JPH071900A - 金属表面被膜の加熱剥離装置 - Google Patents

金属表面被膜の加熱剥離装置

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JPH071900A
JPH071900A JP16743293A JP16743293A JPH071900A JP H071900 A JPH071900 A JP H071900A JP 16743293 A JP16743293 A JP 16743293A JP 16743293 A JP16743293 A JP 16743293A JP H071900 A JPH071900 A JP H071900A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本体と、ほぼ直角に交差する第一の当接板及
び第二の当接板、これら第一及び第二の当接板の内側に
設けられた電磁誘導コイル及びコアからなる、前記本体
に支持される電磁誘導部と、前記本体に内蔵され前記電
磁誘導部に近接して設けられた高周波発生部とで構成す
る。 【効果】 各種タンクの床板と側壁の接合部分とその近
辺のみを局部的に効率よく電磁誘導加熱でき、接合部分
とその近辺において金属表面上に施された被膜を容易に
剥離除去することができる。また、装置が小型でありな
がら、長時間効率良く使用できるので、操作性および経
済性に優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属表面のみを局部的
に効率よく電磁誘導加熱し、金属表面上に施された被膜
を容易に剥離,除去できるようにした金属表面被膜の加
熱剥離装置に関し、特に、各種タンクの床板と側壁との
接合(溶接)部分の金属表面被膜の加熱剥離に用いると
好適な金属表面被膜の加熱剥離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】石油、ガス等の各種大径タンクにおける
側壁(外壁,内壁)及び床板(底部アニュラ板)を形成
する金属表面に施された被膜,塗膜あるいは接着膜(以
下、総称して被膜という。)は、補修や改修などのため
に剥離しなければならないことがある。従来、これら金
属板上の被膜の剥離方法としては、物理的に剥ぎ取る方
法,溶剤により軟化させて剥離する方法,加熱により被
膜を軟化させて剥離する方法等が知られている。
【0003】しかしながら上述した従来の金属板上に施
された被膜の剥離方法には以下に示すような問題があ
る。まず、物理的に被膜を剥ぎ取る方法は、サンドブラ
ストや振動工具あるいは高圧水の吹き付け等によって行
なわれるため、塵埃や振動・騒音あるいは錆が発生する
という問題がある。特にサンドブラストを用いる方法
は、粉塵が発生するので作業環境が悪く、剥離作業等に
要する時間もかかり、さらに金属板の損耗も激しかっ
た。また、溶剤や剥離剤によって被膜を剥離する方法
は、有害ガスの発生や溶剤による中毒を起こし易いとい
う問題がある。さらに、火炎や電熱などの加熱により被
膜を軟化させて剥離する方法は、燃焼ガス対策が必要で
あり、また金属全体を加熱するため時間がかかり、エネ
ルギーを多量に要するとともに、金属が高温に加熱され
るため金属の機械的強度が低下し易いという問題があ
る。
【0004】そして、なによりこれら従来の剥離方法で
は、床板と側壁との溶接部分等の隅部における被膜の剥
離が困難という問題があった。
【0005】これら問題にかんがみ、近年、次のような
提案がなされている。第一に、特開昭 63-100000号にお
いて、誘導加熱により機械的強度を損なわない温度に金
属を加熱して被膜を鋼管から剥離する技術が提案されて
いる。第二に、特開平 2-30087号において、高周波誘導
加熱により金属表面上を自己加熱して被膜を剥離する技
術が提案されている。第三に、特公昭63-67100号におい
て、誘導加熱により金属表面を加熱し、ライニング材ま
たは厚膜コーティング材の付着強度を弱めて剥離する技
術が提案されている。第四に、本発明者が、特開平4-26
7091号において、金属表面のみを局部的に効率良く電磁
誘導加熱し剥離を行なうようにした方法が提案されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来提
案されている上記技術では、いずれの場合でも床板と側
壁の接合部分等の隅部における被膜の剥離はできなかっ
た。すなわち、特開昭 63-100000号の技術は、金属管を
対象にしたものであり、タンク等の広い面積を有し、か
つ、その隅部に被膜部分を有するものには適用できな
い。また、特開平 2-30087号の技術は、平坦な被膜面の
剥離は可能であるが、隅部における被膜の剥離について
は何ら開示されていない。さらに、これら従来の技術
は、装置を小型化した上で、高い出力を得ようとする
と、装置がきわめて高熱になり長時間の使用に耐えられ
なかった。またさらに、本発明者らが提案した特開平4-
267091号の技術は、上述の従来技術とは異なり、高周波
誘導加熱を用いて一度に大面積の処理が可能で、長時間
の使用にも耐えることができ、また、タンク内で操作性
良くかつ効率的に使用することもできるが、隅部の被膜
の剥離は行なうことができなかった。
【0007】本発明は上述した事情にかんがみてなされ
たもので、各種タンクの床板と側壁の接合部分等の隅部
における金属表面のみを局部的に効率よく電磁誘導加熱
でき、容易に隅部における被膜を剥離,除去できるよう
にした金属表面被膜の加熱剥離装置の提供を目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の金属表面被膜の加熱剥離装置は、本
体と、ほぼ直角に交差する第一の当接板及び第二の当接
板、これら第一及び第二の当接板の内側に設けられた電
磁誘導コイル及びコアからなり、前記本体の下方に支持
された電磁誘導部と、前記本体に内蔵され前記電磁誘導
部に近接して設けられた高周波発生部とを具備した構成
としてある。また、請求項2に記載の金属表面被膜の加
熱剥離装置は、本体と、鋭角に交差する第一の当接板及
び第二の当接板、これら第一及び第二の当接板の内側に
設けられた電磁誘導コイル及びコアからなり、前記本体
の下方に支持された電磁誘導部と、前記本体に内蔵され
前記電磁誘導部に近接して設けられた高周波発生部とを
具備した構成としてある。さらに、請求項3に記載の金
属表面被膜の加熱剥離装置は、電磁誘導コイルを、第一
及び第二の当接板の内側に一組配設した構成としてあ
り、請求項4に記載の金属表面被膜の加熱剥離装置は、
電磁誘導コイルを、第一及び第二の当接板の内側に二組
配設し、かつ必要に応じ、請求項5に記載の金属表面被
膜の加熱剥離装置は、二組の電磁誘導コイルと対応させ
て二組の高周波発生部を有する構成としてある。
【0009】
【作用】電磁誘導部の第一及び第二の当接板をタンク等
の床板及び側壁の接合部(溶接部分)付近表面上に施さ
れた被膜に当接させた状態で、制御部の高周波発生部よ
り電磁誘導コイルに高周波電力を供給して、床板及び側
壁の接合部付近表面部のみを局部的に自己加熱し、それ
によって被膜を加熱剥離させる。被膜は通常、加熱によ
ってめくれ上がり自然に剥離するが、強固に付着して剥
がれにくい場合はスクレーパ等を用いて剥離を行なう。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1(a)は、本発明の第一実施例に係る
金属表面被膜の加熱剥離装置の稼動時の状態を示す一部
截断側面図、図1(b)は(a)のA方向から見た平面
図である。図2は図1の装置の運搬時の状態を示す側面
図である。図3は電磁誘導部の一例を示す拡大断面図で
ある。図面において、1はタンク等の金属表面被膜を加
熱して剥離する装置であり、本体10、電磁誘導部20
及び制御部30で構成されている。そして、金属板を加
熱する電磁誘導部20と、この電磁誘導部20に高周波
電力を供給する高周波発生部を含む制御部30は、近接
して一体的に構成されている。すなわち、電磁誘導部2
0は、制御部30を内蔵した本体10の下部に、適宜の
隙間をあけた状態で、連結アーム40を介して連結され
ている。また、本体10と電磁誘導部20の位置関係を
調整できるようにするため、電磁誘導部20は、図1
(a)の矢印B方向に揺動できるよう連結アーム40に
取り付けてある。また、このように、電磁誘導部20と
制御部30を近接して一体化すると装置全体が小型化す
るとともに、電磁波の損失が少なくなる。なお、ここで
一体的とは、装置の使用時において一体化することを意
味し、常時、物理的に一体化していることを意味するも
のではない。
【0011】また、本体10には、連結アーム40の一
部を本体10の上方に突設して形成した取手41、本体
10の内部の熱を放熱する冷却孔11、及び、装置1を
移動させるためのキャスタ50が設けてある。このう
ち、キャスタ50は蝶番状の金具51を介して本体10
の下部に取り付けてあり、図1(a),(b)及び図2
に示すように向きを90度変更できるようにしてある。
これにより、装置1の使用時には、キャスタ50を図1
(a),(b)に示すような状態として横方向(矢印C
方向)に移動させ、装置の搬送時にはキャスタ50を図
2に示すような状態として前後方向(矢印D方向)に移
動させる。
【0012】電磁誘導部20は、図3に示すように、ほ
ぼ直角に交差する第一の当接板(底板)21と第二の当
接板(側板)22、電磁コイル23及びコア(通磁体)
24とで構成されている。第一及び第二の当接板21,
22は、金属性の床板61及び側壁62(金属板61,
62)上に施された被膜60(通常0.1〜5.0mm程
度の厚さ)に当接される。第一及び第二の当接板21,
22は耐高温,耐衝撃性に優れた材料で形成することが
好ましい。このような材料としては、例えば、耐熱性ポ
リイミドとグラスファイバーからなる断熱板(ブランデ
ンバーガー社製;KV3)や、無機質断熱板(ヒロ電資
社製;スーパーインシュレイションROSNA)等が挙
げられる。これら材質からなる第一及び第二の当接板2
1,22を使用すると、後述する高周波電磁誘導作用を
妨げることなく、かつ金属板61,62の熱がコア24
へ伝わるのを回避し、装置の長時間運転が可能となる。
特に、金属板61,62を迅速かつ高温に加熱するに
は、電磁誘導コイル23を金属板61,62にできるだ
け近付け、両者の間隔を小さくすることが必要である
が、金属板61,62にコイル23を近付けると、加熱
された金属板61,62の熱がコア24に伝わりコア2
4の磁化性能を低下させることになる。しかし、上述し
た耐熱性ポリイミドとグラスファイバーからなる断熱板
を用いると、磁化性能を落とすことなくコア24を金属
板61,62に近付けることが可能となり、迅速かつ高
温の加熱ができる。
【0013】コア24は電磁誘導コイル23の上側空間
に発散される磁力線を下側に向け金属板に吸収させる作
用をなすものであって、絶縁性のある磁性体で形成され
ており、図3に示すように、ほぼ直角に交差する第一及
び第二当接板21,22上に載置されている。したがっ
て、コア24には、床板61及び側壁62の両方向に面
して電磁誘導コイル23が巻装されており、これによ
り、床板61と側壁62の二方向に磁界が発生する。本
実施例の特徴は、このように磁界を直交させる点にあ
り、タンク等の床板61と側壁62との接合部である溶
接部分上の被膜を効果的に加熱し、被膜を確実に剥離さ
せる。ここで、コア24は衝撃に対して弱いので、コア
24への衝撃を緩和するため、例えばコア24と第一及
び第二当接板21,22の間に、0.5mm程度のシリコ
ン板等からなるショックアブソーバを設け(図示せ
ず)、コア24にかかる衝撃を緩和する。また、電磁誘
導コイル23は、床板61と対向する側を粗に、側壁6
2と対向する側を密に巻装することによって、床板61
及び側壁62の板厚に応じた加熱エネルギーを得られる
ようにしてある。
【0014】制御部30は、本体10の内部に搭載され
ており、高周波電力を発生する高周波発生部(図示せ
ず)と、装置の各種制御を行なうコントロール部とから
なっている。制御部30の高周波発生部は、電磁誘導コ
イル23に接続されている。したがって、高周波発生部
で発生した高周波電力は、電磁誘導コイル23に供給さ
れて、交番磁界を発生し、高周波電磁誘導作用によって
床板61及び側壁62の表面に図4に示すようなうず電
流を流し、床板61及び側壁62、特にこれらの溶接部
分を発熱させる。
【0015】高周波発生部で発生させる高周波電力の周
波数は9〜30KHzとすることが好ましく、特に10
〜20KHzとすることが好ましい。30KHz以上は
現実的でない。また、9KHz以下では床板61及び側
壁62の内部深くまで加熱されてしまうため、床板61
及び側壁62の反対側に位置する材料が熱劣化を受ける
ので好ましくなく、さらに効率も悪くなり好ましくな
い。なお、高周波の周波数f(Hz)と、うず電流発生
の有効深さ(加熱される深さ)δ(in)の間には下記
(1)式に示す関係がある(ただし、μは透磁率,ρは
鋼の電気抵抗である)。
【0016】
【数1】
【0017】したがって、上記(1)式に周波数fの値
を代入すれば、加熱される深さの概略値を求めることが
できる。例えば、周波数f=11.5KHzの場合、加
熱される深さは0.46mmとなる。
【0018】高周波発生部としては、加熱時間の短縮を
図るため、大電力を供給しうるものを使用することが好
ましい。高周波発生部の回路構成の一例を図5に示す。
同図においては、三相交流(200V,60〜100
A)32が整流器33によって直流変換され、リアクタ
ンス34及びコンデンサ35によって平滑化され、パワ
ートランジスタ36によって高周波パルス電流P(9〜
30KHz,平均電流200A)が、電磁誘導コイル2
3に供給されるようになっている。
【0019】次に、上記構成からなる金属表面被膜の加
熱剥離装置を用いた加熱剥離方法について説明する。ま
ず、図1(a)及び図3に示すように、装置1を移動さ
せて、電磁誘導部20の第一及び第二の当接板21,2
2を床板61及び側壁62の接合部(溶接部分)付近表
面上に施された被膜60に当接させる。次いで、制御部
30の高周波発生部より電磁誘導コイル23に高周波電
力を供給して、床板61及び側壁62の接合部付近表面
部のみを局部的に自己加熱し、それによって被膜60を
加熱剥離させる。被膜は通常、加熱によってめくれ上が
り自然に剥離するが、強固に付着して剥がれにくい部分
はスクレーパ等を用いれば容易に剥離を行なうことがで
きる。なお、処理時間は1〜60秒とし、処理温度は5
0〜300℃となるように制御部30を制御することが
好ましい。
【0020】次に、図6(a),(b)にもづいて本発
明の第二実施例について説明する。本実施例装置は、電
磁誘導部20の第一の当接板21と第二の当接板22の
交差する角度を90度より小さい角度、例えば約80度
から90度未満の鋭角とするとともに、90度より小さ
くした角度だけ揺動できるようにしてある。このような
構成としたのは、タンクには、垂直な側壁62に対し、
床板61が中心に向かって高くなっていくものと、低く
なっていくものとがあり、床板61が中心に向かって高
くなっていく種類のタンクにあっては、第一及び第二の
当接板21,22の交差角を鋭角にする必要があるから
である。すなわち、床板61と側壁62の接合部におけ
る被膜を効果的に加熱するため、第一及び第二の当接板
21,22の交差角を床板61と側壁62の接合部交差
角より小さい角度にして、当接板21,22を床板61
と側壁62の接合部に確実に接触させる。
【0021】この場合、第一及び第二の当接板21,2
2の交差角は床板61と側壁62の接合部交差角より小
さい角度としてあるので、電磁誘導部20を揺動可能と
し、第一及び第二の当接板21,22が交互に床板61
及び側壁62と接触するようにして、床板61と側壁6
2の加熱状態を確認しながら剥離作業を進めるようにし
てある。なお、タンクの床板61が中心に向かって低く
なっているものを対象とするときは、上述した第一実施
例装置における第一及び第二当接板21,22がほぼ直
交する電磁誘導部20を揺動させることによって、上述
した第二実施例装置と同様の態様で作業を進めることが
できる。
【0022】次に、図7にもとづいて本発明の第三実施
例について説明する。本実施例装置は、電磁誘導部20
における電磁誘導コイル23とコア24を二組組み合せ
た構成としてあり、これにより、大きな加熱エネルギー
を得られるようにしてある。また、二組のコイル23に
床板61と側壁62の板厚に応じてそれぞれ異なった大
きさの電流を供給したり、電流の供給時間を変えたりし
て加熱状態を調整することもできる。さらに、コイル及
びコアを二組設けた場合は、制御部内の高周波発生回路
も二組設け、各コイルを各々別の高周波発生回路で駆動
するようにすることもできる。これにより、高周波発生
部への負担が軽減され、装置を長時間使用できるように
なる。またコンデンサやトランジスタの容量不足の問題
が解消されるため、処理能力の向上及び処理面積の拡大
を図ることが可能となる。
【0023】次に、図8(a),(b)及び図9
(a),(b)にもとづいて本発明の第四実施例につい
て説明する。本実施例装置は、コア24を横断面逆F字
形に形成し、図示してないが、矢印A方向に90度、矢
印B方向に180度、それぞれ回動できる構成としてあ
る。このようにすると、誘導電流の状態を図8(b)か
ら図9(b)のように変えることができ、加熱の態様を
変更することができる。
【0024】本発明は上記実施例に限定されず、本発明
の要旨の範囲内で適宜変形して実施することが可能であ
る。例えば、第一及び第二の当接板21,22は、一枚
の板を折り曲げて構成してもよく、あるいは二枚の板を
交差部において接着した構成としてもよい。また、制御
部30は連続して使用するためには冷却が必要となる。
したがって、例えば制御部の面部に冷却用のヒートパイ
プ31を利用した冷却用の放熱器を取り付けて、制御部
30の温度上昇を抑えるようにしてもよい。ヒートパイ
プ31は、パイプの内部に作動液が密封してあり、この
作動液はパイプの一端で加熱されて蒸発し、パイプの他
端に高速で移動して潜熱を放出し、凝縮することによっ
て熱の伝搬を高速に行なう。ヒートパイプは同一径の金
属棒に比べ数百倍以上もの熱を伝導できる。ヒートパイ
プには放熱効率を高めるためにフィン32を取り付ける
ことが好ましい。このヒートパイプとしては、ボトムヒ
ート,水平ヒート,トップヒートのいずれをも使用する
ことができる。ヒートパイプの使用により制御部の温度
上昇が抑えられ、温度上昇による制御部のトランジスタ
の故障等が回避され、装置の長時間使用が可能となる。
さらに、第一及び第二の当接板21,22の一箇所以
上、例えば六箇所に、当接板21,22とは異なった色
の標識部材を、底板の2/3程度の深さに埋設した構成
としておくと、使用により当接板21,22が摩耗した
際、標識部材が露呈して、当接板21,22の交換時期
がきたことを容易に知らせる。
【0025】実験例 被膜剥離装置により原油貯蔵タンク隅角部上のビニルエ
ステル樹脂系被膜の除去を行なった。原油タンクは予め
全ての油分,水分及びスラッジを取り除き、防食用被膜
が露出した状態で平均膜厚1,000μmの被膜剥離処
理に入った。被膜剥離装置を被膜剥離の必要とする隅角
部に接して置き、20KHZ,30KVA高周波電力を
電磁誘導コイルに通し40秒間保持し、次いで剥離装置
を次の剥離部分に移動させ、移動させると同時に加熱部
分の被膜を金属スクレパーで剥ぎ取った。剥ぎ取りは容
易に行なうことができた。試験的にビニルエステル樹脂
系被膜下の温度を測定したところ、床板と側壁とも約2
50度であった。タンクの床板の下におけるアスファル
トサンドと、側壁外表面のスケッチプレート上の水分侵
入防止用デンゾーテープ及び側壁外表面被膜を損傷する
様子はなかった。剥離装置の底板は無機質断熱材を用い
た。約4時間使用後もコアの温度は200度を超えず、
コアの性能を低下させるような状態は生じなかった。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように本発明の金属表面被
膜の加熱剥離装置によれば、各種タンクの床板と側壁の
接合部分とその近辺のみを局部的に効率よく電磁誘導加
熱でき、接合部分とその近辺において金属表面上に施さ
れた被膜を容易に剥離除去することができる。また、装
置が小型でありながら、長時間効率良く使用できるの
で、操作性及び経済性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の第一実施例に係る金属表面
被膜の加熱剥離装置の稼動時の状態を示す一部截断側面
図、(b)は(a)のA方向から見た平面図である。
【図2】図1の装置の運搬時の状態を示す側面図であ
る。
【図3】電磁誘導部の一例を示す断面図である。
【図4】図3に示す電磁誘導部による誘導電流の状態を
示す展開図である。
【図5】図1に示す装置発明の高周波発生部の一例を示
す回路図である。
【図6】(a)及び(b)は、本発明の第二実施例に係
わる電磁誘導部の断面図である。
【図7】本発明の第三実施例に係わる電磁誘導部の断面
図である。
【図8】(a)は本発明の第四実施例に係わる電磁誘導
部の断面図であり、(b)は(a)に示す電磁誘導部に
よる誘導電流の状態を示す展開図である。
【図9】電磁誘導部を溶接線に沿って長く形成した例の
底面図である。
【符号の説明】
1…装置 10…本体 11…冷却孔 20…電磁誘導部 21…第一の当接板(底板) 22…第二の当接板(側板) 23…電磁誘導コイル 24…コア 30…制御部 40…連結アーム 41…取手 50…キャスタ 51…金具 60…被膜 61…床板(アニュラ板) 62…側壁

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本体と、 ほぼ直角に交差する第一の当接板及び第二の当接板、こ
    れら第一及び第二の当接板の内側に設けられた電磁誘導
    コイル及びコアからなり、前記本体の下方に支持された
    電磁誘導部と、 前記本体に内蔵され前記電磁誘導部に近接して設けられ
    た高周波発生部とを具備したことを特徴とする金属表面
    被膜の加熱剥離装置。
  2. 【請求項2】 本体と、 鋭角に交差する第一の当接板及び第二の当接板、これら
    第一及び第二の当接板の内側に設けられた電磁誘導コイ
    ル及びコアからなり、前記本体の下方に支持された電磁
    誘導部と、 前記本体に内蔵され前記電磁誘導部に近接して設けられ
    た高周波発生部とを具備したことを特徴とする金属表面
    被膜の加熱剥離装置。
  3. 【請求項3】 電磁誘導コイルが、第一及び第二の当接
    板の内側に一組配設してある請求項1又は2記載の金属
    表面被膜の加熱剥離装置。
  4. 【請求項4】 電磁誘導コイルが、第一及び第二の当接
    板の内側に二組配設してある請求項1又は2記載の金属
    表面被膜の加熱剥離装置。
  5. 【請求項5】 二組の電磁誘導コイルと対応させて二組
    の高周波発生部を有する請求項4記載の金属表面被膜の
    加熱剥離装置。
JP16743293A 1993-06-14 1993-06-14 金属表面被膜の加熱剥離装置 Expired - Fee Related JP3359382B2 (ja)

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