JPH07188064A - 有機酸アミン塩の製造方法 - Google Patents

有機酸アミン塩の製造方法

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JPH07188064A
JPH07188064A JP33720993A JP33720993A JPH07188064A JP H07188064 A JPH07188064 A JP H07188064A JP 33720993 A JP33720993 A JP 33720993A JP 33720993 A JP33720993 A JP 33720993A JP H07188064 A JPH07188064 A JP H07188064A
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JP
Japan
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organic acid
group
amine salt
ion exchange
solvent
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JP33720993A
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English (en)
Inventor
Susumu Yoshikawa
将 吉川
Tetsuo Kojima
哲郎 小島
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 酸性条件下での有機酸の分解といった問題が
なくイオン交換反応が穏やかに進行し、簡便かつ効率的
にしかも汎用性のある有機酸アミン塩を製造することが
できる方法を提供すること。 【構成】 有機酸アルカリ金属塩及び/または有機酸ア
ルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも一つの有機酸
金属塩と無機酸アミン塩を用いて有機酸アミン塩をイオ
ン交換反応で製造する方法において、溶媒極性パラメー
ターET が35〜60(Kcal/mol 25 ℃)の溶媒中で該
イオン交換反応を行うことを特徴とする有機酸アミン塩
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イオン交換法を用いた
簡便かつ効率的で汎用性のある有機酸アミン塩の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、有機酸アルカリ金属塩および/又
はアルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも一つをイ
オン交換法によって有機酸のアミン塩を製造する方法と
しては、水溶媒もしくはアルコール溶媒中で酸処理され
た酸性イオン交換樹脂によって有機酸の対カチオンであ
るアルカリ金属イオンおよび/またはアルカリ土類金属
イオンのすべてを除去した後アミンもしくはアミン溶液
を添加して有機酸アミン塩を製造する方法、又は強酸性
イオン交換樹脂のアミン塩との混合によって直接イオン
交換を行い有機酸のアミン塩を製造する方法が一般的に
知られている。しかし、酸性条件下で分解したり加熱濃
縮に耐えない不安定な有機酸(例えばチオスルホン酸
(R−SO2 SH)、スルフィン酸(R−SO2 H))
等には上記のような従来の一般的なイオン交換法は使用
できないといった問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、酸性条件下
での有機酸の分解といった問題がなくイオン交換反応が
穏やかに進行し、簡便かつ効率的にしかも汎用性のある
有機酸アミン塩を製造することができる方法を提供する
ことを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、酸性イオン交
換樹脂の代わりに無機酸アミン塩を用い、かつ特定の溶
媒中でイオン交換反応を行うと容易に有機酸アミン塩を
製造することが可能であるとの知見に基づいてなされた
のである。すなわち、本発明は、有機酸アルカリ金属塩
及び/または有機酸アルカリ土類金属塩から選ばれる少
なくとも一つの有機酸金属塩と無機酸アミン塩を用いて
有機酸アミン塩をイオン交換反応で製造する方法におい
て、溶媒極性パラメーターET が35〜60(Kcal/mol
25 ℃)の溶媒中で該イオン交換反応を行うことを特徴
とする有機酸アミン塩の製造方法を提供する。本発明で
用いられる有機酸アルカリ金属塩及び/またはアルカリ
土類金属塩としては特に限定はなく、脂肪族炭化水素
基、アリール基または複素環基を有してもよく、また無
機酸アミンとしても特に限定はなく、好ましくは強酸
(例えば硫酸、塩酸、硝酸等)のアミン塩である。
【0005】本発明で用いられる有機酸アルカリ金属塩
及び/またはアルカリ土類金属塩、無機酸アミン塩とし
て、より好ましくは以下の一般式(1)及び(2)が用
いられる。 一般式(1) (R−Y- m ・Mm+ 一般式(2) (L(3-n)+n ・SO4 2- (式中、Rは脂肪族炭化水素基、アリール基または複素
環基を表し、Yは−SO 2 S,−SO3 ,−SO2 ,−
SSO3 ,−COSまたは−COOを表し、Mはアルカ
リ金属またはアルカリ土類金属を表し、mは1または2
を表す。また、Lは四級アンモニウム基、グアニジウム
基または複素環四級塩基を表し、nは1または2を表
す。)一般式(1)中、Rで表される脂肪族炭化水素基
として好ましくは炭素数1〜30のものであって、特に
1〜20の直鎖、分岐または環状のアルキル基(例え
ば、メチル、エチル、iso-プロピル、n−プロピル、t
−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシ
ル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル
等)、アルケニル基(例えば、アリル、2−ブテニル、
3−ペンテニル等)、アルキニル基(例えば、ピロパギ
ル、3−ペンチニル等)、アラルキル基(例えば、ベン
ジル等)等が挙げられる。
【0006】一般式(1)中、Rで表されるアリール基
として好ましくは6〜20の単環または縮環のアリール
基であり、フェニル、ナフチル等が挙げられる。一般式
(1)中、Rで表される複素環基としては、窒素原子、
酸素原子及び硫黄原子の少なくとも一つを含む3〜10
員環の飽和もしくは不飽和の複素環基である。これらは
単環状であってもよいし、さらに他の芳香環と縮合環を
形成してもよい。複素環基として好ましくは5〜6員環
の芳香族複素環基であり、例えばピリジル基、ピラゾリ
ル基、イソキノリニル基、チアゾリル基、チエニル基、
フリル基、ベンゾチアゾリル基等が挙げられる。
【0007】尚、一般式(1)中の脂肪族炭化水素部
位、アリール部位、複素環部位には、置換基として、例
えば、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭
素原子等)、アルキル基(例えばメチル、エチル、is
o−プロピル、n−プロピル、t−ブチル、n−オクチ
ル、シクロペンチル、シクロヘキシル等)、アルケニル
基(例えばアリル、2−ブテニル、3−ペンテニル
等)、アルキニル基(例えばプロパギル、3−ペンチニ
ル等)、アラルキル基(例えばベンジル、フェネチル
等)、アリール基(例えばフェニル、ナフチル、4−メ
チルフェニル等)、ヘテロ環基(例えばピリジル、フリ
ル、イミダゾリル、ピペリジル、モルホリル等)、アル
コキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ等)、
アリールオキシ基(例えばフェノキシ、2−ナフチルオ
キシ等)、アミノ基(例えば無置換アミノ、ジメチルア
ミノ、エチルアミノ、アニリノ等)、アシルアミノ基
(例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等)、ウレ
イド基(例えば無置換ウレイド、N−メチルウレイド、
N−フェニルウレイド等)、ウレタン基(例えばメトキ
シカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ
等)、スルフォニルアミノ基(例えばメチルスルフォニ
ルアミノ、フェニルスルフォニルアミノ等)、スルファ
モイル基(例えば無置換スルファモイル基、N,N−ジ
メチルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル
等)、カルバモイル基(例えば無置換カルバモイル、
N,N−ジエチルカルバモイル、N−フェニルカルバモ
イル等)、スルホニル基(例えばメシル、トシル等)、
スルフィニル基(例えばメチルスルフィニル、フェニル
スルフィニル等)、アルキルオキシカルボニル基(例え
ばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル等)、アリ
ールオキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル
等)、アシル基(例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミ
ル、ピバロイル等)、アシルオキシ基(例えばアセトキ
シ、ベンゾイルオキシ等)、リン酸アミド基(例えば
N,N−ジエチルリン酸アミド等)、アルキルチオ基
(例えばメチルチオ、エチルチオ等)、アリールチオ基
(例えば、フェニルチオ等)、シアノ基、スルホ基、チ
オスルホン酸基、スルフィン酸基、カルボキシ基、ヒド
ロキシ基、メルカプト基、ホスホノ基、ニトロ基、スル
フィノ基、アンモニオ基、(例えばトリメチルアンモニ
オ等)ホスホニオ基、ヒドラジノ基等が挙げられる。ま
た置換基が二つ以上あるときは同じでも異なっていても
よい。
【0008】一般式(1)中、Yは−SO2 S,−SO
3 ,−SO2 ,−SSO3 ,−COSまたは−COOを
表す。一般式(1)中、Mで表されるアルカリ金属イオ
ン及び/またはアルカリ土類金属としては、例えば、ナ
トリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、セ
シウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン
等が挙げられる。
【0009】一般式(2)中、Lで表されるアミノカチ
オンは四級アンモニウム基(例えば、無置換アンモニウ
ム、メチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、テ
トラメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、ジ
メチルベンジルアンモニウム等)、グアニジウム基(例
えば無置換グアニジウム基、メチルグアニジウム基)ま
たは複素環四級アミン塩基(例えばピリジニウム基、N
−メチルピリジニウム基)等が挙げられる。本反応で使
用する一般式(1)及び一般式(2)についてより好ま
しくは、Rは脂肪族炭化水素基またはアリール基を表
し、Yは−SO2 S,−SO3 ,−SO2 または−CO
Oを表し、Mはアルカリ金属及び/またはアルカリ土類
金属を表し、mは1または2を表す。また一般式(2)
中、Lは四級アンモニウム基またはグアニジウム基を表
し、nは2を表す。
【0010】本反応で使用する一般式(1)及び一般式
(2)について、さらに好ましくは一般式(1)中、R
は炭素数1〜12のアルキル基または炭素数6〜12の
アリール基を表し、Yは−SO2 S,−SO3 ,または
−SO2 を表し、Mはアルカリ金属を表し、mは1を表
す。また一般式(2)中、Lは四級アンモニウム基また
はグアニジウム基を表し、nは2を表す。本反応で使用
する一般式(1)及び一般式(2)について、さらによ
り好ましくは一般式(1)中、Rは炭素数1〜6のアル
キル基を表し、Yは−SO2 Sを表し、Mはナトリウム
イオンまたはカリウムイオンを表し、mは1を表す。ま
た一般式(2)中、Lは無置換アンモニウム基を表し、
nは2を表す。本発明の製造方法は、上記種々の化合物
を用いて行うことができるが、低分子量の有機酸金属塩
と低分子量の無機酸アミン塩を用いるのが好ましく、こ
れらを上記特定の溶媒中で不均一反応させる。ここで、
低分子量とは、イオン交換樹脂のようにポリマーではな
くて、例えば分子量が1000以下、より好ましくは5
00以下の化合物を意味する。
【0011】本反応で使用する溶媒は、溶媒極性パラメ
ーターET (Kcal/mol 25 ℃)が35〜60ものであ
る。ここで、溶媒極性パラメーターET は、化学便覧
基礎編1 4. 5溶媒の性質 561頁〜567頁の記
載に基づいて容易に選択することができる。この溶媒極
性パラメーターET は、K. Dimarth, C. Reichardt, et
al., Liebig Ann., 661, I(1963); ibid., 669, 95 (19
63); Z. Anal. Chem.,215, 344 (1966) の文献に記載の
方法により容易に計算することができる。本発明で使用
できる溶媒極性パラメーターET (Kcal/mol 25 ℃)が
35〜60の溶媒として、具体的には、メタノール、エ
タノール、2−プロパノール、1- プロパノール等)、
ケトン類(例えばアセトン、2−ブタノン等)、エーテ
ル類(例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン
等)、塩化アルカン類(例えば塩化メチレン、クロロホ
ルム等)、アセトニトリル、酢酸エチル、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルアセトアミド等が挙げられる。本発
明において、溶媒極性パラメーターET が35を下まわ
る溶媒を使用すると、イオン交換反応が遅くなるので好
ましくなく、一方60を越えると生成物の分離が困難と
なるので好ましくない。尚、本発明では、溶媒極性パラ
メーターET (Kcal/mol 25 ℃)が35〜60の範囲内
にあり、かつ有機酸アルカリ金属塩及び/または有機酸
アルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも一つの有機
酸金属塩と無機酸アミン塩のいづれか片方を溶解できる
溶媒を使用するのが特に好ましい。
【0012】本反応で使用されるより好ましい溶媒とし
ては溶媒極性パラメーターET が47〜56であるアル
コール類(例えば、メタノール、エタノール、2- プロ
パノール、1- プロパノールなどの炭素数1〜3のアル
コール)が挙げられる。さらに好ましい溶媒としては溶
媒極性パラメーターET が51〜56であるアルコール
類(例えばメタノール、エタノール)が挙げられる。一
般式(1)中、Rは炭素数1〜6のアルキル基を表し、
Yは−SO2 Sを表し、Mはアルカリ金属を表し、mは
1を表し、一般式(2)中、Lは無置換アンモニウム基
を表し、nは1を表すときに本反応で使用される溶媒と
しては、溶媒極性パラメーターET が51〜56である
アルコール類(例えばメタノール、エタノール)が好ま
しい。
【0013】本発明の製造方法の詳細を以下に説明す
る。本反応は有機酸のアルカリ金属塩及び/またはアル
カリ土類金属塩を上記溶媒に溶解した後、無機酸(例え
ば硫酸、塩酸、硝酸)のアミン塩(例えばアンモニウ
ム、トリエチルアンモニウム、トリメチルアンモニウ
ム、グアニジウム、ピリジニウム)を添加する。その添
加量の下限は有機酸のアルカリ金属塩及び/またはアル
カリ土類金属塩の1当量であり、上限の制限はないが好
ましくは上限は30当量である。また、より好ましい添
加量は5〜20当量である。このイオン交換反応は無攪
拌でも進行するが、攪拌をともなったほうが好ましい。
またイオン交換反応が進行する温度は、好ましくは下限
が20℃で、上限は使用する反応溶媒の沸点であるが、
より好ましくは下限が25℃で上限が60℃であり、さ
らに好ましくは下限が30℃で上限が50℃である。
又、イオン交換反応は、通常1〜10時間程度で終了す
る。
【0014】使用する反応溶媒に生成する有機酸のアミ
ン塩は易溶であり、無機酸のアルカリ金属塩及び/また
はアルカリ土類金属塩は難溶であるときは、反応終了後
濾過を行うことにより簡便に有機酸アミン塩の溶液が得
られる。濾過温度は下限が5℃で上限が60℃であり、
好ましくは下限が20℃で上限が40℃である。有機酸
アミン塩の溶液から有機酸アミン塩を結晶として単離す
る方法は、熱に安定な有機酸アミン塩であれば溶媒の濃
縮乾固による方法、熱に不安定な有機酸アミン塩であれ
ば貧溶媒の添加により結晶を析出させた後濾別する方法
が好ましい。アルコール類を反応溶媒としたときの貧溶
媒には酢酸エチル、塩化メチレン、クロロホルム等が好
ましく、より好ましいのは酢酸エチルである。貧溶媒の
添加により結晶を析出させる方法ではその温度は5℃か
ら25℃が好ましく、より好ましくは10℃から15℃
である。又、濾過温度も5〜25℃が好ましい。次に本
発明の方法により合成できる有機酸アミン塩についての
具体例を以下に示す。
【0015】
【化1】
【0016】
【化2】
【0017】
【化3】
【0018】
【化4】
【0019】
【化5】
【0020】
【化6】
【0021】
【化7】
【0022】
【化8】
【0023】
【化9】
【0024】
【化10】
【0025】上記有機アミン塩は、上記有機酸の金属塩
(例えば、化合物1〜9及び58はナトリウム塩又はカ
リウム塩、化合物14、15、17、20、21、2
3、35、45、47、50、52、54及び63はナ
トリウム塩、化合物25〜28、32、33、43は、
ナトリウム塩又はカルシウム塩、化合物56はナトリウ
ム塩、カリウム塩又はマグネシウム塩、化合物66はカ
リウム塩)と上記アミンの無機酸との塩(例えば、化合
物1、5及び8は硫酸アンモニウム塩、塩化アンモニウ
ム又は硝酸アンモニウム、化合物2、6、9、27及び
28は硫酸グアニジウム、化合物3及び7は、テトラメ
チルアンモニウム硫酸塩、化合物4はトリエチルアンモ
ニウム塩酸塩又はトリエチルアンモニウム硫酸塩、化合
物14及び15は、硫酸アンモニウム又は塩化アンモニ
ウム、化合物17、20、21、23、25、26、3
5、43、45、47、50、52、54、56、5
8、63及び66は硫酸アンモニウム、化合物32及び
33は、ピリジン塩酸塩又はピリジン硫酸塩)を本発明
の方法に従ってイオン交換することにより製造すること
ができる。
【0026】上述したように、本発明の方法により、酸
性条件下で分解したり、又加熱濃縮に耐えない不安定な
有機酸(例えは、チオスルホン酸やスルフィン酸など)
のイオン交換反応を、従来の強酸性イオン交換樹脂を使
用しなくとも、硫酸アミン塩等を用いることによって温
和な条件でかつ簡便に行うことができる。又、イオン交
換樹脂を用いる方法は、水溶媒で行うのが一般的である
が、硫酸アミン等の無機塩を完全に溶解してしまう水は
反応溶媒として使用することができないが、本発明にお
いて、溶媒極性パラメーターET が35〜60(Kcal/m
ol 25 ℃)の溶媒を用いると効果的にイオン交換反応を
行うことができる。これは、水溶性の有機アミン塩の製
造をより簡便にするのに非常に有効である。つまり、特
定の溶媒を使用しているため硫酸アミン塩等が溶媒和に
より一部溶解しているものと推定される。
【0027】
【発明の効果】本発明により酸性条件下での有機酸の分
解といった問題がなく、イオン交換が穏やかに進行し、
簡便かつ効率的にしかも汎用性のある有機酸アミン塩の
製造方法を提供できる。本発明の方法により製造される
化合物は、例えば写真用の処理剤等に利用できる。次に
実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発
明はこれらに限定されるものではない。
【0028】
【実施例】
実施例1 溶媒極性パラメーターET (Kcal/mol 25 ℃)が35〜
60の範囲にあるメタノールと、範囲外のトルエン溶媒
を用いて、それぞれ同じ条件で本発明のイオン交換反応
を行った。本実験には有機酸アルカリ金属塩としてメタ
ンチオスルホン酸ナトリウムを、また、無機酸アミン塩
として硫酸アンモニウムを使用した。 このメタンチオ
スルホン酸ナトリウムはメタンスルホニルクロライドと
硫化ナトリウムにより容易に合成される。(ジャーナル
・オブ・アナリティカル・ケミストリー(J.Anal.Chem.U
SSR),20巻,1701(1950)参考) また、メ
タンチオスルホン酸ナトリウムに対する硫酸アンモニウ
ムの添加量は10当量で行ない、反応時間は6時間、反
応温度は40℃で行なった。結果を表1に示す。
【0029】
【表1】 ──────────────────────────────────── 溶媒 溶媒極性パラメーター イオン交換率(%)T (Kcal/mol 25 ℃) (イオンクロマトグラフィーで測定) メタノール 55.5 96.0 トルエン 33.9 〜0 表1の結果から、溶媒極性パラメーターET (Kcal/mol
25 ℃)が35〜60の範囲にあるメタノールを反応溶
媒に用いると効率良くイオン交換が進行するのに対し、
範囲外のトルエンを用いると交換がほとんど進行しない
ことがわかる。
【0030】実施例2 無機酸塩の添加量による本イオン交換反応のカチオン交
換率を求めるため、添加量以外の条件をすべて同じにし
て実験を行なった。本実験には有機酸アルカリ金属塩と
してメタンチオスルホン酸ナトリウムを、無機酸アミン
塩として硫酸アンモニウムを使用した。さらに反応溶媒
はメタノールを使用し、反応時間は6時間、反応温度は
40℃で行った。結果を表2に示す。
【0031】
【表2】 ─────────────────────────────── 有機酸塩に対する 6時間後のイオン交換率(%) 無機酸塩の添加量 (イオンクロマトグラフィーにより測定) (当量) 1 18 2 32 3 55 5 78 10 96 20 98 表2の結果から本反応に使用する無機酸のアミン塩の添
加量が多いほど、イオン交換が効率良く進行することが
わかる。
【0032】実施例3 反応温度による本イオン交換反応のカチオン交換率を求
めるため、反応温度以外の条件をすべて同じにして実験
を行なった。本実験には有機酸アルカリ金属塩としてメ
タンチオスルホン酸ナトリウムを、無機酸アミン塩とし
て硫酸アンモニウムを使用した。また、反応溶媒はメタ
ノールを使用し、メタンチオスルホン酸ナトリウムに対
する硫酸アンモニウムの添加量は10当量で行ない、反
応時間は6時間で行なった。結果を表3に示す。
【0033】
【表3】 ─────────────────────────────── 反応温度 6時間後のイオン交換率(%) (℃) (イオンクロマトグラフィーにより測定) 25 71 30 85 40 96 50 97 60 98 表3の結果から本イオン交換反応は高温の方が効率良く
進行することが明らかである。
【0034】実施例4 化合物1の合成 メタンスルホニルクロライドと硫化ナトリウムから容易
に合成できるメタンチオスルホン酸ナトリウム(134
g、1mol)をメタノール(1L)に溶解し、10当
量の硫酸アンモニウム(660g、5mol)を添加し
たのち40℃で5時間攪拌した。次いで反応液を25℃
まで冷却した後メタノールに難溶な硫酸ナトリウムと過
剰に添加した硫酸アンモニウムを濾過して除去した。濾
液に10℃まで冷却した後酢酸エチル(3L)を添加し
析出した結晶を濾過することによりメタンチオスルホン
酸アンモニウム目的化合物1(100g、0.78mo
l)を得た。収率78%。また、化合物1のカチオンの
純度はイオンクロマトグラフィーにより99%であっ
た。
【0035】実施例5 化合物2の合成 メタンスルホニルクロライドと硫化ナトリウムから容易
に合成できるメタンチオスルホン酸ナトリウム(134
g、1mol)をメタノール(1L)に溶解し、10当
量の硫酸グアニジウム(1.1Kg、5mol)を添加し
たのち40℃で6時間攪拌した。次いで反応液を25℃
まで冷却した後メタノールに難溶な硫酸ナトリウムと過
剰に添加した硫酸グアニジウムを濾過して除去した。濾
液に10℃まで冷却した後酢酸エチル(3L)を添加し
析出した結晶を濾過することによりメタンチオスルホン
酸グアニジウム目的化合物2(139g、0.81mo
l)を得た。収率81%。また、化合物2のカチオンの
純度はイオンクロマトグラフィーにより98%であっ
た。
【0036】実施例6 化合物43の合成 容易に入手可能なメタンスルホン酸ナトリウム(118
g、1mol)をメタノール(1L)に溶解し、10当
量の硫酸アンモニウム(660g、5mol)を添加し
たのち40℃で6時間攪拌した。次いで反応液を25℃
まで冷却した後メタノールに難溶な硫酸ナトリウムと過
剰に添加した硫酸アンモニウムを濾過して除去した。濾
液に10℃まで冷却した後酢酸エチル(3L)を添加し
析出した結晶を濾過することによりメタンスルホン酸ア
ンモニウム目的化合物42(86g、0.76mol)を
得た。収率76%。また、化合物43のカチオンの純度
はイオンクロマトグラフィーにより98%であった。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年5月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】本発明で用いられる有機酸アルカリ金属塩
及び/またはアルカリ土類金属塩、無機酸アミン塩とし
て、より好ましくは以下の一般式(1)及び(2)が用
いられる。 一般式(1) (R−Y・Mm+ 一般式(2) (L(3−n)+・SO 2− (式中、Rは脂肪族炭化水素基、アリール基または複素
環基を表し、Yは−SOS,−SO,−SO,−
SSO,−COSまたは一COOを表し、Mはアルカ
リ金属またはアルカリ土類金属を表し、mは1または2
を表す。また、Lは四級アンモニウム基、グアニジウム
基または複素環四級塩基を表し、nは1または2を表
す。)一般式(1)中、Rで表される脂肪族炭化水素基
として好ましくは炭素数1〜30のものであって、特に
1〜20の直鎖、分岐または環状のアルキル基(例え
ば、メチル、エチル、iso−プロピル、n−プロピ
ル、t−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキ
サデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘ
キシル等)、アルケニル基(例えば、アリル、2−ブテ
ニル、3−ペンテニル等)、アルキニル基(例えば、
ロパギル、3−ペンチニル等)、アラルキル基(例え
ば、ペンジル等)等が挙げられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 65/03 303/32 309/04 7419−4H 309/06 7419−4H 309/29 7419−4H 309/30 7419−4H 309/35 7419−4H 313/04 7419−4H 327/06 7106−4H 381/02 7106−4H 381/04 7106−4H

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機酸アルカリ金属塩及び/または有機
    酸アルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも一つの有
    機酸金属塩と無機酸アミン塩を用いて有機酸アミン塩を
    イオン交換反応で製造する方法において、溶媒極性パラ
    メーターETが35〜60(Kcal/mol 25 ℃)の溶媒中
    で該イオン交換反応を行うことを特徴とする有機酸アミ
    ン塩の製造方法。
  2. 【請求項2】 有機酸アルカリ金属塩及び/または有機
    酸アルカリ土類金属塩が下記一般式(1)で表される化
    合物であり、無機酸のアミン塩が下記一般式(2)で表
    される化合物であることを特徴とする請求項1記載の製
    造方法。 一般式(1) (R−Y- m ・Mm+ 一般式(2) (L(3-n)+n ・SO4 2- (式中、Rは脂肪族炭化水素、アリール基または複素環
    基を表し、Yは−SO2S,−SO3 ,−SO2 ,−S
    SO3 ,−COSまたは−COOを表し、Mはアルカリ
    金属またはアルカリ土類金属を表し、mは1または2を
    表す。Lは四級アンモニウム基、グアニジウム基または
    複素環四級塩基を表し、nは1または2を表す。)
  3. 【請求項3】 イオン交換に使用する有機溶媒がアルコ
    ール類であることを特徴とする請求項1記載の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 一般式(1)におけるR−YHがH2
    4 よりも弱酸であり、一般式(2)におけるL(O
    H)(3-n) がM(OH)m よりも弱塩基であることを特
    徴とする特許請求の範囲第2項記載の製造方法。
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