JPH07189067A - 多色嵩高糸の製造方法 - Google Patents

多色嵩高糸の製造方法

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JPH07189067A
JPH07189067A JP33544893A JP33544893A JPH07189067A JP H07189067 A JPH07189067 A JP H07189067A JP 33544893 A JP33544893 A JP 33544893A JP 33544893 A JP33544893 A JP 33544893A JP H07189067 A JPH07189067 A JP H07189067A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 多色の杢調柄バランスが鮮明で、柄のこなれ
具合も均質であり、しかも嵩高加工処理後の糸長に差を
生じることがなく、とくにタイルカーペット用としての
好ましい杢調性能を有する多色嵩高糸を製造する方法を
提供する。 【構成】 性質の異なる2種以上の合成繊維について、
それぞれ別々の工程にて、第1の張力付与処理、予備加
熱処理、捲縮付与処理、リラックス処理および第2の張
力処理からなる嵩高加工処理を施す。次いで複数種の嵩
高合成繊維を束状に引き揃えて、エアー交絡処理を施
す。上記性質の異なる2種以上の合成繊維は、染色性が
それぞれ異なる合成繊維で、それぞれナイロン6および
ナイロン66から選ばれたポリマーから成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、多色嵩高糸の製造方
法に関するものであり、さらに詳しくはとくにタイルカ
ーペット用としての好ましい杢調性能を有する多色嵩高
糸の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、オフィスビルにおける需要を中心
として、タイルカーペットが急成長してきた。
【0003】なかでもナイロンBCF(Bulked
Continuos Filament)を素材とした
杢調多色捲縮糸を用いたタイルカーペットは、オフィス
の室内感覚にマッチし、中心的な素材として広く使用さ
れてきた。
【0004】しかし、ビルの多様化および個性化などが
進むにつれて、より深みのある色彩でコントラストの強
い杢調柄が求められるようになり、さらに高度な杢調柄
を発揮しうる多色嵩高糸の実現が望まれていた。
【0005】従来、この種の杢調柄を発現する多色嵩高
糸の製造方法としては、例えば特公昭58−37403
号公報および特開平4−73236号公報などに記載の
方法が知られている。
【0006】すなわち、上記特公昭58−37403号
公報に記載される方法は、色または着色性の異なる2種
以上のポリマーをそれぞれ別々に溶融し、各々の溶融ポ
リマーをそれぞれ別々のスピンブロックに分配輸送し、
各スピンブロック毎に2種以上の異色性ポリマ−からな
る合成繊維束を紡糸し、各スピンブロックから紡出され
た糸条を延伸し、引続いて嵩高加工し、交絡付与して巻
きとり、さらに染色することによって、連続して多色嵩
高糸を得ることを特徴とするものである。
【0007】また、上記特開平4−73236号公報に
記載される方法は、それぞれ別々に紡糸および延伸され
た複数種の染着性の異なる合成繊維束を引揃えて嵩高加
工し、交絡付与して巻きとり、次いで染色することによ
って、多色嵩高糸を得ることを特徴とするものである。
【0008】しかるに、上記特公昭58−37403号
公報および特開平4−73236号公報に記載される方
法を用いて得られた多色嵩高糸は、いずれも2以上の染
着性が異なるマルチフィラメントを紡糸した後、または
延伸した後に、各マルチフィラメントを引揃えて嵩高加
工することから、嵩高加工のための加熱蒸気または加熱
空気による流体処理において、染着性の異なるフィラメ
ント各単糸の混繊も同時に進行するために、得られる多
色嵩高糸の多色の杢柄が一色に近くなって、コントラス
トの弱い杢柄になるという問題があった。
【0009】また、上記の従来法において、染着性の異
なる2種以上のフィラメントとしては、例えばナイロン
6繊維の場合に、酸性染料に濃く染まるNH2 末端基量
の多いナイロン6ポリマー、酸性染料に淡く染まるNH
2 末端基量の少ないナイロン6ポリマーおよび塩基性染
料に染まるSO3 Na末端基を有するポリマーなどの組
合わせが使用されるが、これらのフィラメントは、それ
ぞれの収縮特性が異なるために、嵩高加工のための流体
処理において、流体処理後の糸長に差が生じ、得られる
多色嵩高糸をカーペットに編成した場合に、一方のフィ
ラメントがカーペット表面に多く露出する傾向となり、
カーペットの商品価値が損なわれるという問題があっ
た。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上述した
従来の多色嵩高糸の製造方法における問題点を解消する
ために検討した結果、達成されたものである。
【0011】したがって、この発明の目的は、多色の杢
調柄バランスが鮮明で、柄のこなれ具合も均質であり、
しかも嵩高加工処理後の糸長に差を生じることがなく、
とくにタイルカーペット用としての好ましい杢調性能を
有する多色嵩高糸を製造する方法を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明の多色嵩高糸の製造方法は、性質の異な
る2種以上の合成繊維について、それぞれ別々の工程に
て、第1の張力付与処理、予備加熱処理、捲縮付与処
理、リラックス処理および第2の張力処理からなる嵩高
加工処理を施し、次いで得られた複数種の嵩高合成繊維
を束状に引き揃えて、エアー交絡処理を施すことを特徴
とする。
【0013】また、この発明の方法において、上記性質
の異なる2種以上の合成繊維は、染色性がそれぞれ異な
る合成繊維からなり、しかもそれぞれナイロン6および
ナイロン66から選ばれたポリマーからなり、さらには
それぞれ同種のポリマーからなる合成繊維であって、か
つそれぞれの染色性が異なることが好ましい。
【0014】加えて、この発明の上記嵩高加工処理にお
ける巻縮付与処理は、200〜260℃の蒸気を用いる
流体処理域にて行われることが好ましい。
【0015】さらに、この発明の方法においては、上記
エアー交絡処理によって、30〜50個/mの交絡数を
付与することが好ましい。
【0016】
【実施態様】以下、この発明の多色嵩高糸の製造方法に
ついて、詳細に説明する。
【0017】この発明における性質の異なる2種以上の
合成繊維とは、染色性、染料吸収能、結晶性、熱収縮
率、モジュラス、ポリマーなどの性質、なかでも好まし
くは染色性が異なる別個の合成繊維を意味し、これら2
種以上の合成繊維は、それぞれ独立した紡糸機で紡糸さ
れ、延伸が施された後、それぞれ別々の工程にて嵩高加
工処理が付与されることを特徴とする。
【0018】そして、上記嵩高加工処理が付与された複
数種の合成繊維は、次いでエアー交絡処理によって、合
糸および交絡が施されて一体化し、さらに染色されるこ
とによって、多色嵩高糸となるとなる。
【0019】この発明で使用し得る2種以上の合成繊維
としては、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド
またはポリエチレンテレフタレートなどのおよびポリエ
ステルなどから選ばれたポリマーからなる合成繊維が挙
げられるが、なかでもナイロン6およびナイロン66か
ら選択されたポリマーからなる合成繊維が好ましく使用
される。
【0020】なお、性質の異なる(以下代表して、染色
性が異なると表現する)2種以上の合成繊維は、それぞ
れ同種のポリマーからなる合成繊維であって、かつそれ
ぞれの染色性が異なることが好ましい。
【0021】この発明で用いられる性質の異なる2種以
上の合成繊維とは、具体的には例えばナイロン6ポリマ
ーを使用するの場合、酸性染料に濃く染まるNH2 末端
基量の多いポリマー、酸性染料に淡く染まるNH3 末端
基量の少ないポリマーおよび塩基性染料に染まるSO3
Na末端基を有するポリマーなどからなる合成繊維のの
組合わせを意味し、これらの染色性の相違に応じて、た
とえば濃淡色および異なる色に染色が施されるものであ
る。
【0022】次に、この発明における嵩高加工処理工程
について説明する。
【0023】すなわち、染着性の異なる2種以上の合成
繊維は、それぞれ別個の工程で紡糸および延伸された
後、別々の工程にて嵩高加工処理されるが、各合成繊維
は、まず第1の張力付与工程に供される。
【0024】第1の張力付与工程においては、張力付与
域で、好ましくは実質的に延伸が行われない0.3〜3
%のストレッチ率の条件が適用される。
【0025】第1の張力付与域におけるストレッチ率が
0.3%よりも小さい場合には、後述する予備加熱ロー
ラでの熱処理が弱くなり、流体処理域における捲縮処理
を行う際に捲縮が付与され難くなるばかりか、繊維の把
持が不十分となって長さ方向の斑による単糸タルミを生
じ易くなるため好ましくない。
【0026】一方、第一の張力付与域におけるストレッ
チ率が3%を越えると、繊維が再延伸され、この延伸に
よって繊維の長さ方向の品質バラツキを生じ易い傾向と
なるため好ましくない。
【0027】上記第1の張力付与処理を施された合成繊
維は、引続いて予備加熱処理工程に送られる。
【0028】予備加熱処理は、第1の張力付与処理後の
合成繊維を、好ましくは150〜200℃に加熱された
予備加熱ローラに巻回することにより施され、この予備
加熱処理によって次工程における合成繊維の捲縮加工処
理をきわめて均一に行うことが可能となる。
【0029】この予備加熱処理を行うに際しては、ロー
ラの表面温度を150〜200℃の範囲に調節すること
が好適であり、ローラの表面温度が150℃よりも低温
の場合には、次工程における捲縮付与時に嵩高糸として
の十分な捲縮率が得られ難く、また200℃よりも高温
であると、次工程における捲縮付与時に、単糸の融着や
単糸タルミが生じ、品位が著しく低下する傾向となるた
め好ましくない。
【0030】上記の予備加熱された合成繊維は、引続い
て流体処理域に導びかれ、好ましくは200〜260℃
の温度からなる蒸気を用いて捲縮加工処理を施され、嵩
高加工糸を形成する。
【0031】この流体処理域で用いられる蒸気の圧力
は、5〜9Kg/cm2 の条件が好ましく用いられる。
【0032】捲縮付与工程における流体処理温度が20
0℃よりも低温の場合には、嵩高糸としての十分な捲縮
率が得られ難く、また260℃よりも高温の場合には、
捲縮が粗硬になり、カーペットに編成した場合の風合い
が著しく損なわれる傾向となるため好ましくない。
【0033】なお、染色性の異なる2種以上の合成繊維
は、これらの繊維を形成するポリマー種の相違、たとえ
ばNH2 末端基量の多いポリマー、NH2 末端基量の少
ないポリマーおよびSO3 Na末端基を有するポリマー
などのポリマー種に応じて、嵩高加工時の流体処理にお
ける糸収縮特性が異なるために、この流体処理域で用い
られる流体処理ノズルでの蒸気の流量は、流体処理後の
各合成繊維の糸長に差が生じないように、それぞれのポ
リマー別に好適な蒸気流量に調節する必要がある。
【0034】上記の流体処理域において捲縮が付与さ
れ、得られた嵩高糸は、引続いてリラックス処理工程に
送られる。
【0035】リラックス処理は、好ましくはオーバーフ
ィード率50〜200%からなるオーバーフィード域に
嵩高糸を導き、通常吸引する多孔の回転ドラムを用いて
嵩高糸を冷却し、捲縮を固定することにより行われる。
【0036】上記のオーバーフィード域でリラックス処
理が施された嵩高糸は、引続いて第2の張力付与域に導
びかれて、第2の張力付与処理を施され、流体処理域お
よびオーバーフィード域で形成された嵩高糸のループや
たるみが消去される。
【0037】第2の張力付与工程におけるストレッチ率
は、30〜100%の範囲にすることが好ましい。
【0038】第2の張力付与工程におけるストレッチ率
が30%に満たない場合には、嵩高糸のループやたるみ
が障害になり、後述のエアー交絡処理において、染着性
の異なる2種以上の合成繊維からなる束の混繊が不足し
て、カーペットに好適な柄が得られないことがある。
【0039】また、第2の張力付与工程におけるストレ
ッチ率が100%を越える場合には、嵩高合成繊維束が
伸び切ってしまい開繊され、後述のエアー交絡処理によ
り染着性の異なる各単糸の混繊も進行して、コントラス
トの弱い杢柄になることがあるため好ましくない。
【0040】上記の第2の張力付与域でループやたるみ
を消去されて、嵩高加工処理を終了した各合成繊維(以
下、各嵩高合成繊維と呼ぶ)は、染着性の異なる2種以
上を一つの単位としてを合糸して、エアー交絡処理域に
導びかれる。
【0041】エアー交絡処理域では、オーバーフィード
率を好ましくは1〜5%の範囲となし、エアー交絡ノズ
ルに圧空を供給して行われる。
【0042】この場合のエアー圧力は、エアー交絡ノズ
ルの形状によって異なるが、通常は5〜9Kg/cm2
の条件が好ましく用いられる。
【0043】エアー交絡処理域におけるオーバーフィー
ド率が1%に満たない場合には、エアー交絡処理域の糸
の張力が高くて各嵩高合成繊維束の開繊が悪く、交絡不
良になるため好ましくない。
【0044】一方、エアー交絡処理域におけるオーバー
フィード率が5%を越える場合には、交絡処理域で新た
なたるみが生じ、カーペットに編成する際の障害となる
傾向が招かれるため好ましくない。
【0045】なお、この発明の方法においては、得られ
る多色嵩高糸に深みのある色相でコントラストの強い杢
柄を出すために、上記エアー交絡処理により得られる合
成繊維の交絡数を30〜50個/m、とくにあえ35〜
45個/mの範囲とすることが望ましい。
【0046】すなわち、複数種の嵩高合成繊維(マルチ
フィラメント)の交絡のメカニズムは、弦振動モデルで
説明でき、繊維束が主噴流を横断すると同時に、主噴流
に暴露された繊維束部分の単糸が開繊し、その開繊部分
の前後で単糸間相互の絡まりが生じる。
【0047】したがって、交絡数は繊維束の線密度、開
繊時の張力、エアー交絡ノズルの前後ガイド距離および
エアーガイド形状による開繊繊維束の振動の自由度(主
噴流を横切る回数)、単糸間相互の糸糸摩擦などの因子
によって決まる。しかしこれらの因子には個々にバラツ
キをもっており、その組み合わせである交絡数も変動す
るため、各因子を設定して得られた混繊糸の交絡数を繰
り返し10回測定し、その平均値を混繊糸の交絡数とす
ることによって、目的とするタイルカーペットの杢調柄
に対応することができる。
【0048】エアー交絡処理による交絡数が30個/m
未満であると、染色性の異なる2種以上の嵩高合成繊維
同志の交絡部が少ないため、各嵩高合成繊維が分離して
柄流れが発生しやすくなり、縦筋の原因となるため好ま
しくない。
【0049】また、エアー交絡処理による交絡数が50
個/mを越えると、染色性の異なる2種以上の合成繊維
同志の混繊部が多くなりすぎて、多色の杢柄が一色に近
くなり、コントラストの弱い杢柄となるため好ましくな
い。
【0050】かくして、本発明の方法により得られた多
色嵩高糸は、次いで通常の方法により編織してカーペッ
トなし、夫々の嵩高合成繊維に適した染料で染色、着色
することにより、多色嵩高の杢調カーペットを製造する
ために有利に使用することができる。
【0051】上記したごとく、本発明の多色嵩高糸の製
造方法によると、紡糸および延伸された染着性の異なる
2種以上の合成繊維に対し、それぞれ別々に、第1の張
力付与処理、予備加熱処理、捲縮付与処理、リラックス
処理および第2の張力付与処理からなる嵩高加工処理を
施した後、これら複数種の嵩高合成繊維を引揃えてエア
ー交絡処理を施し、混繊処理を行うことによる相乗効果
によって、得られる多色嵩高糸は、多色の杢調柄バラン
スが鮮明で、柄のこなれ具合も均質であり、かつ糸長に
差を生じることがなく均質であるというすぐれた性能を
有しており、とくに杢調タイルカーペット用原糸として
好ましく用いることができる。
【0052】また、本発明の方法は、連続して多色嵩高
糸を得るものであり、各処理条件の管理もきわめて容易
に行うことができ、これら処理条件の範囲を維持するこ
とにより、高品質の多色嵩高糸を効率良く製造すること
ができる。
【0053】以下実施例を挙げて、本発明の構成および
効果をさらに詳細に説明する。
【0054】
【実施例】各実施例および比較例におけるカーペット柄
の評価は、次の方法で行い表示した。
【0055】柄のバランス:複数種の異色ポリマーを交
絡した嵩高糸をカーペットに編成し、
染色した後、カーペット表面に現れる各異染糸の割合を
肉眼で 判定した。
【0056】柄こなれ :上記で得られたカーペット
表面の柄模様の混ざり具合を肉眼で判定した。
【0057】柄流れ :同上のカーペット表面にお
いて、繊維の長さ方向に同一の柄が連続的に続く状態を
肉眼で判断した。
【0058】[実施例1、2および比較例1]染色性の
異なる2種の合成繊維として、ナイロン6のレギュラー
タイプおよびカチオン可染タイプのそれぞれ1100デ
ニール延伸糸を用い、それぞれ別々の工程において、第
1の張力域で実質的に延伸が行われないストレッチ率
0.5%の張力付与処理を施し、表1に示した予備加熱
温度に予備加熱した後、流体処理域に導き、各々の合成
繊維別に好適な流量に調整され、かつ表1に示した温度
からなる蒸気を用いて捲縮付与処理を施し、引続いてオ
ーバーフィード率50%からなるオーバーフィード域に
導いてリラックス処理を施し、次いで第2の張力付与域
に導きストレッチ率30%の第2の張力付与処理を施す
ことにより、それぞれ個別に嵩高合成繊維を得た。
【0059】次いで、これら2種の嵩高合成繊維を束を
引き揃えて2660デニールの繊維束となし、エアー交
絡処理域に導いて、オーバーフィード率2%、エアー交
絡ノズルのエアー圧力7.5Kg/cm2 の条件でエア
ー交絡処理を施した。
【0060】かくして得られた多色嵩高糸を、1/10
Gループバイルのタフト機に供し、PH:3.5mm、
ST:12個/m、PW:650g/分のタフト反を編
織し、その後に酸性染料と塩基性染料を配合した異染同
浴で染色を施すことにより、杢調柄のタイルカーペット
を得た(実施例1)。
【0061】得られた多色嵩高糸およびカーペットの性
能を評価した結果を表1に併せて示す。
【0062】また、染色性の異なる2種の合成繊維とし
て、ナイロン66のレギュラータイプおよびカチオン可
染タイプのそれぞれ1100デニール延伸糸を用い、そ
れぞれ別々の工程において、上記と同様の条件にて嵩高
加工処理およびエアー交絡処理を行った後、カーペット
を編成し、染色を施すことにより、杢調柄のタイルカー
ペットを得た(実施例2)。
【0063】得られた多色嵩高糸およびタイルカーペッ
トの性能を評価した結果を表1に併せて示す。
【0064】一方、比較のために、実施例1で用いたナ
イロン6のレギュラータイプおよびカチオン可染タイプ
のそれぞれ1100デニール延伸糸について、特開平4
ー73236号公報に記載された方法のように、2種の
合成繊維を引き揃えて捲縮加工する方法で製造した多色
嵩高糸を用いてタイルカーペットに編織し、その後に酸
性染料と塩基性染料を配合した異染同浴で染色を施すこ
とにより、杢調柄のタイルカーペットを得た(比較例
1)。
【0065】このようにして得られた多色嵩高糸および
タイルカーペットの性能を評価した結果を表1に併せて
示す。
【0066】
【表1】 表1の結果から明らかなように、実施例1および2(本
発明の方法)で得られた製品は、杢調柄のバランスおよ
び柄のこなれ具合が共にすぐれており、タイルカーペッ
トとしての性能がきわめて良好である。
【0067】これに対し、比較例1は、カチオン可染タ
イプ糸がレギュラータイプ糸よりも巻縮加工時の糸収縮
が大きく、エアー交絡処理時の糸張力にも差が生じてい
るため、得られる多色嵩高糸の交絡の強度が弱く、カー
ペットに編織した場合には、表面にレギュラータイプ糸
が多くなり、柄のバランスが悪く、また柄が長さ方向に
流れて見えるという欠点を有している。
【0068】また、比較例1の場合は、巻縮加工時に蒸
気による2種の糸束の混繊も進行するために、カーペッ
トに編織した場合の柄のこなれ具合が密過ぎ、柄流れが
あり、また柄のバランスも好ましくない。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の多色嵩高
糸の製造方法によると、多色の杢調柄バランスが鮮明
で、柄のこなれ具合も均質であり、かつ糸長に差を生じ
ることがなく均質であるというすぐれた性能を有してお
り、とくに杢調タイルカーペット用原糸として好ましい
性能を有する多色嵩高糸を得ることができる。
【0070】また、本発明の方法は、連続して多色嵩高
糸を得るものであり、製造工程中で繊維を形成する各単
糸の遊離もなく円滑に操業を行うことができ、高品質の
多色嵩高糸をすぐれた生産性のもとで高能率で製造し得
るばかりか、品質管理も容易に行うことができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 性質の異なる2種以上の合成繊維につ
    いて、それぞれ別々の工程にて、第1の張力付与処理、
    予備加熱処理、捲縮付与処理、リラックス処理および第
    2の張力処理からなる嵩高加工処理を施し、次いで得ら
    れた複数種の嵩高合成繊維を束状に引き揃えて、エアー
    交絡処理を施すことを特徴とする多色嵩高糸の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 性質の異なる2種以上の合成繊維が、
    染色性がそれぞれ異なる合成繊維からなることを特徴と
    する請求項1に記載の多色嵩高糸の製造方法。
  3. 【請求項3】 性質の異なる2種以上の合成繊維が、
    それぞれナイロン6およびナイロン66から選ばれたポ
    リマーから成ることを特徴とする請求項1または2に記
    載の多色嵩高糸の製造方法。
  4. 【請求項4】 性質の異なる2種以上の合成繊維が、
    それぞれ同種のポリマーからなる合成繊維であって、か
    つそれぞれの染色性が異なることを特徴とする請求項
    1、2または3に記載の多色嵩高糸の製造方法。
  5. 【請求項5】 嵩高加工処理における巻縮付与処理
    が、200〜260℃の蒸気を用いる流体処理域にて行
    われることを特徴とする請求項1、2、3および4に記
    載の多色嵩高糸の製造方法。
  6. 【請求項6】 エアー交絡処理によって、30〜50
    個/mの交絡数を付与することを特徴とする請求項1、
    2、3、4および5に記載の多色嵩高糸の製造方法。
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