JPH07190711A - コヒーレンス度を利用する干渉計 - Google Patents

コヒーレンス度を利用する干渉計

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JPH07190711A
JPH07190711A JP32861393A JP32861393A JPH07190711A JP H07190711 A JPH07190711 A JP H07190711A JP 32861393 A JP32861393 A JP 32861393A JP 32861393 A JP32861393 A JP 32861393A JP H07190711 A JPH07190711 A JP H07190711A
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Osami Sasaki
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 干渉計において、装置を複雑にせず、測定に
要する時間もほとんど増加させることなしに、段差のあ
る表面の測定が行えるようにする。 【構成】 所定のコヒーレンス度を有する光を放出する
光源1と、光源1からの光を分割して被測定物の表面と
参照面で反射させた後合成して干渉させる干渉光学系
と、干渉光学系の検出面で得られる干渉縞の光信号を電
気信号に変換する光電変換手段7とを備える干渉計にお
いて、干渉縞から干渉光のコヒーレンス度を検出するコ
ヒーレンス度検出手段8と、あらかじめ測定した光路長
差の変化に対する干渉縞のコヒーレンス度の変化具合を
記憶するコヒーレンス度変化記憶手段9と、コヒーレン
ス度変化記憶手段9に記憶されたコヒーレンス度の変化
具合に従って、検出面の複数の検出点におけるコヒーレ
ンス度の差に対応する検出点での光路長差を算出する光
路長差算出手段10とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、干渉系に関し、特に干
渉縞のコヒーレンス度を測定することにより、段差を有
する面の表面形状も測定可能にした干渉計に関する。
【0002】
【従来の技術】干渉計測は、近年その測定精度の向上が
図られ、ヘテロダイン干渉法、縞走査干渉法により10
0分の1波長程度の高精度の測定が可能になっている。
しかし、通常のレーザ光による干渉計測では、図9の
(1)に示したような段差のある不連続な面を有する部
分については、不連続な部分での干渉縞が図9の(2)
に示すように不連続になるため、段差の大きさを特定で
きず面形状を完全には測定できないという問題がある。
【0003】このような問題を解決するため、近接した
2種類の波長の光を使用する2波長法と呼ばれる干渉測
定法がある。この2波長法は、測定に使用する2種類の
波長から合成波長と呼ばれるさらに長い波長を生成して
測定範囲を拡大する方法と、2つの波長の光を用いて測
定された位相から干渉縞の縞次数を決定する方法があ
る。2波長法を用いることにより、測定範囲を波長の数
十倍の範囲に拡大することが可能であり、位相から干渉
縞の縞次数を決定するのであれば、それぞれの波長で通
常の干渉計測と同様の測定精度が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】2波長法による干渉測
定法では、近接した2種類の波長の光を出力する光源が
必要である。このような光源としては、例えば、中心波
長の異なるバンド幅の狭い2種類の干渉フィルタを使用
するのが一般的であるが、その場合測定中に使用する干
渉フィルタを交換する必要が生じる。人手によって干渉
フィルタを交換するのは測定の自動化を図る上で好まし
くなく、干渉フィルタの交換を自動化する場合にはその
ための複雑な機構が必要であるという問題がある。
【0005】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであり、複雑な機構を付加することなしに、段差のあ
る面の形状も測定可能な干渉計の実現を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の干渉計の
原理構成を説明する図である。図1において、参照番号
1は光源であり、所定のコヒーレンス度を有する光を放
出する。2は光源1からの光を平行光にするコリメータ
レンズを、3は光を2光束に分割し反射されて戻ってき
た光を再び合成して干渉させるビームスプリッタを、4
は参照面を、6は被測定物の面を表し、これらが干渉光
学系を形成する。7は形成された干渉縞の光信号を電気
信号に変換する光電変換手段であり、8は光電変換手段
7からの信号を処理して検出面における干渉縞から干渉
光のコヒーレンス度を検出するコヒーレンス度検出手段
であり、9はあらかじめ測定した、被測定物の面6の側
の光路と参照面4の側の光路との光路長差の変化に対す
る干渉縞のコヒーレンス度の変化具合を記憶するコヒー
レンス度変化記憶手段であり、10はコヒーレンス度変
化記憶手段9に記憶されたコヒーレンス度の変化具合に
従って、前記コヒーレンス度検出手段8で検出した検出
面の複数の検出点におけるコヒーレンス度の差に対応す
る検出点での光路長差を算出する光路長差算出手段であ
る。
【0007】光源1は、検出面におけるコヒーレンス度
の変化具合が光路差が数波長の付近でもっとも大きくな
るようなコヒーレンス度を有することが望ましい。コヒ
ーレンス度検出手段8は、参照面4又は被測定物の表面
6の位置を正弦波振動させる正弦波振動手段と、光電変
換手段7の出力をフーリエ変換するフーリエ変換演算手
段とを備え、フーリエ変換演算手段の演算結果から正弦
波振動手段の振幅を正確に検出することが望ましい。図
1では、正弦波振動手段として、参照面4の位置を正弦
波振動させる正弦波振動手段5を設けた例を示してあ
る。
【0008】コヒーレンス度検出手段は、検出面におけ
る被測定物の面6からの反射光が測定面全体で等しいも
のとして、コヒーレンス度の代わりに検出が容易な干渉
縞の可視度を検出するようにしてもよい。複素コヒーレ
ンス度を測定するためには、干渉光学系の被測定物の面
6の側の光路と参照面4の側の光路を独立して遮断する
光路遮断手段を備え、被測定物側の光強度と参照面側の
光強度をそれぞれ測定して、干渉縞の可視度と、被測定
物側の光強度と、参照面側の光強度とからコヒーレンス
度を算出する。
【0009】光路長差算出手段10は、検出面での干渉
縞の解析手段を備え、干渉光学系の検出面において干渉
縞が不連続となる2つ以上の部分の縞次数の差を、コヒ
ーレンス度変化記憶手段9に記憶されたコヒーレンス度
の変化具合に従って、コヒーレンス度検出手段で検出し
た検出面におけるコヒーレンス度の差から決定し、縞次
数と干渉縞の位相から光路長差を算出する。
【0010】干渉縞の解析手段は、参照面4又は前記被
測定物の面6の位置を正弦波振動させる正弦波振動手段
と、光電変換手段7の出力をフーリエ変換するフーリエ
変換演算手段とを備え、フーリエ変換演算手段の演算結
果から前記正弦波振動手段の振幅及び位相を正確に検出
する。これらの正弦波振動手段とフーリエ変換演算手段
は、コヒーレンス度検出手段のものと共用可能である。
【0011】光電変換手段は、複数個の受光素子を一次
元方向に配列した一次元ホトセンサ、又は二次元撮像手
段であることが望ましく、特に、干渉縞の解析手段を備
える場合には、二次元撮像手段であることが望ましい。
【0012】
【作用】検出面における干渉縞のコヒーレント度は、2
光路の光路長差に応じて変化する。図2は2光路の光路
長差に対する検出面における干渉縞のコヒーレント度の
変化具合の例を示す図である。図2に示すように、光源
のコヒーレンス度が高ければ、光路長差に対する干渉縞
のコヒーレント度の変化は緩やかであり、光源のコヒー
レンス度が低ければ、光路長差に対する干渉縞のコヒー
レント度の変化は急激である。例えば、光源を白色光源
と干渉フィルタで構成した場合には、干渉フィルタの波
長幅が小さいほど光源のコヒーレンス度が高く、干渉フ
ィルタの波長幅が大きいほど光源のコヒーレンス度が低
くなる。
【0013】従って、あらかじめ光路長差の変化に対す
る干渉縞のコヒーレント度の変化具合を測定して記憶し
ておき、測定した干渉縞のコヒーレント度を対応させれ
ば2光路の光路長差が判明する。干渉縞のコヒーレント
度のみで2光路の光路長差を高精度に決定するのは難し
いため、通常の干渉計における干渉縞の解析手段と併用
し、段差の両側の部分の干渉縞のコヒーレント度の差か
ら算出した光路長差は干渉縞の次数の差を決定するため
だけに使用し、それ以上の微小な光路長差の検出は干渉
縞の解析手段で行うようにする。このようにすれば、検
出精度を維持したまま検出範囲を拡大できる。
【0014】また、検出面における干渉縞のコヒーレン
ト度の測定は、参照面4又は被測定物の表面6の位置を
正弦波振動させた上で、測定点における干渉縞の光信号
をフーリエ変換して算出することが望ましいが、これに
必要な正弦波振動手段とフーリエ変換演算手段は、通常
の干渉計における干渉縞の解析手段で使用されるものが
共用できるため、装置が複雑になることもない。
【0015】
【実施例】図3は本発明の第1実施例の干渉計の構成を
示す図である。図3において、参照番号11はスーパー
ルミネッセントダイオード(SLD)であり、出力する
光は図4に示すような比較的広いスペクトル幅を有し、
コヒーレンス度があまり高くない。そのため、SLDを
干渉計の光源として使用した場合には、可干渉距離が短
く、2光路の光路長差が一致した状態から少し変化する
と、干渉縞のコントラストが急激に変化する。
【0016】参照番号12はSLDからの光を平行光に
するコリメータレンズであり、13は平行光を分割した
後再び合成するビームスプリッタであり、14は分割さ
れた光束を反射する高精度の平面度を有する参照面、1
5は参照面14を正弦波振動させるPZT製の第1圧電
素子である。16は被測定物であり、その表面がビーム
スプリッタ13で分割されたもう一方の光束を反射す
る。161は被測定物16を正弦波振動させる第2PZ
T製の圧電素子である。参照面14で反射された光束と
被測定物16の表面で反射された光束はビームスプリッ
タ13で合成され、干渉像を生じる。以上の構成は、ト
ワイマングリーン型干渉計として一般に知られた干渉計
の構成である。ここでは、トワイマングリーン型干渉計
に本発明を適用した例を説明するが、本発明はどのよう
な干渉計にも適用可能である。
【0017】参照番号17はCCD(Charge C
oupled Device)等で構成されたTVカメ
ラであり、171はビームスプリッタ13で合成された
参照面14からの光束と被測定物16の表面で反射され
た光束をTVカメラ17上に結像する結像レンズであ
る。TVカメラ17上には、参照面14で反射された光
束と被測定物16の表面で反射された光束の干渉縞、す
なわち被測定物16の表面と参照面14の表面形状の差
に起因する干渉縞が生成される。TVカメラ17はこの
干渉縞の像を電気信号に変換して出力する。18はA/
D変換器であり、TVカメラ17からのアナログ電気信
号をディジタル信号に変換する。
【0018】参照番号200はディジタル信号化された
干渉縞の像を演算処理するコンピュータであり、中央処
理装置(CPU)19と、ROM20と、RAM21
と、フレームメモリ22と、I/Oポート23で構成さ
れる。図1に示したコヒーレンス度検出手段8、コヒー
レンス度変化記憶手段9、及び光路長差算出手段10は
このコンピュータにより実現される。A/D変換器18
からのデータは一旦フレームメモリ22に記憶された
後、演算処理される。24は第1圧電素子15に駆動信
号を出力する第1PZTドライバであり、25は第2圧
電素子161に駆動信号を出力する第2PZTドライバ
であり、コンピュータ200から制御される。
【0019】本実施例の装置においては、コヒーレンス
度の検出と共に、TVカメラ17で捕らえた干渉縞の2
次元映像をコンピュータ200で処理することにより干
渉縞の解析も同時に行えるようになっている。干渉縞の
解析方法及び装置については広く知られているのでここ
では省略してある。本実施例においては、コヒーレンス
度の測定及び干渉縞の解析には、「光学」第15巻第1
号(1986年2月)等に開示されている正弦波位相変
調干渉法を使用する。この方法について簡単に説明す
る。
【0020】被測定物16は固定で、参照面14が第1
圧電素子15により振幅a、角周波数ωc 、初期位相θ
で正弦波振動される。被測定物16で反射された光(以
下、物体光)と参照面14反射された光(以下、参照
光)との光路差をLとすると、TVカメラ17で捕らえ
た映像状の1点において検出される干渉信号の交流成分
は、式(1)で与えられる。
【0021】
【数1】
【0022】式(1)において、I0 は物体光の強度で
あり、Ir は参照光の強度であり、R(L)は光路差L
1 =L−2aからL2 =L+2aに対する平均的なコヒ
ーレンス度である。いま、式(1)の直流分と交流分を
式(2)のようにBとS0で表すとすると、式(1)は
式(3)のようになる。
【0023】
【数2】
【0024】
【数3】
【0025】この干渉信号S(t)をフーリエ変換する
と、式(4)のような結果が得られる。
【0026】
【数4】
【0027】ここで、式(4)のF(ωc )とF(3ω
c )から式(5)が得られる。
【0028】
【数5】
【0029】従って、r31とzの関係はベッセル関数を
演算することにより得ることが可能であり、その関係を
図5に示す。図5からわかるようにzの範囲がある程度
既知であれば、その範囲でr31とzは1対1に対応して
おり、干渉信号S(t)のフーリエ変換の結果に従って
31を算出すれば、zが決定される。上記のようにzは
第1圧電素子15の振幅aにより決定されるが、このよ
うな形でzを算出することにより、zをより正確に得る
ことができる。
【0030】また上記のようにしてzが得られれば、式
(4)におけるF(ωc )の位相項は式(6)で得られ
る。
【0031】
【数6】
【0032】すなわち、αの符号によりπの不確定性を
もってθが決定される。更に、式(4)のF(ωc )と
F(2ωc )より、式(7)が得られる。
【0033】
【数7】
【0034】すなわち、F(ωc )とF(2ωc )より
αが決定される。以上のようにして、TVカメラで捕ら
えた干渉縞映像の任意の点における参照面との光路長差
を正確に算出することができ、被測定物の表面形状が判
明する。このようにして干渉縞の解析が行われる。式
(4)より、式(2)のBとS0 は式(8)で表され
る。
【0035】
【数8】
【0036】従って、zとαが判明すれば、式(2)の
BとS0 が得られる。また式(2)より、S0 をBで除
した結果は式(9)のようになり、これが干渉縞の可視
度Vである。I0 とIr がわかればコヒーレンス度R
(L)が式(10)で得られることになる。
【0037】
【数9】
【0038】
【数10】
【0039】通常、可視度Vは干渉縞のコントラストを
表す。干渉縞のコントラストは、物体光と参照光の光路
長が一致した時にもっとも高くなり、光路長の差が大き
くなるに従って小さくなる。本発明では、この光路長の
差による干渉縞の可視度の変化を利用して光路長の差を
検出する。図3に示すように、本実施例の装置で、被測
定物16を移動させるための第2圧電素子161が設け
られている。被測定物16を干渉縞のコントラストが最
高になる位置の両側の所定範囲にわたって所定間隔で移
動させ、それぞれの位置で上記の方法で干渉縞の可視度
を測定し、記憶する。図6はその測定結果であり、中心
の位置が光路長が一致した時に相当し、そこから両側に
移動するに従って干渉縞の可視度が低下する。この測定
結果をコンピュータ200のROM20又はRAM21
に記憶しておく。一旦このような測定結果を記憶してお
けば、干渉縞の可視度を測定することにより、光路長差
が判明する。図6からも明らかなように、図4のような
波長特性の光源を使用すれば、±16μm程度の範囲の
光路長差を検出することができる。
【0040】しかし、干渉縞の可視度から1/10波
長、1/100波長のような高精度で光路長差を判定す
るのは難しいため、ここでは連続した面形状は干渉縞の
解析により測定し、段差等の干渉縞の解析では測定でき
ない2つの部分の差を測定するのに干渉縞の可視度を利
用する。詳しくは、段差によって分けられる2つの部分
の干渉縞の次数を決定するために干渉縞の可視度を利用
し、各部分における精密な形状測定は干渉縞の解析で行
う。以下、段差のある被測定物を測定する手順について
説明する。
【0041】まず、被測定物又はそれに近い表面状態を
有するものを測定位置に載置して第2圧電素子161で
移動させて光路長の差による干渉縞の可視度の変化をあ
らかじめ測定し、その測定結果を記憶する。被測定物の
段差により分けられる2つの部分について、第2圧電素
子161で移動させた時の干渉縞のコントラストが同じ
方向に変化する用にした上で、一方のコントラストが
0.65程度になるように設定する。この状態で、段差
により分けられる2つの部分の適当な点について干渉縞
の可視度と位相を測定する。いま、可視度と位相が、そ
れぞれ0.63と−2.5ラジアン(rad)、0.5
6と1.5radであったとする。可視度の変化が図7
に示すような場合、可視度0.63と0.56から得ら
れる光路長差は15radである。干渉縞は次数が1だ
け変化する毎に2πrad変化するから、15rad以
内でもっとも大きな次数は2である。従って、この場合
の2点の位相差は次式で表される。
【0042】
【数11】
【0043】16.6radを2πradで除し、中心
波長0.84μmを乗すれば、2.2μmが得られる。
これが2点における光路長差である。段差により分けら
れるそれぞれの部分の形状は、従来と同様の干渉縞の解
析により得られるので、2点の光路長差が判明すれば、
全面にわたる形状が判明する。以上の説明でも明らかな
ように、可視度を検出するために必要な手段は、ほとん
ど干渉縞の解析に必要な手段をそのまま使用できるた
め、可視度を検出するために付加するのは簡単な演算手
段と記憶手段のみである。従って、可視度を検出するよ
うにしても装置が複雑になることはなく、演算時間の増
加もほとんど無視できる程度である。
【0044】上記の実施例では、物体光の強度I0 が測
定面全体で等しいものとして、コヒーレンス度の代わり
に可視度を用いたが、物体光I0 の強度は被測定物の表
面の状態により変化するため、測定結果が被測定物の表
面の状態に影響される。そこで、コヒーレンス度R
(L)を検出するようにしたのが第2実施例である。図
8は第2実施例の干渉計の構成を示す図である。
【0045】図8に示すように、第1実施例と異なるの
は物体光と参照光の光路に、それぞれ光を遮断すること
ができる遮光板26と27を設けた点であり、ほかの部
分は第1実施例と同様の構成を有する。遮光板27で物
体光の光路を遮断している間に参照光の強度を測定し、
遮光板26で参照光の光路を遮断している間に物体光の
強度を測定する。その上で、上記と同様の測定を行って
0 とBを算出し、式(2)、式(9)及び式(10)
において上記のようにして検出した物体光の強度I0
参照光の強度Ir を用いれば、コヒーレンス度R(L)
が算出できる。
【0046】以上本発明の実施例について説明したが、
光源の波長特性を変えることにより、光路長差の変化に
対する可視度又はコヒーレンス度の変化具合も変わるの
で、測定対象に応じて、光源の波長特性を選択すること
が望ましい。また、光源としては、広い波長域の光放射
する光源に干渉フィルタを組み合わせてもよい。また、
上記実施例では、正弦波位相変調干渉法により、可視度
又はコヒーレンス度を算出したが、簡易的には干渉縞の
コントラストを用いることもできる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明により、装
置を複雑にせず、測定に要する時間もほとんど増加させ
ることなしに、段差のある表面の測定が行える干渉計が
実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の干渉計の原理構成を示す図である。
【図2】光路長差の変化に対するコヒーレンス度の変化
例を示す図である。
【図3】第1実施例の干渉計の構成を示す図である。
【図4】第1実施例における光源の波長特性を示す図で
ある。
【図5】正弦波位相変調干渉法において、正弦波振動の
振幅に関係するzとフーリエ変換の角振動周波数とその
3倍の周波数の値の比の関係を示す図である。
【図6】光路長差の変化に対する可視度の変化具合を示
す図である。
【図7】実施例における段差の大きさを測定する工程を
説明するための図である。
【図8】第2実施例の干渉計の構成を示す図である。
【図9】段差の図と段差を測定した時の干渉縞を示す図
である。
【符号の説明】 1…光源 2…コリメータレンズ 3…ビームスプリッタ 4…参照面 5…第1圧電素子 6…被測定物 7…光電変換手段 8…コヒーレント度検出手段 9…コヒーレント度変化記憶手段 10…光路長差算出手段

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定のコヒーレンス度を有する光を放出
    する光源(1)と、 該光源(1)からの光を分割して被測定物の表面と参照
    面で反射させた後合成して干渉させる干渉光学系と、 該干渉光学系の検出面で得られる干渉縞の光信号を電気
    信号に変換する光電変換手段(7)とを備える干渉計に
    おいて、 前記干渉光学系の検出面における干渉縞から干渉光のコ
    ヒーレンス度を検出するコヒーレンス度検出手段(8)
    と、 あらかじめ測定した、被測定物側の光路と参照面側の光
    路との光路長差の変化に対する干渉縞のコヒーレンス度
    の変化具合を記憶するコヒーレンス度変化記憶手段
    (9)と、 該コヒーレンス度変化記憶手段(9)に記憶されたコヒ
    ーレンス度の変化具合に従って、前記コヒーレンス度検
    出手段(8)で検出した検出面の複数の検出点における
    コヒーレンス度の差に対応する当該検出点での光路長差
    を算出する光路長差算出手段(10)とを備えることを
    特徴とするコヒーレンス度を利用する干渉計。
  2. 【請求項2】 前記光源は、検出面におけるコヒーレン
    ス度の変化具合が、光路差が数波長の付近でもっとも大
    きくなるようなコヒーレンス度を有することを特徴とす
    る請求項1に記載の干渉計。
  3. 【請求項3】 前記コヒーレンス度検出手段(8)は、 前記参照面又は前記被測定物の表面位置を正弦波振動さ
    せる正弦波振動手段(5)と、 前記光電変換手段の出力をフーリエ変換するフーリエ変
    換演算手段とを備え、該フーリエ変換演算手段の演算結
    果から前記正弦波振動手段(5)の振幅を正確に検出す
    ることを特徴とする請求項1に記載のコヒーレンス度を
    利用する干渉計。
  4. 【請求項4】 前記コヒーレンス度検出手段(8)は、
    前記干渉光学系の被測定物側の光路と参照面側の光路を
    独立して遮断する光路遮断手段(26、27)を備え、
    被測定物側の光強度と参照面側の光強度をそれぞれ測定
    して、干渉縞の可視度と、被測定物側の光強度と、参照
    面側の光強度とからコヒーレンス度を算出することを特
    徴とする請求項1又は3に記載のコヒーレンス度を利用
    する干渉計。
  5. 【請求項5】 前記コヒーレンス度検出手段(8)は、
    前記検出面における被測定物からの反射光が測定面全体
    で等しいものとして、コヒーレンス度の代わりに検出が
    容易な干渉縞の可視度を用いることを特徴とする請求項
    1又は3に記載の干渉計。
  6. 【請求項6】 前記光路長差算出手段(10)は、検出
    面での干渉縞の解析手段を備え、 干渉光学系の検出面において干渉縞が不連続となる2つ
    以上の部分の縞次数の差を、前記コヒーレンス度変化記
    憶手段に記憶されたコヒーレンス度の変化具合に従っ
    て、前記コヒーレンス度検出手段で検出した検出面にお
    けるコヒーレンス度の差から決定し、該縞次数と干渉縞
    の位相から光路長差を算出することを特徴とする請求項
    1に記載のコヒーレンス度を利用する干渉計。
  7. 【請求項7】 前記干渉縞の解析手段は、 前記参照面又は前記被測定物の表面位置を正弦波振動さ
    せる正弦波振動手段と、 前記光電変換手段の出力をフーリエ変換するフーリエ変
    換演算手段とを備え、該フーリエ変換演算手段の演算結
    果から前記正弦波振動手段の振幅及び位相を正確に検出
    することを特徴とする請求項6に記載のコヒーレンス度
    を利用する干渉計。
  8. 【請求項8】 前記光電変換手段は、複数個の受光素子
    を一次元方向に配列した一次元ホトセンサであることを
    特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の干渉計。
  9. 【請求項9】 前記光電変換手段は、二次元撮像手段で
    あることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載
    の干渉計。
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