JPH07188310A - 懸濁重合法 - Google Patents

懸濁重合法

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JPH07188310A
JPH07188310A JP34682693A JP34682693A JPH07188310A JP H07188310 A JPH07188310 A JP H07188310A JP 34682693 A JP34682693 A JP 34682693A JP 34682693 A JP34682693 A JP 34682693A JP H07188310 A JPH07188310 A JP H07188310A
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alkali metal
water
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suspension
weight
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JP34682693A
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Hidenori Namikawa
英則 南川
Takanori Suzuki
高徳 鈴木
Kenji Haraguchi
健二 原口
Mitsuo Furuichi
光男 古市
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Mitsubishi Chemical BASF Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Chemical BASF Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F2/00Processes of polymerisation
    • C08F2/12Polymerisation in non-solvents
    • C08F2/16Aqueous medium
    • C08F2/18Suspension polymerisation

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
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  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 アニオン系界面活性剤を用いるビニル系単量
体の懸濁重合において、懸濁剤として、リン酸アルカリ
金属塩及び縮合ポリリン酸アルカリ金属塩から選ばれた
少なくとも1種のアルカリ金属塩(A)と、カルシウム
の水溶性塩及びマグネシウムの水溶性塩から選ばれた少
なくとも1種の水溶性塩(B)とを、B/Aモル比が
1.05〜3.0の範囲内で反応させて得られた反応生
成物であって、かつ重量平均粒径が3μm以下の同反応
生成物粒子の水スラリーを用いることを特徴とする方法
である。 【効果】 副生粒子が含有されていなく、分散度が小さ
く、単一な粒度分布を持つ微細な球状粒子の重合体を効
率よく製造でき、その重合体は各種塗料の添加剤、各種
の充填剤等の用途に有利に使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は単一ピークの粒度分布を
持ち、微細な球状ポリマー粒子からなるビニル系ポリマ
ーを効率よく製造することができる懸濁重合法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】平均粒径が数十μm〜数百μmのポリマ
ー粒子を製造する方法として懸濁重合法が知られてお
り、この方法における懸濁剤としては、通常、(部分ケ
ン化)ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンを
はじめとする種々の高分子懸濁剤、第三リン酸カルシウ
ム、ピロリン酸マグネシウムなどで代表される難溶性無
機物が用いられている。近年、数μm〜数十μm程度の
微小粒子の重合体をトナーや各種充填剤等として使用す
る用途の開発が行なわれつつあり、効率的な微小粒子の
重合体の製造方法が要望されている。
【0003】しかし、かかる通常の懸濁重合において
は、微小粒子のポリマーを得るには、水性媒体に対する
ビニル系単量体の重量比(O/W)を0.1程度の低目
にし、かつ懸濁剤量を多目(ビニル系単量体100重量
部に対して10重量部以上)にする必要があり、生産性
に劣り、経済的に不利であるばかりでなく、生成ポリマ
ーの粒度分布が広くなるなどの欠点があった。
【0004】また、高分子懸濁剤のような有機の懸濁剤
を用いた場合には、生成重合体中に懸濁剤が混入しやす
く、重合体の物性に悪影響を及ぼすこともあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、副生粒子の
生成がほとんどなくて単一ピークの粒度分布を持ち、粒
度分布が狭く、微細な球状粒子からなるビニル系重合体
を効率よく容易に製造できる懸濁重合法を提供しようと
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するために種々研究を重ねた結果、リン酸や縮
合ポリリン酸のアルカリ金属塩とカルシウムやマグネシ
ウムの水溶性塩との塩基交換反応によって生成したリン
酸や縮合ポリリン酸のカルシウム塩やマグネシウム塩で
あって、しかもその塩基交換反応時にカルシウムやマグ
ネシウムの水溶性塩を多目に用いて反応させて得られた
それらのカルシウム塩やマグネシウム塩を乾燥させずに
懸濁剤として用いて懸濁重合をさせると粒径の小さい重
合体が安定に得られ、しかも特にその懸濁剤の重量平均
粒径を3μm以下にすると懸濁重合系の油滴の懸濁安定
性が向上し、後述する分散度が0.7以下で、単一ピー
クの粒度分布を持つ重合体が得られることなどを見い出
し、それらの知見にもとづき本発明に到達したのであ
る。
【0007】すなわち、本発明の懸濁重合法は、ビニル
系単量体を重合開始剤、懸濁剤及びアニオン系界面活性
剤を含む水性媒体中で懸濁重合させる方法において、前
記の懸濁剤として、リン酸アルカリ金属塩及び縮合ポリ
リン酸アルカリ金属塩から選ばれた少なくとも1種のア
ルカリ金属塩(A)と、カルシウムの水溶性塩及びマグ
ネシウムの水溶性塩から選ばれた少なくとも1種の水溶
性塩(B)とを、B/Aモル比が1.05〜3.0の範
囲内で反応させて得られた反応生成物であって、かつ重
量平均粒径が3μm以下の同反応生成物の水スラリーを
用いることを特徴とする方法である。
【0008】本発明の懸濁重合法において用いられる懸
濁剤は、前記のとおり、リン酸アルカリ金属塩及び縮合
ポリリン酸アルカリ金属塩から選ばれた少なくとも1種
のアルカリ金属塩(A)と、カルシウムの水溶性塩及び
マグネシウムの水溶性塩から選ばれた少なくとも1種の
水溶性塩(B)とを、B/Aモル比が1.05〜3.0
の範囲内で反応させて得られた反応生成物であって、か
つ重量平均粒径が3μm以下の同反応生成物の水スラリ
ーである。
【0009】そのリン酸アルカリ金属塩としては、オル
トリン酸アルカリ金属塩があげられる。そのリン酸アル
カリ金属塩は、中性塩であっても酸性塩であってもよい
が、中性塩は、重合系の水性媒体のPHを下げずに安定
した重合反応が行える懸濁剤スラリーを与えるので、好
ましい。
【0010】また、その縮合ポリリン酸アルカリ金属塩
としては、一般式 H(m+2) (m) (3m+1) (式中、mは1〜3の数を
表わす)で示される縮合ポリリン酸アルカリ金属塩があ
げられる。好ましい縮合ポリリン酸アルカリ金属塩は、
一般式 M(m+2-n) (n) (m) (3m+1) 〔式中、Mはアル
カリ金属であり、mは1〜3の数であり、0≦n≦(m
+1)である〕で表わされる塩である。特にこの一般式
におけるn=0の塩(たとえばピロリン酸のアルカリ金
属中性塩)は、重合系の水性媒体のPHを下げずに安定
した重合を行える懸濁剤を与えるので、最も好ましい。
【0011】また、そのカルシウムの水溶性塩及びマグ
ネシウムの水溶性塩としては、たとえば硫酸カルシウ
ム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、塩化マグネシ
ウム、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウムなどがあげら
れる。
【0012】なかでも、アルカリ金属塩(A)が第三リ
ン酸ナトリウム、第三リン酸カリウム、ピロリン酸ナト
リウム又はピロリン酸カリウムであって、水溶性塩
(B)が塩化カルシウム、塩化マグネシウム又は硫酸マ
グネシウムの組み合わせが好ましく、特に第三リン酸ナ
トリウムと塩化カルシウムの組み合わせ、又はピロリン
酸ナトリウムと塩化マグネシウムの組み合わせ、又はピ
ロリン酸ナトリウムと硫酸マグネシウムの組み合わせ
が、より小さい粒子を得ることが出来かつ分散度を小さ
くすることができるので好ましい。
【0013】前記の懸濁剤としての反応生成物のスラリ
ーを得るためのアルカリ金属塩(A)と水溶性塩(B)
との反応は、水媒体中で、B/Aのモル比が1.05〜
3.0の範囲で反応させる。反応させる塩(A)と塩
(B)とは、いずれの状態(水溶液状、粉体状、結晶
状)で用いて水媒体中で混合し、反応させてもよい。ま
た、水媒体中にこれらの塩を投入して混合する場合の投
入順序等にも格別に制限がない。しかし一般的には、ア
ルカリ金属塩(A)の水溶液に粉体状若しくは水溶液状
の水溶性塩(B)を投入して混合する方法により反応さ
せるのが、均一な反応生成物スラリー(懸濁剤)が得ら
れるので好ましい。
【0014】前記のB/Aのモル比が1.05より小さ
くなると、重合系が不安定になりやすく、粒度分布が広
くなったり、目的の粒径の重合体が得られなかったりす
るし、またそのモル比が3.0よりも大きくなると、得
られる重合体の粒度分布が広くなり、また粒度分布のピ
ーク数が2又は3になったりする。
【0015】反応生成物スラリーは、場合によっては、
その反応後にさらに水酸化アルカリ金属等を添加してそ
のPHを調節してから懸濁剤として用いることができ
る。
【0016】その反応生成物は、重量平均粒径が3μm
以下の粒子の水性スラリーとして懸濁重合の懸濁剤に使
用される。その粒径の測定はレーザー回折方法、又は動
的光散乱法レーザー式粒度分布測定装置を用いる方法に
より容易に行なうことができる。
【0017】重量平均粒径が3μm以下の粒子の反応生
成物スラリーを得る方法としては、反応によって得られ
た反応生成物スラリーを自然沈降法又は遠心沈降法によ
って粒径の大きいものを沈降させて、粒径の小さいもの
のみをデカンテーションにより選別する方法、反応生成
物スラリーを高剪断力を有する攪拌機、乳化機、超音波
粉砕機等で処理して、物理的に細かく粉砕してすべてを
利用する方法等があるが、粒径をより小さくすることが
できる後者の方法が望ましい。その粉砕処理は、ビニル
単量体との混合前に行なわせるのが望ましい。
【0018】重量平均分子量が3μmより大きい反応生
成物の水スラリーを用いて懸濁重合させると、粒径の大
きい重合体が生成し、かつ粒度分布が広くなるので好ま
しくない。ただし、アニオン系界面活性剤として炭素数
8〜20のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩を使用す
る場合においてだけは、重量平均分子量が3μmより大
きい同反応生成物の水スラリーを用いて懸濁重合させて
も、本発明の方法で得られる重合体にほぼ匹敵する重合
体が得られる(この場合の懸濁重合法は別途特許出願さ
れる)。
【0019】また、前記の反応生成物は、反応によって
生成したのちより懸濁剤としての使用に供される間に、
乾燥させないようにする。その間に一旦乾燥させてか
ら、再び水スラリーに戻して懸濁剤として使用した場合
には、粒径の大きい重合体が生成し、かつ粒度分布が狭
くならない。
【0020】本発明の懸濁重合における懸濁剤(前記の
反応生成物)の使用量は、懸濁重合系の水性媒体100
重量部に対して、通常、懸濁剤の固形分量として0.1
〜10重量部、好ましくは0.5〜2重量部である。
【0021】また、本発明の懸濁重合法において使用さ
れるビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルス
チレン、ビニルトルエン、p−メチルスチレン、p−エ
チルスチレン、スチレンスルホン酸ナトリウム、クロロ
スチレンなどのビニル芳香族系化合物;アクリル酸、ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシ
ルなどのアクリル酸系ビニル化合物;メタクリル酸、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸−2−エ
チルヘキシルなどのメタクリル酸系ビニル化合物;アク
リロニトリル;ジビニルベンゼン、エチレングリコール
ジメタクリレートなどの架橋性二官能ビニル化合物;そ
の他グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレー
トなどの各種のビニル系化合物があげられる。
【0022】また、本発明の懸濁重合法において使用さ
れる重合開始剤としては、たとえばアゾビスイソブチロ
ニトリルなどのアゾ系化合物、クメンヒドロパーオキサ
イド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ
−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベ
ンゾエート、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパ
ーオキシイソプロピルカーボネート、ラウロイルパーオ
キサイドなどの単量体に可溶な開始剤があげられる。重
合開始剤の使用量は、通常、仕込み単量体の全重量10
0重量部に対して0.01〜3重量部が好ましい。
【0023】本発明の懸濁重合法におけるアニオン系界
面活性剤としては、種々のものが使用できるが、好まし
いものは、ラウリル硫酸アルカリ金属塩、或いはラウリ
ルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩等の炭素数8〜2
0のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩(殊にナトリウ
ム塩)、特にラウリルスルホン酸アルカリ金属塩(殊に
ナトリウム塩)である。アニオン系界面活性剤の使用量
は、懸濁重合系の水性媒体100重量部に対して、通
常、0.001〜0.2重量部が好ましい。
【0024】なお、アニオン系界面活性剤としてアルキ
ルスルホン酸アルカリ金属塩を用いる場合には、前記の
反応生成物(懸濁剤)の粒径が3μm以上であっても、
本発明の重合体とほぼ同様の粒度特性の重合体が得られ
るが、その場合の懸濁重合方法は別発明として特許出願
される。
【0025】本発明の懸濁重合法においては、必要に応
じて、その重合反応系に分子量調整剤としてドデシルメ
ルカプタンなどのアルキルメルカプタン類、α−メチル
スチレンダイマー等の連鎖移動剤を添加することができ
る。その連鎖移動剤の使用量は、重合させる全単量体1
00重量部に対して、通常、0.01〜3重量部程度で
ある。
【0026】また、本発明の懸濁重合法においては、必
要に応じて、重合反応系に生成重合体の可塑剤、たとえ
ばジオクチルフタレートなどのフタル酸エステル、その
他脂肪酸エステルやトルエンなどの有機化合物等を添加
することができる。
【0027】また、本発明の懸濁重合法は、その懸濁重
合の途中又は懸濁重合終了後に発泡剤を添加して重合体
粒子に発泡剤を含有せしめた発泡性重合体粒子の製造方
法に適用することができる。その発泡剤としては、たと
えばプロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマル
ペンタン、イソペンタン、ネオブタン、ヘキサンなどの
脂肪族炭化水素;シクロブタン、シクロペンタンなどの
脂環族炭化水素;塩化メチル、ジクロルフルオロメタン
などのハロゲン化炭化水素等の物理発泡剤;さらには炭
酸ガス、窒素、アンモニアなどを発生する化学発泡剤が
あげられる。これらの発泡剤は1種類を単独で、又は2
種以上を併用して使用できる。発泡剤は、通常、生成重
合体粒子中の発泡剤含有量が1〜20重量%になる程度
の量が供給される。また、そのビニル系単量体には、気
泡形成剤としてのエチレンビスステアリルアミド、メチ
レンビスステアリルアミド、エチレン−酢酸ビニル共重
合体樹脂等を添加しておくことができる。
【0028】本発明の懸濁重合法は、重合系に水溶性無
機塩、たとえば食塩、硫酸ナトリウム等を添加しても支
障がない。
【0029】また、本発明の懸濁重合法におけるビニル
系単量体の仕込量は、水性媒体100重量部に対して、
通常、5〜100重量部の範囲であるが、その量は目的
とする重合体の粒径等に応じて適宜に調整される。たと
えば、目的の重合体粒子の粒径が10μm程度のとき
は、その仕込量は5〜60重量部程度が好ましいし、目
的の重合体粒子の粒径が20μm以上のときはその仕込
量は60〜100重量部程度が好ましい。
【0030】本発明の懸濁重合の代表的な実施態様は、
たとえば予め製造しておいた懸濁剤スラリーを添加した
水性媒体中に、アニオン系界面活性剤、重合開始剤、ビ
ニル系単量体、及び必要に応じて添加する他の成分を仕
込み、反応系内の酸素を除去した後、所定の温度で所定
時間攪拌しながら懸濁重合を行なわせる。この場合に、
重合初期又は重合開始前に攪拌速度を高くするとか、又
は高剪断力の乳化分散機を用いてビニル系単量体の液滴
を微細に分散させると、一層微細な粒子の重合体を生成
させることができる。
【0031】
【実施例】以下に、実施例及び比較例をあげてさらに詳
述する。
【0032】実施例1 直径10cmの攪拌翼を設けた容量3000mlの反応
器(オートクレーブ)に水1400mlを入れ、さらに
ピロリン酸ナトリウム25gを加えて溶解させたのち、
粉末状の塩化マグネシウム42.1g(ピロリン酸ナト
リウムに対して1.1モル倍量)を加え、室温で30分
間攪拌して反応させ、懸濁剤としてのピロリン酸マグネ
シウムスラリーを製造した。この懸濁剤スラリーは、水
100重量部に対してピロリン酸マグネシウム1.5重
量部に相当する。
【0033】次いで、この懸濁スラリーに、超音波式粉
砕機( Brason 社商品名 Sonifier450)のプローブ
(超音波発生端)を挿入し、出力200Wで20分間粉
砕処理をした。得られた粉砕処理後の懸濁剤スラリー
は、5mlをサンプリングして、レーザー回折式粒度分
布測定装置を使用して粒径を測定したところ、重量平均
粒径が2.1μmであった。
【0034】次いで、その反応器内の懸濁剤スラリー
に、ラウリルスルホン酸ナトリウム0.7g、及び予め
スチレン700gに重合開始剤としてのベンゾイルパー
オキサイドを7g溶解させた溶液を加えたのち、その混
合液中に高速攪拌機の直径6cmの高剪断型タービン翼
を挿入して、回転数6000rpmで40分間分散処理
をした。次いで、反応器内を窒素ガスでパージした後、
前記の直径10cmの攪拌翼を回転数400rpmで回
転させて攪拌しながら、90℃で6時間重合反応を行な
わせた。
【0035】冷却後、重合生成物に濃度5重量%の塩酸
100mlを加えて攪拌処理して懸濁剤を溶解させ、濾
過、水洗、乾燥して球状ポリスチレン粒子を得た。得ら
れたポリスチレンは、レーザー回折式粒度分布測定装置
を用いて測定したところ、重量平均粒径が5.6μmで
あり、粒度分布が単一のピークを有するものであった。
また、その粒度の下記式で表わされる分散度は0.47
であった。
【0036】 分散度 = Log(d90/d10) ・・・・(I) 式中のd90は最小粒径からの重量累積値が全体の重量
の90%に達するときの粒子の粒径値(μm)であり、
d10は最小粒径からの重量累積値が全体の重量の10
%に達するときの粒子の粒径値(μm)である。
【0037】そして、本明細書に記載の分散度とは、上
記の式(I)で表わされる分散度を意味するものであ
る。
【0038】実施例2 ピロリン酸ナトリウム25gの代りに第三リン酸ナトリ
ウム・12水和物31.8gを、塩化マグネシウム4
2.1gの代りに塩化カルシウム16.3g(第三リン
酸ナトリウム水和物に対して1.1モル倍量)を、そし
てスチレン700gの代りにメタクリル酸メチル630
gとα−メチルスチレン70gの混合物をそれぞれ用
い、そのほかは実施例1と同様にして重合体を製造し
た。なお、この例において用いた懸濁剤スラリーは、水
100重量部に対してリン酸カルシウムが1重量部であ
り、その粒子の重量平均粒径(以下、「重量平均粒径」
を単に「平均粒径」という)は1.8μmであった。
【0039】実施例3 塩化マグネシウム42.1gの代りに塩化マグネシウム
76.5g(ピロリン酸ナトリウムに対して2モル倍
量)を用い、そのほかは実施例1と同様にして反応させ
て懸濁剤としてのピロリン酸マグネシウムスラリーを製
造した。この反応で得られたピロリン酸マグネシウムの
量は水100重量部に対して1.5重量部であった。
【0040】次いで、このピロリン酸マグネシウムスラ
リーに、直径6cmの高剪断型タービン翼を挿入して、
回転数6000rpmで20分間粉砕処理をした。また
得られた懸濁剤スラリーの平均粒径は、レーザー回折式
粒度分布測定装置により測定したところ、2.4μmで
あった。
【0041】次いで、この懸濁剤スラリーにラウリルス
ルホン酸ナトリウム0.7g、及び予めスチレン560
gとアクリル酸ブチル140gに開始剤としてのベンゾ
イルパーオキサイド7gを溶解させた溶液を加えてか
ら、前記と同様の高剪断型タービン翼を挿入して、回転
数6000rpmで40分間分散処理をした。以下、実
施例1におけると同様の方法で懸濁重合させ、同様の方
法で後処理をし、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体
を得た。
【0042】実施例4 塩化マグネシウム42.1gの代りに塩化マグネシウム
45.9g(ピロリン酸ナトリウムに対して1.2モル
倍量)を用い、そのほかは実施例1と同様の方法で反応
させてピロリン酸マグネシウムスラリーを製造した。こ
の反応で得られたピロリン酸マグネシウムの量は水10
0重量部に対して1.5重量部であった。
【0043】次いで、このピロリン酸マグネシウムスラ
リーに、直径6cmの高剪断型タービン翼を挿入して、
回転数6000rpmで20分間粉砕処理をして平均粒
径が2.3μmの懸濁剤スラリーを製造した。
【0044】次いで、この懸濁剤スラリーにラウリルス
ルホン酸ナトリウム0.7g、及び予めスチレン210
gとメタクリル酸ブチル140gにベンゾイルパーオキ
サイド0.35gを溶解させた溶液を加え、以下、実施
例3と同様の方法で40分間分散処理をしてから、同様
の方法で重合させ、同様の方法で後処理をし、スチレン
−メタクリル酸ブチル共重合体を得た。
【0045】比較例1 ピロリン酸ナトリウムを50g、塩化マグネシウムを8
7.8g(ピロリン酸ナトリウムに対して0.95モル
倍量)用い、そのほかは実施例1と同様にして懸濁剤ス
ラリーを製造した。この場合の懸濁剤の粒径は2.5μ
mであった。この懸濁剤スラリーを使用し、そのほかは
実施例1と同様の方法でポリスチレンを製造した。
【0046】比較例2 ピロリン酸ナトリウムを25gの代りに第三リン酸ナト
リウムを31.8g、塩化マグネシウムを42.1gの
代りに塩化カルシウム59.3g(第三リン酸ナトリウ
ムに対して4モル倍量)を用い、さらにビニル単量体と
してのスチレン700gの代りにスチレン420gとメ
タクリル酸ブチル280gを用い、そのほかは実施例1
と同様の方法でスチレン−メタクリル酸ブチル共重合体
を製造した。この場合の懸濁剤スラリーの平均粒径は
2.7μmであった。
【0047】比較例3 塩化マグネシウム42.1gの代りに塩化マグネシウム
76.5g(ピロリン酸ナトリウムに対して2モル倍
量)を用い、そのほかは実施例1と同様の方法でピロリ
ン酸マグネシウムスラリーを製造した。このピロリン酸
マグネシウムスラリーは、ピロリン酸マグネシウムが水
100重量部に対して1.5重量部であり、粒子の平均
粒径が4.4μmであった。このピロリン酸マグネシウ
ムスラリーを粉砕処理をせずにそのまま懸濁剤として使
用し、これにラウリルスルホン酸ナトリウム0.7g、
及び予めメタクリル酸メチル560gとアクリル酸ブチ
ル140gにベンゾイルパーオキサイド7gを溶解させ
た溶液を加え、以下、実施例1におけると同様の方法で
分散処理をし、同様の方法で懸濁重合させ、同様の方法
で後処理をした。
【0048】比較例4 実施例1において用いたのと同一の反応器に水1400
mlを加え、さらに市販試薬の粉状の第三リン酸カルシ
ウム21g(水100重量部に対して1.5重量部に相
当する量)を加え、その混合液に直径6cmの高剪断型
タービン翼を挿入して、回転数6000rpmで20分
間分散処理をして懸濁剤スラリーを製造した。この懸濁
剤スラリーの平均粒径は2.6μmであった。
【0049】この懸濁剤スラリーを用い、そのほかは実
施例1と同様の方法で懸濁重合させ、同様の方法で後処
理をしてポリスチレンを製造した。
【0050】以上の各実施例及び各比較例における懸濁
重合条件の概要、並びに得られた重合体の重量平均粒
径、分散度及び粒度分布のピーク数は表1に示すとおり
であった。
【0051】
【表1】
【0052】表1の注: *1・・・ a:ピロリン酸ナトリウム b:第三リン酸ナトリウム・12水和物 *2・・・ c:塩化マグネシウム d:塩化カルシウム *3・・・ Aに対するBの理論モル倍数 *4・・・ 水100重量部に対する懸濁剤固形分重量部 *5・・・ Z:市販の粉状第三リン酸カルシウム
【0053】実施例5 界面活性剤として、ラウリルスルホン酸ナトリウムの代
りにラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウムを用い、そ
のほかは実施例1と同様にして重合体を製造した。得ら
れた重合体は平均粒径が7.4μmであり、分散度が
0.56であり、粒度分布のピークは1つであった。
【0054】
【発明の効果】副生粒子が含有されていなく、分散度が
狭く、単一な粒度分布を持つ微細な球状粒子からなる重
合体を効率よく製造でき、その重合体は各種塗料の添加
剤、各種の充填剤等の用途に有利に使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古市 光男 三重県四日市市川尻町1000番地 三菱油化 バーディッシェ株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニル系単量体を重合開始剤、懸濁剤及
    びアニオン系界面活性剤を含む水性媒体中で懸濁重合さ
    せる方法において、前記の懸濁剤として、リン酸アルカ
    リ金属塩及び縮合ポリリン酸アルカリ金属塩から選ばれ
    た少なくとも1種のアルカリ金属塩(A)と、カルシウ
    ムの水溶性塩及びマグネシウムの水溶性塩から選ばれた
    少なくとも1種の水溶性塩(B)とを、B/Aモル比が
    1.05〜3.0の範囲内で反応させて得られた反応生
    成物であって、かつ重量平均粒径が3μm以下の同反応
    生成物の水スラリーを用いることを特徴とする懸濁重合
    法。
  2. 【請求項2】 懸濁剤が、アルカリ金属塩(A)と水溶
    性塩(B)とを水媒体中で反応させた反応生成物であっ
    て、かつその反応生成後に乾燥されたことのない反応生
    成物の水スラリーである請求項1に記載の懸濁重合法。
JP34682693A 1993-12-27 1993-12-27 懸濁重合法 Pending JPH07188310A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006089679A (ja) * 2004-09-27 2006-04-06 Sekisui Plastics Co Ltd 架橋重合体粒子の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006089679A (ja) * 2004-09-27 2006-04-06 Sekisui Plastics Co Ltd 架橋重合体粒子の製造方法

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