JPH07187827A - 耐酸化処理した非酸化物系溶射材とそれを混合した溶射材混合物 - Google Patents

耐酸化処理した非酸化物系溶射材とそれを混合した溶射材混合物

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JPH07187827A
JPH07187827A JP5333469A JP33346993A JPH07187827A JP H07187827 A JPH07187827 A JP H07187827A JP 5333469 A JP5333469 A JP 5333469A JP 33346993 A JP33346993 A JP 33346993A JP H07187827 A JPH07187827 A JP H07187827A
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nonoxide
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秀行 津田
Masataka Matsuo
正孝 松尾
Kazuo Maeda
一夫 前田
Tsuneo Kayama
恒夫 加山
Taizo Tamehiro
泰造 為廣
Kazuo Takahashi
和男 高橋
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Harima Ceramic Co Ltd
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Harima Ceramic Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 原料粉末の酸化を抑制することによってより
耐食性,耐熱衝撃性に優れる溶射材を提供すること。 【構成】 粒度が10mm以下のカーボン、炭化物、窒
化物、酸窒化珪素、サイアロン、硼化物から選択した1
種以上の粒子表面に、これらの粒子よりも粒度の小さな
耐火材、金属、合金の1種以上をバインダを介して被覆
した溶射材用粉末を含有したものとして耐酸化処理した
非酸化物系溶射材を得る。また、溶射材用粉末を合計で
5〜80重量%と、残部が耐火材から構成したものとす
ることもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、製鋼容器や溶融金属の
精錬用容器等の工業窯炉、及び焼却炉等の耐火ライニン
グの形成や補修に使用する溶射材に関する。
【0002】
【従来の技術】工業窯炉のライニングの形成や補修に際
して、耐火粉末を高温の火炎中で飛行させて溶融吹き付
けする、いわゆる溶射法が従来から広く利用されてい
る。
【0003】この溶射法に用いる溶射材料として、たと
えば、特公昭58−48510号公報には、従来のAl
2 3 −SiO2 系の吹き付け補修材が一般に熱衝撃性
に劣るため補修面に亀裂や脱落の発生があることに鑑
み、炉内を冷却することなく補修できると共に非常に緻
密で耐食性,耐熱衝撃性に優れた補修を可能とした、ア
ルミナ等の酸化物系原料粉末が20〜70重量%,炭化
珪素又は窒化珪素が10〜50重量%、及びコークス粉
末20〜40重量%の混合物からなる溶射材が開示され
ている。
【0004】このような組成によって、コークス燃焼用
の酸素の一部が炭化珪素又は窒化珪素の表面を酸化させ
て強固な酸化組織が形成され、耐食性及び耐熱性に優れ
た溶射補修体が得られるとされている。
【0005】炭化珪素又は窒化珪素の添加は、低熱膨張
性のほかに高硬度及び高耐摩耗性を向上させ、また、窒
化物珪素の添加も同様に、低熱膨張性のほかに高硬度及
び高耐摩耗性を向上させる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、先の公報に
記載の溶射材では、原料粉末の粒度は0.1mm以下の
粒子が90%以下とすることが好ましいとされており、
このような粒度・粒子の関係であれば、粒子の一部又は
全てが溶射の熱を受けた段階で全てが酸化されやすい。
【0007】また、先の公報に記載の炭化珪素や窒化珪
素の非酸化物を添加するとその一部がアルミナと反応し
てサイアロン(Si3 4 −Al2 3 系の固溶体)を
形成し、一部が窒化珪素結合を形成して強固な結合が得
られ、これによって耐食性及び耐熱衝撃性が向上すると
されているが、先の粒度・粒子の関係であるとき、添加
した炭化珪素や窒化珪素がアルミナと反応する前に酸化
されてしまい、強固な組織の生成が阻害されてしまうと
いう問題がある。
【0008】このように、従来の非酸化物を添加した溶
射材においては、耐食性及び耐熱性を向上させるために
添加した炭化珪素又は窒化珪素等の非酸化物が、溶射の
熱を受けた段階において酸化し、これによって、炭化珪
素又は窒化珪素の添加効果が充分に得られないという問
題がある。
【0009】本発明において解決すべき課題は、原料粉
末の酸化を抑制することによってより耐食性,耐熱衝撃
性に優れる溶射材を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の耐酸化処理した
非酸化物系溶射材は、粒度が10mm以下のカーボン、
炭化物、窒化物、酸窒化珪素、サイアロン、硼化物から
選択した1種以上の粒子表面に、表面積の50%以上を
天然のり剤、合成のり剤、合成樹脂、石油石炭分留物、
水硬性セメント、珪酸塩、リン酸塩、硫酸塩、硼酸塩、
アルミン酸塩、シリカゾル、アルミナゾル、エチルシリ
ケート、ジルコニアアセテート、有機シリケート化合物
の1種以上の皮覆層を介して、耐火材、金属、合金の1
種以上を被覆したことを特徴とする。
【0011】カーボン等の粒子径は10mm以下である
必要があり、これを越えると搬送中にパイプの中で詰ま
りやすくなって搬送できなくなる恐れがある。
【0012】また、耐火材としては、マグネシア,カル
シア,スラグ,アルミナ,シリカ,クロム鉄鉱等の一般
に使用されている材料{(後述の残部の耐火材料 酸化
物)を含む}を用いることができ、また金属,合金とし
ては、Si,Al,Mg,Fe,Cr,Al−Mg,F
e−Cr,Fe−Si,Ca−Si−Mg等の一般に使
用されている材料を用いることができる。
【0013】さらに、バインダとしては、デキストリ
ン,デンプン,アラビアゴム,糖蜜,カゼイン,アルギ
ン酸塩等の天然のり剤、セルローズ,PVA等の合成の
り剤、フェノール樹脂,エポキシ樹脂,フラン樹脂,ウ
レタン樹脂,ポリプロピレン,クマロン樹脂,キシレン
樹脂等の合成樹脂、ピッチ,アスファルト,アントラセ
ン油等の石油石灰分留物、ポルトランドセメント,アル
ミナセメント,バリウムセメント等の水硬性セメント、
硫酸アルミニウム,硫酸マグネシウム,硫酸ソーダ等の
珪酸塩、リン酸,リン酸ソーダ,リン酸アルミニウム,
リン酸アンモニウム,リン酸マグネシウム,リン酸カル
シウム,リン酸エステル等のリン酸塩、硫酸塩、硼酸,
硼砂,硼酸アンモニウム等の硼酸塩、アルミン酸ソーダ
等のアルミン酸塩、シリカゾル、アルミナゾル、エチル
シリケート、ジルコニアアセテート、有機シリケート化
合物を使用することができる。
【0014】また、粒度が10mm以下のカーボン、炭
化物、窒化物、酸窒化珪素、サイアロン、硼化物から選
択した1種以上の粒子表面に、天然のり剤、合成のり
剤、合成樹脂、石油石灰分留物、水硬性セメント、珪酸
塩、リン酸塩、硫酸塩、硼酸塩、アルミン酸塩、シリカ
ゾル、アルミナゾル、エチルシリケート、ジルコニアア
セテート、有機シリケート化合物の1種以上を被覆した
溶射材用粉末を含有したものとすることもできる。
【0015】被覆する面積は酸化防止する効果を得るた
めに表面積の50%以上が必要であり、50%以下では
非酸化物系の粉末は酸化される度合が大きくなり、非酸
化物の効果を発揮されず好ましくない。
【0016】溶射材粉末が合計で5重量%未満では、非
酸化物による特徴が現れず、また80重量%を越える
と、非酸化物は融点或いは分解温度が高いため溶射材の
溶融性が低くなり、付着性及び施工体の品質が劣化す
る。
【0017】また、炭化物、窒化物、及び硼化物として
は、次表1に記載するものを使用することができる。
【0018】なお、耐酸化処理した非酸化物系溶射材の
使用に当たり、被覆層の材質が異なる溶射材を2種以上
混合して用いることができる。
【0019】これら溶射材粉末を合計で5〜80重量%
と、残部の耐火材料とよりなり、残部の耐火材の例とし
て、塩基性のものとして、マグネシア、カルシア、ドロ
マイト、マグネシアクロム、クロムマグネシア、フォル
ステライト等のマグネシア−シリカ系、スラグ等があ
る。これらの場合、耐食性を必要とする場合に効果があ
り、フォルステライト等はマグネシア等他の塩基耐火材
料程耐食性は強くないが、熱損失を小さくする効果を上
げるのによい。
【0020】また、中性耐火材の例として、アルミナ;
ムライト、カイヤナイト、シリマナイト等のアルミナ−
シリカ系;マグネシアアルミナ等のスピネル系;コージ
ェライト;クロム鉄鉱等がある。これらの場合、耐食性
と耐スポール性を兼ね備える。コージェライトは低膨張
性を付与するものとしてよい。
【0021】さらに、酸性耐火材料の例として、溶融シ
リカ、石英、珪石等のシリカ系;粘土、シャモット、ロ
ー石等のシリカ−アルミナ系;ジルコニア;ジルコン等
がある。珪石は高温耐磨耗性、ジルコニアは耐食性、ジ
ルコンは耐食性、耐スポール性の効果を付与するものと
してよい。
【0022】以上の耐火材料は、操業条件及び被溶射体
を考慮して、1種又は2種以上を使用する。これは、ま
た、塩基性耐火材料,中性耐火材料,酸性耐火材料の1
種又は2種以上とも組合わせて使用することを含めたも
のであり、これによりお互いの特徴を付与或いは欠点を
補うために使用して溶射材とすることができる。
【0023】
【表1】
【0024】
【作用】炭化物、窒化物、酸窒化珪素、サイアロン、硼
化物から選択した1種以上の非酸化物材料の粒子表面に
耐火材、金属、合金の1種以上を被覆することにより、
非酸化物材料は溶射の熱を直接受けないため酸化される
ことはなく、被覆した耐火材が熱を受けて溶融し、残部
の耐火材と結合する。このため、耐火材どうしの結合と
なり強固な結合が得られる。
【0025】また、粒子表面に天然のり剤等を被覆する
ことによっても、非酸化物材料は溶射の熱を直接受けな
いため酸化されることはなく、被覆した天然のり剤等が
熱を受けて溶融し、残部の耐火材と結合する。
【0026】なお、本発明の効果を阻害しない範囲で、
コークス粉,各種金属粉,スラグ粉及びその他の耐火粉
末を適量添加してもよい。
【0027】
【実施例】粒度が10mm以下の非酸化物を85〜95
重量%,被覆材料(耐火材又は金属又は合金)を5〜1
0重量%,バインダを1〜10重量%を配合し、ミキサ
ーで10分間混合し、混合粉体を110℃で2時間乾燥
させた後、10mmの篩いに通した。バインダーとして
は、天然のり剤、合成のり剤、合成樹脂、石油石灰分留
物、水硬性セメント、珪酸塩、リン酸塩、硫酸塩、硼酸
塩、アルミン酸塩、シリカゾル、アルミナゾル、エチル
シリケート、ジルコニアアセテート、有機シリケート化
合物の1種以上を用いて粒子を被覆した。
【0028】また、被覆方法の他の例として、粒度が1
0mm以下の非酸化物を85〜95%,被覆材料(天然
のり剤,合成のり剤,合成樹脂、石油石灰分留物、水硬
性セメント、珪酸塩、リン酸塩、硫酸塩、硼酸塩、アル
ミン酸塩、シリカゾル、アルミナゾル、エチルシリケー
ト、ジルコニアアセテート、有機シリケート化合物の1
種以上を5〜15重量%と配合し、ミキサーで10分間
混合し、混合粉体。お110℃で2時間乾燥させた後、
10mmの篩いに通したものとすることもできる。
【0029】溶射材料の粒度はいずれも10mm以下で
あり、溶射をLPG,灯油等の気体または液体燃料やコ
ークス等の固形燃料を熱源とする火炎法によって行っ
た。そして、溶射材料を搬送するガスは、O2 ,空気,
2 ,CO,CO2 ,Arや工場で発生するたとえば高
炉ガス,コークス炉ガス,熱風炉ガスまたは転炉ガス等
のうちの1種又は2種以上の組合せのものを用いた。
【0030】表2及び表3は、本発明の実施例における
非酸化物と耐火材料の配合とその特性を比較例と共に示
すものである。
【0031】
【表2】
【表3】 これらの表2及び表3から判るように、本発明による溶
射剤は比較例のものに較べて、耐食性及び耐熱衝撃性の
点で良好な結果が得られ、付着率についても高い水準に
安定した値が維持され、耐食性及び耐熱衝撃性の大幅な
改善が可能となった。
【0032】
【発明の効果】本発明では、非酸化物の酸化を防止する
処理を行なうことにより、非酸化物が持つ低膨張性,高
耐食性,高強度及び高耐摩耗性の特徴を十分に発揮さ
せ、耐スポーリング性,耐食性及び熱間強度を大幅に向
上させた溶射施工体の施工が可能となる。
【0033】また、このような改善によって、ライニン
グの形成や補修効果の向上のほか、工業窯炉の稼働率の
向上及び補修工数の低減も可能となり、その経済効果は
大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松尾 正孝 福岡県北九州市八幡西区東浜町1番1号 黒崎窯業株式会社内 (72)発明者 前田 一夫 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 加山 恒夫 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 為廣 泰造 兵庫県高砂市荒井町新浜1丁目3番1号 ハリマセラミック株式会社内 (72)発明者 高橋 和男 兵庫県高砂市荒井町新浜1丁目3番1号 ハリマセラミック株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒度が10mm以下のカーボン、炭化
    物、窒化物、酸窒化珪素、サイアロン、硼化物から選択
    した1種以上の粒子表面に、表面積の50%以上を耐火
    材、金属、合金の1種以上を被覆して耐酸化処理した非
    酸化物系溶射材。
  2. 【請求項2】 粒度が10mm以下のカーボン、炭化
    物、窒化物、酸窒化珪素、サイアロン、硼化物から選択
    した1種以上の粒子表面に、表面積の50%以上を天然
    のり剤、合成のり剤、合成樹脂、石油石炭分留物、水硬
    性セメント、珪酸塩、リン酸塩、硫酸塩、硼酸塩、アル
    ミン酸塩、シリカゾル、アルミナゾル、エチルシリケー
    ト、ジルコニアアセテート、有機シリケート化合物の1
    種以上の皮覆層を介して耐火材、金属、合金の1種以上
    を被覆した耐酸化処理した非酸化物系溶射材。
  3. 【請求項3】 粒度が10mm以下のカーボン、炭化
    物、窒化物、酸窒化珪素、サイアロン、硼化物から選択
    した1種以上の粒子表面に、表面積の50%以上を耐火
    材、金属、合金の1種以上を被覆した耐酸化処理した非
    酸化物系溶射材を5〜80重量%と、残部が耐火材粒子
    からなる溶射材混合物。
  4. 【請求項4】 粒度が10mm以下のカーボン、炭化
    物、窒化物、酸窒化珪素、サイアロン、硼化物から選択
    した1種以上の粒子表面に、表面積の50%以上を天然
    のり剤、合成のり剤、合成樹脂、石油石炭分留物、水硬
    性セメント、珪酸塩、リン酸塩、硫酸塩、硼酸塩、アル
    ミン酸塩、シリカゾル、アルミナゾル、エチルシリケー
    ト、ジルコニアアセテート、有機シリケート化合物の1
    種以上の皮覆層を介して耐火材、金属、合金の1種以上
    を被覆した耐酸化処理した非酸化物系溶射材5〜80重
    量%と、残部が耐火材粒子からなる溶射材混合物。
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