JPH07195916A - 高速重荷重用ラジアルタイヤ及びその加硫金型 - Google Patents

高速重荷重用ラジアルタイヤ及びその加硫金型

Info

Publication number
JPH07195916A
JPH07195916A JP5350695A JP35069593A JPH07195916A JP H07195916 A JPH07195916 A JP H07195916A JP 5350695 A JP5350695 A JP 5350695A JP 35069593 A JP35069593 A JP 35069593A JP H07195916 A JPH07195916 A JP H07195916A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bead
tire
rim
mold
base surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP5350695A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2774766B2 (ja
Inventor
Kiyoshi Kamiyoko
清志 上横
Yasuyoshi Mizukoshi
康嘉 水越
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP5350695A priority Critical patent/JP2774766B2/ja
Publication of JPH07195916A publication Critical patent/JPH07195916A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2774766B2 publication Critical patent/JP2774766B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Tires In General (AREA)
  • Heating, Cooling, Or Curing Plastics Or The Like In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】高速重荷重用ラジアルタイヤとして好適に使用
でき、耐リムずれ性能を維持しつつビード耐久性を向上
しうる。 【構成】タイヤ1のビード部3は、リムベース面31に
支持されるビードベース面21と、このビードベース面
21に円弧状のビードヒール面22を介して連なるビー
ド外側面23とを具える。タイヤのリム組み前にタイヤ
赤道を垂直とした基準状態において、前記ビード外側面
23は、前記ビードヒール面22のタイヤ軸方向最外点
を通る半径方向線Lよりタイヤ軸方向内側に窪む凹部2
5を有する。前記ビードベース面22は、軸方向線に対
する傾斜角α1を、前記リムベース面の傾斜角α2の
1.2〜3.0倍とした傾斜面部分を具える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、航空機用タイヤとして
好適に使用でき、耐リムずれ性能を維持しつつビード耐
久性を向上しうる高速重荷重用ラジアルタイヤ及びその
加硫金型に関する。
【0002】
【従来の技術】高荷重、高速条件で使用されるタイヤ、
例えば航空機用のラジアルタイヤでは、高内圧、高荷
重、高速しかも30%以上大きく撓む条件下で使用され
るため、他の分野のタイヤに比べ、ビード部での高い構
造耐久性が要求される。
【0003】従来、この構造耐久性を向上させるため、
硬質ゴム及び繊維コード層を用いてビード部を補強し、
その剛性を高めて屈曲による歪を減少し、さらに図7に
示すように、リムフランジrfとの接触部及びリムベー
スrbとの接触部に大なるしめ代部分F,Bを夫々生じ
させ、リムとの嵌合を高めることによりリムずれに基づ
くリムチエーフィングを防止していた。
【0004】しかしながら、前記手段では、通常走行を
想定した標準荷重負荷状態においてある程度ビード耐久
性を向上しうるとはいえ、例えば複輪使用時に片側のタ
イヤがパンクした際などにおいて残る側のタイヤに異状
荷重が作用することを想定した200%標準荷重の負荷
状態(200%負荷状態)においては、ビード耐久性が
不充分となることが判明した。
【0005】この原因としては、200%標準荷重のご
とき、大荷重下においては、前述のビード剛性の向上で
は、ビード変形量を低減しえず、 前記フランジrfとのしめ代部分Fからその上方部
分にかけての領域においてビード変形時、カーカスのア
ウタープライaに強い圧縮応力が作用し、従来のルース
(コードとゴム又はゴムとゴムとの間の剥離)に加え、
コードにキンクを生じさせるなどアウタープライaのコ
ード強力を著しく低下し、コード破断、タイヤのバース
ト等を誘発させること、 前記大荷重により、ビードコアbの中心下でのリム
ベースrbとの接触圧が過大となりここを起点としてル
ースが発生すること、及び 前記剛性増加の手段では、逆にビード発熱の上昇を
招き前記コードのキンク及びルースの発生及び進行を促
進させること、等が推測される。
【0006】さらに本発明者がビード損傷の原因につい
て研究を押し進めた結果、前記フランジrfとのしめ代
部分Fの形成が、アウタープライaに作用する圧縮応力
をさらに増加しキンクの発生を助長すること、及びリム
ベースrbとのしめ代部分Bの形成がリムベースとの接
触圧の増加に大きく関与することを究明でき、これらし
め代によるリムとの嵌合を改善することにより前記ビー
ド耐久性を向上しうることを見出し得た。
【0007】すなわち本発明は、ビード外側面にタイヤ
軸方向内側にくぼむ凹部を形成しかつビードベース面の
傾斜角α1をリムベース面の傾斜角α2より大とするこ
とを基本として、耐リムずれ効果を維持しつつビード耐
久性を向上しうる高速重荷重用ラジアルタイヤ及びその
加硫金型の提供を目的としている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記目的を達成するた
めに、本願の第1の発明は、トレッド部と、その両端か
ら半径方向内方にのびるサイドウオール部と、各サイド
ウオール部の内方端に配されかつリムに支持されるビー
ド部とを具えるタイヤであって、前記ビード部は、前記
リムのリムベース面に支持されるビードベース面と、こ
のビードベース面のタイヤ軸方向外端に円弧状のビード
ヒール面を介して連なって半径方向外方にのびかつ前記
リムのフランジ面に支持されるビード外側面とを具える
とともに、タイヤのリム組み前にタイヤ赤道を垂直とし
た基準状態において、前記ビード外側面は、前記ビード
ヒール面のタイヤ軸方向最外点を通る半径方向線Lより
タイヤ軸方向内側に窪む凹部を有するとともに、前記ビ
ードベース面は、タイヤ軸と平行な軸方向線に対してリ
ムベース面と同じ方向に傾きかつ軸方向線に対する傾斜
角α1を、前記リムベース面が軸方向線に対してなす傾
斜角α2の1.2〜3.0倍とした傾斜面部分を具える
ことを特徴とする高速重荷重用ラジアルタイヤである。
又第2の発明は、前記高速重荷重用ラジアルタイヤ形成
用の加硫金型である。
【0009】
【作用】タイヤのビード外側面に凹部を形成している。
従って、リム組時、フランジ面との締め代部分が除去さ
れ、リム嵌合自体により発生する圧縮応力を減ずる一
方、ビード変形時にアウタープライに作用する圧縮応力
を広範囲に分散・緩和でき、これらの相乗効果によって
ルースを防ぎかつコードキンクを抑制する。又凹部の形
成によりビード部のゴムボリュームが低減し、ビード発
熱が抑制されることにより前記効果をさらに向上しう
る。
【0010】又前記締め代部の除去によるリムとの嵌合
力の低下を防止するため、ビードベース部の傾斜角度α
1をリムベース面の傾斜角度α2の1.2〜3.0倍と
している。このことによりリムずれを確実に防止しうる
とともに、ビードコアのコア中心下でのリムとの接触圧
力を低減でき、前記フランジ面との締め代部分の除去と
ともにビード耐久性を大巾に向上しうる。
【0011】
【実施例】以下本発明の一実施例をタイヤサイズ46×
17R20の航空機用タイヤの場合を例にとり、図面に
基づき説明する。
【0012】図1は、リムRに装着されかつ正規内圧を
付加した正規内圧状態におけるタイヤ断面を示す。
【0013】なお航空機用タイヤのリムRは、図3に示
すように、タイヤのビード部3を締りばめ保持するよう
に5度又は15度、通常5度の角度を有したテーパリム
であって、タイヤ軸と平行な軸方向線に対して5度であ
る傾斜角度α2を有してタイヤ軸方向にのびるリムベー
ス面31と、このリムベース面31のタイヤ軸方向の外
端点31eに滑らかに連なるとともに凹円弧でタイヤ軸
方向外方かつ半径方向外方にのびるリムヒール面32
と、該リムヒール面32の上端から立上がるフランジ面
33とを有する。又前記フランジ面33は、リムヒール
面32から半径方向線に沿って半径方向外方に垂直にの
びる基部33Aと、その外端から凸円弧状にタイヤ軸方
向外側に向かって湾曲する湾曲部33Bとを具え、前記
リムベース外端点31eまでの直径Dをもってリム公称
径をなす。
【0014】又高速重荷重用ラジアルタイヤ1(以下タ
イヤ1という)は、前記リムRに嵌合するビード部3
と、該ビード部3に連なりかつタイヤ半径方向外向きに
のびるサイドウォール部4と、その外端間を継ぐトレッ
ド部5とを具えている。
【0015】さらにタイヤ1には、ビード部3のビード
コア2を、タイヤの内側から外側に折返す複数枚、例え
ば4枚のインナープライからなる内層7Aと、この内層
7Aの折返し部71を囲みタイヤの外側から内側に巻下
す複数枚、例えば2枚のアウタープライからなる外層7
Bとを有するカーカス7が設けられる。
【0016】前記内層7Aは、サイドウォール部4、ト
レッド5部を通るトロイド状の本体部70両端に、ビー
ドコア2をタイヤ内側から外側に折返す折返し部71を
有し、又外層7Bはトロイド状の本体部73にビードコ
ア2の外から内に巻下ろした巻下ろし部74を具える。
【0017】インナープライ及びアウタープライは本例
では有機繊維コードからなるカーカスコードを用いてお
り、該カーカスコードはタイヤ赤道に対して70度〜9
0度、例えば85度の傾きを有するラジアル方向に配置
されるとともに、本例ではカーカス7は、隣り合うカー
カスプライ間において、夫々カーカスコードが円周方向
に対して交互に交叉して傾いている。なお有機繊維コー
ドとして、レーヨン、ポリエステル、ビニロン、ナイロ
ン、芳香族ポリアミド等を用いうる。
【0018】又前記カーカス7の内層7Aの本体部70
と折返し部71との間にはビードコア2から半径方向外
向きにのびる先細状のビードエーペックスゴム9が配さ
れる。又ビード部3には、カーカス7の外層7Bの本体
部73に、その外側面に沿って半径方向の内外にのびる
小厚さのサイドパッキングゴム15が側設される。
【0019】サイドパッキングゴム15は、本例では最
大厚さを有する中央部分の上下に、その厚さを漸減させ
た先細状の上部分、下部分を夫々延設した略三日月状を
なす。
【0020】なお前記最大厚さは、5mm程度とすること
が好ましく、又サイドパッキングゴム15は、前記リム
フランジ面33の半径方向の最外端近傍に前記中央部分
を位置して配されるとともに、下方部は、前記ビードコ
ア2の上縁高さ位置を半径方向内方にこえて途切れる。
又サイドパッキングゴム15の下方部とカーカスとの間
には、外層7Bの前記巻下ろし部74下面に沿う補強フ
ィラ16が介在し、外層7Bを保護している。
【0021】なお前記ビードエーペックスゴム9及びサ
イドパッキングゴム15の100%モジュラスは、夫々
20〜60kgf/cm2 かつ前記サイドパッキングゴム1
5を覆うビード部3のチェーファゴム16の100%モ
ジュラスは10〜45kgf/cm2 とすることが好まし
く、このことによりビード変形を広範囲に分散しうる。
さらに、ビードエーペックスゴム9及びサイドパッキン
グゴム15の損失弾性率は夫々1〜20kgf/cm2 かつ
チェーファゴム16の損失弾性率は1〜15kgf/cm2
とすることが好ましく、このことによりビード部での発
熱性を低減しうる。
【0022】又ビード部3には、前記リムRのリムベー
ス面31に支持されるビードベース面21と、このビー
ドベース面21のタイヤ軸方向の外端点21eに連なる
円弧状のビードヒール面22と、該ビードヒール面22
から半径方向外方にのびかつ前記フランジ面33に支持
されるビード外側面23とを具える。
【0023】そしてタイヤ1は、リム組み前において、
ビード部3の形状を下記のごとく規制している。
【0024】すなわち、図2に示すように、リム組み前
にタイヤ赤道を垂直に向けたタイヤの基準状態におい
て、ビード部3は、ビード外側面23に、前記ビードヒ
ール面22のタイヤ軸方向最外点22eを通る半径方向
線Lよりもタイヤ軸方向内側に窪む凹部25を形成して
いる。
【0025】なお前記リムRのリムヒール面32のタイ
ヤ軸方向最外点32eは、前記半径方向線L上に位置す
る。
【0026】従って前記凹部25の形成によって、フラ
ンジ面33とのしめ代部分が除去もしくは大巾に低減さ
れる。このしめ代部分の除去等は、リム組自体により発
生する圧縮応力を減ずる他、ビード変形時にアウタープ
ライに作用する圧縮応力を広範囲に分散・緩和せしめる
効果があり、これらに相乗効果によってルースを防ぎか
つコードキングを抑制する。又凹部25は、カーカス7
とビード外側面23との間のゴム厚さTを減じビード温
度を低減するのに役立ち、前記効果をさらに高めうる。
なお図4に前記凹部25の前記半径方向線Lとの開き角
度θと、ビード温度との関係が示されており、開き角度
θが0度に近付くにつれてビード温度が上昇し、損傷を
生じやすくなる。前記開き角度θは、好ましくは、5度
以下であって、より好ましくは1.0〜5.0度の範囲
である。なお5.0度より大の時ビード外側面23とフ
ランジ面33とのすき間が過大となりリムずれに基づく
チェーフィングを誘発し、逆に0度より大の時ビード温
度を大巾に高めかつ圧縮応力を増大させる。
【0027】又凹部25による前記ビード温度の抑制
は、前記半径方向線Lからビードコア2の中心2Aまで
のタイヤ軸方向の距離BCを従来タイヤに比して増加す
るのに役立ち、この距離BCの増加は、図5に示すよう
に、アウタープライのコード強力低下を抑制するのを保
障する。すなわち、前記距離BCを増加、すなわちビー
ドコア2をタイヤ軸方向内方に移行させることにより、
カーカス7のビード部3でのプロファイルは、前記半径
方向線Lに対して深い角度の輪郭形状となり、カーカス
7の変形量を減じ、カーカスコードの疲労に伴う強力低
下を防止うる。
【0028】なお図4、5は、米国航空局規格TSOー
C62dの離陸テストに準じた、高速走行テストを20
0%負荷状態のもとで行った時の結果であって、図5に
示すごとく前記距離BCが、前記半径方向線Lからビー
ド部2のタイヤ軸方向内端のトウPまでの距離であるビ
ード底巾BWの04倍以上の時カーカスコードの強力を
85%以上に維持しうる。従ってより好ましくは距離B
Wの05倍以上、さらに好ましくは0.6倍以上であ
り、又0.7倍より大の時、前記凹部25を形成した場
合にもゴム厚さTが過大となり、ビード温度上昇による
損傷を招きやすくなる。
【0029】さらに前記ビード部3は、前記ビードベー
ス面21を、タイヤ軸と平行な軸方向線に対して、前記
リムベース面31と同じ方向、即ちタイヤ軸方向内側に
向かって半径方向内方に傾斜する傾斜面部21A、及び
この傾斜面部21Aに連なりかつタイヤ軸方向内側に向
かって半径方向外方に傾斜してのびるトウ側傾斜面部分
21Bで形成している。
【0030】又前記傾斜面部21Aの軸方向線に対する
傾斜角度α1を、リムベース面31の前記傾斜角度α2
の1.2〜3.0倍の範囲で高めている。このことによ
りリムベース31との間の締め代をヒール側で小かつト
ウ側で大に設定することができ、リムRとの嵌合力を維
持しながら、ビードコア2のコア中心下でのリムベース
との接触圧を低減し、コア中心下でのルースの発生を抑
制する。なお傾斜角度α1を前記範囲で高めることは、
前記中心下でのゴム圧縮量自体を減じる効果に加え、前
記圧縮量が一定の場合であっても、200%負荷状態に
おいては、前記中心下での接触圧を減ずる効果を発揮し
うる。
【0031】これはヒール側の締め代が大きい場合に
は、200%負荷状態において、トウが浮き上がる方向
に変形しコア中心下での接触圧を著増させるからであ
り、逆にヒール側の締め代を減ずることにより、コア中
心下での接触圧を低減しうるのである。
【0032】又前記傾斜角度α1が角度α2の1.2倍
より小の時、ヒール側の締め代が大となり、前記コア中
心下での接触圧の低減効果を不十分とするなどヒール側
にルースを誘発するとともにリムずれ等を招く。逆に角
度α2の3.0倍より大の時、逆にトウ側を起点として
ルースを誘発し、またリムの着脱性を大巾に低下する。
従って好ましくは傾斜角度α1は角度α2の1.2〜
2.0倍の範囲である。
【0033】なおこのことは、表1の仕様に基づくタイ
ヤのテスト結果によって確認することができる。該テス
トは、試供タイヤ(サイズ:46×17R20)に前記
規格TSO−C62dに準じた離陸テストを、規格内圧
(15.6kg/cm2 )、200%規格荷重(20870
kg×2倍)、規格速度(362km/h)のもとで実施し
たものである。又各試供タイヤは、ビードベース面21
におけるコア中心下での直径BRDを、半径方向線Lか
ら前記距離BCと等距離をタイヤ軸方向に隔てるリムベ
ース面31上の点での直径RDの0.99倍(一定)、
すなわちコア中心下でのしめ代が直径RDの1%(一
定)として前記ビードベース面21の傾斜角度α1のみ
を変化している。又「リムずれ性」は、テスト走行前後
におけるタイヤ/リム間の周方向のずれ量を測定したも
のである。「リム脱着性」は、リム組した内圧0のタイ
ヤをリム脱着機を用いて20〜30mm/秒の速度でおさ
えつけ、タイヤがリムベース面31から外れるまでの時
間を指数表示している。指数が小な方が優れている。
【0034】「ビードベース変形」は、テスト走行後、
リムから脱されたタイヤのビードベース面の変形状態を
目視比較したものである。
【0035】
【表1】
【0036】又前記傾斜角度α1を高めることにより、
トウ側でのビード径が減じリムRとの脱着性を損ねる傾
向にあり、従ってそのために、トウ側傾斜面部21Bを
形成することによりリム組性を維持している。なおトウ
側傾斜面部21Bの軸方向線との角度βは0〜10度で
あって、0度より小の時リム組性の向上効果を十分発揮
できず、又10度より大の時、加硫成形に際し、ビード
ベースでのゴム流れが不良となり、ベアーを発生しやす
い。従って好ましくは前記角度βは0〜5度の範囲とす
る。
【0037】なおこのことは、表2の仕様に基づくタイ
ヤのテスト結果によって確認できる。「リム脱着性」は
前記表1に記載したものと同様のリム脱着テストを行っ
た時のリム外れまでの時間を指数表示したものであり、
加硫後のビードベースのゴム流れ不良は、目視によって
判断している。
【0038】
【表2】
【0039】又本例では、タイヤ1は、前記トウ側傾斜
面部21Bのタイヤ軸方向外端の前記半径方向線Lから
の距離BQWを、前記ビード底巾BWの0.7〜0.8
倍とするとともに、前記ビード底巾BWを、トレッド巾
TWの0.075〜0.15としている。なお前記距離
BQWが0.7BWより小の時、リムベース面との接触
面積が過小となり、リムのシール性能が劣るとともにリ
ムずれを招きビード温度を上昇させる。逆に0.8BW
より大の時リムの脱着性を低下させる。又ビード底巾B
Wが0.075TWより小の時、ビードコアの強力が低
下し、0.15TWより大の時リムとの脱着性を低下さ
せる。
【0040】又前記ビード部3は、ビードベース面21
におけるコア中心下での前記直径BRDを前記リムRに
おけるリムベース面31上の前記直径RDの0.96〜
1.0倍としている。すなわちコア中心下における締め
代をコア中心下でのリムの直径RDの4%〜0としてお
り、直径BRDを0.96RDより小の時、締め代が過
大となりリムとの脱着性を損ね、逆に1.0RDより大
の時シール性能を不十分としかつリムずれを誘発すると
ともにビード温度を上昇させる。
【0041】なおトレッド部5には、その内部にカーカ
ス7の半径方向外側に位置してベルト層10が設けら
れ、又本例では、前記ベルト層10と前記カーカス7と
の間には、カットブレーカ14が介在している。
【0042】前記ベルト層10は、複数枚、例えば8枚
のベルトプライからなる。前記カットブレーカ14は、
例えば2層のカットブレーカプライを用いる一方、この
カットブレーカ14は、タイヤ赤道を挟んだ該トレッド
面の中央部では、カーカス7に沿うとともに、その外方
で該カーカス7から徐々に離間してその外端は、タイヤ
全巾の65〜85%程度の位置、好ましくは70〜78
%程度の範囲の位置で終端する。
【0043】さらにベルト層10は、カットブレーカ1
4に接しかつその外端は、カットブレーカ14の外端と
ほぼ整一するとともにタイヤ外表面に沿う斜面で整一す
る。又ベルトプライを形成するベルトコードは、低伸長
性の弾性コードを用い、かつベルトコードはタイヤ赤道
に対して0〜20度の角度、例えば0度で配列するとと
もに前記カットブレーカ14は、ブレーカコードをベル
トコードより大な角度、例えば19度で傾斜している。
なおベルト層10の外面には、耐カット性を高める保護
層18を設けている。
【0044】又前記タイヤ1を成形するために、第2の
発明である加硫金型41を用いる。加硫金型41は、前
記トレッド部5、サイドウォール部4及びビード部3の
各外面に沿うことによりタイヤ外面を成形する金型トレ
ッド面42、金型サイドウォール面43、及び金型ビー
ド面44を具える。
【0045】又金型ビード面44は、前記ビードベース
面21と、ビードヒール面22と、ビード外側面23と
を形成するための金型ビードベース面51、金型ビード
ヒール面52、及び金型ビード外側面53を含む。金型
ビード外側面53は、前記金型ビードヒール面52タイ
ヤ軸方向最外点を通る半径方向線Lよりタイヤ軸方向内
側に膨らむ金型凸部55を有する。
【0046】この金型凸部55は前記ビード部3の凹部
25を形成し、半径方向線Lとの角度θを、0度以上、
好ましくは0〜5度、より好ましくは1〜5度としてい
る。又金型ビードベース面51は、軸方向線に対する傾
斜角α1を前記リムRの傾斜角α2の1.2〜3.0
倍、好ましくは1.2〜2.0倍とした金型傾斜面部5
6を有し、この面部56がビード部3の傾斜面部21A
を形成する。又金型傾斜面部56のタイヤ軸方向内側に
は、軸方向線に対して0〜10度、好ましくは0〜5度
の傾斜角度βをなし、タイヤ軸方向に平行又はタイヤ軸
方向内側に向かって半径方向外方に傾斜する金型トウ側
傾斜面部分57が設けられ、ビード部3のトウ側傾斜面
部分21Bを形成する。
【0047】
【発明の効果】本発明の高速重荷重用ラジアルタイヤ及
びその加硫金型は、叙上の如く構成しているため、耐リ
ムずれ性能を維持しつつ標準荷重負荷状態及びそれ以上
の荷重負荷状態においてもビード耐久性を大巾に向上し
うる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の一実施例を示すタイヤの断面図で
ある。
【図2】ビード部を拡大して示す部分断面図である。
【図3】リムを拡大して示す部分断面図である。
【図4】凹部の開き角度θとビード温度との関係を示す
線図である。
【図5】コア中心の距離BCとコード強力との関係を示
す線図である。
【図6】第2の発明の一実施例を示す加硫金型の断面図
である。
【図7】従来技術を説明する線図である。
【符号の説明】
3 ビード部 4 サイドウォール部 5 トレッド部 21 ビードベース面 21A 傾斜面部分 21B トウ側傾斜面部分 22 ビードヒール面 22e 最外点 23 ビード外側面 25 凹部 31 リムベース面 51 金型ビードベース面 52 金型ビードヒール面 53 金型ビード外側面 55 金型凸部 56 金型傾斜面部分 57 金型トウ側傾斜面部分 R リム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 30:00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トレッド部と、その両端から半径方向内方
    にのびるサイドウオール部と、各サイドウオール部の内
    方端に配されかつリムに支持されるビード部とを具える
    タイヤであって、 前記ビード部は、前記リムのリムベース面に支持される
    ビードベース面と、このビードベース面のタイヤ軸方向
    外端に円弧状のビードヒール面を介して連なって半径方
    向外方にのびかつ前記リムのフランジ面に支持されるビ
    ード外側面とを具えるとともに、タイヤのリム組み前に
    タイヤ赤道を垂直とした基準状態において、前記ビード
    外側面は、前記ビードヒール面のタイヤ軸方向最外点を
    通る半径方向線Lよりタイヤ軸方向内側に窪む凹部を有
    するとともに、 前記ビードベース面は、タイヤ軸と平行な軸方向線に対
    してリムベース面と同じ方向に傾きかつ軸方向線に対す
    る傾斜角α1を、前記リムベース面が軸方向線に対して
    なす傾斜角α2の1.2〜3.0倍とした傾斜面部分を
    具えることを特徴とする高速重荷重用ラジアルタイヤ。
  2. 【請求項2】前記ビード部は、前記傾斜面部分のタイヤ
    軸方向内側に、前記基準状態において、前記軸方向線に
    対して10度以下の傾斜角度βをなし、軸方向線と平
    行、又はタイヤ軸方向内側に向かって半径方向外方に傾
    斜するトウ側傾斜面部分を有することを特徴とする請求
    項1記載の高速重荷重用ラジアルタイヤ。
  3. 【請求項3】トレッド部と、その両端から半径方向内方
    にのびるサイドウオール部と、各サイドウオール部の内
    方端に配されかつリムに支持されるビード部とを具える
    タイヤを成形する加硫金型であって、 前記タイヤのビード部の、前記リムのリムベース面に支
    持されるビードベース面と、このビードベース面のタイ
    ヤ軸方向外端に円弧状のビードヒール面を介して連なっ
    て半径方向外方にのびかつ前記リムのフランジ面に支持
    されるビード外側面とを形成する金型ビードベース面、
    金型ビードヒール面、金型ビード外側面とを具えるとと
    もに、成形するタイヤのタイヤ赤道を垂直とした基準状
    態において、前記金型ビード外側面は、前記金型ビード
    ヒール面のタイヤ軸方向最外点を通る半径方向線Lより
    タイヤ軸方向内側に膨らむ金型凸部を有するとともに、 前記金型ビードベース面は、タイヤ軸と平行な軸方向線
    に対してリムのリムベース面と同じ方向に傾きかつ軸方
    向線に対する傾斜角α1を、前記リムベース面が軸方向
    線に対してなす傾斜角α2の1.2〜3.0倍とした金
    型傾斜面部分を具えることを特徴とする高速重荷重用ラ
    ジアルタイヤ用の加硫金型。
  4. 【請求項4】前記金型傾斜面部分は、そのタイヤ軸方向
    内側に、前記基準状態において、前記軸方向線に対して
    10度以下の傾斜角度βをなしタイヤ軸方向に平行、又
    はタイヤ軸方向内側に向かって半径方向外方に傾斜する
    金型トウ側傾斜面部分を有することを特徴とする請求項
    3記載の高速重荷重用ラジアルタイヤ用の加硫金型。
JP5350695A 1993-12-29 1993-12-29 高速重荷重用ラジアルタイヤ及びその加硫金型 Expired - Lifetime JP2774766B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5350695A JP2774766B2 (ja) 1993-12-29 1993-12-29 高速重荷重用ラジアルタイヤ及びその加硫金型

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5350695A JP2774766B2 (ja) 1993-12-29 1993-12-29 高速重荷重用ラジアルタイヤ及びその加硫金型

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07195916A true JPH07195916A (ja) 1995-08-01
JP2774766B2 JP2774766B2 (ja) 1998-07-09

Family

ID=18412222

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5350695A Expired - Lifetime JP2774766B2 (ja) 1993-12-29 1993-12-29 高速重荷重用ラジアルタイヤ及びその加硫金型

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2774766B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5676777A (en) * 1994-12-09 1997-10-14 Bridgestone Corporation High-speed heavy duty pneumatic radial tires with specified bead section
KR20040018595A (ko) * 2002-08-23 2004-03-04 금호타이어 주식회사 장착성이 양호한 공기입 타이어
CN101823410A (zh) * 2009-03-06 2010-09-08 住友橡胶工业株式会社 载重子午线轮胎

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5676777A (en) * 1994-12-09 1997-10-14 Bridgestone Corporation High-speed heavy duty pneumatic radial tires with specified bead section
KR20040018595A (ko) * 2002-08-23 2004-03-04 금호타이어 주식회사 장착성이 양호한 공기입 타이어
CN101823410A (zh) * 2009-03-06 2010-09-08 住友橡胶工业株式会社 载重子午线轮胎
JP2010228746A (ja) * 2009-03-06 2010-10-14 Sumitomo Rubber Ind Ltd 重荷重用ラジアルタイヤ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2774766B2 (ja) 1998-07-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7152647B2 (en) Pneumatic tire
JP5049050B2 (ja) 重荷重用タイヤ
EP1666277A1 (en) Tire tread contour
JP3437235B2 (ja) 航空機用ラジアルタイヤ
JP4608108B2 (ja) ランフラットタイヤ
US6478064B1 (en) Heavy duty radial tire with chafer height greater than bead apex height
JP2989750B2 (ja) 高速重荷重用ラジアルタイヤ
JP3206886B2 (ja) 空気入りタイヤ
EP0884200B1 (en) Heavy duty pneumatic radial tyres
JP2006312412A (ja) 重荷重用タイヤ
JP2899198B2 (ja) 高速重荷重用タイヤ
EP1110762A2 (en) A pneumaic tyre
EP0698513B1 (en) Pneumatic radial tires
JPH09315112A (ja) 空気入りタイヤ
JP3977817B2 (ja) ランフラットタイヤ
JP3180058B2 (ja) 重荷重用ラジアルタイヤ
JP4305632B2 (ja) 重荷重用空気入りラジアルタイヤ
JP2786804B2 (ja) 高速重荷重用タイヤ
JP2002059716A (ja) 空気入りタイヤ
JPH07195916A (ja) 高速重荷重用ラジアルタイヤ及びその加硫金型
JPH11170807A (ja) 重荷重用タイヤ
JP2786805B2 (ja) 高速重荷重用タイヤ
JPH11342710A (ja) 重荷重用ラジアルタイヤ及びその製造方法
JPS5963207A (ja) 重車両用ラジアルタイヤ
JP3124937B2 (ja) 空気入りタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090424

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090424

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100424

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110424

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120424

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130424

Year of fee payment: 15

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130424

Year of fee payment: 15

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140424

Year of fee payment: 16

EXPY Cancellation because of completion of term