JPH06258667A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JPH06258667A
JPH06258667A JP4489593A JP4489593A JPH06258667A JP H06258667 A JPH06258667 A JP H06258667A JP 4489593 A JP4489593 A JP 4489593A JP 4489593 A JP4489593 A JP 4489593A JP H06258667 A JPH06258667 A JP H06258667A
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film
liquid crystal
signal line
electrode
crystal display
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JP4489593A
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English (en)
Inventor
Minoru Hiroshima
實 廣島
Ryoji Oritsuki
良二 折付
Masahiro Yanai
雅弘 箭内
Kiyao Kozai
甲矢夫 香西
Juichi Horii
寿一 堀井
Masaaki Matsuda
正昭 松田
Takashi Isoda
高志 磯田
Yuichi Hashimoto
雄一 橋本
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Hitachi Ltd
Hitachi Consumer Electronics Co Ltd
Japan Display Inc
Original Assignee
Hitachi Device Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
Hitachi Consumer Electronics Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 薄膜トランジスタの電極間等に短絡が生ずる
のを防止し、信号線等に断線が生ずるのを防止する。 【構成】 ゲート電極GT、ソース電極SD1、ドレイ
ン電極SD2のパターンのパターン角度を225度以下
にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、液晶表示装置に係
り、特に、薄膜トランジスタ等を使用したアクティブ・
マトリクス方式の液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】アクティブ・マトリクス方式の液晶表示
装置は、マトリクス状に配列された複数の画素電極のそ
れぞれに対応して非線形素子(スイッチング素子)を設
けたものである。各画素における液晶は理論的には常時
駆動(デューティ比 1.0)されているので、時分割駆動
方式を採用している、いわゆる単純マトリクス方式と比
べてアクティブ方式はコントラストが良く、特にカラー
液晶表示装置では欠かせない技術となりつつある。スイ
ッチング素子として代表的なものとしては薄膜トランジ
スタ(TFT)がある。
【0003】図22は従来のアクティブ・マトリクス方
式の液晶表示装置の薄膜トランジスタ部を示す図であ
る。図に示すように、走査信号線GLと映像信号線DL
とが交差して設けられ、走査信号線GLと映像信号線D
Lとによって囲まれた部分に透明画素電極ITO1が設
けられ、走査信号線GLと映像信号線DLとの交差に走
査信号線GLに接続されたゲート電極GTが設けられ、
ゲート電極GT上に透明画素電極ITO1に接続された
ソース電極SD1が設けられ、ゲート電極GT上に映像
信号線DLに接続されたドレイン電極SD2が設けられ
ている。そして、ゲート電極GT、ソース電極SD1、
ドレイン電極SD2等のパターンにはパターン角θが2
70度の角部CNPが存在する。
【0004】なお、薄膜トランジスタを使用したアクテ
ィブ・マトリクス方式の液晶表示装置は、例えば特開昭
63−309921号公報や、「冗長構成を採用した1
2.5型アクティブ・マトリクス方式カラー液晶ディスプ
レイ」、日経エレクトロニクス、頁193〜210、1986年12
月15日、日経マグロウヒル社発行、で知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような液晶表示装
置においては、ホトレジスト塗布、露光、現像、エッチ
ング、ホトレジスト除去等の工程からなる写真処理によ
り走査信号線GL、映像信号線DL等のパターンを形成
するときに、角部CNPにホトレジストが残るから、次
に成膜される膜を角部CNPに確実に成膜することがで
きないので、ゲート電極GTとソース電極SD1、ドレ
イン電極SD2との間等に短絡が発生し、また映像信号
線DL等に断線が発生することがある。
【0006】この発明は上述の課題を解決するためにな
されたもので、薄膜トランジスタの電極間等に短絡が生
ずることがなく、信号線等に断線が生ずることがない液
晶表示装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、この発明においては、薄膜トランジスタを有する液
晶表示装置において、上記薄膜トランジスタのパターン
のパターン角度を240度以下にする。
【0008】
【作用】この液晶表示装置においては、薄膜トランジス
タのパターンの角部にホトレジストが残らないから、次
に成膜される膜を角部に確実に成膜することができる。
【0009】
【実施例】この発明、この発明の更に他の目的およびこ
の発明の更に他の特徴は図面を参照した以下の説明から
明らかとなるであろう。
【0010】《アクティブ・マトリクス液晶表示装置》
以下、アクティブ・マトリクス方式のカラー液晶表示装
置にこの発明を適用した実施例を説明する。なお、以下
説明する図面で、同一機能を有するものは同一符号を付
け、その繰り返しの説明は省略する。
【0011】《マトリクス部の概要》図2はこの発明が
適用されるアクティブ・マトリクス方式カラー液晶表示
装置の一画素とその周辺を示す平面図、図3は図2の3
−3切断線における断面図、図4は図2の4−4切断線
における断面図である。
【0012】図2に示すように、各画素は隣接する2本
の走査信号線(ゲート信号線または水平信号線)GL
と、隣接する2本の映像信号線(ドレイン信号線または
垂直信号線)DLとの交差領域内(4本の信号線で囲ま
れた領域内)に配置されている。各画素は薄膜トランジ
スタTFT、透明画素電極ITO1および保持容量素子
Caddを含む。走査信号線GLは図では左右方向に延在
し、上下方向に複数本配置されている。映像信号線DL
は上下方向に延在し、左右方向に複数本配置されてい
る。
【0013】図3に示すように、液晶LC層を基準にし
て下部透明ガラス基板SUB1側には薄膜トランジスタ
TFTおよび透明画素電極ITO1が形成され、上部透
明ガラス基板SUB2側にはカラーフィルタFIL、ブ
ラックマトリクスパターンの遮光膜BMが形成されてい
る。透明ガラス基板SUB1、SUB2の両面にはディ
ップ処理等によって形成された酸化シリコン膜SIOが
設けられている。
【0014】上部透明ガラス基板SUB2の内側(液晶
LC側)の表面には、遮光膜BM、カラーフィルタFI
L、保護膜PSV2、共通透明画素電極ITO2(CO
M)および上部配向膜ORI2が順次積層して設けられ
ている。
【0015】《マトリクス周辺の概要》図5は透明ガラ
ス基板SUB1、SUB2を含む表示パネルPNLのマ
トリクスARの周辺の要部平面を示す図、図6はその周
辺部を更に誇張した平面を示す図、図7は図5および図
6のパネル左上角部に対応するシールパターンSL付近
の拡大平面を示す図である。また、図8は図3の断面を
中央にして、左側に図7の8a−8a切断線における断
面を、右側に映像信号駆動回路が接続されるべき外部接
続端子であるドレイン端子DTM付近の断面を示す図で
ある。同様に図9は、左側に垂直走査回路が接続される
べき外部接続端子であるゲート端子GTM付近の断面
を、右側に外部接続端子が無いところのシール部付近の
断面を示す図である。
【0016】この表示パネルの製造では、小さいサイズ
であればスループット向上のため1枚のガラス基板で複
数個分のデバイスを同時に加工してから分割し、大きい
サイズであれば製造設備の共用のためどの品種でも標準
化された大きさのガラス基板を加工してから各品種に合
ったサイズに小さくし、いずれの場合も一通りの工程を
経てからガラス基板を切断する。図5〜図7は後者の例
を示すもので、図5、図6の両図とも透明ガラス基板S
UB1、SUB2の切断後を、図7は切断前を表してお
り、LNは透明ガラス基板SUB1、SUB2の切断前
の縁を、CT1、CT2はそれぞれ透明ガラス基板SU
B1、SUB2を切断すべき切断線を示す。いずれの場
合も、完成状態では外部接続端子群Tg、Td(添字
略)が存在する(図で上下辺と左辺の)部分はそれらを
露出するように上部透明ガラス基板SUB2の大きさが
下部透明ガラス基板SUB1よりも内側に制限されてい
る。端子群Tg、Tdはそれぞれ後述する垂直走査回路
接続用のゲート端子GTM、映像信号駆動回路接続用の
ドレイン端子DTMとそれらの引出配線部を集積回路チ
ップCHIが搭載されたテープキャリアパッケージTC
P(図18、図19)の単位に複数本まとめて名付けた
ものである。各群のマトリクスAR部から外部接続端子
部に至るまでの引出配線は、両端に近づくにつれ傾斜し
ている。これは、テープキャリアパッケージTCPの配
列ピッチおよび各テープキャリアパッケージTCPにお
ける接続端子ピッチに表示パネルPNLの端子DTM、
GTMを合わせるためである。
【0017】透明ガラス基板SUB1、SUB2の間に
はその縁に沿って、液晶封入口INJを除き、液晶LC
を封止するようにシールパターンSLが形成される。シ
ールパターンSLはたとえばエポキシ樹脂からなる。上
部透明ガラス基板SUB2側の共通透明画素電極ITO
2は、少なくとも一箇所において、この表示装置では表
示パネルPNLの4角で銀ペースト材AGPによって下
部透明ガラス基板SUB1側に形成されたその引出配線
INTに接続されている。この引出配線INTは後述す
るゲート端子GTM、ドレイン端子DTMと同一製造工
程で形成される。
【0018】配向膜ORI1、ORI2、透明画素電極
ITO1、共通透明画素電極ITO2のそれぞれの層
は、シールパターンSLの内側に形成される。偏光板P
OL1、POL2はそれぞれ下部透明ガラス基板SUB
1、上部透明ガラス基板SUB2の外側の表面に形成さ
れている。液晶LCは液晶分子の向きを設定する下部配
向膜ORI1と上部配向膜ORI2との間でシールパタ
ーンSLで仕切られた領域に封入されている。下部配向
膜ORI1は下部透明ガラス基板SUB1側の保護膜P
SV1の上部に形成される。
【0019】この液晶表示装置は、下部透明ガラス基板
SUB1側、上部透明ガラス基板SUB2側で別個に種
々の層を積み重ね、シールパターンSLを上部透明ガラ
ス基板SUB2側に形成し、上部透明ガラス基板SUB
1と下部透明ガラス基板SUB2とを重ね合わせ、シー
ルパターンSLの液晶封入口INJから液晶LCを注入
し、液晶封入口INJをエポキシ樹脂などで封止し、透
明ガラス基板SUB1、SUB2を切断することによっ
て組み立てられる。
【0020】《薄膜トランジスタTFT》次に、図2、
図3に戻り、薄膜トランジスタTFTが形成された下部
透明ガラス基板SUB1側の構成を詳しく説明する。
【0021】薄膜トランジスタTFTは、ゲート電極G
Tに正のバイアスを印加すると、ソース−ドレイン間の
チャネル抵抗が小さくなり、バイアスを零にすると、チ
ャネル抵抗は大きくなるように動作する。
【0022】各画素には複数(2つ)の薄膜トランジス
タTFT1、TFT2が冗長して設けられる。薄膜トラ
ンジスタTFT1、TFT2のそれぞれは、実質的に同
一サイズ(チャネル長、チャネル幅が同じ)で構成さ
れ、ゲート電極GT、ゲート絶縁膜GI、i型(真性、
intrinsic、導電型決定不純物がドープされていない)
非晶質Siからなるi型半導体層AS、一対のソース電
極SD1、ドレイン電極SD2を有する。なお、ソー
ス、ドレインは本来その間のバイアス極性によって決ま
るもので、この液晶表示装置の回路ではその極性は動作
中反転するので、ソース、ドレインは動作中入れ替わる
と理解されたい。しかし、以下の説明では、便宜上一方
をソース、他方をドレインと固定して表現する。
【0023】そして、図1にも示すように、薄膜トラン
ジスタTFT1、TFT2のパターンすなわちゲート電
極GT、ソース電極SD1、ドレイン電極SD2のパタ
ーンのパターン角度θが225度以下になっており、図
1の寸法lは2〜3μmである。
【0024】このように、パターン角度θが225度以
下になっているから、パターン角θとレジスト残りの確
率との関係を示す図21から明らかなように、薄膜トラ
ンジスタTFT1、TFT2のパターンの角部にホトレ
ジストが残らないので、次に成膜される膜を角部に確実
に成膜することができるため、ゲート電極GTとソース
電極SD1、ドレイン電極SD2との間等に短絡が生ず
ることがなく、映像信号線DL等に断線が生ずることが
ない。
【0025】《ゲート電極GT》ゲート電極GTは走査
信号線GLから垂直方向に突出する形状で構成されてい
る(T字形状に分岐されている)。ゲート電極GTは薄
膜トランジスタTFT1、TFT2のそれぞれの能動領
域を越えるよう突出している。薄膜トランジスタTFT
1、TFT2のそれぞれのゲート電極GTは、一体に
(共通のゲート電極として)構成されており、走査信号
線GLに連続して形成されている。本例では、ゲート電
極GTは、単層の第2導電膜g2で形成されている。第
2導電膜g2としてはたとえばスパッタで形成されたA
l膜が用いられ、その上にはAlの陽極酸化膜AOFが
設けられている。
【0026】このゲート電極GTはi型半導体層ASを
完全に覆うよう(下方からみて)それより大き目に形成
され、i型半導体層ASに外光やバックライト光が当た
らないよう工夫されている。
【0027】《走査信号線GL》走査信号線GLは第2
導電膜g2で構成されている。この走査信号線GLの第
2導電膜g2はゲート電極GTの第2導電膜g2と同一
製造工程で形成され、かつ一体に構成されている。ま
た、走査信号線GL上にもAlの陽極酸化膜AOFが設
けられている。
【0028】《絶縁膜GI》絶縁膜GIは、薄膜トラン
ジスタTFT1、TFT2において、ゲート電極GTと
共にi型半導体層ASに電界を与えるためのゲート絶縁
膜として使用される。絶縁膜GIはゲート電極GTおよ
び走査信号線GLの上層に形成されている。絶縁膜GI
としてはたとえばプラズマCVDで形成された窒化Si
膜が選ばれ、1200〜2700Åの厚さに(この表示
装置では、2000Å程度)形成される。ゲート絶縁膜
GIは図7に示すように、マトリクス部ARの全体を囲
むように形成され、周辺部は外部接続用の端子DTM、
GTMを露出するよう除去されている。絶縁膜GIは走
査信号線GLと映像信号線DLとの電気的絶縁にも寄与
している。
【0029】《i型半導体層AS》i型半導体層AS
は、本例では薄膜トランジスタTFT1、TFT2のそ
れぞれに独立した島となるよう形成された非晶質Si
で、200〜2200Åの厚さに(この表示装置では、
2000Å程度の膜厚)で形成される。d0はオーミッ
クコンタクト用のリン(P)をドープしたN(+)型非晶
質SiからなるN(+)型半導体層であり、下側にi型半
導体層ASが存在し、上側に導電膜d2(d3)が存在
するところのみに残されている。
【0030】i型半導体層ASは走査信号線GLと映像
信号線DLとの交差部(クロスオーバ部)の両者間にも
設けられている。この交差部のi型半導体層ASは交差
部における走査信号線GLと映像信号線DLとの短絡を
低減する。
【0031】《透明画素電極ITO1》透明画素電極I
TO1は液晶表示部の画素電極の一方を構成する。
【0032】透明画素電極ITO1は薄膜トランジスタ
TFT1のソース電極SD1および薄膜トランジスタT
FT2のソース電極SD1の両方に接続されている。こ
のため、薄膜トランジスタTFT1、TFT2のうちの
1つに欠陥が発生しても、その欠陥が副作用をもたらす
場合はレーザ光等によって適切な箇所を切断し、そうで
ない場合は他方の薄膜トランジスタが正常に動作してい
るので放置すればよい。透明画素電極ITO1は第1導
電膜d1によって構成されており、この第1導電膜d1
はスパッタリングで形成された透明導電膜(Indium-Tin
-Oxide ITO:ネサ膜)からなり、1000〜200
0Åの厚さに(この表示装置では、1400Å程度の膜
厚)形成される。そして、透明画素電極ITO1のパタ
ーンのパターン角度θが225度以下になっている。
【0033】《ソース電極SD1、ドレイン電極SD
2》ソース電極SD1、ドレイン電極SD2のそれぞれ
は、N(+)型半導体層d0に接触する第2導電膜d2と
その上に形成された第3導電膜d3とから構成されてい
る。
【0034】第2導電膜d2はスパッタで形成したCr
膜を用い、500〜1000Åの厚さに(この表示装置
では、600Å程度)で形成される。Cr膜は膜厚を厚
く形成するとストレスが大きくなるので、2000Å程
度の膜厚を越えない範囲で形成する。Cr膜はN(+)型
半導体層d0との接着性を良好にし、第3導電膜d3の
AlがN(+)型半導体層d0に拡散することを防止する
(いわゆるバリア層の)目的で使用される。第2導電膜
d2として、Cr膜の他に高融点金属(Mo、Ti、T
a、W)膜、高融点金属シリサイド(MoSi2、Ti
Si2、TaSi2、WSi2)膜を用いてもよい。
【0035】第3導電膜d3はAlのスパッタリングで
3000〜5000Åの厚さに(この表示装置では、4
000Å程度)形成される。Al膜はCr膜に比べてス
トレスが小さく、厚い膜厚に形成することが可能で、ソ
ース電極SD1、ドレイン電極SD2および映像信号線
DLの抵抗値を低減したり、ゲート電極GTやi型半導
体層ASに起因する段差乗り越えを確実にする(ステッ
プカバーレッジを良くする)働きがある。
【0036】第2導電膜d2、第3導電膜d3を同じマ
スクパターンでパターニングした後、同じマスクを用い
て、あるいは第2導電膜d2、第3導電膜d3をマスク
として、N(+)型半導体層d0が除去される。つまり、
i型半導体層AS上に残っていたN(+)型半導体層d0
は第2導電膜d2、第3導電膜d3以外の部分がセルフ
アラインで除去される。このとき、N(+)型半導体層d
0はその厚さ分は全て除去されるようエッチングされる
ので、i型半導体層ASも若干その表面部分がエッチン
グされるが、その程度はエッチング時間で制御すればよ
い。
【0037】《映像信号線DL》映像信号線DLはソー
ス電極SD1、ドレイン電極SD2と同層の第2導電膜
d2、第3導電膜d3で構成されている。
【0038】《保護膜PSV1》薄膜トランジスタTF
Tおよび透明画素電極ITO1上には保護膜PSV1が
設けられている。保護膜PSV1は主に薄膜トランジス
タTFTを湿気等から保護するために形成されており、
透明性が高くしかも耐湿性の良いものを使用する。保護
膜PSV1はたとえばプラズマCVD装置で形成した酸
化Si膜や窒化Si膜で形成されており、1μm程度の
膜厚で形成する。
【0039】保護膜PSV1は図7に示すように、マト
リクス部ARの全体を囲むように形成され、周辺部は外
部接続端子DTM、GTMを露出するよう除去され、ま
た上部透明ガラス基板SUB2側の共通透明画素電極I
TO2(COM)を下部透明ガラス基板SUB1の外部
接続端子接続用引出配線INTに銀ペースト材AGPで
接続する部分も除去されている。保護膜PSV1、絶縁
膜GIの厚さ関係に関しては、前者は保護効果を考え厚
くされ、後者はトランジスタの相互コンダクタンスgm
を考え薄くされる。したがって、図7に示すように、保
護効果の高い保護膜PSV1は周辺部もできるだけ広い
範囲に亘って保護するよう絶縁膜GIよりも大きく形成
されている。
【0040】《遮光膜BM》上部透明ガラス基板SUB
2側には、外部光またはバックライト光がi型半導体層
ASに入射しないよう遮光膜BMが設けられている。図
2に示す遮光膜BMの閉じた多角形の輪郭線は、その内
側が遮光膜BMが形成されない開口を示している。遮光
膜BMは光に対する遮蔽性が高いたとえばAl膜やCr
膜等で形成されており、この表示装置ではCr膜がスパ
ッタリングで1300Å程度の厚さに形成される。
【0041】したがって、薄膜トランジスタTFT1、
TFT2のi型半導体層ASは上下にある遮光膜BMお
よび大き目のゲート電極GTによってサンドイッチにさ
れ、外部の自然光やバックライト光が当たらなくなる。
遮光膜BMは各画素の周囲に格子状に形成され(いわゆ
るブラックマトリクス)、この格子で1画素の有効表示
領域が仕切られている。したがって、各画素の輪郭が遮
光膜BMによってはっきりとし、コントラストが向上す
る。つまり、遮光膜BMはi型半導体層ASに対する遮
光とブラックマトリクスとの2つの機能をもつ。
【0042】透明画素電極ITO1のラビング方向の根
本側のエッジ部分(図2右下部分)も遮光膜BMによっ
て遮光されているから、上記部分にドメインが発生した
としても、ドメインが見えないので、表示特性が劣化す
ることはない。
【0043】遮光膜BMは図6に示すように周辺部にも
額縁状に形成され、そのパターンはドット状に複数の開
口を設けた図2に示すマトリクス部のパターンと連続し
て形成されている。周辺部の遮光膜BMは図6〜図9に
示すように、シールパターンSLの外側に延長され、パ
ソコン等の実装機に起因する反射光等の漏れ光がマトリ
クス部に入り込むのを防いでいる。他方、この遮光膜B
Mは上部透明ガラス基板SUB2の縁よりも約0.3〜
1.0mm程内側に留められ、上部透明ガラス基板SU
B2の切断領域を避けて形成されている。
【0044】《カラーフィルタFIL》カラーフィルタ
FILは画素に対向する位置に赤、緑、青の繰り返しで
ストライプ状に形成される。カラーフィルタFILは透
明画素電極ITO1の全てを覆うように大き目に形成さ
れ、遮光膜BMはカラーフィルタFILおよび透明画素
電極ITO1のエッジ部分と重なるよう透明画素電極I
TO1の周縁部より内側に形成されている。
【0045】カラーフィルタFILは次のように形成す
ることができる。まず、上部透明ガラス基板SUB2の
表面にアクリル系樹脂等の染色基材を形成し、フォトリ
ソグラフィ技術で赤色フィルタ形成領域以外の染色基材
を除去する。この後、染色基材を赤色染料で染め、固着
処理を施し、赤色フィルタRを形成する。つぎに、同様
な工程を施すことによって、緑色フィルタG、青色フィ
ルタBを順次形成する。
【0046】《保護膜PSV2》保護膜PSV2はカラ
ーフィルタFILの染料が液晶LCに漏れることを防止
するために設けられている。保護膜PSV2はたとえば
アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の透明樹脂材料で形成さ
れている。
【0047】《共通透明画素電極ITO2》共通透明画
素電極ITO2は、下部透明ガラス基板SUB1側に画
素ごとに設けられた透明画素電極ITO1に対向し、液
晶LCの光学的な状態は各画素電極ITO1と共通透明
画素電極ITO2との間の電位差(電界)に応答して変
化する。この共通透明画素電極ITO2にはコモン電圧
Vcomが印加されるように構成されている。この表示装
置では、コモン電圧Vcomは映像信号線DLに印加され
る最小レベルの駆動電圧Vdminと最大レベルの駆動電
圧Vdmaxとの中間直流電位に設定されるが、映像信号
駆動回路で使用される集積回路の電源電圧を約半分に低
減したい場合は、交流電圧を印加すればよい。なお、共
通透明画素電極ITO2の平面形状は図6、図7を参照
されたい。
【0048】《保持容量素子Caddの構造》透明画素電
極ITO1は、薄膜トランジスタTFTと接続される端
部と反対側の端部において、隣りの走査信号線GLと重
なるように形成されている。この重ね合わせは、図4か
らも明らかなように、透明画素電極ITO1を一方の電
極PL2とし、隣りの走査信号線GLを他方の電極PL
1とする保持容量素子(静電容量素子)Caddを構成す
る。この保持容量素子Caddの誘電体膜は、薄膜トラン
ジスタTFTのゲート絶縁膜として使用される絶縁膜G
Iおよび陽極酸化膜AOFで構成されている。
【0049】保持容量素子Caddは走査信号線GLの第
2導電膜g2の幅を広げた部分に形成されている。な
お、映像信号線DLと交差する部分の第2導電膜g2は
映像信号線DLとの短絡の確率を小さくするため細くさ
れている。
【0050】保持容量素子Caddの電極PL1の段差部
において透明画素電極ITO1が断線しても、その段差
をまたがるように形成された第2導電膜d2および第3
導電膜d3で構成された島領域によってその不良は補償
される。
【0051】《ゲート端子GTM》図10は表示マトリ
クスの走査信号線GLからその外部接続端子であるゲー
ト端子GTMまでの接続構造を示す図であり、(A)は
平面図、(B)は(A)のB−B切断線における断面図
である。なお、同図は図7下方付近に対応し、斜め配線
の部分は便宜状一直線状で表した。
【0052】AOは写真処理用のマスクパターン、言い
換えれば選択的陽極酸化のホトレジストパターンであ
る。したがって、このホトレジストは陽極酸化後除去さ
れ、図に示すパターンAOは完成品としては残らない
が、走査信号線GLには断面図に示すように酸化膜AO
Fが選択的に形成されるのでその軌跡が残る。平面図に
おいて、ホトレジストの境界線AOを基準にして左側は
レジストで覆い陽極酸化をしない領域、右側はレジスト
から露出され陽極酸化される領域である。陽極酸化され
た第2導電膜(Al層)g2は表面にその酸化物である
陽極酸化膜(Al23膜)AOFが形成され下方の導電
部は体積が減少する。もちろん、陽極酸化はその導電部
が残るように適切な時間、電圧などを設定して行なわれ
る。マスクパターンAOは走査信号線GLに単一の直線
では交差せず、クランク状に折れ曲がって交差させてい
る。
【0053】図中第2導電膜g2は、判り易くするため
ハッチを施してあるが、陽極酸化されない領域は櫛状に
パターニングされている。これは、第2導電膜g2の幅
が広いと表面にホイスカが発生するので、1本1本の幅
は狭くし、それらを複数本並列に束ねた構成とすること
により、ホイスカの発生を防ぎつつ、断線の確率や導電
率の犠牲を最低限に押さえる狙いである。したがって、
本例では櫛の根本に相当する部分もマスクパターンAO
に沿ってずらしている。
【0054】ゲート端子GTMは酸化シリコン膜SIO
と接着性が良くAl等よりも耐電触性の高い第1導電膜
(Cr層)g1と、さらに第1導電膜g1の表面を保護
し透明画素電極ITO1と同レベル(同層、同時形成)
の第1(透明)導電膜d1とで構成されている。なお、
絶縁膜GI上およびその側面部に形成された導電膜d
2、d3は、導電膜d3、d2のエッチング時ピンホー
ル等が原因で導電膜g2、g1が一緒にエッチングされ
ないようその領域をホトレジストで覆っていた結果とし
て残っているものである。また、絶縁膜GIを乗り越え
て右方向に延長された第1導電膜(ITO層)d1は同
様な対策を更に万全とさせたものである。
【0055】平面図において、絶縁膜GIはその境界線
よりも右側に、保護膜PSV1もその境界線よりも右側
に形成されており、左端に位置するゲート端子GTM部
はそれらから露出し外部回路との電気的接触ができるよ
うになっている。図では、走査信号線GL、ゲート端子
GTMの一つの対のみが示されているが、実際はこのよ
うな対が図7に示すように上下に複数本並べられ端子群
Tg(図6、図7)が構成され、ゲート端子GTMの左
端は、製造過程では、下部透明ガラス基板SUB1の切
断線CT1を越えて延長され、配線SHgによって短絡
される。製造過程におけるこのような短絡配線SHgは
陽極酸化時の給電と、配向膜ORI1のラビング時等の
静電破壊防止に役立つ。
【0056】《ドレイン端子DTM》図11は映像信号
線DLからその外部接続端子であるドレイン端子DTM
までの接続を示す図であり、(A)は平面図、(B)は
(A)のB−B切断線における断面図である。なお、同
図は図7右上付近に対応し、図面の向きは便宜上変えて
あるが、右端方向が下部透明ガラス基板SUB1の上端
部(または下端部)に該当する。
【0057】TSTdは検査端子であり、検査端子TS
Tdには外部回路は接続されないが、プローブ針等を接
触できるよう配線部より幅が広げられている。同様に、
ドレイン端子DTMも外部回路との接続ができるよう配
線部より幅が広げられている。検査端子TSTdと外部
接続用のドレイン端子DTMは上下方向に千鳥状に複数
交互に配列され、検査端子TSTdは図に示すとおり下
部透明ガラス基板SUB1の端部に到達することなく終
端しているが、ドレイン端子DTMは図7に示すように
端子群Td(添字省略)を構成し、下部透明ガラス基板
SUB1の切断線CT1を越えて更に延長され、製造過
程中は静電破壊防止のためその全てが互いに配線SHd
によって短絡される。検査端子TSTdが存在する映像
信号線DLのマトリクスを挟んで反対側にはドレイン端
子DTMが接続され、逆にドレイン端子DTMが存在す
る映像信号線DLのマトリクスを挟んで反対側には検査
端子TSTdが接続される。
【0058】ドレイン端子DTMは前述したゲート端子
GTMと同様な理由で第1導電膜(Cr層)g1および
第1導電膜(ITO層)d1の2層で形成されており、
絶縁膜GIを除去した部分で映像信号線DLと接続され
ている。絶縁膜GIの端部上に形成された半導体層AS
は絶縁膜GIの縁をテーパ状にエッチングするためのも
のである。ドレイン端子DTM上では外部回路との接続
を行なうため保護膜PSV1は勿論のこと取り除かれて
いる。AOは前述した陽極酸化マスクパターンであり、
その境界線はマトリクス全体をを大きく囲むように形成
され、図ではその境界線から左側がマスクで覆われる
が、この図で覆われない部分には第2導電膜g2が存在
しないので、このパターンは直接は関係しない。
【0059】マトリクス部からドレイン端子DTM部ま
での引出配線は図8の(c)部にも示されるように、ド
レイン端子DTM部と同じレベルの導電膜d1、g1の
すぐ上に映像信号線DLと同じレベルの導電膜d2、d
3がシールパターンSLの途中まで積層された構造にな
っているが、これは断線の確率を最小限に押さえ、電触
し易い第3導電膜(Al層)d3を保護膜PSV1やシ
ールパターンSLでできるだけ保護する狙いである。
【0060】《表示装置全体等価回路》表示マトリクス
部の等価回路とその周辺回路の結線図を図12に示す。
同図は回路図ではあるが、実際の幾何学的配置に対応し
て描かれている。ARは複数の画素を二次元状に配列し
たマトリクス・アレイである。
【0061】図中、Xは映像信号線DLを意味し、添字
G、BおよびRがそれぞれ緑、青および赤画素に対応し
て付加されている。Yは走査信号線GLを意味し、添字
1,2,3,…,endは走査タイミングの順序に従って
付加されている。
【0062】映像信号線X(添字省略)は交互に上側
(または奇数)映像信号駆動回路He、下側(または偶
数)映像信号駆動回路Hoに接続されている。
【0063】走査信号線Y(添字省略)は垂直走査回路
Vに接続されている。
【0064】SUPは1つの電圧源から複数の分圧した
安定化された電圧源を得るための電源回路やホスト(上
位演算処理装置)からのCRT(陰極線管)用の情報を
TFT液晶表示装置用の情報に交換する回路を含む回路
である。
【0065】《保持容量素子Caddの働き》保持容量素
子Caddは、薄膜トランジスタTFTがスイッチングす
るとき、中点電位(画素電極電位)Vlcに対するゲート
電位変化ΔVgの影響を低減するように働く。この様子
を式で表すと、次のようになる。
【0066】 ΔVlc={Cgs/(Cgs+Cadd+Cpix)}×ΔVg ここで、Cgsは薄膜トランジスタTFTのゲート電極G
Tとソース電極SD1との間に形成される寄生容量、C
pixは透明画素電極ITO1(PIX)と共通透明画素
電極ITO2(COM)との間に形成される液晶容量、
ΔVlcはΔVgによる画素電極電位の変化分を表わす。
この変化分ΔVlcは液晶LCに加わる直流成分の原因と
なるが、保持容量Caddを大きくすればする程、その値
を小さくすることができる。また、保持容量素子Cadd
は放電時間を長くする作用もあり、薄膜トランジスタT
FTがオフした後の映像情報を長く蓄積する。液晶LC
に印加される直流成分の低減は、液晶LCの寿命を向上
し、液晶表示画面の切り替え時に前の画像が残るいわゆ
る焼き付きを低減することができる。
【0067】前述したように、ゲート電極GTはi型半
導体層ASを完全に覆うよう大きくされている分、ソー
ス電極SD1、ドレイン電極SD2とのオーバラップ面
積が増え、したがって寄生容量Cgsが大きくなり、中点
電位Vlcはゲート(走査)信号Vgの影響を受け易くな
るという逆効果が生じる。しかし、保持容量素子Cadd
を設けることによりこのデメリットも解消することがで
きる。
【0068】保持容量素子Caddの保持容量は、画素の
書込特性から、液晶容量Cpixに対して4〜8倍(4・C
pix<Cadd<8・Cpix)、寄生容量Cgsに対して8〜3
2倍(8・Cgs<Cadd<32・Cgs)程度の値に設定す
る。
【0069】保持容量電極線としてのみ使用される初段
の走査信号線GL(Y0)は共通透明画素電極ITO2
(Vcom)と同じ電位にする。図7の例では、初段の走
査信号線は端子GT0、引出配線INT、端子DT0お
よび外部配線を通じて共通透明画素電極ITO2(CO
M)に短絡される。あるいは、初段の保持容量電極線Y
0は最終段の走査信号線Yendに接続、Vcom以外の直流
電位点(交流接地点)に接続するかまたは垂直走査回路
Vから1つ余分に走査パルスY0を受けるように接続し
てもよい。
【0070】《製造方法》つぎに、上述した液晶表示装
置の下部透明ガラス基板SUB1側の製造方法について
図13〜図15を参照して説明する。なお同図におい
て、中央の文字は工程名の略称であり、左側は図3に示
す画素部分、右側は図10に示すゲート端子付近の断面
形状でみた加工の流れを示す。工程Dを除き工程A〜工
程Iは各写真処理に対応して区分けしたもので、各工程
のいずれの断面図も写真処理後の加工が終わりフォトレ
ジストを除去した段階を示している。なお、写真処理と
は本説明ではフォトレジストの塗布からマスクを使用し
た選択露光を経てそれを現像するまでの一連の作業を示
すものとし、繰返しの説明は避ける。以下区分けした工
程に従って、説明する。
【0071】工程A、図13 7059ガラス(商品名)からなる下部透明ガラス基板
SUB1の両面に酸化シリコン膜SIOをディップ処理
により設けたのち、500℃、60分間のベークを行な
う。下部透明ガラス基板SUB1上に膜厚が1100Å
のCrからなる第1導電膜g1をスパッタリングにより
設け、写真処理後、エッチング液として硝酸第2セリウ
ムアンモニウム溶液で第1導電膜g1を選択的にエッチ
ングする。それによって、ゲート端子GTM、ドレイン
端子DTM、ゲート端子GTMを接続する配線(陽極酸
化バスライン)SHg、ドレイン端子DTMを短絡する
配線(バスライン)SHd、配線(陽極酸化バスライ
ン)SHgに接続された陽極酸化パッド(図示せず)を
形成する。
【0072】工程B、図13 膜厚が2800ÅのAl−Pd、Al−Si、Al−S
i−Ti、Al−Si−Cu等からなる第2導電膜g2
をスパッタリングにより設ける。写真処理後、リン酸と
硝酸と氷酢酸との混酸液で第2導電膜g2を選択的にエ
ッチングする。
【0073】工程C、図13 写真処理後(前述した陽極酸化マスクAO形成後)、3
%酒石酸をアンモニアによりpH6.25±0.05に調
整した溶液をエチレングリコール液で1:9に稀釈した
液からなる陽極酸化液中に下部透明ガラス基板SUB1
を浸漬し、化成電流密度が0.5mA/cm2になるよう
に調整する(定電流化成)。つぎに、所定のAl23
厚が得られるのに必要な化成電圧125Vに達するまで
陽極酸化を行なう。その後、この状態で数10分保持す
ることが望ましい(定電圧化成)。これは均一なAl2
3膜を得る上で大事なことである。それによって、第
2導電膜g2が陽極酸化され、走査信号線GL、ゲート
電極GTおよび電極PL1上に膜厚が1800Åの陽極
酸化膜AOFが形成される。
【0074】工程D、図14 プラズマCVD装置にアンモニアガス、シランガス、窒
素ガスを導入して、膜厚が2000Åの窒化Si膜を設
け、プラズマCVD装置にシランガス、水素ガスを導入
して、膜厚が2000Åのi型非晶質Si膜を設けたの
ち、プラズマCVD装置に水素ガス、ホスフィンガスを
導入して、膜厚が300ÅのN(+)型非晶質Si膜を設
ける。
【0075】工程E、図14 写真処理後、ドライエッチングガスとしてSF6、CC
4を使用してN(+)型非晶質Si膜、i型非晶質Si
膜を選択的にエッチングすることにより、i型半導体層
ASの島を形成する。
【0076】工程F、図14 写真処理後、ドライエッチングガスとしてSF6を使用
して、窒化Si膜を選択的にエッチングする。
【0077】工程G、図15 膜厚が1400ÅのITO膜からなる第1導電膜d1を
スパッタリングにより設ける。写真処理後、エッチング
液として塩酸と硝酸との混酸液で第1導電膜d1を選択
的にエッチングすることにより、ゲート端子GTM、ド
レイン端子DTMの最上層および透明画素電極ITO1
を形成する。
【0078】工程H、図15 膜厚が600ÅのCrからなる第2導電膜d2をスパッ
タリングにより設け、さらに膜厚が4000ÅのAl−
Pd、Al−Si、Al−Si−Ti、Al−Si−C
u等からなる第3導電膜d3をスパッタリングにより設
ける。写真処理後、第3導電膜d3を工程Bと同様な液
でエッチングし、第2導電膜d2を工程Aと同様な液で
エッチングし、映像信号線DL、ソース電極SD1、ド
レイン電極SD2を形成する。つぎに、ドライエッチン
グ装置にCCl4、SF6を導入して、N(+)型非晶質S
i膜をエッチングすることにより、ソースとドレイン間
のN(+)型半導体層d0を選択的に除去する。
【0079】工程I、図15 プラズマCVD装置にアンモニアガス、シランガス、窒
素ガスを導入して、膜厚が1μmの窒化Si膜を設け
る。写真処理後、ドライエッチングガスとしてSF6
使用した写真蝕刻技術で窒化Si膜を選択的にエッチン
グすることによって、保護膜PSV1を形成する。
【0080】《液晶表示モジュールの全体構成》図16
は、液晶表示モジュールMDLの各構成部品を示す分解
斜視図である。
【0081】SHDは金属板からなる枠状のシールドケ
ース(メタルフレーム)、LCWはシールドケースSH
Dの表示窓、PNLは液晶表示パネル、SPBは光拡散
板、MFRは中間フレーム、BLはバックライト、BL
Sはバックライト支持体、LCAは下側ケースであり、
図に示すような上下の配置関係で各部材が積み重ねられ
てモジュールMDLが組み立てられる。
【0082】モジュールMDLは、シールドケースSH
Dに設けられた爪CLとフックFKとによって全体が固
定されるようになっている。
【0083】中間フレームMFRは表示窓LCWに対応
する開口が設けられるように枠状に形成され、その枠部
分には拡散板SPB、バックライト支持体BLSならび
に各種回路部品の形状や厚みに応じた凹凸や、放熱用の
開口が設けられている。
【0084】下側ケースLCAはバックライト光の反射
体も兼ねており、効率のよい反射ができるように、バッ
クライト(蛍光管)BLに対応して反射山RMが形成さ
れている。
【0085】《表示パネルPNLと駆動回路基板PCB
1》図17は、図5等に示した表示パネルPNLに映像
信号駆動回路He、Hoと垂直走査回路Vとを接続した
状態を示す上面図である。
【0086】CHIは表示パネルPNLを駆動させる駆
動集積回路チップ(下側の3個は垂直走査回路V側の駆
動集積回路チップ、左右の6個ずつは映像信号駆動回路
He、Ho側の駆動集積回路チップ)である。TCPは
図18、図19で後述するように駆動集積回路チップC
HIがテープ・オートメイティド・ボンディング法(T
AB)により実装されたテープキャリアパッケージ、P
CB1はテープキャリアパッケージTCPやコンデンサ
CDS等が実装された駆動回路基板で、駆動回路基板P
CB1は3つに分割されている。FGPはフレームグラ
ンドパッドであり、フレームグランドパッドFGPはシ
ールドケースSHDに切り込んで設けられたバネ状の破
片FGが半田付けされる。FCは下側の駆動回路基板P
CB1と左側の駆動回路基板PCB1とを電気的に接続
し、下側の駆動回路基板PCB1と右側の駆動回路基板
PCB1とを電気的に接続するフラットケーブルであ
る。フラットケーブルFCとしては図に示すように、複
数のリード線(りん青銅の素材にSn鍍金を施したも
の)をストライプ状のポリエチレン層とポリビニルアル
コール層とでサンドイッチして支持したものを使用す
る。
【0087】《テープキャリアパッケージTCPの接続
構造》図18は走査信号駆動回路Vや映像信号駆動回路
He、Hoを構成する、集積回路チップCHIがフレキ
シブル配線基板に搭載されたテープキャリアパッケージ
TCPの断面構造を示す図であり、図19はそれを液晶
表示パネルの、本例では映像信号回路用のドレイン端子
DTMに接続した状態を示す要部断面図である。
【0088】同図において、TTBは集積回路チップC
HIの入力端子・配線部であり、TTMは集積回路チッ
プCHIの出力端子・配線部であり、たとえばCuから
なり、それぞれの内側の先端部(通称インナーリード)
には集積回路チップCHIのボンディングパッドPAD
がいわゆるフェースダウンボンディング法により接続さ
れる。端子TTB、TTMの外側の先端部(通称アウタ
ーリード)はそれぞれ半導体集積回路チップCHIの入
力および出力に対応し、半田付け等によりCRT/TF
T変換回路・電源回路SUPに、異方性導電膜ACFに
よって液晶表示パネルPNLに接続される。テープキャ
リアパッケージTCPは、その先端部がパネルPNL側
のドレイン端子DTMを露出した保護膜PSV1を覆う
ようにパネルに接続されており、したがって外部接続端
子DTM(GTM)は保護膜PSV1かテープキャリア
パッケージTCPの少なくとも一方で覆われるので電触
に対して強くなる。
【0089】BF1はポリイミド等からなるベースフィ
ルムであり、SRSは半田付けの際半田が余計なところ
へつかないようにマスクするためのソルダレジスト膜で
ある。シールパターンSLの外側の透明ガラス基板SU
B1、SUB2の隙間は洗浄後エポキシ樹脂EPX等に
より保護され、テープキャリアパッケージTCPと上部
透明ガラス基板SUB2との間には更にシリコーン樹脂
SILが充填され保護が多重化されている。
【0090】《駆動回路基板PCB2》中間フレームM
FRに保持・収納される液晶表示部LCDの駆動回路基
板PCB2は、図20に示すように、L字形をしてお
り、IC、コンデンサ、抵抗等の電子部品が搭載されて
いる。この駆動回路基板PCB2には、1つの電圧源か
ら複数の分圧した安定化された電圧源を得るための電源
回路や、ホスト(上位演算処理装置)からのCRT(陰
極線管)用の情報をTFT液晶表示装置用の情報に変換
する回路を含む回路SUPが搭載されている。CJは外
部と接続される図示しないコネクタが接続されるコネク
タ接続部である。駆動回路基板PCB2とインバータ回
路基板PCB3とはバックライトケーブルにより中間フ
レームMFRに設けたコネクタ穴を介して電気的に接続
される。
【0091】駆動回路基板PCB1と駆動回路基板PC
B2とは折り曲げ可能なフラットケーブルFCにより電
気的に接続されている。組立て時、駆動回路基板PCB
2は、フラットケーブルFCを180°折り曲げること
により駆動回路基板PCB1の裏側に重ねられ、中間フ
レームMFRの所定の凹部に嵌合される。
【0092】なお、上述実施例においては、薄膜トラン
ジスタTFT1、TFT2のパターンのパターン角度θ
を225度以下にしたが、図21からも明らかなよう
に、薄膜トランジスタのパターンのパターン角度θを2
40度以下にすれば、薄膜トランジスタのパターンの角
部にホトレジストが残らない。
【0093】なお、薄膜トランジスタTFT1、TFT
2以外のパターンのパターン角度θを240度以下にし
てもよい。
【0094】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係る液
晶表示装置においては、薄膜トランジスタのパターンの
角部に確実に成膜することができるから、薄膜トランジ
スタの電極間等に短絡が生ずることがなく、信号線等に
断線が生ずることがない。このように、この発明の効果
は顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2に示した液晶表示装置の薄膜トランジスタ
部を示す図である。
【図2】この発明が適用されるアクティブ・マトリック
ス方式のカラー液晶表示装置の液晶表示部の一画素とそ
の周辺を示す要部平面図である。
【図3】図2の3−3切断線における1画素とその周辺
を示す断面図である。
【図4】図2の4−4切断線における保持容量素子Cad
dの断面図である。
【図5】表示パネルのマトリクス周辺部の構成を説明す
るための平面図である。
【図6】図5の周辺部をやや誇張し、さらに具体的に説
明するためのパネル平面図である。
【図7】上下基板の電気的接続部を含む表示パネルの角
部の拡大平面図である。
【図8】マトリクスの画素部を中央に、両側にパネル角
付近と映像信号端子部付近を示す断面図である。
【図9】左側にゲート端子があるパネル縁部分を示し、
右側に外部接続端子のないパネル縁部分を示す断面図で
ある。
【図10】ゲート端子GTMと走査信号線GLとの接続
部近辺を示す平面と断面の図である。
【図11】ドレイン端子DTMと映像信号線DLとの接
続部付近を示す平面と断面の図である。
【図12】アクティブ・マトリックス方式のカラー液晶
表示装置のマトリクス部とその周辺を含む回路図であ
る。
【図13】下部透明ガラス基板SUB1側の工程A〜C
の製造工程を示す画素部とゲート端子部の断面図のフロ
ーチャートである。
【図14】下部透明ガラス基板SUB1側の工程D〜F
の製造工程を示す画素部とゲート端子部の断面図のフロ
ーチャートである。
【図15】下部透明ガラス基板SUB1側の工程G〜I
の製造工程を示す画素部とゲート端子部の断面図のフロ
ーチャートである。
【図16】液晶表示モジュールの分解斜視図である。
【図17】液晶表示パネルに周辺の駆動回路を実装した
状態を示す上面図である。
【図18】駆動回路を構成する集積回路チップCHIが
フレキシブル配線基板に搭載されたテープキャリアパッ
ケージTCPの断面構造を示す図である。
【図19】テープキャリアパッケージTCPを液晶表示
パネルPNLの映像信号回路用端子DTMに接続した状
態を示す要部断面図である。
【図20】周辺駆動回路基板PCB1(上面が見える)
と電源回路回路基板PCB2(下面が見える)との接続
状態を示す上面図である。
【図21】パターン角度θとレジスト残りの確率との関
係を示すグラフである。
【図22】従来のアクティブ・マトリクス方式の液晶表
示装置の薄膜トランジスタ部を示す図である。
【符号の説明】
SUB…透明ガラス基板、GL…走査信号線、DL…映
像信号線 GI…絶縁膜、GT…ゲート電極、AS…i型半導体層 SD…ソース電極またはドレイン電極、PSV…保護
膜、BM…遮光膜 LC…液晶、TFT…薄膜トランジスタ、ITO…透明
画素電極 g、d…導電膜、Cadd…保持容量素子、AOF…陽極
酸化膜 AO…陽極酸化マスクパターン、GTM…ゲート端子、
DTM…ドレイン端子 SHD…シールドケース、PNL…液晶表示パネル、S
PB…光拡散板 MFR…中間フレーム、BL…バックライト、BLS…
バックライト支持体 LCA…下側ケース、RM…バックライト光反射山、
(以上添字省略)。
フロントページの続き (72)発明者 箭内 雅弘 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所電子デバイス事業部内 (72)発明者 香西 甲矢夫 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所電子デバイス事業部内 (72)発明者 堀井 寿一 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所電子デバイス事業部内 (72)発明者 松田 正昭 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所電子デバイス事業部内 (72)発明者 磯田 高志 千葉県茂原市早野3681番地 日立デバイス エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 橋本 雄一 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所電子デバイス事業部内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】薄膜トランジスタを有する液晶表示装置に
    おいて、上記薄膜トランジスタのパターンのパターン角
    度が240度以下であることを特徴とする液晶表示装
    置。
JP4489593A 1993-03-05 1993-03-05 液晶表示装置 Pending JPH06258667A (ja)

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