JPH07191308A - 液晶表示基板の製造方法 - Google Patents

液晶表示基板の製造方法

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JPH07191308A
JPH07191308A JP33142693A JP33142693A JPH07191308A JP H07191308 A JPH07191308 A JP H07191308A JP 33142693 A JP33142693 A JP 33142693A JP 33142693 A JP33142693 A JP 33142693A JP H07191308 A JPH07191308 A JP H07191308A
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liquid crystal
glass substrate
crystal display
liquid
manufacturing
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JP33142693A
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English (en)
Inventor
Mitsuru Igarashi
満 五十嵐
Takashi Yajima
敬司 矢島
Shoji Fujita
正二 藤田
Hideo Mitani
英男 三谷
Chikara Fujita
主税 藤田
Susumu Tsujiku
進 都竹
Junichi Owada
淳一 大和田
Masahiko Mochizuki
雅彦 望月
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガラス基板の切断の際において、それによっ
て生じるガラス破片屑の電子回路面への付着を完全に除
去できる。 【構成】 液晶を介して対向配置されるガラス基板のう
ち少なくとも一方のガラス基板の液晶側の面に電子回路
を形成した後に該ガラス基板を切断する工程を含む液晶
表示基板の製造方法において、該ガラス基板の切断を液
体中で行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえばアクティブ・
マトリックス方式の液晶表示基板の製造方法に係り、特
に、液晶表示基板を構成するガラス基板の切断における
液晶表示基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アクティブ・マトリクス方式の液晶表示
装置は、マトリクス状に配列された複数の画素電極のそ
れぞれに対応して非線形素子(スイッチング素子)を設
けたものである。各画素における液晶は理論的には常時
駆動(デューティ比 1.0)されているので、時分割駆動
方式を採用している、いわゆる単純マトリクス方式と比
べてアクティブ方式はコントラストが良く、特にカラー
液晶表示装置では欠かせない技術となりつつある。スイ
ッチング素子として代表的なものとしては薄膜トランジ
スタ(TFT)がある。
【0003】なお、薄膜トランジスタを使用したアクテ
ィブ・マトリクス方式の液晶表示装置は、例えば特開昭
63−309921号公報や、「冗長構成を採用した1
2.5型アクティブ・マトリクス方式カラー液晶ディスプ
レイ」、日経エレクトロニクス、頁193〜210、1986年12
月15日、日経マグロウヒル社発行、で知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような構成からな
る液晶表示装置は、液晶を介して対向配置されかつ該液
晶側の面において上述したスイッチング素子等を含む電
子回路が形成された各ガラス基板を有するが、その製造
工程において、一枚のガラス基板面に同一のパターンか
らなる該電子回路を複数形成した後に、必要に応じて該
ガラス基板を各電子回路毎に切断するという工程等が含
まれる場合がある。
【0005】この場合、通常、ガラス基板の表面の切断
個所に沿って溝を形成するいわゆるスクライブ工程と、
その後に該溝に沿って破断応力を加えて切断するいわゆ
るブレイク工程とを行うが、そのいずれにおいても、工
程中に発生してしまうガラス破片屑がガラス基板の表面
に形成されている電子回路面に付着してしまうというこ
とが指摘されるに到った。
【0006】このガラス破片屑の電子回路面への付着
は、それが除去されないままに残存することによって、
配線等の断線等の弊害が発生してしまい、その解決策が
要望されていた。
【0007】それ故、本発明はこのような事情に基づい
てなされたものであり、その目的とするところのもの
は、ガラス基板の切断の際において、それによって生じ
るガラス破片屑の電子回路面への付着を完全に除去でき
る液晶表示基板の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は、基本的には次のような各手段を備
えるものである。
【0009】〔手段1〕液晶を介して対向配置されるガ
ラス基板のうち少なくとも一方のガラス基板の液晶側の
面に電子回路を形成した後に該ガラス基板を切断する工
程を含む液晶表示基板の製造方法において、該ガラス基
板の切断を液体中で行うことを特徴とする液晶表示基板
の製造方法にある。
【0010】〔手段2〕前記手段1の構成において、液
体にほぼ一方向の流れを形成し、その液体中でガラス基
板の切断を行うことを特徴とする液晶表示基板の製造方
法にある。
【0011】〔手段3〕前記手段1あるいは手段2の構
成を、ガラス基板の切断個所に沿って溝を形成するスク
ライブに適用させたことを特徴とする液晶表示基板の製
造方法にある。
【0012】〔手段4〕前記手段1あるいは手段2の構
成を、ガラス基板の切断個所に沿って溝を形成した後、
その溝に沿って切断するブレイクに適用させたことを特
徴とする液晶表示基板の製造方法にある。
【0013】〔手段5〕槽内に配置されてガラス基板を
真空吸着させる吸着台と、この吸着台に該ガラス基板を
真空吸着させた後に該槽内に液体を供給する液体供給口
と、前記ガラス基板をスクライブするホィールとを備え
たことを特徴とする液晶表示基板の製造装置にある。
【0014】〔手段6〕前記手段5の構成において、ス
クライブ方向に沿ったホィールの移動方向と逆方向に沿
って液体の流れを形成する手段が備えられていることを
特徴とする液晶表示基板の製造方法にある。
【0015】〔手段7〕前記手段5あるいは手段6の構
成において、液面から露出されているホィールを液体シ
ャワーによって洗浄する手段が備えられた請求項2記載
の液晶表示基板の製造装置にある。
【0016】〔手段8〕槽内に配置されてガラス基板を
真空吸着させる吸着台と、この吸着台に該ガラス基板を
真空吸着させた後に該槽内に液体を供給する液体供給口
と、前記ガラス基板をブレイクするスキージとを備えた
ことを特徴とする液晶表示基板の製造装置にある。
【0017】〔手段9〕前記手段8の構成において、ス
キージの面に沿って液体の流れを形成する手段が備えら
れていることを特徴とする請求項3記載の液晶表示基板
の製造方法にある。
【0018】〔手段10〕液晶を介して対向配置される
ガラス基板のうち少なくとも一方のガラス基板を切断す
る工程を含む液晶表示基板の製造方法において、該ガラ
ス基板の切断を比抵抗の小さい液体中で行うことを特徴
とする液晶表示基板の製造方法にある。
【0019】〔手段11〕前記手段10の構成におい
て、比抵抗の小さい液体として水に炭酸ガスを含有させ
たものを用いることを特徴とする液晶表示基板の製造方
法にある。
【0020】〔手段12〕前記手段1ないし手段6のう
ち少なくとも一の手段を、一枚のガラス基板の一面に同
パターンの電子回路を形成し、これら各電子回路毎に該
ガラス基板を分離する際の切断において適用させたこと
を特徴とする液晶表示装置の製造方法にある。
【0021】〔手段13〕前記手段1ないし手段6、お
よび手段12のうちの少なくとも一の手段を適用させた
場合、その後の洗浄の工程に到るまではガラス基板を乾
燥させないことを特徴とする液晶表示基板の製造方法に
ある。
【0022】
【作用】このように手段1に示す構成によれば、ガラス
基板の切断の際に生じるガラスの破片屑が該ガラス基板
上の電子回路面に付着し難くなり、これにより該電子回
路面へのガラス破片屑の付着を防止できるようになる。
【0023】また、手段2の構成によれば、ガラス基板
の切断の際に生じるガラスの破片屑は流体によって浮遊
され、これによりガラス破片屑の電子回路面への付着を
防止できるようになる。
【0024】また、手段3の構成によれば、ガラス基板
のいわゆるスクライブによって発生するガラスの破片屑
の電子回路面への付着を防止することができるようにな
る。
【0025】また、手段4の構成によれば、ガラス基板
のいわゆるブレイクによって発生するガラスの破片屑の
電子回路面への付着を防止することができるようにな
る。
【0026】また、手段5の構成によれば、吸着台、液
体供給口、およびホィールを順次作動させることによ
り、一連の生産工程におけるスクライブ工程を簡単な構
成によって自動化することができるようになる。
【0027】また、手段6の構成によれば、スクライブ
によって発生するガラス破片屑が流体中に浮遊され、電
子回路面への付着防止を確保することができるようにな
る。
【0028】また、手段7の構成によれば、ホィールへ
のガラス破片屑の付着をスクライブの際において即時に
除去でき、該ホィールの長寿命化を図ることができるよ
うになる。
【0029】また、手段8の構成によれば、、吸着台、
液体供給口、およびスキージを順次作動させることによ
り、一連の生産工程におけるブレイク工程を簡単な構成
によって自動化することができるようになる。
【0030】また、手段9の構成によれば、ブレイクに
よって発生するガラス破片屑が流体中に浮遊され、電子
回路面への付着防止を確保することができるようにな
る。
【0031】また、手段10の構成によれば、ガラス基
板の切断の際に該ガラス基板に蓄積される静電気を液体
中に放電させることができ、該ガラス基板の静電防止を
図ることができるようになる。
【0032】また、手段11の構成によれば、簡単な構
成によって比抵抗の小さい流体を得ることができるよう
になる。
【0033】また、手段12の構成によれば、液晶表示
基板の製造の過程において、ガラス基板を切断する際に
上述した手段を適用させることにより、ガラス破片屑の
電子回路面への付着、および静電防止を図ることができ
るようになる。
【0034】さらに、手段13の構成によれば、洗浄の
前までは、ガラス基板に付着した汚れが乾燥することが
ないので、この汚れによるしみ等を発生させることを防
止することができるようになる。
【0035】
【実施例】本発明、本発明の更に他の目的及び本発明の
更に他の特徴は図面を参照した以下の説明から明らかと
なるであろう。
【0036】《アクティブ・マトリクス液晶表示装置》
以下、アクティブ・マトリクス方式のカラー液晶表示装
置にこの発明を適用した実施例を説明する。なお、以下
説明する図面で、同一機能を有するものは同一符号を付
け、その繰り返しの説明は省略する。
【0037】《マトリクス部の概要》図2はこの発明が
適用されるアクティブ・マトリクス方式カラー液晶表示
装置の一画素とその周辺を示す平面図、図3は図2の3
−3切断線における断面を示す図、図4は図2の4−4
切断線における断面図である。
【0038】図2に示すように、各画素は隣接する2本
の走査信号線(ゲート信号線または水平信号線)GL
と、隣接する2本の映像信号線(ドレイン信号線または
垂直信号線)DLとの交差領域内(4本の信号線で囲ま
れた領域内)に配置されている。各画素は薄膜トランジ
スタTFT、透明画素電極ITO1および保持容量素子
Caddを含む。走査信号線GLは図では左右方向に延在
し、上下方向に複数本配置されている。映像信号線DL
は上下方向に延在し、左右方向に複数本配置されてい
る。
【0039】図3に示すように、液晶層LCを基準にし
て下部透明ガラス基板SUB1側には薄膜トランジスタ
TFTおよび透明画素電極ITO1が形成され、上部透
明ガラス基板SUB2側にはカラーフィルタFIL、遮
光用ブラックマトリクスパターンBMが形成されてい
る。透明ガラス基板SUB1、SUB2の両面にはディ
ップ処理等によって形成された酸化シリコン膜SIOが
設けられている。
【0040】上部透明ガラス基板SUB2の内側(液晶
LC側)の表面には、遮光膜BM、カラーフィルタFI
L、保護膜PSV2、共通透明画素電極ITO2(CO
M)および上部配向膜ORI2が順次積層して設けられ
ている。
【0041】《マトリクス周辺の概要》図5は上下のガ
ラス基板SUB1,SUB2を含む表示パネルPNLの
マトリクス(AR)周辺の要部平面を、図6はその周辺
部を更に誇張した平面を、図7は図5及び図6のパネル
左上角部に対応するシール部SL付近の拡大平面を示す
図である。また、図8は図3の断面を中央にして、左側
に図7の8a−8a切断線における断面を、右側に映像
信号駆動回路が接続されるべき外部接続端子DTM付近
の断面を示す図である。同様に図9は、左側に走査回路
が接続されるべき外部接続端子GTM付近の断面を、右
側に外部接続端子が無いところのシール部付近の断面を
示す図である。
【0042】このパネルの製造では、小さいサイズであ
ればスループット向上のため1枚のガラス基板で複数個
分のデバイスを同時に加工してから分割し、大きいサイ
ズであれば製造設備の共用のためどの品種でも標準化さ
れた大きさのガラス基板を加工してから各品種に合った
サイズに小さくし、いずれの場合も一通りの工程を経て
からガラスを切断する。図5〜図7は後者の例を示すも
ので、図5、図6の両図とも上下基板SUB1,SUB
2の切断後を、図7は切断前を表しており、LNは両基
板の切断前の縁を、CT1とCT2はそれぞれ基板SU
B1,SUB2の切断すべき位置を示す。いずれの場合
も、完成状態では外部接続端子群Tg,Td(添字略)
が存在する(図で上下辺と左辺の)部分はそれらを露出
するように上側基板SUB2の大きさが下側基板SUB
1よりも内側に制限されている。端子群Tg,Tdはそ
れぞれ後述する走査回路接続用端子GTM、映像信号回
路接続用端子DTMとそれらの引出配線部を集積回路チ
ップCHIが搭載されたテープキャリアパッケージTC
P(図18、図19)の単位に複数本まとめて名付けた
ものである。各群のマトリクス部から外部接続端子部に
至るまでの引出配線は、両端に近づくにつれ傾斜してい
る。これは、パッケージTCPの配列ピッチ及び各パッ
ケージTCPにおける接続端子ピッチに表示パネルPN
Lの端子DTM,GTMを合わせるためである。
【0043】透明ガラス基板SUB1、SUB2の間に
はその縁に沿って、液晶封入口INJを除き、液晶LC
を封止するようにシールパターンSLが形成される。シ
ール材は例えばエポキシ樹脂から成る。上部透明ガラス
基板SUB2側の共通透明画素電極ITO2は、少なく
とも一箇所において、本実施例ではパネルの4角で銀ペ
ースト材AGPによって下部透明ガラス基板SUB1側
に形成されたその引出配線INTに接続されている。こ
の引出配線INTは後述するゲート端子GTM、ドレイ
ン端子DTMと同一製造工程で形成される。
【0044】配向膜ORI1、ORI2、透明画素電極
ITO1、共通透明画素電極ITO2、それぞれの層
は、シールパターンSLの内側に形成される。偏光板P
OL1、POL2はそれぞれ下部透明ガラス基板SUB
1、上部透明ガラス基板SUB2の外側の表面に形成さ
れている。液晶LCは液晶分子の向きを設定する下部配
向膜ORI1と上部配向膜ORI2との間でシールパタ
ーンSLで仕切られた領域に封入されている。下部配向
膜ORI1は下部透明ガラス基板SUB1側の保護膜P
SV1の上部に形成される。
【0045】この液晶表示装置は、下部透明ガラス基板
SUB1側、上部透明ガラス基板SUB2側で別個に種
々の層を積み重ね、シールパターンSLを基板SUB2
側に形成し、下部透明ガラス基板SUB1と上部透明ガ
ラス基板SUB2とを重ね合わせ、シール材SLの開口
部INJから液晶LCを注入し、注入口INJをエポキ
シ樹脂などで封止し、上下基板を切断することによって
組み立てられる。
【0046】《薄膜トランジスタTFT》次に、図2、
図3に戻り、TFT基板SUB1側の構成を詳しく説明
する。
【0047】薄膜トランジスタTFTは、ゲート電極G
Tに正のバイアスを印加すると、ソース−ドレイン間の
チャネル抵抗が小さくなり、バイアスを零にすると、チ
ャネル抵抗は大きくなるように動作する。
【0048】各画素には複数(2つ)の薄膜トランジス
タTFT1、TFT2が冗長して設けられる。薄膜トラ
ンジスタTFT1、TFT2のそれぞれは、実質的に同
一サイズ(チャネル長、チャネル幅が同じ)で構成さ
れ、ゲート電極GT、ゲート絶縁膜GI、i型(真性、
intrinsic、導電型決定不純物がドープされていない)
非晶質シリコン(Si)からなるi型半導体層AS、一
対のソース電極SD1、ドレイン電極SD2を有す。な
お、ソース、ドレインは本来その間のバイアス極性によ
って決まるもので、この液晶表示装置の回路ではその極
性は動作中反転するので、ソース、ドレインは動作中入
れ替わると理解されたい。しかし、以下の説明では、便
宜上一方をソース、他方をドレインと固定して表現す
る。
【0049】《ゲート電極GT》ゲート電極GTは走査
信号線GLから垂直方向に突出する形状で構成されてい
る(T字形状に分岐されている)。ゲート電極GTは薄
膜トランジスタTFT1、TFT2のそれぞれの能動領
域を越えるよう突出している。薄膜トランジスタTFT
1、TFT2のそれぞれのゲート電極GTは、一体に
(共通のゲート電極として)構成されており、走査信号
線GLに連続して形成されている。本例では、ゲート電
極GTは、単層の第2導電膜g2で形成されている。第
2導電膜g2としては例えばスパッタで形成されたアル
ミニウム(Al)膜が用いられ、その上にはAlの陽極
酸化膜AOFが設けられている。
【0050】このゲート電極GTはi型半導体層ASを
完全に覆うよう(下方からみて)それより大き目に形成
され、i型半導体層ASに外光やバックライト光が当た
らないよう工夫されている。
【0051】《走査信号線GL》走査信号線GLは第2
導電膜g2で構成されている。この走査信号線GLの第
2導電膜g2はゲート電極GTの第2導電膜g2と同一
製造工程で形成され、かつ一体に構成されている。ま
た、走査信号線GL上にもAlの陽極酸化膜AOFが設
けられている。
【0052】《絶縁膜GI》絶縁膜GIは、薄膜トラン
ジスタTFT1、TFT2において、ゲート電極GTと
共に半導体層ASに電界を与えるためのゲート絶縁膜と
して使用される。絶縁膜GIはゲート電極GTおよび走
査信号線GLの上層に形成されている。絶縁膜GIとし
ては例えばプラズマCVDで形成された窒化シリコン膜
が選ばれ、1200〜2700Åの厚さに(本実施例で
は、2000Å程度)形成される。ゲート絶縁膜GIは
図7に示すように、マトリクス部ARの全体を囲むよう
に形成され、周辺部は外部接続端子DTM,GTMを露
出するよう除去されている。絶縁膜GIは走査信号線G
Lと映像信号線DLの電気的絶縁にも寄与している。
【0053】《i型半導体層AS》i型半導体層AS
は、本例では薄膜トランジスタTFT1、TFT2のそ
れぞれに独立した島となるよう形成され、非晶質シリコ
ンで、200〜2200Åの厚さに(本実施例では、2
000Å程度の膜厚)で形成される。層d0はオーミッ
クコンタクト用のリン(P)をドープしたN(+)型非晶
質シリコン半導体層であり、下側にi型半導体層ASが
存在し、上側に導電層d2(d3)が存在するところの
みに残されている。
【0054】i型半導体層ASは走査信号線GLと映像
信号線DLとの交差部(クロスオーバ部)の両者間にも
設けられている。この交差部のi型半導体層ASは交差
部における走査信号線GLと映像信号線DLとの短絡を
低減する。
【0055】《透明画素電極ITO1》透明画素電極I
TO1は液晶表示部の画素電極の一方を構成する。
【0056】透明画素電極ITO1は薄膜トランジスタ
TFT1のソース電極SD1および薄膜トランジスタT
FT2のソース電極SD1の両方に接続されている。こ
のため、薄膜トランジスタTFT1、TFT2のうちの
1つに欠陥が発生しても、その欠陥が副作用をもたらす
場合はレーザ光等によって適切な箇所を切断し、そうで
ない場合は他方の薄膜トランジスタが正常に動作してい
るので放置すれば良い。透明画素電極ITO1は第1導
電膜d1によって構成されており、この第1導電膜d1
はスパッタリングで形成された透明導電膜(Indium-Tin
-Oxide ITO:ネサ膜)からなり、1000〜200
0Åの厚さに(本実施例では、1400Å程度の膜厚)
形成される。
【0057】《ソース電極SD1、ドレイン電極SD
2》ソース電極SD1、ドレイン電極SD2のそれぞれ
は、N(+)型半導体層d0に接触する第2導電膜d2と
その上に形成された第3導電膜d3とから構成されてい
る。
【0058】第2導電膜d2はスパッタで形成したクロ
ム(Cr)膜を用い、500〜1000Åの厚さに(本
実施例では、600Å程度)で形成される。Cr膜は膜
厚を厚く形成するとストレスが大きくなるので、200
0Å程度の膜厚を越えない範囲で形成する。Cr膜はN
(+)型半導体層d0との接着性を良好にし、第3導電膜
d3のAlがN(+)型半導体層d0に拡散することを防
止する(いわゆるバリア層の)目的で使用される。第2
導電膜d2として、Cr膜の他に高融点金属(Mo、T
i、Ta、W)膜、高融点金属シリサイド(MoS
2、TiSi2、TaSi2、WSi2)膜を用いてもよ
い。
【0059】第3導電膜d3はAlのスパッタリングで
3000〜5000Åの厚さに(本実施例では、400
0Å程度)形成される。Al膜はCr膜に比べてストレ
スが小さく、厚い膜厚に形成することが可能で、ソース
電極SD1、ドレイン電極SD2および映像信号線DL
の抵抗値を低減したり、ゲート電極GTやi型半導体層
ASに起因する段差乗り越えを確実にする(ステップカ
バーレッジを良くする)働きがある。
【0060】第2導電膜d2、第3導電膜d3を同じマ
スクパターンでパターニングした後、同じマスクを用い
て、あるいは第2導電膜d2、第3導電膜d3をマスク
として、N(+)型半導体層d0が除去される。つまり、
i型半導体層AS上に残っていたN(+)型半導体層d0
は第2導電膜d2、第3導電膜d3以外の部分がセルフ
アラインで除去される。このとき、N(+)型半導体層d
0はその厚さ分は全て除去されるようエッチングされる
ので、i型半導体層ASも若干その表面部分がエッチン
グされるが、その程度はエッチング時間で制御すればよ
い。
【0061】《映像信号線DL》映像信号線DLはソー
ス電極SD1、ドレイン電極SD2と同層の第2導電膜
d2、第3導電膜d3で構成されている。
【0062】《保護膜PSV1》薄膜トランジスタTF
Tおよび透明画素電極ITO1上には保護膜PSV1が
設けられている。保護膜PSV1は主に薄膜トランジス
タTFTを湿気等から保護するために形成されており、
透明性が高くしかも耐湿性の良いものを使用する。保護
膜PSV1はたとえばプラズマCVD装置で形成した酸
化シリコン膜や窒化シリコン膜で形成されており、1μ
m程度の膜厚で形成する。
【0063】保護膜PSV1は図7に示すように、マト
リクス部ARの全体を囲むように形成され、周辺部は外
部接続端子DTM,GTMを露出するよう除去され、ま
た上基板側SUB2の共通電極COMを下側基板SUB
1の外部接続端子接続用引出配線INTに銀ペーストA
GPで接続する部分も除去されている。保護膜PSV1
とゲート絶縁膜GIの厚さ関係に関しては、前者は保護
効果を考え厚くされ、後者はトランジスタの相互コンダ
クタンスgmを薄くされる。従って図7に示すように、
保護効果の高い保護膜PSV1は周辺部もできるだけ広
い範囲に亘って保護するようゲート絶縁膜GIよりも大
きく形成されている。
【0064】《遮光膜BM》上部透明ガラス基板SUB
2側には、外部光又はバックライト光がi型半導体層A
Sに入射しないよう遮光膜BMが設けられている。図2
に示す遮光膜BMの閉じた多角形の輪郭線は、その内側
が遮光膜BMが形成されない開口を示している。遮光膜
BMは光に対する遮蔽性が高いたとえばアルミニウム膜
やクロム膜等で形成されており、本実施例ではクロム膜
がスパッタリングで1300Å程度の厚さに形成され
る。
【0065】従って、薄膜トランジスタTFT1、TF
T2のi型半導体層ASは上下にある遮光膜BMおよび
大き目のゲート電極GTによってサンドイッチにされ、
外部の自然光やバックライト光が当たらなくなる。遮光
膜BMは各画素の周囲に格子状に形成され(いわゆるブ
ラックマトリクス)、この格子で1画素の有効表示領域
が仕切られている。従って、各画素の輪郭が遮光膜BM
によってはっきりとし、コントラストが向上する。つま
り、遮光膜BMはi型半導体層ASに対する遮光とブラ
ックマトリクスとの2つの機能をもつ。
【0066】透明画素電極ITO1のラビング方向の根
本側のエッジ部分(図2右下部分)も遮光膜BMによっ
て遮光されているので、上記部分にドメインが発生した
としても、ドメインが見えないので、表示特性が劣化す
ることはない。
【0067】遮光膜BMは図6に示すように周辺部にも
額縁状に形成され、そのパターンはドット状に複数の開
口を設けた図2に示すマトリクス部のパターンと連続し
て形成されている。周辺部の遮光膜BMは図6〜図9に
示すように、シール部SLの外側に延長され、パソコン
等の実装機に起因する反射光等の漏れ光がマトリクス部
に入り込むのを防いでいる。他方、この遮光膜BMは基
板SUB2の縁よりも約0.3〜1.0mm程内側に留
められ、基板SUB2の切断領域を避けて形成されてい
る。
【0068】《カラーフィルタFIL》カラーフィルタ
FILは画素に対向する位置に赤、緑、青の繰り返しで
ストライプ状に形成される。カラーフィルタFILは透
明画素電極ITO1の全てを覆うように大き目に形成さ
れ、遮光膜BMはカラーフィルタFILおよび透明画素
電極ITO1のエッジ部分と重なるよう透明画素電極I
TO1の周縁部より内側に形成されている。
【0069】カラーフィルタFILは次のように形成す
ることができる。まず、上部透明ガラス基板SUB2の
表面にアクリル系樹脂等の染色基材を形成し、フォトリ
ソグラフィ技術で赤色フィルタ形成領域以外の染色基材
を除去する。この後、染色基材を赤色染料で染め、固着
処理を施し、赤色フィルタRを形成する。つぎに、同様
な工程を施すことによって、緑色フィルタG、青色フィ
ルタBを順次形成する。
【0070】《保護膜PSV2》保護膜PSV2はカラ
ーフィルタFILの染料が液晶LCに漏れることを防止
するために設けられている。保護膜PSV2はたとえば
アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の透明樹脂材料で形成さ
れている。
【0071】《共通透明画素電極ITO2》共通透明画
素電極ITO2は、下部透明ガラス基板SUB1側に画
素ごとに設けられた透明画素電極ITO1に対向し、液
晶LCの光学的な状態は各画素電極ITO1と共通透明
画素電極ITO2との間の電位差(電界)に応答して変
化する。この共通透明画素電極ITO2にはコモン電圧
Vcomが印加されるように構成されている。本実施例で
は、コモン電圧Vcomは映像信号線DLに印加される最
小レベルの駆動電圧Vdminと最大レベルの駆動電圧V
dmaxとの中間直流電位に設定されるが、映像信号駆動
回路で使用される集積回路の電源電圧を約半分に低減し
たい場合は、交流電圧を印加すれば良い。なお、共通透
明画素電極ITO2の平面形状は図6、図7を参照され
たい。
【0072】《保持容量素子Caddの構造》透明画素電
極ITO1は、薄膜トランジスタTFTと接続される端
部と反対側の端部において、隣りの走査信号線GLと重
なるように形成されている。この重ね合わせは、図4か
らも明らかなように、透明画素電極ITO1を一方の電
極PL2とし、隣りの走査信号線GLを他方の電極PL
1とする保持容量素子(静電容量素子)Caddを構成す
る。この保持容量素子Caddの誘電体膜は、薄膜トラン
ジスタTFTのゲート絶縁膜として使用される絶縁膜G
Iおよび陽極酸化膜AOFで構成されている。
【0073】保持容量素子Caddは走査信号線GLの第
2導電膜g2の幅を広げた部分に形成されている。な
お、映像信号線DLと交差する部分の第2導電膜g2は
映像信号線DLとの短絡の確率を小さくするため細くさ
れている。
【0074】保持容量素子Caddの電極PL1の段差部
において透明画素電極ITO1が断線しても、その段差
をまたがるように形成された第2導電膜d2および第3
導電膜d3で構成された島領域によってその不良は補償
される。
【0075】《ゲート端子部》図10は表示マトリクス
の走査信号線GLからその外部接続端子GTMまでの接
続構造を示す図であり、(A)は平面であり(B)は
(A)のB−B切断線における断面を示している。な
お、同図は図7下方付近に対応し、斜め配線の部分は便
宜状一直線状で表した。
【0076】AOは写真処理用のマスクパターン、言い
換えれば選択的陽極酸化のホトレジストパターンであ
る。従って、このホトレジストは陽極酸化後除去され、
図に示すパターンAOは完成品としては残らないが、ゲ
ート配線GLには断面図に示すように酸化膜AOFが選
択的に形成されるのでその軌跡が残る。平面図におい
て、ホトレジストの境界線AOを基準にして左側はレジ
ストで覆い陽極酸化をしない領域、右側はレジストから
露出され陽極酸化される領域である。陽極酸化されたA
L層g2は表面にその酸化物Al23膜AOFが形成さ
れ下方の導電部は体積が減少する。勿論、陽極酸化はそ
の導電部が残るように適切な時間、電圧などを設定して
行われる。マスクパターンAOは走査線GLに単一の直
線では交差せず、クランク状に折れ曲がって交差させて
いる。
【0077】図中AL層g2は、判り易くするためハッ
チを施してあるが、陽極化成されない領域は櫛状にパタ
ーニングされている。これは、Al層の幅が広いと表面
にホイスカが発生するので、1本1本の幅は狭くし、そ
れらを複数本並列に束ねた構成とすることにより、ホイ
スカの発生を防ぎつつ、断線の確率や導電率の犠牲を最
低限に押さえる狙いである。従って、本例では櫛の根本
に相当する部分もマスクAOに沿ってずらしている。
【0078】ゲート端子GTMは酸化珪素SIO層と接
着性が良くAl等よりも耐電触性の高いCr層g1と、
更にその表面を保護し画素電極ITO1と同レベル(同
層、同時形成)の透明導電層d1とで構成されている。
なお、ゲート絶縁膜GI上及びその側面部に形成された
導電層d2及びd3は、導電層d3やd2のエッチング
時ピンホール等が原因で導電層g2やg1が一緒にエッ
チングされないようその領域をホトレジストで覆ってい
た結果として残っているものである。又、ゲート絶縁膜
GIを乗り越えて右方向に延長されたITO層d1は同
様な対策を更に万全とさせたものである。
【0079】平面図において、ゲート絶縁膜GIはその
境界線よりも右側に、保護膜PSV1もその境界線より
も右側に形成されており、左端に位置する端子部GTM
はそれらから露出し外部回路との電気的接触ができるよ
うになっている。図では、ゲート線GLとゲート端子の
一つの対のみが示されているが、実際はこのような対が
図7に示すように上下に複数本並べられ端子群Tg(図
6、図7)が構成され、ゲート端子の左端は、製造過程
では、基板の切断領域CT1を越えて延長され配線SH
gによって短絡される。製造過程におけるこのような短
絡線SHgは陽極化成時の給電と、配向膜ORI1のラ
ビング時等の静電破壊防止に役立つ。
【0080】《ドレイン端子DTM》図11は映像信号
線DLからその外部接続端子DTMまでの接続を示す図
であり、(A)はその平面を示し、(B)は(A)のB
−B切断線における断面を示す。なお、同図は図7右上
付近に対応し、図面の向きは便宜上変えてあるが右端方
向が基板SUB1の上端部(又は下端部)に該当する。
【0081】TSTdは検査端子でありここには外部回
路は接続されないが、プローブ針等を接触できるよう配
線部より幅が広げられている。同様に、ドレイン端子D
TMも外部回路との接続ができるよう配線部より幅が広
げられている。検査端子TSTdと外部接続ドレイン端
子DTMは上下方向に千鳥状に複数交互に配列され、検
査端子TSTdは図に示すとおり基板SUB1の端部に
到達することなく終端しているが、ドレイン端子DTM
は、図7に示すように端子群Td(添字省略)を構成し
基板SUB1の切断線CT1を越えて更に延長され、製
造過程中は静電破壊防止のためその全てが互いに配線S
Hdによって短絡される。検査端子TSTdが存在する
映像信号線DLのマトリクスを挟んで反対側にはドレイ
ン接続端子が接続され、逆にドレイン接続端子DTMが
存在する映像信号線DLのマトリクスを挟んで反対側に
は検査端子が接続される。
【0082】ドレイン接続端子DTMは前述したゲート
端子GTMと同様な理由でCr層g1及びITO層d1
の2層で形成されており、ゲート絶縁膜GIを除去した
部分で映像信号線DLと接続されている。ゲート絶縁膜
GIの端部上に形成された半導体層ASはゲート絶縁膜
GIの縁をテーパ状にエッチングするためのものであ
る。端子DTM上では外部回路との接続を行うため保護
膜PSV1は勿論のこと取り除かれている。AOは前述
した陽極酸化マスクでありその境界線はマトリクス全体
をを大きく囲むように形成され、図ではその境界線から
左側がマスクで覆われるが、この図で覆われない部分に
は層g2が存在しないのでこのパターンは直接は関係し
ない。
【0083】マトリクス部からドレイン端子部DTMま
での引出配線は図8の(C)部にも示されるように、ド
レイン端子部DTMと同じレベルの層d1,g1のすぐ
上に映像信号線DLと同じレベルの層d2,d3がシー
ルパターンSLの途中まで積層された構造になっている
が、これは断線の確率を最小限に押さえ、電触し易いA
l層d3を保護膜PSV1やシールパターンSLででき
るだけ保護する狙いである。
【0084】《表示装置全体等価回路》表示マトリクス
部の等価回路とその周辺回路の結線図を図12に示す。
同図は回路図ではあるが、実際の幾何学的配置に対応し
て描かれている。ARは複数の画素を二次元状に配列し
たマトリクス・アレイである。
【0085】図中、Xは映像信号線DLを意味し、添字
G、BおよびRがそれぞれ緑、青および赤画素に対応し
て付加されている。Yは走査信号線GLを意味し、添字
1,2,3,…,endは走査タイミングの順序に従って
付加されている。
【0086】映像信号線X(添字省略)は交互に上側
(または奇数)映像信号駆動回路He、下側(または偶
数)映像信号駆動回路Hoに接続されている。
【0087】走査信号線Y(添字省略)は垂直走査回路
Vに接続されている。
【0088】SUPは1つの電圧源から複数の分圧した
安定化された電圧源を得るための電源回路やホスト(上
位演算処理装置)からのCRT(陰極線管)用の情報を
TFT液晶表示装置用の情報に交換する回路を含む回路
である。
【0089】《保持容量素子Caddの働き》保持容量素
子Caddは、薄膜トランジスタTFTがスイッチングす
るとき、中点電位(画素電極電位)Vlcに対するゲート
電位変化ΔVgの影響を低減するように働く。この様子
を式で表すと、次のようになる。
【0090】
【数1】 ΔVlc={Cgs/(Cgs+Cadd+Cpix)}×
ΔVg ここで、Cgsは薄膜トランジスタTFTのゲート電極G
Tとソース電極SD1との間に形成される寄生容量、C
pixは透明画素電極ITO1(PIX)と共通透明画素
電極ITO2(COM)との間に形成される容量、ΔV
lcはΔVgによる画素電極電位の変化分を表わす。この
変化分ΔVlcは液晶LCに加わる直流成分の原因となる
が、保持容量Caddを大きくすればする程、その値を小
さくすることができる。また、保持容量素子Caddは放
電時間を長くする作用もあり、薄膜トランジスタTFT
がオフした後の映像情報を長く蓄積する。液晶LCに印
加される直流成分の低減は、液晶LCの寿命を向上し、
液晶表示画面の切り替え時に前の画像が残るいわゆる焼
き付きを低減することができる。
【0091】前述したように、ゲート電極GTはi型半
導体層ASを完全に覆うよう大きくされている分、ソー
ス電極SD1、ドレイン電極SD2とのオーバラップ面
積が増え、従って寄生容量Cgsが大きくなり、中点電位
Vlcはゲート(走査)信号Vgの影響を受け易くなると
いう逆効果が生じる。しかし、保持容量素子Caddを設
けることによりこのデメリットも解消することができ
る。
【0092】保持容量素子Caddの保持容量は、画素の
書込特性から、液晶容量Cpixに対して4〜8倍(4・C
pix<Cadd<8・Cpix)、寄生容量Cgsに対して8〜3
2倍(8・Cgs<Cadd<32・Cgs)程度の値に設定す
る。
【0093】保持容量電極線としてのみ使用される初段
の走査信号線GL(Y0)は共通透明画素電極ITO2
(Vcom)と同じ電位にする。図7の例では、初段の走
査信号線は端子GT0、引出線INT、端子DT0及び
外部配線を通じて共通電極COMに短絡される。或い
は、初段の保持容量電極線Y0は最終段の走査信号線Ye
ndに接続、Vcom以外の直流電位点(交流接地点)に接
続するかまたは垂直走査回路Vから1つ余分に走査パル
スY0を受けるように接続してもよい。
【0094】《製造方法》つぎに、上述した液晶表示装
置の基板SUB1側の製造方法について図13〜図15
を参照して説明する。なお同図において、中央の文字は
工程名の略称であり、左側は図3に示す画素部分、右側
は図10に示すゲート端子付近の断面形状でみた加工の
流れを示す。工程Dを除き工程A〜工程Iは各写真処理
に対応して区分けしたもので、各工程のいずれの断面図
も写真処理後の加工が終わりフォトレジストを除去した
段階を示している。なお、写真処理とは本説明ではフォ
トレジストの塗布からマスクを使用した選択露光を経て
それを現像するまでの一連の作業を示すものとし、繰返
しの説明は避ける。以下区分けした工程に従って、説明
する。
【0095】工程A、図13 7059ガラス(商品名)からなる下部透明ガラス基板
SUB1の両面に酸化シリコン膜SIOをディップ処理
により設けたのち、500℃、60分間のベークを行な
う。下部透明ガラス基板SUB1上に膜厚が1100Å
のクロムからなる第1導電膜g1をスパッタリングによ
り設け、写真処理後、エッチング液として硝酸第2セリ
ウムアンモニウム溶液で第1導電膜g1を選択的にエッ
チングする。それによって、ゲート端子GTM、ドレイ
ン端子DTM、ゲート端子GTMを接続する陽極酸化バ
スラインSHg、ドレイン端子DTMを短絡するバスラ
インSHd、陽極酸化バスラインSHgに接続された陽
極酸化パッド(図示せず)を形成する。
【0096】工程B、図13 膜厚が2800ÅのAl−Pd、Al−Si、Al−S
i−Ti、Al−Si−Cu等からなる第2導電膜g2
をスパッタリングにより設ける。写真処理後、リン酸と
硝酸と氷酢酸との混酸液で第2導電膜g2を選択的にエ
ッチングする。
【0097】工程C、図13 写真処理後(前述した陽極酸化マスクAO形成後)、3
%酒石酸をアンモニアによりPH6.25±0.05に調
整した溶液をエチレングリコール液で1:9に稀釈した
液からなる陽極酸化液中に基板SUB1を浸漬し、化成
電流密度が0.5mA/cm2になるように調整する(定
電流化成)。次に所定のAl23膜厚が得られるのに必
要な化成電圧125Vに達するまで陽極酸化を行う。そ
の後この状態で数10分保持することが望ましい(定電
圧化成)。これは均一なAl23膜を得る上で大事なこ
とである。それによって、導電膜g2を陽極酸化され、
走査信号線GL、ゲート電極GTおよび電極PL1上に
膜厚が1800Åの陽極酸化膜AOFが形成される。
【0098】工程D、図14 プラズマCVD装置にアンモニアガス、シランガス、窒
素ガスを導入して、膜厚が2000Åの窒化Si膜を設
け、プラズマCVD装置にシランガス、水素ガスを導入
して、膜厚が2000Åのi型非晶質Si膜を設けたの
ち、プラズマCVD装置に水素ガス、ホスフィンガスを
導入して、膜厚が300ÅのN(+)型非晶質Si膜を設
ける。
【0099】工程E、図14 写真処理後、ドライエッチングガスとしてSF6、CC
4を使用してN(+)型非晶質Si膜、i型非晶質Si
膜を選択的にエッチングすることにより、i型半導体層
ASの島を形成する。
【0100】工程F、図14 写真処理後、ドライエッチングガスとしてSF6を使用
して、窒化Si膜を選択的にエッチングする。
【0101】工程G、図15 膜厚が1400ÅのITO膜からなる第1導電膜d1を
スパッタリングにより設ける。写真処理後、エッチング
液として塩酸と硝酸との混酸液で第1導電膜d1を選択
的にエッチングすることにより、ゲート端子GTM、ド
レイン端子DTMの最上層および透明画素電極ITO1
を形成する。
【0102】工程H、図15 膜厚が600ÅのCrからなる第2導電膜d2をスパッ
タリングにより設け、さらに膜厚が4000ÅのAl−
Pd、Al−Si、Al−Si−Ti、Al−Si−C
u等からなる第3導電膜d3をスパッタリングにより設
ける。写真処理後、第3導電膜d3を工程Bと同様な液
でエッチングし、第2導電膜d2を工程Aと同様な液で
エッチングし、映像信号線DL、ソース電極SD1、ド
レイン電極SD2を形成する。つぎに、ドライエッチン
グ装置にCCl4、SF6を導入して、N(+)型非晶質S
i膜をエッチングすることにより、ソースとドレイン間
のN(+)型半導体層d0を選択的に除去する。
【0103】工程I、図15 プラズマCVD装置にアンモニアガス、シランガス、窒
素ガスを導入して、膜厚が1μmの窒化Si膜を設け
る。写真処理後、ドライエッチングガスとしてSF6
使用した写真蝕刻技術で窒化Si膜を選択的にエッチン
グすることによって、保護膜PSV1を形成する。
【0104】《透明ガラス基板SUB1、SUB2の組
立て工程》図22は、透明ガラス基板SUB1およびS
UB2をそれぞれ上述したように加工した後に、それら
を互いに組み合わせて液晶表示基板を構成する組立て工
程図である。
【0105】ここで、透明ガラス基板SUB1は、図2
3に示すように、一枚のガラス基板の一面に上記薄膜ト
ランジスタTFT、走査信号線GL、映像信号線DL等
からなる同一の電子回路を4個所(2×2個所)に形成
したものである(図23ではTFTで示している)。
【0106】また、透明ガラス基板SUB2は、図24
に示すように、前記透明ガラス基板SUB1と対応した
ものであり、したがって、同様の大きさのガラス基板の
一面に共通電極、フィルタ等からなる同一の電子回路を
4個所(2×2個所)に形成したものである(図24で
はCFで示している)。
【0107】工程1 前記透明ガラス基板SUB1およびSUB2のそれぞれ
を図23および図24の一点鎖線CT1A、CT2Aに
示す個所で切断し、各透明ガラス基板SUB1およびS
UB2を2個の電子回路が形成された基板に分割する。
【0108】この場合における透明ガラス基板SUB1
およびSUB2のそれぞれの切断の方法については後に
詳述する。
【0109】工程2 分割された各透明ガラス基板SUB1およびSUB2を
洗浄し、その後に配向膜を形成する。
【0110】この配向膜形成は、まず、オゾン処理(U
V/O2)によって異物を取り除いた後に、たとえばレ
ジスト膜を印刷により形成し、焼成によって硬化させ
る。そして、その後に該レジスト膜の表面をラビングす
ることによって配向膜を形成する。
【0111】工程3 その後、透明ガラス基板SUB2の配向膜が形成された
面にビーズを分散させ、電子回路の周辺にシールSLを
形成する。
【0112】工程4 透明ガラス基板SUB1およびSUB2をそれぞれその
電子回路が形成された面を向き合わせて組立てを行う。
【0113】工程5 透明ガラス基板SUB1およびSUB2との間における
ギャップを設定どおりにするGap出しを行い、その後
上記シールSLを硬化させる。
【0114】工程6 透明ガラス基板SUB1およびSUB2を切断すること
によって、それぞれ対応する電子回路を組み込んだ一の
液晶表示基板を構成する。
【0115】工程7 液晶表示基板内に液晶を封入し、その後封止する。
【0116】工程8 液晶表示基板の外側に付着した液晶を洗浄する。
【0117】工程9 透明ガラス基板SUB1、SUB2の周辺を切断するこ
とにより、これにより各端子の共通接続がなされた部分
を切り落す。この工程における切断個所は、図7のCT
1、CT2に示している。
【0118】この場合における透明ガラス基板SUB1
の切断の方法については後に詳述する。
【0119】《透明ガラス基板SUB1あるいはSUB
2の切断工程》図25は、図22の工程1および工程9
のそれぞれにおける透明ガラス基板SUB1およびSU
B2の切断を行う際の工程を示した装置図である。
【0120】同図は、移載、搬送式に一連の処理ができ
るように、各工程がなされる装置を順次配置して構成さ
れている。
【0121】まず、切断前の透明ガラス基板SUBを装
置内に搬送するための入口となるローダ装置(1)があ
り、このローダ装置(1)に配置された透明ガラス基板
SUBは、搬送移載装置(2)によってスクライブ装置
(3)にまで移載されるようになっている。
【0122】このスクライブ装置(3)における透明ガ
ラス基板SUBのスクライブについては後に詳述する。
【0123】スクライブされた透明ガラス基板SUBは
移載装置(4)によってブレイク装置(5)にまで移載
されるようになっている。
【0124】このブレイク装置(5)における透明ガラ
ス基板SUBのブレイクについては後に詳述する。
【0125】ブレイクによって透明ガラス基板SUBか
ら切断された破材は破材除去装置(6)によって除去さ
れ、その装置に備えられている破材受(7)に蓄積され
るようになつている。
【0126】その後、ブレイクによって切断がなされた
透明ガラス基板SUBは、面取りコーナカット装置
(8)に搬送され、純水供給槽(13)から供給される
純水によって面取りがなされるようになっている。
【0127】さらに、透明ガラス基板SUBは、移載装
置(9)によって移載されて洗浄装置(10)によって
洗浄され、分別移載装置(11)によって水中アンロー
ダ(12)上に配列されるようになっている。
【0128】これらの工程中における透明ガラス基板S
UBの状態を図26に示す。同図において、各装置にお
ける透明ガラス基板SUBの状態は、各装置の番号に対
応づけて記載している。
【0129】なお、この図では、図22における工程1
の切断工程に対応づけて説明しているものであるが、工
程9においても同様である。
【0130】なお、上記スクライブおよびブレイクの各
工程では、後に詳述するように液体中でなされるように
なっており、これによって湿った状態にある透明ガラス
基板SUBは、製品として完成される前の洗浄工程に到
るまでは乾燥させないようになっている。その理由は、
途中の段階における乾燥によって汚れによるしみ等が透
明ガラス基板に発生するのを防止するためである。
【0131】《スクライブ装置とその動作説明》図1
(a)ないし(c)は、図25に示したスクライブ装置
の一実施例を示した構成図である。同図において、ま
ず、水槽1があり、この水槽1の底面には吸着ベース2
が配置されている。
【0132】この吸着ベース2には、その内部に組み込
まれている真空吸着機構によって透明ガラス基板SUB
(厚さ:t)が吸着保持されている。
【0133】そして、該吸着ベース2および透明ガラス
基板SUBは水3に浸積され、該透明ガラス基板SUB
面には、その切断個所に沿ってホィール4が走行するよ
うになっている。
【0134】すなわち、該ホィール4はその支持体によ
って支持され、水槽1外に取り付けられた図示しない駆
動機構によって該ホィール4を速度Vの速さで走行させ
るようになっている。これにより、該ホィール4は回転
速度nで回転しながら透明ガラス基板SUB面に深さh
(h<t)の溝を形成するようになっている。
【0135】また、水槽内の水は、図1(c)に示すよ
うに一定方向の流れが形成されるようになっている。同
図(c)に示すように、主としてホィール4の進行方向
と反対側に水流Q3が形成され、さらに、ホィール4の
前方側において、その歯面を形成するテーパ面にほぼ垂
直となるように水流Q1が形成され、また、ホィールの
後方側において、その歯面を形成するテーパ面にほぼ沿
うようにして水流Q2が形成されるようになっている。
【0136】このような水流は、たとえば水槽内に取り
付けたノズルから高圧水流を噴射させることによって容
易に形成することができるようになる。
【0137】さらに、図21に示すように、水面上にお
けるホィールの近傍には、その前方部における歯面にジ
ェット水流Q4が形成されるようになっている。
【0138】このようなジェット水流は、たとえばホィ
ールの近傍に取り付けたノズルから高圧水流を噴射させ
ることによって容易に形成することができるようにな
る。
【0139】図27(a)ないし(d)は、このような
スクライブ装置を用いて透明ガラス基板SUBをスクラ
イブする手順を示した説明図である。
【0140】工程1 図27(a)に示すように、透明ガラス基板SUBを水
槽1の上方に移動させ、該水槽1内に配置されている吸
着ベース2に対向させる。
【0141】工程2 図27(b)に示すように、透明ガラス基板SUBを下
降させ、吸着ベース1に載置すると同時に、該吸着ベー
ス2を真空に引くことにより、該透明ガラス基板SUB
を吸着ベース2に吸着させる。その後、吸着ベース2お
よび透明ガラス基板SUBが浸積されるように水3を供
給する。この水3は比抵抗の小さい液体からなり、たと
えば炭酸ガスが含有された水溶液が用いられる。
【0142】工程3 図27(c)に示すように、水面上からホィール4を下
降させ、該ホィール4の歯面を透明ガラス基板SUBの
切断個所に一致させる。
【0143】工程4 図27(d)に示すように、該ホィール4を透明ガラス
基板SUBの切断個所に沿って移動させる。これによ
り、ホィール4それ自体は回転をともなって移動し、該
透明ガラス基板SUBの切断個所に溝を形成するように
なる。
【0144】この場合、水槽1内に配置されている図示
しないノズルによって、図1(c)に示したように、高
圧水流Qが液内に形成されるようになっている。
【0145】このような手順を踏むことにより、一連の
生産工程におけるスクライブ工程を簡単な構成によって
自動化することができるようになる。
【0146】また、透明ガラス基板SUBのスクライブ
を液中で行うことによって、その際に生じるガラスの破
片屑が該透明ガラス基板上の電子回路面に付着し難くな
り、これにより該電子回路面へのガラス破片屑の付着を
防止できるようになる。
【0147】また、水槽1内の水に流れを形成すること
により、透明ガラス基板SUBのスクライブの際に生じ
るガラスの破片屑は流れによって浮遊され、これにより
ガラス破片屑の電子回路への付着を防止できるようにな
る。
【0148】また、水槽1内の水3には炭酸ガスを含有
させて比抵抗を小さくしていることから、透明ガラス基
板SUBへの静電気の蓄積を防止することができるよう
になる。
【0149】《ブレイク装置とその動作説明》図28
(a)ないし(c)は、図25に示したブレイク装置の
一実施例を示した構成図である。同図に示すブレイク装
置は、上述したスクライブ装置とほぼ同様の構成をと
り、該スクライブ装置と異なる構成は、ホィール4の代
わりにスキージ6を備えていることにある。
【0150】すなわち、このスキージ6は、水槽1の上
方に位置づけられるようになっており、そのスキージ6
が下降することによって、その刃先が透明ガラス基板S
UBの既にスクライブされた個所に位置づけられること
になり、そのまま透明ガラス基板側に押圧力が働くこと
になる。
【0151】また、スクライブ装置と同様に、水槽1内
の水は、図28(c)に示すように一定方向の流れが形
成されるようになっている。同図に示すように、主とし
てスキージの長手方向に沿って水流Q2が形成され、さ
らに、その流れ方向に対して鋭角となる斜め方向に水流
1が形成されるようになっている。
【0152】このような水流は、たとえば水槽内に取り
付けたノズルから高圧水流を噴射させることによって容
易に形成することができるようになる。
【0153】図29(a)ないし(d)は、このような
ブレイク装置を用いて透明ガラス基板SUBをブレイク
する手順を示した説明図である。
【0154】工程1 図29(a)に示すように、既にスクライブ工程を経た
透明ガラス基板SUBを水槽1の上方に移動させ、該水
槽1内に配置されている吸着ベース2に対向させる。
【0155】工程2 図29(b)に示すように、透明ガラス基板SUBを下
降させ、吸着ベース2に載置すると同時に、該吸着ベー
ス2を真空に引くことにより、該透明ガラス基板SUB
を吸着ベース2に吸着させる。その後、吸着ベース2お
よび透明ガラス基板SUBが浸積されるように水を供給
する。この水は比抵抗の小さい液体からなり、たとえば
炭酸ガスが含有された水溶液が用いられる。
【0156】工程3 図29(c)に示すように、液面上からスキージ6を下
降させる。
【0157】工程4 該スキージ6の歯面を透明ガラス基板SUBのスクライ
ブされた個所に一致させ、該透明ガラス基板SUB側に
押圧力を加える。
【0158】この場合、水槽内に配置されている図示し
ないノズルによって、図28(c)に示したように、高
圧水流が液内に形成されるようになっている。
【0159】このような手順を踏むことにより、一連の
生産工程におけるブレイク工程を簡単な構成によって自
動化することができるようになる。
【0160】また、透明ガラス基板SUBのブレイクを
液中内で行っていることから、その際に生じるガラスの
破片屑が該透明ガラス基板SUB上の電子回路面に付着
し難くなり、これにより該電子回路面へのガラス破片屑
の付着を防止できるようになる。
【0161】また、水槽1内の水に流れを形成すること
により、透明ガラス基板SUBのブレイクの際に生じる
ガラスの破片屑は流れによって浮遊され、これによりガ
ラス破片屑の電子回路への付着を防止できるようにな
る。
【0162】また、水槽1内の水3には炭酸ガスを含有
させて比抵抗を小さくしていることから、透明ガラス基
板SUBへの静電気の蓄積を防止することができるよう
になる。
【0163】《液晶表示モジュールの全体構成》図16
は、液晶表示モジュールMDLの各構成部品を示す分解
斜視図である。
【0164】SHDは金属板から成る枠状のシールドケ
ース(メタルフレーム)、LCWその表示窓、PNLは
液晶表示パネル、SPBは光拡散板、MFRは中間フレ
ーム、BLはバックライト、BLSはバックライト支持
体、LCAは下側ケースであり、図に示すような上下の
配置関係で各部材が積み重ねられてモジュールMDLが
組み立てられる。
【0165】モジュールMDLは、シールドケースSH
Dに設けられた爪CLとフックFKによって全体が固定
されるようになっている。
【0166】中間フレームMFRは表示窓LCWに対応
する開口が設けられるように枠状に形成され、その枠部
分には拡散板SPB、バックライト支持体BLS並びに
各種回路部品の形状や厚みに応じた凹凸や、放熱用の開
口が設けられている。
【0167】下側ケースLCAはバックライト光の反射
体も兼ねており、効率のよい反射ができるよう、蛍光管
BLに対応して反射山RMが形成されている。
【0168】《表示パネルPNLと駆動回路基板PCB
1》図17は、図5等に示した表示パネルPNLに映像
信号駆動回路He、Hoと垂直走査回路Vを接続した状
態を示す上面図である。
【0169】CHIは表示パネルPNLを駆動させる駆
動ICチップ(下側の3個は垂直走査回路側の駆動IC
チップ、左右の6個ずつは映像信号駆動回路側の駆動I
Cチップ)である。TCPは図18、図19で後述する
ように駆動用ICチップCHIがテープ・オートメイテ
ィド・ボンディング法(TAB)により実装されたテー
プキャリアパッケージ、PCB1は上記TCPやコンデ
ンサCDS等が実装された駆動回路基板で、3つに分割
されている。FGPはフレームグランドパッドであり、
シールドケースSHDに切り込んで設けられたバネ状の
破片FGが半田付けされる。FCは下側の駆動回路基板
PCB1と左側の駆動回路基板PCB1、および下側の
駆動回路基板PCB1と右側の駆動回路基板PCB1と
を電気的に接続するフラットケーブルである。フラット
ケーブルFCとしては図に示すように、複数のリード線
(りん青銅の素材にSn鍍金を施したもの)をストライ
プ状のポリエチレン層とポリビニルアルコール層とでサ
ンドイッチして支持したものを使用する。
【0170】《TCPの接続構造》図18は走査信号駆
動回路Vや映像信号駆動回路He,Hoを構成する、集
積回路チップCHIがフレキシブル配線基板に搭載され
たテープキャリアパッケージTCPの断面構造を示す図
であり、図19はそれを液晶表示パネルの、本例では映
像信号回路用端子DTMに接続した状態を示す要部断面
図である。
【0171】同図において、TTBは集積回路CHIの
入力端子・配線部であり、TTMは集積回路CHIの出
力端子・配線部であり、例えばCuから成り、それぞれ
の内側の先端部(通称インナーリード)には集積回路C
HIのボンディングパッドPADがいわゆるフェースダ
ウンボンディング法により接続される。端子TTB,T
TMの外側の先端部(通称アウターリード)はそれぞれ
半導体集積回路チップCHIの入力及び出力に対応し、
半田付け等によりCRT/TFT変換回路・電源回路S
UPに、異方性導電膜ACFによって液晶表示パネルP
NLに接続される。パッケージTCPは、その先端部が
パネルPNL側の接続端子DTMを露出した保護膜PS
V1を覆うようにパネルに接続されており、従って、外
部接続端子DTM(GTM)は保護膜PSV1かパッケ
ージTCPの少なくとも一方で覆われるので電触に対し
て強くなる。
【0172】BF1はポリイミド等からなるベースフィ
ルムであり、SRSは半田付けの際半田が余計なところ
へつかないようにマスクするためのソルダレジスト膜で
ある。シールパターンSLの外側の上下ガラス基板の隙
間は洗浄後エポキシ樹脂EPX等により保護され、パッ
ケージTCPと上側基板SUB2の間には更にシリコー
ン樹脂SILが充填され保護が多重化されている。
【0173】《駆動回路基板PCB2》中間フレームM
FRに保持・収納される液晶表示部LCDの駆動回路基
板PCB2は、図31に示すように、L字形をしてお
り、IC、コンデンサ、抵抗等の電子部品が搭載されて
いる。この駆動回路基板PCB2には、1つの電圧源か
ら複数の分圧した安定化された電圧源を得るための電源
回路や、ホスト(上位演算処理装置)からのCRT(陰
極線管)用の情報をTFT液晶表示装置用の情報に変換
する回路を含む回路SUPが搭載されている。CJは外
部と接続される図示しないコネクタが接続されるコネク
タ接続部である。駆動回路基板PCB2とインバータ回
路基板PCB3とはバックライトケーブルにより中間フ
レームMFRに設けたコネクタ穴を介して電気的に接続
される。
【0174】駆動回路基板PCB1と駆動回路基板PC
B2とは折り曲げ可能なフラットケーブルFCにより電
気的に接続されている。組立て時、駆動回路基板PCB
2は、フラットケーブルFCを180°折り曲げることに
より駆動回路基板PCB1の裏側に重ねられ、中間フレ
ームMFRの所定の凹部に嵌合される。
【0175】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明による液晶表示基板の製造方法によれば、ガラス
基板の切断の際において、それによって生じるガラス破
片屑の電子回路面への付着を完全に除去できるようにな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による液晶表示基板の製造方法に適用さ
れるスクライブ装置の一実施例を示す構成図である。
【図2】この発明が適用されるアクティブ・マトリック
ス方式のカラー液晶表示装置の液晶表示部の一画素とそ
の周辺を示す要部平面図である。
【図3】図2の3−3切断線における1画素とその周辺
を示す断面図である。
【図4】図2の4−4切断線における付加容量Caddの
断面図である。
【図5】表示パネルのマトリクス周辺部の構成を説明す
るための平面図である。
【図6】図5の周辺部をやや誇張し更に具体的に説明す
るためのパネル平面図である。
【図7】上下基板の電気的接続部を含む表示パネルの角
部の拡大平面図である。
【図8】マトリクスの画素部を中央に、両側にパネル角
付近と映像信号端子部付近を示す断面図である。
【図9】左側に走査信号端子、右側に外部接続端子の無
いパネル縁部分を示す断面図である。
【図10】ゲート端子GTMとゲート配線GLの接続部
近辺を示す平面と断面の図である。
【図11】ドレイン端子DTMと映像信号線DLとの接
続部付近を示す平面と断面の図である。
【図12】アクティブ・マトリックス方式のカラー液晶
表示装置のマトリクス部とその周辺を含む回路図であ
る。
【図13】基板SUB1側の工程A〜Cの製造工程を示
す画素部とゲート端子部の断面図のフローチャートであ
る。
【図14】基板SUB1側の工程D〜Fの製造工程を示
す画素部とゲート端子部の断面図のフローチャートであ
る。
【図15】基板SUB1側の工程G〜Iの製造工程を示
す画素部とゲート端子部の断面図のフローチャートであ
る。
【図16】液晶表示モジュールの分解斜視図である。
【図17】液晶表示パネルに周辺の駆動回路を実装した
状態を示す上面図である。
【図18】駆動回路を構成する集積回路チップCHIが
フレキシブル配線基板に搭載されたテープキャリアパッ
ケージTCPの断面構造を示す図である。
【図19】テープキャリアパッケージTCPを液晶表示
パネルPNLの映像信号回路用端子DTMに接続した状
態を示す要部断面図である。
【図20】周辺駆動回路基板PCB1(上面が見える)
と電源回路回路基板PCB2(下面が見える)との接続
状態を示す上面図である。
【図21】本発明に適用されるスクライブ装置の構成を
示す要部構成図である。
【図22】本発明による液晶表示基板の組立ての一実施
例を示す工程図である。
【図23】本発明による液晶表示基板の組立ての際の一
工程における一方の液晶表示基板の状態を示す平面図で
ある。
【図24】本発明が適用される液晶表示基板の組立ての
際の一工程における他方の液晶表示基板の状態を示す平
面図である。
【図25】本発明が適用される液晶表示基板の切断の工
程を示す装置図である。
【図26】図25の工程に対応づけて示した液晶表示基
板の状態を示す説明図である。
【図27】本発明に適用されるスクライブ装置の動作手
順を示す動作図である。
【図28】本発明に適用されるブレイク装置の一実施例
を示す構成図である。
【図29】本発明に適用されるブレイク装置の動作手順
を示す動作図である。
【符号の説明】
SUB…透明ガラス基板、GL…走査信号線、DL…映
像信号線 GI…絶縁膜、GT…ゲート電極、AS…i型半導体層 SD…ソース電極またはドレイン電極、PSV…保護
膜、BM…遮光膜 LC…液晶、TFT…薄膜トランジスタ、ITO…透明
画素電極 g、d…導電膜、Cadd…保持容量素子、AOF…陽極
酸化膜 AO…陽極酸化マスク、GTM…ゲート端子、DTM…
ドレイン端子 SHD…シールドケース、PNL…液晶表示パネル、S
PB…光拡散板、MFR…中間フレーム、BL…バック
ライト、BLS…バックライト支持体、LCA…下側ケ
ース、RM…バックライト光反射山、(以上添字省略)
1…水槽、2…吸着ベース、3…水、4…ホィール、6
…スキージ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三谷 英男 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所電子デバイス事業部内 (72)発明者 藤田 主税 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所電子デバイス事業部内 (72)発明者 都竹 進 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所電子デバイス事業部内 (72)発明者 大和田 淳一 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所電子デバイス事業部内 (72)発明者 望月 雅彦 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所電子デバイス事業部内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液晶を介して対向配置されるガラス基板の
    うち少なくとも一方のガラス基板の液晶側の面に電子回
    路を形成した後に該ガラス基板を切断する工程を含む液
    晶表示基板の製造方法において、該ガラス基板の切断を
    液体中で行うことを特徴とする液晶表示基板の製造方
    法。
  2. 【請求項2】液体にほぼ一方向の流れを形成し、その液
    体中でガラス基板の切断を行うことを特徴とする請求項
    1記載の液晶表示基板の製造方法。
  3. 【請求項3】ガラス基板の切断個所に沿って溝を形成す
    るスクライブに請求項1あるいは請求項2記載の発明を
    適用させたことを特徴とする液晶表示基板の製造方法。
  4. 【請求項4】ガラス基板の切断個所に沿って溝を形成し
    た後、その溝に沿って切断するブレイクに請求項1ある
    いは請求項2記載の発明を適用させたことを特徴とする
    液晶表示基板の製造方法。
  5. 【請求項5】槽内に配置されてガラス基板を真空吸着さ
    せる吸着台と、この吸着台に該ガラス基板を真空吸着さ
    せた後に該槽内に液体を供給する液体供給口と、前記ガ
    ラス基板をスクライブするホィールとを備えたことを特
    徴とする液晶表示基板の製造装置。
  6. 【請求項6】スクライブ方向に沿ったホィールの移動方
    向と逆方向に沿って液体の流れを形成する手段が備えら
    れていることを特徴とする請求項5記載の液晶表示基板
    の製造方法。
  7. 【請求項7】液面から露出されているホィールを液体シ
    ャワーによって洗浄する手段が備えられたことを特徴と
    する請求項5あるいは請求項6記載の液晶表示基板の製
    造装置。
  8. 【請求項8】槽内に配置されてガラス基板を真空吸着さ
    せる吸着台と、この吸着台に該ガラス基板を真空吸着さ
    せた後に該槽内に液体を供給する液体供給口と、前記ガ
    ラス基板をブレイクするスキージとを備えたことを特徴
    とする液晶表示基板の製造装置。
  9. 【請求項9】スキージの面に沿って液体の流れを形成す
    る手段が備えられていることを特徴とする請求項8記載
    の液晶表示基板の製造方法。
  10. 【請求項10】液晶を介して対向配置されるガラス基板
    のうち少なくとも一方のガラス基板を切断する工程を含
    む液晶表示基板の製造方法において、該ガラス基板の切
    断を比抵抗の小さい液体中で行うことを特徴とする液晶
    表示基板の製造方法。
  11. 【請求項11】比抵抗の小さい液体として水に炭酸ガス
    を含有させたものを用いることを特徴とする請求項10
    記載の液晶表示基板の製造方法。
  12. 【請求項12】一枚のガラス基板の一面に同パターンの
    電子回路を形成し、これら各電子回路毎に該ガラス基板
    を分離する際の切断において、請求項1ないし請求項
    6、請求項10および請求項11の発明のうちの少なく
    とも一の発明を適用させたことを特徴とする液晶表示装
    置の製造方法。
  13. 【請求項13】請求項1ないし請求項6、請求項12記
    載の発明のうちの少なくとも一の発明を適用させた場
    合、その後の洗浄の工程に到るまではガラス基板を乾燥
    させないことを特徴とする液晶表示基板の製造方法。
JP33142693A 1993-12-27 1993-12-27 液晶表示基板の製造方法 Pending JPH07191308A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005123356A1 (en) * 2004-06-16 2005-12-29 Essel-Tech Co., Ltd. Pressing roller apparatus for brittle material cleaving machine

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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