JPH0718675Y2 - 板材供給装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の技術分野 本考案は、板材を積み重ね状態として供給する装置に関
する。

従来技術 マガジン方式の板材供給装置では、板材が積み重ね位置
でマガジンの上に積み込まれ、供給位置まで搬入され
る。このマガジン上で、積み重ね状態の板材は、マガジ
ン上の整列用ガイドによって、４方から挟み込まれ、平
面方向にずれない状態に保持されている。このため、供
給位置でマガジン上の板材がすべてプレス機械などに供
給されなければ、そのマガジンは、空とならず、積み込
み位置まで戻せないことになる。

そこで、従来のこの種の供給装置では、プレス機械へ板
材を連続的に供給するために、２つのマガジンが用意さ
れ、これらのマガジンが積み重ね状態の板材とともに供
給位置に交互に供給される。このような従来の装置によ
ると、２以上のマガジンが必要となり、またそのマガジ
ンの交互供給のために、専用の搬入搬出装置が必要とな
る。

考案の目的 したがって、本考案の目的は、２以上のマガジンを必要
とせずに、積み重ね状態の板材を整列状態のまま、連続
的にプレス機械などに供給できるようにすることであ
る。

考案の解決手段 上記目的の下に、本考案は、マガジン上で積み重ね状態
の板材を少なくとも後端側の端面でガイドによって整列
させるとともに、前進側の端面をマガジン上でなく、供
給位置に設けたストッパーガイドによって規制すること
により、積み重ね状態の板材を供給位置でリフターによ
って持ち上げた後、当該マガジンを後退方向に移動でき
るようにしている。

このようにすると、積み重ね状態の板材がマガジンによ
って供給位置まで搬入され、リフターによって持ち上げ
られた時点で、当該マガジンが後退方向に移動可能な状
態となるため、次の供給に備えて、当該マガジン上に板
材の積み込みができることになる。これによって、１つ
のマガジンによって積み重ね状態の板材の連続的な供給
が可能となる。

考案の構成 第１図ないし第４図は、本考案の板材供給装置１の構成
を示している。

この板材供給装置１は、マガジン２およびリフター３に
よって構成されている。このマガジン２は、上面で板材
４を積み込み位置で積み重ね状態で載せ、供給位置まで
前進し、そこで当該板材４を１枚ずつプレス機械などに
供給するためのものであり、その上方で複数の整列用の
ガイド５を備えている。これらのガイドは、積み重ね状
態の板材４を平面方向に整列状態とするために、少なく
ともマガジン２の前進方向の後端側に設けられており、
必要に応じ前進方向の両側方にも設けられている。

そして、このマガジン２は、台車６の上に載せられてお
り、このマガジン２および台車６は、積み重ね状態の板
材４の下方で、前方側で開放する開口部７、８を形成し
ている。

一方、この積み重ね状態の板材４は、供給位置まで移動
した時点で、前進側端面でストッパーガイド９によって
規制される。すなわちストッパーガイド９は、積み重ね
状態の板材４の供給位置で、それらの前方側の側面に接
し、搬入時の前進限を決定し、かつ移動方向のずれを規
制するために、供給位置の取り付け台10などに固定され
ている。

また、上記リフター３は、供給位置の下方で、昇降手段
例えば昇降シリンダー11のピストンロッド12に取り付け
られており、開口部７、８の内部を通って、マガジン２
の上面よりも上方に昇降自在に取り付けられている。な
お、この昇降シリンダー11は、例えば取り付け台10に取
り付けられている。

考案の作用 マガジン２が台車６とともに後退し、積み込み位置にあ
るとき、板材４は、第１図のように、マガジン２の上に
上方からまたは前方側から積み重ね状態で積み込まれ
る。このとき、複数のガイド５は、板材４の後退側端面
および両側面の端面に接し、積み重ね状態の板材４を整
列状態としている。この状態で、台車６は、プッシャー
装置または作業員によって、積み込み位置から前進し、
供給位置まで移動する。台車６が供給位置まで移動する
と、板材４の前進側端面がストッパーガイド９に当たる
ため、積み重ね状態の板材４は、第２図のように、積み
込み位置から供給位置まで移動する過程で、移動方向に
も完全な整列状態となり、しかもストッパーガイド９に
当たって、供給位置で正確に位置決めされる。

この状態で、リフター３は、第３図のように、昇降シリ
ンダー11によって開口部７、８を経て、マガジン２の上
面よりも上方に移動することによって、マガジン２上の
積み重ね状態の板材４を所定の高さまで持ち上げる。こ
の上昇過程でも、積み重ね状態の板材４は、ガイド５お
よびストッパーガイド９によってずれないように規制さ
れているため、整列状態のままとなっている。このよう
にして、積み重ね状態の板材４は、マガジン２からリフ
ター３の上に乗り移る。この時点で、マガジン２は、プ
ッシャー装置の後退動作または人手によって、第４図の
ように、台車６とともに後退し、積み込み位置まで移動
して、そこで次の板材４の供給に備えて、板材４を積み
込める状態となる。もちろん、開口部７、８が前方側で
開放しているため、マガジン２および台車６は、昇降シ
リンダー11のピストンロッド12と干渉しない状態で後退
できる。

この後、積み重ね状態の板材４は、バキュームチャック
式のフィーダー装置などによって、上から順次１枚ずつ
取り出され、プレス機械などに供給される。この供給中
に、リフター３は、昇降シリンダー11によって、常に同
じ高さとなるように制御される。なお、積み重ね状態の
板材４は、リフター３の上から１枚ずつ取り出される過
程で、ストッパーガイド９によって前端側でのみ規制さ
れていて、他の３方側で規制されていない。もし、３方
側でも位置規制の必要があるときには、マガジン２が積
み込み位置まで後退した後、板材４の後端側および両側
面側にエアシリンダーなどによって、ガイド５に代わる
ガイドを位置させれば、積み重ね状態の板材４は、取り
出し過程でも、ずれることなく整列状態となる。

考案の他の実施例 上記実施例は、マガジン２を台車６によって移動させて
いるが、このマガジン２は、第５図に示すように、例え
ばチェーンコンベア13などによって移動させる形式とし
てもよい。また、開口部７は、前方側で開放する状態と
して、複数形成してもよい。この場合、リフター３は、
板材４の変形を防ぐために、それぞれの開口部７に入り
込む形状として構成される。

考案の効果 本考案では、積み重ね状態の板材が積み込み位置から供
給位置まで搬入された後、リフターによって持ち上げら
れると、当該マガジンが後退方向に移動可能となるた
め、１つのマガジンでも、板材の供給中に次に供給すべ
き板材の積み込みが可能となる。また、従来の２台のマ
ガジン装置による交互供給に比較して、交互供給のため
の専用搬入搬出装置などが不必要となるため、装置全体
が簡略化できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の板材供給装置の斜面図、第２図ないし
第４図は供給動作時の垂直断面図、第５図は他の実施例
による板材供給装置の平面図である。 １……板材供給装置、２……マガジン、３……リフタ
ー、４……板材、５……ガイド、６……台車、７、８…
…開口部、９……ストッパーガイド、10……取り付け
台、11……昇降シリンダー、12……ピストンロッド、13
……チェーンコンベア。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上面で板材を積み重ね状態で載せ積み込み
   位置から供給位置まで前進し後退可能なマガジンと、こ
   のマガジン上に設けられ積み重ね状態の板材の少なくと
   も後端側の端面を整列させるガイドと、供給位置で板材
   の前進側端面に当接可能なストッパーガイドと、積み重
   ね状態の板材の下方でマガジンに前方側で開放する状態
   で設けられた開口部と、供給位置の下方にあって上記開
   口部で昇降自在に設けられ積み重ね状態の板材を支持す
   るリフターとからなることを特徴とする板材供給装置。