JPH07187728A - 合わせガラス用中間膜 - Google Patents

合わせガラス用中間膜

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Publication number
JPH07187728A
JPH07187728A JP9481894A JP9481894A JPH07187728A JP H07187728 A JPH07187728 A JP H07187728A JP 9481894 A JP9481894 A JP 9481894A JP 9481894 A JP9481894 A JP 9481894A JP H07187728 A JPH07187728 A JP H07187728A
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emboss
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coarse
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JP9481894A
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Takanori Sonaka
孝徳 岨中
Masatoshi Murashima
正敏 村島
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 中間膜を2枚のガラスに挿入する際の作業性
に優れた合わせガラス用中間膜。 【構成】 片面にエンボスを有する合わせガラス用中間
膜10に於いて、粗さ、ピッチ共に実質的に均一な粗大
エンボス13、粗さ、ピッチ共に不定の微細エンボス1
1、及び粗さ、ピッチ共に実質的に均一である中エンボ
ス12とからなる。微細エンボス11の粗さRz1、ピッ
チP1、中エンボス12の粗さRz2、ピッチP2及び粗大
エンボス13の粗さRz3、ピッチP3が、Rz1=8〜1
3μm、P1=5〜10μm、Rz2=20〜50μm、
2=200〜600μm、Rz3=Rz2×(1.1〜
2.0)、P3≧P2である。また、粗大エンボス13の
高さH、粗大エンボス13の頂点13aを通る縦断面の
底辺L、前記縦断面のH/2の高さでの幅L1、前記縦
断面の3H/4の高さでの幅L2とした時、L、L1及び
2がL/5<L1<L/2及びL/10<L2<L/
5。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合わせガラス用中間膜
に関する。さらに詳しくは、自動車、航空機等の各種輸
送機関や建造物の窓等に広く用いられる合わせガラスの
ための中間膜に関する。
【0002】
【従来の技術】合わせガラスは、2枚の板ガラスの間に
中間膜が挿入された積層体からなる積層ガラスで、強度
が大きく破損しにくいという優れた特徴を有し、破損し
た場合でも破片が飛散しない安全なガラス材である。こ
のため、自動車や航空機等の輸送用機器や建築物の窓ガ
ラスとして広く使用されている。
【0003】この合わせガラスを製造する場合は、接着
性の熱可塑性樹脂からなる中間膜を2枚のガラス板の間
に挿入し、得られた積層体を予備圧着して各層間に残存
する空気を排除(脱気)した後、本圧着して積層体を完
全に密着させる。
【0004】上記合わせガラスに用いられる中間膜は、
保管時に中間膜同士のブロッキングが生じないこと、ガ
ラスと中間膜とを重ね合わせる際の作業性が良好である
ことに加えて、予備圧着工程に於ける脱気性が良好であ
ることが要求される。特に予備圧着時に於ける脱気性は
合わせガラスの品質を左右し、脱気が不十分であると得
られた合わせガラスの透明性が悪くなったり、促進試験
を行うと気泡が生じたりすることがある。
【0005】上記のような脱気性を含む中間膜の綜合性
能は、素材である熱可塑性樹脂の種類や粘弾性等の物性
によって左右されるが、これらの物性を固定して考える
と、中間膜の表面形状がその綜合性能を決定する大きな
要因となる。
【0006】特に、エンボスと呼ばれる多数の微細な凹
凸を中間膜の表面に形成すると効果があることが知ら
れ、エンボスが表面に形成された中間膜が従来より使用
されている。そのエンボスの形態としては、例えばラン
ダムな大きさや形状を有する凹凸を形成したものや、格
子状の多数の条溝を形成したもの等がある。
【0007】この様なエンボスが表面に形成された従来
の中間膜は、膜同士のブロッキング防止やガラス板と中
間膜とを重ね合わせる際の作業性改善に関しては効果が
認められる。また、予備圧着工程での脱気性に関して
も、ある程度の効果が認められる。
【0008】しかし、近年においては、例えば大きな曲
率半径を持つ3次元曲面等の難形状合わせガラスの需要
増大によるガラスペア差の拡大や生産性向上に伴う合わ
せ工程の線速アップ等により、従来の中間膜では脱気性
が必ずしも満足できるものとは言えなくなってきた。そ
の為、脱気性が不十分であることによってガラス板と中
間膜との間に気泡が残ったり、接着性(シール性)が不
十分な為、完全に透明な合わせガラスが得られなかった
り、促進試験後に発泡が発生する等の欠点を有してい
た。
【0009】このような合わせガラス用中間膜の脱気性
改善に関しては、これまで以下に示す先行技術が提案さ
れている。例えば特公平1−32776号公報には、シ
ートの片面もしくは両面に多数の独立した突起が形成さ
れ、隣接する突起の間に形成された各凹部の底辺が全て
同一水準で、しかも互いの凹部が連続するように形成さ
れている中間膜が開示されている。また、特開昭60−
204643号公報には、少なくとも片面に設けられた
多数の粗大な凹凸の表面にさらに微細な凹凸が形成され
ている中間膜が開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
従来の中間膜は、いずれも脱気性、中間膜同士のブロッ
キング性、2枚のガラスに中間膜を挿入する際の作業性
等を同時に満足するものではなかった。すなわち、従来
は粗さが中程度の中エンボスのみ或いは中エンボス及び
それよりも粗さの小さい微細エンボスを形成することに
よって総合的な性能を発揮するようにしていたが、中間
膜同士のブロッキングについてはある程度の効果が得ら
れるものの、エンボスの潰れ易さが適度でないことによ
って脱気性や作業性に問題を生じていた。
【0011】例えばエンボスのピッチが広すぎると、貼
り合わせ予備プレス工程にてエンボスが潰れすぎ、シー
ル先行やエアー溜まりが発生する。逆にエンボスのピッ
チが狭すぎると、エンボスが潰れにくくなりすぎ、脱気
不良(シール不良、エアー残り)が生じたり、中間膜を
2枚のガラスに挿入した時にガラスと中間膜の接触面積
が大きくなって中間膜のガラスに対する滑り抵抗が大き
くなり、位置合わせ作業が困難となる。
【0012】また、粗大エンボスと微細エンボスの粗さ
やピッチの調整により中間膜同士のブロッキング性と脱
気性を向上させると、ガラスと膜の滑り抵抗が大きく位
置合わせがやりにくくなる等作業性が悪くなり、位置の
ズレ、ガラスの破損、あるいはムリな位置調整によりシ
ワが発生して合わせガラスにした時にディストーション
の悪化等の問題が生じる。
【0013】一方、一般にエンボスの付与された中間膜
表面を粗さ計で測定した時に得られる相対負荷曲線に於
いてカッティングレベル0〜50%点での相対負荷長を
小さくしすぎると、膜滑り抵抗は小さくなるが予備圧着
工程時エンボスの潰れが早すぎる為、シール先行となり
エアーの抜け道を阻害することとなる。
【0014】そこで本発明は、脱気性、中間膜同士のブ
ロッキング性、中間膜を2枚のガラスに挿入する際の作
業性に優れた合わせガラス用中間膜及びそれを用いた合
わせガラスを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】我々は、エンボスの形状
と中間膜の機能を分割して鋭意検討を行った結果、微細
エンボス、中エンボス及び粗大エンボスの3種類のエン
ボスを形成することにより上記目的を達成し得ることを
見出し、本発明に至った。
【0016】さらに詳しくは、微細エンボスにより中間
膜同士のブロッキングを防止するとともに、エンボス高
さの異なる中エンボス及び粗大エンボスのピッチを調整
することにより脱気性を改善し、さらに粗大エンボスの
ピッチを広くとることにより2枚のガラスに中間膜を挿
入する際の作業性を改善しようとするものである。
【0017】また我々は、中間膜をガラスに挿入する時
の温度があまり高くない(10〜40℃)ことに注視
し、中間膜とガラスの接触面積を小さくすることにより
上記目的を達成し得ることを見出し、本発明に至った。
【0018】すなわち本発明は、少なくとも片面に多数
の微細な凹凸(エンボス)を有する熱可塑性樹脂シート
からなる合わせガラス用中間膜に於いて、前記エンボス
が、粗さ、ピッチ共に実質的に均一な粗大エンボス、粗
さ、ピッチ共に不定の微細エンボス、及び粗さ、ピッチ
共に実質的に均一であって前記粗大エンボスより粗さが
小さく前記微細エンボスより粗さが大きな中エンボスと
からなることを特徴とする合わせガラス用中間膜を提供
する。
【0019】前記微細エンボスの粗さRz1、ピッチ
1、前記中エンボスの粗さRz2、ピッチP2及び前記粗
大エンボスの粗さRz3、ピッチP3は、それぞれ以下の
範囲であるのが好ましい。 Rz1=8〜13μm、P1=5〜10μm Rz2=20〜50μm、P2=200〜600μm Rz3=Rz2×(1.1〜2.0)、P3≧P2
【0020】また、前記粗大エンボスの高さをH、前記
粗大エンボスの頂点を通る縦断面の底辺をL、前記縦断
面のH/2の高さでの幅をL、前記縦断面の3H/4
の高さでの幅をLとした時、L、L1及びL2が下記
(1)及び(2)の条件式を満足するのが好ましい。 (1)L/5<L1<L/2 (2)L/10<L2<L/5
【0021】以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0022】図1は、本発明の合わせガラス用中間膜を
模式的に説明する図である。すなわち、熱可塑性樹脂シ
ートからなる中間膜10には微細エンボス11、中エン
ボス12及び粗大エンボス13がそれぞれ形成されてい
る。従って、中間膜10の表面全体には3種類のエンボ
スが形成されている。
【0023】微細エンボスの粗さRz1は不定であっても
よいが、8〜13μmの範囲が好ましい。中エンボスの
粗さRz2は20〜50μmの範囲が好ましく、さらに好
ましくは25〜35μmの範囲である。また、粗大エン
ボスの粗さRz3はRz2×(1.1〜2.0)であるのが
好ましく、さらに好ましくはRz2×(1.2〜1.6)
である。なお、これらのエンボスの粗さはその高さで表
されるものであり、R z1は粗さカットOFF値を20μ
m(0.02mm)に設定してISOR406に準拠し
て測定された10点平均粗さ(測定長は8mm)であ
り、Rz2、Rz3は等高線処理された三次元粗さよりそれ
ぞれ中エンボス、粗大エンボスを抜き取り、二次元粗さ
処理して個々のエンボスの高さを読み取った上で算術平
均したものである。
【0024】微細エンボス同士のピッチP1は、不定で
あってもよいが、好ましくは5〜10μmの範囲であ
る。中エンボス同士のピッチP2は上記のように200
〜600μmの範囲が好ましい。P2が小さすぎると、
中間膜とガラスの滑り抵抗が大きくなり、作業性が悪化
したり、予備圧着工程にてエンボスが潰れ難くなってエ
アー抜け不良やシール不良が発生する。また、P2が大
きすぎると、予備圧着工程にて中間膜とガラスとの接着
が早く起きすぎ、シール先行して空気を封入してしまう
という問題を生じる。粗大エンボス同士のピッチP
3は、P2以上であるのが好ましい。P3がP2未満の場合
は、中間膜とガラスとの接触面積が大きくなって滑り抵
抗が増大するので、中間膜を2枚のガラスに挿入する際
の積層作業が困難となると同時に、脱気性においてもエ
ンボスの潰れ難さによるエアー抜け不良や中間膜とガラ
スとの接着不良を生じる。なお、P3は前記条件を満た
す限り積層作業の温度等の作業条件を考慮して任意の値
に変更することが可能である。
【0025】P1は、微細エンボスの粗さRz1の測定条
件下において測定長8mmを抜き取り、その平均線を横
切り山から谷へ向かう横断点と次の山から谷へ向かう横
断点までの間隔をpiとした場合、以下の式で求められ
る。
【数式1】 またP2及びP3は、中間膜の表面写真(×20〜50)
よりエンボスの山数をそれぞれ読み取り、平均山間隔と
して算術計算して求められる。
【0026】図2は中エンボスのピッチP2と粗大エン
ボスのピッチP3の関係を種々の条件にした場合の中間
膜表面を模式的に表したものであり、(a)はP3=P2
の場合、(b)はP3=P2×2の場合、(c)はP3
2×3の場合、(d)はP3=P2×4の場合をそれぞ
れ示す。微細エンボスのピッチP1は全て9〜11μm
である。
【0027】各エンボスの凹凸形状は特に限定されな
い。中エンボス及び粗大エンボスの形状は三角錐、四角
錐、円錐等が例示されるが、特に円錐状の錐体が好まし
い。
【0028】なお、粗大エンボスについては、次に示す
条件を満たす場合が特に好ましい。図3(a)は本発明
の合わせガラス用中間膜の表面粗さ曲線の他の例を模擬
的に表すものであり、図3(b)は粗大エンボス13の
みを拡大して表す。なお、Hは粗大エンボス13の高
さ、Lは粗大エンボス13の頂点13aを通る縦断面の
底辺の長さ、L1及びL2はそれぞれ前記縦断面のそれぞ
れH/2及び3H/4の高さでの幅を表す。これらH、
L、L1及びL2の各値は、前述の等高線三次元粗さより
粗大エンボスのみを抜き取り、LOW−FILTER3
00μmを使用した二次元粗さチャートより求めた。
【0029】粗大エンボスの底辺Lは50〜200μm
の範囲が好ましく、さらに好ましくは100〜120μ
mが好ましい。Lが大きすぎると予備圧着、本圧着工程
でエンボスの潰れ残りが発生する、また、Lが小さすぎ
ると予備圧着工程にてエンボスの潰れが早すぎるため、
シール先行やエアー溜まりが発生する。
【0030】粗大エンボスのL1及びL2は、それぞれ、
L/5<L1<L/2及びL/10<L2<L/5を満足
する値であるのが好ましい。L1及びL2の値が大きすぎ
るとガラスと中間膜との接触面積が大きくなり、滑り抵
抗が増大して作業性の悪化や不良品の発生につながる。
逆にL1及びL2の値が小さすぎると、ガラスの自重によ
り粗大エンボスの先端が潰れ、中間膜とガラスの接触面
積が増大して滑り抵抗が大きくなる。
【0031】中間膜にエンボスを形成する方法として
は、エンボスロール法、カレンダーロール法、異形押出
法等が挙げられるが、定量的に一定のエンボスを得るに
はロールエンボス法が好ましい。
【0032】本発明の中間膜に使用される材料として
は、例えばポリビニルブチラール、ポリウレタン、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−ビ
ニルアルコール共重合体、エチレン−メチルメタクリレ
ート共重合体等が挙げられ、特に可塑化ポリビニルブチ
ラールが好ましい。
【0033】次に、この様なビニル系樹脂組成物に混練
りする可塑剤としては、特に限定されるものではない
が、例えばジオクチルフタレート、ジブチルフタレー
ト、アジピン酸−ジー2−エチルヘキシル、アジピン酸
ジイソドデシル等が挙げられる。可塑剤の配合量は、ビ
ニル系樹脂に対して20〜45重量%の範囲が好まし
い。
【0034】本発明の合わせガラス用中間膜には、紫外
線吸収剤、酸化防止剤、接着調整剤等の種々の添加剤が
含有、付着されていてもよい。
【0035】本発明の合わせガラス用中間膜の肉厚は、
0.1〜2mmの範囲であるのが各種の用途に対して好
適である。
【0036】本発明の合わせガラス用中間膜は、[ガラ
ス/中間膜/ガラス]、[ガラス/中間膜/ガラス/中
間膜/熱可塑性樹脂層]、[ガラス/中間膜/熱可塑性
樹脂層]、[熱可塑性樹脂層/中間膜/ガラス/中間膜
/熱可塑性樹脂層]等の組合せの積層体に用いられる
が、これらに特に限定されるものではない。
【0037】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。な
お、本発明は以下に挙げる実施例のみに限定されず、本
発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であ
る。
【0038】各エンボスの形状、粗さ及びピッチを種々
の条件に設定して中間膜を作製し、膜滑り抵抗、ブロッ
キング性、エンボス粗さ潰れ率及び発泡性を以下に示す
方法にて調べた。
【0039】(1)膜滑り抵抗(2枚のガラスに挿入す
る際の作業性) 図4に示すように、中間膜10(50cm×50cm)
を平面平滑ガラス14(50cm×50cm)の上に置
き、その上に滑り用ガラス15(10cm×10cm、
厚さ2.5mm)を乗せ、30秒後に滑り用ガラス15
をバネばかり16を介して水平に引っ張り、その最大静
止摩擦抵抗をバネばかり16の読みから求め、繰り返し
回数5回の平均値を最大滑り摩擦係数とした。なお、測
定温度20℃、湿度40%で行った。摩擦抵抗が大きい
と、ガラスと中間膜とが滑り難くなり、位置合わせが困
難となる。
【0040】(2)ブロッキング性 中間膜を15cm×15cmに裁断して2枚積み重ね、
その上に13Kgの荷重を乗せ、室温にて24時間放置
した後、引っ張り試験にて500mm/minの速度で
180°剥離試験を行い、そのときに得られた剥離力の
平均値(繰り返し数5)を求め、この値からこの中間膜
のブロッキング性を評価した。
【0041】(3)エンボス潰れ率 中間膜を2枚の無機ガラス板の間に挟んで得られた積層
体を加熱オーブン中に通し、加熱された積層体の表面温
度を70℃に調整し、ニップロールを用いてしごき法に
よって脱気予備圧着を行い、その後冷却して中間膜とガ
ラスを剥がして中間膜表面粗さを測定し、圧着前後の粗
さの変化(圧着後の粗さ/圧着前の粗さ)×100を潰
れ率とした。潰れ率の値が小さいと、中間膜表面の空気
が抜け難く、接着力が弱いことを意味する。
【0042】(4)発泡性 上記予備圧着を60℃、70℃、80℃及び90℃で行
って得られた積層体を、それぞれ圧力13Kg/c
2、温度130℃の条件下で加圧、加熱した後、温度
を50℃に下げ、圧力を徐々に戻して合わせガラスを製
造した。予備圧着時の温度毎に、合わせガラス10枚を
ギヤオーブン中に置き、120℃で2時間加熱し、気泡
の発生した合わせガラスの枚数を表示した。
【0043】[実施例1]ポリビニルブチラール100
重量部、トリエチレングリコール−2−エチレンブチレ
ート40重量部を包含した可塑化ポリビニルブチラール
製中間膜の両表面に、エンボスロールを用いて微細エン
ボス、中エンボス及び粗大エンボスからなる3種の凹凸
を形成した。中エンボス及び粗大エンボスは独立した円
錐状であり、微細エンボス、中エンボス、粗大エンボス
の粗さはそれぞれ12μm、25μm及び35μmであ
り、ピッチはそれぞれ5〜8μm、400μm及び40
0μmであった。
【0044】[実施例2〜5]各エンボスの粗さ及びピ
ッチを表1に示すような条件とした以外は実施例1と同
様にして中間膜を得た。
【0045】[比較例1及び2]各エンボスの粗さ及び
ピッチを表1に示すような条件とした以外は実施例1と
同様にして中間膜を得た。これらの中間膜は表1に示す
通り粗大エンボスが設けられていない。
【0046】[比較例3]各エンボスの粗さ及びピッチ
を表1に示すような条件とした以外は実施例1と同様に
して中間膜を得た。これらの中間膜は表1に示す通り微
細エンボス及び粗大エンボスが設けられていない。
【0047】実施例1〜5及び比較例1〜3の中間膜の
常温における膜滑り抵抗値、ブロッキング性、エンボス
潰れ率及び発泡性を表1に合わせて示した。
【0048】
【表1】
【0049】[実施例6]ポリビニルブチラール100
重量部、トリエチレングリコール−2−エチレンブチレ
ート40重量部を包含した可塑化ポリビニルブチラール
製中間膜の両表面に、エンボスロールを用いて微細エン
ボス、中エンボス及び粗大エンボスからなる3種の凹凸
を形成した。中エンボス及び粗大エンボスは独立した円
錐状であり、微細エンボス、中エンボス、粗大エンボス
の粗さはそれぞれ12μm、25μm及び35μmであ
り、ピッチはそれぞれ5〜8μm、400μm及び40
0μmであった。また、粗大エンボスの形状は、L=1
20μm、H=35μm、L =40μm、L=20
μmであった。
【0050】[実施例7〜9]粗大エンボスのL1及び
2を表2に示すような条件とした以外は実施例6と同
様にして中間膜を得た。
【0051】[比較例4及び5]粗大エンボスのL1
びL2を表2に示すような条件とした以外は実施例6と
同様にして中間膜を得た。すなわち、比較例4の粗大エ
ンボスは釣り鐘状の形状をし、L1=80μm、L2=4
5μmであった。また、比較例5はL1=15μm、L2
=8μmであった。
【0052】[比較例6]粗大エンボスを設けないこと
以外は実施例6と同様にして中間膜を得た。
【0053】実施例6〜9及び比較例4〜6の中間膜の
常温における膜滑り抵抗値、ブロッキング性、エンボス
潰れ率及び発泡性を表2に合わせて示した。
【0054】
【表2】
【0055】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
合わせガラス用中間膜は、まず微細エンボスよる艶消し
効果を持ち、中間膜同士の耐ブロッキング性を付与す
る。次に、中エンボスのピッチを広く取ることにより、
適度なエンボス潰れ率と小さなエアー抜け抵抗が得られ
る。さらに、粗大エンボスの粗さ及びピッチを適度に設
定することにより、2枚のガラスに中間膜を挿入する際
の中間膜とガラスとの接触面積を小さくすることができ
るので、膜滑り抵抗が抑えられ、積層作業時の作業性が
改善される。
【0056】また、本発明の合わせガラス用中間膜によ
れば、中エンボス及び粗大エンボスのピッチを広くとる
ことにより、予備圧着時に凸部が適度に潰れ易くなるの
で、予備圧着工程のラインスピードを増大させることが
できる。
【0057】さらに、粗大エンボスの形状を特定形状に
することにより、2枚のガラスに膜を挿入する時の膜と
ガラスの接触面積を小さくすることができ、膜滑り抵抗
を抑え、積層作業の自動化や高速化に対応することがで
きる。
【0058】さらに、上記中間膜を用いた合わせガラス
は生産性良く製造することができ、大幅なコストダウン
を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の合わせガラス用中間膜のエンボスの配
置例を示す模式図であり、(a)は平面配置を、(b)
は断面形状をそれぞれ示す。
【図2】本発明の合わせガラス用中間膜に異なるピッチ
のエンボスを形成する例を示す模式図である。
【図3】本発明の合わせガラス用中間膜に特定形状の粗
大エンボスを含む3種のエンボスを形成する他の例を示
す模式図である。
【図4】膜滑り抵抗の測定方法を示す図である。
【符号の説明】
10 中間膜 11 微細エンボス 12 中エンボス 13 粗大エンボス 13a 頂点 14 平滑平面ガラス 15 滑り用ガラス 16 バネばかり

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも片面に多数の微細な凹凸(エ
    ンボス)を有する熱可塑性樹脂シートからなる合わせガ
    ラス用中間膜に於いて、前記エンボスが、粗さ、ピッチ
    共に実質的に均一な粗大エンボス、粗さ、ピッチ共に不
    定の微細エンボス、及び粗さ、ピッチ共に実質的に均一
    であって前記粗大エンボスより粗さが小さく前記微細エ
    ンボスより粗さが大きな中エンボスとからなることを特
    徴とする合わせガラス用中間膜。
  2. 【請求項2】 前記微細エンボスの粗さRz1、ピッチP
    1、前記中エンボスの粗さRz2、ピッチP2及び前記粗大
    エンボスの粗さRz3、ピッチP3がそれぞれ以下の範囲
    である請求項1記載の合わせガラス用中間膜。 Rz1=8〜13μm、P1=5〜10μm Rz2=20〜50μm、P2=200〜600μm Rz3=Rz2×(1.1〜2.0)、P3≧P2
  3. 【請求項3】 前記粗大エンボスの高さH、前記粗大エ
    ンボスの頂点を通る縦断面の底辺L、前記縦断面のH/
    2の高さでの幅L1、前記縦断面の3H/4の高さでの
    幅L2とした時、L、L1及びL2が下記(1)及び
    (2)の条件式を満足することを特徴とする請求項1記
    載の合わせガラス用中間膜。 (1)L/5<L1<L/2 (2)L/10<L2<L/5
JP9481894A 1993-11-22 1994-05-09 合わせガラス用中間膜 Pending JPH07187728A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002265889A (ja) * 2001-01-05 2002-09-18 Nitto Denko Corp 粘着テープ用支持体及び粘着テープ
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TWI549816B (zh) * 2012-06-08 2016-09-21 長春石油化學股份有限公司 夾層玻璃用之中間膜及含其之夾層玻璃
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