JP2002020612A - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性樹脂組成物

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JP2002020612A JP2000200624A JP2000200624A JP2002020612A JP 2002020612 A JP2002020612 A JP 2002020612A JP 2000200624 A JP2000200624 A JP 2000200624A JP 2000200624 A JP2000200624 A JP 2000200624A JP 2002020612 A JP2002020612 A JP 2002020612A
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Tsutomu Yoshitomi
勉 吉富
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】従来の難燃剤や難燃助剤を配合することなく、
米国UL規格94V−2に適合する難燃性を有し、しか
も、耐熱性と耐衝撃性にすぐれており、物性のバランス
にすぐれた難燃性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】本発明による難燃性樹脂組成物は、(A)
芳香族ポリカーボネート10〜60重量%と、(B)ゴ
ム状重合体の存在下に芳香族ビニル化合物とシアン化ビ
ニル化合物をグラフト共重合させてなり、そのアセトン
可溶分の重量平均分子量と分子量分布と共に、そのグラ
フト共重合体における枝ポリマーの重量平均分子量が所
定の範囲にあるグラフト共重合体15〜30重量%と、
(C)芳香族ビニル化合物とシアン化ビニル化合物を共
重合してなり、重量平均分子量と分子量分布が所定の範
囲にある硬質共重合体10〜75重量%とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難燃性樹脂組成物
に関し、詳しくは、難燃剤そのものを含むことなく、米
国UL規格94V−2に合格する難燃性を有し、しかも
機械的物性バランスにすぐれた難燃性樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリカーボネート樹脂とゴム強化
スチレン系樹脂とを含む熱可塑性樹脂組成物は、強度特
性、耐衝撃性、耐熱性、寸法安定性等の物性にすぐれて
おり、従来、OA機器の筐体材料として広く用いられて
いるが、しかし、難燃性が不十分であり、従来、難燃性
を向上させる試みが多くなされている。例えば、特開平
64−22958号公報には、ポリカーボネート樹脂と
スチレン系樹脂とからなる熱可塑性樹脂組成物に難燃剤
として有機ハロゲン化合物を、難燃助剤として三酸化ア
ンチモンを配合して、難燃性を付与することが提案され
ている。
【0003】しかし、このように、樹脂にハロゲン化合
物を添加した樹脂組成物は、成形時の流動性が低い、熱
分解してハロゲン化水素を発生し、金型を腐食させる、
樹脂自身を劣化させたり、着色させたりする、更には、
作業環境を悪化させる等の問題を有する。ハロゲン化合
物を含む樹脂組成物は、燃焼時にダイオキシンを発生さ
せるおそれもある。他方、難燃助剤として用いられる三
酸化アンチモンについても、健康に有害であるおそれが
あるとされている。
【0004】このように、従来、用いられている難燃剤
や難燃助剤を樹脂に配合することは、種々の問題を生じ
る。
【0005】他方、ハロゲンを含まない難燃剤も、従来
から知られており、そのような難燃剤として、例えば、
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等を金属水酸
化物系の難燃剤を挙げることができる。しかし、これら
の金属酸化物系の難燃剤は、上記ハロゲン系難燃剤に比
較すれば、難燃化効果が著しく低いので、これらを用い
て樹脂に十分な難燃効果を付与するには、多量に添加し
なければならないが、多量に添加すれば、樹脂本来の特
性が損なわれるという問題が生じる。また、近年、前述
したような燃焼時のダイオキシン発生の問題から、ハロ
ゲン系難燃剤に代えて、リン化合物を難燃剤として樹脂
に配合することも提案されている。しかし、リン化合物
を配合した樹脂組成物によっては、耐衝撃性や耐熱性の
低下の問題のほか、埋立て時の土壌汚染、水質汚染等、
環境問題の懸念もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の樹脂
の難燃化における上述した問題を解決するためになされ
たものであって、ハロゲン系難燃剤、リン化合物系難燃
剤、金属酸化物系難燃剤や三酸化アンチモン等の難燃助
剤を一切使用することなく、米国UL規格94V−2に
適合する難燃性を有し、しかも、耐熱性と耐衝撃性にす
ぐれており、物性のバランスにすぐれた難燃性樹脂組成
物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による難燃性樹脂
組成物は、(A)芳香族ポリカーボネート10〜60重
量%と、(B)ゴム状重合体の存在下に芳香族ビニル化
合物とシアン化ビニル化合物をグラフト共重合させてな
るグラフト共重合体であって、このグラフト共重合体の
アセトン可溶分の重量平均分子量が80000〜220
000の範囲にあり、分子量分布Mw/Mnが2.5〜4.
0の範囲にあると共に、このグラフト共重合体における
枝ポリマーの重量平均分子量が80000〜16000
0の範囲にあるグラフト共重合体15〜30重量%と、
(C)芳香族ビニル化合物とシアン化ビニル化合物を共
重合してなり、重量平均分子量が50000〜9000
0の範囲にあり、分子量分布Mw/Mnが1.8〜3.0の
範囲にある硬質共重合体(C−1)と芳香族ビニル化合
物とシアン化ビニル化合物を共重合してなり、重量平均
分子量が90000を超えて、160000以下の範囲
にあり、分子量分布Mw/Mnが2.0〜3.0の範囲にあ
る硬質共重合体(C−2)とから選ばれる少なくとも1
種の硬質共重合体10〜75重量%とからなることを特
徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明による難燃性樹脂組成物に
おいて、芳香族ポリカーボネートは、芳香族ジヒドロキ
シ化合物にホスゲン又は炭酸ジエステルと反応させるこ
とによって得られる熱可塑性重合体である。しかし、上
記芳香族ジヒドロキシ化合物の一部に3官能以上のポリ
ヒドロキシ化合物を用いて、分子鎖に分岐を有せしめて
もよい。
【0009】上記芳香族ジヒドロキシ化合物としては、
例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン(即ち、ビスフェノールA)、テトラメチルビスフェ
ノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイ
ソプロピルベンゼン、ハイドロキノン、レゾルシノー
ル、4,4−ジヒドロキシジフェニル等を挙げることがで
きる。これらのなかでは、特に、ビスフェノールAが好
ましく用いられる。このようなジヒドロキシ化合物は、
得られるポリカーボネートの難燃性を高めるために、分
子中の芳香環は、スルホン酸テトラアルキルホスホニウ
ム基を有していてもよい。
【0010】また、上記ポリヒドロキシ化合物として、
例えば、フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−ト
リ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、4,6−ジ
メチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプ
タン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシ
フェニルヘプテン−3、1,3,5−トリ(4−ヒドロキシ
フェニル)ベンゼン、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフ
ェニル)エタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシアリー
ル)オキシインドール(即ち、イサチンビスフェノー
ル)、5−クロルイサチン、5,7−ジクロルイサチン、
5−ブロムイサチン等を挙げることができる。
【0011】上記ポリヒドロキシ化合物の使用量は、通
常、上記芳香族ジヒドロキシ化合物の0.01〜10モル
%の範囲であり、好ましくは、0.1〜2モル%の範囲で
ある。
【0012】芳香族ポリカーボネートの製造において、
その分子量を調節するには、一価芳香族ヒドロキシ化合
物を用いればよい。このような一価芳香族ヒドロキシ化
合物として、例えば、m−又は及p−メチルフェノー
ル、m−又はp−プロピルフェノール、p−t−ブチル
フェノール、p−長鎖アルキル置換フェノール等を挙げ
ることができる。
【0013】本発明において用いる芳香族ポリカーボネ
ートは、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ンから誘導されるポリカーボネート樹脂や、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと他の芳香族ジヒ
ドロキシ化合物とから誘導されるポリカーボネート共重
合体が好ましい。しかし、本発明においては、芳香族ポ
リカーボネートとして、2種以上の樹脂を混合して用い
てもよい。
【0014】また、本発明において用いる芳香族ポリカ
ーボネートは、塩化メチレン溶液とし、温度25℃で測
定した溶液粘度から換算した粘度平均分子量が1600
0〜30000の範囲にあることが好ましく、特に、1
8000〜23000の範囲にあるのが好ましい。芳香
族ポリカーボネートにおいて、上記粘度平均分子量が上
記範囲をはずれるときは、得られる樹脂組成物が成形加
工性、耐衝撃性及び耐熱性の少なくともいずれかに劣る
こととなり、これらの物性バランスにすぐれた難燃性樹
脂組成物を得ることができない。
【0015】本発明による難燃性樹脂組成物は、このよ
うな芳香族ポリカーボネートを10〜60重量%、好ま
しくは、10〜50重量%の範囲で含む。
【0016】本発明による難燃性樹脂組成物は、上述し
たポリカーボネートと共に、ゴム状重合体の存在下に芳
香族ビニル化合物とシアン化ビニル化合物をグラフト共
重合させてなるグラフト共重合体であって、このグラフ
ト共重合体のアセトン可溶分の重量平均分子量が800
00〜220000の範囲にあり、分子量分布Mw/M
nが2.5〜4.0の範囲にあると共に、このグラフト共重
合体における枝ポリマ−の重量平均分子量が80000
〜160000の範囲にあるグラフト共重合体を含む。
【0017】上記ゴム状重合体としては、例えば、ポリ
ブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロ
ニトリル−ブタジエン共重合体、アクリルゴム、エチレ
ン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジ
エン共重合体ゴム等が用いられる。これらは、単独で用
いてもよく、また、2種以上を併用してもよい。
【0018】また、上記芳香族ビニル化合物としては、
スチレン、α−メチルスチレン、又はこれらの混合物が
好ましく用いられるが、しかし、これら以外にも、必要
に応じて、p−メチルスチレン等も用いられる。また、
シアン化ビニル化合物としては、通常、アクリロニトリ
ルが好ましく用いられるが、メタクリロニトリルやアク
リロニトリルとメタクリロニトリルとの混合物も用いら
れる。このようなグラフト共重合体は、乳化重合、懸濁
重合,塊状重合又はこれらの組み合わせによって製造す
ることができる。
【0019】本発明によれば、グラフト共重合体は、好
ましくは、上記ゴム状重合体30〜70重量%に上記芳
香族ビニル化合物25〜40重量%とシアン化ビニル化
合物5〜30重量%とをグラフト共重合させてなるもの
であり、特に、好ましくは、上記ゴム状重合体35〜6
0重量%に上記芳香族ビニル化合物30〜45重量%と
シアン化ビニル化合物10〜20重量%とをグラフト共
重合させてなるものである。
【0020】このグラフト共重合体において、ゴム重合
体の含有量が30重量%よりも少ないときは、得られる
難燃性樹脂組成物が耐衝撃性に劣り、他方、70重量%
を越えるときは、他の共重合体との相溶性が低下するの
で好ましくない。また、グラフト共重合体における芳香
族ビニル化合物とシアン化ビニル化合物の含有量が上記
範囲をはずれるときは、得られる難燃性樹脂組成物が難
燃性、成形加工性、耐衝撃性及び耐熱性の少なくともい
ずれかに劣ることとなり、これら物性のバランスにすぐ
れる難燃性樹脂組成物を得ることができない。
【0021】本発明においては、上記グラフト共重合体
は、そのアセトン可溶分の重量平均分子量が80000
〜220000の範囲にあり、分子量分布Mw/Mnが
2.5〜4.0の範囲にある。グラフト共重合体のアセトン
可溶分の重量平均分子量又は分子量分布が上記範囲をは
ずれるときは、得られる難燃性樹脂組成物が米国UL規
格94V−2に合格する難燃性をもたない。
【0022】更に、本発明によれば、上記グラフト共重
合体は、その枝ポリマ−の重量平均分子量が80000
〜160000の範囲にある。ここに、上記枝ポリマー
とは、上記ゴム状重合体を幹とし、これに芳香族ビニル
化合物とシアン化ビニル化合物が化学的に結合して、枝
を形成したものをいう。グラフト共重合体において、上
記枝ポリマーの重量平均分子量が上記範囲をはずれると
きは、得られる難燃性樹脂組成物が米国UL規格94V
−2に合格する難燃性をもたない。
【0023】本発明による難燃性樹脂組成物は、このよ
うなグラフト共重合体を15〜30重量%の範囲で含
む。グラフト共重合体の含有量が15重量%よりも少な
いときは、得られる難燃性樹脂組成物が耐衝撃性に劣
り、他方、30重量%よりも多いときは、得られる脂組
成物が米国UL規格94V−2に合格する難燃性をもた
ない。
【0024】本発明による難燃性樹脂組成物は、更に、
芳香族ビニル化合物とシアン化ビニル化合物を共重合し
てなる硬質共重合体を含む。この硬質共重合体の単量体
成分である芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α
−メチルスチレン、又はこれらの混合物が好ましく用い
られるが、しかし、これら以外にも、必要に応じて、p
−メチルスチレン等も用いられる。また、シアン化ビニ
ル化合物としては、通常、アクリロニトリルが好ましく
用いられるが、メタクリロニトリルやアクリロニトリル
とメタクリロニトリルとの混合物も用いられる。
【0025】このような硬質共重合体は、上記単量体を
乳化重合、懸濁重合、塊状重合又はこれらの組み合わせ
からなる重合方法によって製造することができる。
【0026】本発明によれば、上記硬質共重合体とし
て、次の2種類のうち、少なくとも1種が用いられる。
【0027】即ち、第1の硬質共重合体(C−1)は、
好ましくは、芳香族ビニル化合物50〜80重量%とシ
アン化ビニル化合物20〜50重量%を共重合してな
り、重量平均分子量が50000〜90000の範囲に
あり、分子量分布Mw/Mnが1.8〜3.0の範囲にあ
る。
【0028】第2の硬質共重合体(C−2)は、好まし
くは、芳香族ビニル化合物50〜80重量%とシアン化
ビニル化合物20〜50重量%を共重合してなり、重量
平均分子量が90000を超えて、160000以下の
範囲にあり、分子量分布Mw/Mnが2.0〜3.0の範囲
にある。
【0029】硬質共重合体において、芳香族ビニル化合
物とシアン化ビニル化合物の含有量が上記範囲をはずれ
るときは、得られる難燃性樹脂組成物が成形加工性、耐
衝撃性及び耐熱性の少なくともいずれかに劣ることとな
り、これら物性のバランスにすぐれる樹脂組成物を得る
ことができない。同様に、硬質共重合体が上記重量分子
量と分子量分布をもたないときは、成形加工性と耐衝撃
性とにすぐれ、更に、耐熱性にすぐれる樹脂組成物を得
ることができない。
【0030】本発明による難燃性樹脂組成物は、上記第
1の硬質共重合体(C−1)と第2の硬質共重合体(C
−2)から選ばれる少なくとも1種を10〜75重量
%、好ましくは、20〜75重量%の範囲で含むことに
よって、耐熱性を確保しつつ、すぐれた成形加工性と耐
衝撃性とを有する。難燃性樹脂組成物における硬質共重
合体の含有量が上記範囲にないときは、成形加工性と耐
衝撃性とにすぐれ、更に、耐熱性にすぐれる樹脂組成物
を得ることができない。
【0031】本発明による難燃性樹脂組成物は、芳香族
ポリカーボネートを上述したようなグラフト共重合体と
硬質共重合体と共に通常の混練手段、例えば、押出機、
バンバリーミキサー等を用いて均一に混練することによ
って得ることができる。本発明による難燃性樹脂組成物
は、その特性を損なわない範囲において、上記グラフト
共重合体と硬質共重合体以外に、安定剤、可塑剤、ガラ
ス繊維、カーボン繊維、タルク、炭酸カルシウム、マイ
カ等の充填剤、紫外線吸収剤、顔料等の種々の添加剤を
含有していてもよい。
【0032】
【実施例】以下にグラフト共重合体と硬質共重合体の製
造例と実施例を比較例と共に挙げて本発明を説明する
が、本発明はこれら実施例により何ら限定されるもので
はない。製造例において、得られたグラフト共重合体と
硬質共重合体の重合体の数平均分子量と重量平均分子量
はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)
により測定した。
【0033】製造例1 (グラフト共重合体(B−1)の製造)蒸留水200重
量部にゲル含有率98重量%、重量平均粒子径1800
〜3000Åのポリブタジエンゴム50重量部、不均化
ロジン酸カリウム1重量部、水酸化ナトリウム0.01重
量部、ピロリン酸ナトリウム0.45重量部、硫酸第一鉄
0.01重量部、デキストローズ0.57重量部、t−ドデ
シルメルカプタン0.15重量部及びクメンハイドロパー
オキサイド1.0重量部を反応容器に仕込んだ。次に、ス
チレン38重量部とアクリロニトリル12重量部とを連
続的に仕込みながら、60℃から反応を開始し、途中で
75℃まで昇温し、2時間後、乳化グラフト重合を停止
して、グラフト共重合体(B−1)を得た。単量体転化
率は96%であった。
【0034】こにして得られたグラフト共重合体のアセ
トン可溶分の重量平均分子量は123000であり、分
子量分布Mw/Mnは2.8であった。また、このグラフ
ト共重合体における枝ポリマーの重量平均分子量は13
5000であった。
【0035】製造例2 (グラフト共重合体(B−2)の製造)蒸留水200重
量部にゲル含有率98重量%、重量平均粒子径1800
〜3000Åのポリブタジエンゴム50重量部、スチレ
ン38重量部、アクリロニトリル12重量部、不均化ロ
ジン酸カリウム1重量部、水酸化ナトリウム0.01重量
部、ピロリン酸ナトリウム0.45重量部、硫酸第一鉄0.
01重量部、デキストローズ0.57重量部、t−ドデシ
ルメルカプタン0.08重量部及びクメンハイドロパーオ
キサイド1.0重量部を仕込み、60℃から反応を開始
し、途中で75℃まで昇温し、2時間後,乳化グラフト
重合を停止して、グラフト共重合体(B−2)を得た。
単量体転化率は98重量%であった。
【0036】このようにして得られたグラフト共重合体
のアセトン可溶分の重量平均分子量は380000であ
り、分子量分布Mw/Mnは5.0であった。また、この
グラフト共重合体における枝ポリマ−の重量平均分子量
は110000であった。
【0037】製造例3 (硬質共重合体(C−1)の製造)蒸留水120重量部
にアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.003重量
部、スチレン75重量%とアクリロニトリル25重量%
とからなるビニル単量体混合物100重量部、t−ドデ
シルメルカプタン0.8重量部、過酸化ベンゾイル0.15
重量部及びリン酸カルシウム0.5重量部を反応容器に仕
込み、110℃で10時間懸濁重合して、硬質共重合体
(C−1)を得た。この硬質共重合体(C−1)の重量
平均分子量は67000、数平均分子量は31000で
あり、従って、分子量分布Mw/Mnは2.1であった。
【0038】製造例4 (硬質共重合体(C−2)の製造)蒸留水120重量部
にアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.003重量
部、スチレン77重量%とアクリロニトリル23重量%
とからなるビニル単量体混合物100重量部、t−ドデ
シルメルカプタン0.3重量部、過酸化ベンゾイル0.15
重量部及びリン酸カルシウム0.5重量部を反応容器に仕
込み、110℃で10時間懸濁重合して、硬質共重合体
(C−2)を得た。この硬質共重合体(C−2)の重量
平均分子量は151000、数平均分子量は66000
であり、従って、分子量分布Mw/Mnは2.3であっ
た。
【0039】製造例5 (硬質共重合体(C−3)の製造)蒸留水120重量部
にアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.003重量
部、スチレン73重量%とアクリロニトリル27重量%
とからなるビニル単量体混合物100重量部、t−ドデ
シルメルカプタン0.2重量部、過酸化ベンゾイル0.15
重量部及びリン酸カルシウム0.5重量部を反応容易に仕
込み、110℃で10時間懸濁重合して、硬質共重合体
(C−3)を得た。この硬質共重合体(C−3)の重量
平均分子量は215000、数平均分子量は71000
であり、従って、分子量分布Mw/Mnは3.0であっ
た。
【0040】実施例1〜6及び比較例1〜6 芳香族ポリカーボネート(三菱エンジニアリング(株)
製ユーピロンS−3000、粘度平均分子量2100
0)に上記製造例において得られたグラフト共重合体と
硬質共重合体を表1に示す割合で加え、バンバリーミキ
サ−にて混練した後、ペレット化した。得られたペレッ
トを260℃で射出成形して試験片を得、この試験片に
ついて下記の方法で流動性、熱変形温度、メルトフロー
インデックス及び難燃性を評価した。結果を表1及び表
2に示した。
【0041】流動性 ショートショット圧力(SSP)を流動性の指標とた。
即ち、射出成形機(東芝機械(株)製IS55FP)を
用いてASTM D638引張試験片(厚み3.2mm)
を成形するに際して、成形温度(260℃)と射出速度
を一定としたときの最小充填圧力を測定し、これを流動
性の指標とした。 熱変形温度 ASTM D648に準拠し、厚み6.4mmの試験片を
用いて、荷重1.82MPaの下に測定した。 アイゾット衝撃強度 ASTM D256に準拠し、厚み3.2mmのVノッチ
付き試験片を用いて、温度23℃で測定した。 UL燃焼試験 米国アンダーライターラボラトリーズ発行のUL94に
準拠した方法によって、厚み1.6mmの試験片について
V−2試験を行なった。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】比較例1によるグラフト共重合体と硬質共
重合体との混合物は、米国UL規格94V−2を満たす
難燃性をもたず、耐衝撃性に劣るのみならず、耐熱性に
も劣る。比較例2による難燃性樹脂組成物は、芳香族ポ
リカーボネートの配合割合が高く、成形加工性に劣る。
比較例3〜5による樹脂組成物は、グラフト共重合体の
重量平均分子量が大きすぎるので、米国94V−2に規
定する難燃性をもたない。比較例6による樹脂組成物
は、グラフト共重合体の配合割合が高く、成形加工性に
劣るのみならず、米国94V−2に規定する難燃性をも
たない。
【0045】これに対して、本発明による難燃性樹脂組
成物は、米国UL規格94V−2に合格する難燃性を有
し、しかも機械的物性バランスにすぐれている。
【0046】
【発明の効果】以上のように、本発明による難燃性樹脂
組成物は、ポリカーボネートにゴム状重合体の存在下に
芳香族ビニル化合物とシアン化ビニル化合物をグラフト
共重合させてなるグラフト共重合体と芳香族ビニル化合
物とシアン化ビニル化合物を共重合してなる硬質共重合
体をそれぞれ所定の範囲で配合してなり、難燃剤を含む
ことなく、米国UL規格94V−2に合格する難燃性を
有し、しかも、機械的物性バランスにすぐれている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 博文 山口県宇部市大字沖宇部字沖の山525番14 宇部サイコン株式会社内 (72)発明者 住山 治功 山口県宇部市大字沖宇部字沖の山525番14 宇部サイコン株式会社内 (72)発明者 吉富 勉 山口県宇部市大字沖宇部字沖の山525番14 宇部サイコン株式会社内 Fターム(参考) 4J002 BC06Y BN13X CG00W CG01W CG03W

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)芳香族ポリカーボネート10〜60
    重量%と、 (B)ゴム状重合体の存在下に芳香族ビニル化合物とシ
    アン化ビニル化合物をグラフト共重合させてなるグラフ
    ト共重合体であって、このグラフト共重合体のアセトン
    可溶分の重量平均分子量が80000〜220000の
    範囲にあり、分子量分布Mw/Mnが2.5〜4.0の範囲
    にあると共に、このグラフト共重合体における枝ポリマ
    ーの重量平均分子量が80000〜160000の範囲
    にあるグラフト共重合体15〜30重量%と、 (C)芳香族ビニル化合物とシアン化ビニル化合物を共
    重合してなり、重量平均分子量が50000〜9000
    0の範囲にあり、分子量分布Mw/Mnが1.8〜3.0の
    範囲にある硬質共重合体(C−1)と芳香族ビニル化合
    物とシアン化ビニル化合物を共重合してなり、重量平均
    分子量が90000を超えて、160000以下の範囲
    にあり、分子量分布Mw/Mnが2.0〜3.0の範囲にあ
    る硬質共重合体(C−2)とから選ばれる少なくとも1
    種の硬質共重合体10〜75重量%とからなることを特
    徴とする難燃性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】グラフト共重合体がゴム状重合体30〜7
    0重量%の存在下に芳香族ビニル化合物25〜40重量
    %とシアン化ビニル化合物5〜30重量%とをグラフト
    共重合させてなるものである請求項1に記載の難燃性樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】芳香族ビニル化合物がスチレンであり、シ
    アン化ビニル化合物がアクリロニトリルである請求項2
    に記載の難燃性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】硬質共重合体が芳香族ビニル化合物50〜
    80重量%とシアン化ビニル化合物20〜50重量%を
    共重合してなるものである請求項1に記載の難燃性樹脂
    組成物。
  5. 【請求項5】芳香族ビニル化合物がスチレンであり、シ
    アン化ビニル化合物がアクリロニトリルである請求項4
    に記載の難燃性樹脂組成物。
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