JPH07194972A - 酸化アルミニウム薄膜体及び生理活性物質の固定化体 - Google Patents

酸化アルミニウム薄膜体及び生理活性物質の固定化体

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JPH07194972A
JPH07194972A JP5352082A JP35208293A JPH07194972A JP H07194972 A JPH07194972 A JP H07194972A JP 5352082 A JP5352082 A JP 5352082A JP 35208293 A JP35208293 A JP 35208293A JP H07194972 A JPH07194972 A JP H07194972A
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aluminum oxide
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合
金を陽極酸化して得られる多孔質の酸化アルミニウムの
水分吸着薄膜体を焼成して得た、両面垂直状に貫通する
内径が1μmよりも小さな細孔を多数有するとともに、
微小突起を植毛状に有していたり、前記細孔の内壁に開
口する微細孔を有していたりする、α−アルミナ前駆結
晶化物の粒状組織集合体などからなる、多孔質の酸化ア
ルミニウム薄膜体。及び、この酸化アルミニウム薄膜体
に生理活性物質を固定してなる生理活性物質の固定化
体。 【効果】 吸着活性と耐薬品性に非常に優れた酸化アル
ミニウム薄膜体であり、この酸化アルミニウム薄膜体に
生理活性物質を固定化した固定化体は、生理活性物質の
活性が高く、かつ、経時的な活性低下が少ない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸着活性並びに耐薬品
性に優れた酸化アルミニウム薄膜体及びこの薄膜体の特
性を活用した一例としての生理活性物質の固定化体に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、多孔質の酸化アルミニウムが有す
る吸着活性の活用が種々分野で図られるようになってき
ている。本発明者等も先に提案しているが(特公平3−
73278号公報など参照)、その一例が、酵素、酵素
阻害剤、抗原、抗体、ホルモンなどの生理活性物質を固
定化する担体としての利用である。現在、バイオリアク
タ−、酵素センサ−などとしての応用に大きな期待が寄
せられている。
【0003】多孔質の酸化アルミニウムは陽極酸化技術
を利用して容易に得られる。即ち、アルミニウムやアル
ミニウム合金を、硫酸、クロム酸、りん酸、しゅう酸、
スルホマレイン酸、スルホフマル酸などの脂肪属カルボ
ン酸のスルホン酸に硫酸を添加した混酸、スルホフタル
酸、スルホサルチル酸などの芳香族スルホン酸に硫酸を
添加した混酸の酸性水溶液、あるいは、水酸化ナトリウ
ム、炭酸ナトリウムなどのアルカリ性水溶液で陽極酸化
すると多孔質の酸化皮膜が得られる。よく知られている
ように、この酸化皮膜は染料などに対する吸着活性を有
する。そして、薄膜体は、このような酸化皮膜から得ら
れる。例えば、電解液中で陰極として電気分解を行い、
アルミニウムと酸化皮膜との間に水素ガスを発生させ、
剥離する方法(特公昭53−31883号公報やヨ−ロ
ッパ特許出願公開第178831号明細書など参照)、
アルミニウムやアルミニウム合金を選択的に溶出させて
残存する酸化皮膜を薄膜体とする方法がある。また、箔
を用い、この箔全体を酸化させることによっても得られ
る(特公昭47−44418号公報、特公昭47−45
854号公報、特公平2−254192号公報など参
照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】大きな期待に応じ、ま
た、新たな期待を生むには、吸着活性と耐薬品性により
優れた多孔質の酸化アルミニウム薄膜体であることが求
められる。例えば、生理活性物質を固定しセンサ−とし
て用いる場合には、生理活性物質を多く担持できるほど
好ましい。
【0005】
【課題を解決するための手段】「薄膜体の厚さ方向に延
び薄膜体の両面に開口する多数の細孔と該細孔の内壁も
含めて表面に植毛状に突出する多数の微小突起とを有す
るα−アルミナ前駆熱履歴化物よりなる酸化アルミニウ
ム薄膜体(以下、「薄膜体A」と呼ぶ)。」もしくは
「薄膜体の厚さ方向に延び薄膜体の両面に開口する多数
の細孔と該細孔の内壁に開口する多数の微細孔とを有す
るα−アルミナ前駆結晶化物の粒状組織集合体よりなる
酸化アルミニウム薄膜体(以下、「薄膜体B」と呼
ぶ)。」もしくは「薄膜体の内部で互いに連通し部分的
に薄膜体の厚さ方向に延びる集合孔部を形成する多数の
細孔を有するα−アルミナ質の酸化アルミニウム薄膜体
(以下、「薄膜体C」と呼ぶ)。」とすることによっ
て、吸着活性と耐薬品性により優れたものとなる。
【0006】添付図1乃至図5は、それぞれ、薄膜体と
しては一部のみしか描いてないが、この本発明の薄膜体
A乃至薄膜体Cを模式的に示したものであって、順に説
明する。まず、図1において、薄膜体Aは、厚さ方向
(図面上下方向)に延び両面に開口する多数の細孔1を
有する。同寸法の円柱状に描いてあるが、例えば、それ
ぞれの細孔1で大きさが異なっていてもよいし、また例
えば、両端開口径を異ならせるものであってもよい。更
に例えば、図2に示すように開口側の一端で分岐細孔状
態になっていたり、図3に示すように内部中央で分岐細
孔状態になっていたりしてもよい。しかし、非常に径は
小さく、例えば、0.2μmとか0.4μmといったよ
うにサブミクロンの大きさを有する。あるいは、0.0
05μmというように更に極めて小さな大きさを有す
る。
【0007】薄膜体Aは、この細孔1の内壁も含めて表
面に突出する多数の微小突起2をも有している。高密度
の羽毛状とでもいうか植毛状に突出しているものであ
る。そして、材質的には、α−アルミナ前駆熱履歴化物
よりなる酸化アルミニウムである。酸化アルミニウム結
晶の中で最も熱的に安定なのはα−アルミナであるが、
300℃、400℃、あるいはそれ以上の熱履歴を受け
た酸化アルミニウムは、熱履歴を受けない酸化アルミニ
ウムとこのα−アルミナとの中間物としての構造をとり
得る。「α−アルミナ前駆熱履歴化物」は、α−アルミ
ナになるまでの熱履歴は受けないが、このような熱履歴
を途中段階までとして受けたものの総称として本発明で
は使用しているものであり、X線回折的には熱履歴を受
けない酸化アルミニウムと同様に非晶質となるものと、
γ−アルミナに代表される結晶質、と言ってもα−アル
ミナとは異なるので、本発明では、「α−アルミナ前駆
結晶化物」と呼ぶものとに大別できる。いずれも、性質
的には、熱履歴を受けない酸化アルミニウムと比べて、
耐熱性、耐薬品性の点で優るものである。そして、図1
に示す薄膜体Aは、その内の一つとして、X線回折的に
は非晶質となるものよりなっている。
【0008】次に、図4において、薄膜体Aは、材質的
には、やはり、α−アルミナ前駆熱履歴化物よりなる酸
化アルミニウムであるが、その内の一つとして、α−ア
ルミナ前駆結晶化物よりなる。ここで、前述において
は、「γ−アルミナに代表される」と言ったが、実際、
η−アルミナ、θ−アルミナ、δ−アルミナ、κ−アル
ミナ、σ−アルミナ、χ−アルミナなどもあり、また、
これらの間では本質的差があるのか判明しないものもあ
り、混晶状態になっていたりしてもよい。いずれにして
も、α−アルミナとは、例えば、X線回折によっても明
らかな相違を容易に確認できる。
【0009】ところで、図4に示すものにおいては、細
孔1、微小突起2とともに細孔1の内壁に開口する多数
の微細孔3も有している。即ち、図4に示すものは、薄
膜体Aであるとともに薄膜体Bでもある訳で、細孔3を
形成しているのが粒状組織4の集合体である。即ち、細
孔3は、粒状組織4の集合体の中で粒状組織間空隙とし
て形成されており、細孔1の内孔に開口している。薄膜
体A(B)の図面上下の面にも開口部を有していて構わ
ない。細孔1だけでなく、微小突起2とか細孔3とかが
存在することにより、薄膜体全体としての高い多孔質
性、大きな非表面積性をもたらし、吸着活性を良好にし
ている。尚、粒状組織4の大きさは、細孔1の大きさや
分布密度とも関係するので、所謂、粒子径に相当するも
のの具体的数値例の一つを挙げるに止めるが、例えば、
0.0001μm程度であり、0.01μm程度であ
る。また、薄膜体全体としての膜厚も使用目的に応じて
適宜であればよいが、例えば、3μm程度であり、40
0μm程度である。
【0010】次に、図5において、薄膜体Bは微小突起
2を有していない。薄膜体Bとしては、必ずしも微小突
起2を有さなくてよい。
【0011】次に、図6において、薄膜体Cは、図1乃
至図5に示した薄膜体Aや薄膜体Bと比べて、細孔1の
ような細孔を有していない。即ち、形状的に内壁を有す
る細孔と言えるような細孔を有していない。しかし、薄
膜体Cの内部で三次元網目的に互いに連通する細孔5
(図では独立孔のように見えるが実際は互いに連通して
いる)があり、この細孔5が多数集合したような状態で
薄膜体Cの厚さ方向に延びる孔部(集合孔部)6を部分
的に形成している点での共通性を有している。薄膜体全
体としての高い多孔質性、大きな非表面積性が確保され
ている訳である。材質的にはα−アルミナ質であり、熱
履歴を受けない酸化アルミニウムと比べ、耐熱性、耐薬
品性の点で優っている点も共通的である。
【0012】上述の薄膜体A乃至薄膜体Cは可能である
適宜方法により得られたものであってよい。しかし、容
易に得るための少なくとも一つの手段として挙げられる
のがやはり陽極酸化技術を利用することであり、以下に
述べる。
【0013】前述した酸性液などでアルミニウムまたは
アルミニウム合金を陽極酸化し、多孔質の酸化皮膜とし
たものを薄膜体にしたもの、あるいは、陽極酸化で直接
薄膜体としたものは、細孔1に相当する細孔を有してい
る。陽極酸化の電流密度などを変えれば内径も変化す
る。また、陽極酸化しただけでは、熱履歴を受けない酸
化アルミニウムよりなるものに過ぎないが、この点も、
適宜最高温度の焼成処理を施すことにより、α−アルミ
ナ前駆熱履歴化物もしくはα−アルミナ質とすることが
できる。
【0014】但し、陽極酸化して得ただけのものを単に
焼成処理しても微小突起2を有するものとはならない
し、細孔3に相当するものを有するものともならない
し、細孔5や集合孔部6を有するものともならない。そ
こで、水分を吸着させてから焼成処理を施す。即ち、
「多孔質の陽極酸化アルミニウム薄膜体の水分吸着処理
物を焼成処理して得られたもの」とする。
【0015】水分吸着は適宜方法でなせる。例えば、必
要に応じて適宜加熱、加圧をした水の中に所定時間浸漬
することでもなせるし、また例えば、陽極酸化皮膜の耐
食性や電気絶縁性を高めるための方法として利用されて
いる封孔処理の技術を利用することもできる。即ち、適
宜pHの水溶液に陽極酸化で得た酸化アルミニウム薄膜
体を浸漬するなどによって容易になせる。必要ならば加
熱、加・減圧をしながら行ってもよい。また、硫酸塩、
リン酸塩、ニッケル塩、炭酸塩、トリエタノ−ルアミン
などのアミン化合物などによりpH調整を行ってもよ
い。勿論、本発明においては、封孔のために水分吸着す
るのではない。十分に吸着させた水分(各種アニオンを
含む場合もある)を焼成処理で急激に取り除くことによ
り、細孔3をも有し、また、粒状組織4の集合体よりな
る薄膜体Bとなせる。このとき、焼成処理の最高温度を
高く(一般には1100℃乃至1300℃程度)すれ
ば、細孔5や集合孔部6を有する薄膜体Cとなせる。更
に、水分吸着をより積極的に行なってから焼成処理すれ
ば微小突起2を有する薄膜体Aとなる。細部条件を変え
れば、模式的に図示したものと異なる、しかし、薄膜体
A乃至薄膜体Cの一種となるものが得られる。即ち、水
分吸着と焼成処理との組合せによって、前述したような
高い多孔質性、大きな非表面積性を有するものとするこ
とができる。ちなみに、焼成処理における昇温速度は比
較的早いが好ましい。雰囲気は、大気、酸素雰囲気、水
素雰囲気、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気、真空雰囲気な
ど適宜でよい。また、水分吸着前に、酸、アルカリの水
溶液に浸漬して化学的に溶解することによって、細孔1
の寸法的変化をなしたりしてもよい。
【0016】薄膜体A乃至薄膜体C、即ち、本発明の酸
化アルミニウム薄膜体は吸着活性と耐薬品性に非常に優
れたものであり、種々の分野に利用できる。その一例
が、生理活性物質を固定すること、即ち、生理活性物質
の固定化体とすることである。生理活性物質を酸化アル
ミニウム薄膜体1に物理的に吸着、固定化させるには、
固定化させる生理活性物質をその安定なpH域にある塩
水溶液や緩衝液に溶解させ、この溶液に固定化担体を浸
漬、撹拌させればよい。吸着させる際の温度は、生理活
性物質の安定温度域であればよく、撹拌時間も、生理活
性物質の陽極酸化皮膜への吸着状態を溶液中の活性量や
蛋白量を測定しながら調節すればよい。通常は、温度5
℃〜30℃、2〜24時間の撹拌で固定化は完了する。
尚、特に、α−アルミナ前駆結晶化物よりなるものの場
合であるが、所望の固定をする前に経時的に大気中の水
分を不要に吸着し固定の邪魔になることがある。乾燥状
態での保管に留意することも好ましいが、必要ならば、
200℃程度までの温度での加熱処理を前処理として施
しておいてもよい。またちなみに、無機物の触媒活性を
有する物質などについても、公知の方法を用いて同様に
吸着固定することができる。
【0017】更に、酵素や抗体などのタンパク質の固定
化には、化学的架橋化によることもできる。例えば、3
ーアミノプロピルトリエトキシシランやN−(6ーアミ
ノヘキシル)ー3ーアミノプロピルトリエトキシシラン
などのシラン化剤で酸化アルミニウム薄膜体1を処理
し、水やりん酸緩衝液で洗浄後、グルタルアルデヒドで
処理し、安定なpH域にある塩水溶液に固定化担体を浸
漬、撹拌させることにより、タンパク質を吸着させ、水
素化ホウ素ナトリウムを含む緩衝液中で還元処理する。
【0018】
【実施例】
<実施例1>20mm×20mm、厚さ0.5mmのア
ルミニウム板(99.8%)を10%水酸化ナトリウム
に10秒浸漬し(50℃)、その後30%硝酸に浸漬し
た。その後0.3mol/Lのしゅう酸水溶液中で、白
金をカソ−ドとし、1.5A/dm2の電流密度で1時
間陽極酸化することによりアルミニウム表面に黄色の多
孔質の酸化皮膜を形成した。その後電圧を4Vづつ低下
させ、バリヤ−層を薄くした。その後カソ−ドを酸化皮
膜を形成したアルミニウム、アノ−ドを白金とし、電気
分解をすることによりアルミニウムと酸化皮膜の間に水
素を発生させ、厚さ30μmの黄色の多孔質の陽極酸化
アルミニウム薄膜体を得た。
【0019】次に、70℃のイオン交換水に30分浸漬
した。その後この酸化アルミニウム薄膜体をアルミナ基
盤でサンドイッチし、電気炉で大気中で50℃/時の速
度で昇温し、700℃で1時間熱処理を行った。
【0020】得られたものは薄い黄色を呈しており、X
線回折装置でCuKα線を用い回折したところ、回折ピ
−クは見られず、非晶質であった。また、高解像度の走
査型電子顕微鏡でその断面を観察すると、内径約0.0
5μmの略円柱状の細孔が薄膜体の両面に対して垂直状
に貫通しており、酸化アルミニウム薄膜体の表面と円柱
状の細孔内壁には微細な突起状組織が形成されていた。
【0021】<実施例2>20mm×20mm、厚さ
0.5mmのアルミニウム板(99.8%)を10%水
酸化ナトリウム水溶液に10秒浸漬し(50℃)、その
後30%硝酸に浸漬した。その後1.5mol/Lの硫
酸水溶液中で白金をカソ−ドとし、1.5A/dm2
電流密度で2時間陽極酸化することによりアルミニウム
表面に透明な多孔質の陽極酸化皮膜を形成した。その後
塩化第一鉄と塩酸を含む10℃の水溶液に浸漬すること
により選択的にアルミニウムを溶解させ、50μmの厚
さの透明な多孔質の酸化アルミニウム薄膜体を得た。
【0022】次に、25℃のイオン交換水に30分浸漬
し、水分を吸着させた。その後この酸化アルミニウム薄
膜体をアルミナ基盤でサンドイッチし、電気炉で50℃
/時の速度で昇温し、900℃、1時間熱処理を行っ
た。
【0023】得られたものは透明で、X線回折装置でC
uKα線を用い回折したところ、結晶面指数(22
0)、(311)、(222)、(400)、(51
1)、(440)に回折ピ−クが見られ、ASTMカ−
ドで同定したところ、所謂、γ−アルミナ属の結晶化物
であることが確認された(α−アルミナの結晶性を示す
ものではなかった)。また、高解像度の走査型電子顕微
鏡でその断面を観察すると内径約0.01μmの略円柱
状の細孔が薄膜体の両面に対して垂直状に貫通してお
り、しかも、その細孔の内壁にも多くの細孔が開口して
いた。また、これら細孔間の構造は、0.0005μm
乃至0.0043μmの粒状組織集合体であることも確
認された。
【0024】<実施例3>実施例1で得られた陽極酸化
アルミニウム薄膜体を用い、90℃のイオン交換水に3
0分浸漬した。その後この酸化アルミニウム薄膜体をア
ルミナ基盤でサンドイッチし、電気炉で大気中で50℃
/時の速度で昇温し、1000℃で1時間熱処理を行っ
た。得られたものは透明で、X線回折装置でCuKα線
を用い回折したところ、結晶面指数(220)、(31
1)、(222)、(400)、(511)、(44
0)に回折ピ−クが見られ、これらはASTMカ−ドで
同定したところ、所謂、γ−アルミナ属の結晶化物であ
ることが確認された(α−アルミナの結晶性を示すもの
ではなかった)。また、高解像度の走査型電子顕微鏡で
その断面を観察すると内径約0.01μmの略円柱状の
細孔が薄膜体の両面に対して垂直状に貫通しており、し
かも、その細孔の内壁にも多くの細孔が開口していた。
また、これら細孔間の構造は、0.00035μm乃至
0.0080μmの粒状組織集合体であることも確認さ
れ、また、酸化アルミニウム薄膜体の表面と円柱状の細
孔内壁には微細な突起状組織が形成されていた。
【0025】<実施例4>20mm×20mm、厚さ
0.5mmのアルミニウム板(99.8%)を10%水
酸化ナトリウム水溶液に10秒浸漬し(50℃)、その
後30%硝酸に浸漬した。その後1.5mol/Lの硫
酸水溶液中で白金をカソ−ドとし、1.5A/dm2
電流密度で2時間陽極酸化することによりアルミニウム
表面に透明な多孔質の陽極酸化皮膜を形成した。その後
電圧を4Vづつ低下させ、バリヤ−層を薄くした。その
後、カソ−ドを酸化皮膜を形成したアルミニウム、アノ
−ドを白金とし、電気分解をすることによりアルミニウ
ムと酸化皮膜の間に水素を発生させ、厚さ50μmの無
色の多孔質の陽極酸化アルミニウム薄膜体を得た。
【0026】次に、80℃のイオン交換水に30分浸漬
した。その後この酸化アルミニウム薄膜体をアルミナ基
盤でサンドイッチし、電気炉で大気中で50℃/時の速
度で昇温し、1200℃で1時間熱処理を行った。
【0027】得られたものは白色で、X線回折装置でC
uKα線を用い回折したところ、結晶面指数(01
2)、(104)、(110)、(113)、(02
4)、(116)、(214)、(300)、(11
9)に回折ピ−クが見られ、これらはASTMカ−ドで
同定したところ、α−アルミナの結晶化物であることが
確認された。また、高解像度の走査型電子顕微鏡で膜表
面と断面を観察すると、表面には0.5μmの穴が多数
形成され、断面は空隙が多く、0.05μm〜0.8μ
mの粒状組織が連続した構造であった。
【0028】<比較例1>実施例1で得られた酸化アル
ミニウム薄膜体を含水処理、熱処理を行わずそのまま化
学的安定性を評価した。
【0029】<比較例2>実施例2で得られた酸化アル
ミニウム薄膜体を含水処理、熱処理を行わずそのまま化
学的安定性を評価した。
【0030】尚、安定性は、得られた各々の酸化アルミ
ニウム薄膜体0.2gをpH3.5の水溶液50mlに
25℃、7日間浸漬し、アルミニウムの溶出量をICP
発光分析法で評価した。その結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】<実施例5>実施例1で得た酸化アルミニ
ウム薄膜体を純水にて十分水洗後、小麦カルボキシペプ
チターゼW(ぺんてる(株)製、発売元:生化学工業
(株))2mgを10mlの50mM酢酸−酢酸ナトリ
ウム緩衝液(pH3.0)に溶解させた液に20℃にて
3時間浸漬撹拌し、その後、50mlの50mM酢酸−
酢酸ナトリウム緩衝液(pH3.0)で2回洗浄し、カ
ルボキシペプチターゼW固定化酸化アルミニウム薄膜体
を得た。
【0033】1mMになるようにベンジルオキシカルボ
ニル−グルタミル−チロシンを50mM酢酸−酢酸ナト
リウム緩衝液(pH3.0)に溶解し、基質溶液とし
た。この基質溶液10mlにカルボキシペプチターゼW
固定化酸化アルミニウム薄膜体を浸漬し、30℃で30
分間反応させ、遊離するチロシンをニンヒドリン法にて
発色させ、570nmの吸光度測定にて酵素活性を求め
た。1日1回、5日間連続操作して酵素活性を求め、ま
た、経時的な残存酵素活性(%)を求めた結果を表2に
示す。
【0034】
【表2】
【0035】<実施例6>トリプシン(Sigma社
製)1mgを10mlのトリス(ヒドロキシアミノメタ
ン)緩衝液(pH9.0)に溶解させ、この溶液に実施
例1で得た酸化アルミニウム薄膜体を4℃にて12時間
浸漬撹拌し、次いでこの薄膜体を100mlの0.04
Mトリス(ヒドロキシアミノメタン)緩衝液(pH9.
0)で2回洗浄し、トリプシン固定化薄膜を得た。p−
トルエンスルフォンアルギニンメチルエステル(TAM
E)を0.04Mトリス(ヒドロキシアミノメタン)緩
衝液(pH9.0)に溶解し、1mMのTAME溶液
(pH9.0)を調製し、この基質溶液20mlにトリ
プシン固定化薄膜体を浸漬し、30℃で8分間反応さ
せ、酵素活性を247nmの吸光度の増加にて測定し
た。1日1回、5日間連続操作して酵素活性を求め、ま
た、経時的な残存酵素活性(%)を求めた結果を表3に
示す。
【0036】
【表3】
【0037】<実施例7>リゾプスニベウス(Rhizopus
niveus)のグルコースアミラーゼ(生化学工業(株)
製)1mgを50mM酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液(p
H4.5)20mlに溶解させ、この溶液に実施例1で
得た酸化アルミニウム薄膜体を4℃にて4時間浸漬撹拌
し、その後50mlの50mM酢酸−酢酸ナトリウム緩
衝液(pH4.5)で2回洗浄し、グルコースアミラー
ゼ固定化酸化アルミニウム薄膜体を得た。1%となるよ
うにマルトース(Grade3H:生化学工業(株)製)を
50mM酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.5)に
溶解し、この基質溶液20mlにグルコースアミラーゼ
固定化酸化アルミニウム薄膜体を浸漬し、30℃で15
分間反応させた。生成するグルコースをグルコースオキ
シターゼペルオキシターゼ−O−ジアニシジン法により
定量することにより酵素活性を測定した。1日1回、5
日間連続操作して酵素活性を求め、また、経時的な残存
酵素活性(%)を求めた結果を表4に示す。
【0038】
【表4】
【0039】<実施例8>実施例2で得た酸化アルミニ
ウム薄膜体を純水にて十分水洗後、小麦カルボキシペプ
チターゼW2mgを10mlの50mM酢酸−酢酸ナト
リウム緩衝液(pH3.0)に溶解させた液に20℃に
て3時間浸漬撹拌し、その後、50mlの50mM酢酸
−酢酸ナトリウム緩衝液(pH3.0)で2回洗浄し、
カルボキシペプチターゼW固定化酸化アルミニウム薄膜
体を得た。
【0040】1mMになるようにベンジルオキシカルボ
ニル−グルタミル−チロシンを50mM酢酸−酢酸ナト
リウム緩衝液(pH3.0)に溶解し、基質溶液とし
た。この基質溶液10mlにカルボキシペプチターゼW
固定化酸化アルミニウム薄膜体を浸漬し、30℃で30
分間反応させ、遊離するチロシンをニンヒドリン法にて
発色させ、570nmの吸光度測定にて酵素活性を求め
た。1日1回、5日間連続操作して酵素活性を求め、ま
た、経時的な残存酵素活性(%)を求めた結果を表5に
示す。
【0041】
【表5】
【0042】<実施例9>トリプシン(Sigma社
製)1mgを10mlのトリス(ヒドロキシアミノメタ
ン)緩衝液(pH9.0)に溶解させ、この溶液に実施
例2で得た酸化アルミニウム薄膜体を4℃にて12時間
浸漬撹拌し、次いでこの薄膜体を100mlの0.04
Mトリス(ヒドロキシアミノメタン)緩衝液(pH9.
0)で2回洗浄し、トリプシン固定化薄膜を得た。p−
トルエンスルフォンアルギニンメチルエステル(TAM
E)を0.04Mトリス(ヒドロキシアミノメタン)緩
衝液(pH9.0)に溶解し、1mMのTAME溶液
(pH9.0)を調製し、この基質溶液20mlにトリ
プシン固定化薄膜体を浸漬し、30℃で8分間反応さ
せ、酵素活性を247nmの吸光度の増加にて測定し
た。1日1回、5日間連続操作して酵素活性を求め、ま
た、経時的な残存酵素活性(%)を求めた結果を表6に
示す。
【0043】
【表6】
【0044】<実施例10>リゾプスニベウス(Rhizop
usniveus)のグルコースアミラーゼ(生化学工業(株)
製)1mgを50mM酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液(p
H4.5)20mlに溶解させ、この溶液に実施例2で
得た酸化アルミニウム薄膜体を4℃にて4時間浸漬撹拌
し、その後50mlの50mM酢酸−酢酸ナトリウム緩
衝液(pH4.5)で2回洗浄し、グルコースアミラー
ゼ固定化酸化アルミニウム薄膜体を得た。1%となるよ
うにマルトース(Grade3H:生化学工業(株)製)を
50mM酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.5)に
溶解し、この基質溶液20mlにグルコースアミラーゼ
固定化酸化アルミニウム薄膜体を浸漬し、30℃で15
分間反応させた。生成するグルコースをグルコースオキ
シターゼペルオキシターゼ−O−ジアニシジン法により
定量することにより酵素活性を測定した。1日1回、5
日間連続操作して酵素活性を求め、また、経時的な残存
酵素活性(%)を求めた結果を表7に示す。
【0045】
【表7】
【0046】<実施例11>実施例3で得た酸化アルミ
ニウム薄膜体を純水にて十分水洗後、小麦カルボキシペ
プチターゼW2mgを10mlの50mM酢酸−酢酸ナ
トリウム緩衝液(pH3.0)に溶解させた液に20℃
にて3時間浸漬撹拌し、その後、50mlの50mM酢
酸−酢酸ナトリウム緩衝液(pH3.0)で2回洗浄
し、カルボキシペプチターゼW固定化酸化アルミニウム
薄膜体を得た。
【0047】1mMになるようにベンジルオキシカルボ
ニル−グルタミル−チロシンを50mM酢酸−酢酸ナト
リウム緩衝液(pH3.0)に溶解し、基質溶液とし
た。この基質溶液10mlにカルボキシペプチターゼW
固定化酸化アルミニウム薄膜体を浸漬し、30℃で30
分間反応させ、遊離するチロシンをニンヒドリン法にて
発色させ、570nmの吸光度測定にて酵素活性を求め
た。1日1回、5日間連続操作して酵素活性を求め、ま
た、経時的な残存酵素活性(%)を求めた結果を表8に
示す。
【0048】
【表8】
【0049】<実施例12>トリプシン(Sigma社
製)1mgを10mlのトリス(ヒドロキシアミノメタ
ン)緩衝液(pH9.0)に溶解させ、この溶液に実施
例3で得た酸化アルミニウム薄膜体を4℃にて12時間
浸漬撹拌し、次いでこの薄膜体を100mlの0.04
Mトリス(ヒドロキシアミノメタン)緩衝液(pH9.
0)で2回洗浄し、トリプシン固定化薄膜を得た。p−
トルエンスルフォンアルギニンメチルエステル(TAM
E)を0.04Mトリス(ヒドロキシアミノメタン)緩
衝液(pH9.0)に溶解し、1mMのTAME溶液
(pH9.0)を調製し、この基質溶液20mlにトリ
プシン固定化薄膜体を浸漬し、30℃で8分間反応さ
せ、酵素活性を247nmの吸光度の増加にて測定し
た。1日1回、5日間連続操作して酵素活性を求め、ま
た、経時的な残存酵素活性(%)を求めた結果を表9に
示す。
【0050】
【表9】
【0051】<実施例13>リゾプスニベウス(Rhizop
usniveus)のグルコースアミラーゼ(生化学工業(株)
製)1mgを50mM酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液(p
H4.5)20mlに溶解させ、この溶液に実施例3で
得た酸化アルミニウム薄膜体を4℃にて4時間浸漬撹拌
し、その後50mlの50mM酢酸−酢酸ナトリウム緩
衝液(pH4.5)で2回洗浄し、グルコースアミラー
ゼ固定化酸化アルミニウム薄膜体を得た。1%となるよ
うにマルトース(Grade3H:生化学工業(株)製)を
50mM酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.5)に
溶解し、この基質溶液20mlにグルコースアミラーゼ
固定化酸化アルミニウム薄膜体を浸漬し、30℃で15
分間反応させた。生成するグルコースをグルコースオキ
シターゼペルオキシターゼ−O−ジアニシジン法により
定量することにより酵素活性を測定した。1日1回、5
日間連続操作して酵素活性を求め、また、経時的な残存
酵素活性(%)を求めた結果を表10に示す。
【0052】
【表10】
【0053】<実施例14>実施例4で得た酸化アルミ
ニウム薄膜体を純水にて十分水洗後、小麦カルボキシペ
プチターゼW2mgを10mlの50mM酢酸−酢酸ナ
トリウム緩衝液(pH3.0)に溶解させた液に20℃
にて3時間浸漬撹拌し、その後、50mlの50mM酢
酸−酢酸ナトリウム緩衝液(pH3.0)で2回洗浄
し、カルボキシペプチターゼW固定化酸化アルミニウム
薄膜体を得た。
【0054】1mMになるようにベンジルオキシカルボ
ニル−グルタミル−チロシンを50mM酢酸−酢酸ナト
リウム緩衝液(pH3.0)に溶解し、基質溶液とし
た。この基質溶液10mlにカルボキシペプチターゼW
固定化酸化アルミニウム薄膜体を浸漬し、30℃で30
分間反応させ、遊離するチロシンをニンヒドリン法にて
発色させ、570nmの吸光度測定にて酵素活性を求め
た。1日1回、5日間連続操作して酵素活性を求め、ま
た、経時的な残存酵素活性(%)を求めた結果を表11
に示す。
【0055】
【表11】
【0056】<実施例15>トリプシン(Sigma社
製)1mgを10mlのトリス(ヒドロキシアミノメタ
ン)緩衝液(pH9.0)に溶解させ、この溶液に実施
例4で得た酸化アルミニウム薄膜体を4℃にて12時間
浸漬撹拌し、次いでこの薄膜体を100mlの0.04
Mトリス(ヒドロキシアミノメタン)緩衝液(pH9.
0)で2回洗浄し、トリプシン固定化薄膜を得た。p−
トルエンスルフォンアルギニンメチルエステル(TAM
E)を0.04Mトリス(ヒドロキシアミノメタン)緩
衝液(pH9.0)に溶解し、1mMのTAME溶液
(pH9.0)を調製し、この基質溶液20mlにトリ
プシン固定化薄膜体を浸漬し、30℃で8分間反応さ
せ、酵素活性を247nmの吸光度の増加にて測定し
た。1日1回、5日間連続操作して酵素活性を求め、ま
た、経時的な残存酵素活性(%)を求めた結果を表12
に示す。
【0057】
【表12】
【0058】<実施例16>リゾプスニベウス(Rhizop
usniveus)のグルコースアミラーゼ(生化学工業(株)
製)1mgを50mM酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液(p
H4.5)20mlに溶解させ、この溶液に実施例4で
得た酸化アルミニウム薄膜体を4℃にて4時間浸漬撹拌
し、その後50mlの50mM酢酸−酢酸ナトリウム緩
衝液(pH4.5)で2回洗浄し、グルコースアミラー
ゼ固定化酸化アルミニウム薄膜体を得た。1%となるよ
うにマルトース(Grade3H:生化学工業(株)製)を
50mM酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.5)に
溶解し、この基質溶液20mlにグルコースアミラーゼ
固定化酸化アルミニウム薄膜体を浸漬し、30℃で15
分間反応させた。生成するグルコースをグルコースオキ
シターゼペルオキシターゼ−O−ジアニシジン法により
定量することにより酵素活性を測定した。1日1回、5
日間連続操作して酵素活性を求め、また、経時的な残存
酵素活性(%)を求めた結果を表13に示す。
【0059】
【表13】
【0060】<実施例17>小麦カルボキシペプチター
ゼWを100μg/ml濃度で含む50mMりん酸緩衝
液(pH7.4)中に、実施例2で得た酸化アルミニウ
ム薄膜体を25℃、24時間浸漬した。固定化前後の緩
衝液中の蛋白質量をBCA蛋白定量試薬(ピア−ズ社
製)により算出したところ、固定化蛋白質量(1平方セ
ンチメ−トル当たり;以下同様)は比較例1の相対値で
200であった。
【0061】<比較例3>実施例17において、実施例
2で得た酸化アルミニウム薄膜体を用いる代わりに、実
施例2の陽極酸化で得た段階の酸化アルミニウム薄膜体
を用いた以外、すべて実施例17と同様にした時の固定
化蛋白質量を100とした。
【0062】<実施例18、比較例4>実施例17にお
いて、実施例2で得た酸化アルミニウム薄膜体を用いる
代わりに、実施例3で得た酸化アルミニウム薄膜体(実
施例18)、実施例3の陽極酸化で得た段階の酸化アル
ミニウム薄膜体(比較例3)を用いた以外、すべて実施
例17と同様にした。固定化蛋白質量は相対値で、18
9、100であった。
【0063】<実施例19>実施例2で得た酸化アルミ
ニウム薄膜体を100℃の雰囲気下で2時間処理して表
面付着した水分を除去した後、3−アミノプロピルトリ
エトキシシランに浸漬し、25℃で10分間放置した。
このシラン化剤処理物を、まず蒸留水で、次いで、50
mMりん酸緩衝液(pH7.4)で洗浄後、2.5%の
グルタルアルデヒドを含む50mMりん酸緩衝液(pH
7.4)中に浸漬し、25℃、1時間放置した。こうし
て得たものを50mMりん酸緩衝液(pH7.4)で洗
浄後、小麦カルボキシペプチターゼWを100μg/m
l濃度で含む50mMりん酸緩衝液(pH7.4)中
に、4℃、12時間浸漬した。固定化蛋白質量は、比較
例4の相対値で151であった。
【0064】<比較例4>実施例19において、実施例
2で得た酸化アルミニウム薄膜体を用いる代わりに、実
施例2の陽極酸化で得た段階の酸化アルミニウム薄膜体
を用いた以外、すべて実施例19と同様にした時の固定
化蛋白質量を100とした。
【0065】<実施例20、比較例5>実施例19にお
いて、実施例2で得た酸化アルミニウム薄膜体を用いる
代わりに、実施例3で得た酸化アルミニウム薄膜体(実
施例20)、実施例3の陽極酸化で得た段階の酸化アル
ミニウム薄膜体(比較例5)を用いた以外、すべて実施
例19と同様にした。固定化蛋白質量は相対値で15
6、100であった。
【0066】
【発明の効果】本発明の酸化アルミニウム薄膜体は、吸
着活性と耐薬品性に非常に優れる。また、この酸化アル
ミニウム薄膜体に生理活性物質を固定化した固定化体
は、生理活性物質の活性が高く、かつ、経時的な活性低
下が少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の酸化アルミニウム薄膜体の一例を説明
するための模式的な断面状態斜視図。
【図2】細孔の一形状例を説明するための模式的な断面
図。
【図3】細孔の一形状例を説明するための模式的な断面
図。
【図4】本発明の酸化アルミニウム薄膜体の一例を説明
するための模式的な断面状態斜視図。
【図5】本発明の酸化アルミニウム薄膜体の一例を説明
するための模式的な断面状態斜視図。
【図6】本発明の酸化アルミニウム薄膜体の一例を説明
するための模式的な断面状態斜視図。
【符号の説明】
A 薄膜体A B 薄膜体B C 薄膜体C 1 細孔 2 微小突起 3 微細孔 4 粒状組織 5 細孔 6 集合孔部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄膜体の厚さ方向に延び薄膜体の両面に
    開口する多数の細孔と該細孔の内壁も含めて表面に植毛
    状に突出する多数の微小突起とを有する、α−アルミナ
    前駆熱履歴化物よりなる酸化アルミニウム薄膜体。
  2. 【請求項2】 前記α−アルミナ前駆熱履歴化物がX線
    回折的には非晶質であることを特徴とする請求項1記載
    の酸化アルミニウム薄膜体。
  3. 【請求項3】 前記α−アルミナ前駆熱履歴化物がα−
    アルミナ前駆結晶化物であることを特徴とする請求項1
    記載の酸化アルミニウム薄膜体。
  4. 【請求項4】 薄膜体の厚さ方向に延び薄膜体の両面に
    開口する多数の細孔と該細孔の内壁に開口する多数の微
    細孔とを有するα−アルミナ前駆結晶化物の粒状組織集
    合体よりなる酸化アルミニウム薄膜体。
  5. 【請求項5】 薄膜体の内部で互いに連通し部分的に薄
    膜体の厚さ方向に延びる集合孔部を形成する多数の細孔
    を有するα−アルミナ質の酸化アルミニウム薄膜体。
  6. 【請求項6】 多孔質の陽極酸化アルミニウム薄膜体の
    水分吸着処理物を焼成処理して得られた請求項1乃至請
    求項5のいずれかに記載の酸化アルミニウム薄膜体。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載
    の酸化アルミニウム薄膜体に生理活性物質を固定してな
    る生理活性物質の固定化体。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載の酸化アルミニウム薄膜
    体に生理活性物質を固定してなる生理活性物質の固定化
    体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100443591C (zh) * 2006-07-25 2008-12-17 南开大学云南研究院 固定化细胞有机-无机复合材料膜状载体
JP2009106893A (ja) * 2007-10-31 2009-05-21 Mitsubishi Electric Corp 吸着素子および冷凍サイクル装置ならびに吸着素子の製造方法
JP2010064924A (ja) * 2008-09-11 2010-03-25 Toshiba Corp 多孔質材料、及び多孔質材料の製造方法

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CN100443591C (zh) * 2006-07-25 2008-12-17 南开大学云南研究院 固定化细胞有机-无机复合材料膜状载体
JP2009106893A (ja) * 2007-10-31 2009-05-21 Mitsubishi Electric Corp 吸着素子および冷凍サイクル装置ならびに吸着素子の製造方法
JP2010064924A (ja) * 2008-09-11 2010-03-25 Toshiba Corp 多孔質材料、及び多孔質材料の製造方法

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