の耐衝撃性が要求される場合は、下記のエラ
ストマーを2〜20重量部の範囲で配合できる。エラス
トマーの配合比率が2重量部より低いと耐衝撃性の改良
効果が小さく、20重量部を越えると荷重撓み温度や弾
性率の低下が大きく、好ましくない。
【0026】本発明に使用できるエラストマーの具体例
として、ポリブタジエン、SBR、EPDM、EVA、
ポリアクリル酸エステル、ポリイソプレン、水添イソプ
レン、アクリル系エラストマー、ポリエステル・ポリエ
ーテルコエラストマー、東レ(株)からペバックスの商
品名で販売されているようなPA系エラストマー、大日
本インキ化学からグリラックスAの商品名で販売されて
いるようなPA系エラストマー、エチレン・ブテン1共
重合体、スチレン・ブタジエンブロック共重合体、水素
化スチレン・ブタジエンブロック共重合体、エチレン・
プロピレン共重合体、エチレン・プロピレン・エチリデ
ンノルボネン共重合体、熱可塑性ポリエステルエラスト
マー、シェル化学からクレイトンGの商品名で販売され
ているような水添SEBSエラストマー、三井石油化学
からタフマーの商品名で販売されているようなエチレン
−αオレフィンコポリマーおよびプロピレン−αオレフ
ィンコポリマー、三井・デュポンポリケミカル社から販
売されているようなエチレンメタクリル酸系特殊エラス
トマー、武田薬品からスタフロイドMG1011の商品
名で販売されているようなコア層がゴム質でシェル層が
硬質樹脂からなるコア・シェルタイプのエラストマー、
クレハ化学からパラロイドEXLの商品名で販売されて
いるようなアクリル系(反応タイプ)のエラストマー、
MBS系エラストマーやクレハBTAエラストマー、三
菱レイヨンからメタブレンSの商品名で販売されている
ようなコア・シェルタイプのエラストマーなどが使用で
きる。同じく三菱レイヨンから販売されているようなコ
ア層がシリコンゴム、シェル層がアクリルゴムまたはア
クリル樹脂からなるコア・シェルタイプのエラストマー
で、グレード名S2001またはRK120などが使用
できる。さらにクラレ(株)からセプトンの商品名で販
売されているようなポリスチレン相と水素添加ポリイソ
プレン相からなるジブロック、またはトリブロック共重
合体も使用できる。
【0027】本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成
物には、難燃性を損なわない範囲でビスフェノールAか
らのPC、PP、PE、AS、ABS,AAS,AE
S,PS,HIPS,PMMA,PBT,PET,脂肪
族ナイロン、芳香族ナイロン、PPS,PEEKなどの
熱可塑性樹脂、公知の相溶化剤などを配合することがで
きる。
【0028】本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成
物の機械的強度、剛性、寸法安定性改良のため、ガラス
繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラス繊維クロ
ス、ガラス繊維マット、グラファイト、炭素繊維、炭素
繊維クロス、炭素繊維マット、カーボンブラック、炭素
フレーク、アルミ、ステンレス、真鍮および銅から作っ
た金属繊維や金属フレーク、金属粉末、有機繊維、針状
チタンサンカリウム、マイカ、タルク、クレー、(針
状)酸化チタン、ウオラストナイト、炭酸カルシュウ
ム、から選ばれた1種以上の強化剤を添加しても良い。
剛性・強度を上げて、さらに成形品の外観や平滑性を向
上するためには、繊維の径の細いものを使用するのが好
ましい。繊維径の細いガラス繊維としては、例えば日本
無機(株)製のE−FMW−800(平均繊維径0.8
μm)やE−FMW−1700(平均繊維径0.6μ
m)が例示できる。
【0029】上記強化剤の表面を公知の表面処理剤、例
えばビニルアルキルシラン、メタクリロアルキルシラ
ン、エポキシアルキルシラン、アミノアルキルシラン、
メルカプトアルキルシラン、クロロアルキルシラン、イ
ソプロピルトリイソステアロイルチタネートのようなチ
タネート系カップリング剤、ジルコアルミネートカップ
リング剤などで表面処理を行ってもよい。さらに繊維類
の集束剤として、公知のエポキシ系、ウレタン系、ポリ
エステル系、スチレン系などの集束剤で集束しても良
い。
【0030】本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成
物には、必要に応じて、公知のフェノール系、ホスファ
イト系、チオエーテル系、ヒンダードフェノール系、硫
化亜鉛、酸化亜鉛などの熱および酸化防止剤を用いるこ
とができる。さらに必要に応じて、帯電防止剤、可塑
剤、潤滑剤、離型剤、染料、顔料、紫外線吸収剤、光安
定剤なども添加することができる。
【0031】本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成
物は、一般に熱可塑性樹脂組成物の製造に用いられる設
備と方法により製造することができる。溶融混練には一
軸または二軸の押出機が好適に使用できる。
【0032】
【実施例】次に実施例と比較例により本発明を具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。実施例と比較例における原料樹脂、試験片の成形方
法、試験方法は次の通りである。
【0033】(1)使用原材料 CPCは、ビスフェノールA80モル%とテトラブロム
ビスフェノールA20モル%を共重合させ、末端基はト
リブロモフェノールとした数平均重合度20(CPC2
0と略記)および数平均重合度40(CPC40と略
記)のコポリカーボネートを使用した。
【0034】HPCは、テトラブロムビスフェノールA
を重合させ、末端基をトリブロモフェノールとした数平
均重合度5(HPC5と略記)および数平均重合度20
(HPC20と略記)のものを使用した。
【0035】MPCは3,3',5,5' −テトラメチルビスフ
ェノールAを重合し末端基がパラターシャリーブチルフ
ェノールとした数平均重合度30(MPC30と略記)
と、数平均重合度60(MPC60と略記)のものを使
用した。
【0036】MCPCは3,3',5,5' −テトラメチルビス
フェノールAとビスフェノールAのモル比が1:1で共
重合し末端基がパラターシャリーブチルフェノールであ
る数平均重合度80(MCPC80と略記)のコポカー
ボネートを使用した。
【0037】ビスフェノールAからのPCとして、粘度
平均分子量21000のPC(三菱ガス化学(株) ユ
ーピロンS3000、PCと略記)を使用し、四酸化ア
ンチモン(アンチモンと略記)と比較のための三酸化ア
ンチモンは、日本精鉱(株)から販売されているものを
使用した。
【0038】また、エラストマーとして武田薬品(株)
からスタフロイドMG1011の商品名で販売されてい
るコア層がゴム質でシェル層が硬質樹脂からなる、コア
・シェルタイプのエラストマー(以下エラストマーと略
記)を使用した。
【0039】(2)組成物の混練条件と試験片の成形条
件 表1と表2に示した各成分をタンブラーで混合後、をシ
リンダー設定温度260〜290℃で、スクリュー径4
0mmの一軸押出機により溶融混練しペレットを製造し
た。このペレットを120℃で5時間乾燥後、住友重機
械(株)製SG125型射出成形機により金型温度10
0℃、シリンダー設定温度280℃、射出圧力98MP
aで、ASTM−D638規定タイプ1の3.2mm厚
引張試験片を成形した。引張試験片と同一条件で、12
7mm×12.7mm×1.0mmの燃焼試験片を成形
した。
【0040】(3)引張強さと破断伸び ASTM−D638に準じ、引張速度5mm/分、試験
温度23℃で5本試験を行い、5本の平均の引張強さ
(単位はMPa)と破断伸び(単位は%)を求めた。
【0041】(4)燃焼試験 UL規格94号に準じ、5本の試験片を用い垂直燃焼試
験を行った。
【0042】(5)外観観察 5本の燃焼試験片を目視により観察し、シルバーの全く
発生しないものをA、微小なシルバーの発生したものを
B、シルバーの発生したものをCと判定した。
【0043】実施例1〜8と比較例1〜8を、表1と表
2に示した。なお、配合比率は重量部とした。(以下
余白)
【表1】 表中(*) は四酸化アンチモン
【表2】 表中(**)は三酸化アンチモン
【0044】
【発明の効果】本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組
成物は、高度な難燃性を有し、成形性に優れており、ポ
リカーボネート樹脂が有する機械的性質、耐熱性、寸法
精度、電機的性質が良好で外観に優れた成形品を得るこ
とができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)数平均重合度5〜120のビスフ
    ェノールAとハロゲン化ビスフェノールのコポカーボネ
    ートおよび/または数平均重合度2〜30のハロゲン化
    ビスフェノールAのカーボネートオリゴマー10〜90
    重量部、(B)メチル化ビスフェノールAから得られた
    数平均重合度10〜80のメチル化ポリカーボネートお
    よび/または数平均重合度10〜120のメチル化ビス
    フェノールAとビスフェノールAのコポリカーボネート
    90〜10重量部、からなる難燃性ポリカーボネート樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】 上記(A)のコポリカーボネートがビス
    フェノールAとハロゲン化ビスフェノールのモル比9
    5:5〜70:30の共重合体である請求項1記載の樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】 上記(B)のコポリカーボネートがビス
    フェノールAとメチル化ビスフェノールAのモル比2
    0:80〜80:20の共重合体あるコポリカーボネー
    トである請求項1記載の樹脂組成物。
JP6000305A 1994-01-06 1994-01-06 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物 Pending JPH07196907A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015105335A (ja) * 2013-11-29 2015-06-08 テクノポリマー株式会社 熱可塑性樹脂組成物及びその成形品

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JPH01318065A (ja) * 1988-06-20 1989-12-22 Mitsubishi Gas Chem Co Inc ポリカーボネート樹脂組成物
JPH06271756A (ja) * 1993-03-23 1994-09-27 Teijin Chem Ltd 難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物

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