JPH07196385A - 窯業製品の製造方法と窯業製品 - Google Patents

窯業製品の製造方法と窯業製品

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JPH07196385A
JPH07196385A JP5328929A JP32892993A JPH07196385A JP H07196385 A JPH07196385 A JP H07196385A JP 5328929 A JP5328929 A JP 5328929A JP 32892993 A JP32892993 A JP 32892993A JP H07196385 A JPH07196385 A JP H07196385A
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ceramic
product
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Keijiro Shigeru
啓二郎 茂
Takashi Oku
隆司 奥
Takako Yazawa
孝子 矢澤
Tomohiko Iijima
智彦 飯島
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Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
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    • C04B41/009After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone characterised by the material treated
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 抗菌防カビ性を長期間にわたって持続可能な
窯業製品の製造方法と窯業製品を提供する。 【構成】 窯業製品の製造方法は、金属銀、または、酸
化銀、塩化銀等の銀化合物と、ケイ酸アルミニウム質等
の耐火材とを有する混合物層を、窯業製品上に形成さ
せ、または、窯業製品の内部に混入形成させ、その後、
この窯業製品の焼成温度で焼成する。窯業製品は、金属
銀、または、酸化銀、塩化銀等の銀化合物と、ケイ酸ア
窯業製品の内部に混入形成されてなる 【効果】 抗菌防カビ性を有する金属銀または銀化合物
は耐火材により窯業製品に保持されので、抗菌防カビ性
を長期間にわたって持続できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗菌性、防カビ性を付
与する窯業製品の製造方法と窯業製品に係り、特に、窯
業製品として、陶磁器製品、琺瑯製品、ガラス製品を用
いる窯業製品の製造方法と窯業製品に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維、プラスチックを中心とした
有機物や、無機物を用いた抗菌防カビ材が知られてい
る。有機物では、イミダゾール系、第4級アンモニウム
系、グアニジン誘導体等を用いた抗菌防カビ材が用いら
れている。無機物では、銀、銅、亜鉛をゼオライト、リ
ン酸塩の担体に、イオン交換、吸着させたものが抗菌防
カビ材として用いられている。
【0003】ところで、窯業製品として陶磁器製品ある
いは琺瑯製品を用い、これらに抗菌、防カビ処理を行う
には、これらの薬剤を塗料と混合し、これを塗布する方
法が採用されている。また、窯業製品としてガラス製品
を用い、これに抗菌、防カビ処理を行うには、銀イオン
を含有するとともに、水に溶解する溶解性ガラスを、繊
維あるいはプラスチックに混入して処理される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、窯業製
品として陶磁器製品あるいは琺瑯製品を用い、これらに
抗菌、防カビ処理を行うには、以下の問題があった。前
述の抗菌防カビ性の薬剤を塗布する方法では、塗布膜の
耐久性、あるいは、強度に限界があり、抗菌防カビ性の
効果が長期的に持続しないという問題があった。これを
改善する方法として、抗菌防カビ性の薬剤を陶磁器製品
あるいは琺瑯製品の表面の釉薬に、これらの焼成と同時
に固定する方法が考えられる。
【0005】しかしながら、有機系薬剤を用いる方法で
は、これを釉薬に固定するときに、高温により分解する
ため、その効力を消失するという問題があった。また、
無機系薬剤を用いる方法にあっても、分解あるいは釉薬
との反応により、有効な成分の拡散あるいは失活が起こ
るという問題があった。
【0006】また、窯業製品としてガラス製品を用い、
これに抗菌、防カビ処理を行うには、以下の問題があっ
た。前述の溶解性ガラスは、ガラス自体が水に溶解する
ため、広く利用される非溶解性の一般ガラス製品に使用
することはできなかった。このため、一般ガラス製品
に、抗菌、防カビ性の薬剤を塗布する等の後処理が考え
られるが、この方法では、薬剤と一般ガラス製品とが一
体化していないため、一般ガラス製品に耐久性が期待で
きない。
【0007】本発明は前記課題を有効に解決するもの
で、抗菌防カビ性を長期間にわたって持続させることが
可能な窯業製品の製造方法と窯業製品を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の窯業製品の製造
方法は、金属銀、または、酸化銀、塩化銀等の銀化合物
と、ケイ酸アルミニウム質等の耐火材とを有する混合物
層を、窯業製品上に形成させ、または、窯業製品の内部
に混入形成させ、その後、この窯業製品の焼成温度で焼
成するものである。また、本発明の窯業製品は、金属
銀、または、酸化銀、塩化銀等の銀化合物と、ケイ酸ア
ルミニウム質等の耐火材とを有する混合物層が、窯業製
品上に形成され、または、窯業製品の内部に混入形成さ
れてなるものである。前記銀化合物として、酸化銀、塩
化銀、硝酸銀、リン酸銀、弗化銀、炭酸銀、ヨウ化銀、
硫酸銀、有機酸銀の中から少なくとも一種を選択しても
よい。また、前記耐火材として、粘土質、蝋石質、ダイ
アスポア質、ボーキサイト質、ケイ酸アルミニウム質の
中から少なくとも一種を選択してもよい。前記窯業製品
として、陶磁器製品を用い、この陶磁器製品の釉薬上、
または内部に前記混合物層を混入形成させてもよい。前
記混合物層は、弗化カルシウム、あるいはフリット等の
フラックス材を有してもよい。前記陶磁器製品として、
便器、洗面器、タイル、手洗い器、バスタブ、食器類を
もちいてもよい。ここで、食器類として、茶碗、コーヒ
ーカップ、皿等が挙げられる。また、前記陶磁器製品の
替わりに、琺瑯製品を用いてもよい。さらに、前記窯業
製品として、ガラス製品を用いてもよい。このガラス製
品を、熱処理により、結晶化ガラス製品としてもよい。
【0009】また、窯業製品として、ガラス製品を用
い、このガラス製品の上、または内部に混合物層を混入
形成してもよい。さらに、混合物層は、リン酸塩化合物
を含有させてもよい。このリン酸塩化合物として、リン
酸塩ナトリウム、ヒドロキシアパタイト、フッ素アパタ
イト、リン酸3カルシウムのいずれか一種、または混合
物を用いてもよい。さらに、前記混合物層の耐火材とし
て、ケイ酸アルミニウム質、ケイ酸カルシウム質、アル
ミナ質、ジルコン質、チタン質の少なくとも一種、また
は、これらの混合物を用いてもよい。
【0010】次に、本発明の窯業製品として、陶磁器製
品、あるいは琺瑯製品を用いる実施例について詳細に説
明する。まず、金属銀、または、酸化銀、塩化銀、硝酸
銀、リン酸銀、弗化銀、ヨウ化銀、炭酸銀、硫酸銀、有
機酸銀の少なくとも一種の銀化合物を抗菌成分とし、こ
れに耐火材とフラックス材とを配合する。ここで、銀化
合物の配合量は、0.1〜50重量%が好ましい。これ
より少ないと、充分な抗菌防カビ効果が得られず、ま
た、これより多くても、より一層の抗菌防カビの効果は
得られない。残分である耐火材とフラックス材との配合
割合は、窯業製品(陶磁器製品あるいは琺瑯製品)の焼
成温度によって決定するものである。ここでは、耐火材
とフラックス材との配合割合は特に限定するものでな
い。そして、窯業製品の焼成温度が高いほど、耐火材の
配合割合を増加させるのが好ましく、窯業製品の焼成温
度が低いほど、フラックス材の配合割合を増加させるの
が好ましい。
【0011】これら銀化合物と耐火材とフラックス材と
の混合物を、水とともにボールミルで粉砕し、粒径が3
0μm以下のスラリー状の混合物層とし、これを陶磁器
製品あるいは琺瑯製品の釉薬の層の上に形成せしめるの
が好適である。この混合物層の形成方法としては、スプ
レー掛け、ひたし掛け、はけ塗りが好ましいが、これら
に限定されるものでない。このときの釉薬は、未焼成の
状態でも、焼成されて固化した状態のいづれでもよい。
そして、抗菌防カビ層となる混合物層の厚みは、1〜1
00μmが好適である。この混合物層の厚みを1μmよ
り薄く形成すると、充分な効果が得られず、また、この
混合物層の厚みを100μmより厚く形成すると、焼き
上がりの釉薬の光沢が失われるので好ましくない。
【0012】これらの焼成は、陶磁器製品あるいは琺瑯
製品の焼成温度で焼成する。これにより、抗菌防カビ性
の成分は釉薬の層に固着し、これによって抗菌防カビ性
を有する陶磁器製品あるいは琺瑯製品が製造される。こ
のような陶磁器製品あるいは琺瑯製品は、特に衛生さが
求められる便器、洗面器、タイル、手洗い器、バスタ
ブ、食器類に用いると有益である。
【0013】このような陶磁器製品あるいは琺瑯製品に
おいては、釉薬そのものより、銀化合物がより低温で溶
けることがあるため、釉薬の内部、若しくは底部に銀成
分が沈み込み、実際に菌やカビと接触する銀成分の分布
が各製品の表面から減少することになる。このため、上
記耐火材の成分を銀化合物に配合することにより、銀化
合物の耐火度の向上を可能にしたものである。この耐火
度を向上させることにより、銀化合物は、釉薬内部又は
底部に沈み込むことなく、各製品の表面において抗菌防
カビ性を発揮する。
【0014】これら製品の表面状態では、弗化カルシウ
ムをフラックス材として添加すれば、表面に光沢面が形
成される。このフラックス材は、銀化合物と耐火材との
合量に対して、0.1〜1.0重量%添加する。また、
弗化カルシウムに加え、ガラスフリットを一緒に添加、
又は単独で加えてもよい。この場合、十分な抗菌効果を
発揮させるため、ガラスフリットの添加量は混合物層の
30重量%を超えてはならない。
【0015】また、窯業製品として、ガラス製品を用い
る実施例について詳細に説明する。このガラス製品は、
前述の金属銀または銀化合物と、リン酸塩化合物と、耐
火材とをガラス原料とともに溶融し、これをガラス製品
に成形することにより得られる。また、ガラス製品は、
前記混合物層を、ガラスコップ、板ガラス、結晶化ガラ
ス等のガラス製品の表面にコーティングさせ、または、
ガラス製品の内部に溶融させて混入させることにより得
られる。
【0016】ここで、銀化合物は、オリゴジナミー効果
として、抗菌、防カビ性を有することが知られている。
この銀化合物を単独にガラスとともに溶融すると、抗菌
防カビ性は消失する。この銀化合物として、前述のもの
を用いれば、ガラス原料との混合を容易にすることがで
きる。この銀化合物の添加量は、ガラスに対して、0.
01〜10重量%が好適であり、0.01重量%より少
ないと充分な抗菌性が得られず、10重量%を越えて
も、これ以上の効果は望めない。また、耐火材として、
ガラスに溶解しない、ケイ酸アルミニウム質、ケイ酸カ
ルシウム質、アルミナ質、ジルコン質、チタン質を用い
るのが好適であり、また、ガラス製品に結晶化析出する
ものも好適である。この耐火材の添加量は、ガラスに対
して、0.01〜10重量%が好適であり、0.01重
量%より少ないと充分な抗菌性が得られず、10重量%
を越えると、ガラス本来の性質が損なわれる恐れがあ
る。これら銀化合物、リン酸塩化合物、耐火材をガラス
の原料とともに溶融して、ガラス製品を作製する。さら
に、これに熱処理する一般の結晶化工程を加えることに
より、結晶化ガラス製品を作製できる。
【0017】
【作用】本発明では、抗菌防カビ性を有する銀化合物と
耐火材との混合物層を用いるため、銀化合物を釉薬とと
もに加熱した場合にあっても、銀化合物の抗菌効果が消
失しない。これは、以下のように考えられる。銀化合物
は耐火材により釉薬との化学反応あるいは拡散から守ら
れると考えられる。さらに、フラックス材は所望の釉薬
の面性状を得るために必要と考えられる。すなわち、銀
化合物と耐火材だけでは釉薬の面に凹凸を生じる場合が
あるが、さらに、フラックス材を添加することにより、
所望の面性状に調整することが可能である。この抗菌防
カビ性を有する陶磁器製品あるいは琺瑯製品を、直接肌
に接触する機会が多い便器、洗面器、タイル、手洗い
器、バスタブ、食器類に用いれば、これらを有用に用い
ることができる。
【0018】また、窯業製品としてガラス製品を用い、
このガラス製品として最も汎用性の高いケイ酸塩ガラス
において有効である。このケイ酸塩ガラスに抗菌防カビ
成分である銀イオンを添加しても抗菌防カビ性は発揮さ
れない。これは、銀イオンがケイ酸と強固に結合するた
めと考えられている。ただし、このケイ酸塩ガラスが溶
解性の場合、銀イオンが溶出するため、抗菌防カビ性は
発揮される。しかし、この溶解性ガラスは耐水性に乏し
いため、コップ等の一般のガラス製品として使用するの
が困難である。これに対し、本発明は、耐水性の充分な
一般のガラス製品に対して、抗菌防カビ処理を可能とし
たものであり、溶解性ガラスとは全く異なるものであ
る。すなわち、銀化合物は、リン酸塩化合物および耐火
材とともに、ガラス原料と溶融しても抗菌防カビ性は消
失しない。これらの存在により、銀イオンはケイ酸と結
合しないためと考えられる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。まず、窯
業製品として、陶磁器製品と琺瑯製品とを用いる実施例
について詳細に説明する。 実施例1 便器、手洗い器、洗面器等の衛生陶器(陶磁器製品)の
製造方法 まず、リン酸銀50重量%、粘土49.5重量%、弗化
カルシウム0.5重量%を配合し、これに水を固形分量
と同量添加し、これらをボールミルで混合し、スラリー
状の混合物を得る。その後、これを、未焼成の衛生陶器
の釉薬の表面に厚さ10μmに吹き付け、衛生陶器の釉
薬上に混合物層を形成する。これらを1200℃で焼成
し、抗菌処理を施した衛生陶器を製造する。この衛生陶
器の表面に、105個/mlの大腸菌を載せたところ、
これら大腸菌は24時間後に全て死滅した。
【0020】実施例2 タイルの製造方法 まず、硝酸銀10重量%、ボーキサイト5重量%、フリ
ット85重量%を配合し、これに水を固形分量と同量添
加し、これらをボールミルで混合し、スラリー状の混合
物を得る。その後、これを、焼成済みタイルの釉薬の表
面に厚さ5μmに吹き付け、タイルに混合物層を形成す
る。これらを1000℃で焼成し、抗菌処理を施したタ
イルを製造する。このタイルの表面に、104個/ml
の黒カビを載せて培養したところ、これら黒カビの生育
は全く認められなかった。
【0021】実施例3 琺瑯バスタブの製造方法 まず、酸化銀20重量%、酸化チタン(耐火材)10重
量%、フリット70重量%を配合し、これに水を固形分
量と同量添加し、これらをボールミルに入れて粉砕、混
合し、スラリー状の混合物を得る。その後、これを、焼
成済み琺瑯バスタブの釉薬の表面に厚さ10μmに吹き
付け、琺瑯バスタブに混合物層を形成する。これらを9
00℃で焼成し、抗菌処理を施した琺瑯バスタブを製造
する。この琺瑯バスタブの表面に、105個/mlの黄
色ブドウ球菌を載せて培養したところ、これら黄色ブド
ウ球菌は24時間後全て死滅した。
【0022】このような結果から、酸化銀、塩化銀、硝
酸銀、リン酸銀、弗化銀、ヨウ化銀、硫酸銀、炭酸銀、
有機酸銀の中から選ばれた少なくとも一種の銀化合物
と、粘土質、蝋石質、ダイアスポア質、ボーキサイト
質、ケイ酸アルミニウム質等の耐火材との混合物層を、
陶磁器製品あるいは琺瑯製品の釉薬上に形成させ、また
は、釉薬の内部に混入形成させ、その後、この陶磁器製
品あるいは琺瑯製品の焼成温度で焼成するので、銀化合
物は、耐火材により、陶磁器製品あるいは琺瑯製品との
化学反応や拡散するのが防止され、銀化合物による抗菌
防カビ性を長期間にわたって持続させることができる。
さらに、混合物層にフラックス材を含有させれば、陶磁
器製品あるいは琺瑯製品を所望の面性状に調整すること
ができる。陶磁器製品あるいは琺瑯製品として、便器、
洗面器、タイル、手洗い器、バスタブ、食器類を用いれ
ば、これらの衛生性を向上させることができる。
【0023】次に、窯業製品として、ガラス製品を用い
る実施例について説明する。 実施例4 板ガラスの製造方法 ソーダ石灰質のガラス原料に、硝酸銀1重量%、リン酸
ナトリウム2重量%、アルミナ3重量%を添加し、これ
らを1450℃で溶融する。これを板ガラスに成形す
る。
【0024】実施例5 繊維ガラスの製造方法 Eガラス原料に、リン酸銀0.5重量%、カオリン5重
量%を添加し、これらを1450℃で溶融する。これを
ダイレクトメルト法により、繊維ガラスを成形する。
【0025】実施例6 ガラス容器の製造方法 ホウケイ酸ガラス(パイレックス)質の原料に、フッ化
銀1重量%、ジルコン0.5重量%を添加し、これらを
1450℃で溶融する。これをガラス容器に成形する。
【0026】実施例7 結晶化ガラス板の製造 ケイ酸カルシウム質の結晶化ガラス原料に、塩化銀3重
量%、酸化チタン0.5重量%添加し、これらを150
0℃で溶融する。この溶融物を粉砕し、その粉末をプレ
スにより板状に成形する。この成形体を800℃に加熱
し、結晶化し、結晶化ガラス板とする。
【0027】これら各実施例4〜7について、抗菌、防
カビ性の評価試験を行う。 抗菌性の評価試験 実施例4〜7の各ガラス製品を約1mmの粒径に粉砕
し、これらについて、抗菌力を繊維製品衛生加工協議会
シェークフラスコ法に準拠して評価する。この評価結果
を、表1に示す。この表1中、各実施例4〜7の減菌率
を示す。
【0028】
【表1】 この表中、減菌率は、下式により計算される。 減菌率(%)={(初期生菌数−試験後の生菌数)/初
期生菌数}×100 この表から明らかなように、各ガラス製品は、良好な抗
菌性を示した。
【0029】カビ抵抗性の評価試験 実施例4〜7の各ガラス製品のカビ抵抗性を、JIS-Z-29
11-1976に準拠し、試験する。その結果、各実施例4〜
7すべてにおいて、カビの発生は認められなかった。こ
れら抗菌、カビ抵抗性の評価試験結果から、各実施例4
〜7のガラス製品は、高い抗菌性と、高い防カビ性を有
することが明らかになった。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
金属銀または銀化合物と耐火材との混合物層を窯業製品
上に形成させ、または、その内部に形成させ、その後、
この窯業製品の焼成温度で焼成するので、金属銀または
銀化合物は、耐火材により、窯業製品との化学反応や拡
散するのが防止され、金属銀または銀化合物による抗菌
防カビ性を長期間にわたって持続することができる。さ
らに、混合物層にフラックス材を含有させれば、窯業製
品を所望の面性状に調整することができる。このため、
抗菌防カビ性を長期間にわたって持続させるとともに、
所望の形状に形成可能な窯業製品を得ることができる。
窯業製品として、陶磁器製品、琺瑯製品、あるいはガラ
ス製品に用いれば、これらの衛生性を向上させることが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯島 智彦 千葉県船橋市豊富町585番地 住友セメン ト株式会社中央研究所内

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属銀、または、酸化銀、塩化銀等の銀
    化合物と、ケイ酸アルミニウム質等の耐火材とを有する
    混合物層を、窯業製品上に形成させ、または、窯業製品
    の内部に混入形成させ、その後、この窯業製品の焼成温
    度で焼成することを特徴とする窯業製品の製造方法。
  2. 【請求項2】 金属銀、または、酸化銀、塩化銀等の銀
    化合物と、ケイ酸アルミニウム質等の耐火材とを有する
    混合物層が、窯業製品上に形成され、または、窯業製品
    の内部に混入形成されてなる窯業製品。
  3. 【請求項3】 金属銀、または、酸化銀、塩化銀、硝酸
    銀、リン酸銀、弗化銀、炭酸銀、ヨウ化銀、硫酸銀、有
    機酸銀の中から選ばれた少なくとも一種の銀化合物と、
    粘土質、蝋石質、ダイアスポア質、ボーキサイト質、ケ
    イ酸アルミニウム質等の耐火材とを有する混合物層を、
    陶磁器製品の釉薬上に形成させ、または、陶磁器製品の
    釉薬の内部に混入形成させ、その後、この陶磁器製品の
    焼成温度で焼成することを特徴とする窯業製品の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記混合物層は、弗化カルシウム、ある
    いはフリット等のフラックス材を含有する請求項1また
    は3記載の窯業製品の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記陶磁器製品が、便器、洗面器、タイ
    ル、手洗い器、バスタブ、食器類であることを特徴とす
    る請求項3、または4記載の窯業製品の製造方法。
  6. 【請求項6】 金属銀、または、酸化銀、塩化銀、硝酸
    銀、リン酸銀、弗化銀、炭酸銀、ヨウ化銀、硫酸銀、有
    機酸銀の中から選ばれた少なくとも一種の銀化合物と、
    粘土質、蝋石質、ダイアスポア質、ボーキサイト質、ケ
    イ酸アルミニウム質等の耐火材とを有する混合物層が、
    陶磁器製品の釉薬上に形成され、または、陶磁器製品の
    釉薬の内部に混入形成されてなる窯業製品。
  7. 【請求項7】 前記混合物層は、弗化カルシウム、ある
    いはフリット等のフラックス材を有する請求項2、また
    は6記載の窯業製品。
  8. 【請求項8】 前記陶磁器製品が、便器、洗面器、タイ
    ル、手洗い器、バスタブ、食器類であることを特徴とす
    る請求項6、または7記載の窯業製品。
  9. 【請求項9】 前記陶磁器製品の替わりに、琺瑯製品を
    用いることを特徴とする請求項3記載の窯業製品の製造
    方法。
  10. 【請求項10】 前記混合物層は、弗化カルシウム、あ
    るいはフリット等のフラックス材を有する請求項9記載
    の窯業製品の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記琺瑯製品が、便器、洗面器、タイ
    ル、手洗い器、バスタブ、食器類であることを特徴とす
    る請求項9、または10記載の窯業製品の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記陶磁器製品の替わりに、琺瑯製品
    を用いることを特徴とする請求項6記載の窯業製品。
  13. 【請求項13】 前記混合物層は、弗化カルシウム、あ
    るいはフリット等のフラックス材を有する請求項12記
    載の窯業製品。
  14. 【請求項14】 前記琺瑯製品が、便器、洗面器、タイ
    ル、手洗い器、バスタブ、食器類であることを特徴とす
    る請求項12、または13記載の窯業製品。
  15. 【請求項15】 金属銀、または、酸化銀、塩化銀等の
    銀化合物と、ケイ酸アルミニウム質等の耐火材とを有す
    る混合物層を、ガラス製品上に形成させ、または、ガラ
    ス製品の内部に混入形成させ、その後、このガラス製品
    の形成温度で焼成することを特徴とする請求項1記載の
    窯業製品の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記ガラス製品を、熱処理により、結
    晶化ガラス製品としたことを特徴とする請求項15記載
    の窯業製品の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記混合物層は、リン酸塩化合物を含
    み、この混合物層が、ガラス製品の上に形成され、また
    は、ガラス製品の内部に混入形成されてなる請求項2記
    載の窯業製品。
  18. 【請求項18】 前記リン酸塩化合物は、リン酸塩ナト
    リウム、ヒドロキシアパタイト、フッ素アパタイト、リ
    ン酸3カルシウムのいずれか一種、または混合物である
    ことを特徴とする請求項17記載の窯業製品。
  19. 【請求項19】 前記混合物層の耐火材は、ケイ酸アル
    ミニウム質、ケイ酸カルシウム質、アルミナ質、ジルコ
    ン質、チタン質のいずれか一種、または混合物であるこ
    とを特徴とする請求項2または17記載の窯業製品。
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