JPH07187592A - フォークリフトにおけるホース等の外れ止め装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フォークリフトにおけるホース等の外れ止め
装置において、プーリ掛けされたホースの外れ止め機能
を高める。 【構成】 ホース規制部１６を丸棒材によりループ状に
形成する。そしてこのホース規制部１６をホースプーリ
１１の上部に被さる如く配置し、該ホースプーリ１１に
対して径方向から相対する部分１６ａと軸方向から相対
する部分１６ｂ及びプレート１７によりホースプーリ１
１に対してホース１０が自由に動くことを抑制する構成
とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、左右のマスト間の中央
にフリーリフトシリンダが配置されるフリーリフト式フ
ォークリフトにおいて、フリーリフトシリンダに沿って
配設されるリフトチェーン及びホースがチェーンホイー
ルやホースプーリから外れることを防止するための装置
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の外れ止め装置としては、
図５に示すものと、図６に示すものとが知られている。
図５及び図６には、例えば三段マスト機構を備えたフリ
ーリフト式フォークリフトに適用されるフリーリフトシ
リンダが示されている。一般に、フリーリフトシリンダ
３１は左右のマスト間に配置されてインナマストのタイ
ビームで支持されており、そのピストンロッド３２の頂
部にはホイールサポート３３が固着され、このホイール
サポート３３の左右両側部に取付けられたチェーンホイ
ール３５にはリフトチェーン３４が掛装され、また、ホ
イールサポート３３の中央上部にプーリサポート３８を
介して取付けられたホースプーリ３７には油圧アクチュ
エータを有するアタッチメントの油圧配管用のホース３
６が掛装されている。

【０００３】上記の如きフリーリフト式フォークリフト
において、図５に示す外れ止め装置は、横長のプレート
を折り曲げることにより、両端下部に外張出部を有する
略門形のチェーン・ホース規制部材４０を構成したもの
である。そして、このチェーン・ホース規制部材４０は
両端部のチェーン規制部４０ａがホイール３５の上方に
相対し、中央のホース規制部４０ｂがプーリ３７の上方
に相対するように配設した状態で、ホースプーリ３７の
支持軸３９とプーリサポート３８との３箇所にボルト４
１にて取付けられている。

【０００４】また、図６に示す外れ止め装置は、チェー
ン規制部を構成する略Ｌ字形プレート４２ａに、ホース
規制部を構成する２本の棒材４２ｂを溶接等にて固着す
ることにより左右２個のチェーン・ホース規制部材４２
を構成し、それら２個のチェーンホース規制部材４２を
ホースプーリ３７の支持軸３９にそれぞれボルト４３に
て個々に固着したものである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した従
来の外れ止め装置においては、下記のごとき点で不具合
があった。すなわち、図５の外れ止め装置においては、
プーリサポート３８と、チェーン・ホース規制部材４０
が上方に突出するため、運転席からの前方視野が悪くな
る。また、図６の外れ止め装置においては、個々のホー
ス３６に対して取付ける必要があるため、部品点数が多
くなり、取付角度も調整してボルト４３にて固定する必
要がある。さらに、図５及び図６のいずれの場合もチェ
ーン・ホース規制部材４０，４２がチェーンホイール３
５及びホースプーリ３７に掛装されたリフトチェーン３
４及びホース３６に対してそれぞれその径方向から相対
することにより、それらの浮き上がりを規制するように
したものであって、軸方向に関しては特に規制するもの
ではなかった。そのため、緩みが生じたときに横方向に
も動く可能性のある可撓性のホース３６については、従
来の外れ止め装置では外れ止め機能が十分ではなかっ
た。

【０００６】そこで本発明は、上述の問題に鑑み、前方
視野が広く、簡単な構成として組付性を良くするととも
に、少なくともホースに対して径方向と軸方向との両方
向に関する規制を行うことにより、外れ止め機能を高め
たフォークリフトにおけるホース等の外れ止め装置を提
供することを、解決すべき技術的課題とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は次のように構成したものである。すなわ
ち、請求項１の発明は、フォークリフトのフリーリフト
シリンダ頂部に設けたホースプーリに掛装されたホース
及びチェーンホイールに掛装されたリフトチェーンの外
れ止めを行うための外れ止め装置であって、前記ホース
を規制するホース規制部と、前記リフトチェーンを規制
するチェーン規制部とを備え、前記ホース規制部を棒材
によりループ状に形成し、これを前記ホースプーリの上
部に被さる如く配置したことを特徴としている。請求項
２の発明は、請求項１記載のホース等の外れ止め装置に
おいて、前記ホース規制部と前記チェーン規制部とが一
体化されたことを特徴としている。

【０００８】

【作用】上述のように構成された請求項１及び請求項２
の発明に係るホース等の外れ止め装置においては、ホー
スプーリの上部に被さる如く配置されたループ状のホー
ス規制部が、ホースの緩み時に起き得る径方向と軸方向
との両方向に関する自由な動きを規制する。また、請求
項２の発明においては、外れ止め装置を一部品として取
り扱うことが可能となる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体
的に説明する。まず、本実施例に係る外れ止め装置の適
用対象物について、図２〜図４に基づいて説明する。図
には、フリーリフト式フォークリフトのフリーリフトシ
リンダ１が示されている。このフリーリフトシリンダ１
は、通常リフトブラケットの昇降用として使用され、図
示省略の左右のマスト間中央部に配置されるとともに、
その本体がインナマストのタイビームによって支持さ
れ、ピストンロッド２は自由状態となっている。

【００１０】しかして、ピストンロッド２の頂部にはホ
イールサポート３が固着され、このホイールサポート３
の左右両側部には左右一対のリフトチェーン４を掛装す
るためのチェーンホイール５が支軸６を介して回転可能
に取付けられている。また、一方のチェーンホイール５
の支軸６には２本１組の油圧配管用のホース７を掛装す
るホースプーリ８が回転可能に取付けられている。さら
にまた、前記ホイールサポート３の中央上部にはプーリ
サポート９が直立状に固着され、このプーリサポート９
には２本１組の油圧配管用のホース１０を掛装するホー
スプーリ１１が支軸１２を介して回転可能に取付けられ
ている。すなわち、本実施例では、フリーリフトシリン
ダ１の頂部において、ホイールサポート３の側方と上方
にそれぞれ１組ずつのホースプーリ８，１１が配置され
た構成となっている。

【００１１】次に、上記したリフトチェーン４及びホー
ス７，１０の外れ止めを行うためのホース等の外れ止め
装置について説明する。本実施例に係るホース等の外れ
止め装置は、図１に示す如き外れ止め用規制部材１３か
ら構成される。この外れ止め用規制部材１３は、左右の
リフトチェーン４用の２つのチェーン規制部１４と、側
方のホース８用及び上方のホース１１用の２つのホース
規制部１５，１６とから構成されている。

【００１２】しかして、チェーン規制部１４は横長のプ
レートを略Ｌ字状に折り曲げることで形成され、その直
立片には取付孔１４ａを備えている。また、側方のホー
ス８用のホース規制部１５は、丸棒材を折り曲げること
により略平面コ字状に形成されている。一方、上方のホ
ース１１用のホース規制部１６は、丸棒材を折り曲げる
ことにより略方形のループ状に形成されるとともに、さ
らにそのループが対向する丸棒材間に横架されたプレー
ト１７によって２つのホースプーリ１１に対応するよう
に仕切られている。なお、プレート１７の中央部には取
付孔１７ａが設けられている。

【００１３】そして、左右のチェーン規制部１４はその
直立片上端部が上方のホース１１用のホース規制部１６
に左右対称形に結合され、また一方のチェーン規制部１
４の水平片端部に側方のホース８用のホース規制部１５
が結合され、かくしてチェーン規制部１４とホース規制
部１５，１６とが一体構造とされている。なお、上記結
合は溶接により行われている。

【００１４】上述の如く構成された外れ止め用規制部材
１３は、図２〜図４に示す如くチェーン規制部１４の取
付孔１４ａと、ホース規制部１６のプレート１７の取付
孔１７ａを用いて前記ホースプーリ１１の支軸１２の端
面とプーリサポート９の上面にそれぞれボルト１８によ
り固定される。

【００１５】このように取付けられた外れ止め用規制部
材１３は、ループ状のホース規制部１６が上方位置のホ
ースプーリ１１に対して上方から被さるように配置され
る。従って、図４に示すように、ホースプーリ１１に対
して径方向から相対する丸棒部分１６ａによりホース１
０の浮き上がりを抑制し、またホースプーリ１１に対し
て軸方向から相対する丸棒部分１６ｂ及びプレート１７
によりホース１０の横方向の動きを規制する。このこと
により、ホース１０はその径方向及び軸方向の両方向の
動きを規制される結果、ホース規制部１６によるホース
１０の外れ止め機能は、従来のものに比べて大幅に向上
される。

【００１６】また、最上位のホース規制部１６がホース
プーリ１１の頂部よりも低い位置に配置されるため、ホ
ースプーリ１１の上方に配置するタイプの外れ止め装置
に比較してフリーリフトシリンダ１の全高を低く抑える
ことが可能となり、このことはフリーリフト量を稼ぐ上
で有効となるとともに前方視野の改善につながるもので
ある。

【００１７】一方、外れ止め用規制部材１３のチェーン
規制部材１４はチェーンホイール５の上方に一定間隔を
置いて相対する。このことによりリフトチェーン４のチ
ェーンホイール５からの浮き上がりによる離脱を防止す
る。この場合において、リフトチェーン４はその緩み時
において、その構造上、径方向については自由度がある
ものの、軸方向には自由度がほとんど無いため、径方向
の浮き上がりを抑制することで十分な外れ止め効果を得
ることが可能である。

【００１８】また、外れ止め用規制部材１３におけるコ
字状のホース規制部１５は側方位置のホースプーリ８に
対して上方から被さる如く配置され、ホースプーリ８に
対して径方向から相対し、ホース７のホースプーリ８か
らの浮き上がりを抑制することにより、ホース７の離脱
を防止することができるが、これについても上方のホー
ス規制部１６と同様にループ状に形成して外れ止め効果
を高めるように構成することが可能である。

【００１９】また、本実施例では、外れ止め用規制部材
１３を一体構造とし、１部材として取り扱い得るため、
取付部材が少なくて済むとともに、組付け作業の容易化
を図ることができる。さらに本実施例では、ホース規制
部１５，１６を丸棒材により形成してあるため、ホース
７，１０に接触したときのホースの損傷防止を図る上で
有効であるが、必ずしも丸棒である必要はない。

【００２０】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明の外れ止め
装置によれば、ホースを径方向と軸方向との両方向から
規制するようにしたことにより、ホースのホースプーリ
からの外れ止め効果を向上することができる。また、前
方視野を広くできるとともに、組付け作業等を簡便化す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係る外れ止め装置の斜視図で
ある。

【図２】外れ止め装置を適用対象物に組付けた状態の正
面図である。

【図３】同じく側面図である。

【図４】同じく平面図である。

【図５】従来の外れ止め装置を示す正面図である。

【図６】従来の他の外れ止め装置を示す正面図である。

【符号の説明】

１…フリーリフトシリンダ ４…リフトチェーン ５…チェーンホイール ７…ホース ８…ホースプーリ １０…ホース １１…ホースプーリ １３…外れ止め用規制部材 １４…チェーン規制部 １５，１６…ホース規制部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 フォークリフトのフリーリフトシリンダ
   頂部に設けたホースプーリに掛装されたホース及びチェ
   ーンホイールに掛装されたリフトチェーンの外れ止めを
   行うためのホース等の外れ止め装置であって、 前記ホースを規制するホース規制部と、前記リフトチェ
   ーンを規制するチェーン規制部とを備え、前記ホース規
   制部を棒材によりループ状に形成し、これを前記ホース
   プーリの上部に被さる如く配置したホース等の外れ止め
   装置。
2. 【請求項２】 前記ホース規制部と前記チェーン規制部
   とが一体化された請求項１記載のホース等の外れ止め装
   置。